JP2004344006A - 濃厚な風味を持つ醸造醗酵調味料 - Google Patents

濃厚な風味を持つ醸造醗酵調味料 Download PDF

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Hidehiko Inoue
上 英 彦 井
Toyohisa Kuriyama
山 豊 寿 栗
Jiro Kataoka
岡 二 郎 片
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Abstract

【課題】濃厚な風味を持つ醸造醗酵調味料
【解決手段】しょう油製造工程から副生するオリ類を希釈して食塩濃度(g/dl)を10以上15以下とし、この希釈液にグルタミナーゼ及び小麦グルテン、しょう油麹を加えて30℃以上、55℃以下の温度で1ヶ月〜6ヶ月間反応させることにより濃厚な風味を持つ醸造醗酵調味料の製造方法および下記の条件を満たす仕込み方式による濃厚な風味を持つ醸造醗酵調味料の製造方法。
しょう油麹(A)重量、希釈オリ液(B)容量、小麦グルテン(C)重量、グルタミナーゼ(X)重量
B=(2〜3)*A、 C=(0.1〜0.2)*B、 X=(0.01〜0.05)*C

Description

【0001】
【本発明の属する技術分野】
本発明はしょう油製造時に副生するオリ液(生オリ、火入れオリ等)をグルタミナーゼ酵素としょう油麹と小麦グルテンの添加により濃厚なる醸造醗酵調味料を製造し、有効利用する方法である。
【0002】
【従来の技術】
しょう油は約400年前に中国より伝来した麹菌を利用した農作物の加工技術であり、現在では味噌、清酒と共に日本人の食生活に欠くべからざる調味料である。
【0003】
しょう油の製造方法は概略、タンパク質原料である大豆もしくは脱脂大豆を蒸煮したものと、炭水化物原料として小麦を炒ごう割砕したものを混合し、これに麹菌を接種して30℃前後の品温で麹菌を生育させ、しょう油麹を製造する。
【0004】
この様に、製造したしょう油麹に高濃度の食塩水を加え、よく混合攪拌して数ヶ月から約1年間もろ味醗酵、分解させる。
【0005】
この熟成したもろ味を圧搾して製造された液が生揚(キアゲ)である。生揚はしょう油や各種調味料の原料として流通しているが、一般にはこの生揚は冷暗所に静置して析出する不溶性物質を沈降させ上澄みを生揚としている。
【0006】
生揚はさらに加熱(火入れ)して殺菌するとともに加熱により生じた不溶性、難溶性物質を静置沈降させ(火入れオリ)しょう油とする。
【0007】
生揚や火入れ時の不溶性、難溶性物質の自然沈降による除去の操作を「オリ引き」と呼んでいる。
【0008】
オリの主成分は生揚の品質はもとより、原料や製造方法等により異なっているが通常は未分解タンパク質や酵素タンパク質、高分子多糖類、微生物菌体、難溶性アミノ酸、ペプチド等である。
【0009】
しょう油製造工程で発生するこれらのオリの量は原料、製造方法、はもとより麹の酵素活性、混入菌数、醗酵期間、温度等で千差万別である。
【0010】
発生したオリは内容成分と工程から推察出来る様に、原料を全量麹化するしょう油製造の方法は原料の一部分を麹とする味噌、清酒と異なって、非常に高濃度の酵素作用と長いもろ味醗酵期間(酵素反応期間)を経ており、もはやこれら同種の酵素ではこのままでは分解できない。またこれらオリ類は高粘度であり、菌体等の高分子であることから難ろ性である。
【0011】
よく、これらのオリ類を再度麹の仕込み水に混合したり、もろ味に混合することが見かけられるが上記の理由でこれらのオリ成分はほとんど消化分解されることがない。
【0012】
このオリのしょう油工程での循環利用は圧搾性やろ過性の阻害でろ布の破損、自然たれの減少等製造工程のトラブルや収率低下やしょう油の透明性の減少等品質面での劣化も来たす。
【0013】
これらの状況からこのオリ液の処理については、現状ではタンニン系やシリカ系の凝集剤の添加によるオリ液量の減少方法はあるものの、結局はオリ成分のろ過は不可能に近く、現状では嫌気処理(メタン醗酵)と好気処理(活性汚泥処理)やしょう油粕に添加し焼却する等の方法で処理されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は現在再利用が困難なしょう油工程で副生するオリ類を有効利用することによって、高品位の濃厚な醸造醗酵調味液を作る方法である。
【0015】
この方法の最大の課題は次の2点に集約される。
【0016】
第1の課題は、オリ成分に含まれる高分子タンパク質、多糖類等の難ろ過成分の除去、改質方法である。
【0017】
これらの成分は上述した様にそのままでは麹菌の酵素等での除去や改質は出来ない。
【0018】
第2の課題は味、風味の改善である。
【0019】
オリ溶液にはオリ成分とともに分離が出来なかった生揚やしょう油が混在しており、しょう油の味や風味は存在している。
【0020】
しかし、課題1で達成した時点での分解物は本来しょう油にない苦味成分や粘凋成分を副生することからなんらかの改質方策が必要である。
【0021】
【問題を解決する手段】
第1の解決手段
【0022】
本発明者等はこれらの改善方法について実験した。
【0023】
その結果、オリの高分子物質は高濃度の食塩存在下では麹菌酵素で分解されずに塩析された物質であることから食塩濃度を減少させると大部分は再溶解し、この時点で食塩のバリアーが解消され酵素での分解が可能になることを発見した。
【0024】
しかし、この希釈による食塩濃度の低下のみでは再溶解はするが分解は進まず、グルタミナーゼを添加することにより分解が加速されることを発見した。
【0025】
この原理の推定は下記の様である。
【0026】
しょう油のオリのタンパク質成分は酵素タンパク質が多くを占めている。
【0027】
しょう油は原料を全量麹化するために他の醸造食品に比較して基質当たりの酵素量は非常に多い。特に、この酵素は糖質分解酵素アミラーゼが多い。
【0028】
このアミラーゼ類の酵素は麹菌の性質として多量に生成するが味噌や清酒の様に主として澱粉等の分解が必要な場合と異なって、しょう油製造にはそれほど多くのアミラーゼの必要性は薄い。
【0029】
しょう油にはこのアミラーゼとともにプロテアーゼ類やその他多くの酵素類が存在するが、これらの酵素類は長いもろ味醗酵期間でも失活せずに存在し、失活してもこれらの酵素タンパク質はタンパク質科学的にはいわゆる「NATIVE」(生)な状態で存在しており、酵素のアッタクを受けにくくなっている。
【0030】
しかも、これらのタンパク質は高濃度の食塩に存在状態下で存在するため他の酵素での分解処理も効率が落ちる。
【0031】
これらの背景から、本発明者等はこれらのオリ成分の分解には第1工程として酵素活性発現のために出来るだけ食塩濃度を下げることが必要であるが、雑菌による腐敗や乳酸菌の生育を考慮して食塩濃度の下限を10g/dlとして希釈する。
【0032】
ついで第2工程として、耐塩性酵素剤としてグルタミナーゼを選択した。
【0033】
グルタミナーゼは高温、耐塩性であるばかりでなく、タンパク質を分解した時点で生成するグルタミンをピロリドンカルボン酸化せずにグルタミン酸として呈味的に高い関与が期待出来る。
【0034】
なお、グルタミナーゼは麹菌が通常普遍的に生産する酵素であるが、麹中では生産量が僅少でかつ食塩耐性が低い。
【0035】
課題2の解決手段
【0036】
問題1の解決をしてもこれからの方法で取得した分解液は希釈のために窒素濃度も薄まり調味液としては濃厚感も少ない。
【0037】
この対策としては窒素成分の増加策が必要である。
【0038】
窒素分の補填としては溶解が容易で高窒素のタンパク質として小麦グルテンを使用するのが最適であった。
【0039】
小麦グルテンはタンパク構造にグルタミン酸やグルタミンを多く含み、グルタミナーゼの存在下でうま味の強いグルタミン酸が生成する。
【0040】
しかし、このグルテンの溶解とグルタミン酸の生成にはタンパク分解酵素が必要であり、安価なプロテアーゼとしてはその種類は問わないが、窒素を溶出し多種類のプロテアーゼの混合であるしょう油麹を使用した。
【0041】
課題1、課題2の達成の条件として、これからの原料の混合液は通常のしょう油オリの場合、しょう油麹100に対して2.0〜2.5倍量の食塩濃度を最低10g/dl以上に希釈した液に希釈オリ液の10%〜20%に相当する小麦グルテンと、小麦グルテンにたいして1〜2%のグルタミナーゼを添加混合し液を加えて1ヶ月〜6ヶ月酵素処理、醗酵をおこなう。
【0042】
この場合しょう油オリの希釈液は30℃〜55℃として暖めた方が反応が良好に進捗する。
【0043】
本発明は、火入れオリと生オリの混合比率の制限は存在しないし生オリについては特に加熱の必要はないが、微生物汚染の強い場合は殺菌のための火入れが望ましい。
【0044】
本特許の有効性、有用性の実際については次の実施例にしめした。
【0045】
【発明の実施の形態】
【実施例1】
しょう油のオリ(生オリ、火入れオリの混合比率60:40、T−N1.6g/dl、食塩17g/dl)1、000Lに90℃の温水417Lを添加混合してオリ希釈液1,417Lを作る。
【0046】
この希釈オリ液に2kgのグルタミナーゼ(大和化成株式会社、C−100)2kgを溶解、次いで小麦グルテン200kgを混合しよく攪拌する。次いでしょう油麹(脱脂大豆:小麦の当重量使用)440kgを添加しよく混合。
【0047】
この時点での液温度は40℃、この液を35℃で2週間、ついで30℃に3週間置いて圧搾ろ過する。
【0048】
T−Nが3.5g/dl、食塩水濃度=11g/dlの清澄な生揚を得る。
【0049】
【実施例2】
生しょう油オリ200L(T−N、1.8g/dl、食塩17g/dl)に44.4kgの小麦グルテンと0.5kgのグルタミナーゼ(大和化成株式会社、C−100)を加ええ欲混合、これに96リッターの水を加え攪拌混合する。
【0050】
これに44.4kgのしょう油麹を添加して混合する。
【0051】
25〜30℃の醗酵室で6ヶ月熟成。T−Nが3.1g/dlの濃厚な調味液を得る。
【0052】
【発明の効果】
しょう油製造時に副生するオリ液(生オリ、火入れオリ等)は、現状ではタンニン系や
シリカ系の凝集剤の添加によりオリ液量の減少方法はあるものの、結局オリ成分のろ過は不可能に近く、嫌気処理(メタン発酵)と好気処理(活性汚泥処理)やしょう油粕に添加し焼却する等の方法で処理されている。
【0053】
本特許を用い、このオリ液から濃厚な風味を持つ醸造発酵調味料を製造することにより 今までの未利用資源の有効な利用が可能となる。

Claims (2)

  1. しょう油製造工程から副生するオリ類を希釈して食塩濃度(g/dl)を10以上15以下とし、この希釈液にグルタミナーゼ及び小麦グルテン、しょう油麹を加えて30℃以上、55℃以下の温度で1ヶ月〜6ヶ月間反応させることにより濃厚な風味を持つ醸造醗酵調味料の製造方法。
  2. 下記の条件を満たす仕込み方式による濃厚な風味を持つ醸造醗酵調味料の製造方法。
    しょう油麹(A)重量、希釈オリ液(B)容量、小麦グルテン(C)重量、グルタミナーゼ(X)重量
    B=(2〜3)*A、 C=(0.1〜0.2)*B、 X=(0.01〜0.05)*C
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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