JP2004342688A - 銅拡散バリア性絶縁膜の形成方法およびその絶縁膜 - Google Patents
銅拡散バリア性絶縁膜の形成方法およびその絶縁膜 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004342688A JP2004342688A JP2003134772A JP2003134772A JP2004342688A JP 2004342688 A JP2004342688 A JP 2004342688A JP 2003134772 A JP2003134772 A JP 2003134772A JP 2003134772 A JP2003134772 A JP 2003134772A JP 2004342688 A JP2004342688 A JP 2004342688A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- insulating film
- film
- organic silane
- diffusion barrier
- copper diffusion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
- Formation Of Insulating Films (AREA)
Abstract
【解決課題】面内均一性に優れる絶縁膜を形成する方法およびその絶縁膜を提供する。
【解決手段】有機シランと、有機シランとの沸点差が10℃以内である炭化水素とを含み、有機シランに対する前記炭化水素の重量比率が0.0001以上0.03以下であるガスをプラズマ化し、基材上に絶縁膜を形成する。
【選択図】なし
【解決手段】有機シランと、有機シランとの沸点差が10℃以内である炭化水素とを含み、有機シランに対する前記炭化水素の重量比率が0.0001以上0.03以下であるガスをプラズマ化し、基材上に絶縁膜を形成する。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置等の電子デバイス等に用いられる絶縁膜、とりわけ銅配線の銅の拡散防止機能を有する、珪素と炭素を主成分とする絶縁膜の形成方法およびその方法により得られた絶縁膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体装置の配線、コンタクト等にはアルミニウムを主体とする材料が、層間絶縁膜には酸化ケイ素を主体とする材料が用いられてきた。しかし、半導体装置の高集積化のために、半導体装置を更に微細化してゆくと、RC遅延により半導体装置の高速化が限界に達してしまう。このため、配線の抵抗を低減する目的で配線材料をアルミニウムから抵抗の小さな銅に変更したり、配線容量を低減する目的で層間絶縁膜を酸化ケイ素(比誘電率4)から比誘電率が4よりも小さないわゆる低誘電率材料に変更したりすることが検討されている。
【0003】
銅配線はアルミニウム配線よりも低抵抗であるが、熱負荷がかかると絶縁膜中に拡散しやすいという問題がある。銅の拡散が起きると、配線間でショートしたり、半導体装置が性能劣化を起こしたりする。このため、例えばデュアルダマシン法で銅配線を形成する場合、銅配線と低誘電率層間絶縁膜の間に銅の拡散を防止する銅拡散バリア性の膜を介在させた配線構造がとられる。銅拡散バリア膜には、導電膜(以下、銅拡散バリア性導電膜)と絶縁膜(以下、銅拡散バリア性絶縁膜)の2種類がある。デュアルダマシン法で銅配線を形成する場合は、銅配線埋め込み部分の側面や底面に銅拡散バリア性を有する銅拡散バリア性導導電膜が、銅配線を埋め込み化学的機械的研磨(CMP)で平坦化した後の銅配線上面には、銅拡散バリア性絶縁膜が一般に用いられる。
【0004】
銅拡散バリア性絶縁膜としては、例えば、珪素と窒素を主成分とする膜、珪素と炭素を主成分とする膜、珪素と窒素と酸素を主成分とする膜、珪素と炭素と水素を主成分とする膜、珪素と炭素と水素と窒素を主成分とする膜などが知られている。とくに、珪素と窒素を主成分とする膜、珪素と炭素を主成分とする膜は優れた銅拡散バリア膜であることが知られている。なお、従来絶縁膜として広く用いられてきた酸化珪素膜は銅拡散バリア性を有さない。
【0005】
これらの銅拡散バリア性絶縁膜の形成方法として、プラズマCVD(化学気相成長)法が知られている。プラズマCVD法は、微細構造の埋め込み特性、カバレッジ特性に優れる上、熱CVDに比べて低温で成膜が可能であり、高温で銅の拡散が懸念される銅拡散バリア性絶縁膜の形成に広く用いられている。成膜原料としては、トリメチルシラン、テトラメチルシラン等の有機シラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン等のクロロシラン、モノシラン、ジシラン、ヘキサメチルジシラザンや、前記化合物とアルゴン、ヘリウム、窒素、アンモニア、亜酸化窒素、一酸化窒素等の混合ガスなどが用いられる。
【0006】
半導体装置のトランジスタ、キャパシタ等の素子間を接続する多層配線の周囲に用いられる絶縁膜材料は、RC遅延を低減するために、低誘電率であることが求められている。RC(Resistance−Capacitance)遅延の低減には、多層配線全体の誘電率(実効誘電率)の低減が必要で、そのためには、銅拡散バリア性絶縁膜を薄膜化してその割合を減らし、低誘電率絶縁膜の割合を増やす方法等が考えられているが、銅拡散バリア性絶縁膜を薄膜化すると、膜物性の面内均一性が悪くなるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記問題を解決した均一な銅拡散バリヤ性絶縁膜を形成する方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、プラズマCVD法による絶縁膜の成膜原料、成膜条件について鋭意検討した結果、少なくとも有機シランと、該有機シランとの沸点差が10℃以内である炭化水素とを含み、かつ、該有機シランに対する該炭化水素の重量比率が0.0001以上0.03以下であるガスを用いてプラズマCVD法により成膜された絶縁膜が、銅拡散バリア性を有する炭素と珪素を主成分とする膜であり、かつ、面内均一性に優れることを見出し、本発明に至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1) 基材を静置した反応容器にガスを導入し、該ガスをプラズマ化し基材上に絶縁膜を形成する方法であって、該ガスが少なくとも有機シランと、該有機シランとの沸点差が10℃以内である炭化水素を含み、かつ、該有機シランに対する該炭化水素の重量比率が0.0001以上0.03以下であることを特徴とする絶縁膜の形成方法。に関する。
有機シランがジメチルシラン、 炭化水素が2−メチルプロパンである組み合わせ、 有機シランがトリメチルシラン、 炭化水素がn−ブタンまたは2,2−ジメチルプロパンである組み合わせ、および有機シランがテトラメチルシラン、 炭化水素が2−メチルブタンまたはn−ペンタンである組み合わせであることは好ましい態様である。
また本発明は、前記の形成方法により形成された絶縁膜。
に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明に用いる成膜方法は、基材を静置した反応容器にガスを導入した後、該ガスをプラズマ化して基材上に絶縁膜を形成する方法であり、プラズマCVD法として広く知られている。
【0011】
基材としては、シリコンウエーハ、SOI(Silicon On Insulator)ウエーハ、SiCウエーハ、化合物半導体ウエーハ、石英ガラスや、それらの表面または内部に素子、配線、絶縁膜等があらかじめ形成されたものが使用される。また、反応容器内の圧力、反応容器の温度、基材の温度は、ガスの組成等に応じて適宜選択されるが、減圧下、とくに0.01〜1000Paの圧力下が好ましく、−10℃〜500℃の基材温度で成膜することが好ましい。反応時間は、前記反応条件や目的とする膜厚に応じて適宜選択されるが、10〜90秒であることが好ましい。ガスのプラズマ化法としては、高周波プラズマ、マイクロ波プラズマ、電子サイクロトロン共鳴プラズマ、誘導結合プラズマ、ヘリコン波プラズマ等のプラズマ源があり、特に限定されない。
【0012】
本発明に用いられるガスは、少なくとも有機シランと、該有機シランとの沸点差が10℃以内、好ましくは8℃以内である炭化水素とを含み、かつ、該有機シランに対する該炭化水素の重量比率が0.0001以上、好ましくは0.001以上0.03以下、好ましくは0.01以下であるガスである。本発明における有機シランとは、例えば、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、エチルシラン、ジエチルシラン、トリエチルシラン、テトラエチルシラン、ジメチルエチルシラン、エチルジメチルシラン、n−プロピルシラン、n−ブチルシラン、イソブチルシラン、s−ブチルシラン、t−ブチルシラン、フェニルシラン、ジフェニルシラン、フェニルジメチルシラン、フェニルトリメチルシラン、ビニルシラン、ジビニルシラン、トリビニルシラン、ジメチルビニルシラン、ジエチルビニルシラン、ジフェニルビニルシラン等の珪素と炭素の結合を有する化合物が挙げられる。また本発明における炭化水素とは、例えば、プロパン、n−ブタン、2−メチルプロパン、n−ペンタン、2−メチルブタン、2,2−ジメチルプロパン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、n−ヘプタン、n−オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭素と水素からなる化合物が挙げられ、直鎖状、分岐状、環状でもよく、不飽和、飽和でもよい。
【0013】
有機シランと炭化水素の組み合わせとしては、ジメチルシラン(沸点―20℃)と2−メチルプロパン(沸点−12℃)、トリメチルシラン(沸点7℃)とn−ブタン(沸点−1℃)または2,2−ジメチルプロパン(沸点10℃)、テトラメチルシラン(沸点27℃)と2−メチルブタン(沸点28℃)またはn−ペンタン(沸点36℃)の組み合わせが、成膜速度が早く、とくに好ましい態様である。
【0014】
前記有機シランと炭化水素を含むガスは、それ以外のガスを含んでいてもよい。含まれるガスとしては、例えば、モノシラン、ジシラン等の水素化シラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン等のクロロシラン、テトラエトキシシラン、トリメトキシシラン等のアルコキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等のシロキサン、トリメチルシラノール等のシラノール、酸素、窒素、アンモニア、アルゴン・ヘリウム等の希ガス、一酸化炭素、二酸化炭素、二酸化窒素、オゾン、亜酸化窒素、モノメチルアミン等のアミン、塩化メチル等の部分ハロゲン化炭化水素、ヘキサフルオロエタン等の完全ハロゲン化炭化水素などがある。これらのガスは有機シランに対し10〜99重量%含有させることができる。
【0015】
有機シランに対する炭化水素の重量比率は0.0001以上0.03以下である。この範囲外では、面内均一性の改善効果が得られない場合がある。理由は定かでないが、プラズマ内で極端に活性の高い活性種が部分的に生じることが膜物性の不均一性の原因で、有機シランに沸点の近い炭化水素が所定割合存在する場合には、その活性種と効率良く反応して膜への影響を軽減する効果があると推定できる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0017】
(実施例1)
シリコンウエーハ基板を設置した容量結合型プラズマCVD装置の反応容器に、ジメチルシラン99.5wt%、2−メチルプロパン0.02wt%を含むガス(ジメチルシランに対する2−メチルプロパンの重量比0.0002)、および、アルゴンガスをそれぞれ20sccm、20sccmで導入した。反応装置内の圧力500Pa、基板温度300℃の条件下、印加電力200Wで1min間、プラズマを発生させて基板上に成膜を行った。
【0018】
(実施例2)
有機シランを含むガスが、トリメチルシラン99.9wt%、n−ブタン0.01wt%を含むガス(トリメチルシランに対するn−ブタンの重量比0.0001)を用いた以外は、実施例1と同様に成膜を行った。
【0019】
(実施例3)
有機シランを含むガスが、テトラメチルシラン99.5wt%、2−メチルブタン0.02wt%を含むガス(テトラメチルシランに対する2−メチルブタンの重量比0.0002)を用いた以外は、実施例1と同様に成膜を行った。
【0020】
(実施例4)
有機シランを含むガスが、ジメチルシラン97.1wt%、2−メチルプロパン2.9wt%(ジメチルシランに対する2−メチルプロパンの重量比0.03)であるガスを用いた以外は、実施例1と同条件で成膜を行った。
【0021】
(比較例1)
有機シランを含むガスが、ジメチルシラン94.1wt%、2−メチルプロパン5.9wt%(ジメチルシランに対する2−メチルプロパンの重量比0.06)であるガスを用いた以外は、実施例1と同条件で成膜を行った。
【0022】
(比較例2)
有機シランを含むガスが、トリメチルシラン99.99wt%を含み、トリメチルシランとの沸点差が10℃以内の炭化水素がガスクロマトグラフィーで検出されないガスを用いた以外は、実施例1と同条件で成膜を行った。
【0023】
(比較例3)
有機シランを含むガスが、トリメチルシラン99.1wt%、2−メチルプロパン0.2wt%(トリメチルシランに対する2−メチルプロパンの重量比0.002)であるガスを用いた以外は、実施例1と同条件で成膜を行った。
【0024】
<膜組成の分析方法>
各実施例および各比較例の薄膜について、X線回折法により定性分析した。いずれも、アモルファス炭化珪素であることが確認された。
【0025】
<膜均一性の評価方法>
シリコンウエーハ上の9箇所に直径1mmのアルミニウム電極をスパッタリングで形成し、それぞれの電極で絶縁膜の静電容量を1MHzの周波数で測定し、静電容量のばらつきを調べた。なお、静電容量は、絶縁膜の膜厚、絶縁膜の誘電率(組成や構造に影響される)に依存する値である。各実施例および各比較例の平均値、最大値、最小値の結果を表1に示す。
表1に示したように、本発明の方法により形成された絶縁膜は、面内均一性に優れる。
【表1】
【0026】
【発明の効果】
本発明の絶縁膜形成方法を用いることによって、面内均一性に優れた絶縁膜絶縁膜を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置等の電子デバイス等に用いられる絶縁膜、とりわけ銅配線の銅の拡散防止機能を有する、珪素と炭素を主成分とする絶縁膜の形成方法およびその方法により得られた絶縁膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体装置の配線、コンタクト等にはアルミニウムを主体とする材料が、層間絶縁膜には酸化ケイ素を主体とする材料が用いられてきた。しかし、半導体装置の高集積化のために、半導体装置を更に微細化してゆくと、RC遅延により半導体装置の高速化が限界に達してしまう。このため、配線の抵抗を低減する目的で配線材料をアルミニウムから抵抗の小さな銅に変更したり、配線容量を低減する目的で層間絶縁膜を酸化ケイ素(比誘電率4)から比誘電率が4よりも小さないわゆる低誘電率材料に変更したりすることが検討されている。
【0003】
銅配線はアルミニウム配線よりも低抵抗であるが、熱負荷がかかると絶縁膜中に拡散しやすいという問題がある。銅の拡散が起きると、配線間でショートしたり、半導体装置が性能劣化を起こしたりする。このため、例えばデュアルダマシン法で銅配線を形成する場合、銅配線と低誘電率層間絶縁膜の間に銅の拡散を防止する銅拡散バリア性の膜を介在させた配線構造がとられる。銅拡散バリア膜には、導電膜(以下、銅拡散バリア性導電膜)と絶縁膜(以下、銅拡散バリア性絶縁膜)の2種類がある。デュアルダマシン法で銅配線を形成する場合は、銅配線埋め込み部分の側面や底面に銅拡散バリア性を有する銅拡散バリア性導導電膜が、銅配線を埋め込み化学的機械的研磨(CMP)で平坦化した後の銅配線上面には、銅拡散バリア性絶縁膜が一般に用いられる。
【0004】
銅拡散バリア性絶縁膜としては、例えば、珪素と窒素を主成分とする膜、珪素と炭素を主成分とする膜、珪素と窒素と酸素を主成分とする膜、珪素と炭素と水素を主成分とする膜、珪素と炭素と水素と窒素を主成分とする膜などが知られている。とくに、珪素と窒素を主成分とする膜、珪素と炭素を主成分とする膜は優れた銅拡散バリア膜であることが知られている。なお、従来絶縁膜として広く用いられてきた酸化珪素膜は銅拡散バリア性を有さない。
【0005】
これらの銅拡散バリア性絶縁膜の形成方法として、プラズマCVD(化学気相成長)法が知られている。プラズマCVD法は、微細構造の埋め込み特性、カバレッジ特性に優れる上、熱CVDに比べて低温で成膜が可能であり、高温で銅の拡散が懸念される銅拡散バリア性絶縁膜の形成に広く用いられている。成膜原料としては、トリメチルシラン、テトラメチルシラン等の有機シラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン等のクロロシラン、モノシラン、ジシラン、ヘキサメチルジシラザンや、前記化合物とアルゴン、ヘリウム、窒素、アンモニア、亜酸化窒素、一酸化窒素等の混合ガスなどが用いられる。
【0006】
半導体装置のトランジスタ、キャパシタ等の素子間を接続する多層配線の周囲に用いられる絶縁膜材料は、RC遅延を低減するために、低誘電率であることが求められている。RC(Resistance−Capacitance)遅延の低減には、多層配線全体の誘電率(実効誘電率)の低減が必要で、そのためには、銅拡散バリア性絶縁膜を薄膜化してその割合を減らし、低誘電率絶縁膜の割合を増やす方法等が考えられているが、銅拡散バリア性絶縁膜を薄膜化すると、膜物性の面内均一性が悪くなるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記問題を解決した均一な銅拡散バリヤ性絶縁膜を形成する方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、プラズマCVD法による絶縁膜の成膜原料、成膜条件について鋭意検討した結果、少なくとも有機シランと、該有機シランとの沸点差が10℃以内である炭化水素とを含み、かつ、該有機シランに対する該炭化水素の重量比率が0.0001以上0.03以下であるガスを用いてプラズマCVD法により成膜された絶縁膜が、銅拡散バリア性を有する炭素と珪素を主成分とする膜であり、かつ、面内均一性に優れることを見出し、本発明に至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1) 基材を静置した反応容器にガスを導入し、該ガスをプラズマ化し基材上に絶縁膜を形成する方法であって、該ガスが少なくとも有機シランと、該有機シランとの沸点差が10℃以内である炭化水素を含み、かつ、該有機シランに対する該炭化水素の重量比率が0.0001以上0.03以下であることを特徴とする絶縁膜の形成方法。に関する。
有機シランがジメチルシラン、 炭化水素が2−メチルプロパンである組み合わせ、 有機シランがトリメチルシラン、 炭化水素がn−ブタンまたは2,2−ジメチルプロパンである組み合わせ、および有機シランがテトラメチルシラン、 炭化水素が2−メチルブタンまたはn−ペンタンである組み合わせであることは好ましい態様である。
また本発明は、前記の形成方法により形成された絶縁膜。
に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明に用いる成膜方法は、基材を静置した反応容器にガスを導入した後、該ガスをプラズマ化して基材上に絶縁膜を形成する方法であり、プラズマCVD法として広く知られている。
【0011】
基材としては、シリコンウエーハ、SOI(Silicon On Insulator)ウエーハ、SiCウエーハ、化合物半導体ウエーハ、石英ガラスや、それらの表面または内部に素子、配線、絶縁膜等があらかじめ形成されたものが使用される。また、反応容器内の圧力、反応容器の温度、基材の温度は、ガスの組成等に応じて適宜選択されるが、減圧下、とくに0.01〜1000Paの圧力下が好ましく、−10℃〜500℃の基材温度で成膜することが好ましい。反応時間は、前記反応条件や目的とする膜厚に応じて適宜選択されるが、10〜90秒であることが好ましい。ガスのプラズマ化法としては、高周波プラズマ、マイクロ波プラズマ、電子サイクロトロン共鳴プラズマ、誘導結合プラズマ、ヘリコン波プラズマ等のプラズマ源があり、特に限定されない。
【0012】
本発明に用いられるガスは、少なくとも有機シランと、該有機シランとの沸点差が10℃以内、好ましくは8℃以内である炭化水素とを含み、かつ、該有機シランに対する該炭化水素の重量比率が0.0001以上、好ましくは0.001以上0.03以下、好ましくは0.01以下であるガスである。本発明における有機シランとは、例えば、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、エチルシラン、ジエチルシラン、トリエチルシラン、テトラエチルシラン、ジメチルエチルシラン、エチルジメチルシラン、n−プロピルシラン、n−ブチルシラン、イソブチルシラン、s−ブチルシラン、t−ブチルシラン、フェニルシラン、ジフェニルシラン、フェニルジメチルシラン、フェニルトリメチルシラン、ビニルシラン、ジビニルシラン、トリビニルシラン、ジメチルビニルシラン、ジエチルビニルシラン、ジフェニルビニルシラン等の珪素と炭素の結合を有する化合物が挙げられる。また本発明における炭化水素とは、例えば、プロパン、n−ブタン、2−メチルプロパン、n−ペンタン、2−メチルブタン、2,2−ジメチルプロパン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、n−ヘプタン、n−オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭素と水素からなる化合物が挙げられ、直鎖状、分岐状、環状でもよく、不飽和、飽和でもよい。
【0013】
有機シランと炭化水素の組み合わせとしては、ジメチルシラン(沸点―20℃)と2−メチルプロパン(沸点−12℃)、トリメチルシラン(沸点7℃)とn−ブタン(沸点−1℃)または2,2−ジメチルプロパン(沸点10℃)、テトラメチルシラン(沸点27℃)と2−メチルブタン(沸点28℃)またはn−ペンタン(沸点36℃)の組み合わせが、成膜速度が早く、とくに好ましい態様である。
【0014】
前記有機シランと炭化水素を含むガスは、それ以外のガスを含んでいてもよい。含まれるガスとしては、例えば、モノシラン、ジシラン等の水素化シラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン等のクロロシラン、テトラエトキシシラン、トリメトキシシラン等のアルコキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等のシロキサン、トリメチルシラノール等のシラノール、酸素、窒素、アンモニア、アルゴン・ヘリウム等の希ガス、一酸化炭素、二酸化炭素、二酸化窒素、オゾン、亜酸化窒素、モノメチルアミン等のアミン、塩化メチル等の部分ハロゲン化炭化水素、ヘキサフルオロエタン等の完全ハロゲン化炭化水素などがある。これらのガスは有機シランに対し10〜99重量%含有させることができる。
【0015】
有機シランに対する炭化水素の重量比率は0.0001以上0.03以下である。この範囲外では、面内均一性の改善効果が得られない場合がある。理由は定かでないが、プラズマ内で極端に活性の高い活性種が部分的に生じることが膜物性の不均一性の原因で、有機シランに沸点の近い炭化水素が所定割合存在する場合には、その活性種と効率良く反応して膜への影響を軽減する効果があると推定できる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0017】
(実施例1)
シリコンウエーハ基板を設置した容量結合型プラズマCVD装置の反応容器に、ジメチルシラン99.5wt%、2−メチルプロパン0.02wt%を含むガス(ジメチルシランに対する2−メチルプロパンの重量比0.0002)、および、アルゴンガスをそれぞれ20sccm、20sccmで導入した。反応装置内の圧力500Pa、基板温度300℃の条件下、印加電力200Wで1min間、プラズマを発生させて基板上に成膜を行った。
【0018】
(実施例2)
有機シランを含むガスが、トリメチルシラン99.9wt%、n−ブタン0.01wt%を含むガス(トリメチルシランに対するn−ブタンの重量比0.0001)を用いた以外は、実施例1と同様に成膜を行った。
【0019】
(実施例3)
有機シランを含むガスが、テトラメチルシラン99.5wt%、2−メチルブタン0.02wt%を含むガス(テトラメチルシランに対する2−メチルブタンの重量比0.0002)を用いた以外は、実施例1と同様に成膜を行った。
【0020】
(実施例4)
有機シランを含むガスが、ジメチルシラン97.1wt%、2−メチルプロパン2.9wt%(ジメチルシランに対する2−メチルプロパンの重量比0.03)であるガスを用いた以外は、実施例1と同条件で成膜を行った。
【0021】
(比較例1)
有機シランを含むガスが、ジメチルシラン94.1wt%、2−メチルプロパン5.9wt%(ジメチルシランに対する2−メチルプロパンの重量比0.06)であるガスを用いた以外は、実施例1と同条件で成膜を行った。
【0022】
(比較例2)
有機シランを含むガスが、トリメチルシラン99.99wt%を含み、トリメチルシランとの沸点差が10℃以内の炭化水素がガスクロマトグラフィーで検出されないガスを用いた以外は、実施例1と同条件で成膜を行った。
【0023】
(比較例3)
有機シランを含むガスが、トリメチルシラン99.1wt%、2−メチルプロパン0.2wt%(トリメチルシランに対する2−メチルプロパンの重量比0.002)であるガスを用いた以外は、実施例1と同条件で成膜を行った。
【0024】
<膜組成の分析方法>
各実施例および各比較例の薄膜について、X線回折法により定性分析した。いずれも、アモルファス炭化珪素であることが確認された。
【0025】
<膜均一性の評価方法>
シリコンウエーハ上の9箇所に直径1mmのアルミニウム電極をスパッタリングで形成し、それぞれの電極で絶縁膜の静電容量を1MHzの周波数で測定し、静電容量のばらつきを調べた。なお、静電容量は、絶縁膜の膜厚、絶縁膜の誘電率(組成や構造に影響される)に依存する値である。各実施例および各比較例の平均値、最大値、最小値の結果を表1に示す。
表1に示したように、本発明の方法により形成された絶縁膜は、面内均一性に優れる。
【表1】
【0026】
【発明の効果】
本発明の絶縁膜形成方法を用いることによって、面内均一性に優れた絶縁膜絶縁膜を得ることができる。
Claims (2)
- 基材を静置した反応容器にガスを導入し、該ガスをプラズマ化して基材上に絶縁膜を形成する方法であって、該ガスが少なくとも有機シランと、該有機シランとの沸点差が10℃以内である炭化水素を含み、かつ、該有機シランに対する該炭化水素の重量比率が0.0001以上0.03以下であることを特徴とする絶縁膜の形成方法。
- 請求項1記載の方法により形成された絶縁膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003134772A JP2004342688A (ja) | 2003-05-13 | 2003-05-13 | 銅拡散バリア性絶縁膜の形成方法およびその絶縁膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003134772A JP2004342688A (ja) | 2003-05-13 | 2003-05-13 | 銅拡散バリア性絶縁膜の形成方法およびその絶縁膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004342688A true JP2004342688A (ja) | 2004-12-02 |
Family
ID=33525236
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003134772A Pending JP2004342688A (ja) | 2003-05-13 | 2003-05-13 | 銅拡散バリア性絶縁膜の形成方法およびその絶縁膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004342688A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009170872A (ja) * | 2007-10-09 | 2009-07-30 | Applied Materials Inc | 優勢エッチング抵抗性を具備する低k誘電バリアを得る方法 |
JP2011192902A (ja) * | 2010-03-16 | 2011-09-29 | Taiyo Nippon Sanso Corp | 層間絶縁膜の成膜方法および層間絶縁膜 |
JP2012074651A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-12 | Renesas Electronics Corp | 半導体装置、及び、その製造方法 |
-
2003
- 2003-05-13 JP JP2003134772A patent/JP2004342688A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009170872A (ja) * | 2007-10-09 | 2009-07-30 | Applied Materials Inc | 優勢エッチング抵抗性を具備する低k誘電バリアを得る方法 |
JP2011192902A (ja) * | 2010-03-16 | 2011-09-29 | Taiyo Nippon Sanso Corp | 層間絶縁膜の成膜方法および層間絶縁膜 |
JP2012074651A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-12 | Renesas Electronics Corp | 半導体装置、及び、その製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6610362B1 (en) | Method of forming a carbon doped oxide layer on a substrate | |
KR101230326B1 (ko) | 낮은 k 유전체의 전도성 재료들에 대한 접착 개선 | |
KR100407012B1 (ko) | 반도체 장치 및 그 제조 방법 | |
JP3739081B2 (ja) | 低誘電率の炭素含有酸化ケイ素の作製方法 | |
US9219037B2 (en) | Low k porous SiCOH dielectric and integration with post film formation treatment | |
KR20020042468A (ko) | 반도체 장치 및 그 제조 방법 | |
WO2013036322A1 (en) | C-rich carbon boron nitride dielectric films for use in electronic devices | |
JP2005210076A (ja) | 窒化珪素膜の成膜方法及びこの方法を使用する半導体装置の製造方法 | |
JP3701626B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
CN103199056A (zh) | 具有高机械强度的介电材料 | |
JP3532830B2 (ja) | 半導体装置及びその製造方法 | |
JP3463416B2 (ja) | 絶縁膜の製造方法および半導体装置 | |
JP3559026B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JP2004342688A (ja) | 銅拡散バリア性絶縁膜の形成方法およびその絶縁膜 | |
JP2005045058A (ja) | 銅拡散バリア性絶縁膜の形成方法およびその絶縁膜 | |
WO2004038782A1 (ja) | 半導体装置及びその製造方法 | |
JP2005310861A (ja) | 炭化窒化珪素膜の形成方法 | |
US6858548B2 (en) | Application of carbon doped silicon oxide film to flat panel industry | |
Cheng et al. | Effect of deposition temperature and oxygen flow rate on properties of low dielectric constant SiCOH film prepared by plasma enhanced chemical vapor deposition using diethoxymethylsilane | |
JP3440714B2 (ja) | シリコン化合物系絶縁膜の成膜方法 | |
SG174296A1 (en) | Cyclic amino compounds for low-k silylation | |
JP3409006B2 (ja) | 成膜方法及び半導体装置の製造方法 | |
JP3789501B2 (ja) | 半導体装置に用いられる絶縁膜構造の製造方法 | |
JP2006294671A (ja) | 低誘電率炭化珪素膜の製造方法 | |
TWI798884B (zh) | 烷氧基二矽氧烷及由其製造的密有機二氧化矽膜 |