JP2004341545A - ハロゲン化銀写真感光材料、ハロゲン化銀乳剤製造法及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の目的は、高照度での多重露光適性に優れ、走査露光においても文字品質が良好なハロゲン化銀写真感光材料、ハロゲン化銀乳剤製造法、及び画像形成方法を提供することにある。
【解決手段】 反射支持体上にそれぞれ少なくとも1層の赤感光性層、緑感光性層、青感光性層及び非感光性層からなるハロゲン化銀写真感光材料に対して、10-6秒以下の露光後、発色現像し画像形成して、得られた特性曲線上で濃度0.5を与える点と濃度1.5を与える点を通る直線を引き、その平均勾配の変動が多重露光において10%以内であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【選択図】 なし
【解決手段】 反射支持体上にそれぞれ少なくとも1層の赤感光性層、緑感光性層、青感光性層及び非感光性層からなるハロゲン化銀写真感光材料に対して、10-6秒以下の露光後、発色現像し画像形成して、得られた特性曲線上で濃度0.5を与える点と濃度1.5を与える点を通る直線を引き、その平均勾配の変動が多重露光において10%以内であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【選択図】 なし
Description
本発明はハロゲン化銀写真感光材料に関し、詳しくは高照度での多重露光適性に優れ、走査露光においても文字品質が良好なハロゲン化銀写真感光材料、ハロゲン化銀乳剤製造法、及び画像形成方法に関するものである。
近年のコンピューター技術の発達により、スキャナーで読み込んだ画像をコンピューター上で画像処理することが容易に行われるようになった。また画像のハードコピー用としてハロゲン化銀写真感光材料を利用する検討がなされ、走査露光方式による画像形成が行われるようになり、その画質向上のための技術検討もさかんに行われている。一般に光源のビーム径を小さくすることで細かい文字や像を再現できるが、その一方で露光時間が増大し、濃度ムラの発生が顕著となってくる。そのため50〜100μm程度のビーム径で露光されるのが一般的である。
濃度ムラ発生軽減のために例えば特開平4−249244号、同9−30480号にラスター間重なりを持たせる技術が開示されている。適切なビーム重なりを持たせることで画像ムラを軽減できるが、ビーム径に近い細い線と大面積部分では同じ画像データを入力しているにも関わらず色味がずれたり、大面積部分でも低濃度部と高濃度部で色味がずれたりといった現象を生じることがわかった。
また、上記の方法により画像形成を行った場合、文字画像を描く際に細かい文字が描けなかったり、縞模様が黒く潰れてしまう現象も生じる。この像滲みを防止するには塗布層や支持体中に染料やコロイド銀を含有させるのが一般的な方法である。しかし染料の増量で滲み防止効果は向上するが、写真感度の低下及び処理後の白地の着色を併発する。
特開平7−20596号には親水性コロイド層に有機減感剤を含む技術が開示されているが、明室感材の取り扱い、保存性を改良する技術であって、高照度露光時の画質改良に関しては何ら示唆していないし、その添加時期と効果の相関についても具体的な言及はない。
特開平6−11789号には化学増感剤を分割して添加する技術が開示されているが、沃臭化銀系での高感度化を目的としており高塩化銀感材の高照度露光適性改良には関しては何ら言及されていない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、高照度での多重露光適性に優れ、走査露光においても文字品質が良好なハロゲン化銀写真感光材料、ハロゲン化銀乳剤製造法、及び画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(請求項1)
反射支持体上にそれぞれ少なくとも1層の赤感光性層、緑感光性層、青感光性層及び非感光性層からなるハロゲン化銀写真感光材料に対して、10-6秒以下の露光後、発色現像し画像形成して、得られた特性曲線上で濃度0.5を与える点と濃度1.5を与える点を通る直線を引き、その平均勾配の変動が多重露光において10%以内であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
反射支持体上にそれぞれ少なくとも1層の赤感光性層、緑感光性層、青感光性層及び非感光性層からなるハロゲン化銀写真感光材料に対して、10-6秒以下の露光後、発色現像し画像形成して、得られた特性曲線上で濃度0.5を与える点と濃度1.5を与える点を通る直線を引き、その平均勾配の変動が多重露光において10%以内であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
本発明によれば、高照度での多重露光適性に優れ、走査露光においても文字品質が良好なハロゲン化銀写真感光材料、ハロゲン化銀乳剤製造法、及び画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明での特性曲線とは10-6秒以下の高照度露光後、発色現像して得られる画像について、横軸にlogE(Eは露光量)を、縦軸にD(濃度)をとってプロットした曲線である。また多重露光とは、10-6秒以下の高照度露光の際に、2度以上同じ画素に対して露光が加えられることを意味する。またその際の平均勾配の変動とは、1回の露光後発色現像により得られる特性曲線上で濃度0.5を与える点と濃度1.5を与える点を通る直線を引いた際の勾配の変動を意味する。
多重露光による濃度勾配の変動は、プリントでの色変動を意味することになり、全く平均勾配変動がない状態が理想である。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料を露光するための光源としては、Xeフラッシュライトの他に、発光ダイオード、ガスレーザー、固体レーザー、半導体レーザー、HeNeレーザー、Arレーザー、色素レーザー等が挙げられる。更に縦シングル、横マルチいずれのモードでも使用可能であり、高周波重畳による電気的変調及びSHG(第2次高調波素子)により変調した光源を使用してもよい。特にコンパクトで安価、更に寿命が長く安定性が高い装置を設計するためには半導体レーザーの使用が好ましく、露光光源の少なくとも一つは半導体レーザーを使用することが好ましい。
このような走査露光における露光時間は、画素密度400dpiとした場合の画素サイズを露光する時間として定義すると、好ましい露光時間としては10-3秒以下、より好ましくは10-6秒以下である。
本発明に係る化学増感剤は、金化合物を用いる増感法、カルコゲン増感剤を用いる増感法を組み合わせて用いることが出来る。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤に適用するカルコゲン増感剤としては、イオウ増感剤、セレン増感剤、テルル増感剤などを用いることが出来るが、イオウ増感剤が好ましい。イオウ増感剤としてはチオ硫酸塩、アリルチオカルバミドチオ尿素、アリルイソチアシアネート、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、ローダニン、無機イオウ等が挙げられる。
本発明に係る金増感剤としては、塩化金酸、硫化金等の他各種の金錯体として添加することができる。用いられる配位子化合物としては、ジメチルローダニン、チオシアン酸、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾール等を挙げることができる。
本発明に係る化学増感剤の添加量としては、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-4モル以下であることが好ましいが、より好ましくは1×10-5モル以下である。
本発明者らの検討によれば、高照度露光適性を改良されるためには、化学熟成によって形成される化学増感核の均一かつ適度な分散が必要であり、カルコゲン増感剤と金増感剤の比が重要であることがわかった。本発明に係る金増感剤に対するカルコゲン増感剤の添加モル比は0.5以下であることが必要であるが、好ましくは0.3〜0.4である。
高照度露光適性が改良されるためには、化学増感核の均一化が有効なことは上述の通りであるが、化学増感剤の添加方法の改良も有効な技術であることを本発明者らは見いだした。具体的には、化学増感剤の添加を一度に行うのでなく、分割あるいは連続的に添加する方法である。その詳細な機構については不明であるが該方法により、「化学熟成中に一度に多量に化学増感剤がハロゲン化銀乳剤中に供給されると乳剤中での増感剤の濃度不均一が生じハロゲン化銀粒子への増感作用のばらつきが生じること」を避けることができると考えられる。したがって、本発明に係る化学増感剤の添加法としては化学熟成時間全体の10%以上に渡り連続的あるいは断続的に添加することが必要であるが、50%以上に渡ることが好ましい。連続添加する場合は単位時間あたりの添加量は一定でもよいし、異なっていてもよいし、関数添加してもよい。断続的に添加する場合は添加間隔が化学熟成時間全体の10%以上であればよく、50%以上あることが好ましいが、その分割添加する際の添加量は同じでも良いし、異なっていてもよい。
本発明に係る染料は、イラジエーション防止やハレーション防止の目的で種々の波長域に吸収を有する染料を用いることができる。この目的で、公知の化合物をいずれも用いることが出来るが、特に、可視域に吸収を有する染料としては、特開平3−251840号公報308ページに記載のAI−1〜11の染料および特開平6−3770号公報記載の染料が好ましく用いられる。好ましい化合物の具体例として、同公報3ページ左下欄〜5ページ左下欄に挙げられた例示化合物(1)〜(45)を挙げることができる。
本発明で用いられる減感色素はポーラログラフの陽極電位と陰極電位の和が正である化合物が良く、そのような化合物は特許または文献に多数記載されており、いずれの減感色素も用いることができる。例えば特公昭36−17595号、同39−20261号、同40−26751号、同43−13167号、同45−8833号、同47−8746号、同47−10197号、同50−37530号、米国特許第2,271,458号、同第2,541,472号、同第3,035,917号、同第3,062,651号、同第3,124,458号等の明細書に記載の化合物が挙げられる。
また本発明に係る染料及び減感色素の添加量としては、ハロゲン化銀1モル当たり10mg以下であることが必要であるが、好ましくは5mg以下である。
本発明に係る染料及び減感色素の添加時期としては特に制限はないが、感度、階調等の基本性能と高照度露光適性の両立の点で、添加時期としては化学熟成終了時が好ましい。
一方、乳剤調製後支持体上に塗布する際に調製される塗布液中に同染料または同色素を添加した場合、多重露光適性と文字品質の両立が達成できないことから好ましくない。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤の組成は、塩化銀含有率95モル%以上であることを特徴とするが、この条件を満足すれば塩沃臭化銀、沃塩化銀、塩臭化銀、塩化銀のいずれであっても、また臭化銀含有率30モル%以上の局在相を有する塩臭化銀乳剤であっても使用することができる。
高濃度に臭化銀を含有する部分は、いわゆるコア・シェル乳剤として層を形成していてもよいし、ハロゲン化銀乳剤粒子にエピタキシー接合していて完全な層を形成せず単に部分的に組成の異なる領域が存在するだけであってもよい。臭化銀が高濃度に存在する部分は、ハロゲン化銀粒子の形成段階で作られてもよいし、それ以降の化学熟成段階、あるいは塗布液調製段階で作られてもよい。また、粒子内部と表面の組成が異なる場合、連続的に組成が変化しても良いし不連続に変化してもよい。
ハロゲン化銀乳剤粒子全体の組成にも依存するが、全ハロゲン化銀に対する臭化銀含有量が1モル%程度の時は、高濃度に臭化銀を含有する部分の臭化銀含有率は、40モル%以上であることが好ましい。このような臭化銀局在相を作るには臭化カリウムのような水溶性臭化物塩の水溶液を添加する、いわゆるコンバージョン法を用いてもよいし、同時混合法や、あらかじめ調製された臭化銀微粒子を添加し再結晶過程を利用する方法を用いてもよい。このようなハロゲン化銀粒子の例としては、特開昭58−95736号、同58−108533号、特開平1−183647号に記載された粒子などがある。
臭化銀を高濃度に含有する部分の臭化銀含量は、特開平1−183647号公報22ページ右上欄に記載の方法などを用いて求めることができる。このようにして求めた臭化銀含量が幅をもつ場合には、本発明にいう高濃度に臭化銀を含有する部分の臭化銀含量とは、その最大値を意味する。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤を得るには重金属イオンを含有させるのが有利である。このような目的に用いることの出来る重金属イオンとしては、鉄、イリジウム、白金、パラジウム、ニッケル、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、コバルト等の第8〜10族金属や、カドミウム、亜鉛、水銀などの第12族遷移金属や、鉛、レニウム、モリブデン、タングステン、ガリウム、クロムの各イオンを挙げることができる。中でも鉄、イリジウム、白金、ルテニウム、ガリウム、オスミウムの金属イオンが好ましい。
これらの金属イオンは、塩や、錯塩の形でハロゲン化銀乳剤に添加することが出来る。
前記重金属イオンが錯体を形成する場合には、その配位子としてはシアン化物イオン、チオシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、沃化物イオン、カルボニル、アンモニア等を挙げることができる。中でも、シアン化物イオン、チオシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン等が好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤に重金属イオンを含有させるためには、該重金属化合物をハロゲン化銀粒子の形成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒子の形成後の物理熟成中の各工程の任意の場所で添加すればよい。前述の条件を満たすハロゲン化銀乳剤を得るには、重金属化合物をハロゲン化物塩と一緒に溶解して粒子形成工程の全体或いは一部にわたって連続的に添加する事ができる。
前記重金属イオンをハロゲン化銀乳剤中に添加するときの量はハロゲン化銀1モル当り1×10-9モル以上1×10-2モル以下がより好ましく、特に1×10-8モル以上5×10-5モル以下が好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀粒子の形状は任意のものを用いることが出来る。好ましい一つの例は、(100)面を結晶表面として有する立方体である。また、米国特許第4,183,756号、同第4,225,666号、特開昭55−26589号、特公昭55−42737号や、ザ・ジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サイエンス(J. Photogr. Sci.)21,39(1973)等の文献に記載された方法等により、八面体、十四面体、十二面体等の形状を有する粒子をつくり、これを用いることもできる。さらに、双晶面を有する粒子を用いてもよい。
本発明に係るハロゲン化銀粒子の粒径は特に制限はないが、迅速処理性及び、感度など、他の写真性能などを考慮すると好ましくは、0.1〜1.2μm、更に好ましくは、0.2〜1.0μmの範囲である。
本発明のハロゲン化銀粒子の粒径の分布は、好ましくは変動係数が0.22以下、更に好ましくは0.15以下の単分散ハロゲン化銀粒子であり、特に好ましくは変動係数0.15以下の単分散乳剤を2種以上同一層に添加する事である。ここで変動係数は、粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって定義される。
変動係数=S/R
(ここに、Sは粒径分布の標準偏差、Rは平均粒径を表す。)
ここでいう粒径とは、球状のハロゲン化銀粒子の場合はその直径、また、立方体や球状以外の形状の粒子の場合は、その投影像を同面積の円像に換算したときの直径を表す。
(ここに、Sは粒径分布の標準偏差、Rは平均粒径を表す。)
ここでいう粒径とは、球状のハロゲン化銀粒子の場合はその直径、また、立方体や球状以外の形状の粒子の場合は、その投影像を同面積の円像に換算したときの直径を表す。
ハロゲン化銀乳剤の調製装置、方法としては、当業界において公知の種々の方法を用いることができる。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、酸性法、中性法、アンモニア法の何れで得られたものであってもよい。該粒子は一時に成長させたものであってもよいし、種粒子を作った後で成長させてもよい。種粒子を作る方法と成長させる方法は同じであっても、異なってもよい。
また、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物塩を反応させる形式としては、順混合法、逆混合法、同時混合法、それらの組合せなど、いずれでもよいが、同時混合法で得られたものが好ましい。更に同時混合法の一形式として特開昭54−48521号等に記載されているpAgコントロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。
また、特開昭57−92523号、同57−92524号等に記載の反応母液中に配置された添加装置から水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を供給する装置、ドイツ公開特許第2,921,164号等に記載された水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を連続的に濃度変化して添加する装置、特公昭56−501776号等に記載の反応器外に反応母液を取り出し、限外濾過法で濃縮することによりハロゲン化銀粒子間の距離を一定に保ちながら粒子形成を行なう装置などを用いてもよい。
更に必要で有ればチオエーテル等のハロゲン化銀溶剤を用いてもよい。また、メルカプト基を有する化合物、含窒素ヘテロ環化合物または増感色素のような化合物をハロゲン化銀粒子の形成時、または、粒子形成終了の後に添加して用いてもよい。
本発明にかかるハロゲン化銀乳剤には、ハロゲン化銀写真感光材料の調製工程中に生じるカブリを防止したり、保存中の性能変動を小さくしたり、現像時に生じるカブリを防止する目的で公知のカブリ防止剤、安定剤を用いることが出来る。こうした目的に用いることのできる好ましい化合物の例として、特開平2−146036号公報7ページ下欄に記載された一般式(II)で表される化合物を挙げることができ、さらに好ましい具体的な化合物としては、同公報の8ページに記載の(IIa−1)〜(IIa−8)、(IIb−1)〜(IIb−7)の化合物や、1−(3−メトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、1−(4−エトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール等の化合物を挙げることができる。これらの化合物は、その目的に応じて、ハロゲン化銀乳剤粒子の調製工程、化学増感工程、化学増感工程の終了時、塗布液調製工程などの工程で添加される。これらの化合物の存在下に化学増感を行う場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-5モル〜5×10-4モル程度の量で好ましく用いられる。化学増感終了時に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6モル〜1×10-2モル程度の量が好ましく、1×10-5モル〜5×10-3モルがより好ましい。塗布液調製工程において、ハロゲン化銀乳剤層に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6モル〜1×10-1モル程度の量が好ましく、1×10-5モル〜1×10-2モルがより好ましい。またハロゲン化銀乳剤層以外の層に添加する場合には、塗布被膜中の量が、1m2当り1×10-9モル〜1×10-3モル程度の量が好ましい。
本発明に係る感光材料中に、蛍光増白剤を添加する事が白地性を改良でき好ましい。好ましく用いられる化合物としては、特開平2−232652号公報記載の一般式IIで示される化合物が挙げられる。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料をカラー写真感光材料として用いる場合には、イエローカプラー、マゼンタカプラー、シアンカプラーに組み合わせて400〜900nmの波長域の特定領域に分光増感されたハロゲン化銀乳剤を含む層を有する。該ハロゲン化銀乳剤は一種または、二種以上の増感色素を組み合わせて含有する。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤に用いる分光増感色素としては、公知の化合物をいずれも用いることができるが、青感性増感色素としては、特開平3−251840号公報28ページに記載のBS−1〜8を単独でまたは組み合わせて好ましく用いることができる。緑感性増感色素としては、同公報28ページに記載のGS−1〜5が好ましく用いられる。赤感性増感色素としては同公報29ページ記載のRS−1〜8が好ましく用いられる。また、半導体レーザーを用いるなどして赤外光より画像露光を行う場合には、赤外感光性増感色素を用いる必要があるが、赤外感光性増感色素としては、特開平4−285950号公報6〜8ページに記載のIRS−1〜11の色素が好ましく用いられる。また、これらの赤外、赤、緑、青感性増感色素に特開平4−285950号公報8〜9ページに記載の強色増感剤SS−1〜SS−9や特開平5−66515号公報15〜17ページに記載の化合物S−1〜S−17を組み合わせて用いるのが好ましい。
増感色素の添加量は、増感色素の種類、適用されるハロゲン化銀乳剤のハロゲン組成、粒径等によって異なるが、ハロゲン化銀1モル当たり好ましくは5×10-5〜4×10-3モル、更に好ましくは1×10-4〜1×10-3モルの範囲で用いられる。
これらの増感色素の添加時期としては、ハロゲン化銀粒子形成から化学増感終了までの任意の時期でよい。
増感色素の添加方法としては、メタノール、エタノール、フッ素化アルコール、アセトン、ジメチルホルムアミド等の水混和性有機溶媒や水に溶解して溶液として添加してもよいし、固体分散物として添加してもよいが、固体分散物として添加することが本発明の効果を高め好ましい。
増感色素の分散方法としては、高速撹拌型分散機を用いて水系中に機械的に1μm以下の微粒子に粉砕・分散する方法以外に、特開昭58−105141号に記載のようにpH6〜8、60〜80℃の条件下で水系中において機械的に1μm以下の微粒子に粉砕・分散する方法、特公昭60−6496号に記載の表面張力を38dyne/cm以下に抑える界面活性剤の存在下に分散する方法等を用いることができる。
分散液を調製するのに用いることのできる分散装置としては、例えば、特開平4−125631号公報第1図に記載の高速撹拌型分散機の他、ボールミル、サンドミル、超音波分散機等を挙げることができる。
また、これらの分散装置を用いるに当たって、特開平4−125632号に記載のように、あらかじめ乾式粉砕などの前処理を施した後、湿式分散を行う等の方法をとってもよい。
複数の増感色素を組み合わせて用いる場合には、二つの増感色素は別々に添加しても、予め混合した後これを添加してもよい。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に用いられるカプラーとしては、発色現像主薬の酸化体とカップリング反応して340nmより長波長域に分光吸収極大波長を有するカップリング生成物を形成し得るいかなる化合物をも用いることが出来るが、特に代表的な物としては、波長域350〜500nmに分光吸収極大波長を有するイエロー色素形成カプラー、波長域500〜600nmに分光吸収極大波長を有するマゼンタ色素形成カプラー、波長域600〜750nmに分光吸収極大波長を有するシアン色素形成カプラーとして知られているものが代表的である。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に好ましく用いることのできるシアンカプラーとしては、特開平4−114154号公報5ページ左下欄に記載の一般式(C−I)、(C−II)で表されるカプラーを挙げることができる。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に好ましく用いることのできるマゼンタカプラーとしては、特開平4−114154号公報4ページ右上欄に記載の一般式(M−I)、(M−II)で表されるカプラーを挙げることができる。上記マゼンタカプラーのうちより好ましいのは、同号公報4ページ右上欄に記載の一般式(M−I)で表されるカプラーであり、そのうち、上記一般式(M−I)のRMが3級アルキル基であるカプラーが耐光性に優れ特に好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に好ましく用いることのできるイエローカプラーとしては、特開平4−114154号公報3ページ右上欄に記載の一般式(Y−I)で表されるカプラーを用いることができる。具体的な化合物は、同公報3ページ左下欄以降にYC−1〜YC−9として記載されているものを挙げることができる。中でも同公報の一般式[Y−1]のRY1がアルコキシ基であるカプラーまたは特開平6−67388号公報記載の一般式[I]で示されるカプラーは好ましい色調の黄色を再現でき好ましい。また、特開平4−81847号公報1ページおよび同号公報11ページ〜17ページに記載の一般式[Y−1]で示される化合物も使用することができる。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に用いられるカプラーやその他の有機化合物を添加するのに水中油滴型乳化分散法を用いる場合には、通常、沸点150℃以上の水不溶性高沸点有機溶媒に、必要に応じて低沸点及び/または水溶性有機溶媒を併用して溶解し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダー中に界面活性剤を用いて乳化分散する。分散手段としては、撹拌機、ホモジナイザー、コロイドミル、フロージェットミキサー、超音波分散機等を用いることができる。分散後、または、分散と同時に低沸点有機溶媒を除去する工程を入れてもよい。カプラーを溶解して分散するために用いることの出来る高沸点有機溶媒としては、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル類、トリクレジルホスフェート、トリオクチルフタレート等のリン酸エステル類、が好ましく用いられる。また高沸点有機溶媒の誘電率としては3.5〜7.0である事が好ましい。また二種以上の高沸点有機溶媒を併用することもできる。
また、高沸点有機溶媒を用いる方法に代えて、または高沸点有機溶媒と併用して、水不溶性かつ有機溶媒可溶性のポリマー化合物を、必要に応じて低沸点及び/または水溶性有機溶媒に溶解し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダー中に界面活性剤を用いて種々の分散手段により乳化分散する方法をとることもできる。この時用いられる水不溶性で有機溶媒可溶性のポリマーとしては、ポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)等を挙げることができる。
写真用添加剤の分散や塗布時の表面張力調整のため用いられる界面活性剤として好ましい化合物としては、1分子中に炭素数8〜30の疎水性基とスルホン酸基またはその塩を含有するものが挙げられる。具体的には特開昭64−26854号公報記載のA−1〜A−11が挙げられる。またアルキル基に弗素原子を置換した界面活性剤も好ましく用いられる。これらの分散液は通常ハロゲン化銀乳剤を含有する塗布液に添加されるが、分散後塗布液に添加されるまでの時間、および塗布液に添加後塗布までの時間は短いほうがよく各々10時間以内が好ましく、3時間以内、20分以内がより好ましい。
上記各カプラーには、形成された色素画像の光、熱、湿度等による褪色を防止するため褪色防止剤を併用することが好ましい。特に好ましい化合物としては、特開平2−66541号公報3ページ記載の一般式IおよびIIで示されるフェニルエーテル系化合物、特開平3−174150号公報記載の一般式IIIBで示されるフェノール系化合物、特開昭64−90445号公報記載の一般式Aで示されるアミン系化合物、特開昭62−182741号公報記載の一般式XII、XIII、XIV、XVで示される金属錯体が特にマゼンタ色素用として好ましい。また特開平1−196049号公報記載の一般式I′で示される化合物および特開平5−11417号公報記載の一般式IIで示される化合物が特にイエロー、シアン色素用として好ましい。
発色色素の吸収波長をシフトさせる目的で、特開平4−114154号公報9ページ左下欄に記載の化合物(d−11)、同公報10ページ左下欄に記載の化合物(A′−1)等の化合物を用いることができる。また、これ以外にも米国特許4774187号に記載の蛍光色素放出化合物を用いることも出来る。
本発明に係わるハロゲン化銀感光材料には、現像主薬酸化体と反応する化合物を感光層と感光層の間の層に添加して色濁りを防止したりまたハロゲン化銀乳剤層に添加してカブリ等を改良する事が好ましい。このための化合物としてはハイドロキノン誘導体が好ましく、さらに好ましくは2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノンのようなジアルキルハイドロキノンである。
本発明に係る感光材料中には紫外線吸収剤を添加してスタチックカブリを防止したり色素画像の耐光性を改良する事が好ましい。好ましい紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール類が挙げられ、特に好ましい化合物としては特開平1−250944号公報記載の一般式III−3で示される化合物、特開昭64−66646号公報記載の一般式IIIで示される化合物、特開昭63−187240号公報記載のUV−1L〜UV−27L、特開平4−1633号公報記載の一般式Iで示される化合物、特開平5−165144号公報記載の一般式(I)、(II)で示される化合物が挙げられる。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料には、バインダーとしてゼラチンを用いることが有利であるが、必要に応じて他のゼラチン、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外のタンパク質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一あるいは共重合体のごとき合成親水性高分子物質等の親水性コロイドも用いることができる。
これらバインダーの硬膜剤としてはビニルスルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独または併用して使用する事が好ましい。特開昭61−249054号、同61−245153号公報記載の化合物を使用する事が好ましい。また写真性能や画像保存性に悪影響するカビや細菌の繁殖を防ぐためコロイド層中に特開平3−157646号公報記載のような防腐剤および抗カビ剤を添加する事が好ましい。また感光材料または処理後の試料の表面の物性を改良するため保護層に特開平6−118543号公報や特開平2−73250号公報記載の滑り剤やマット剤を添加する事が好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に用いる支持体としては、どのような材質を用いてもよく、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートで被覆した紙、天然パルプや合成パルプからなる紙支持体、塩化ビニルシート、白色顔料を含有してもよいポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート支持体、バライタ紙などを用いることができる。なかでも、原紙の両面に耐水性樹脂被覆層を有する支持体が好ましい。耐水性樹脂としてはポリエチレンやポリエチレンテレフタレートまたはそれらのコポリマーが好ましい。
支持体に用いられる白色顔料としては、無機及び/または有機の白色顔料を用いることができ、好ましくは無機の白色顔料が用いられる。例えば硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等があげられる。白色顔料は好ましくは硫酸バリウム、酸化チタンである。
支持体の表面の耐水性樹脂層中に含有される白色顔料の量は、鮮鋭性を改良するうえで13質量%以上が好ましく、さらには15質量%以上が好ましい。
本発明に係る紙支持体の耐水性樹脂層中の白色顔料の分散度は、特開平2−28640号公報に記載の方法で測定することができる。この方法で測定したときに、白色顔料の分散度が前記公報に記載の変動係数として0.20以下であることが好ましく、0.15以下であることがより好ましい。
また、支持体の中心面平均粗さ(SRa)の値が0.15μm以下、さらには0.12μm以下であるほうが光沢性がよいという効果が得られより好ましい。また反射支持体の白色顔料含有耐水性樹脂中や塗布された親水性コロイド層中に処理後の白地部の分光反射濃度バランスを調整し白色性を改良するため群青、油溶性染料等の微量の青味付剤や赤味付剤を添加する事が好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料は、必要に応じて支持体表面にコロナ放電、紫外線照射、火炎処理等を施した後、直接または下塗層(支持体表面の接着性、帯電防止性、寸度安定性、耐摩擦性、硬さ、ハレーション防止性、摩擦特性及び/またはその他の特性を向上するための1または2以上の下塗層)を介して塗布されていてもよい。
ハロゲン化銀乳剤を用いた写真感光材料の塗布に際して、塗布性を向上させるために増粘剤を用いてもよい。塗布法としては2種以上の層を同時に塗布することの出来るエクストルージョンコーティング及びカーテンコーティングが特に有用である。
本発明は現像主薬を感光材料中に内蔵していない感光材料に適用するのが好ましく、特に直接鑑賞用の画像を形成する感光材料に適用する事が好ましい。例えばカラーペーパー、カラー反転ペーパー、ポジ画像を形成する感光材料、ディスプレイ用感光材料、カラープルーフ用感光材料をあげる事ができる。特に反射支持体を有する感光材料に適用する事が好ましい。
本発明において用いられる芳香族一級アミン現像主薬としては、公知の化合物を用いることができる。これらの化合物の例として下記の化合物を上げることができる。
CD−1) N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン
CD−2) 2−アミノ−5−ジエチルアミノトルエン
CD−3) 2−アミノ−5−(N−エチル−N−ラウリルアミノ)トルエン
CD−4) 4−(N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ)アニリン
CD−5) 2−メチル−4−(N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ)アニリン
CD−6) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−(メタンスルホンアミド)エチル)アニリン
CD−7) N−(2−アミノ−5−ジエチルアミノフェニルエチル)メタンスルホンアミド
CD−8) N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン
CD−9) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−メトキシエチルアニリン
CD−10) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−エトキシエチル)アニリン
CD−11) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(γ−ヒドロキシプロピル)アニリン
本発明においては、上記発色現像液を任意のpH域で使用できるが、迅速処理の観点からpH9.5〜13.0であることが好ましく、より好ましくはpH9.8〜12.0の範囲で用いられる。
CD−1) N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン
CD−2) 2−アミノ−5−ジエチルアミノトルエン
CD−3) 2−アミノ−5−(N−エチル−N−ラウリルアミノ)トルエン
CD−4) 4−(N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ)アニリン
CD−5) 2−メチル−4−(N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ)アニリン
CD−6) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−(メタンスルホンアミド)エチル)アニリン
CD−7) N−(2−アミノ−5−ジエチルアミノフェニルエチル)メタンスルホンアミド
CD−8) N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン
CD−9) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−メトキシエチルアニリン
CD−10) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−エトキシエチル)アニリン
CD−11) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(γ−ヒドロキシプロピル)アニリン
本発明においては、上記発色現像液を任意のpH域で使用できるが、迅速処理の観点からpH9.5〜13.0であることが好ましく、より好ましくはpH9.8〜12.0の範囲で用いられる。
本発明に係る発色現像の処理温度は、35℃以上、70℃以下が好ましい。温度が高いほど短時間の処理が可能であり好ましいが、処理液の安定性からはあまり高くない方が好ましく、37℃以上60℃以下で処理することが好ましい。
発色現像時間は、従来一般には3分30秒程度で行われているが、本発明では40秒以内が好ましく、さらに25秒以内の範囲で行うことがさらに好ましい。
発色現像液には、前記の発色現像主薬に加えて、既知の現像液成分化合物を添加することが出来る。通常、pH緩衝作用を有するアルカリ剤、塩化物イオン、ベンゾトリアゾール類等の現像抑制剤、保恒剤、キレート剤などが用いられる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、発色現像後、漂白処理及び定着処理を施される。漂白処理は定着処理と同時に行なってもよい。定着処理の後は、通常は水洗処理が行なわれる。また、水洗処理の代替として、安定化処理を行なってもよい。本発明のハロゲン化銀写真感光材料の現像処理に用いる現像処理装置としては、処理槽に配置されたローラーに感光材料をはさんで搬送するローラートランスポートタイプであっても、ベルトに感光材料を固定して搬送するエンドレスベルト方式であってもよいが、処理槽をスリット状に形成して、この処理槽に処理液を供給するとともに感光材料を搬送する方式や処理液を噴霧状にするスプレー方式、処理液を含浸させた担体との接触によるウエッブ方式、粘性処理液による方式なども用いることができる。大量に処理する場合には、自動現像機を用いてランニング処理されるのが通常だがこの際、補充液の補充量は少ない程好ましく、環境適性等より最も好ましい処理形態は、補充方法として錠剤の形態で処理剤を添加することであり、公開技報94−16935に記載の方法が最も好ましい。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
実施例1
(赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製)
40℃に保温した2%ゼラチン水溶液1リットル中に下記(A液)及び(B液)をpAg=7.3、pH=3.0に制御しつつ30分かけて同時添加し、更に下記(C液)及び(D液)をpAg=8.0、pH=5.5に制御しつつ180分かけて同時添加した。この時、pAgの制御は特開昭59−45437号記載の方法により行い、pHの制御は硫酸又は水酸化ナトリウム水溶液を用いて行った。
(A液)
塩化ナトリウム 3.42g
臭化カリウム 0.03g
水を加えて 200ml
(B液)
硝酸銀 10g
水を加えて 200ml
(C液)
塩化ナトリウム 102.7g
K2IrCl6 4×10-8モル/モルAg
K4Fe(CN)6 2×10-5モル/モルAg
臭化カリウム 1.0g
水を加えて 600ml
(D液)
硝酸銀 300g
水を加えて 600ml
添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行った後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.40μm、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−1を得た。次ぎに(A液)と(B液)の添加時間および(C)液と(D)液の添加時間を変更した以外はEMP−1と同様にして平均粒径0.38μm、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−1Bを得た。
(赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製)
40℃に保温した2%ゼラチン水溶液1リットル中に下記(A液)及び(B液)をpAg=7.3、pH=3.0に制御しつつ30分かけて同時添加し、更に下記(C液)及び(D液)をpAg=8.0、pH=5.5に制御しつつ180分かけて同時添加した。この時、pAgの制御は特開昭59−45437号記載の方法により行い、pHの制御は硫酸又は水酸化ナトリウム水溶液を用いて行った。
(A液)
塩化ナトリウム 3.42g
臭化カリウム 0.03g
水を加えて 200ml
(B液)
硝酸銀 10g
水を加えて 200ml
(C液)
塩化ナトリウム 102.7g
K2IrCl6 4×10-8モル/モルAg
K4Fe(CN)6 2×10-5モル/モルAg
臭化カリウム 1.0g
水を加えて 600ml
(D液)
硝酸銀 300g
水を加えて 600ml
添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行った後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.40μm、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−1を得た。次ぎに(A液)と(B液)の添加時間および(C)液と(D)液の添加時間を変更した以外はEMP−1と同様にして平均粒径0.38μm、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−1Bを得た。
上記EMP−1に対し、下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行った。またEMP−1Bに対しても同様に最適に化学増感した後、増感されたEMP−1とEMP−1Bを銀量で1:1の割合で混合し赤感性ハロゲン化銀乳剤(101R)を得た。
チオ硫酸ナトリウム 1×10-4モル/モルAgX
塩化金酸 1.2×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX
増感色素 RS−1 1×10-4モル/モルAgX
増感色素 RS−2 1×10-4モル/モルAgX
STAB−1:1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
STAB−2:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール
STAB−3:1−(4−エトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
また赤感光性乳剤には、SS−1をハロゲン化銀1モル当り2.0×10-3添加した。
塩化金酸 1.2×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX
増感色素 RS−1 1×10-4モル/モルAgX
増感色素 RS−2 1×10-4モル/モルAgX
STAB−1:1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
STAB−2:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール
STAB−3:1−(4−エトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
また赤感光性乳剤には、SS−1をハロゲン化銀1モル当り2.0×10-3添加した。
乳剤(101R)とは添加するチオ硫酸ナトリウムを2等分し、最初の添加から10分経過した時点で他方を添加することのみ異なる乳剤(102R)を調製した。
乳剤(102R)とは、2等分したチオ硫酸ナトリウムの添加間隔が60分であることのみ異なる乳剤(103R)を調製した。
乳剤(102R)とは、2等分したチオ硫酸ナトリウムの添加間隔が100分であることのみ異なる乳剤(104R)を調製した。
乳剤(102R)とは、2等分したチオ硫酸ナトリウムの添加間隔が200分であることのみ異なる乳剤(105R)を調製した。
乳剤(102R)とは、チオ硫酸ナトリウムを化学熟成200分間に渡り、1分当たりの添加量を一定に保ちながら連続添加したことのみ異なる乳剤(106R)を調製した。
乳剤(102R)とはチオ硫酸ナトリウムではなく、塩化金酸を間隔を10分おいて添加したことのみ異なる乳剤(107R)を調製した。
乳剤(103R)とはチオ硫酸ナトリウムではなく、塩化金酸を間隔を60分おいて添加したことのみ異なる乳剤(108R)を調製した。
乳剤(104R)とはチオ硫酸ナトリウムではなく、塩化金酸を間隔を100分おいて添加したことのみ異なる乳剤(109R)を調製した。
乳剤(105R)とはチオ硫酸ナトリウムではなく、塩化金酸を間隔を200分おいて添加したことのみ異なる乳剤(110R)を調製した。
乳剤(106R)とはチオ硫酸ナトリウムではなく、塩化金酸を化学熟成中200分にわたり連続的に添加したことのみ異なる乳剤(111R)を調製した。
(緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製)
(A液)と(B液)の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更する以外はEMP−1と同様にして平均粒径0.40μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤EMP−2を得た。次ぎに平均粒径0.50μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤EMP−2Bを得た。
(緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製)
(A液)と(B液)の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更する以外はEMP−1と同様にして平均粒径0.40μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤EMP−2を得た。次ぎに平均粒径0.50μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤EMP−2Bを得た。
上記EMP−2に対し、下記化合物を用い55℃にて最適に化学増感を行った。またEMP−2Bに対しても同様に最適に化学増感した後、増感されたEMP−2とEMP−2Bを銀量で1:1の割合で混合し、緑感性ハロゲン化銀乳剤(101G)を得た。
チオ硫酸ナトリウム 1×10-4/モルAgX
塩化金酸 1.2×10-4/モルAgX
安定剤 STAB−1 2.5×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−2 3.1×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−3 3.1×10-4モル/モルAgX
増感色素 GS−1 4×10-4モル/モルAgX
塩化金酸 1.2×10-4/モルAgX
安定剤 STAB−1 2.5×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−2 3.1×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−3 3.1×10-4モル/モルAgX
増感色素 GS−1 4×10-4モル/モルAgX
以下乳剤(102R)〜(111R)と同様にチオ硫酸ナトリウム、塩化金酸を分割添加した乳剤(102G)〜(111G)を調製した。
(青感性ハロゲン化銀乳剤の調製)
(A液)と(B液)の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更する以外はEMP−1と同様にして平均粒径0.71μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤EMP−3を得た。次ぎに平均粒径0.64μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤EMP−3Bを得た。
(青感性ハロゲン化銀乳剤の調製)
(A液)と(B液)の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更する以外はEMP−1と同様にして平均粒径0.71μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤EMP−3を得た。次ぎに平均粒径0.64μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤EMP−3Bを得た。
上記EMP−3に対し、下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行った。またEMP−3Bに対しても同様に最適に化学増感した後、増感されたEMP−3とEMP−3Bを銀量で1:1の割合で混合し、青感性ハロゲン化銀乳剤(101B)を得た。
チオ硫酸ナトリウム 1×10-4モル/モルAgX
塩化金酸 1.2×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−1 2×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−2 2.4×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−3 2.1×10-4モル/モルAgX
増感色素 BS−1 4×10-4モル/モルAgX
増感色素 BS−2 1×10-4モル/モルAgX
塩化金酸 1.2×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−1 2×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−2 2.4×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−3 2.1×10-4モル/モルAgX
増感色素 BS−1 4×10-4モル/モルAgX
増感色素 BS−2 1×10-4モル/モルAgX
以下乳剤(102R)〜(111R)と同様にチオ硫酸ナトリウム、塩化金酸を分割添加した乳剤(102B)〜(111B)を調製した。
坪量180g/m2の紙パルプの両面に高密度ポリエチレンをラミネートし、紙支持体を作製した。但し、乳剤層を塗布する側には、表面処理を施したアナターゼ型酸化チタンを15質量%の含有量で分散して含む溶融ポリエチレンをラミネートし、反射支持体を作製した。この反射支持体をコロナ放電処理した後、ゼラチン下塗層を設け、さらに以下に示す構成の各層を塗設し、ハロゲン化銀写真感光材料(101)を作製する。塗布液は下記のごとく調製した。
第1層塗布液
イエローカプラー(Y−1)23.4g、色素画像安定化剤(ST−1)3.34g、(ST−2)3.34g、(ST−5)3.34g、ステイン防止剤(HQ−1)0.34g、画像安定剤A5.0g、高沸点有機溶媒(DBP)3.33gおよび高沸点有機溶媒(DNP)1.67gに酢酸エチル60mlを加え溶解し、この溶液を20%界面活性剤(SU−1)7mlを含有する10%ゼラチン水溶液220mlに超音波ホモジナイザーを用いて乳化分散させてイエローカプラー分散液を作製した。この分散液を前記で作製した青感性ハロゲン化銀乳剤101Bと混合し第1層塗布液を調製した。
第1層塗布液
イエローカプラー(Y−1)23.4g、色素画像安定化剤(ST−1)3.34g、(ST−2)3.34g、(ST−5)3.34g、ステイン防止剤(HQ−1)0.34g、画像安定剤A5.0g、高沸点有機溶媒(DBP)3.33gおよび高沸点有機溶媒(DNP)1.67gに酢酸エチル60mlを加え溶解し、この溶液を20%界面活性剤(SU−1)7mlを含有する10%ゼラチン水溶液220mlに超音波ホモジナイザーを用いて乳化分散させてイエローカプラー分散液を作製した。この分散液を前記で作製した青感性ハロゲン化銀乳剤101Bと混合し第1層塗布液を調製した。
第2層〜第7層塗布液も上記第1層塗布液と同様に表1および表2の塗布量になるように各塗布液を調製した。
又、硬膜剤として(H−1)、(H−2)を添加した。塗布助剤としては、界面活性剤(SU−2)、(SU−3)を添加し、表面張力を調整した。また防腐剤DI−1を添加した。
SU−1:トリ−i−プロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム
SU−2:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)・ナトリウム塩
SU−3:スルホ琥珀酸ジ(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)・ナトリウム塩
DBP :ジブチルフタレート
DNP :ジノニルフタレート
DOP :ジオクチルフタレート
DIDP:ジ−i−デシルフタレート
PVP :ポリビニルピロリドン
H−1 :テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン
H−2 :2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン・ナトリウム
画像安定剤A:P−t−オクチルフェノール
SU−2:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)・ナトリウム塩
SU−3:スルホ琥珀酸ジ(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)・ナトリウム塩
DBP :ジブチルフタレート
DNP :ジノニルフタレート
DOP :ジオクチルフタレート
DIDP:ジ−i−デシルフタレート
PVP :ポリビニルピロリドン
H−1 :テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン
H−2 :2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン・ナトリウム
画像安定剤A:P−t−オクチルフェノール
このようにして感光材料試料(101)を作製した。
更に、感光材料試料(101)において第1層、第3層、第5層の各感光性層に使用したハロゲン化銀乳剤を下記表3記載のように変えた他は感光材料試料(101)と同様にして、感光材料試料(102)〜(111)を作製した。
このようにして作製した感光材料試料(101)〜(111)について、青光源にヘリウム・カドミウムレーザー(約422nm)、緑の光源としてはヘリウム・ネオンレーザー(約544nm)、赤の光源としてガリウムアルミニウム・砒素半導体レーザー(約780nm)を利用した光学系でビーム径が約80μm、ポリゴンミラーを使用し走査速度160m/秒、1画素当たりの露光時間は5×10-7秒の条件で下記3種類の露光を行った。
1)露光量を外部変調器により制御することによりグレー階調露光を1度施した試料及び2度施した試料
2)濃度1.0のグレーパッチが得られるよう均一走査露光した試料
3)濃度2.0となるように「A」の文字をHelvetica4ポイントから18ポイントまで大きさを変えて露光した試料
これらを以下の条件で処理した。
1)露光量を外部変調器により制御することによりグレー階調露光を1度施した試料及び2度施した試料
2)濃度1.0のグレーパッチが得られるよう均一走査露光した試料
3)濃度2.0となるように「A」の文字をHelvetica4ポイントから18ポイントまで大きさを変えて露光した試料
これらを以下の条件で処理した。
処理工程 処理温度 時間 補充量
発色現像 38.0±0.3℃ 45秒 80ml
漂白定着 35.0±0.5℃ 45秒 120ml
安定化 30〜34℃ 60秒 150ml
乾 燥 60〜80℃ 30秒
現像処理液の組成を下記に示す。
発色現像液タンク液及び補充液 タンク液 補充液
純水 800ml 800ml
トリエチレンジアミン 2g 3g
ジエチレングリコール 10g 10g
臭化カリウム 0.01g −
塩化カリウム 3.5g −
亜硫酸カリウム 0.25g 0.5g
N−エチル−N−(βメタンスルホンアミドエチル)−3−メチル
−4−アミノアニリン硫酸塩 6.0g 10.0g
N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 6.8g 6.0g
トリエタノールアミン 10.0g 10.0g
ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩 2.0g 2.0g
蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体)
2.0g 2.5g
炭酸カリウム 30g 30g
水を加えて全量を1リットルとし、タンク液はpH=10.10に、補充液はpH=10.60に調整する。
漂白定着液タンク液及び補充液
ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 65g
ジエチレントリアミン五酢酸 3g
チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml
2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール 2.0g
亜硫酸アンモニウム(40%) 27.5ml
水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷酢酸でpH=5.0に調整する。
安定化液タンク液及び補充液
o−フェニルフェノール 1.0g
5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g
ジエチレングリコール 1.0g
蛍光増白剤(チノパールSFP) 2.0g
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.8g
塩化ビスマス(45%水溶液) 0.65g
硫酸マグネシウム・7水塩 0.2g
PVP 1.0g
アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.5g
ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩 1.5g
水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又はアンモニア水でpH=7.5に調整する。
(多重露光適性評価)
1)の露光及び上記発色現像を施した試料(101)〜(111)において、濃度0.5と1.5の間で露光量に対する濃度変化の傾きγをイエロー、マゼンタ、シアンの各々について1回露光での傾きγ1に対する2回露光での傾きγ2の変化率の絶対値を下記のようにして算出し、表4に示した。
発色現像 38.0±0.3℃ 45秒 80ml
漂白定着 35.0±0.5℃ 45秒 120ml
安定化 30〜34℃ 60秒 150ml
乾 燥 60〜80℃ 30秒
現像処理液の組成を下記に示す。
発色現像液タンク液及び補充液 タンク液 補充液
純水 800ml 800ml
トリエチレンジアミン 2g 3g
ジエチレングリコール 10g 10g
臭化カリウム 0.01g −
塩化カリウム 3.5g −
亜硫酸カリウム 0.25g 0.5g
N−エチル−N−(βメタンスルホンアミドエチル)−3−メチル
−4−アミノアニリン硫酸塩 6.0g 10.0g
N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 6.8g 6.0g
トリエタノールアミン 10.0g 10.0g
ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩 2.0g 2.0g
蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体)
2.0g 2.5g
炭酸カリウム 30g 30g
水を加えて全量を1リットルとし、タンク液はpH=10.10に、補充液はpH=10.60に調整する。
漂白定着液タンク液及び補充液
ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 65g
ジエチレントリアミン五酢酸 3g
チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml
2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール 2.0g
亜硫酸アンモニウム(40%) 27.5ml
水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷酢酸でpH=5.0に調整する。
安定化液タンク液及び補充液
o−フェニルフェノール 1.0g
5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g
ジエチレングリコール 1.0g
蛍光増白剤(チノパールSFP) 2.0g
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.8g
塩化ビスマス(45%水溶液) 0.65g
硫酸マグネシウム・7水塩 0.2g
PVP 1.0g
アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.5g
ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩 1.5g
水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又はアンモニア水でpH=7.5に調整する。
(多重露光適性評価)
1)の露光及び上記発色現像を施した試料(101)〜(111)において、濃度0.5と1.5の間で露光量に対する濃度変化の傾きγをイエロー、マゼンタ、シアンの各々について1回露光での傾きγ1に対する2回露光での傾きγ2の変化率の絶対値を下記のようにして算出し、表4に示した。
階調変動率(%)={|γ2−γ1|/γ1}×100
(グレー濃度1.0での濃度ムラ評価)
2)の露光及び上記発色現像を施した試料(101)〜(111)において、目視での画像ムラを以下の基準で評価した。
(グレー濃度1.0での濃度ムラ評価)
2)の露光及び上記発色現像を施した試料(101)〜(111)において、目視での画像ムラを以下の基準で評価した。
◎:画像ムラはみられない
○:画像ムラがややみられる
△:画像ムラがみられる
×:画像ムラがはっきりとみられる。
(細線の明瞭さ評価)
3)の露光及び上記発色現像を施した試料(101)〜(111)について、細線の明瞭さを以下の基準で評価した。
○:画像ムラがややみられる
△:画像ムラがみられる
×:画像ムラがはっきりとみられる。
(細線の明瞭さ評価)
3)の露光及び上記発色現像を施した試料(101)〜(111)について、細線の明瞭さを以下の基準で評価した。
◎:グレーの細線が明確に区別できる
○:グレーの細線がはっきりと区別できるが輪郭がややぼける
△:グレーの細線の輪郭がぼやけるが区別できる
×:グレーの細線がぼやけ、区別できない。
○:グレーの細線がはっきりと区別できるが輪郭がややぼける
△:グレーの細線の輪郭がぼやけるが区別できる
×:グレーの細線がぼやけ、区別できない。
表4に結果を示す。
表4から明らかなように、比較となる試料(101)に対して化学増感剤の添加間隔を10分とした試料(102)、(107)では多重露光による階調の変動幅が小さくなり、多重露光適性改良効果が得られ、またグレー濃度1.0での濃度安定性も向上していることがわかる。しかし、細線の明瞭さの点では改良効果が不十分である。これに対して添加間隔をひろげた試料(103)〜(106)、(108)〜(111)では増感剤種に依らず、添加間隔が10分では改良できなかった細線明瞭さも改良できることがわかった。
実施例2
(赤感光性乳剤の調製)
実施例1の試料(101)に適用される乳剤(101R)とは、添加する塩化金酸の添加量を同量にして、チオ硫酸ナトリウムの添加量をモル数で塩化金酸の1.3倍量添加し、適切な写真感度が得られるように安定化剤STAB−1〜STAB−3の添加量を最適化したことが異なる乳剤(201R)を調製した。
(赤感光性乳剤の調製)
実施例1の試料(101)に適用される乳剤(101R)とは、添加する塩化金酸の添加量を同量にして、チオ硫酸ナトリウムの添加量をモル数で塩化金酸の1.3倍量添加し、適切な写真感度が得られるように安定化剤STAB−1〜STAB−3の添加量を最適化したことが異なる乳剤(201R)を調製した。
試料(101)に適用される乳剤(101R)とは、添加する塩化金酸の添加量を同量にして、チオ硫酸ナトリウムの添加量をモル数で塩化金酸の1倍量添加し、適切な写真感度が得られるように安定化剤STAB−1〜STAB−3の添加量を最適化したことが異なる乳剤(202R)を調製した。
試料(101)に適用される乳剤(101R)とは、添加する塩化金酸の添加量を同量にして、チオ硫酸ナトリウムの添加量をモル数で塩化金酸の0.8倍量添加し、適切な写真感度が得られるように安定化剤STAB−1〜STAB−3の添加量を最適化したことが異なる乳剤(203R)を調製した。
試料(101)に適用される乳剤(101R)とは、添加する塩化金酸の添加量を同量にして、チオ硫酸ナトリウムの添加量をモル数で塩化金酸の0.6倍量添加し、適切な写真感度が得られるように安定化剤STAB−1〜STAB−3の添加量を最適化したことが異なる乳剤(204R)を調製した。
試料(101)に適用される乳剤(101R)とは、添加する塩化金酸の添加量を同量にして、チオ硫酸ナトリウムの添加量をモル数で塩化金酸の0.4倍量添加し、適切な写真感度が得られるように安定化剤STAB−1〜STAB−3の添加量を最適化したことが異なる乳剤(205R)を調製した。
試料(101)に適用される乳剤(101R)とは、添加する塩化金酸の添加量を同量にして、チオ硫酸ナトリウムの添加量をモル数で塩化金酸の0.3倍量添加し、適切な写真感度が得られるように安定化剤STAB−1〜STAB−3の添加量を最適化したことが異なる乳剤(206R)を調製した。
(緑感光性乳剤の調製)
赤感光性乳剤(201R)〜(206R)と同様に実施例1の試料(101)に適用される乳剤(101G)に対して塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムの添加量比を変化させて緑感光性乳剤(201G)〜(206G)を調製した。
(青感光性乳剤の調製)
赤感光性乳剤(201R)〜(206R)と同様に実施例1の試料(101)に適用される乳剤(101B)に対して塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムの添加量比を変化させて緑感光性乳剤(201B)〜(206B)を調製した。
(緑感光性乳剤の調製)
赤感光性乳剤(201R)〜(206R)と同様に実施例1の試料(101)に適用される乳剤(101G)に対して塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムの添加量比を変化させて緑感光性乳剤(201G)〜(206G)を調製した。
(青感光性乳剤の調製)
赤感光性乳剤(201R)〜(206R)と同様に実施例1の試料(101)に適用される乳剤(101B)に対して塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムの添加量比を変化させて緑感光性乳剤(201B)〜(206B)を調製した。
上記の如く調製した各乳剤を用いて、実施例1と同様の構成でハロゲン化銀写真感光材料(201)〜(206)を作製した。
上記試料(201)〜(206)に対して実施例1と同様に、多重露光適性、グレー濃度1.0での濃度安定性、細線の明瞭さを評価した。
結果を表6にまとめた。
表5、表6から明らかなように、(硫黄/金)比が各々1.3/1、1.0/1、0.8/1、0.6/1である試料(201)、(202)、(203)、(204)では多重露光階調変動に改良効果が認められるが、他の評価項目(濃度安定性、細線の明瞭さ)にはあまり効果がない。これに対して同比を0.4、0.3と小さくした試料(205)、(206)では多重露光階調変化、濃度安定性、細線安定性の何れも改良効果が認められており、硫黄増感剤と金増感剤の添加モル比を0.5以下にすることの有用性を認識できる。
実施例3
(赤感光性乳剤の調製)
実施例1における乳剤(101R)とは染料R−1を乳剤調製後の塗布液を調製する際にハロゲン化銀1モル当たり15mg添加したことのみ異なる乳剤(301R)を調製した。
(赤感光性乳剤の調製)
実施例1における乳剤(101R)とは染料R−1を乳剤調製後の塗布液を調製する際にハロゲン化銀1モル当たり15mg添加したことのみ異なる乳剤(301R)を調製した。
乳剤(301R)とはR−1を化学熟成開始後100分で添加したことのみ異なる乳剤(302R)を調製した。
乳剤(301R)とは、R−1を化学熟成終了時に添加したことのみ異なる乳剤(303R)を調製した。
乳剤(301R)とはR−1の添加量をハロゲン化銀1モル当たり8mgに変更したことのみ異なる乳剤(304R)を調製した。
乳剤(302R)とはR−1の添加量をハロゲン化銀1モル当たり8mgに変更したことのみ異なる乳剤(305R)を調製した。
乳剤(303R)とはR−1の添加量をハロゲン化銀1モル当たり8mgに変更したことのみ異なる乳剤(306R)を調製した。
乳剤(301R)とはR−1の添加量をハロゲン化銀1モル当たり2mgに変更したことのみ異なる乳剤(307R)を調製した。
乳剤(302R)とはR−1の添加量をハロゲン化銀1モル当たり2mgに変更したことのみ異なる乳剤(308R)を調製した。
乳剤(303R)とはR−1の添加量をハロゲン化銀1モル当たり2mgに変更したことのみ異なる乳剤(309R)を調製した。
染料R−1をR−2に変更して乳剤(301R)〜(309R)と同様に乳剤(310R)〜(318R)を調製した。
(緑感光性及び青感光性乳剤の調製)
上記で赤感光性乳剤については染料R−1,R−2を各々使用して乳剤(301R)〜(309R)、乳剤(310R)〜(318R)を各々調製したのと同様にして、緑感光性乳剤については染料G−1,G−2を、青感光性乳剤については染料B−1,B−2を各々使用し、乳剤(301G)〜(318G)、乳剤(301B)〜(318B)を調製した。
(緑感光性及び青感光性乳剤の調製)
上記で赤感光性乳剤については染料R−1,R−2を各々使用して乳剤(301R)〜(309R)、乳剤(310R)〜(318R)を各々調製したのと同様にして、緑感光性乳剤については染料G−1,G−2を、青感光性乳剤については染料B−1,B−2を各々使用し、乳剤(301G)〜(318G)、乳剤(301B)〜(318B)を調製した。
これら各感光性乳剤を組み合わせて重層試料(301)〜(318)を実施例1と同様の条件で作製した。
実施例1と同様に、試料(301)〜(318)について多重露光適性、グレー濃度1.0での濃度安定性、細線の明瞭さを評価した。
結果を表8にまとめた。
表7、表8から明らかなように、染料を塗布液に添加した試料(301)、(316)のように、若干の改良効果が認められる場合もあるが、効果としては一様でない。これに対して化学熟成中に染料を乳剤中に添加した場合は、添加量が15mgと多い場合では塗布液添加と同様改良効果の見られる評価項目もあるが、効果の点ではこれらも不十分である。これに対して添加量を8mg、2mgと減量した水準では、化学熟成中あるいは熟成終了時でも多重露光適性、濃度安定性、細線の明瞭さの各評価項目での効果が確認できる。化学熟成終了時に2mgを添加した試料(309)、(318)では更なる改良効果が得られていることがわかる。
実施例4
実施例2で作製した試料(301)〜(318)で添加する染料B−1,G−1,R−1を減感色素D−1に、染料B−2,G−2,R−2を減感色素D−2に、変更したことのみ異なる重層試料(401)〜(418)を作製した。
実施例2で作製した試料(301)〜(318)で添加する染料B−1,G−1,R−1を減感色素D−1に、染料B−2,G−2,R−2を減感色素D−2に、変更したことのみ異なる重層試料(401)〜(418)を作製した。
各試料の乳剤構成及び減感色素とその添加量と添加時期を表9にまとめた。
これらの試料について、実施例1〜3と同様の評価を実施した。
結果を表10にまとめた。
表9、表10から明らかなように、減感色素を塗布液添加した試料においては、実施例3とは異なり添加量に依らず細線安定性に対する効果は確認できない。多重露光適性及び濃度安定性に関しても効果が不十分であることがわかる。
一方、減感色素を化学熟成中に添加した試料は15mgと添加量が多い場合では効果が得られる評価項目とそうでない評価項目がある。一方添加量を8mg、2mgと減量した場合、化学熟成中でも化学熟成終了時でも多重露光適性、濃度安定性、細線安定性の改良効果が得られていることがわかる。また、試料(409)、(418)に見られるように添加量を2mgと減少させ、かつ化学熟成終了時の添加がより高い発明の効果が得られていることがわかる。
本発明により、高照度での多重露光による階調変動が小さく、走査露光での画像ムラ及び像滲みが改良されたハロゲン化銀写真感光材料、ハロゲン化銀乳剤及び画像形成方法を提供することができた。
(発明の効果)
本発明により、高照度での多重露光適性に優れ、走査露光においても文字品質が良好なハロゲン化銀写真感光材料、ハロゲン化銀乳剤製造法、及び画像形成方法を提供することができた。
本発明により、高照度での多重露光適性に優れ、走査露光においても文字品質が良好なハロゲン化銀写真感光材料、ハロゲン化銀乳剤製造法、及び画像形成方法を提供することができた。
Claims (1)
- 反射支持体上にそれぞれ少なくとも1層の赤感光性層、緑感光性層、青感光性層及び非感光性層からなるハロゲン化銀写真感光材料に対して、10-6秒以下の露光後、発色現像し画像形成して、得られた特性曲線上で濃度0.5を与える点と濃度1.5を与える点を通る直線を引き、その平均勾配の変動が多重露光において10%以内であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
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