JP2000258847A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP2000258847A
JP2000258847A JP11065029A JP6502999A JP2000258847A JP 2000258847 A JP2000258847 A JP 2000258847A JP 11065029 A JP11065029 A JP 11065029A JP 6502999 A JP6502999 A JP 6502999A JP 2000258847 A JP2000258847 A JP 2000258847A
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light
image forming
silver halide
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JP11065029A
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English (en)
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Kazuhiro Miyazawa
一宏 宮澤
Junji Ito
淳二 伊藤
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 デジタル化された画像情報を露光後、現像す
る画像形成方法において、高い最高濃度を有しつつ、細
線画像再現時の滲みが軽減され、かつ色濁りが生じ難い
画像形成方法を提供する。 【解決手段】 記録材料上に、青色光及び緑色光を含む
波長の異なる少なくとも3色の光により、デジタル化さ
れた画像情報を露光後、現像する画像形成方法におい
て、記録材料上で最高濃度を得るために必要な青色光と
緑色光の記録材料面上における強度比が、下記(1)式
を満足することを特徴とする画像形成方法。 0.1≦P(B)/P(G)≦0.5・・・(1)式 P(B):最高濃度を得るために必要な、記録材料面上
における青色光強度 P(G):最高濃度を得るために必要な、記録材料面上
における緑色光強度。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル化された
画像情報を露光後、現像する画像形成方法に関し、特に
高い最高濃度を有しつつ、細線画像再現時の滲みが軽減
され、かつ色濁りが生じ難い画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの演算能力の向上
や、ネットワーク技術の進歩に合わせて、画像をデジタ
ルデータとして取り扱う機会が急速に増加している。ス
キャナ等を用いてデジタルデータ化された画像情報は、
コンピュータ上で編集・加工したり、更には文字やイラ
スト等のデータを付加することも比較的容易に行える。
【0003】このようなデジタル化された画像情報に基
づいたハードコピーを作製するハードコピー材料には、
例えば昇華型熱転写プリント、溶融型熱転写プリント、
インクジェットプリント、静電転写型プリント、サーモ
オートクロームプリント、ハロゲン化銀写真感光材料等
が挙げられるが、中でもハロゲン化銀写真感光材料(以
下、写真感光材料ともいう)は、高感度であること、階
調性に優れていること、画像保存性に優れていること
等、他のプリント材料に比べて非常に優れた特性を有し
ているため、特に高品質なハードコピーの作製用として
今日盛んに用いられている。
【0004】デジタル化された画像データを記録材料上
に再生するためには、画像データに応じて露光量を変化
させながら露光を行う必要がある。このような露光を行
うデジタル画像露光装置として、現在多くの機種が販売
されており、又、露光光源や制御装置等の進歩と相俟っ
て、新しいデジタル画像露光装置も数多く研究開発され
ている。これらのデジタル画像露光装置の中でも、露光
光源として、レーザーやLEDを用いている装置が主流
になりつつある。
【0005】しかし、各種デジタル画像露光装置が搭載
しているレーザーやLEDの種類は統一されている訳で
はなく、露光装置毎に露光波長が異なる場合が多く、或
る露光装置では滲みの発生がなく美しいプリントが再現
できるのに対し、露光波長の異なる別の露光装置では高
濃度域で滲みが発生し易かったり、色濁りが発生し易い
という現象が生じることが解った。
【0006】このような問題は、各露光装置毎に感光材
料を最適化することで軽減できるが、市場に展開されて
いるデジタル露光装置の種類は数多く、又、今後も増え
続けていくことが予想され、現実的な対応ではない。
【0007】このような状況下において、どのような露
光装置を用いても美しいプリントが得られる画像形成方
法が望まれていた。
【0008】又、画像データをデジタル化して取り扱う
ようになり、例えば人物、風景、静物等の写真撮影デー
タに基づいた画像等(以下、「シーン画像」と称す)と
合わせて、文字画像(特に細くて小さな黒文字画像)を
出力する機会が多くなって来ている。
【0009】従来の画像形成方法においては、黒い細線
や文字画像を出力した場合、デジタル露光装置の種類に
よって、その輪郭部に滲みや色ズレを生じ易く、特にこ
のような現象の改良が望まれていた。
【0010】黒い細線や文字画像においては、画像濃度
もさることながら、画像を構成するイエロー、マゼン
タ、シアン成分各々の滲みバランスが重要であり、特に
イエロー成分の滲みは、観察時の不快感が大きく、視認
性の高いマゼンタ成分とのバランスをとることが重要で
あることが解って来た。
【0011】本発明者らは、このイエロー成分とマゼン
タ成分とのバランスについて着目し、鋭意検討を重ねた
結果、各種デジタル露光装置と記録材料の組合せにおい
て、最高濃度を得るために必要な記録材料面上における
各色露光強度の比、あるいは露光波長における記録材料
面上の吸光度比等がある条件を満たす場合に、前述の問
題を改良できることを見い出し本発明を為すに至った。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、デジ
タル化された画像情報を露光後、現像する画像形成方法
において、高い最高濃度を有しつつ、細線画像再現時の
滲みが軽減され、かつ色濁りが生じ難い画像形成方法を
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
構成により達成された。
【0014】(1)記録材料上に、青色光及び緑色光を
含む波長の異なる少なくとも3色の光により、デジタル
化された画像情報を露光後、現像する画像形成方法にお
いて、記録材料上で最高濃度を得るために必要な青色光
と緑色光の記録材料面上における強度比が、下記(1)
式を満足する画像形成方法。
【0015】 0.1≦P(B)/P(G)≦0.5・・・(1)式 ここで、P(B)は記録材料上で最高濃度を得るために
必要な、記録材料面上における青色光強度を表し、P
(G)は記録材料上で最高濃度を得るために必要な、記
録材料面上における緑色光強度を表す。
【0016】(2)記録材料上に、青色光及び緑色光を
含む波長の異なる少なくとも3色の光により、デジタル
化された画像情報を露光後、現像する画像形成方法にお
いて、露光に用いる青色光と緑色光それぞれの極大波長
における記録材料面上の吸光度比が、下記(2)式を満
足する画像形成方法。
【0017】 0.75≦A(B)/A(G)≦1.25・・・(2)式 ここで、A(B)は画像記録用青色光の極大波長におけ
る、記録材料面の吸光度を表し、A(G)は画像記録用
緑色光の極大波長における、記録材料面の吸光度を表
す。
【0018】(3)青色光の極大波長が390〜430
nmである(1)又は(2)に記載の画像形成方法。
【0019】(4)記録材料が、少なくとも感光性ハロ
ゲン化銀及び色素供与物質を含有して成るハロゲン化銀
写真感光材料であり、かつ下記一般式(KP−I)で表
される化合物を少なくとも1種含有する(1)、(2)
又は(3)に記載の画像形成方法。
【0020】
【化2】
【0021】式中、R1は3級アルキル基を示し、R2
1級又は2級アルキル基を表す。ただし、R2はフェニ
ル基によって置換されることはない。R3、R4及びR5
は各々、水素原子、アルキル基、アルコキシカルボニル
基、フェノキシカルボニル基、アルコキシ基、フェノキ
シ基又はフェニルチオ基を表す。
【0022】以下、本発明を請求項に従って詳細に説明
する。
【0023】第1の発明は、記録材料上で最高濃度を得
るために必要な青色光と緑色光の記録材料面上における
強度比が、下記(1)式を満足することを特徴とする。
【0024】 0.1≦P(B)/P(G)≦0.5・・・(1)式 P(B)は記録材料上で最高濃度を得るために必要な、
記録材料面上における青色光強度、P(G)は記録材料
上で最高濃度を得るために必要な、記録材料面上におけ
る緑色光強度である。
【0025】デジタル化された画像情報に基づいて露光
を行う場合、画像情報で最高濃度を表すデータの記録材
料上での再現濃度を任意に設定する(この値を「目標D
max」と称す)ことが可能である。
【0026】本発明において、最高濃度を得るために必
要な記録材料面上における露光強度とは、この目標Dm
axを再現するように光源を制御、発光させた時の記録
材料面上における露光強度を示すものとする。
【0027】又、本発明において記録材料面上における
露光強度とは、単位面積当たりの露光強度を表し、露光
光路中にビームスリットとパワーメーターを組み合わせ
たビームモニタを設置することで、ビームの直径及びビ
ーム強度を測定することができ、この測定結果から導き
出すことが可能である。
【0028】通常、画像情報をデジタル化して扱う場
合、デジタル化された画像データに基づく露光方式とし
て、画質及び露光速度の観点等から走査露光が好ましく
用いられる。
【0029】光ビームによる走査露光は、通常、光ビー
ムによる線状露光(ラスター露光:主走査)と、この線
状露光方向に対して垂直方向への感光材料の相対的な移
動(副走査)の組合せで行われるのが一般的である。例
えば、円筒状のドラムの外周あるいは内周に感光材料を
固定し、光ビームを照射しながらドラムを回転させるこ
とで主走査を行うと同時に、光源をドラムの回転方向に
対して垂直に移動させることで副走査を行うドラム方式
や、回転させたポリゴンミラーに光ビームを照射するこ
とで反射ビームをポリゴンミラーの回転方向と水平に走
査(主走査)すると共に、感光材料をポリゴンの回転方
向に対して垂直に搬送することで副走査を行うポリゴン
方式などが多く用いられている。又、露光する感光材料
の幅以上に光源をアレイ状に並べた露光装置を用いる場
合には、主走査に相当する部分をアレイ状光源で代用し
たと捉えることができ、本発明の走査露光に含めて考え
ることができる。
【0030】本発明に用いることができる光源の種類と
しては、発光ダイオード(LED)、ガスレーザー、半
導体レーザー(LD)、LDあるいはLDを励起光源と
して用いた固体レーザーと第2高調波変化素子(所謂S
HG素子)との組合せ、VFPH素子と光学フィルター
の組合せ、PLZT素子とハロゲンランプと光学フィル
ターの組合せ、タングステン光とバンドパスフィルター
の組合せ等、公知の光源を何れも用いることができる。
特に波長が390〜450nmの青色光源は、主として
デジタルビデオディスク(DVD)等の光ディスクへの
高密度記録のために、現在、精力的に研究開発されてお
り、露光用光源への展開も検討されている。
【0031】一つの方式として、例えば発振波長800
〜900nmの半導体レーザー(GaAs系)と第2高
調波発生(SHG)素子(LiNbO3系、LiTaO3
系のような無機結晶や、2−メチル−4−ニトロアニリ
ンのような有機結晶など)を組み合わせたものや、In
GaN系材料を用いた発振波長が390〜430nmの
青色半導体レーザーや、シンチレーター系あるいはクマ
リン系色素を用いた色素レーザー等が知られている。中
でも、SHGとの組合せによる固体レーザーや半導体レ
ーザーで発振波長が390〜430nmとなる光源は、
431〜480nmの光源に比べて緑感光性層の分光感
度分布との重なりが若干小さく、記録材料面上の青色光
強度を大きくしても、緑感光性層における不要な発色を
軽減でき、又、支持体中での光散乱の低下に起因すると
思われるイエロー画像の滲みを軽減できるので、本発明
において特に好ましい露光光源である。
【0032】本発明においては、高照度短時間露光時に
おける細線画像の滲みを軽減するために、写真感光材料
においては、前記一般式(KP−I)で表される化合物
を少なくとも1種含有する態様が好ましい。
【0033】
【化3】
【0034】一般式(KP−I)において、R1は3級
アルキル基(t−ブチル、t−ペンチル、t−オクチル
等)を示し、好ましくはt−ブチル基である。
【0035】R2は1級又は2級アルキル基(メチル、
エチル、i−プロピル等)を表し、好ましくはメチル基
である。ただし、R2は置換基により置換されてもよい
が、フェニル基によって置換されることはない。
【0036】R3、R4及びR5は水素原子、アルキル基
(メチル、エチル、ブチル、ドデシル等)、アルコキシ
カルボニル基(エトキシカルボニル等)、フェノキシカ
ルボニル基(2,4−ジ−t−ブチルフェノキシカルボ
ニル等)、アルコキシ基(2−エチルヘキシルオキシ
等)、フェノキシ基(4−(2−エチルヘキシル)フェ
ノキシ、4−ドデシル−フェノキシ等)、フェニルチオ
基(3−tブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ルチオ等)を表す。
【0037】上記R1〜R5で示される基は、置換基によ
り置換されてもよい。
【0038】一般式(KP−I)で表される化合物は、
好ましくは構造式中に1級、2級又は3級アミノ基を含
有しない化合物、又は、アシルアミノ基を含有しない化
合物であり、更には、構造式中に、1級、2級又は3級
アミノ基を含有しない化合物がより好ましい。又、R4
で示される基がアルキル基であることが好ましい。
【0039】R4で示される基は、下記の連結基を含む
基であることがより好ましい。
【0040】
【化4】
【0041】式中、R6、R6′、R7、R7′、R8
8′、R9及びR9′は各々、水素原子、アルキル基又
はフェニル基を表す。
【0042】一般式(KP−I)で表される化合物の
内、好ましい化合物としては下記一般式(KP−IA)
及び(KP−IB)で表される化合物である。
【0043】
【化5】
【0044】式中、R1〜R5は一般式(KP−I)のR
1〜R5と、それぞれ同義である。R11はアルキレン基
(エチレン、i−ブチレン等)を表す。
【0045】一般式(KP−IA)及び(KP−IB)
の化合物の内、より好ましい化合物は一般式(KP−I
B)で表される化合物である。
【0046】次に、一般式(KP−I)で表される化合
物(以下、本発明の化合物とも称す)の具体例を示す
が、これらに限定されるものではない。
【0047】
【化6】
【0048】
【化7】
【0049】本発明の化合物の添加層は任意であるが、
観察時の不快感が大きいイエロー画像形成層に添加する
態様が、本発明の効果が特に顕著となり好ましい。特に
好ましくは、イエロー画像形成層が一般式(KP−I)
で表される化合物を少なくとも1種含有し、かつイエロ
ー画像形成層が青色光に分光感度を有し、発振波長が3
90〜430nmである半導体レーザー又は固体レーザ
ーによる露光過程を経て画像形成される態様である。
【0050】第2の発明は、露光に用いる青色光と緑色
光各々の極大波長における記録材料面上の吸光度の比
が、下記(2)式を満足することを特徴とする。
【0051】 0.75≦A(B)/A(G)≦1.25・・・(2)式 A(B)は画像記録用青色光の極大波長における、記録
材料面の吸光度、A(G)は画像記録用緑色光の極大波
長における、記録材料面の吸光度である。
【0052】任意の波長における記録材料面の吸光度に
ついては、例えばカラーアナライザー607型(日立社
製)等により測定することができる。
【0053】本発明の要件を満たす手段に特に制限はな
いが、例えば写真感光材料中に含まれる感光性ハロゲン
化銀の特性を適切にコントロールしたり、塗設されるハ
ロゲン化銀、カプラー又はイラジエーション防止染料等
の量を適切にコントロールしたり、あるいはキャリブレ
ーションで設定する、デジタル化された画像データ上で
最大濃度を表すデータのプリント上での再現濃度の目標
値を適切にコントロールする方法等を、単独あるいは組
み合わせて用いることができる。
【0054】本発明の写真感光材料に用いられるハロゲ
ン化銀乳剤の組成は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭
化銀、塩沃臭化銀、塩沃化銀等、任意のハロゲン組成を
有するものであってもよいが、中でも塩化銀を95モル
%以上含有し、実質的に沃化銀を含有しない塩臭化銀の
場合に、本発明の効果が顕著となり好ましい。又、迅速
処理性、処理安定性からは、好ましくは97モル%以
上、より好ましくは98〜99.9モル%の塩化銀を含
有するハロゲン化銀乳剤が好ましい。
【0055】本発明の感光材料においては、高照度短時
間露光における高濃度域での特性曲線の軟調化を軽減す
る観点から、臭化銀を高濃度に含有する部分を有するハ
ロゲン化銀乳剤も好ましく用いることができる。この場
合、高濃度に臭化銀を含有する部分は、ハロゲン化銀粒
子にエピタキシー接合していても、所謂コア・シェル乳
剤であってもよいし、完全な層を形成せず単に部分的に
組成の異なる領域が存在するだけであってもよい。又、
ハロゲン化銀組成は連続的に変化してもよいし、不連続
に変化してもよい。臭化銀が高濃度に存在する部分は、
ハロゲン化銀粒子の表面、又は結晶粒子の頂点であるこ
とが特に好ましい。
【0056】本発明の感光材料においては、高照度短時
間の走査露光での軟調化を軽減する観点から、重金属イ
オンを含有させたハロゲン化銀粒子を用いることが好ま
しい。このような目的に用いることの出来る重金属イオ
ンとしては、鉄、イリジウム、白金、パラジウム、ニッ
ケル、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、コバルト等
の第8〜10族金属や、カドミウム、亜鉛、水銀などの
第12族遷移金属や、鉛、レニウム、モリブデン、タン
グステン、ガリウム、クロム等の各イオンを挙げること
ができる。中でも、鉄、イリジウム、白金、ルテニウ
ム、ガリウム、オスミウムの金属イオンが好ましい。こ
れらの金属イオンは、塩や、錯塩の形でハロゲン化銀乳
剤に添加することが出来る。
【0057】前記重金属イオンが錯体を形成する場合に
は、その配位子又はイオンとして、シアン化物イオン、
チオシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、シアン
酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、沃化物イオ
ン、硝酸イオン、カルボニル、アンモニア等を挙げるこ
とができる。中でも、シアン化物イオン、チオシアン酸
イオン、イソチオシアン酸イオン、塩化物イオン、臭化
物イオン等が好ましい。
【0058】ハロゲン化銀粒子に上記重金属イオンを含
有させるためには、該重金属化合物をハロゲン化銀粒子
の形成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒
子の形成後等、物理熟成中の各工程における任意の場所
で添加すればよい。又、添加においては、重金属化合物
の溶液を粒子形成工程の全体あるいは一部に亘って連続
的に行うことができる。
【0059】重金属イオンを乳剤中に添加する時の量
は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-9〜1×10-2
モルが好ましく、特に1×10-8〜5×10-5モルが好
ましい。
【0060】本発明の感光材料において、ハロゲン化銀
粒子の形状は任意のものを用いることが出来る。好まし
い一つの例は、(100)面を結晶表面として有する立
方体である。又、米国特許4,183,756号、同
4,225,666号、特開昭55−26589号、特
公昭55−42737号や、ザ・ジャーナル・オブ・フ
ォトグラフィック・サイエンス(J.Photogr.
Sci.)21,39(1973)等の文献に記載され
た方法等により、八面体、十四面体、十二面体等の形状
を有する粒子を造り、これを用いることもできる。更
に、双晶面を有する粒子を用いてもよい。
【0061】ハロゲン化銀粒子は、単一の形状からなる
粒子が好ましく用いられるが、単分散のハロゲン化銀乳
剤を2種以上同一層に添加することが特に好ましい。
【0062】ハロゲン化銀粒子の粒径は特に制限はない
が、迅速処理性及び感度など、他の写真性能などを考慮
すると、好ましくは0.1〜1.2μm、更に好ましく
は0.2〜1.0μmの範囲である。この粒径は、粒子
の投影面積か直径近似値を使ってこれを測定することが
できる。粒子が実質的に均一形状である場合は、粒径分
布は、直径か投影面積として可成り正確に表すことがで
きる。
【0063】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の粒
径分布は、好ましくは変動係数が0.22以下、更に好
ましくは0.15以下の単分散ハロゲン化銀粒子であ
り、特に好ましくは変動係数0.15以下の単分散乳剤
を2種以上同一層に添加することである。ここで変動係
数は粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって定
義される。
【0064】変動係数=S/R(Sは粒径分布の標準偏
差、Rは平均粒径を表す) ここで言う粒径とは、球状のハロゲン化銀粒子の場合は
その直径、又、立方体や球状以外の形状の粒子において
は、その投影像を同面積の円像に換算した時の直径を表
す。
【0065】ハロゲン化銀乳剤の調製装置、方法として
は、当業界において公知の種々の方法を用いることがで
きる。
【0066】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
酸性法、中性法、アンモニア法の何れで得られたもので
あってもよい。該粒子は、一時に成長させたものであっ
てもよいし、種粒子を造った後で成長させてもよい。種
粒子を造る方法と成長させる方法は、同じであっても異
なってもよい。
【0067】又、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物を反
応させる形式としては、順混合法、逆混合法、同時混合
法、それらの組合せ等、何れでもよいが、同時混合法で
得られたものが好ましい。更に同時混合法の一形式とし
て、特開昭54−48521号等に記載されているpA
gコントロールド・ダブルジェット法を用いることもで
きる。又、特開昭57−92523号、同57−925
24号等に記載の、反応母液中に配置された添加装置か
ら水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物水溶液を供給する
装置、ドイツ公開特許2,921,164号等に記載さ
れた水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物水溶液を連続的
に濃度変化して添加する装置、特公昭56−50177
6号等に記載の反応器外に反応母液を取り出し、限外濾
過法で濃縮することによりハロゲン化銀粒子間の距離を
一定に保ちながら粒子形成を行う装置などを用いてもよ
い。
【0068】更に必要であれば、チオエーテル等のハロ
ゲン化銀溶剤を用いてもよい。又、メルカプト基を有す
る化合物、含窒素複素環化合物又は増感色素のような化
合物を、ハロゲン化銀粒子の形成時、又は、粒子形成終
了の後に添加して用いてもよい。
【0069】ハロゲン化銀乳剤は、金化合物を用いる増
感法、カルコゲン増感剤を用いる増感法を組み合わせて
用いることが出来る。ハロゲン化銀乳剤に適用するカル
コゲン増感剤としては、硫黄増感剤、セレン増感剤、テ
ルル増感剤などを用いることが出来るが、硫黄増感剤が
好ましい。
【0070】硫黄増感剤としては、チオ硫酸塩、アリル
チオカルバミド、チオ尿素、アリルイソチオシアナー
ト、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、ローダ
ニン、無機硫黄などが挙げられる。硫黄増感剤の添加量
としては、適用されるハロゲン化銀乳剤の種類や期待す
る効果の大きさなどにより変えることが好ましいが、ハ
ロゲン化銀1モル当たり5×10-10〜5×10-5モル
の範囲、好ましくは5×10-8〜3×10-5モルが好ま
しい。
【0071】金増感剤としては、塩化金酸、硫化金等の
他各種の金錯体として添加することができる。用いられ
る配位子化合物としては、ジメチルローダニン、チオシ
アン酸、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾ
ール等を挙げることができる。金増感剤の使用量は、ハ
ロゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条
件などによって一様ではないが、通常、ハロゲン化銀1
モル当たり1×10-4〜1×10-8モルであることが好
ましく、更に好ましくは1×10-5〜1×10-8モルで
ある。
【0072】ハロゲン化銀乳剤の化学増感法としては、
還元増感法を用いてもよい。
【0073】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤には、感
光材料の調製工程中に生じるカブリを防止したり、保存
中の性能変動を小さくしたり、現像時に生じるカブリを
防止する目的で公知のカブリ防止剤、安定剤を用いるこ
とが出来る。こうした目的に用いることのできる好まし
い化合物の例として、特開平2−146036号7頁下
欄に記載された一般式(II)で表される化合物を挙げる
ことができ、更に好ましい具体的な化合物として、同公
報8頁に記載の(IIa−1)〜(IIa−8)、(IIb−
1)〜(IIb−7)の化合物や、1−(3−メトキシフ
ェニル)−5−メルカプトテトラゾール、1−(4−エ
トキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール等の化
合物を挙げることができる。
【0074】これらの化合物は、その目的に応じて、ハ
ロゲン化銀乳剤粒子の調製工程、化学増感工程、化学増
感工程の終了時、塗布液調製工程などの工程で添加され
る。これらの化合物の存在下に化学増感を行う場合に
は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-5〜5×10-4
モル程度の量で好ましく用いられる。化学増感終了時に
添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当たり1×10
-6〜1×10-2モル程度の量が好ましく、1×10-5
5×10-3モルがより好ましい。塗布液調製工程でハロ
ゲン化銀乳剤層に添加する場合には、ハロゲン化銀1モ
ル当たり1×10-6〜1×10-1モル程度の量が好まし
く、1×10-5〜1×10-2モルがより好ましい。
【0075】又、ハロゲン化銀乳剤層以外の層に添加す
る場合には、塗布被膜中の量が1m2当たり1×10-9
〜1×10-3モル程度の量が好ましい。
【0076】感光材料には、イラジエーション防止やハ
レーション防止の目的で、種々の波長域に吸収を有する
染料を用いることができる。この目的で、公知の化合物
を何れも用いることが出来るが、特に可視域に吸収を有
する染料としては、特開平3−251840号308頁
に記載のAI−1〜11の染料、及び特開平6−377
0号記載の染料が好ましく用いられ、赤外線吸収染料と
しては、特開平1−280750号2頁左下欄に記載の
一般式(I)、(II)、(III)で表される化合物が、
好ましい分光特性を有し、乳剤の写真特性への影響もな
く、又、残色による汚染もなく好ましい。好ましい化合
物の具体例として、同公報3頁左下欄〜5頁左下欄に挙
げられた例示化合物(1)〜(45)を挙げることがで
きる。
【0077】これら染料の添加量としては、レーザー光
による露光のように超高照度極短時間での露光及び、L
EDを用いた露光のように高照度短時間での露光の両方
における鮮鋭性を向上させるために、感光材料が630
〜730nmに分光感度極大を一つ有し、かつ670n
mにおける反射光量が入射光量の10%以下である態様
が好ましく用いられる。
【0078】感光材料中に、蛍光増白剤を添加すること
が白地性を改良でき好ましい。好ましく用いられる化合
物として、特開平2−232652号記載の一般式IIで
示される化合物が挙げられる。
【0079】本発明の感光材料をカラー感光材料として
用いる場合には、イエローカプラー、マゼンタカプラ
ー、シアンカプラーに組み合わせて380〜900nm
の波長域の特定領域に分光増感されたハロゲン化銀乳剤
を含む層を有する。該ハロゲン化銀乳剤は、1種又は2
種以上の増感色素を組み合わせて含有する。
【0080】ハロゲン化銀乳剤の分光増感に用いる分光
増感色素としては、公知の化合物を何れも用いることが
できるが、青感光性増感色素としては、特開平3−25
1840号28頁に記載のBS−1〜8を単独で又は組
み合わせて好ましく用いることができる。緑感光性増感
色素としては、同公報28頁に記載のGS−1〜5が好
ましく用いられる。赤感光性増感色素としては、同公報
29頁に記載のRS−1〜8が好ましく用いられる。
又、半導体レーザーを用いるなどして赤外光により画像
露光を行う場合には、赤外感光性増感色素を用いる必要
があるが、該赤外感光性増感色素としては、特開平4−
285950号6〜8頁に記載のIRS−1〜11の色
素が好ましく用いられる。又、これらの赤外、赤、緑、
青感光性増感色素に、特開平4−285950号8〜9
頁に記載の強色増感剤SS−1〜SS−9や特開平5−
66515号15〜17頁に記載の化合物S−1〜S−
17を組み合わせて用いるのが好ましい。
【0081】これら増感色素の添加時期としては、ハロ
ゲン化銀粒子形成から化学増感終了までの任意の時期で
よい。添加方法としては、メタノール、エタノール、弗
素化アルコール、アセトン、ジメチルホルムアミド等の
水混和性有機溶媒や水に溶解して溶液として添加しても
よいし、固体分散物として添加してもよい。
【0082】本発明の感光材料に用いられるカプラーと
しては、発色現像主薬の酸化体とカップリング反応して
340nmより長波長域に分光吸収極大波長を有するカ
ップリング生成物を形成し得る如何なる化合物も用いる
ことが出来るが、特に代表的なものとしては、波長域3
50〜500nmに分光吸収極大波長を有するイエロー
色素形成カプラー、波長域500〜600nmに分光吸
収極大波長を有するマゼンタ色素形成カプラー、波長域
600〜750nmに分光吸収極大波長を有するシアン
色素形成カプラーとして知られるものである。
【0083】好ましく用いることのできるシアンカプラ
ーとしては、特開平4−114154号5頁左下欄に記
載の一般式(C−I)、(C−II)で表されるカプラー
を挙げることができ、具体的な化合物は、同公報5頁右
下欄〜6頁左下欄にCC−1〜CC−9として記載され
ているものが挙げられる。
【0084】好ましく用いることのできるマゼンタカプ
ラーとしては、特開平4−114154号4頁右上欄に
記載の一般式(M−I)、(M−II)で表されるカプラ
ーを挙げることができ、具体的な化合物は、同公報4頁
左下欄〜5頁右上欄にMC−1〜MC−11として記載
されているものが挙げられる。上記マゼンタカプラーの
内、より好ましいのは、同公報4頁右上欄に記載の一般
式(M−I)で表されるカプラーであり、その内、上記
一般式(M−I)のRMが3級アルキル基であるカプラ
ーが、耐光性に優れ特に好ましい。同公報5頁上欄に記
載されているMC−8〜MC−11は、青から紫、赤に
到る色の再現に優れ、更にディテールの描写力にも優れ
好ましい。
【0085】好ましく用いることのできるイエローカプ
ラーとしては、特開平4−114154号3頁右上欄に
記載の一般式(Y−I)で表されるカプラーを挙げるこ
とができ、具体的な化合物は、同公報3頁左下欄以降に
YC−1〜YC−9として記載されているものが挙げら
れる。中でも、同公報の一般式[Y−1]のRY1がアル
コキシ基であるカプラー、又は特開平6−67388号
記載の一般式[I]で示されるカプラーは、好ましい色
調の黄色を再現でき好ましい。この内、特に好ましい化
合物例としては、特開平4−114154号4頁左下欄
に記載されているYC−8、YC−9、及び特開平6−
67388号13〜14頁に記載のNo(1)〜(4
7)で示される化合物を挙げることができる。更に、最
も好ましい化合物は、特開平4−81847号1頁及び
同公報11〜17頁に記載の一般式[Y−1]で示され
る化合物である。
【0086】カプラーやその他の有機化合物を添加する
のに水中油滴型乳化分散法を用いる場合には、通常、沸
点150℃以上の水不溶性高沸点有機溶媒に、必要に応
じて低沸点及び/又は水溶性有機溶媒を併用して溶解
し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダー中に界面活
性剤を用いて乳化分散する。分散手段としては、攪拌
機、ホモジナイザー、コロイドミル、フロージェットミ
キサー、超音波分散機等を用いることができる。分散
後、又は分散と同時に、低沸点有機溶媒を除去する工程
を入れてもよい。
【0087】カプラーを溶解して分散するために用いら
れる高沸点有機溶媒としては、ジオクチルフタレート、
ジi−デシルフタレート、ジブチルフタレート等のフタ
ル酸エステル類、トリクレジルホスフェート、トリオク
チルフタレート等の燐酸エステル類が好ましく用いられ
る。又、高沸点有機溶媒の誘電率としては3.5〜7.
0であることが好ましい。又、2種以上の高沸点有機溶
媒を併用することもできる。
【0088】又、高沸点有機溶媒を用いる方法に代え
て、又は高沸点有機溶媒と併用して、水不溶性かつ有機
溶媒可溶性のポリマー化合物を、必要に応じて低沸点及
び/又は水溶性有機溶媒に溶解し、ゼラチン水溶液など
の親水性バインダー中に、界面活性剤を用いて種々の分
散手段により乳化分散する方法を採ることもできる。こ
の時用いられる水不溶性で有機溶媒可溶性のポリマーと
しては、ポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)等を挙
げることができる。
【0089】写真用添加剤の分散や、塗布時の表面張力
調整のため用いられる界面活性剤として好ましい化合物
としては、1分子中に炭素数8〜30の疎水性基とスル
ホ基又はその塩を含有するものが挙げられる。具体的に
は、特開昭64−26854号記載のA−1〜A−11
が挙げられる。又、アルキル基に弗素原子を置換した界
面活性剤も好ましく用いられる。これらの分散液は、通
常、ハロゲン化銀乳剤を含有する塗布液に添加される
が、分散後、塗布液に添加される迄の時間、及び塗布液
に添加後、塗布までの時間は短い方が良く、各々10時
間以内が好ましく、3時間以内、20分以内がより好ま
しい。
【0090】上記各カプラーには、形成された色素画像
の光、熱、湿度等による褪色を防止するため褪色防止剤
を併用することが好ましい。特に好ましい化合物として
は、前記一般式(KP−I)で表される本発明の化合物
に加えて、特開平2−66541号3頁記載の一般式I
及びIIで示されるフェニルエーテル系化合物、特開平3
−174150号記載の一般式IIIBで示されるフェノ
ール系化合物、特開昭64−90445号記載の一般式
Aで示されるアミン系化合物、特開昭62−18274
1号記載の一般式XII、XIII、XIV、XVで示される金属錯
体が、特にマゼンタ色素用として好ましい。又、特開平
1−196049号記載の一般式I′で示される化合物
及び特開平5−11417号記載の一般式IIで示される
化合物が、特にイエロー、シアン色素用として好まし
い。
【0091】発色色素の吸収波長をシフトさせる目的
で、特開平4−114154号9頁左下欄に記載の化合
物(d−11)、同公報10頁左下欄に記載の化合物
(A′−1)等の化合物を用いることができる。又、こ
れら以外にも、米国特許4,774,187号に記載の
蛍光色素放出化合物を用いることも出来る。
【0092】感光材料には、現像主薬酸化体と反応する
化合物を感光層と感光層の間の層に添加して色濁りを防
止したり、又、乳剤層に添加してカブリ等を改良するこ
とが好ましい。このための化合物としてはハイドロキノ
ン誘導体が好ましく、更に好ましくは2,5−ジ−t−
オクチルハイドロキノンのようなジアルキルハイドロキ
ノンである。特に好ましい化合物は、特開平4−133
056号記載の一般式IIで示される化合物であり、同公
報13〜14頁記載の化合物II−1〜II−14及び17
頁記載の化合物1が挙げられる。
【0093】感光材料中には、紫外線吸収剤を添加して
スタチックカブリを防止したり、色素画像の耐光性を改
良することが好ましい。好ましい紫外線吸収剤としては
ベンゾトリアゾール類が挙げられ、特に好ましい化合物
としては、特開平1−250944号記載の一般式III
−3で示される化合物、特開昭64−66646号記載
の一般式IIIで示される化合物、特開昭63−1872
40号記載のUV−1L〜UV−27L、特開平4−1
633号記載の一般式Iで示される化合物、特開平5−
165144号記載の一般式(I)、(II)で示される
化合物が挙げられる。
【0094】感光材料には、バインダーとしてゼラチン
を用いることが有利であるが、必要に応じて、ゼラチン
誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼ
ラチン以外の蛋白質、糖誘導体、セルロース誘導体、単
一あるいは共重合体の如き合成親水性高分子物質等の親
水性コロイドも用いることができる。
【0095】これらバインダーの硬膜剤としては、ビニ
ルスルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独
又は併用して使用することが好ましい。特開昭61−2
49054号、同61−245153号等に記載の化合
物を使用することが好ましい。又、写真性能や画像保存
性に悪影響する黴や細菌の繁殖を防ぐため、コロイド層
中に特開平3−157646号記載のような防腐剤及び
抗黴剤を添加することが好ましい。
【0096】又、感光材料の処理前あるいは処理後の表
面物性を改良するため、保護層に特開平6−11854
3号や同2−73250号記載の滑り剤やマット剤を添
加することが好ましい。
【0097】本発明の感光材料に用いる支持体として
は、どのような材質を用いてもよく、ポリエチレン(P
E)やポリエチレンテレフタレート(PET)で被覆し
た紙、天然パルプや合成パルプから成る紙支持体、塩化
ビニルシート、白色顔料を含有してもよいポリプロピレ
ン、PET支持体、バライタ紙などを用いることができ
る。中でも、原紙の両面に耐水性樹脂被覆層を有する支
持体が好ましい。
【0098】耐水性樹脂としてはPEやPET又はそれ
らの共重合体が好ましい。
【0099】支持体に用いられる白色顔料としては、無
機及び/又は有機の白色顔料を用いることができ、好ま
しくは無機の白色顔料である。例えば、硫酸バリウム等
のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアル
カリ土類金属の炭酸塩、微粉珪酸、合成珪酸塩等のシリ
カ類、珪酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸
化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等が挙げられる。
白色顔料において、好ましくは硫酸バリウム、酸化チタ
ンである。
【0100】支持体表面の耐水性樹脂層中に含有される
白色顔料の量は、鮮鋭性を改良する上で13重量%以上
が好ましく、更には15重量%がより好ましい。
【0101】本発明の感光材料に用いる紙支持体におい
て、耐水性樹脂層中の白色顔料の分散度は、特開平2−
28640号に記載の方法で測定することができる。こ
の方法で測定した時に、白色顔料の分散度が前記公報に
記載の変動係数として0.20以下であることが好まし
く、0.15以下がより好ましい。
【0102】又、支持体の中心面平均粗さ(SRa)の
値が0.15μm以下、更には0.12μm以下である
場合、光沢性が良いという効果が得られ、より好まし
い。又、反射支持体の白色顔料含有耐水性樹脂中や塗布
された親水性コロイド層中に、処理後の白地部の分光反
射濃度バランスを調整し白色性を改良するため、群青、
油溶性染料等の微量の青味付剤や赤味付剤を添加するこ
とが好ましい。
【0103】感光材料は、必要に応じて、支持体表面に
コロナ放電、紫外線照射、火炎処理等を施した後、直接
又は下塗層(支持体表面の接着性、帯電防止性、寸度安
定性、耐摩擦性、硬さ、ハレーション防止性、摩擦特性
及び/又はその他の特性を向上するための1又は2以上
の下塗層)を介して塗布されてもよい。
【0104】感光材料の塗布に際して、塗布性を向上さ
せるために増粘剤を用いてもよい。塗布法としては、2
種以上の層を同時に塗布することの出来るエクストルー
ジョンコーティング及びカーテンコーティングが特に有
用である。
【0105】本発明の画像形成方法は、特に直接鑑賞用
の画像を形成する感光材料に適用することが好ましい。
例えばカラーペーパー、カラー反転ペーパー、直接ポジ
画像を形成する感光材料、ディスプレイ用感光材料、カ
ラープルーフ用感光材料を挙げることができ、特に反射
支持体を有する感光材料への適用が好ましい。
【0106】感光材料の発色現像処理に用いられる芳香
族1級アミン現像主薬としては、公知の化合物を用いる
ことができる。これらの化合物の例として、N,N−ジ
エチル−p−フェニレンジアミン、2−アミノ−5−ジ
エチルアミノトルエン、2−アミノ−5−(N−エチル
−N−ラウリルアミノ)トルエン、4−(N−エチル−
N−β−ヒドロキシエチル)アミノアニリン、2−メチ
ル−4−(N−エチル−N−β−ヒドロキシエチル)ア
ミノアニリン、4−アミノ−3−メチル−(N−エチル
−N−β−メタンスルホンアミドエチル)アニリン、4
−アミノ−3−メタンスルホンアミドエチル−(N,N
−ジエチル)アニリン、N,N−ジメチル−p−フェニ
レンジアミン、4−アミノ−3−メチル−(N−エチル
−N−メトキシエチル)アニリン、4−アミノ−3−メ
チル−(N−エチル−N−β−エトキシエチル)アニリ
ン、4−アミノ−3−メチル−(N−エチル−N−γ−
ヒドロキシプロピル)アニリン等の化合物、及び特開平
3−345142号、同4−11255号、同4−45
440号、同4−226452号、同4−371948
号等に記載される各種芳香族1級アミン現像主薬等を挙
げることができる。
【0107】又、芳香族1級アミン発色現像主薬以外に
も、例えば欧州特許565,165号、同572,05
4号、同593,110号、特開平8−202002
号、同8−227131号、同8−234390号等に
記載されるスルホニルヒドラジド、カルボニルヒドラジ
ド型発色現像主薬も好ましく用いることができる。
【0108】本発明においては、上記発色現像主薬を含
む発色現像液を任意のpH域で使用できるが、迅速処理
の観点からpH9.5〜13.0での使用が好ましく、
より好ましくはpH9.8〜12.0の範囲である。
【0109】発色現像の処理温度は、35〜70℃が好
ましい。温度が高いほど短時間の処理が可能であり好ま
しいが、処理液の安定性からは余り高くない方が好まし
く、37〜60℃で処理することが好ましい。
【0110】発色現像時間は45秒以内が好ましく、更
に30秒以内の範囲で行うことがより好ましい。
【0111】発色現像液には、前記の発色現像主薬に加
えて、既知の現像液成分化合物を添加することが出来
る。通常、pH緩衝作用を有するアルカリ剤、塩化物イ
オン、ベンゾトリアゾール類等の現像抑制剤、保恒剤、
キレート剤などが用いられる。
【0112】又、本発明においては上記発色現像主薬
(又はそのプレカーサ)あるいは酸化還元反応等により
色素を放出できる化合物を予め感光材料中に内蔵させて
おき、必要に応じて少量の反応助剤(水など)の供給、
処理シートの重ね合せ等を行い、加熱により現像を行
う、いわゆる熱現像により画像形成を行う方法も好まし
く用いることができる。
【0113】感光材料は、発色現像後、漂白処理及び定
着処理を施される。漂白処理は定着処理と同時に行って
もよい。定着処理の後は、通常は水洗処理が行われる。
又、水洗処理の代替として、安定化処理を行ってもよ
い。
【0114】本発明の感光材料の現像処理に用いる現像
処理装置としては、処理槽に配置されたローラーに感光
材料を挟んで搬送するローラートランスポートタイプで
あっても、ベルトに感光材料を固定して搬送するエンド
レスベルト方式であってもよいが、処理槽をスリット状
に形成して、この処理槽に処理液を供給すると共に感光
材料を搬送する方式や、処理液を噴霧状にするスプレー
方式、処理液を含浸させた担体との接触によるウエッブ
方式、粘性処理液による方式なども用いることができ
る。
【0115】感光材料を大量に処理する場合には、自動
現像機を用いてランニング処理するのが通常だが、この
際、補充液の補充量は少ない程好ましく、環境適性など
より最も好ましい処理形態は、補充方法として錠剤の形
態で処理剤を添加することであり、公開技報94−16
935号に記載の方法が最も好ましい。熱現像を行う場
合における漂白、定着処理は、例えば画像色素のみを別
のシート(色素受像材料)に転写することにより行う方
法も用いることができる。
【0116】
【実施例】次に本発明を実施例に基づき説明するが、本
発明の実施態様はこれに限定されない。
【0117】実施例1 (青感光性ハロゲン化銀乳剤Em−B1の調製)40℃
に保温した2%ゼラチン水溶液1リットル中に、下記
(A1液)及び(B1液)をpAg=7.3、pH=
3.0に制御しつつ同時添加し、更に下記(C1液)及
び(D1液)をpAg=8.0、pH=5.5に制御し
つつ同時添加した。この時、pAgの制御は特開昭59
−45437号記載の方法により行い、pHの制御は硫
酸又は水酸化ナトリウム水溶液を用いて行った。
【0118】 (A1液) 塩化ナトリウム 3.42g 臭化カリウム 0.03g 水を加えて 200ml (B1液) 硝酸銀 10g 水を加えて 200ml (C1液) 塩化ナトリウム 102.7g ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム 4×10-8モル ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム 2×10-5モル 臭化カリウム 1.0g 水を加えて 600ml (D1液) 硝酸銀 300g 水を加えて 600ml 添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液
と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行っ
た後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.55μ
m、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.
5モル%の単分散立方体乳剤EMP−1Aを得た。
【0119】次に、EMP−1Aの調製において、(A
1液)と(B1液)の添加時間及び(C1液)と(D1
液)の添加時間を変更した以外は同様にして、平均粒径
0.50μm、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含
有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−1Bを
得た。
【0120】上記EMP−1Aに対し、下記化合物を用
い60℃にて最適に化学増感を行った。又、EMP−1
Bに対しても同様に最適に化学増感した後、増感された
EMP−1AとEMP−1Bを銀量で1:1の割合で混
合し、青感光性ハロゲン化銀乳剤(Em−B1)を得
た。
【0121】 チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX 塩化金酸 0.5mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX 増感色素 BS−1 4×10-4モル/モルAgX 増感色素 BS−2 1×10-4モル/モルAgX STAB−1:1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾー ル STAB−2:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール STAB−3:1−(4−エトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール (緑感光性ハロゲン化銀乳剤Em−G1の調製)前述の
ハロゲン化銀乳剤EMP−1Aの調製において、(A1
液)と(B1液)の添加時間及び(C1液)と(D1
液)の添加時間を変更する以外は同様にして、平均粒径
0.40μm、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立
方体乳剤EMP−11A及び、平均粒径0.45μm、
塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP
−11Bを得た。
【0122】上記EMP−11Aに対し、下記化合物を
用い60℃にて最適に化学増感を行った。又、EMP−
11Bに対しても同様に最適に化学増感した後、増感さ
れたEMP−11AとEMP−11Bを銀量で1:1の
割合で混合し、緑感光性ハロゲン化銀乳剤(Em−G
1)を得た。
【0123】 チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX 塩化金酸 1.0mg/モルAgX 増感色素 GS−1 4×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX (赤感光性ハロゲン化銀乳剤Em−R1の調製)前記E
MP−1Aの調製において、(A1液)と(B1液)の
添加時間及び(C1液)と(D1液)の添加時間を変更
する以外は同様にして、平均粒径0.38μm、塩化銀
含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−21
A及び、平均粒径0.42μm、塩化銀含有率99.5
モル%の単分散立方体乳剤EMP−21Bを得た。
【0124】上記EMP−21Aに対し、下記化合物を
用い60℃にて最適に化学増感を行った。又、EMP−
21Bに対しても同様に最適に化学増感した後、増感さ
れたEMP−21AとEMP−21Bを銀量で1:1の
割合で混合し、赤感光性ハロゲン化銀乳剤(Em−R
1)を得た。
【0125】 チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX 塩化金酸 2.0mg/モルAgX 増感色素 RS−1 1×10-4モル/モルAgX 増感色素 RS−2 1×10-4モル/モルAgX 強色増感剤 SS−1 2×10-3モル/モルAgX 安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX これら乳剤Em−B1、Em−G1及びEm−R1の調
製に用いた添加剤の構造を示す。
【0126】
【化8】
【0127】
【化9】
【0128】(感光材料101〜112の作製)坪量1
80g/m2の紙パルプの両面に高密度ポリエチレンを
ラミネートし、紙支持体を作製した。ただし、乳剤層を
塗布する側には、表面処理を施したアナターゼ型酸化チ
タンを15重量%の含有量で分散して含む溶融ポリエチ
レンをラミネートした。この反射支持体をコロナ放電処
理した後、ゼラチン下塗層を設け、更に、以下に示す構
成の各層を塗設し、多層感光材料試料101を作製し
た。
【0129】試料の作製においては、下記の塗布量にな
るよう各層塗布液を調製し、硬膜剤として(H−1),
(H−2)を添加した。又、塗布助剤としては、界面活
性剤(SU−1),(SU−2),(SU−3)を添加
し、表面張力を調整した。更に、各層に防黴剤(F−
1)を全量が0.04g/m2となるように添加した。
尚、ハロゲン化銀乳剤は銀に換算した値で示した。
【0130】 層 構 成 添加量(g/m2) 第7層 ゼラチン 1.00 (保護層) 高沸点溶媒(DIDP) 0.002 高沸点溶媒(DBP) 0.002 二酸化珪素 0.003 第6層 ゼラチン 0.40 (紫外線吸収層) イラジエーション防止染料(AI−1) 0.01 紫外線吸収剤(UV−1) 0.12 紫外線吸収剤(UV−2) 0.04 紫外線吸収剤(UV−3) 0.16 ステイン防止剤(HQ−5) 0.04 PVP 0.03 第5層 ゼラチン 1.30 (赤感光性層) 赤感光性乳剤(Em−R1) 0.17 シアンカプラー(C−1) 0.28 シアンカプラー(C−2) 0.03 色素画像安定化剤(ST−1) 0.10 ステイン防止剤(HQ−1) 0.004 高沸点溶媒(DBP) 0.10 高沸点溶媒(DOP) 0.20 第4層 ゼラチン 0.94 (紫外線吸収層) 紫外線吸収剤(UV−1) 0.28 紫外線吸収剤(UV−2) 0.09 紫外線吸収剤(UV−3) 0.38 イラジエーション防止染料(AI−1) 0.02 ステイン防止剤(HQ−5) 0.10 第3層 ゼラチン 1.30 (緑感光性層) イラジエーション防止染料(AI−2) 0.01 緑感光性乳剤(Em−G1) 0.15 マゼンタカプラー(M−1) 0.20 色素画像安定化剤(ST−3) 0.20 色素画像安定化剤(ST−4) 0.17 高沸点溶媒(DIDP) 0.13 高沸点溶媒(DBP) 0.13 第2層 ゼラチン 1.20 (中間層) イラジエーション防止染料(AI−3) 0.01 ステイン防止剤(HQ−2) 0.03 ステイン防止剤(HQ−3) 0.03 ステイン防止剤(HQ−4) 0.05 ステイン防止剤(HQ−5) 0.23 高沸点溶媒(DIDP) 0.04 高沸点溶媒(DBP) 0.02 蛍光増白剤(W−1) 0.10 第1層 ゼラチン 1.20 (青感光性層) 青感光性乳剤(Em−B1) 0.28 イエローカプラー(Y−1) 0.70 色素画像安定化剤(ST−1) 0.10 色素画像安定化剤(ST−2) 0.10 ステイン防止剤(HQ−1) 0.01 画像安定剤A 0.15 高沸点溶媒(DBP) 0.10 高沸点溶媒(DNP) 0.05 支持体 ポリエチレンラミネート紙 感光材料作製に用いた添加剤の構造を以下に示す。
【0131】SU−1:トリ−i−プロピルナフタレン
スルホン酸ナトリウム SU−2:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)・ナ
トリウム塩 SU−3:スルホ琥珀酸ビス(2,2,3,3,4,
4,5,5−オクタフルオロペンチル)・ナトリウム塩 H−1:テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン H−2:2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリ
アジン・ナトリウム DBP:ジブチルフタレート DIDP:ジ−i−デシルフタレート DOP:ジオクチルフタレート DNP:ジノニルフタレート PVP:ポリビニルピロリドン HQ−1:2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン HQ−2:2,5−ジ−sec−ドデシルハイドロキノ
ン HQ−3:2,5−ジ−sec−テトラデシルハイドロ
キノン HQ−4:2−sec−ドデシル−5−sec−テトラ
デシルハイドロキノン HQ−5:2,5−ビス(1,1−ジメチル−4−ヘキ
シルオキシカルボニル)ブチルヒドロキノン 画像安定剤A:p−t−オクチルフェノール
【0132】
【化10】
【0133】
【化11】
【0134】
【化12】
【0135】
【化13】
【0136】このようにして作製した感光材料試料10
1に対して、以下のような走査露光、現像を行った。
【0137】走査露光は、光源として半導体レーザー
(発振波長650nm)、He−Neガスレーザー(発
振波長544nm)、Arガスレーザー(発振波長45
8nm)を用い、画像データに基づき各々のレーザービ
ームに対してAOMにより光量を変調しながらポリゴン
に反射させて、感光材料上に主走査を行うと同時に、主
走査方向に対して垂直方向に感光材料を搬送する(副走
査)ことにより行った。この時、ビーム径は、B、G、
R各々100μmであることをビームモニターを用い確
認した。又、目標最高濃度値を表1に示すように設定
し、最低濃度から最高濃度までを21ステップに分割し
てグレーパッチの出力を行い、下記現像処理工程1によ
る処理を施して得られたグレーパッチの濃度測定結果か
ら、画像データと露光量制御値を対応づける制御用変換
テーブル(C−LUT)を書き換える作業(キャリブレ
ーション)を3回繰り返した。
【0138】3回のキャリブレーション作業終了後、何
れの場合も、画像データと目標濃度を対応づける変換テ
ーブル(D−LUT)に予め設定されていた目標濃度
と、実際にプリントされたグレーパッチ濃度との差が、
目標濃度に対して平均で5%以内となっていることを確
認した。又、キャリブレーションが終了した段階で、最
高濃度を得るのに必要な露光量を制御用変換テーブルか
ら読み取り、その露光量となるように光源を発光させ
た。この時、ポリゴンの直前にビームモニターを設置
し、その時のビーム径及びビーム強度を測定し、ポリゴ
ンの反射率及びポリゴンと記録材料間にあるレンズの透
過率を掛け合わせることで、記録材料面上における露光
強度を求めた。
【0139】このようにして、目標最高濃度の設定及び
キャリブレーションが終了した状態で、Photo S
hop5.0(アドビ社製)上で作成した画像データに
基づき走査露光を行い、前述した現像処理工程1による
処理を行った。尚、使用した画像データは解像度300
dpiで作成されており、1画素幅の黒線{(R,G,
B)=(0,0,0)}パターン、及び3種類の黒色デ
ータ{(R,G,B)=(0,0,0)、(13,1
3,13)、(26,26,26)}で描かれている2
ポイント及び4ポイントのテキスト画像、及びイエロー
の最高濃度{(R,G,B)=(255,255,
0)}で作成された1cm四方のパッチ画像から成るも
のを使用した。
【0140】このようにして得られたプリント画像にお
いて、1画素幅の黒線部分を、マイクロデンシトメータ
ー(PDM−5AR:コニカ社製)にB、G、Rのラッ
テンフィルターを組み合わせて測定し、細線のイエロー
成分、グリーン成分及びレッド成分それぞれにおける線
幅を求め、最大幅を有する成分と最小幅を有する成分の
線幅の差(Δ線幅)を求めた。差が小さいほどバランス
が揃っており、細線の色滲みが少なく好ましいことを示
す。尚、線幅は、マイクロデンシトメーターで測定した
時の非線部濃度(最低濃度)と線画像部の最高濃度との
中間濃度点での幅(半値幅)を用いた。
【0141】又、イエローのパッチ画像部の青色光反射
濃度に対する緑色光反射濃度の比(Yパッチ濃度比)を
求めた。この値が小さい程、分光感度分布の重なり等に
起因する色濁りが小さく、相対的に高いイエロー単色画
像を再現できることを示す。
【0142】更に、露光装置における青色光光源を、A
rガスレーザーから半導体レーザーGaAlAs(発振
波長850nm)とMgO:LiNbO3のSHG結晶
を組み合わせた固体レーザー(発振波長425nm)あ
るいはLD(半導体レーザ)励起Nd:YAG946n
mレーザとSHG素子を組み合わせた固体レーザー(発
振波長473nm)に変更した以外は同様にして、評価
を行った。結果を表1に纏めて示す。
【0143】 (現像処理工程1) 処 理 温 度 時 間 カラー現像液(CD−1) 37.0±0.5℃ 45秒 漂白定着液(BF−1) 35.0±2.5℃ 45秒 安定化液 35〜39℃ 45秒 乾 燥 60〜80℃ 30秒 カラー現像液(CD−1) 純水 800ml トリエチレンジアミン 2g ジエチレングリコール 10g 臭化カリウム 0.02g 塩化カリウム 4.5g 亜硫酸カリウム 0.25g N−エチル−N−(βメタンスルホンアミドエチル) −3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 4.0g N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 5.6g トリエタノールアミン 10.0g ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩 2.0g 炭酸カリウム 30g 水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又は水酸化カリウムでpH10.1に 調整する。
【0144】 漂白定着液(BF−1) 純水 700ml ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 65g ジエチレントリアミン五酢酸 3g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml 2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール 2.0g 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml 水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷酢酸でpH=5.0に 調整する。
【0145】 安定化液 純水 800ml o−フェニルフェノール 1.0g 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g ジエチレングリコール 1.0g 蛍光増白剤(チノパールSFP) 2.0g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.8g 硫酸マグネシウム・7水塩 0.2g ポリビニルピロリドン 1.0g ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩 1.5g 水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又は水酸化カリウムでpH=7.5に 調整する。
【0146】
【表1】
【0147】表1の結果より、最高濃度を得るために必
要な青色光と緑色光の記録材料面上における強度比が本
発明の範囲外である試料101、104、107は、イ
エロー細線の滲みが大きく、最大幅を有する成分と最小
幅を有する成分の線幅の差が大きく(バランスが揃わ
ず)好ましくないが、本発明の条件を満たす試料10
2、103、105、106、108及び109は、イ
エロー細線の滲みが小さく、細線及び小さなテキスト画
像においても滲みがなく再現されていることを確認し
た。又、青色光源波長が425nmの場合には、目標最
高濃度を高く設定しても、イエローのパッチ画像部の青
色光反射濃度に対する緑色光反射濃度の比が小さく、高
い最高濃度と美しい純色画像を同時に再現し易い本発明
の特に好ましい態様であることが判る。
【0148】実施例2 実施例1の感光材料試料101の作製において、第2層
のイラジエーション防止染料(AI−3)の量を表2に
示すように変更した以外は同様にして、感光材料試料2
01〜205を作製した。
【0149】試料201〜205の各々に対し、607
型カラーアナライザー(日立社製)を用いて露光前の反
射スペクトルを測定し、露光光源の極大波長における記
録材料面の吸光度を求めた。又、試料201〜205に
対し、実施例1で使用した露光装置{ただし、青色光の
露光光源を、半導体レーザーGaAlAs(発振波長8
50nm)とMgO:LiNbO3のSHG結晶を組み
合わせた固体レーザー(発振波長425nm)に変更}
を用い、実施例1と同様のキャリブレーション操作及び
画像出力、評価を行った。尚、目標最高濃度は全て
(R,G,B)=(2.1,2.1,2.1)とした。
結果を併せて表2に示す。
【0150】
【表2】
【0151】表2において、露光に用いる青色光と緑色
光各々の極大波長における記録材料面上の吸光度の比が
本発明の要件を満たさない試料202においては細線に
おいてイエロー滲みが発生し、又、試料205において
は細線においてマゼンタ滲みが発生し、何れも小さなテ
キスト画像の再現性が劣っていた。一方、本発明の条件
を満たす試料201、203及び204においては、細
線における色バランスの劣化が小さく小さなテキスト画
像も良好に再現できた。
【0152】実施例3 実施例1の感光材料試料101の作製において、第2層
のイラジエーション防止染料(AI−3)の量を表3に
示すように変更し、又、第1層に表3に示すような化合
物を添加した以外は同様にして、感光材料試料301〜
312を作製した。
【0153】試料301〜312の各々に対し、実施例
2と同様にして、露光光源の極大波長における記録材料
面の吸光度を求めた。又、目標最高濃度は全て(R,
G,B)=(2.1,2.1,2.1)とし、実施例1
で使用した露光装置{ただし、青色光の露光光源を半導
体レーザーGaAlAs(発振波長850nm)とMg
O:LiNbO3のSHG結晶を組み合わせた固体レー
ザー(発振波長425nm)に変更}を用い、実施例1
と同様のキャリブレーション操作及び画像出力、評価を
行った。結果を併せて表3に示す。
【0154】
【表3】
【0155】表3の結果より、露光に用いる青色光と緑
色光各々の極大波長における記録材料面上の吸光度の比
が本発明の要件を満たさない試料303、306、30
9及び312においては細線においてイエロー滲みが発
生し、小さなテキスト画像の再現性が劣っていた。一
方、本発明の条件を満たす試料301、302、30
4、305、307、308、310及び311におい
ては、細線における色バランスの劣化が小さく、小さな
テキスト画像も良好に再現できた。中でも第1層に、一
般式(KP−I)で表される本発明の好ましい化合物を
添加した試料においては、イエローのパッチ画像部の青
色光反射濃度に対する緑色光反射濃度の比が小さく、高
い最高濃度と美しい純色画像を同時に再現し易いことを
確認した。
【0156】
【発明の効果】本発明の画像形成方法によれば、デジタ
ル化された画像情報を露光後、現像することにより、高
い最高濃度を有し、細線画像再現時の滲みが軽減され、
かつ色濁りのない画像が得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録材料上に、青色光及び緑色光を含む
    波長の異なる少なくとも3色の光により、デジタル化さ
    れた画像情報を露光後、現像する画像形成方法におい
    て、記録材料上で最高濃度を得るために必要な青色光と
    緑色光の記録材料面上における強度比が、下記(1)式
    を満足することを特徴とする画像形成方法。 0.1≦P(B)/P(G)≦0.5・・・(1)式 ここで、P(B)は記録材料上で最高濃度を得るために
    必要な、記録材料面上における青色光強度を表し、P
    (G)は記録材料上で最高濃度を得るために必要な、記
    録材料面上における緑色光強度を表す。
  2. 【請求項2】 記録材料上に、青色光及び緑色光を含む
    波長の異なる少なくとも3色の光により、デジタル化さ
    れた画像情報を露光後、現像する画像形成方法におい
    て、露光に用いる青色光と緑色光それぞれの極大波長に
    おける記録材料面上の吸光度比が、下記(2)式を満足
    することを特徴とする画像形成方法。 0.75≦A(B)/A(G)≦1.25・・・(2)式 ここで、A(B)は画像記録用青色光の極大波長におけ
    る、記録材料面の吸光度を表し、A(G)は画像記録用
    緑色光の極大波長における、記録材料面の吸光度を表
    す。
  3. 【請求項3】 青色光の極大波長が390〜430nm
    であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成
    方法。
  4. 【請求項4】 記録材料が、少なくとも感光性ハロゲン
    化銀及び色素供与物質を含有して成るハロゲン化銀写真
    感光材料であり、かつ下記一般式(KP−I)で表され
    る化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする請
    求項1、2又は3記載の画像形成方法。 【化1】 〔式中、R1は3級アルキル基を示し、R2は1級又は2
    級アルキル基を表す。ただし、R2はフェニル基によっ
    て置換されることはない。R3、R4及びR5は各々、水
    素原子、アルキル基、アルコキシカルボニル基、フェノ
    キシカルボニル基、アルコキシ基、フェノキシ基又はフ
    ェニルチオ基を表す。〕
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