JP2006258879A - ハロゲン化銀カラー感光材料及び面積階調画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、対象印刷物と墨画像部分の目視鑑賞と測定値との解離が小さく、かつ白地安定性に優れたハロゲン化銀カラー感光材料及びそれを用いた面積階調画像形成方法を提供することにある。
【解決手段】 反射支持体上に、少なくとも1層の感光性層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該反射支持体に最も近接した感光性層がマゼンタ画像形成層であり、かつ該反射支持体に隣接する層が、蛍光増白剤能を有する固体微粒子を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ハロゲン化銀カラー感光材料及び面積階調画像形成方法に関し、特に詳しくは、印刷物の仕上がりを事前に確認するカラープルーフ用途のハロゲン化銀カラー感光材料及び面積階調画像形成方法に関するものである。
一般に、ハロゲン化銀カラー感光材料は、高感度であること、色再現性に優れていること、連続現像処理に適していることから今日盛んに用いられている。従来から広く用いられているカラーネガフィルムで撮影したネガ画像を光学系を用いて焼き付ける方式では、予めプリント条件を設定しておけば、カラーネガフィルムの濃度を測定した結果から簡単にプリント条件が調整され、1回の露光でフルカラーで優れた画質のカラープリント画像を連続的に得ることが可能であり、極めて高い生産性を有していた。
また、ハロゲン化銀カラー感光材料は、最近では、デジタルカメラ等で撮影されたデジタル画像データにより、レーザー、LED等の露光光源の光量を変調して画像を形成するデジタル画像形成にも使われている。デジタル画像露光においても、通常であれば変調されたB、G、Rの3色の光を混合して1回の走査によって画像が形成され、従来と同様の高い生産性を示していた。
また、ハロゲン化銀カラー感光材料を用いた記録材料は、特に、低濃度においてノイズが少ないことが知られており、非常に滑らかな階調再現が可能である特徴を有している。このことから、露光装置が十分な階調再現容量を有する場合には、特に、ハイライトの描写に優れるという特徴を有していた。こうした特徴からハロゲン化銀カラー感光材料は、写真分野のみでなく、印刷の分野でも、印刷の途中の段階で仕上がりの印刷物の状態をチェックするためのいわゆるプルーフの分野で広く用いられるようになってきている。
プルーフの分野では、コンピュータ上で編集された画像を印刷用フィルムに出力し、現像済みのフィルムを適宜交換しつつ分解露光することによって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各画像を形成させ、最終印刷物の画像をカラー印画紙上に形成させることにより、最終印刷物のレイアウトや色の適否を判断することが行われていた。
このような目的には、昇華型・溶融熱転写方式や電子写真方式、インクジェット方式等種々の方式の応用が試みられてきたが、高画質な画像が得られる方式では費用がかかり生産性が劣るという欠点があり、費用が少なくてすみ生産性に優れた方式では画質が劣るという欠点があった。ハロゲン化銀カラー感光材料を用いたシステムでは、優れた鮮鋭性等から、正確な網点画像が形成できるなど高画質な画像形成が可能であり、一方で上述したように連続した処理が可能であることや、複数の色画像形成ユニットに同時に画像を書き込む事ができることから高い生産性を実現することが可能であった。
近年、印刷の分野でもデジタル化が進み、コンピュータ内のデータから直接画像を得る要求が強まっているが、前記したような理由から、ハロゲン化銀カラー感光材料がこの分野でも有利に使われ始めている。
プルーフ用記録材料、特にハロゲン化銀カラー感光材料を用いたプルーフと印刷物では、使用している色材や基材(紙等)が異なるため、測色値を一致させた場合でも目視での画像再現が最適にはならず、見た目が近いものと、測定値が近いものとは解離があった。特に、それは墨画像において解離が大きく、ユーザーが色合わせしずらいという問題があった。
一方、印刷物に近似の白地を得るために、ハロゲン化銀カラー感光材料を用いたプルーフでは、ハロゲン化銀カラー感光材料の処理で用いる現像処理液に蛍光増白剤を含有させることが一般的な方法で行われている(例えば、特許文献1参照)。しかし、上記方法で得たハロゲン化銀カラー感光材料を用いたプルーフの白地は、白地画像をランダムな数点で測定した時に、色調のバラツキが印刷物に比べ大きいという問題があった。
上記の様な課題に対し、印刷物近似の画像得るため、濃度とドットゲインを露光によって独立に制御し、面積階調画像を形成する方法等が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この方法では未だ不十分であり、更なる改良が求められており、更に、白地のバラツキが小さいハロゲン化銀カラー感光材料の開発も望まれている。
特開2001−337407号公報 特開2001−305701号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、対象印刷物と墨画像部分の目視鑑賞と測定値との解離が小さく、かつ白地安定性に優れたハロゲン化銀カラー感光材料及びそれを用いた面積階調画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
反射支持体上に、少なくとも1層の感光性層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該反射支持体に最も近接した感光性層がマゼンタ画像形成層であり、かつ該反射支持体に隣接する層が、蛍光増白剤能を有する固体微粒子を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
(請求項2)
反射支持体上に、少なくとも1層の感光性層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該反射支持体に最も近接した感光性層がマゼンタ画像形成層であり、かつ該反射支持体に隣接する層が、下記一般式〔I〕で表される実質的に水不溶性の有機塩の固体微粒子を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
一般式〔I〕
n-・n〔B+
〔式中、Aはアニオン性基を有する蛍光増白剤成分を表し、Bは炭素数の合計が15以上である有機カチオンを表し、nは1〜9の整数を表す。〕
(請求項3)
反射支持体上に、少なくとも1層の感光性層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該反射支持体に最も近接した感光性層がマゼンタ画像形成層であり、かつ該反射支持体に隣接する層が、下記一般式〔II〕で表される実質的に水不溶性の有機塩の固体微粒子を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
一般式〔II〕
n-・n〔D+
〔式中、Cはスルホン酸基を有する蛍光増白剤成分を表し、Dは炭素数の合計が15以上である有機カチオンを表し、nは1〜9の整数を表す。〕
(請求項4)
反射支持体上に、少なくとも1層の感光性層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該反射支持体に最も近接した感光性層がマゼンタ画像形成層であり、かつ構成層の少なくとも1層が、蛍光増白剤能を有する固体微粒子と白色顔料とを含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
(請求項5)
反射支持体上に、少なくとも1層の感光性層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該反射支持体に最も近接した感光性層がマゼンタ画像形成層であり、かつ構成層の少なくとも1層が、下記一般式〔I〕で表される実質的に水不溶性の有機塩の固体微粒子と白色顔料とを含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
一般式〔I〕
n-・n〔B+
〔式中、Aはアニオン性基を有する蛍光増白剤成分を表し、Bは炭素数の合計が15以上である有機カチオンを表し、nは1〜9の整数を表す。〕
(請求項6)
反射支持体上に、少なくとも1層の感光性層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該反射支持体に最も近接した感光性層がマゼンタ画像形成層であり、かつ構成層の少なくとも1層が、下記一般式〔II〕で表される実質的に水不溶性の有機塩の固体微粒子と白色顔料とを含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
一般式〔II〕
n-・n〔D+
〔式中、Cはスルホン酸基を有する蛍光増白剤成分を表し、Dは炭素数の合計が15以上である有機カチオンを表し、nは1〜9の整数を表す。〕
(請求項7)
該白色顔料が、二酸化チタンであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
(請求項8)
請求項1〜7のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料を用いて、画像形成の最小単位の集合体として網点を再現する面積階調画像を形成することを特徴とする面積階調画像形成方法。
本発明によれば、対象印刷物と墨画像部分の目視鑑賞と測定値との解離が小さく、かつ白地安定性に優れたハロゲン化銀カラー感光材料及びそれを用いた面積階調画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、反射支持体上に、少なくとも1層の感光性層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該反射支持体に最も近接した感光性層がマゼンタ画像形成層であって、1)反射支持体に隣接する層が、蛍光増白剤能を有する固体微粒子を含有すること、前記一般式〔I〕で表される実質的に水不溶性の有機塩の固体微粒子を含有すること、または前記一般式〔II〕で表される実質的に水不溶性の有機塩の固体微粒子を含有すること、あるいは2)構成層の少なくとも1層が同一層内に、蛍光増白剤能を有する固体微粒子と白色顔料とを含有すること、前記一般式〔I〕で表される実質的に水不溶性の有機塩の固体微粒子と白色顔料とを含有すること、または前記一般式〔II〕で表される実質的に水不溶性の有機塩の固体微粒子と白色顔料とを含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料により、対象印刷物と墨画像部分の目視鑑賞と測定値との解離が小さく、かつ白地安定性に優れたハロゲン化銀カラー感光材料を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料においては、反射支持体に隣接する層あるいは白色顔料が含有する層が、蛍光増白剤能を有する固体微粒子を含有することを特徴とする。
本発明に係る蛍光増白能を有する化合物は、実質的に水に不溶性の蛍光増白効果を有する化合物であり、実質的に水不溶で常温で蛍光増白能を有する化合物であるならば、特に制限なく用いることができる。ここで実質的に水不溶とは、25℃において、純水100gに対する溶解度が1.0g以下であることを表す。
実質的に水不溶の蛍光増白効果を有する化合物としては、具体的には、一般的な水不溶性の蛍光増白剤を用いることができるが、本発明においては下記一般式〔I〕で表される実質的に水不溶性の有機塩を用いることを1つの特徴とする。
一般式〔I〕
n-・n〔B+
上記一般式〔I〕において、Aはアニオン性基を有する蛍光増白剤成分を表し、Bは炭素数の合計が15以上である有機カチオンを表し、nは1〜9の整数を表す。
一般式〔I〕において、Aは、例えば、カルボキシル基等のアニオン性基を有する蛍光増白剤成分を表し、Bで表される炭素数合計が15以上である有機カチオンとしては、例えば、アンモニウム、ピリジニウム等の有機カチオンを挙げることができる。
上記一般式〔I〕で表されるアニオン性基を有する蛍光増白剤成分としては、アニオン性基を有する置換スチルベン系蛍光増白剤、置換クマリン系蛍光増白剤、置換チオフェン系蛍光増白剤が好ましい。
実質的に水不溶の蛍光増白効果を有する化合物として、下記一般式〔II〕で表される実質的に水不溶性の有機塩を用いることも1つの特徴とする。
一般式〔II〕
n-・n〔D+
上記一般式〔II〕において、Cはスルホン酸基を有する蛍光増白剤成分を表し、Dは炭素数の合計が15以上である有機カチオンを表し、nは1〜9の整数を表す。
一般式〔II〕おいて、Dで表される炭素数の合計が15以上である有機カチオンとしては、例えば、アンモニウム、ピリジニウム等の有機カチオンを挙げることができる。
上記一般式〔II〕で表されるスルホン酸基を有する蛍光増白剤としては、スルホン酸基を有する置換スチルベン系蛍光増白剤、置換クマリン系蛍光増白剤、置換チオフェン系蛍光増白剤が好ましい。
本発明に係る一般式〔I〕におけるA、あるいは一般式〔II〕におけるCで表される蛍光増白剤成分としては、例えば、化成品工業会編「蛍光増白剤」、英国特許第920,988号明細書、独特許第1,065,838号明細書、米国特許第2,610,152号明細書等を参考に、容易に合成することができる。
本発明に係る一般式〔I〕で表される化合物、一般式〔II〕で表される化合物は、例えば、本発明に係る一般式〔I〕におけるA、一般式〔II〕におけるCに相当する蛍光増白剤成分を、本発明に係る一般式〔I〕におけるB、一般式〔II〕におけるDに相当する、炭素数の合計が15以上である、アンモニウム、ピリジニウム等の有機カチオンと混合することで、容易に合成することができる。有機カチオンとしては、合計の炭素数が15以上であるアンモニウムイオンが好ましい。
本発明に係る一般式〔I〕におけるB、一般式〔II〕におけるDに相当する炭素数の合計が15以上であるアンモニウムイオンとしては、下記一般式〔III〕で表されるアンモニウムカチオンが好ましい。
Figure 2006258879
上記一般式〔III〕において、R1、R2、R3及びR4はそれぞれアルキル基またはフェニル基を表す。但し、R1、R2、R3及びR4の炭素数の合計は15以上であり、R1、R2、R3及びR4の炭素数の合計が20以上であることが好ましい。
本発明の一般式〔I〕におけるB、一般式〔II〕におけるDに相当する炭素数の合計が15以上であるピリジニウムカチオンとしては、下記一般式〔IV〕で表されるピリジニウムカチオンが好ましい。
Figure 2006258879
上記一般式〔IV〕において、R5は炭素数が10以上のアルキル基またはフェニル基を表す。R5の炭素数の合計は15以上であることが好ましい。
次に、本発明に用いられる実質的に水不溶な蛍光増白効果を有する化合物、一般式〔I〕で表される実質的に水不溶性の有機塩及び一般式〔II〕で表される実質的に水不溶性の有機塩の具体例を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006258879
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本発明に係る蛍光増白効果を有する化合物、一般式〔I〕で表される実質的に水不溶性の有機塩及び一般式〔II〕で表される実質的に水不溶性の有機塩は、固体微粒子として反射支持体に隣接する層あるいは白色顔料が含有する層に添加される。
本発明に係る蛍光増白効果を有する化合物、一般式〔I〕で表される実質的に水不溶性の有機塩及び一般式〔II〕で表される実質的に水不溶性の有機塩の固体微粒子は、反射支持体に隣接する層あるいは白色顔料が含有する層を反射支持体上に塗布するときに、固体微粒子分散液として添加する。
本発明に係る蛍光増白効果を有する化合物、一般式〔I〕で表される実質的に水不溶性の有機塩及び一般式〔II〕で表される実質的に水不溶性の有機塩の固体微粒子分散方法は、高速撹拌型分散機を用いて水中やゼラチン等の親水性コロイド水溶液中に分散する方法、ボールミルやサンドミルで水中やゼラチン等の親水性コロイド水溶液中に粉砕し分散する方法、マントンゴーリング分散機の様な高セン断力を有する分散機を用いて水中やゼラチン等の親水性コロイド水溶液中に分散する方法、超音波分散機を用いて分散する方法、等が挙げられる。
本発明に係る蛍光増白効果を有する化合物、一般式〔I〕で表される実質的に水不溶性の有機塩または一般式〔II〕で表される実質的に水不溶性の有機塩を分散させ、固体微粒子を調製する際、分散性を上げたり、分散安定性を付与する目的で、界面活性剤を用いることができる。好ましい界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。
本発明に係る蛍光増白効果を有する化合物、一般式〔I〕で表される実質的に水不溶性の有機塩及び一般式〔II〕で表される実質的に水不溶性の有機塩の固体微粒子分散物の平均粒径は、0.05〜5.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜2.0μmであり、更に好ましくは0.2〜1.0μmである。
本発明に係る蛍光増白効果を有する化合物、一般式〔I〕で表される実質的に水不溶性の有機塩及び一般式〔II〕で表される実質的に水不溶性の有機塩のそれぞれの添加量は、ハロゲン化銀カラー感光材料1m2あたり10〜2000mgの範囲で添加す留ことが好ましく、より好ましくは50〜1000mgである。
本発明においては、構成層の少なくとも1層が、上記説明した蛍光増白効果を有する化合物、一般式〔I〕で表される実質的に水不溶性の有機塩または一般式〔II〕で表される実質的に水不溶性の有機塩と共に、白色顔料を含有することを特徴とする。
本発明で用いることのできる白色顔料としては、例えば、ルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタン、硫酸バリウム、ステアリン酸バリウム、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、カオリン等を挙げることができる、種々の理由から、中でも二酸化チタンが好ましい。白色顔料は処理液が浸透できるような、例えば、ゼラチン等の親水性コロイドの水溶液バインダー中に分散される。白色顔料の塗布付量はハロゲン化銀カラー感光材料1m2あたり好ましくは0.1g〜50gの範囲であり、更に好ましくは0.2g〜5gの範囲である。
次いで、本発明のハロゲン化銀カラー感光材料の各構成要素について説明する。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料においては、反射支持体上に少なくとも1層の感光性層を有するが、本発明のハロゲン化銀カラー感光材料がカラープルーフ用途のハロゲン化銀カラー写真感光材料である場合には、主に、イエロー色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤を含むイエロー画像形成層、マゼンタ色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤を含むマゼンタ画像形成層、シアン色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤を有するシアン画像形成層であって、かつ該マゼンタ色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤を含むマゼンタ画像形成層が、上記各画像形成層の中でも最も反射支持体に近いところに位置していることを特徴の1つとする。
また、非感光性層として、反射支持体と画像形成層間、あるいは各画像形成層間に設ける中間層や、上記画像形成層の操作時の保護や、所望の表面物性を付与させるための保護層が適宜挙げられている。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料に用いる反射支持体としては、どのような材質を用いてもよく、例えば、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートで被覆した紙、天然パルプや合成パルプからなる紙支持体、塩化ビニルシート、白色顔料を含有してもよいポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート支持体、バライタ紙などを用いることができる。なかでも、原紙の両面に耐水性樹脂被覆層を有する反射支持体が好ましい。耐水性樹脂としては、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートまたはそれらのコポリマーが好ましい。
紙の表面に耐水性樹脂被覆層を有する反射支持体は、通常、50〜300g/m2の質量を有する表面の平滑なものが用いられるが、プルーフ画像を得る目的においては、取り扱い感覚を印刷用紙に近づけるため、130g/m2以下の原紙が好ましく用いられ、更に70〜120g/m2の原紙が好ましく用いられる。
本発明に用いられる反射支持体としては、ランダムな凹凸を有するものであっても平滑なものであっても好ましく用いることができる。
反射支持体に用いられる白色顔料としては、無機及び/または有機の白色顔料を用いることができ、好ましくは無機の白色顔料が用いられ、例えば、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等が挙げられる。白色顔料として好ましくは、硫酸バリウム、酸化チタンである。
反射支持体の表面の耐水性樹脂層中に含有される白色顔料の量は、鮮鋭性を改良する観点からは13質量%以上が好ましく、更には15質量%以上が好ましい。
紙支持体の両面を被覆する耐水性樹脂層における白色顔料の分散度は、特開平2−28640号公報に記載の方法で測定することができる。この方法で測定したときに、白色顔料の分散度が、前記公報に記載の変動係数として0.20以下であることが好ましく、0.15以下であることがより好ましい。
本発明に用いられる両面に耐水性樹脂層を有する紙支持体の樹脂層は、1層であってもよいし、複数層からなってもよい。樹脂層を複数層とし、ハロゲン化銀乳剤層と接する面側に白色顔料を高濃度で含有させると鮮鋭性の向上効果が大きく、プルーフ用画像を形成するのに好ましい形態の1つである。
また、支持体の中心面平均粗さ(SRa)の値としては0.15μm以下、更には0.12μm以下でことが、光沢性がよいという効果が得られる観点から好ましい。
本発明に用いられる反射支持体には、必要に応じて支持体表面にコロナ放電、紫外線照射、火炎処理等を施した後、直接または下塗層(支持体表面の接着性、帯電防止性、寸度安定性、耐摩擦性、硬さ、ハレーション防止性、摩擦特性及び/またはその他の特性を付与するための1または2以上の下塗層)を介して塗布されていてもよい。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料に用いられるカプラーとしては、発色現像主薬の酸化体とカップリング反応して340nmより長波長域に分光吸収極大波長を有するカップリング生成物を形成し得るいかなる化合物をも用いることが出来るが、特に代表的な物としては、波長域350〜500nmに分光吸収極大波長を有する本発明に係るイエロー色素形成カプラーの他に、波長域500〜600nmに分光吸収極大波長を有するマゼンタ色素形成カプラー、波長域600〜750nmに分光吸収極大波長を有するシアン色素形成カプラーとして知られているものが代表的である。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料に用いられるマゼンタカプラーとしては、特開平8−328210号公報の2ページに記載の一般式M−IもしくはM−IIで示される化合物が好ましい。好ましい化合物の具体例としては、同号6ページから16ページに記載のMCP−1〜MCP−41を挙げることができる。更に、他の具体例としては、欧州公開特許第273,712号の6〜21頁に記載されている化合物M−1〜M−61及び同第235,913号の36〜92頁に記載されている化合物1〜223の中の上述の代表的具体例以外のものがある。
該マゼンタカプラーは、他の種類のマゼンタカプラーと併用することもでき、通常、総マゼンタカプラー量としては、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-3モル〜1モル、好ましくは1×10-2モル〜8×10-1モルの範囲で用いることができる。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料において、形成されるマゼンタ画像の分光吸収のλmaxは530〜560nmであることが好ましく、またλL0.2は、580〜635nmであることが好ましい。λL0.2とは、画像色素の分光吸光度曲線において、最大吸光度が1.0である時、最大吸光度を示す波長よりも長波で、吸光度が0.2となる波長をいう。この量は、画像色素の長波側の不要吸収の大きさを示す目安となる量であり、λmaxに近い波長であるほど不要吸収が小さく好ましいことを表す。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料のマゼンタ画像形成層には、マゼンタカプラーに加えてイエローカプラーが含有されることが好ましい。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料のマゼンタ画像形成性層に含有させる好ましいイエローカプラーとしては、公知のピバロイルアセトアニリド型もしくはベンゾイルアセトアニリド型等のカプラーが挙げられる。本発明のハロゲン化銀カラー感光材料のマゼンタ画像形成性層に含有させる好ましいイエローカプラーの具体例としては、例えば、特開平8−314079号公報の6〜15ページ右欄に記載のYCP−1〜YCP−39で表されるカプラーが挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料において、シアン画像形成層中に含有されるシアンカプラーとしては、公知のフェノール系、ナフトール系又はイミダゾール系、アゾール系カプラーを用いることができる。例えば、アルキル基、アシルアミノ基、或いはウレイド基などを置換したフェノール系カプラー、5−アミノナフトール骨格から形成されるナフトール系カプラー、離脱基として酸素原子を導入した2当量型ナフトール系カプラーなどが代表される。このうち好ましい化合物としては、特開平6−95283号公報の13ページに記載の一般式[C−I]、[C−II]で表される化合物が挙げられる。
アゾール系カプラーとしては、特開平8−171185号公報の2ページに記載の一般式〔I〕もしくは〔II〕で表されるピラゾロアゾール系カプラー、または、特開平11−282138号公報に記載の一般式(I)で表されるピロロアゾール系カプラーを挙げることができる。
該シアンカプラーは、通常ハロゲン化銀乳剤層において、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-3〜1モル、好ましくは1×10-2〜8×10-1モルの範囲で用いることができる。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料においては、公知のイエローカプラー、好ましくはアシルアセトアニリド系カプラー等を用いることができる。
本発明で用いることのできるイエローカプラーの具体例としては、例えば、特開平3−241345号の5頁〜9頁に記載の化合物、Y−I−1〜Y−I−55で示される化合物、もしくは特開平3−209466号の11〜14頁に記載の化合物、Y−1〜Y−30で示される化合物も好ましく使用することができる。更に特開平6−95283号21ページ記載の一般式〔Y−I〕で表されるカプラー、特開2002−351023号に記載の一般式(I)、(II)の化合物等も挙げることができる。
また、良好な色再現性、高発色性ならびに良好な耐光性が得られる観点から、特開昭63−123047号に記載されているような、アニリド部の2位にアルコキシ基を、5位にアシルアミノ基を有するイエローカプラー、米国特許第5,455,149号明細書に記載されているような炭素数1〜6のアルキル基が窒素原子に置換したピリミジン−4−オンが結合したアセトアニリド型カプラー、特開2002−296740号公報に記載の置換アルキル基が置換したピリミジン−4−オンが結合したアセトアニリド型カプラー、特開2002−296741号公報に記載のアリール基または複素環基が置換したピリミジン−4−オンが結合したアセトアニリド型カプラー、特開2002−318442号公報に記載のヘテロ原子等の二価の連結基が導入されたピリミジン−4−オンが結合したアセトアニリド型カプラー、特開2002−318443号公報に記載の炭素数7以上のアルキル基が置換したピリミジン−4−オンが結合したアセトアニリド型カプラー、特開2002−351023号公報、特開2003−173007号公報に記載の〔1,2,4〕チアジアジン−1,1−ジオキシドが結合したアセトアニリド型カプラー等を挙げることができる。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料において、形成されるイエロー画像の分光吸収のλmaxは425nm以上であることが好ましく、λL0.2は515nm以下であることが好ましい。
該イエロー色画像の分光吸収のλL0.2とは、特開平6−95283号21ページ右欄1行〜24行に記載の内容で定義される値であり、イエロー色素画像の分光吸収特性で長波側の不要吸収の大きさを表す。
該マゼンタ色画像、シアン色画像及びイエロー色画像の分光吸収特性を調整するために、公知の色調調整作用を有する化合物を添加することができる。このための化合物としては、特開平6−95283号公報の22ページに記載の一般式[HBS−I]で示されるリン酸エステル系化合物、[HBS−II]で示されるホスフィンオキサイド系化合物が挙げられる。
前記マゼンタ、シアン、イエローの各カプラーには、形成された色素画像の光、熱、湿度等による褪色を防止するため褪色防止剤を併用することができる。好ましい化合物としては、特開平2−66541号公報の3ページに記載の一般式IおよびIIで示されるフェニルエーテル系化合物、特開平3−174150号公報に記載の一般式IIIBで示されるフェノール系化合物、特開昭64−90445号公報に記載の一般式Aで示されるアミン系化合物、特開昭62−182741号公報に記載の一般式XII、XIII、XIV、XVで示される金属錯体が、特にマゼンタ色素用として好ましい。また、特開平1−196049号号公報に記載の一般式I′で示される化合物および特開平5−11417号公報に記載の一般式IIで示される化合物が、特にイエロー、シアン色素用として好ましい。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料に用いられるハロゲン化銀乳剤としては、95モル%以上が塩化銀からなるハロゲン化銀乳剤であることが、本発明の目的効果を発揮する観点から好ましく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、塩沃化銀等任意のハロゲン組成を有するものが用いられる。中でも、塩化銀を95モル%以上含有する塩臭化銀、中でも臭化銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲン化銀乳剤が好ましく用いられ、また、表面近傍に沃化銀を0.05〜0.5モル%含有する塩沃化銀も好ましく用いられる。臭化銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲン化銀乳剤において、高濃度に臭化銀を含有する部分は、いわゆるコア・シェル型ハロゲン化銀乳剤であってもよいし、完全な層を形成せず単に部分的に組成の異なる領域が存在するだけのいわゆるエピタキシー接合した領域を形成していてもよい。臭化銀が高濃度に存在する部分は、ハロゲン化銀粒子の表面の結晶粒子の頂点に形成されることが特に好ましい。また、組成は連続的に変化してもよいし不連続に変化してもよい。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料に用いられるネガ型ハロゲン化銀乳剤には、重金属イオンを含有させるのが有利である。これにより、いわゆる相反則不軌が改良され、高照度露光での減感が防止されたりシャドー領域での軟調化が防止されることが期待される。
このような目的で用いることのできる重金属イオンとしては、鉄、イリジウム、白金、パラジウム、ニッケル、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、コバルト等の第8〜10族金属や、カドミウム、亜鉛、水銀などの第12族遷移金属や、鉛、レニウム、モリブデン、タングステン、ガリウム、クロムの各イオンを挙げることができる。中でも鉄、イリジウム、白金、ルテニウム、ガリウム、オスミウムの金属イオンが好ましい。これらの金属イオンは、塩や、錯塩の形でハロゲン化銀乳剤に添加することができる。前記重金属イオンが錯体を形成する場合には、その配位子としてシアン化物イオン、チオシアン酸イオン、シアン酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、沃化物イオン、カルボニル、ニトロシル、アンモニア、水、ピリジン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、1,2,4−トリアゾール、2,2′−ビイミダゾール、2,2′−ビピリジンまたは2,2′:6′,2″−ターピリジン化合物が好ましく用いられる。中でも、シアン化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、水、ニトロシル、5−メチルチアゾール、1,2,4−トリアゾール等が好ましい。これらの配位子は単独であっても複数の配位子が併用されてもよい。
ハロゲン化銀乳剤中に重金属イオンを含有させる方法としては、該重金属化合物をハロゲン化銀粒子の形成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒子の形成後の物理熟成中の各工程の任意の場所で添加すればよい。
重金属化合物をハロゲン化物塩と一緒に溶解して粒子形成工程の全体或いは一部にわたって連続的に添加することができる。また、あらかじめこれらの重金属化合物を含有するハロゲン化銀微粒子を形成しておいて、これを添加することによって調製することもできる。前記重金属イオンのハロゲン化銀乳剤中への添加量は、ハロゲン化銀1モル当り1×10-9モル以上、1×10-2モル以下が好ましく、特に、1×10-8モル以上、5×10-5モル以下が好ましい。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の形状は、任意のものを用いることができる。好ましい例の1つは、(100)面を結晶表面として有する立方体である。また、米国特許第4,183,756号、同第4,225,666号、特開昭55−26589号、特公昭55−42737号や、ザ・ジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サイエンス(J.Photogr.Sci.)21、39(1973)等の文献に記載された方法等により、八面体、十四面体、十二面体等の形状を有する粒子をつくり、これを用いることもできる。更に、双晶面を有する粒子を用いてもよい。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、単一の形状からなる粒子が好ましく用いられるが、単分散のハロゲン化銀乳剤を二種以上同一画像形成層に添加することが特に好ましい。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の平均粒径としては、特に制限はないが、迅速処理性適性及び到達感度や、他の写真性能を考慮すると、好ましくは0.1〜1.2μm、更に好ましくは、0.2〜1.0μmの範囲である。
この平均粒径は、ハロゲン化銀粒子の投影面積か、あるいは直径近似値を使ってこれを測定して求めることができる。ハロゲン化銀粒子が実質的に均一形状である場合は、粒径分布は直径か投影面積としてかなり正確にこれを表すことができる。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の粒径分布は、好ましくは変動係数が0.22以下、更に好ましくは0.15以下の単分散ハロゲン化銀粒子であり、特に好ましくは、変動係数が0.15以下の単分散乳剤を2種以上、同一画像形成層に添加することである。ここでいう変動係数とは、粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって定義される。
変動係数=S/R
ここに、Sは粒径分布の標準偏差、Rは平均粒径を表す。
ハロゲン化銀乳剤の調製装置、調製方法としては、当業界において公知の種々の方法を用いることができる。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、酸性法、中性法、アンモニア法の何れで得られたものであってもよい。該ハロゲン化銀粒子は、一時に成長させたものであってもよいし、種粒子を調製した後で成長させてもよい。種粒子を調製する方法と成長させる方法は同じであっても、異なってもよい。
また、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物塩を反応させる形式としては、順混合法、逆混合法、同時混合法、それらの組合せなど、いずれでもよいが、同時混合法で得られたものが好ましい。更に、同時混合法の一形式として、特開昭54−48521号等に記載されているpAgコントロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。
また、特開昭57−92523号、同57−92524号等に記載の反応母液中に配置された添加装置から水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を供給する装置、ドイツ公開特許第2,921,164号等に記載されている水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を連続的に濃度変化させて添加する装置、特公昭56−501776号等に記載の反応器外に反応母液を取り出し、限外濾過法で濃縮することによりハロゲン化銀粒子間の距離を一定に保ちながら粒子形成を行なう装置などを用いてもよい。
更に、必要で有ればチオエーテル等のハロゲン化銀溶剤を用いてもよい。また、メルカプト基を有する化合物、含窒素ヘテロ環化合物または増感色素のような化合物をハロゲン化銀粒子の形成時、または、粒子形成終了の後に添加して用いてもよい。
本発明に用いられるネガ型ハロゲン化銀乳剤は、金化合物を用いる増感法、カルコゲン増感剤を用いる増感法等を適宜組み合わせて用いることができる。カルコゲン増感剤としては、イオウ増感剤、セレン増感剤、テルル増感剤などを用いることができるが、イオウ増感剤が好ましい。イオウ増感剤としては、チオ硫酸塩、トリエチルチオ尿素、アリルチオカルバミドチオ尿素、アリルイソチアシアネート、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、ローダニン、無機イオウ等が挙げられる。
イオウ増感剤の添加量としては、適用されるハロゲン化銀乳剤の種類や期待する効果の大きさなどにより適宜変更することが好ましいが、概ねハロゲン化銀1モル当たり5×10-10〜5×10-5モルの範囲、好ましくは5×10-8〜3×10-5モルの範囲である。
金増感剤としては、塩化金酸、硫化金等の他各種の金錯体として添加することができる。用いられる配位子化合物としては、ジメチルローダニン、チオシアン酸、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾール等を挙げることができる。金化合物の使用量は、ハロゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条件などによって一様ではないが、通常は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-4〜1×10-8モルであることが好ましい。更に好ましくは1×10-5〜1×10-8モルである。これらの化合物は、増感剤としてではなく、塗布液の調製段階などで種々の目的で添加することもできる。
本発明に用いられるネガ型ハロゲン化銀乳剤の化学増感法としては、還元増感法を用いてもよい。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には、400〜900nmの波長域の特定領域に分光増感されたハロゲン化銀乳剤を含む層を有することもできる。該ハロゲン化銀乳剤は、1種または、2種以上の増感色素を組み合わせて含有する。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤に用いる分光増感色素としては、公知の化合物をいずれも用いることができるが、青感光性増感色素としては、本発明に係る前記一般式〔I〕で表される増感色素のほかに、本発明の目的効果を損なわない範囲で、公知の増感色素、例えば、特開平3−251840号28ページに記載のBS−1〜8を組み合わせて用いることができる。緑感光性増感色素としては、同公報28ページに記載のGS−1〜5が好ましく用いられる。赤感光性増感色素としては同公報29ページに記載のRS−1〜8が好ましく用いられる。
これらの増感色素の添加時期としては、ハロゲン化銀粒子形成から化学増感終了までの任意の時期でよい。また、これらの色素の添加方法としては、水またはメタノール、エタノール、フッ素化アルコール、アセトン、ジメチルホルムアミド等の水と混和性の有機溶媒に溶解して溶液として添加してもよいし、増感色素を密度が1.0g/mlより大きい、水混和性溶媒の溶液または、乳化物、懸濁液として添加してもよい。
増感色素の分散方法としては、高速撹拌型分散機を用いて水系中に機械的に1μm以下の微粒子に粉砕・分散する方法以外に、特開昭58−105141号に記載のようにpH6〜8、60〜80℃の条件下で水系中において機械的に1μm以下の微粒子に粉砕及び分散する方法、特公昭60−6496号に記載の表面張力を3.8×10-2N/m以下に抑える界面活性剤の存在下に分散する方法、特開昭50−80826号に記載の実質的に水を含まず、pKaが5を上回らない酸に溶解し、該溶解液を水性液に添加分散し、この分散物をハロゲン化銀乳剤に添加する方法等を用いることができる。
分散に用いる分散媒としては水が好ましいが、少量の有機溶媒を含ませて溶解性を調整したり、ゼラチン等の親水性コロイドを添加して分散液の安定性を高めることもできる。
分散液を調製するのに用いることのできる分散装置としては、例えば、特開平4−125631号公報の第1図に記載の高速撹拌型分散機の他、ボールミル、サンドミル、超音波分散機等を挙げることができる。
また、これらの分散装置を用いるに際し、特開平4−125632号に記載のように、あらかじめ乾式粉砕などの前処理を施した後、湿式分散を行う等の方法をとってもよい。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、1種または、2種以上の増感色素を組み合わせて含有してもよい。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤には、ハロゲン化銀カラー感光材料の調製工程中に生じるカブリを防止したり、保存中の性能変動を小さくしたり、現像時に生じるカブリを防止する目的で、公知のカブリ防止剤、安定剤を用いることができる。この様な目的で用いることのできる好ましい化合物の例として、特開平2−146036号公報の7ページ下欄に記載された一般式(II)で表される含窒素複素環メルカプト化合物を挙げることができ、更に好ましい具体的な化合物としては、同公報の8ページに記載の(IIa−1)〜(IIa−8)、(IIb−1)〜(IIb−7)の化合物や、特開2000−267235号公報の8ページ右欄32〜36行目に記載の化合物を挙げることができる。これらの化合物は、その目的に応じて、ハロゲン化銀乳剤粒子の調製工程、化学増感工程、化学増感工程の終了時、塗布液調製工程などの任意の工程で添加される。これらの化合物の存在下に化学増感を行う場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-5〜5×10-4モル程度の量で好ましく用いられる。化学増感終了時に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6〜1×10-2モル程度の量が好ましく、1×10-5〜5×10-3モルがより好ましい。塗布液調製工程において、ハロゲン化銀乳剤層に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6〜1×10-1モル程度の量が好ましく、1×10-5〜1×10-2モルがより好ましい。また、ハロゲン化銀乳剤層以外の層に添加する場合には、塗布皮膜中の含有量として、1m2当り1×10-9〜1×10-3モル程度の量が好ましい。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤には、種々の目的で他の添加剤を加えることができる。例えば、特開平2−146036号公報に具体的に記載されているA−20、C−1、C−9、C−14、C−15、C−16、C−40等のジスルフィド、ポリスルフィド化合物、D−1、D−3、D−6、D−8等のチオスルホン酸化合物、無機イオウ等を用いることが好ましい。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料に用いられるステイン防止剤やその他の有機化合物を添加する際に、水中油滴型乳化分散法を用いる場合、通常、沸点150℃以上の水不溶性高沸点有機溶媒に、必要に応じて低沸点及び/または水溶性有機溶媒を併用して溶解し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダー中に界面活性剤を用いて乳化分散する。分散手段としては、撹拌機、ホモジナイザー、コロイドミル、フロージェットミキサー、超音波分散機等を用いることができる。分散後、または、分散と同時に低沸点有機溶媒を除去する工程を組み入れてもよい。ステイン防止剤等を溶解して分散するために用いることのできる高沸点有機溶媒としては、トリクレジルホスフェート、トリオクチルホスフェート等のリン酸エステル類、トリオクチルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類、特開平4−265975号公報の5ページに記載の(a−i)〜(a−x)を代表とする高級アルコール系化合物等が好ましく用いられる。また、高沸点有機溶媒の誘電率としては3.5〜7.0であることが好ましい。また、2種以上の高沸点有機溶媒を併用することもできる。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には、イラジエーション防止やハレーション防止の目的で、種々の波長域に吸収を有する染料を用いることができる。この目的で、公知の化合物をいずれも用いることができるが、特に、可視域に吸収を有する染料としては、特開平3−251840号公報の308ページに記載のAI−1〜11の染料および特開平6−3770号公報に記載の染料が好ましく用いられる。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料においては、公知の各種界面活性剤を併せて用いることができる。感光材料に用いられる写真用添加剤の分散や塗布時の表面張力調整のため用いられる界面活性剤として好ましい化合物としては、1分子中に炭素数8〜30の疎水性基とスルホン酸基またはその塩を含有するものが挙げられる。具体的には、特開昭64−26854号に記載のA−1〜A−11が挙げられる。また、アルキル基に弗素原子を置換した界面活性剤も好ましく用いられる。これら界面活性剤を用いて乳化された油溶性添加剤の分散液は、通常、ハロゲン化銀乳剤を含有する塗布液に添加されるが、分散後塗布液に添加されるまでの時間、および塗布液に添加後塗布までの時間は短いほうがよく、各々10時間以内が好ましく、3時間以内、20分以内がより好ましい。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には、現像主薬酸化体と反応する化合物をハロゲン化銀乳剤層間に設けた中間層に添加して色濁りを防止したり、また、ハロゲン化銀乳剤層に直接添加してカブリ等を改良することが好ましい。このための化合物としてはハイドロキノン誘導体が好ましく、更に好ましくは2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノンのようなジアルキルハイドロキノンである。特に好ましい化合物は、特開平4−133056号に記載の一般式IIで示される化合物であり、同号13〜14ページ記載の化合物II−1〜II−14および17ページ記載の化合物1が挙げられる。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料中には、紫外線吸収剤を添加してスタチックカブリを防止したり、色素画像の耐光性を改良することが好ましい。好ましい紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール類が挙げられ、特に好ましい化合物としては特開平1−250944号に記載の一般式III−3で示される化合物、特開昭64−66646号に記載の一般式IIIで示される化合物、特開昭63−187240号に記載のUV−1L〜UV−27L、特開平4−1633号に記載の一般式Iで示される化合物、特開平5−165144号に記載の一般式(I)、(II)で示される化合物が挙げられる。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には、油溶性染料と白地性が改良され好ましい。油溶性染料の代表的具体例は、特開平2−842号8ページ〜9ページに記載の化合物1〜27が挙げられる。
本発明にはマット剤を用いることもできる。一般的には保護層に添加されることが多い。
本発明に適用可能なマット剤としては、無機あるいは有機マット剤を制限無く用いることができるが、本発明の目的効果をより発揮できる観点からは無機マット剤である。
本発明において用いられるマット剤の材質としては、例えば、無機物としては、スイス特許第330,158号明細書等に記載のシリカ、仏国特許第1,296,995号明細書等に記載のガラス粉、英国特許第1,173,181号明細書等に記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸塩、等をマット剤として用いることができる。
有機物としては、米国特許第2,322,037号明細書等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号明細書や英国特許第981,198号明細書等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643号公報等に記載のポリビニルアルコール、スイス特許第330,158号明細書等に記載のポリスチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,257号明細書等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,169号明細書等に記載されたポリカーボネートの様な有機マット剤を用いることができる。
マット剤の形状は定形、不定形どちらでもよいが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられる。本発明に係るマット剤は、単独で使用しても、異なる2種以上のマット剤を併用しても良い。添加量としては特に制限がないが、1〜1000mg/m2の付量の範囲であることが好ましい。
マット剤の大きさは、マット剤の体積を球形に換算したときの直径で表されるが、本発明でいうマット剤の粒径とは、この球形換算した直径のことを示すものとする。本発明に用いられるマット剤は、平均粒径が0.5〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは1.0〜8.0μmである。又、粒子サイズ分布の変動係数としては、50%以下であることが好ましく、更に好ましくは40%以下であり、特に好ましくは30%以下となるマット剤である。ここで、粒子サイズ分布の変動係数は、下記の式で表される値である。
(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
マット剤の添加方法は、予め保護層塗布液中に分散させて塗布する方法であってもよいし、保護層塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法を用いてもよい。また、複数の種類のマット剤を添加する場合は、両方の方法を併用してもよい。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には、バインダーとしてゼラチンを用いることが有利であるが、必要に応じて他のゼラチン、例えば、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外のタンパク質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一あるいは共重合体のごとき合成親水性高分子物質等の親水性コロイドも用いることができる。
これらバインダーに対する硬膜剤としては、ビニルスルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独または併用して使用することが好ましい。特開昭61−249054号、同61−245153号に記載の化合物を使用することが好ましい。また、写真性能や画像保存性に悪影響するカビや細菌の繁殖を防ぐため、コロイド層中に特開平3−157646号に記載のような防腐剤および抗カビ剤を添加することが好ましい。
ハロゲン化銀乳剤を用いたハロゲン化銀カラー感光材料の塗布に際して、塗布性を向上させる目的で、増粘剤を用いてもよい。塗布方法としては、2種以上の層を同時に塗布することのできるエクストルージョンコーティングまたはカーテンコーティングが特に有用である。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料の幅としては用途に応じて任意の幅の物を用いることができるが、プルーフの用途では400mm以上の幅が好ましく用いられる。800mmあるいはそれ以上の幅の感光材料も好ましく用いられる。
次いで、本発明のハロゲン化銀カラー感光材料の現像処理を行う処理方法について説明する。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法は、後述の方法で露光を施したハロゲン化銀カラー感光材料を発色処理工程(発色現像液)、漂白工程(漂白液)、定着工程(定着液)あるいは漂白定着工程(漂白定着液)、安定化工程(安定化液)を経て、乾燥する。
また、それぞれ補充用発色現像液、補充用漂白液、補充用定着液、あるいは補充用漂白定着液、補充用安定化液等を補充しながら連続的に現像処理することができる。
本発明に係る水へのLogPが0.9以上、1.5以下である化合物を含む発色現像液では、発色現像主薬を含有する。
発色現像液に用いる発色現像主薬としては芳香族一級アミン現像主薬が主に用いられ、芳香族一級アミン現像主薬として下記に示す各化合物を挙げることができる。
CD−1:N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン
CD−2:2−アミノ−5−ジエチルアミノトルエン
CD−3:2−アミノ−5−(N−エチル−N−ラウリルアミノ)トルエン
CD−4:4−(N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ)アニリン
CD−5:2−メチル−4−(N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ)アニリン
CD−6:4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−(メタンスルホンアミド)エチル)アニリン
CD−7:N−(2−アミノ−5−ジエチルアミノフェニルエチル)メタンスルホンアミド
CD−8:N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン
CD−9:4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−メトキシエチルアニリン
CD−10:4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−エトキシエチル)アニリン
CD−11:4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(γ−ヒドロキシプロピル)アニリン
本発明においては、発色現像液を任意のpH域で使用できるが、迅速処理の観点からpH9.5〜13.0であることが好ましく、より好ましくはpH9.8〜12.0の範囲で用いられる。
本発明において、発色現像液の処理温度は、35℃以上、70℃以下が好ましい。温度が高いほど短時間の処理が可能であり好ましいが、処理液の安定性からはあまり高くない方が好ましく、37℃以上60℃以下で処理することが好ましい。
発色現像時間は、従来一般には3分30秒程度で行われているが、本発明では、40秒以内が好ましく、更に25秒以内の範囲で行うことが更に好ましい。
発色現像液には、前記の発色現像主薬に加えて、既知の現像液成分化合物を添加することができる。通常、pH緩衝作用を有するアルカリ剤、塩化物イオン、ベンゾトリアゾール類等の現像抑制剤、保恒剤、キレート剤などが用いられる。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、発色現像後、脱銀工程としての漂白定着液処理及び安定処理が施される。
漂白定着処理において、漂白定着液として、特開昭64−295258号に記載のイミダゾール及びその誘導体又は同明細書記載の一般式[I]〜[IX]で示される化合物及びこれらの例示化合物の少なくとも一種を含有することが好ましい。また、上記の促進剤の他、特開昭62−123459号の第51頁〜第115頁に記載の例示化合物及び特開昭63−17445号の第22頁〜第25頁に記載の例示化合物、特開昭53−95630号、同53−28426号記載の化合物等も同様に用いることができる。
漂白定着剤には、上記以外に臭化アンモニウム、臭化カリウム、臭化ナトリウムの如きハロゲン化物、各種の蛍光増白剤、消泡剤或いは界面活性剤を含有せしめることもできる。
本発明における漂白定着剤に用いられる定着主剤としては、チオシアン酸塩、チオ硫酸塩が好ましく用いられる。
漂白定着剤には、これら定着主剤の他にpH緩衝剤、又アルキルアミン類、ポリエチレンオキサイド類、更にアルカリハライド又はアンモニウムハライド、例えば臭化カリウム、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化アンモニウム等の再ハロゲン化剤を含有させることが望ましい。
漂白定着剤には、特開昭64−295258号第56頁に記載の一般式[FA]で示される化合物及びこの例示化合物を添加するのが好ましく、本発明の効果をより良好に奏するばかりか、少量の感光材料を長期間にわたって処理する際に定着能を有する処理液中に発生するスラッジも極めて少ないという別な効果が得られる。
本発明においては、漂白定着液のpHが、3以上5以下であることが好ましく、より好ましくは3.5以上5.0以下である。
安定液に添加する好ましい化合物としては、例えば、キレート化合物、蛍光増白剤の他に、アンモニウム化合物が挙げられる。アンモニウム化合物の添加量は安定液1L当り0.001〜1.0モルの範囲が好ましく、より好ましくは0.002〜2.0モルの範囲である。
安定剤には亜硫酸塩を含有させることが好ましい。又安定液にはキレート剤と併用して金属塩を含有することが好ましい。かかる金属塩としては、Ba、Ca、Ce、Co、In、La、Mn、Ni、Bi、Pb、Sn、Zn、Ti、Zr、Mg、Al又はSrの金属塩があり、ハロゲン化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩等の無機塩又は水溶性キレート剤として供給できる。使用量としては安定液1L当り1×10-4〜1×10-1モルの範囲が好ましく、より好ましくは4×10-4〜2×10-2モルの範囲である。
本発明に係る水洗もしくは安定化処理は、多段向流方式の処理槽が用いられており、処理槽のサイズとしては概ね3〜7Lで、かつ安定液の循環量が2〜6L/minであることが好ましい。水洗もしくは安定化処理に要する時間は、各槽それぞれ20〜90秒が好ましい。
水洗もしくは安定化処理の処理温度が35℃以上であることが好ましく、より好ましくは35〜38℃である。本発明に係る水洗もしくは安定化槽の加熱手段としては、独立したヒーターを用いて安定液を加熱してもよく、あるいは、漂白定着槽や現像槽のヒーターを用いて追従温調により加熱しても良い。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料の現像処理に用いる現像処理装置としては、処理槽に配置されたローラーに感光材料をはさんで搬送するローラートランスポートタイプであっても、ベルトに感光材料を固定して搬送するエンドレスベルト方式であってもよいが、処理槽をスリット状に形成して、この処理槽に処理液を供給するとともに感光材料を搬送する方式や処理液を噴霧状にするスプレー方式、処理液を含浸させた担体との接触によるウエッブ方式、粘性処理液による方式なども用いることができる。大量に処理する場合には、自動現像機を用いてランニング処理されるのが、この際、補充液の補充量は少ない程好ましく、環境適性等より最も好ましい処理形態は、補充方法として錠剤の形態で処理剤を添加することであり、公開技報94−16935に記載の方法が最も好ましい。
次いで、本発明の面積階調画像形成方法について説明する。
本発明の面積階調画像形成方法においては、本発明のハロゲン化銀カラー感光材料を用いて、画像形成の最小単位の集合体として網点を再現する面積階調画像を形成するすることを特徴とする。
本発明に用いられる露光装置の露光光源は、公知のものをいずれも好ましく用いることができるが、レーザーまたは発光ダイオード(以下、LEDと表す)を用いることができるが、その中でも、本発明の目的効果をより奏する観点から、発光ダイオードを用いることがより好ましい。
レーザーとしては半導体レーザー(以下、LDと表す)がコンパクトであること、光源の寿命が長いことから好ましく用いられる。
LDはDVD、音楽用CDの光ピックアップ、POSシステム用バーコードスキャナ等の用途や光通信等の用途に用いられており、安価であり、かつ比較的高出力のものが得られるという長所を有している。
LDの具体的な例としては、アルミニウム・ガリウム・インジウム・ヒ素(650nm)、インジウム・ガリウム・リン(〜700nm)、ガリウム・ヒ素・リン(610〜900nm)、ガリウム・アルミニウム・ヒ素(760〜850nm)等を挙げることができる。最近では、青光を発振するレーザーも開発されているが、現状では、610nmよりも長波の光源としてLDを用いるのが有利である。
SHG素子を有するレーザー光源としては、LD、YAGレーザーから発振される光をSHG素子により半分の波長の光に変換して放出させるものであり、可視光が得られることから適当な光源がない緑〜青の領域の光源として用いられる。この種の光源の例としては、YAGレーザーにSHG素子を組み合わせたもの(532nm)等がある。ガスレーザーとしては、ヘリウム・カドミウムレーザー(約442nm)、アルゴンイオンレーザー(約514nm)、ヘリウムネオンレーザー(約544nm、633nm)等が挙げられる。特にG光の光源としてヘリウムネオンレーザーが好ましく用いられる。
LEDとしては、LDと同様の組成をもつものが知られており、青〜赤外まで種々のものが実用化されている。
本発明に用いられる露光光源としては、各レーザーやLEDを単独で用いてもよいし、これらを組合せ、マルチビームとして用いてもよい。LED、LDの場合には、例えば10個のLDを並べることにより10本の光束からなるビームが得られる。一方、ヘリウムネオンレーザーのような場合、レーザーから発した光をビームセパレーターで例えば10本の光束に分割する。ヘリウムネオンレーザーの場合には、比較的形状の整った光束が容易に得られる。
本発明に用いられる露光用光源の強度変化は、LED、LDのような場合には、個々のLED、LDに流れる電流値を変化させる直接変調を行ってもよいしAOM(音響光学素子)のような素子を用いて強度を変化させてもよい。ガスレーザーの場合には、AOM、EOM(電気光学素子)等のデバイスを用いるのが一般である。
本発明においては、面積階調画像を出力可能なカラープルーフであることが一つの特徴であるが、本発明でいう面積階調画像とは、画像上の濃淡を個々の画素の色の濃淡で表現するのではなく、特定の濃度に発色した部分の面積の大小で表現するものであり、網点と同義と考えてよい。
通常、面積階調露光であればイエロー、マゼンタ、シアンの発色をさせることで目的を達することもできる。より好ましくは、単色での発色濃度よりも高い濃度で墨を作るように、2値以上の露光量を使い分けて露光する事が好ましい。墨にさらにマゼンタ、シアン等の単色が発色したことを識別するには、3値以上の露光量を使い分けて露光する事が好ましい。印刷においては、特別な色の版を用いることがあるが、これを再現するためには、4値以上の露光量を使い分けて露光する事が好ましい。
LED、レーザー光源の場合には、ビーム径は25μm以下であることが好ましく、6〜22μmがより好ましい。6μmより小さいと画質的には好ましいが、調整が困難であったり、処理速度が低下したりする。一方、25μmより大きいとムラが大きくなり、画像の鮮鋭性も劣化する。ビーム径を最適化する事によってムラのない高精細の画像の書き込みを高速で行うことができる。
このような光で画像を描くには、ハロゲン化銀カラー感光材料上を光束が走査する必要があるが、感光材料を円筒状のドラムに巻き付けこれを高速に回転しながら回転方向に直角な方向に光束を動かす円筒外面走査方式をとってもよく、円筒状の窪みにハロゲン化銀カラー感光材料を密着させて露光する円筒内面走査方式も好ましく用いることができる。多面体ミラーを高速で回転させこれによって搬送されるハロゲン化銀カラー感光材料を搬送方向に対して直角に光束を移動して露光する平面走査方式をとってもよい。高画質であり、かつ大きな画像を得るには円筒外面走査方式がより好ましく用いられる。
円筒外面走査方式での露光を行うには、ハロゲン化銀カラー感光材料は正確に円筒状のドラムに密着されなければならない。これが的確に行われるためには、正確に位置合わせされて搬送される必要がある。本発明に用いられるハロゲン化銀カラー感光材料は露光する側の面が外側に巻かれたものがより的確に位置合わせでき、好ましく用いることができる。同様な観点から、本発明に用いられるハロゲン化銀カラー感光材料に用いられる支持体は適正な剛度があり、テーバー剛度で0.8〜4.0が好ましい。
ドラム径は、露光するハロゲン化銀カラー感光材料の大きさに適合させて任意に設定することができる。ドラムの回転数も任意に設定できるがLEDやレーザー光のビーム径、エネルギー強度、書き込みパターンや感光材料の感度などにより適当な回転数を選択することができる。生産性の観点からは、より高速な回転で走査露光できる方が好ましいが、具体的には1分間に200〜3000回転が好ましく用いられる。
ドラムへのハロゲン化銀カラー感光材料の固定方法は、機械的な手段によって固定させてもよいし、ドラム表面に吸引できる微小な穴を感光材料の大きさに応じて多数設けておき、感光材料を吸引して密着させることもできる。感光材料をドラムにできるだけ密着させることが画像ムラ等のトラブルを防ぐには重要である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《ハロゲン化銀カラー感光材料の作製》
〔試料101の作製〕
片面に高密度ポリエチレンを、もう一方の面にアナターゼ型酸化チタンを15質量%の含有量で分散して含む溶融ポリエチレンをラミネートした、平米当たりの質量が115gのポリエチレンラミネート紙反射支持体(テーバー剛度=3.5、PY値=2.7μm)上に、表1に記載の層構成の各層を酸化チタンを含有するポリエチレン層側に塗設し、更に裏面側にはゼラチン6.00g/m2、シリカマット剤0.65g/m2を塗設した多層ハロゲン化銀カラー感光材料である試料101を作製した。
カプラーは高沸点溶媒に溶解して超音波分散し、分散物として添加したが、この時、界面活性剤として(SU−1)を用いた。又、硬膜剤として(H−1)、(H−2)を添加した。塗布助剤としては、界面活性剤(SU−2)、(SU−3)を添加し、表面張力を調整した。また各層に(F−1)を全量が0.04g/m2となるように添加した。
Figure 2006258879
SU−1:トリ−i−プロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム
SU−2:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)・ナトリウム塩
SU−3:スルホ琥珀酸ジ(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)・ナトリウム塩
H−1:テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン
H−2:2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン・ナトリウム
HQ−1:2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン
HQ−2:2,5−ジ((1,1−ジメチル−4−ヘキシルオキシカルボニル)ブチル)ハイドロキノン
HQ−3:2,5−ジ−sec−ドデシルハイドロキノンと2,5−ジ−secテトラデシルハイドロキノンと2−sec−ドデシル−5−sec−テトラデシルハイドロキノンの質量比1:1:2の混合物
HQ−4:2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン
PVP:ポリビニルピロリドン
Figure 2006258879
Figure 2006258879
Figure 2006258879
上記試料101の作製に用いた各感光性ハロゲン化銀乳剤は、以下の方法に従って調製した。
(青感光性ハロゲン化銀乳剤の調製)
40℃に保温した2%ゼラチン水溶液1リットル中に、下記(A液)及び(B液)をpAg=7.3、pH=3.0に制御しつつ同時添加し、更に下記(C液)及び(D液)をpAg=8.0、pH=5.5に制御しつつ同時添加した。この時、pAgの制御は、特開昭59−45437号公報に記載の方法に従って行い、pH制御は硫酸または水酸化ナトリウム水溶液を用いて行った。
〈A液〉
塩化ナトリウム 3.42g
臭化カリウム 0.03g
水を加えて 200mlに仕上げた
〈B液〉
硝酸銀 10g
水を加えて 200mlに仕上げた
〈C液〉
塩化ナトリウム 102.7g
ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム 4×10-8モル
ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム 2×10-5モル
臭化カリウム 1.0g
水を加えて 600mlに仕上げた
〈D液〉
硝酸銀 300g
水を加えて 600mlに仕上げた
添加終了後、花王アトラス社製のデモールNの5%水溶液と硫酸マグネシウムの20%水溶液とを用いて脱塩を行った後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.71μm、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体の乳剤EMP−101を得た。
上記乳剤EMP−101に対し、下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行い、青感光性ハロゲン化銀乳剤Em−B101を得た。
チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX
塩化金酸 0.5mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 3×10-4モル/モルAgX
増感色素:BS−1 4×10-4モル/モルAgX
増感色素:BS−2 1×10-4モル/モルAgX
臭化カリウム 0.2g/モルAgX
次いで、上記乳剤EMP−101の調製において、(A液)と(B液)の添加時間、及び(C液)と(D液)の添加時間とをそれぞれ変更した以外は同様にして、平均粒径0.64μm、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体の乳剤EMP−102を得た。
上記青感光性ハロゲン化銀乳剤Em−B101の調製において、乳剤EMP−101に代えて、乳剤EMP−102を用いた以外同様にして、青感光性ハロゲン化銀乳剤Em−B102を調製し、Em−B101とEm−B102の1:1の混合物を第7層で用いる青感光性ハロゲン化銀乳剤とした。
(緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製)
上記乳剤EMP−101の調製において、(A液)と(B液)の添加時間、及び(C液)と(D液)の添加時間とをそれぞれ変更した以外は同様にして、平均粒径0.40μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体の乳剤EMP−103を得た。
上記乳剤EMP−103に対し、下記化合物を用い55℃にて最適に化学増感を行い、緑感光性ハロゲン化銀乳剤Em−G101を得た。
チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX
塩化金酸 1.0mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 3×10-4モル/モルAgX
増感色素:GS−1 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:GS−2 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:GS−3 2×10-4モル/モルAgX
塩化ナトリウム 0.5g/モルAgX
次いで、上記乳剤EMP−103の調製において、(A液)と(B液)の添加時間、及び(C液)と(D液)の添加時間をそれぞれ変更した以外は同様にして、平均粒径0.50μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体の乳剤EMP−104を得た。
上記緑感光性ハロゲン化銀乳剤Em−G101の調製において、EMP−103に代えてEMP−104を用いた以外は同様にして緑感光性ハロゲン化銀乳剤Em−G102を調製し、Em−G101とEm−G102の1:1の混合物を第5層で用いた緑感光性ハロゲン化銀乳剤とした。
(赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製)
前記調製した乳剤EMP−103に対し、下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行い、赤感光性ハロゲン化銀乳剤Em−R101を得た。
チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX
塩化金酸 2.0mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−4 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−1 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−2 1×10-4モル/モルAgX
強色増感剤:SS−1 2×10-4モル/モルAgX
次に、前記調製した乳剤EMP−103に対し、下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行い、赤感光性ハロゲン化銀乳剤Em−R102を得た。
チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX
塩化金酸 2.0mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−4 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−1 2×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−2 2×10-4モル/モルAgX
強色増感剤:SS−1 2×10-4モル/モルAgX
上記調製した赤感光性ハロゲン化銀乳剤Em−R101と赤感光性ハロゲン化銀乳剤Em−R102の1:1の混合物を、第3層の赤感光性ハロゲン化銀乳剤として用いた。
上記各感光性ハロゲン化銀乳剤の調製に用いた添加剤の詳細は、以下の通りである。
STAB−1:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール
STAB−2:1−(4−エトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
STAB−3:1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
STAB−4:p−トルエンチオスルホン酸
Figure 2006258879
〔試料102〜111の作製〕
上記試料101の作製において、第1層に、表2、表3に記載の各蛍光増白剤の固体微粒子を表2、表3の記載の量添加した以外は同様にして、試料102〜111を作製した。
〔試料112〜119の作製〕
上記試料101の作製において、表2、表3に記載の各蛍光増白剤の固体微粒子を表2、表3の記載の添加層に所定量添加し、更に、白色顔料の種類及び添加層を表2、表3に記載の様に変更した以外は同様にして、試料112〜119を作製した。
〔試料120〜124の作製〕
上記作製した試料105の作製において、各画像形成層の層配置を表2、表3に記載の様に変更した以外は同様にして、試料120〜124を作製した。
《画像の形成》
〔露光装置〕
下記の光源を有するドラム露光方式の露光装置を使用した。
露光装置は、光源としてBのLEDを主走査方向に10個並べ、露光のタイミングを少しづつ遅延させることによって同じ場所を10個のLEDで露光出来るように調整し、また、副走査方向にも10個のLEDを並べ、隣接する10画素分の露光が1度に出来る露光ヘッドを準備した。G、Rも同様にLEDを組み合わせて露光ヘッドを準備した。各ビームの径は約10μmで、この間隔でビームを配列し、副走査のピッチは約100μmとした。1画素当たりの露光時間は約100ナノ秒(10-7秒)で行った。
上記作製した各試料に対し、B、G、Rの各LEDを用いて、後述の方法で墨画像を露光した後、下記の現像処理を行った。なお、各試料はA1サイズに断裁して使用した。
〔現像処理A〕
上記露光を施した各試料を、自動現像機を用いて、下記の条件で現像処理を行った。
〈処理工程〉
処理工程 処理温度 処理時間 補充量(ml/m2
発色現像 38.0±0.3℃ 120秒 80ml
漂白定着 38.0±0.5℃ 90秒 120ml
安定化 30〜34℃ 60秒 150ml
乾燥 60〜80℃ 30秒
上記各処理工程で使用した処理液は、以下の通りである。
〈発色現像液タンク液と補充液〉
タンク液 補充液
純水 800ml 800ml
トリエチレンジアミン 2g 3g
ジエチレングリコール 10g 10g
臭化カリウム 0.01g −
塩化カリウム 3.5g −
亜硫酸カリウム 0.25g 0.5g
N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)−4−アミノアニリン硫酸塩
2.9g 4.8g
N,N−ジスルホエチルヒドロキシルアミン 20.4g 18.0g
トリエタノールアミン 10.0g 10.0g
ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩 2.0g 2.0g
蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体)
2.0g 2.5g
炭酸カリウム 30g 30g
水を加えて全量を1リットルとし、タンク液はpH=10.0に、補充液はpH=10.6に調整した。
〈漂白定着液タンク液及び補充液〉
ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 65g
ジエチレントリアミン五酢酸 3g
チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml
2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール 2.0g
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml
水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷酢酸でpH=5.0に調整した。
〈安定化液タンク液及び補充液〉
o−フェニルフェノール 1.0g
5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g
ジエチレングリコール 1.0g
蛍光増白剤(チノパールSFP) 2.0g
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.8g
硫酸亜鉛 0.5g
硫酸マグネシウム・7水塩 0.2g
PVP(ポリビニルピロリドン) 1.0g
アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.5g
ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩 1.5g
水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又はアンモニア水でpH=7.5に調整した。
〔現像処理B〕
上記現像処理Aにおいて、安定化液タンク液及び補充液から蛍光増白剤(チノパールSFP)を除いた以外は同様にして、現像処理Bとした。
〔画像形成〕
前記作製した各試料と、上記現像処理AまたはBとを、表2、表3に記載の組み合わせで現像処理を行い、画像1〜32を作成した。
《形成画像の評価》
(白地の面内バラツキ耐性の評価)
A1サイズの各試料の上記現像処理済み試料について、白地領域をランダムに50点、X−Rite社製のX−Rite310TRで白地の色調L*、a*、b*を測定した。50点の測定点の平均値aを求め、その平均値aのL*、a*、b*と各測定点でのL*、a*、b*測定値よりΔEを求めた。試料内でこのΔEが最も大きい値ΔEmaxをΔE1とし、試料間でΔE1が小さいもの程、白地面内バラツキ耐性に優れていることを表す。
(墨画像の評価)
(社)日本印刷学会標準化委員会が作製したJapan color 色再現印刷 2001 アート紙のK100%パッチを上記X−Rite310TRで測定し、L*、a*、b*を求めた。これを印刷紙の墨画像の基準値とした。
各試料毎に露光条件を調整し、上記Japan color 色再現印刷 2001 アート紙のK100%パッチと目視観察状態で限りなく近い墨画像を作成し、それの色調L*、a*、b*を上記X−Rite310TRで測定し、上記Japan color 色再現印刷 2001 アート紙のK100%パッチとの色差ΔE2を求め、ΔE2の値が低い程、墨画像の目視観察状態と、測定値との解離が小さく、色合わせしやすく優れていることを表す。
以上により得られた結果を、表2、表3に示す。
Figure 2006258879
Figure 2006258879
表2、表3に記載の結果より明らかな様に、反射支持体に最も近接した感光性層がマゼンタ画像形成層で、反射支持体に隣接する層に本発明の蛍光増白剤能を有する固体微粒子を含有した本発明の試料、あるいは本発明の蛍光増白剤能を有する固体微粒子と白色顔料を同一層に有する本発明の試料は、比較例に対し、現像処理後の白地部の面内バラツキが小さく、かつ形成した墨画像が、基準とした印刷紙の墨画像と、目視評価と測定値間での解離が小さく、色あわせが非常にし易いことが分かる。

Claims (8)

  1. 反射支持体上に、少なくとも1層の感光性層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該反射支持体に最も近接した感光性層がマゼンタ画像形成層であり、かつ該反射支持体に隣接する層が、蛍光増白剤能を有する固体微粒子を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
  2. 反射支持体上に、少なくとも1層の感光性層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該反射支持体に最も近接した感光性層がマゼンタ画像形成層であり、かつ該反射支持体に隣接する層が、下記一般式〔I〕で表される実質的に水不溶性の有機塩の固体微粒子を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
    一般式〔I〕
    n-・n〔B+
    〔式中、Aはアニオン性基を有する蛍光増白剤成分を表し、Bは炭素数の合計が15以上である有機カチオンを表し、nは1〜9の整数を表す。〕
  3. 反射支持体上に、少なくとも1層の感光性層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該反射支持体に最も近接した感光性層がマゼンタ画像形成層であり、かつ該反射支持体に隣接する層が、下記一般式〔II〕で表される実質的に水不溶性の有機塩の固体微粒子を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
    一般式〔II〕
    n-・n〔D+
    〔式中、Cはスルホン酸基を有する蛍光増白剤成分を表し、Dは炭素数の合計が15以上である有機カチオンを表し、nは1〜9の整数を表す。〕
  4. 反射支持体上に、少なくとも1層の感光性層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該反射支持体に最も近接した感光性層がマゼンタ画像形成層であり、かつ構成層の少なくとも1層が、蛍光増白剤能を有する固体微粒子と白色顔料とを含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
  5. 反射支持体上に、少なくとも1層の感光性層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該反射支持体に最も近接した感光性層がマゼンタ画像形成層であり、かつ構成層の少なくとも1層が、下記一般式〔I〕で表される実質的に水不溶性の有機塩の固体微粒子と白色顔料とを含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
    一般式〔I〕
    n-・n〔B+
    〔式中、Aはアニオン性基を有する蛍光増白剤成分を表し、Bは炭素数の合計が15以上である有機カチオンを表し、nは1〜9の整数を表す。〕
  6. 反射支持体上に、少なくとも1層の感光性層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該反射支持体に最も近接した感光性層がマゼンタ画像形成層であり、かつ構成層の少なくとも1層が、下記一般式〔II〕で表される実質的に水不溶性の有機塩の固体微粒子と白色顔料とを含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
    一般式〔II〕
    n-・n〔D+
    〔式中、Cはスルホン酸基を有する蛍光増白剤成分を表し、Dは炭素数の合計が15以上である有機カチオンを表し、nは1〜9の整数を表す。〕
  7. 該白色顔料が、二酸化チタンであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料を用いて、画像形成の最小単位の集合体として網点を再現する面積階調画像を形成することを特徴とする面積階調画像形成方法。
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