JP2005326535A - ハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 低補充で連続処理を行った際に、増感色素起因のステインが低減されて、白地安定性及び画像保存性に優れたハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法を提供する。
【解決手段】 支持体上に、それぞれ少なくとも1層のイエロー発色感光性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ発色感光性ハロゲン化銀乳剤層及びシアン発色感光性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー感光材料を、自動現像機を用いて、発色現像処理液を用いた発色現像処理工程、脱銀処理液を用いた脱銀処理工程、水洗液を用いた水洗処理工程または安定化液を用いた安定化処理工程により処理を行うハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法において、増感色素の保持能を有する化合物を有し、かつ水中で蛍光を発する化合物を含有しない処理部材を、該発色現像処理液、脱銀処理液、水洗液及び安定化液の少なくとも1つに浸漬することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規のハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法に関する。
ハロゲン化銀カラー感光材料(以降、単に感光材料ともいう)は、高感度であること、色再現性に優れていること、連続処理に適していることから、今日盛んに用いられている。この様な特徴からハロゲン化銀カラー感光材料は、一般的な撮影用写真分野のみならず、印刷分野、とりわけ印刷の途中段階で、最終仕上がり印刷物の状態を事前にチェックするための、いわゆるプルーフの分野で広く用いられるようになってきている。
上記プルーフの分野では、コンピュータ上で編集された画像を印刷用フィルムに出力し、現像済みのフィルムを適宜交換しつつ、分解露光を施すことによって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各画像を形成させ、最終印刷物の画像をカラー印画紙上に形成させることにより、最終印刷物のレイアウトや色の適否を判断することが行われている。
最近では、コンピュータ上で編集された画像を直接印刷版に出力する方式が徐々に普及してきており、このような場合には、コンピュータ上のデータからフィルムを介することなく直接カラー画像を得ることが望まれていた。
このような目的には、溶融熱転写方式や電子写真方式、インクジェット方式等種々の方式の応用が試みられてきたが、高画質な画像が得られる方式では費用がかかり生産性が劣るという欠点があり、費用が少なくてすみ生産性に優れた方式では画質が劣るという欠点があった。ハロゲン化銀カラー感光材料を用いたシステムでは、ほとんどノイズ(粒状構造)をもたない画像形成が可能であることや優れた鮮鋭性から、正確な網点画像が形成できるなど高画質な画像形成が可能であり、また一方、連続した現像処理が可能であることや複数の色画像形成ユニットに同時に画像を書き込むことができる等の利点から高い生産性を実現することが可能であった。
上記プルーフ用のハロゲン化銀カラー感光材料を現像処理する際には、現在では自動現像機が広く用いられており、詳しくは、発色現像工程、脱銀工程(漂白、定着、あるいは漂白定着工程)、水洗あるいは安定化処理工程等の複数の処理槽を有し、これらに順次、露光を施したハロゲン化銀カラー感光材料を通過させながら、現像処理を行なっている。この際、カラープルーフの処理で用いられる水洗あるいは安定化処理槽は、3段以上の多段向流方式の処理槽が広く用いられている。
近年、カラープルーフとして広く用いられているハロゲン化銀カラー感光材料は、主に処理槽で液処理を行うため、白地色調変動を生じやすく、また、長期間の連続処理を行った場合、特に、各処理槽中で析出やスラッジが発生しやすく、その析出物スラッジがハロゲン化銀カラー感光材料表面に付着したり、あるいは搬送ロール表面に付着し、そこが起点となってハロゲン化銀カラー感光材料表面に擦り傷等の故障を誘引し、常に安定した品質を得ることの妨げとなっていた。
上記のような白地色調変動、いわゆるステインの生成の要因の1つは、ハロゲン化銀カラー感光材料で用いられている増感色素が、現像処理後でも取り除かれずにハロゲン化銀カラー感光材料中に残留してしまう現象(以下、色素ステインともいう)が知られている。更に、他の要因としては、処理工程で、ハロゲン化銀カラー感光材料から処理液中に流出した増感色素が、消色までに至らず、その後処理されるハロゲン化銀カラー感光材料に再吸着してステインを生ずることがある。上記の様な現象は、特に、自動現像機等を用いて、長期間にわたり連続処理を行った際に、より顕著に発現する。
近年において、高感度化を目的として、アスペクト比(ハロゲン化銀粒子直径/厚さ)の高いハロゲン化銀粒子、いわゆる平板状ハロゲン化銀粒子を用いたハロゲン化銀カラー感光材料が主流になりつつある。この平板状ハロゲン化銀粒子は、高い比表面積を有し、通常のハロゲン化銀粒子に比較して、より多くの増感色素の表面吸着を可能とし、その結果、高感度化を実現している。
しかしながら、上記のような平板状ハロゲン化銀粒子を用い、より多くの増感色素を含むハロゲン化銀カラー写真感光材料では、ハロゲン化銀カラー感光材料中での増感色素の残留量や処理液中への増感色素の流出量が増大し、上記の様な色素に起因するステインが発生しやすくなってきている。更に、それらに加えて、現像処理の迅速化及び環境面から、処理廃液の低減という観点から、現像処理は、より高温で短時間化、あるいは補充液の低補充化が主流となってきており、上記のような増感色素に起因するステインの発生に拍車がかかっている状況にある。また、各処理槽中で析出やスラッジが発生に関しても、現像処理の迅速化(高温、短時間処理)、あるいは低補充液化により、自動現像機等による長期間の連続処理を行った際に、より顕著に発現する。連続処理において、画像を形成する色調変動に関しては、プルーフ用途で用いられるCMSやキャリブレーション等を用いてある程度の補正を行うことができるが、白地変動を補正することができないのが現状である。
上記のような課題に対し、例えば、リサーチディスクロージャーNo.20733号には増感色素に起因するステインを除去する方法の一例として、ビストリアジニルアミノスチルベンジスルホン酸化合物を用いる方法が開示されており、この方法はハロゲン化銀カラー感光材料の処理において広く用いられてきた。また、特開平6−329936号公報には溶解性に優れかつ時間短縮を短縮した処理でもステインを低減できるビストリアジニルアミノスチルベンジスルホン酸化合物が開示されている。また、米国特許第6,153,364号には2,6−ジアリールアミノトリアジン化合物を用いたステイン低減方法が提案されている。しかしながら、これら提案、開示されている方法では、現在主流となっている高温迅速化処理、あるいは低補充液化処理に対して、そのステイン防止効果が十分であるとは言い難く、また処理槽中で析出防止やスラッジ防止に対しても効果を期待することができないのが現状である。
上記課題に対し、ハロゲン化銀感光材料を脱銀工程の後に、酸化剤を含む溶液に接触させて、ハロゲン化銀感光材料中への残留増感色素に起因するステインを低減する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、同様に、ハロゲン化銀感光材料を、求核剤、求電子剤およびラジカル化合物から選ばれる少なくとも一つの化合物に接触させることにより、ハロゲン化銀感光材料中への残留増感色素に起因するステインを低減する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、上記特許文献1、2の方法では、ある程度の残留色素の消色に効果を発揮するが、酸化剤や、求核剤、求電子剤またはラジカル化合物を含む新たな処理槽の設置が必要となり、現在広く用いられている自動現像機の改造を伴い、更に上記方法では、脱銀処理工程から持ち込まれる高濃度の銀イオンやチオ硫酸塩から生じる銀や硫黄の析出が発生し、ハロゲン化銀カラー感光材料への転写とそれに伴う擦り傷等の発生や、処理槽内での循環不良等を引き起こし、特に、低補充処理条件下で顕在化することが判明した。
また、カラープルーフ用のハロゲン化銀カラー感光材料においては、ステインとして、特に、イエローステインの防止が優れた白地特性を選るには重要な要素とされており、そのためには、青感光性ハロゲン化銀乳剤用の増感色素の選択が大きな比重を占めている。
特開2003−121974号公報 (特許請求の範囲) 特開2004−29135号公報 (特許請求の範囲)
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、低補充条件で連続処理を行った際に、増感色素に起因するステインが低減されて、白地安定性及び画像保存性に優れたハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
支持体上に、それぞれ少なくとも1層のイエロー発色感光性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ発色感光性ハロゲン化銀乳剤層及びシアン発色感光性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー感光材料を、自動現像機を用いて、発色現像処理液を用いた発色現像処理工程、脱銀処理液を用いた脱銀処理工程、水洗液を用いた水洗処理工程または安定化液を用いた安定化処理工程により処理を行うハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法において、増感色素の保持能を有する化合物を有し、かつ水中で蛍光を発する化合物を含有しない処理部材を、該発色現像処理液、脱銀処理液、水洗液及び安定化液の少なくとも1つに浸漬することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法。
(請求項2)
前記処理部材を、少なくとも脱銀処理液に浸漬することを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法。
(請求項3)
前記処理部材が、下記一般式(I)〜一般式(IV)から選ばれる化合物の少なくとも1種を、0.5〜4.0g/m2含有することを特徴とする請求項1または2に記載のハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法。
一般式(I)
RaOOC(CH2mCOORb
〔式中、Ra及びRbは各々、炭素数4〜10の直鎖または分岐のアルキル基を表す。mは2〜10の整数を表す。〕
一般式(II)
RcOOC(Cn2n-2)COORd
〔式中、Rc及びRdは各々、炭素数4〜10の直鎖または分岐のアルキル基を表す。nは2〜10の整数を表す。〕
一般式(III)
ReCOO(CH2pOOCRf
〔式中、Re及びRfは各々、炭素数3〜24の直鎖または分岐のアルキル基を表す。pは2〜10の整数を表す。〕
一般式(IV)
C(Rg)(Rh)(Ri)OH
〔式中、Rgはアルキル基またはアルケニル基を表し、Rh及びRiは各々、水素原子またはRgで表される基を表す。ただし、Rg、Rh、Riで各々表される基の総炭素数は10以上である。〕
(請求項4)
前記自動現像機が、ハロゲン化銀カラー感光材料の処理量に応じて処理補充液を補充する方式であって、発色現像処理工程、脱銀処理工程、及び水洗または安定化処理工程の補充液の総量が、該ハロゲン化銀カラー感光材料1m2あたり100〜600mlであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法。
(請求項5)
前記自動現像機を用いて、ハロゲン化銀カラー感光材料の処理量に応じ、処理補充液を補充しながら連続処理を行うハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法であって、該ハロゲン化銀カラー感光材料の処理後における白地部のb*が、連続処理開始直後に処理した該ハロゲン化銀カラー感光材料の白地部のb*に対し、色度差Δb*が0.5以上になる毎に、前記処理部材を処理液に浸漬することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法。
(請求項6)
前記処理部材の450nmの入射光に対する表面反射率が、50〜90%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法。
本発明によれば、低補充条件で連続処理を行った際に、増感色素に起因するステインが低減されて、白地安定性及び画像保存性に優れたハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、支持体上に、それぞれ少なくとも1層のイエロー発色感光性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ発色感光性ハロゲン化銀乳剤層及びシアン発色感光性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー感光材料を、自動現像機を用いて、発色現像処理液を用いた発色現像処理工程、脱銀処理液を用いた脱銀処理工程、水洗液を用いた水洗処理工程または安定化液を用いた安定化処理工程により処理を行うハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法において、増感色素の保持能を有する化合物を有し、かつ水中で蛍光を発する化合物を含有しない処理部材を、該発色現像処理液、脱銀処理液、水洗液及び安定化液の少なくとも1つに浸漬するハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法により、補充条件で連続処理を行った際に、増感色素に起因するステインが低減されて、白地安定性及び画像保存性に優れたハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法(以下、単に処理方法ともいう)を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
前述のごとく、ハロゲン化銀カラー感光材料を、自動現像機を用いて連続処理を行った際に、ハロゲン化銀カラー感光材料から各処理液中へ拡散、流出し、連続処理の進行と共に蓄積されている。本発明者は、その中でも、現像、脱銀反応でハロゲン化銀粒子から遊離し、蓄積される増感色素のハロゲン化銀カラー感光材料への再吸着に伴うステインについて解析を進めた結果、増感色素の保持能を有する化合物を有し、かつ水中で蛍光を発する化合物を含有しない処理部材、より好ましくは前記一般式(I)〜一般式(IV)から選ばれる高沸点有機溶媒の少なくとも1種を、0.5〜4.0g/m2含有する処理部材を用いることにより、連続処理の進行に伴い処理液中に流出、蓄積した増感色素を効率よく吸収することができる。
以下、本発明の詳細について説明する。
はじめに、本発明に係る増感色素の保持能を有する化合物を有し、かつ水中で蛍光を発する化合物を含有しない処理部材について説明する。
本発明に係る処理部材では、処理液中に流出した際に、ステインの発生を引き起こす蛍光性物質を含まないのが特徴であり、水中で蛍光を発する化合物とは、例えば、増感色素、特に青感光性増感色素、蛍光増白剤等である。
本発明に係る処理部材は、増感色素の保持能を有する化合物を有し、増感色素を吸収して、処理系外に排出できる構成要素を含んでいれば、そのほかには、塗膜を形成するために必要な材料で構成されていればよい。
本発明において、増感色素の保持能を有する化合物としては、特に制限はないが、前記一般式(I)〜一般式(IV)から選ばれる高沸点有機溶媒の少なくとも1種を、0.5〜4.0g/m2含有することが好ましい。
以下、一般式(I)〜一般式(IV)で表される高沸点有機溶媒について説明する。
前記一般式(I)及び一般式(II)において、Ra、Rb、Rc及びRdは各々、炭素数4〜10の直鎖または分岐のアルキル基を表すが、これらのアルキル基としては、例えば、ブチル基、i−ブチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、t−オクチル基、sec−オクチル基、ノニル基、i−ノニル基、デシル基、i−デシル基等が挙げられる。
前記一般式(I)において、mは2〜10の整数であるが、4〜8であることがより好ましい。
前記一般式(II)において、nは2〜10の整数であるが、更に好ましくは2〜4である。また、一般式(II)において、−OOC(Cn2n-2)COO−で表される二塩基酸残基としては、マロン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、2−ペンテニン酸、2−ヘキセン二酸、3−ヘキセン二酸等の残基が挙げられる。
前記一般式(III)において、Re及びRfは各々、炭素数3〜24の直鎖または分岐のアルキル基を表すが、Re及びRfの炭素数は各々、4〜10の範囲であることが更に好ましい。
Re及びRfで表される炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基としては、例えば、プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基、ノニル基、i−ノニル基、ペンタデシル基、テトラコシル基等が挙げられる。
前記一般式(IV)において、Rgで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、i−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。
Rgで表されるアルケニル基としては、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基等が挙げられる。
Rgで表されるアルキル基またはアルケニル基は、更に置換基を有していてもよい。
Rh及びRiは各々、水素原子またはRgで表される基を表すが、好ましくは少なくとも一方が水素原子であり、更に好ましくは両方とも水素原子である。
以下、一般式(I)〜一般式(VIII)で表される化合物の代表的具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
I−1:アジピン酸ジブチル
I−2:アジピン酸ジ−i−ブチル
I−3:アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)
I−4:アジピン酸ジオクチル
I−5:アジピン酸(オクチル)デシル
I−6:アジピン酸(2−エチルヘキシル)デシル
I−7:アジピン酸ジ−i−ノニル
I−8:アゼライン酸ジ(2−エチルヘキシル)
I−9:アゼライン酸ジノニル
I−10:セバシン酸ジブチル
I−11:セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)
I−12:セバシン酸ジオクチル
II−1:マレイン酸ジブチル
II−2:マレイン酸ジ(2−エチルヘキシル)
II−3:マレイン酸ジ−i−ノニル
II−4:フマル酸ジブチル
II−5:フマル酸ジ(2−エチルヘキシル)
II−6:イタコン酸ジブチル
II−7:イタコン酸ジ(2−エチルヘキシル)
III−1:C919COO(CH24OOCC919
III−2:C49CH(C25)COO(CH24OOCCH(C25)C49
III−3:C511COO(CH26OOCC511
III−4:C919COO(CH26OOCC919
III−5:C49COO(CH28OOCC49
III−6:C37COO(CH210OOCC37
IV−1:C1123OH
IV−2:C1225OH
IV−3:C1633OH
IV−4:CH3CH(C1021)OH
IV−5:C817CH=CH(CH28OH
IV−6:(CH32C=CH(CH22C(CH3)=CH(CH22C(CH3)(OH)CH=CH2
IV−7:C817CH(C613)CH2OH
IV−8:C1021CH(C817)CH2OH
IV−9:i−C37CH2CH(OH)(CH22CH(C25)C49
IV−10:C715CH=CH(CH26OH
本発明に係る処理部材において、上記で説明した高沸点有機溶媒は、親水性バインダー中に、界面活性剤等の乳化剤を用いて、微小液滴に乳化した状態で存在する。乳化手段としては、撹拌機、ホモジナイザー、コロイドミル、フロージェットミキサー、超音波分散機等を用いることができる。
本発明に係る処理部材は、支持体上に少なくとも上記説明した高沸点有機溶媒の乳化物を含む水系塗布液を塗布することにより作製することができ、そのほかの添加物は、コスト等を考慮し、必要最小限度に留めることが好ましい。
本発明に係る処理部材に用いることのできる支持体としては、帯状支持体であることが好ましく、どのような材質を用いてもよく、例えば、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートで被覆した紙、天然パルプや合成パルプからなる紙支持体、塩化ビニルシート、白色顔料を含有してもよいポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート支持体、バライタ紙などを用いることができる。なかでも、原紙の両面に耐水性樹脂被覆層を有する支持体が好ましい。耐水性樹脂としては、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートまたはそれらのコポリマーが好ましい。
また、その他の添加物としては、高沸点有機溶媒の乳化物を保持するための親水性バインダーとして、ゼラチンを用いることが有利であるが、必要に応じて他のゼラチン、例えば、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外のタンパク質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一あるいは共重合体のごとき合成親水性高分子物質等の親水性コロイドも用いることができる。なお、親水性バインダー(B)の高沸点有機溶媒(o)に対する添加量O/Gとしては、0.2〜0.75の範囲が好ましい。O/Gが0.2未満では、塗膜の厚さが厚くなりすぎて、高沸点有機溶媒による増感色素のトラップ能が低下し、満足できる効果が得られない。また、O/Gが0.75を越えると、保存時に高沸点有機溶媒の油滴が表面に滲みだし、搬送ロールへの付着等により油剤による故障を誘発する要因となる。
また、上記親水性バインダーの硬膜剤としては、ビニルスルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独または併用して使用することが好ましい。特開昭61−249054号、同61−245153号に記載の化合物を使用することが好ましい。また、写真性能や画像保存性に悪影響するカビや細菌の繁殖を防ぐため、コロイド層中に特開平3−157646号に記載のような防腐剤及び抗カビ剤を添加することが好ましい。また、処理部材表面の物性を改良するため、保護層に、例えば、特開平6−118543号や特開平2−73250号に記載の滑り剤やマット剤を添加することもできる。
また、上記高沸点有機溶媒の分散や塗布時の表面張力調整のため、界面活性剤を用いることができ、例えば、分子中に炭素数8〜30の疎水性基とスルホン酸基またはその塩を含有するものが挙げられる。具体的には特開昭64−26854号記載のA−1〜A−11が挙げられる。またアルキル基に弗素原子を置換した界面活性剤も好ましく用いられる。
一般に、カラープルーフ作成に用いられる露光装置は、イエロー(Y)版、マゼンタ(M)版、シアン(C)版及び墨(BK)版に色分解された各分解網原稿フィルムを使って本番の印刷版を作成する前に原稿フィルムのレイアウトに間違いがないか、色間違いがないか、文字の誤りがないか等を検査し、印刷物の仕上りを事前に確認するための校正物(カラープルーフ)を得るための装置で、感光材料としてロール状のハロゲン化銀カラー写真感光材料を、複数の収納用カートリッジにセットして、露光部で、シート状に切断した後、デジタル画像信号に応じてレーザ光で露光し、その後、後述する現像処理して、カラープルーフを作成する。
本発明では、上記のような構成からなる露光装置において、本発明に係る処理部材を、ハロゲン化銀カラー写真感光材料を収納するためのカートリッジの1つに装填して、供給することができる。
本発明の処理方法では、処理補充液を補充しながら連続処理を行うハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法において、ハロゲン化銀カラー感光材料の処理後における白地部のb*が、連続処理開始直後に処理したハロゲン化銀カラー感光材料の白地部のb*に対し、色度差Δb*(すなわち、色差変動幅)が0.5以上になる毎に、本発明に係る処理部材を処理液に浸漬することが好ましい。この様にして、連続処理過程で、白地のステインが増加し、基準値であるΔb*が0.5を越えた時点で、本発明に係る処理部材を、例えば、露光装置に備えた収納用カートリッジから一定量供給することにより、Δb*を増大している要因である処理液中に流出した増感色素を吸収することにより、ステインの低い状態に維持することができる。
本発明でいう知覚色度指数b*とは、CIELAB(Commission Internationale de 1 “Echairage”奨励のL*、a*、b*色彩系略語)による知覚色度指数b*であり、詳細は「新編 色彩科学ハンドブック(日本色彩学会編)267ページ」のCIEL***の項目に記載されている。
また、本発明に係るCIE1976L***表色空間の詳細は、日本写真学会・日本画像学会編「ファインイメージングとカラーハードコピー」354ページ(1999年、コロナ社刊行)にも詳記されている。この表色空間を用いる際の3色刺激値は、蛍光性反射物体のX、Y、Z座標の3刺激値測定方法を規定したJIS Z 8717記載の方法に従って求められた値である。CIE1976L***表色空間上の色度は、基準となる白色の色度を標準昼光の国際標準であるCIED65(6504K)に用いて測定する。測定機器としては、CIE1976L***表色空間上の色度を測定できるいずれの色度測定装置を用いることができる。例えば、コニカミノルタセンシング(株)製の分光測色器CM−2022を用いて測定することができる。CM−2022による測色に関しては、照明と受光の幾何条件をd−0、キセノンパルス光源を用いて測光し、2°視野、補助標準の光D50を用い、濃度については、例えば、X−rite社製分光濃度計508型を用い、45°環式照明0°受光の条件で、StatusはTを用いて測定することができる。
本発明においては、本発明に係る処理部材は、発色現像処理液、脱銀処理液、水洗液及び安定化液の少なくとも1つに浸漬することを特徴とするが、特に、脱銀処理に伴い増感色素が多量に流出、蓄積が進行する脱銀処理工程に少なくとも適用することが好ましい。
また、本発明においては、上記構成からなる処理部材の450nmの入射光に対する表面反射率が、50〜90%であることが好ましい。
上述の露光装置において、ハロゲン化銀カラー感光材料や処理部材の供給量を検出する手段としては、一般的に、センサーが使用されている。感光性ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀カラー感光材料に対しては、非感光性の検知手段を用いることが必要となり、例えば、赤外線センター等が使用されているが、本発明に係る処理部材は、基本的には非感光性部材であるため、可視光を用いたセンサーを適用できる利点を有しており、その特性から450nmの青色光に対し、表面反射率として50〜90%とすることにより、検知が可能となる。
次いで、本発明の処理方法で用いることのできる自動現像機について説明する。
本発明で用いることのできる自動現像機は、少なくとも発色現像処理槽を有する発色現像処理工程、脱銀処理槽を有する脱銀処理工程、水洗槽を有する水洗処理工程または安定化槽を有する安定化処理工程から構成され、その中でも、水洗槽を有する水洗処理工程または安定化槽を有する安定化処理工程が、複数の処理槽から構成され、各処理槽のオーバーフロー液を、前浴の処理槽に持ち込む多段向流方式であることが好ましい。
図1は、本発明で用いることのできる自動現像機の現像処理部の一例を示す概略構成図である。
自動現像機8は、自動露光部(図示していない)から搬送されたハロゲン化銀カラー感光材料Pを一定速度で搬送しながら現像処理するもので、ハロゲン化銀カラー感光材料Pを処理するために、ハロゲン化銀カラー感光材料Pに接触させる処理液を貯留する処理液容器として、以下に示すように、複数の液槽1とこの液槽1に接続された補助槽2とが並べて設けられている。すなわち、自動露光部で露光が施されたハロゲン化銀カラー感光材料Pを発色現像処理するために、ハロゲン化銀カラー感光材料Pに接触させる発色現像液を貯留する発色現像液容器の一部である発色現像槽1A及び発色現像補助槽2Aと、発色現像処理されたハロゲン化銀カラー感光材料Pを脱銀処理(以下、漂白定着処理ともいう)するために、ハロゲン化銀カラー感光材料Pに接触させる漂白定着液を貯留する漂白定着液容器の一部である漂白定着槽1B及び漂白定着補助槽2Bと、漂白定着処理されたハロゲン化銀カラー感光材料Pを水洗あるいは安定化処理するため、ハロゲン化銀カラー感光材料Pに接触させる水洗水あるいは安定化液を貯留する多段向流方式で接続された複数の水洗もしくは安定化液容器の一部である安定化槽1C、1D、1E及び安定化補助槽2C、2D、2Eとを有し、更に、安定化処理されたハロゲン化銀カラー感光材料Pを乾燥させる乾燥部6を有し、乾燥部6で乾燥されたハロゲン化銀カラー感光材料Pを外部ホルダー9に送り出すものである。
また、水洗水もしくは安定化液容器は、漂白定着処理されたハロゲン化銀カラー感光材料Pを最初に水洗もしくは安定化処理するための第1の水洗水もしくは安定化液容器の一部である第1安定化槽1C及び第1安定化補助槽2Cと、第1安定化槽1Cで水洗もしくは安定化処理されたハロゲン化銀カラー感光材料Pを、次に水洗もしくは安定化処理するための2番目の水洗水もしくは安定化液容器の一部である第2安定化槽1D及び第2安定化補助槽2Dと、第2安定化槽1Dで安定処理されたハロゲン化銀カラー感光材料Pを、次に水洗もしくは安定化処理するための3番目の水洗水もしくは安定化液容器の一部である第3安定化槽1E及び第3安定化補助槽2Eとを有する。そして、この所定高さをオーバーした水洗水もしくは安定化液を第2安定槽1Dに送るオーバーフロー管(図示していない)が第3安定化槽1Eの所定高さに設けられ、この所定高さをオーバーした水洗水もしくは安定化液を、第1安定化槽1Cに送るオーバーフロー管(図示していない)が第2安定化槽1Dの所定高さに設けられて、第1安定化槽1C、第2安定化槽1D及び第3安定化槽1Eが、多段向流方式で接続されている。なお、自動現像機8の現像処理部の各液槽の内、発色現像槽及び漂白定着槽内部には、液温検知管とそれに連動したヒーターが設けられ、所定の温度への制御がなされている。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法(以下、単に本発明の処理方法ともいう)においては、ハロゲン化銀カラー感光材料を、上述のような自動現像機を用いて補充液を補充しながら発色現像処理、脱銀処理、水洗処理または安定化処理を行う処理方法で、水洗または安定化処理工程が、複数の処理槽からなり、処理槽のオーバーフロー液を、処理槽より前に位置する処理槽に持ち込む多段向流方式であることが好ましい。
本発明の処理方法においては、発色現像処理工程、脱銀処理工程、及び水洗または安定化処理工程の補充液の総量が、ハロゲン化銀カラー感光材料1m2あたり600ml以下であることが好ましく、より好ましくは300〜600mlであり、本発明に係る処理部材を用いることにより、低補充条件での連続処理が実現でき、処理時品質の向上と廃液の低減を同時に満足することができる。
次いで、本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料、本発明の処理方法の詳細について説明する。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料に用いられるハロゲン化銀乳剤としては、95モル%以上が塩化銀からなるハロゲン化銀乳剤が好ましく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、塩沃化銀等任意のハロゲン組成を有するものが用いられる。中でも、塩化銀を95モル%以上含有する塩臭化銀、中でも臭化銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲン化銀乳剤が好ましく用いられ、また、表面近傍に沃化銀を0.05〜0.5モル%含有する塩沃化銀も好ましく用いられる。臭化銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲン化銀乳剤において、高濃度に臭化銀を含有する部分は、いわゆるコア・シェル型ハロゲン化銀乳剤であってもよいし、完全な層を形成せず単に部分的に組成の異なる領域が存在するだけのいわゆるエピタキシー接合した領域を形成していてもよい。臭化銀が高濃度に存在する部分は、ハロゲン化銀粒子の表面の結晶粒子の頂点に形成されることが特に好ましい。また、組成は連続的に変化してもよいし不連続に変化してもよい。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料に用いられるネガ型ハロゲン化銀乳剤には、重金属イオンを含有させるのが有利である。これにより、いわゆる相反則不軌が改良され、高照度露光での減感が防止されたりシャドー領域での軟調化が防止されることが期待される。
このような目的で用いることのできる重金属イオンとしては、鉄、イリジウム、白金、パラジウム、ニッケル、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、コバルト等の第8〜10族金属や、カドミウム、亜鉛、水銀などの第12族遷移金属や、鉛、レニウム、モリブデン、タングステン、ガリウム、クロムの各イオンを挙げることができる。中でも鉄、イリジウム、白金、ルテニウム、ガリウム、オスミウムの金属イオンが好ましい。これらの金属イオンは、塩や、錯塩の形でハロゲン化銀乳剤に添加することができる。前記重金属イオンが錯体を形成する場合には、その配位子としてシアン化物イオン、チオシアン酸イオン、シアン酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、沃化物イオン、カルボニル、ニトロシル、アンモニア、1,2,4−トリアゾール、チアゾール等を挙げることができる。中でも、塩化物イオン、臭化物イオン等が好ましい。これらの配位子は単独であっても複数の配位子が併用されてもよい。
これらの金属化合物の特性として、ハロゲン化銀乳剤粒子に含有させた時の電子トラップの深さとして特徴づけることもできる。深さが0.2eV以下の浅い電子トラップを与える化合物としては、第2鉛イオンまたはシアノ配位子を有する化合物を挙げることができ、相反則不軌、特に低照度不軌を改良するのに有効である。また、深さが0.35eV以上の深い電子トラップを与える化合物としては、ハロゲン化物イオンやニトロシル配位子を有するIr、Rh、Ru化合物を挙げることができる。これらの化合物は、高照度相反則不軌を改良する上で好ましく用いることができる。深さが0.2eV以下の浅い電子トラップを与える化合物と深さが0.35eV以上の深い電子トラップを与える化合物を併用することも好ましい形態である。これら化合物については、特開2000−214561号公報の4〜5ページに詳しい記載がある。
ハロゲン化銀乳剤中に重金属イオンを含有させる方法としては、該重金属化合物をハロゲン化銀粒子の形成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒子の形成後の物理熟成中の各工程の任意の場所で添加すればよい。
重金属化合物をハロゲン化物塩と一緒に溶解して粒子形成工程の全体或いは一部にわたって連続的に添加することができる。また、あらかじめこれらの重金属化合物を含有するハロゲン化銀微粒子を形成しておいて、これを添加することによって調製することもできる。前記重金属イオンのハロゲン化銀乳剤中への添加量は、ハロゲン化銀1モル当り1×10-9モル以上、1×10-2モル以下が好ましく、特に、1×10-8モル以上、5×10-5モル以下が好ましい。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の形状は、任意のものを用いることができる。好ましい例の1つは、(100)面を結晶表面として有する立方体である。また、米国特許第4,183,756号、同第4,225,666号、特開昭55−26589号、特公昭55−42737号や、ザ・ジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サイエンス(J.Photogr.Sci.)21、39(1973)等の文献に記載された方法等により、八面体、十四面体、十二面体等の形状を有する粒子をつくり、これを用いることもできる。更に、双晶面を有する粒子を用いてもよい。
本発明に用いられる粒子は、単一の形状からなる粒子が好ましく用いられるが、単分散のハロゲン化銀乳剤を二種以上同一画像形成層に添加することが特に好ましい。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の粒径としては、特に制限はないが、迅速処理性適性及び到達感度や、他の写真性能を考慮すると、好ましくは0.1〜1.2μm、更に好ましくは、0.2〜1.0μmの範囲である。
この粒径は、ハロゲン化銀粒子の投影面積か、あるいは直径近似値を使ってこれを測定して求めることができる。ハロゲン化銀粒子が実質的に均一形状である場合は、粒径分布は直径か投影面積としてかなり正確にこれを表すことができる。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の粒径分布は、好ましくは変動係数が0.22以下、更に好ましくは0.15以下の単分散ハロゲン化銀粒子であり、特に好ましくは、変動係数が0.15以下の単分散乳剤を2種以上、同一画像形成層に添加することである。ここでいう変動係数とは、粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって定義される。
変動係数=S/R
ここに、Sは粒径分布の標準偏差、Rは平均粒径を表す。
ハロゲン化銀乳剤の調製装置、調製方法としては、当業界において公知の種々の方法を用いることができる。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、酸性法、中性法、アンモニア法の何れで得られたものであってもよい。該ハロゲン化銀粒子は、一時に成長させたものであってもよいし、種粒子を調製した後で成長させてもよい。種粒子を調製する方法と成長させる方法は同じであっても、異なってもよい。
また、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物塩を反応させる形式としては、順混合法、逆混合法、同時混合法、それらの組合せなど、いずれでもよいが、同時混合法で得られたものが好ましい。更に、同時混合法の一形式として、特開昭54−48521号等に記載されているpAgコントロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。
また、特開昭57−92523号、同57−92524号等に記載の反応母液中に配置された添加装置から水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を供給する装置、ドイツ公開特許第2,921,164号等に記載されている水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を連続的に濃度変化させて添加する装置、特公昭56−501776号等に記載の反応器外に反応母液を取り出し、限外濾過法で濃縮することによりハロゲン化銀粒子間の距離を一定に保ちながら粒子形成を行なう装置などを用いてもよい。
更に、必要で有ればチオエーテル等のハロゲン化銀溶剤を用いてもよい。また、メルカプト基を有する化合物、含窒素ヘテロ環化合物または増感色素のような化合物をハロゲン化銀粒子の形成時、または、粒子形成終了の後に添加して用いてもよい。
本発明に用いられるネガ型ハロゲン化銀乳剤は、金化合物を用いる増感法、カルコゲン増感剤を用いる増感法等を適宜組み合わせて用いることができる。カルコゲン増感剤としては、イオウ増感剤、セレン増感剤、テルル増感剤などを用いることができるが、イオウ増感剤が好ましい。イオウ増感剤としては、チオ硫酸塩、トリエチルチオ尿素、アリルチオカルバミドチオ尿素、アリルイソチアシアネート、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、ローダニン、無機イオウ等が挙げられる。
イオウ増感剤の添加量としては、適用されるハロゲン化銀乳剤の種類や期待する効果の大きさなどにより適宜変更することが好ましいが、概ねハロゲン化銀1モル当たり5×10-10〜5×10-5モルの範囲、好ましくは5×10-8〜3×10-5モルの範囲である。
金増感剤としては、塩化金酸、硫化金等の他各種の金錯体として添加することができる。用いられる配位子化合物としては、ジメチルローダニン、チオシアン酸、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾール等を挙げることができる。金化合物の使用量は、ハロゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条件などによって一様ではないが、通常は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-4〜1×10-8モルであることが好ましい。更に好ましくは1×10-5〜1×10-8モルである。これらの化合物は、増感剤としてではなく、塗布液の調製段階などで種々の目的で添加することもできる。
本発明に用いられるネガ型ハロゲン化銀乳剤の化学増感法としては、還元増感法を用いてもよい。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料には、400〜900nmの波長域の特定領域に分光増感されたハロゲン化銀乳剤を含む層を有することもできる。該ハロゲン化銀乳剤は、1種または、2種以上の増感色素を組み合わせて含有する。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤に用いる分光増感色素としては、公知の化合物をいずれも用いることができるが、青感光性増感色素としては、特開平3−251840号28ページに記載のBS−1〜8を単独でまたは組み合わせて好ましく用いることができる。緑感光性増感色素としては、同公報28ページに記載のGS−1〜5が好ましく用いられる。赤感光性増感色素としては同公報29ページに記載のRS−1〜8が好ましく用いられる。
これらの増感色素の添加時期としては、ハロゲン化銀粒子形成から化学増感終了までの任意の時期でよい。また、これらの色素の添加方法としては、水またはメタノール、エタノール、フッ素化アルコール、アセトン、ジメチルホルムアミド等の水と混和性の有機溶媒に溶解して溶液として添加してもよいし、増感色素を密度が1.0g/mlより大きい、水混和性溶媒の溶液または、乳化物、懸濁液として添加してもよい。
増感色素の分散方法としては、高速撹拌型分散機を用いて水系中に機械的に1μm以下の微粒子に粉砕・分散する方法以外に、特開昭58−105141号に記載のようにpH6〜8、60〜80℃の条件下で水系中において機械的に1μm以下の微粒子に粉砕・分散する方法、特公昭60−6496号に記載の表面張力を3.8×10-2N/m以下に抑える界面活性剤の存在下に分散する方法、特開昭50−80826号に記載の実質的に水を含まず、pKaが5を上回らない酸に溶解し、該溶解液を水性液に添加分散し、この分散物をハロゲン化銀乳剤に添加する方法等を用いることができる。
分散に用いる分散媒としては水が好ましいが、少量の有機溶媒を含ませて溶解性を調整したり、ゼラチン等の親水性コロイドを添加して分散液の安定性を高めることもできる。
分散液を調製するのに用いることのできる分散装置としては、例えば、特開平4−125631号公報の第1図に記載の高速撹拌型分散機の他、ボールミル、サンドミル、超音波分散機等を挙げることができる。
また、これらの分散装置を用いるに際し、特開平4−125632号に記載のように、あらかじめ乾式粉砕などの前処理を施した後、湿式分散を行う等の方法をとってもよい。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、1種または、2種以上の増感色素を組み合わせて含有してもよい。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤には、ハロゲン化銀カラー感光材料の調製工程中に生じるカブリを防止したり、保存中の性能変動を小さくしたり、現像時に生じるカブリを防止する目的で、公知のカブリ防止剤、安定剤を用いることができる。この様な目的で用いることのできる好ましい化合物の例として、特開平2−146036号公報の7ページ下欄に記載された一般式(II)で表される含窒素複素環メルカプト化合物を挙げることができ、更に好ましい具体的な化合物としては、同公報の8ページに記載の(IIa−1)〜(IIa−8)、(IIb−1)〜(IIb−7)の化合物や、特開2000−267235号公報の8ページ右欄32〜36行目に記載の化合物を挙げることができる。これらの化合物は、その目的に応じて、ハロゲン化銀乳剤粒子の調製工程、化学増感工程、化学増感工程の終了時、塗布液調製工程などの任意の工程で添加される。これらの化合物の存在下に化学増感を行う場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-5〜5×10-4モル程度の量で好ましく用いられる。化学増感終了時に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6〜1×10-2モル程度の量が好ましく、1×10-5〜5×10-3モルがより好ましい。塗布液調製工程において、ハロゲン化銀乳剤層に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6〜1×10-1モル程度の量が好ましく、1×10-5〜1×10-2モルがより好ましい。また、ハロゲン化銀乳剤層以外の層に添加する場合には、塗布皮膜中の含有量として、1m2当り1×10-9〜1×10-3モル程度の量が好ましい。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤には、種々の目的で他の添加剤を加えることができる。例えば、特開平2−146036号公報に具体的に記載されているA−20、C−1、C−9、C−14、C−15、C−16、C−40等のジスルフィド、ポリスルフィド化合物、D−1、D−3、D−6、D−8等のチオスルホン酸化合物、無機イオウ等を用いることが好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料に用いられるカプラーとしては、発色現像主薬の酸化体とカップリング反応して340nmより長波長域に分光吸収極大波長を有するカップリング生成物を形成し得るいかなる化合物をも用いることが出来るが、特に代表的な物としては、波長域350〜500nmに分光吸収極大波長を有する本発明に係るイエロー色素形成カプラーの他に、波長域500〜600nmに分光吸収極大波長を有するマゼンタ色素形成カプラー、波長域600〜750nmに分光吸収極大波長を有するシアン色素形成カプラーとして知られているものが代表的である。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料に用いられるマゼンタカプラーとしては、特開平8−328210号公報の2ページに記載の一般式M−IもしくはM−IIで示される化合物が好ましい。好ましい化合物の具体例としては、同号6ページから16ページに記載のMCP−1〜MCP−41を挙げることができる。更に、他の具体例としては、欧州公開特許第0,273,712号の6〜21頁に記載されている化合物M−1〜M−61及び同第0,235,913号の36〜92頁に記載されている化合物1〜223の中の上述の代表的具体例以外のものがある。
該マゼンタカプラーは、他の種類のマゼンタカプラーと併用することもでき、通常、総マゼンタカプラー量としては、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-3モル〜1モル、好ましくは1×10-2モル〜8×10-1モルの範囲で用いることができる。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料において、形成されるマゼンタ画像の分光吸収のλmaxは530〜560nmであることが好ましく、またλL0.2は、580〜635nmであることが好ましい。λL0.2とは、画像色素の分光吸光度曲線において、最大吸光度が1.0である時、最大吸光度を示す波長よりも長波で、吸光度が0.2となる波長をいう。この量は、画像色素の長波側の不要吸収の大きさを示す目安となる量であり、λmaxに近い波長であるほど不要吸収が小さく好ましいことを表す。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料のマゼンタ画像形成層には、マゼンタカプラーに加えてイエローカプラーが含有されることが好ましい。本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料のマゼンタ画像形成性層に含有させる好ましいイエローカプラーとしては、公知のピバロイルアセトアニリド型もしくはベンゾイルアセトアニリド型等のカプラーが挙げられる。本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料のマゼンタ画像形成性層に含有させる好ましいイエローカプラーの具体例としては、例えば、特開平8−314079号公報の6〜15ページ右欄に記載のYCP−1〜YCP−39で表されるカプラーが挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料において、シアン画像形成層中に含有されるシアンカプラーとしては、公知のフェノール系、ナフトール系又はイミダゾール系、アゾール系カプラーを用いることができる。例えば、アルキル基、アシルアミノ基、或いはウレイド基などを置換したフェノール系カプラー、5−アミノナフトール骨格から形成されるナフトール系カプラー、離脱基として酸素原子を導入した2当量型ナフトール系カプラーなどが代表される。このうち好ましい化合物としては、特開平6−95283号公報の13ページに記載の一般式[C−I]、[C−II]で表される化合物が挙げられる。
アゾール系カプラーとしては、特開平8−171185号公報の2ページに記載の一般式〔I〕もしくは〔II〕で表されるピラゾロアゾール系カプラー、または、特開平11−282138号公報に記載の一般式(I)で表されるピロロアゾール系カプラーを挙げることができる。
該シアンカプラーは、通常ハロゲン化銀乳剤層において、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-3〜1モル、好ましくは1×10-2〜8×10-1モルの範囲で用いることができる。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料においては、公知のイエローカプラー、好ましくはアシルアセトアニリド系カプラー等を用いることができる。
本発明で用いることのできるイエローカプラーの具体例としては、例えば、特開平3−241345号の5頁〜9頁に記載の化合物、Y−I−1〜Y−I−55で示される化合物、もしくは特開平3−209466号の11〜14頁に記載の化合物、Y−1〜Y−30で示される化合物も好ましく使用することができる。更に特開平6−95283号21ページ記載の一般式〔Y−I〕で表されるカプラー、特開2002−351023号に記載の一般式(I)、(II)の化合物等も挙げることができる。
また、良好な色再現性、高発色性ならびに良好な耐光性が得られる観点から、特開昭63−123047号に記載されているような、アニリド部の2位にアルコキシ基を、5位にアシルアミノ基を有するイエローカプラー、米国特許第5,455,149号明細書に記載されているような炭素数1〜6のアルキル基が窒素原子に置換したピリミジン−4−オンが結合したアセトアニリド型カプラー、特開2002−296740号公報に記載の置換アルキル基が置換したピリミジン−4−オンが結合したアセトアニリド型カプラー、特開2002−296741号公報に記載のアリール基または複素環基が置換したピリミジン−4−オンが結合したアセトアニリド型カプラー、特開2002−318442号公報に記載のヘテロ原子等の二価の連結基が導入されたピリミジン−4−オンが結合したアセトアニリド型カプラー、特開2002−318443号公報に記載の炭素数7以上のアルキル基が置換したピリミジン−4−オンが結合したアセトアニリド型カプラー、特開2002−351023号公報、特開2003−173007号公報に記載の〔1,2,4〕チアジアジン−1,1−ジオキシドが結合したアセトアニリド型カプラー等を挙げることができる。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料において、形成されるイエロー画像の分光吸収のλmaxは425nm以上であることが好ましく、λL0.2は515nm以下であることが好ましい。
該イエロー色画像の分光吸収のλL0.2とは、特開平6−95283号21ページ右欄1行〜24行に記載の内容で定義される値であり、イエロー色素画像の分光吸収特性で長波側の不要吸収の大きさを表す。
該マゼンタ色画像、シアン色画像、及びイエロー色画像の分光吸収特性を調整するために、本発明に係る前記一般式(HBS−1)で表される化合物と共に、公知の色調調整作用を有する化合物を添加することができる。このための化合物としては、特開平6−95283号公報の22ページに記載の一般式[HBS−I]で示されるリン酸エステル系化合物、[HBS−II]で示されるホスフィンオキサイド系化合物が挙げられる。
前記マゼンタ、シアン、イエローの各カプラーには、形成された色素画像の光、熱、湿度等による褪色を防止するため褪色防止剤を併用することができる。好ましい化合物としては、特開平2−66541号公報の3ページに記載の一般式IおよびIIで示されるフェニルエーテル系化合物、特開平3−174150号公報に記載の一般式IIIBで示されるフェノール系化合物、特開昭64−90445号公報に記載の一般式Aで示されるアミン系化合物、特開昭62−182741号公報に記載の一般式XII、XIII、XIV、XVで示される金属錯体が、特にマゼンタ色素用として好ましい。また、特開平1−196049号号公報に記載の一般式I′で示される化合物および特開平5−11417号公報に記載の一般式IIで示される化合物が、特にイエロー、シアン色素用として好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料に用いられるステイン防止剤やその他の有機化合物を添加する際に、水中油滴型乳化分散法を用いる場合、通常、沸点150℃以上の水不溶性高沸点有機溶媒に、必要に応じて低沸点及び/または水溶性有機溶媒を併用して溶解し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダー中に界面活性剤を用いて乳化分散する。分散手段としては、撹拌機、ホモジナイザー、コロイドミル、フロージェットミキサー、超音波分散機等を用いることができる。分散後、または、分散と同時に低沸点有機溶媒を除去する工程を組み入れてもよい。ステイン防止剤等を溶解して分散するために用いることのできる高沸点有機溶媒としては、トリクレジルホスフェート、トリオクチルホスフェート等のリン酸エステル類、トリオクチルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類、特開平4−265975号公報の5ページに記載の(a−i)〜(a−x)を代表とする高級アルコール系化合物等が好ましく用いられる。また、高沸点有機溶媒の誘電率としては3.5〜7.0であることが好ましい。また、2種以上の高沸点有機溶媒を併用することもできる。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料には、イラジエーション防止やハレーション防止の目的で、種々の波長域に吸収を有する染料を用いることができる。この目的で、公知の化合物をいずれも用いることができるが、特に、可視域に吸収を有する染料としては、特開平3−251840号公報の308ページに記載のAI−1〜11の染料および特開平6−3770号公報に記載の染料が好ましく用いられる。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料は、ハロゲン化銀乳剤層のうち、最も支持体に近いハロゲン化銀乳剤層より支持体に近い側に少なくとも1層の耐拡散性化合物で着色された親水性コロイド層を有することが好ましい。着色物質としては、染料またはそれ以外の有機、無機の着色物質を用いることができる。
本発明に用いられるハロゲン化銀カラー感光材料では、ハロゲン化銀乳剤層のうち、最も支持体に近いハロゲン化銀乳剤層より支持体に近い側に少なくとも1層の着色された親水性コロイド層に、白色顔料を含有していてもよい。例えば、ルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタン、硫酸バリウム、ステアリン酸バリウム、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、カオリン等を用いることができるが、種々の理由から、中でも二酸化チタンが好ましい。白色顔料は、処理液が浸透できるような、例えば、ゼラチン等の親水性コロイドの水溶液バインダー中に分散される。白色顔料の塗布付量は、好ましくは0.1〜50g/m2の範囲であり、更に好ましくは0.2〜5g/m2の範囲である。
支持体と、支持体から最も近いハロゲン化銀乳剤層との間には、白色顔料含有層の他に、必要に応じて、下塗り層、あるいは任意の位置に中間層等の非感光性親水性コロイド層を設けることができる。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料中に、蛍光増白剤を添加することで白地性をより改良できる点で好ましい。蛍光増白剤は、紫外線を吸収して可視光の蛍光を発することのできる化合物であれば特に制限はないが、分子中に少なくとも1個以上のスルホン酸基を有するジアミノスチルベン系化合物であり、これらの化合物には、増感色素のハロゲン化銀カラー感光材料外への溶出を促進する効果もあり好ましい。他の好ましい一つの形態は、蛍光増白効果を有する固体微粒子化合物である。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料においては、公知の各種界面活性剤を併せて用いることができる。感光材料に用いられる写真用添加剤の分散や塗布時の表面張力調整のため用いられる界面活性剤として好ましい化合物としては、1分子中に炭素数8〜30の疎水性基とスルホン酸基またはその塩を含有するものが挙げられる。具体的には、特開昭64−26854号に記載のA−1〜A−11が挙げられる。また、アルキル基に弗素原子を置換した界面活性剤も好ましく用いられる。これら界面活性剤を用いて乳化された油溶性添加剤の分散液は、通常、ハロゲン化銀乳剤を含有する塗布液に添加されるが、分散後塗布液に添加されるまでの時間、および塗布液に添加後塗布までの時間は短いほうがよく、各々10時間以内が好ましく、3時間以内、20分以内がより好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料には、現像主薬酸化体と反応する化合物をハロゲン化銀乳剤層間に設けた中間層に添加して色濁りを防止したり、また、ハロゲン化銀乳剤層に直接添加してカブリ等を改良することが好ましい。このための化合物としてはハイドロキノン誘導体が好ましく、更に好ましくは2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノンのようなジアルキルハイドロキノンである。特に好ましい化合物は、特開平4−133056号に記載の一般式IIで示される化合物であり、同号13〜14ページ記載の化合物II−1〜II−14および17ページ記載の化合物1が挙げられる。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料中には、紫外線吸収剤を添加してスタチックカブリを防止したり、色素画像の耐光性を改良することが好ましい。好ましい紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール類が挙げられ、特に好ましい化合物としては特開平1−250944号に記載の一般式III−3で示される化合物、特開昭64−66646号に記載の一般式IIIで示される化合物、特開昭63−187240号に記載のUV−1L〜UV−27L、特開平4−1633号に記載の一般式Iで示される化合物、特開平5−165144号に記載の一般式(I)、(II)で示される化合物が挙げられる。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料には、油溶性染料や顔料を含有すると白地性が改良され好ましい。油溶性染料の代表的具体例は、特開平2−842号8ページ〜9ページに記載の化合物1〜27が挙げられる。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料には、バインダーとしてゼラチンを用いることが有利であるが、必要に応じて他のゼラチン、例えば、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外のタンパク質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一あるいは共重合体のごとき合成親水性高分子物質等の親水性コロイドも用いることができる。
これらバインダーに対する硬膜剤としては、ビニルスルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独または併用して使用することが好ましい。特開昭61−249054号、同61−245153号に記載の化合物を使用することが好ましい。また、写真性能や画像保存性に悪影響するカビや細菌の繁殖を防ぐため、コロイド層中に特開平3−157646号に記載のような防腐剤および抗カビ剤を添加することが好ましい。また、ハロゲン化銀カラー感光材料または処理後のハロゲン化銀カラー感光材料表面の物性を改良するため、保護層に、例えば、特開平6−118543号や特開平2−73250号に記載の滑り剤やマット剤を添加することが好ましい。
ハロゲン化銀乳剤を用いたハロゲン化銀カラー感光材料の塗布に際して、塗布性を向上させる目的で、増粘剤を用いてもよい。塗布方法としては、2種以上の層を同時に塗布することのできるエクストルージョンコーティングまたはカーテンコーティングが特に有用である。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料の幅としては用途に応じて任意の幅の物を用いることができるが、プルーフの用途では400mm以上の幅が好ましく用いられる。800mmあるいはそれ以上の幅の感光材料も好ましく用いられる。
次いで、本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料への画像記録方法について説明する。
本発明に用いられる露光装置の露光光源は、公知のものをいずれも好ましく用いることが出来るが、レーザーまたは発光ダイオード(以下LEDと表す)がより好ましく用いられる。
レーザーとしては半導体レーザー(以下、LDと表す)がコンパクトであること、光源の寿命が長いことから好ましく用いられる。
LDはDVD、音楽用CDの光ピックアップ、POSシステム用バーコードスキャナ等の用途や光通信等の用途に用いられており、安価であり、かつ比較的高出力のものが得られるという長所を有している。LDの具体的な例としては、アルミニウム・ガリウム・インジウム・ヒ素(650nm)、インジウム・ガリウム・リン(〜700nm)、ガリウム・ヒ素・リン(610〜900nm)、ガリウム・アルミニウム・ヒ素(760〜850nm)等を挙げることができる。最近では、青光を発振するレーザーも開発されているが、現状では、610nmよりも長波の光源としてLDを用いるのが有利である。
SHG素子を有するレーザー光源としては、LD、YAGレーザーから発振される光をSHG素子により半分の波長の光に変換して放出させるものであり、可視光が得られることから適当な光源がない緑〜青の領域の光源として用いられる。この種の光源の例としては、YAGレーザーにSHG素子を組み合わせたもの(532nm)等がある。ガスレーザーとしては、ヘリウム・カドミウムレーザー(約442nm)、アルゴンイオンレーザー(約514nm)、ヘリウムネオンレーザー(約544nm、633nm)等が挙げられる。特にG光の光源としてヘリウムネオンレーザーが好ましく用いられる。
LEDとしては、LDと同様の組成をもつものが知られているが、青〜赤外まで種々のものが実用化されている。
本発明に用いられる露光光源としては、各レーザーを単独で用いてもよいし、これらを組合せ、マルチビームとして用いてもよい。LDの場合には、例えば10個のLDを並べることにより10本の光束からなるビームが得られる。一方、ヘリウムネオンレーザーのような場合、レーザーから発した光をビームセパレーターで例えば10本の光束に分割する。ヘリウムネオンレーザーの場合には、比較的形状の整った光束が容易に得られる。
本発明に用いられる露光用光源の強度変化は、LDのような場合には、個々のLDに流れる電流値を変化させる直接変調を行ってもよいしAOM(音響光学素子)のような素子を用いて強度を変化させてもよい。ガスレーザーの場合には、AOM、EOM(電気光学素子)等のデバイスを用いるのが一般である。
本発明においては、面積階調画像を出力可能なカラープルーフであることが一つの特徴であるが、本発明でいう面積階調画像とは、画像上の濃淡を個々の画素の色の濃淡で表現するのではなく、特定の濃度に発色した部分の面積の大小で表現するものであり、網点と同義と考えてよい。
通常、面積階調露光であればY、M、Cの発色をさせることで目的を達することもできる。より好ましくは、単色での発色濃度よりも高い濃度で墨を作るように、2値以上の露光量を使い分けて露光する事が好ましい。墨にさらにM、C等の単色が発色したことを識別するには、3値以上の露光量を使い分けて露光する事が好ましい。印刷においては、特別な色の版を用いることがあるが、これを再現するためには、4値以上の露光量を使い分けて露光する事が好ましい。
レーザー光源の場合には、ビーム径は25μm以下であることが好ましく、6〜22μmがより好ましい。6μmより小さいと画質的には好ましいが、調整が困難であったり、処理速度が低下したりする。一方、25μmより大きいとムラが大きくなり、画像の鮮鋭性も劣化する。ビーム径を最適化する事によってムラのない高精細の画像の書き込みを高速で行うことができる。
このような光で画像を描くには、ハロゲン化銀感光材料上を光束が走査する必要があるが、感光材料を円筒状のドラムに巻き付けこれを高速に回転しながら回転方向に直角な方向に光束を動かす円筒外面走査方式をとってもよく、円筒状の窪みにハロゲン化銀感光材料を密着させて露光する円筒内面走査方式も好ましく用いることができる。多面体ミラーを高速で回転させこれによって搬送されるハロゲン化銀感光材料を搬送方向に対して直角に光束を移動して露光する平面走査方式をとってもよい。高画質であり、かつ大きな画像を得るには円筒外面走査方式がより好ましく用いられる。
円筒外面走査方式での露光を行うには、ハロゲン化銀感光材料は正確に円筒状のドラムに密着されなければならない。これが的確に行われるためには、正確に位置合わせされて搬送される必要がある。本発明に用いられるハロゲン化銀感光材料は露光する側の面が外側に巻かれたものがより的確に位置合わせでき、好ましく用いることができる。同様な観点から、本発明に用いられるハロゲン化銀感光材料に用いられる支持体は適正な剛度があり、テーバー剛度で0.8〜4.0が好ましい。
ドラム径は、露光するハロゲン化銀感光材料の大きさに適合させて任意に設定することができる。ドラムの回転数も任意に設定できるがレーザー光のビーム径、エネルギー強度、書き込みパターンや感光材料の感度などにより適当な回転数を選択することができる。生産性の観点からは、より高速な回転で走査露光できる方が好ましいが、具体的には1分間に200〜3000回転が好ましく用いられる。
ドラムへのハロゲン化銀感光材料の固定方法は、機械的な手段によって固定させてもよいし、ドラム表面に吸引できる微小な穴を感光材料の大きさに応じて多数設けておき、感光材料を吸引して密着させることもできる。感光材料をドラムにできるだけ密着させることが画像ムラ等のトラブルを防ぐには重要である。
本発明に用いられる露光装置の露光光源は、公知のものをいずれも好ましく用いることができるが、レーザーまたは発光ダイオード(以下LEDと表す)がより好ましく用いられる。
レーザーとしては半導体レーザー(以下、LDと表す)がコンパクトであること、光源の寿命が長いことから好ましく用いられる。また、LDはDVD、音楽用CDの光ピックアップ、POSシステム用バーコードスキャナ等の用途や光通信等の用途に用いられており、安価であり、かつ比較的高出力のものが得られるという長所を有している。LDの具体的な例としては、アルミニウム・ガリウム・インジウム・ヒ素(650nm)、インジウム・ガリウム・リン(〜700nm)、ガリウム・ヒ素・リン(610〜900nm)、ガリウム・アルミニウム・ヒ素(760〜850nm)等を挙げることができる。最近では、青光を発振するレーザーも開発されているが、現状では、610nmよりも長波の光源としてLDを用いるのが有利である。
SHG素子を有するレーザー光源としては、LD、YAGレーザーから発振される光をSHG素子により半分の波長の光に変換して放出させるものであり、可視光が得られることから適当な光源がない緑〜青の領域の光源として用いられる。この種の光源の例としては、YAGレーザーにSHG素子を組み合わせたもの(532nm)等がある。
ガスレーザーとしては、ヘリウム・カドミウムレーザー(約442nm)、アルゴンイオンレーザー(約514nm)、ヘリウムネオンレーザー(約544nm、633nm)等が挙げられる。
LEDとしては、LDと同様の組成をもつものが知られているが、青〜赤外まで種々のものが実用化されている。
本発明に用いられる露光光源としては、各レーザーを単独で用いてもよいし、これらを組合せ、マルチビームとして用いてもよい。LDの場合には、例えば10個のLDを並べることにより10本の光束からなるビームが得られる。一方、ヘリウムネオンレーザーのような場合、レーザーから発した光をビームセパレーターで例えば10本の光束に分割する。
露光用光源の強度変化は、LD、LEDのような場合には、個々の素子に流れる電流値を変化させる直接変調を行うことができる。LDの場合には、AOM(音響光学変調器)のような素子を用いて強度を変化させてもよい。ガスレーザーの場合には、AOM、EOM(電気光学変調器)等のデバイスを用いるのが一般である。
光源にLEDを用いる場合には、光量が弱ければ、複数の素子で同一の画素を重複して露光する方法を用いてもよい。
また、これらに代わる光源として有機発光素子を用いてもよく、これらについては、例えば、特開2000−258846号等に記載されている。
本発明において、面積階調画像という言葉を用いるが、これは画像上の濃淡を個々の画素の色の濃淡で表現するのではなく、特定の濃度に発色した部分の面積の大小で表現するものであり、網点と同義と考えてよい。
通常、面積階調露光であれば、Y、M、C、墨の発色をさせることで目的を達することもできる。より好ましくは、墨に加えてM、C等の単色が発色したことを識別するには、3値以上の露光量を使い分けて露光することが好ましい。印刷においては、特別な色の版を用いることがあるが、これを再現するためには、4値以上の露光量を使い分けて露光することが好ましい。
レーザー光源の場合には、ビーム径は25μm以下であることが好ましく、6〜22μmがより好ましい。6μmより小さいと画質的には好ましいが、調整が困難であったり、処理速度が低下したりする。一方、25μmより大きいとムラが大きくなり、画像の鮮鋭性も劣化する。ビーム径を最適化することによってムラのない高精細の画像の書き込みを高速で行うことができる。
このような光で画像を描くには、ハロゲン化銀カラー感光材料上を光束が走査する必要があるが、ハロゲン化銀カラー感光材料を円筒状のドラムに巻き付けこれを高速に回転しながら回転方向に直角な方向に光束を動かす円筒外面走査方式をとってもよく、円筒状の窪みにハロゲン化銀感光材料を密着させて露光する円筒内面走査方式も好ましく用いることができる。多面体ミラーを高速で回転させこれによって搬送されるハロゲン化銀カラー感光材料を、搬送方向に対して直角に光束を移動して露光する平面走査方式をとってもよい。高画質であり、かつ大きな画像を得るには円筒外面走査方式がより好ましく用いられる。
円筒外面走査方式での露光を行うには、ハロゲン化銀カラー感光材料は正確に円筒状のドラムに密着されなければならない。これが的確に行われるためには、正確に位置合わせされて搬送される必要がある。本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料は、露光する面側が外側に巻かれたものがより的確に位置合わせでき、好ましく用いることができる。同様な観点から、本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料に用いられる支持体は、適正な剛度があり、テーバー剛度で0.8〜4.0が好ましい。
ドラム径は、露光するハロゲン化銀カラー感光材料の大きさに適合させて任意に設定することができる。ドラムの回転数も任意に設定できるがレーザー光のビーム径、エネルギー強度、書き込みパターンやハロゲン化銀カラー感光材料の感度などにより、適当な回転数を選択することができる。生産性の観点からは、より高速な回転で走査露光できる方が好ましいが、具体的には1分間に200〜3000回転が好ましく用いられる。
ドラムへのハロゲン化銀カラー感光材料の固定方法は、機械的な手段によって固定させてもよいし、ドラム表面に吸引できる微小な穴をハロゲン化銀カラー感光材料の大きさに応じて多数設けておき、ハロゲン化銀カラー感光材料を吸引して密着させることもできる。ハロゲン化銀カラー感光材料をドラムにできるだけ密着させることが、画像ムラ等のトラブルを防ぐには重要である。
次いで、本発明の処理方法について説明する。
本発明において用いられる芳香族一級アミン現像主薬としては、公知の化合物を用いることができる。これらの化合物の例として下記の化合物を上げることができる。
CD−1:N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン
CD−2:2−アミノ−5−ジエチルアミノトルエン
CD−3:2−アミノ−5−(N−エチル−N−ラウリルアミノ)トルエン
CD−4:4−(N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ)アニリン
CD−5:2−メチル−4−(N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ)アニリン
CD−6:4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−(メタンスルホンアミド)エチル)アニリン
CD−7:N−(2−アミノ−5−ジエチルアミノフェニルエチル)メタンスルホンアミド
CD−8:N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン
CD−9:4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−メトキシエチルアニリン
CD−10:4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−エトキシエチル)アニリン
CD−11:4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(γ−ヒドロキシプロピル)アニリン
本発明においては、発色現像液を任意のpH域で使用できるが、迅速処理の観点からpH9.5〜13.0であることが好ましく、より好ましくはpH9.8〜12.0の範囲で用いられる。
本発明に係る発色現像液の処理温度は、35℃以上、70℃以下が好ましい。温度が高いほど短時間の処理が可能であり好ましいが、処理液の安定性からはあまり高くない方が好ましく、37℃以上60℃以下で処理することが好ましい。
発色現像時間は、従来一般には3分30秒程度で行われているが、本発明では、40秒以内が好ましく、更に25秒以内の範囲で行うことが更に好ましい。
発色現像液には、前記の発色現像主薬に加えて、既知の現像液成分化合物を添加することができる。通常、pH緩衝作用を有するアルカリ剤、塩化物イオン、ベンゾトリアゾール類等の現像抑制剤、保恒剤、キレート剤などが用いられる。
本発明に係るハロゲン化銀感光材料は、発色現像後、脱銀工程としての漂白定着液処理及び安定処理が施される。
漂白定着処理において、漂白定着液として、特開昭64−295258号に記載のイミダゾール及びその誘導体又は同明細書記載の一般式[I]〜[IX]で示される化合物及びこれらの例示化合物の少なくとも一種を含有することが好ましい。また、上記の促進剤の他、特開昭62−123459号の第51頁〜第115頁に記載の例示化合物及び特開昭63−17445号の第22頁〜第25頁に記載の例示化合物、特開昭53−95630号、同53−28426号記載の化合物等も同様に用いることができる。
漂白定着剤には、上記以外に臭化アンモニウム、臭化カリウム、臭化ナトリウムの如きハロゲン化物、各種の蛍光増白剤、消泡剤或いは界面活性剤を含有せしめることもできる。
本発明における漂白定着剤に用いられる定着主剤としては、チオシアン酸塩、チオ硫酸塩が好ましく用いられる。
漂白定着剤には、これら定着主剤の他にpH緩衝剤、又アルキルアミン類、ポリエチレンオキサイド類、更にアルカリハライド又はアンモニウムハライド、例えば臭化カリウム、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化アンモニウム等の再ハロゲン化剤を含有させることが望ましい。
漂白定着剤には、特開昭64−295258号第56頁に記載の一般式[FA]で示される化合物及びこの例示化合物を添加するのが好ましく、本発明の効果をより良好に奏するばかりか、少量の感光材料を長期間にわたって処理する際に定着能を有する処理液中に発生するスラッジも極めて少ないという別な効果が得られる。
本発明においては、漂白定着液のpHが、3以上5以下であることが好ましく、より好ましくは3.5以上5.0以下である。
安定液に添加する好ましい化合物としては、例えば、キレート化合物、蛍光増白剤の他に、アンモニウム化合物が挙げられる。アンモニウム化合物の添加量は安定液1L当り0.001〜1.0モルの範囲が好ましく、より好ましくは0.002〜2.0モルの範囲である。
安定剤には亜硫酸塩を含有させることが好ましい。又安定液にはキレート剤と併用して金属塩を含有することが好ましい。かかる金属塩としては、Ba、Ca、Ce、Co、In、La、Mn、Ni、Bi、Pb、Sn、Zn、Ti、Zr、Mg、Al又はSrの金属塩があり、ハロゲン化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩等の無機塩又は水溶性キレート剤として供給できる。使用量としては安定液1L当り1×10-4〜1×10-1モルの範囲が好ましく、より好ましくは4×10-4〜2×10-2モルの範囲である。
本発明に係る水洗もしくは安定化処理は、多段向流方式の処理槽が用いられており、処理槽のサイズとしては概ね3〜7Lで、かつ安定液の循環量が2〜6L/minであることが好ましい。水洗もしくは安定化処理に要する時間は、各槽それぞれ20〜90秒が好ましい。
水洗もしくは安定化処理の処理温度が35℃以上であることが好ましく、より好ましくは35〜38℃である。本発明に係る水洗もしくは安定化槽の加熱手段としては、独立したヒーターを用いて安定液を加熱してもよく、あるいは、漂白定着槽や現像槽のヒーターを用いて追従温調により加熱しても良い。
本発明のハロゲン化銀感光材料の現像処理に用いる現像処理装置としては、処理槽に配置されたローラーに感光材料をはさんで搬送するローラートランスポートタイプであっても、ベルトに感光材料を固定して搬送するエンドレスベルト方式であってもよいが、処理槽をスリット状に形成して、この処理槽に処理液を供給するとともに感光材料を搬送する方式や処理液を噴霧状にするスプレー方式、処理液を含浸させた担体との接触によるウエッブ方式、粘性処理液による方式なども用いることができる。大量に処理する場合には、自動現像機を用いてランニング処理されるのが、この際、補充液の補充量は少ない程好ましく、環境適性等より最も好ましい処理形態は、補充方法として錠剤の形態で処理剤を添加することであり、公開技報94−16935に記載の方法が最も好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
《ハロゲン化銀カラー感光材料の作製》
〔ハロゲン化銀カラー感光材料101の作製〕
片面に高密度ポリエチレンを、もう一方の面にアナターゼ型酸化チタンを15質量%の含有量で分散して含む溶融ポリエチレンをラミネートした、平米当たりの質量が115gのポリエチレンラミネート紙の反射支持体1(テーバー剛度=3.5、PY値=2.7μm)上に、下記表1に記載の構成からなる各層を、酸化チタンを含有するポリエチレン層面側に塗設し、更に裏面側にはゼラチン6.00g/m2、シリカマット剤0.65g/m2を含む層を塗設した多層ハロゲン化銀カラー感光材料101を作製した。この時の支持体の厚みは100μmであり、また塗布は、塗布速度250m/minで行った。
カプラーは高沸点溶媒に溶解して超音波分散し、分散物として添加したが、この時、界面活性剤として(SU−1)を用いた。又、硬膜剤として(H−1)、(H−2)を添加した。また各層に(F−1)を全量が0.04g/m2となるように添加した。
塗布助剤としては、界面活性剤(SU−2)、(SU−3)を添加し、表面張力を調整した。
Figure 2005326535
SU−1:トリ−i−プロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム
SU−2:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)・ナトリウム塩
SU−3:スルホ琥珀酸ジ(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)・ナトリウム塩
H−1:テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン
H−2:2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン・ナトリウム
HQ−1:2,5−ジーt−オクチルハイドロキノン
HQ−2:2,5−ジ((1,1−ジメチル−4−ヘキシルオキシカルボニル)ブチル)ハイドロキノン
HQ−3:2,5−ジ−sec−ドデシルハイドロキノンと2,5−ジ−secテトラデシルハイドロキノンと2−sec−ドデシル−5−sec−テトラデシルハイドロキノンの質量比1:1:2の混合物
HQ−4:2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン
PVP:ポリビニルピロリドン
Figure 2005326535
Figure 2005326535
Figure 2005326535
上記ハロゲン化銀カラー感光材料の作製に用いた各感光性ハロゲン化銀乳剤は、以下の方法に従って調製した。
(青感光性ハロゲン化銀乳剤の調製)
40℃に保温した2%ゼラチン水溶液1リットル中に、下記(A液)及び(B液)をpAg=7.3、pH=3.0に制御しつつ同時添加し、更に下記(C液)及び(D液)をpAg=8.0、pH=5.5に制御しつつ同時添加した。この時、pAgの制御は、特開昭59−45437号公報に記載の方法に従って行い、pH制御は硫酸または水酸化ナトリウム水溶液を用いて行った。
〈A液〉
塩化ナトリウム 3.42g
臭化カリウム 0.03g
水を加えて 200mlに仕上げた
〈B液〉
硝酸銀 10g
水を加えて 200mlに仕上げた
〈C液〉
塩化ナトリウム 102.7g
ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム 4×10-8モル
ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム 2×10-5モル
臭化カリウム 1.0g
水を加えて 600mlに仕上げた
〈D液〉
硝酸銀 300g
水を加えて 600mlに仕上げた
添加終了後、花王アトラス社製のデモールNの5%水溶液と硫酸マグネシウムの20%水溶液とを用いて脱塩を行った後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.71μm、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体の乳剤EMP−101を得た。
上記乳剤EMP−101に対し、下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行い、青感光性ハロゲン化銀乳剤Em−B101を得た。
チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX
塩化金酸 0.5mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 3×10-4モル/モルAgX
増感色素:BS−1 4×10-4モル/モルAgX
増感色素:BS−2 1×10-4モル/モルAgX
臭化カリウム 0.2g/モルAgX
次いで、上記乳剤EMP−101の調製において、(A液)と(B液)の添加時間、及び(C液)と(D液)の添加時間とをそれぞれ変更した以外は同様にして、平均粒径0.64μm、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体の乳剤EMP−102を得た。
上記青感光性ハロゲン化銀乳剤Em−B101の調製において、乳剤EMP−101に代えて、乳剤EMP−102を用いた以外同様にして、青感光性ハロゲン化銀乳剤Em−B102を調製し、Em−B101とEm−B102の1:1の混合物を第7層で用いる青感光性ハロゲン化銀乳剤とした。
(緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製)
上記乳剤EMP−101の調製において、(A液)と(B液)の添加時間、及び(C液)と(D液)の添加時間とをそれぞれ変更した以外は同様にして、平均粒径0.40μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体の乳剤EMP−103を得た。
上記乳剤EMP−102に対し、下記化合物を用い55℃にて最適に化学増感を行い、緑感光性ハロゲン化銀乳剤Em−G101を得た。
チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX
塩化金酸 1.0mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 3×10-4モル/モルAgX
増感色素:GS−1 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:GS−2 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:GS−3 2×10-4モル/モルAgX
塩化ナトリウム 0.5g/モルAgX
次いで、上記乳剤EMP−103の調製において、(A液)と(B液)の添加時間、及び(C液)と(D液)の添加時間をそれぞれ変更した以外は同様にして、平均粒径0.50μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体の乳剤EMP−104を得た。
上記緑感光性ハロゲン化銀乳剤Em−G101の調製において、EMP−103に代えてEMP−104を用いた以外同様にして緑感光性ハロゲン化銀乳剤Em−G102を調製し、Em−G101とEm−G102の1:1の混合物を第5層で用いた緑感光性ハロゲン化銀乳剤とした。
(赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製)
前記調製した乳剤EMP−103に対し、下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行い、赤感光性ハロゲン化銀乳剤Em−R101を得た。
チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX
塩化金酸 2.0mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−4 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−1 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−2 1×10-4モル/モルAgX
強色増感剤:SS−1 2×10-4モル/モルAgX
次に、前記調製した乳剤EMP−103に対し、下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行い、赤感光性ハロゲン化銀乳剤Em−R102を得た。
チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX
塩化金酸 2.0mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−4 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−1 2×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−2 2×10-4モル/モルAgX
強色増感剤:SS−1 2×10-4モル/モルAgX
上記調製した赤感光性ハロゲン化銀乳剤Em−R101と赤感光性ハロゲン化銀乳剤Em−R102の1:1の混合物を、第3層の赤感光性ハロゲン化銀乳剤として用いた。
上記各感光性ハロゲン化銀乳剤の調製に用いた添加剤の詳細は、以下の通りである。
STAB−1:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール
STAB−2:1−(4−エトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
STAB−3:1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
STAB−4:p−トルエンチオスルホン酸
Figure 2005326535
〔処理部材1の作製〕
下記の色素吸着層塗布液を、ハロゲン化銀カラー感光材料101の作製に用いたのと同様のポリエチレンラミネート紙の反射支持体1に、ゼラチンの付量として5.0g/m2となる条件で、スライドコーターを用いて塗布、乾燥を行って、処理部材1を作製した。
ゼラチン 50.0g
界面活性剤:SU−1(乳化用界面活性剤) 0.6g
界面活性剤:SU−2(塗布助剤) 0.2g
界面活性剤:SU−3(塗布助剤) 0.3g
硬膜剤:H−1/H−2(1/2) 0.75g
水で1000mlに仕上げた。
〔処理部材2の作製〕
下記の色素吸着層塗布液を、ハロゲン化銀カラー感光材料101の作製に用いたのと同様のポリエチレンラミネート紙の反射支持体1に、高沸点有機溶媒の付量として2.5g/m2となる条件で、スライドコーターを用いて塗布、乾燥を行って、処理部材2を作製した。
高沸点有機溶媒:SO−2(前出)トリクレジルフォスフェート 25.0g
ゼラチン 50.0g
界面活性剤:SU−1(乳化用界面活性剤) 0.6g
界面活性剤:SU−2(塗布助剤) 0.2g
界面活性剤:SU−3(塗布助剤) 0.3g
硬膜剤:H−1/H−2(1/2) 0.75g
水で1000mlに仕上げた。
なお、高沸点有機溶媒は、界面活性剤SU−1を含むゼラチン溶液中に添加して、高圧式ホモジナイザイーを用いて、乳化物として添加した。
〔処理部材3〜10の作製〕
上記処理部材2の作製において、高沸点有機溶媒の種類及び添加量を、表2に記載のように変更した以外は同様にして、処理部材3〜10を作製した。
〔処理部材11〕
上記処理部材2の作製において、蛍光増白剤として4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体を2.0g添加した以外は同様にして、処理部材11を作製した。
《画像の形成》
〔露光装置〕
下記の光源を有するドラム露光方式の露光装置を使用した。
露光装置は、光源としてBのLEDを主走査方向に10個並べ、露光のタイミングを少しづつ遅延させることによって同じ場所を10個のLEDで露光出来るように調整し、また、副走査方向にも10個のLEDを並べ、隣接する10画素分の露光が1度に出来る露光ヘッドを準備した。各ビームの径は約10μmで、この間隔でビームを配列し、副走査のピッチは約100μmとした。1画素当たりの露光時間は約100ナノ秒であった。
なお、ハロゲン化銀カラー感光材料101は、650mm幅のロール状に断裁して供給用のカートリッジに装填した。また、各処理部材も、同じく650mm幅のロール状に断裁して供給用のカートリッジに装填した。
《現像処理》
〔処理方法1〕
露光を施した試料を、安定化槽が図1に記載のような多段向流方式の3槽からなる自動現像機を用いて、下記に示す現像処理条件で行った。なお、発色現像槽の容量は20L、漂白定着槽の容量は8L、3段の多段向流方式の安定化槽の第1〜第3の安定化槽の容量はそれぞれ5Lである。
〈現像処理条件〉
処理工程 処理温度 処理時間 補充量(ml/m2
発色現像 38.0±0.3℃ 120秒 80ml
漂白定着 38.0±0.5℃ 90秒 120ml
第1安定化(第1安定化槽)
30.0±1.0℃ 37秒
第2安定化(第2安定化槽)
30.0±1.0℃ 37秒
第3安定化(最終槽)
30.0±1.0℃ 37秒 350ml
乾燥 50〜70℃ 37秒
〈発色現像液タンク液と補充液〉
タンク液 補充液
純水 800ml 800ml
トリエチレンジアミン 2g 3g
ジエチレングリコール 10g 10g
臭化カリウム 0.01g −
塩化カリウム 3.5g −
亜硫酸カリウム 0.25g 0.5g
N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)−4−アミノアニリン硫酸塩
2.9g 4.8g
N,N−ジスルホエチルヒドロキシルアミン 20.4g 18.0g
トリエタノールアミン 10.0g 10.0g
ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩 2.0g 2.0g
蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体)
2.0g 2.5g
炭酸カリウム 30g 30g
水を加えて全量を1リットルとし、タンク液はpH=10.0に、補充液はpH=10.6に調整した。
〈漂白定着液タンク液及び補充液〉
ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 65g
ジエチレントリアミン五酢酸 3g
チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml
2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール 2.0g
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml
水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷酢酸でpH=5.0に調整した。
〈安定化液タンク液1及び補充液1〉
o−フェニルフェノール 1.0g
5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g
ジエチレングリコール 1.0g
蛍光増白剤(例示化合物W−13) 2.0g
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.8g
硫酸亜鉛 0.5g
硫酸マグネシウム・7水塩 0.2g
PVP(ポリビニルピロリドン) 1.0g
アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.5g
N−β−ヒドロキシエチルイミノジ酢酸 1.5g
水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又はアンモニア水でpH=7.5に調整した。
〔処理方法2〕
上記処理方法1において、ハロゲン化銀カラー感光材料を100m2処理する毎に、処理部材1を上記処理ラインに5m2搬送、浸漬し、その後連続処理を継続した。
〔処理方法3〜12〕
上記処理方法2において、処理部材1に代えて、処理部材2〜10を用いた以外は同様にし、これを処理方法3〜12とした。
〔ランニング処理〕
上記処理方法1に従って、2ヶ月を要して前記作製したハロゲン化銀カラー感光材料101を総量で1000m2を、上記で規定する条件で各処理液の補充を行いながら、ランニング処理を行った。
《各評価》
上記処理方法1〜12で連続処理を行った試料について、下記の評価を行った。
(白地変動耐性の評価)
ランニング開始時のハロゲン化銀カラー感光材料の白地部のb*と、ランニング処理後のハロゲン化銀カラー感光材料の白地部分のb*を、各々20点について測定し、その色差の差の絶対値Δb* 1を求めた。
色度の測定は、コニカミノルタセンシング(株)製の分光測色器CM−2022を用いた。CM−2022による測色に関しては、照明と受光の幾何条件をd−0、キセノンパルス光源を用いて測光し、2°視野、補助標準の光D50を用いた。濃度については、X−rite社製分光濃度計508型を用い、45°環式照明0°受光の条件で、StatusはTを用いた。
(画像保存性の評価)
上記1ヶ月を要して連続処理行った後のハロゲン化銀カラー感光材料を、40℃、80%RHの環境下で1ヶ月間劣化処理を施し、ランニング処理前後のハロゲン化銀カラー感光材料の白地部分のb*を、各々20点について測定し、その色差の差の絶対値Δb* 2を求めた。なお、色度の測定は、上記と同様の方法で行った。
以上により得られた結果を、表2に示す。
Figure 2005326535
表2の結果より明らかなように、本発明に係る増感色素の保持能を有する化合物を含有する処理部材を用いて連続処理を行った本発明の処理方法は、比較例に対し、白地変動耐性あるいは連続処理後の画像保存性に優れていることが分かる。その中でも、特に、増感色素の保持能を有する化合物として、一般式(I)〜一般式(IV)で表される化合物を、0.5〜4.0g/m2含有させた処理部材を用いることにより、その効果が顕著に発揮されることが分かる。また、処理部材10を用いた処理方法11において、連続処理の進行に伴い、搬送ロールの一部で微量の油剤の付着が認められた。
実施例2
《画像の形成、現像処理及び評価》
実施例1に記載処理部材の1、2、5及び7を用いた処理方法において、各処理部材の浸漬槽を表3に記載のように変更した以外は同様にして、連続処理を行い、白地変動耐性及び連続処理後の画像保存性の評価を行い、得られた結果を表3に示す。
Figure 2005326535
表3に記載の結果より明らかなように、本発明の処理方法では、少なくとも漂白定着槽の処理部材を浸漬することが、優れた白地変動耐性及び連続処理後の画像保存性を得る観点からは有効であることが分かる。
実施例3
《画像の形成、現像処理及び評価》
実施例1に記載のハロゲン化銀カラー感光材料101を、処理方法として実施例1に記載の1、2、3、6及び8を用いて、連続処理時の総補充量を表4に記載のように変更した以外は同様にして処理を行い、実施例1に記載の評価方法に従って、各評価を行い、得られた結果を、表3に示す。なお、総補充量は、発色現像補充液:80ml/m2、漂白定着補充液:120ml/m2、安定化補充液:350ml/m2の比を一定にして、表4に記載の総補充量となるように、各補充液量を調整した。
Figure 2005326535
表4に記載の結果より明らかなように、本発明の処理方法は、比較例に対し、総補充量が600ml/m2以下になっても、優れた白地変動耐性、連続処理後の画像保存性を有していることが分かる
実施例4
実施例1に記載の処理方法2〜11において、連続処理開始直後に処理したハロゲン化銀カラー感光材料101の白地部のb*に対し、色度差Δb*が0.5以上になる毎に、各処理部材を処理ラインに5m2搬送、浸漬した以外は、同様にして処理を行い、各処理部材の使用回数の計測と実施例1に記載の方法と同様にして連続処理後の画像保存性の評価を行い、得られた結果を、表5に示す。
Figure 2005326535
表5に記載の結果より明らかなように、本発明の処理部材を用いた処理方法では、比較例に対し、色度差Δb*を0.5以下に制御するために用いる処理部材の処理回数が少ないことが分かる。すなわち、本発明の処理部材は、比較例に対し、1回当たりの浸漬での処理槽に蓄積した際のステインの要因である増感色素のトラップ能が高く、少ない処理回数で規定の色度差Δb*以下の条件を維持できることが分かる。更に、本発明の方法でランニング処理を行った後でも、画像保存性に優れていることが分かる。
本発明で用いられる自動現像機の現像処理部の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 液槽
1A 発色現像槽
1B 漂白定着槽
1C 第1安定槽
1D 第2安定槽
1E 第3安定槽
2 補助槽
2A 発色現像補助槽
2B 漂白定着補助槽
2C 第1安定補助槽
2D 第2安定補助槽
2E 第3安定補助槽
3A 補充発色現像剤供給部
3B 補充漂白定着剤供給部
3E 補充安定剤供給部
4 感光材料搬送部
6 乾燥部
8 自動現像機
P ハロゲン化銀カラー感光材料

Claims (6)

  1. 支持体上に、それぞれ少なくとも1層のイエロー発色感光性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ発色感光性ハロゲン化銀乳剤層及びシアン発色感光性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー感光材料を、自動現像機を用いて、発色現像処理液を用いた発色現像処理工程、脱銀処理液を用いた脱銀処理工程、水洗液を用いた水洗処理工程または安定化液を用いた安定化処理工程により処理を行うハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法において、増感色素の保持能を有する化合物を有し、かつ水中で蛍光を発する化合物を含有しない処理部材を、該発色現像処理液、脱銀処理液、水洗液及び安定化液の少なくとも1つに浸漬することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法。
  2. 前記処理部材を、少なくとも脱銀処理液に浸漬することを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法。
  3. 前記処理部材が、下記一般式(I)〜一般式(IV)から選ばれる化合物の少なくとも1種を、0.5〜4.0g/m2含有することを特徴とする請求項1または2に記載のハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法。
    一般式(I)
    RaOOC(CH2mCOORb
    〔式中、Ra及びRbは各々、炭素数4〜10の直鎖または分岐のアルキル基を表す。mは2〜10の整数を表す。〕
    一般式(II)
    RcOOC(Cn2n-2)COORd
    〔式中、Rc及びRdは各々、炭素数4〜10の直鎖または分岐のアルキル基を表す。nは2〜10の整数を表す。〕
    一般式(III)
    ReCOO(CH2pOOCRf
    〔式中、Re及びRfは各々、炭素数3〜24の直鎖または分岐のアルキル基を表す。pは2〜10の整数を表す。〕
    一般式(IV)
    C(Rg)(Rh)(Ri)OH
    〔式中、Rgはアルキル基またはアルケニル基を表し、Rh及びRiは各々、水素原子またはRgで表される基を表す。ただし、Rg、Rh、Riで各々表される基の総炭素数は10以上である。〕
  4. 前記自動現像機が、ハロゲン化銀カラー感光材料の処理量に応じて処理補充液を補充する方式であって、発色現像処理工程、脱銀処理工程、及び水洗または安定化処理工程の補充液の総量が、該ハロゲン化銀カラー感光材料1m2あたり100〜600mlであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法。
  5. 前記自動現像機を用いて、ハロゲン化銀カラー感光材料の処理量に応じ、処理補充液を補充しながら連続処理を行うハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法であって、該ハロゲン化銀カラー感光材料の処理後における白地部のb*が、連続処理開始直後に処理した該ハロゲン化銀カラー感光材料の白地部のb*に対し、色度差Δb*が0.5以上になる毎に、前記処理部材を処理液に浸漬することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法。
  6. 前記処理部材の450nmの入射光に対する表面反射率が、50〜90%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法。
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