JP2004340327A - オイルストレーナ - Google Patents
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Abstract
【課題】一対のケース部材6,7間に不織布等よりなる濾過部材5を挟み込んで両ケース部材6,7を互いに溶着してなるオイルストレーナ1において、ケース部材6,7における濾過部材挟着面12,13間の間隙の寸法管理や溶着時におけるストローク量の管理が比較的緩やかに行なわれても、濾過部材5がケース部材6,7に対して強固に固定されるものとする。
【解決手段】一方のケース部材7の濾過部材挟着面12に濾過部材5に突き刺さって貫通する突起18を設け、他方のケース部材6の濾過部材挟着面13に突起18の先端部18aを収める穴19を設け、突起18を濾過部材5に突き刺して貫通させその先端部18aを穴19に収めた状態で両ケース部材6,7を互いに溶着する構成とした。
【選択図】 図3
【解決手段】一方のケース部材7の濾過部材挟着面12に濾過部材5に突き刺さって貫通する突起18を設け、他方のケース部材6の濾過部材挟着面13に突起18の先端部18aを収める穴19を設け、突起18を濾過部材5に突き刺して貫通させその先端部18aを穴19に収めた状態で両ケース部材6,7を互いに溶着する構成とした。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等車両の自動変速機(AT)におけるオイル循環系等に用いられるオイルストレーナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図6および図7に示すオイルストレーナ51が知られており、以下のように構成されている。
【0003】
すなわち先ず、オイルの吸込口53および吐出口54を設けた中空のケース52が設けられており、オイルの吸込口53を備えた下側ケース部材56と、オイルの吐出口54を備えた下側ケース部材57とが互いに溶着されており、両ケース部材56,57に囲まれた空間内にフィルタとして機能する不織布等よりなる濾過部材55が配置されて、両ケース部材56,57の内部を吸込口53から吐出口54へと流れるオイルに含まれるスケール等の不純物を濾過するようになっている。
【0004】
ケース52は、吸込口53を備えた樹脂製の下側ケース部材56と、吐出口54を備えた樹脂製の上側ケース部材57との組み合わせによって形成されており、この両ケース部材56,57がその周縁部において互いに溶着されることにより一体化されている。このため両ケース部材56,57の周縁部には、上側ケース部材57に設けられた溶着用凸部59と、下側ケース部材56に設けられた溶着用凹部60との組み合わせよりなる溶着部58が設けられている。
【0005】
また、この溶着部58の内側(図7において右側)には、この溶着部58から所定の間隔dを介して、両ケース部材56,57間に濾過部材55を挟み込むための一対の挟着用凸部62,63の組み合わせよりなる濾過部材挟着部61が設けられている。
【0006】
濾過部材55は、例えば不織布よりなる平面状シート材を二つ折りにして、その折り返し端部(図示せず)とは反対側の開放端部(図示せず)を左右両側の側辺部(周縁部)55aとともに両ケース部材56,57の溶着時に両ケース部材56,57の挟着用凸部62,63間に挟み込んで袋状としたものであって、この袋状の濾過部材55が吸込口53から吐出口54へと向かうケース52内の流路を遮るように配置されている。したがってこの袋状の濾過部材55によりケース52内の空間は、濾過部材55の内側空間64と外側空間65とに仕切られている。
【0007】
また、この袋状の濾過部材55の内側空間64へ吸込口53からオイルを直接導入することができるように濾過部材55の下面部には透孔66が設けられており、この透孔66の周縁部66aが、吸込口53の内側に設けたフランジ部67に固定されている。
【0008】
また、上記構成のオイルストレーナ51を組み立てるに際しては先ず、濾過部材55の透孔66の周縁部66aを下側ケース部材56の吸込口53の内側に設けたフランジ部67に溶着する。次いで、平面状シート材よりなる濾過部材55を二つ折りにしてその開放端部および周縁部55aを両ケース部材56,57の挟着用凸部62,63間に挟み込み、この状態で両ケース部材56,57を溶着部58において溶着する。したがって両ケース部材56,57は溶着部58において互いに溶着され、また濾過部材55はその開放端部および周縁部55aを両ケース部材56,57の挟着用凸部62,63間に挟み込まれることにより両ケース部材56,57に対して固定されることによって製造されるものである。
【0009】
しかしながら、上記従来の製造方法には、以下のような不都合がある。
【0010】
すなわち、上記従来の製造方法では、両ケース部材56,57に対する濾過部材55の固定が、挟着用凸部62,63による挟み込みの摩擦力を利用するものとされているために、挟着用凸部62,63間に設定する間隙cが大き過ぎると、濾過部材55を固定する力が小さくなり、過大な負圧が作用した場合などに濾過部材55が挟着用凸部62,63間から抜け出てしまう虞がある。また、間隙cが小さ過ぎると、濾過部材55が切れてしまい、濾過部材55を固定できない虞がある。したがって上記従来の製造方法では、挟着用凸部62,63間の間隙cの大きさを厳しく管理する必要があり、また各部品の寸法公差や振動溶着時のストローク量なども厳しく管理する必要があるために、オイルストレーナ51の製造に多くの手間と時間がかかる不都合がある。
【0011】
また、上記従来の製造方法では、濾過部材55を挟み込むケース部材56,57の挟着用凸部62,63が溶着部58から所定の間隔dを介した位置に配置されていて、この挟着用凸部62,63により濾過部材55はその周縁部の全面S1(図7では、その断面の幅を示す)ではなく一部S2(図7では、その断面の幅を示す)のみにおいて挟み込む構造とされている。したがって挟着用凸部62,63による濾過部材55の挟み込みが謂わば局所的に行なわれて、この局所的部位に比較的大きな挟み込み荷重が作用するために、濾過部材55が挟着用凸部62,63による挟み込みにより切断され易いという不都合がある。
【0012】
一方、ケース部材に対するフィルタ(本願では、濾過部材に相当する)の固定力を向上させるべくケース部材に突起を設ける技術が開示されているが、この突起は、濾過部材に刺さった状態で溶着時に溶かされて濾過部材の繊維成分と結合するものであって、本発明における突起とはその構成および突起が溶融しない点において作用効果を異にする(特許文献1)。
【0013】
【特許文献1】
特開2000−218108号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑みて、ケース部材における濾過部材挟着面間の間隙の寸法管理や溶着時におけるストローク量管理等を比較的緩やかに行なうことにしても、濾過部材をケース部材に対して強固に固定することができるオイルストレーナを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のオイルストレーナは、一対のケース部材間に濾過部材を挟み込んでなるオイルストレーナにおいて、一方の前記ケース部材の濾過部材挟着面に前記濾過部材に突き刺さって貫通する突起を設け、他方の前記ケース部材の濾過部材挟着面に前記突起の先端部を収める穴を設け、前記突起を前記濾過部材に突き刺して貫通させその先端部を前記穴に収めた状態で前記両ケース部材を互いに溶着してなることを特徴とするものである。
【0016】
【作用】
上記構成を備えた本発明のオイルストレーナにおいては、一方のケース部材の濾過部材挟着面に突起が設けられるとともに他方のケース部材の濾過部材挟着面に対応して穴が設けられ、突起が濾過部材に突き刺さって貫通しその先端部が穴に収まった状態でケース部材同士の溶着が行なわれる。溶着後、突起は溶融することなく濾過部材の全厚に対して係合し、濾過部材を抜け止めする。
【0017】
尚、本件出願には、以下の実施形態が含まれる。
【0018】
(1)▲1▼尖った先端をもつ突起と対応する穴がある。
▲2▼濾材を突起が貫通している。
▲3▼上記▲2▼と同時にケースの面で濾材を潰すことにより、濾材を圧密して引っかかり強度を増大させる。
【0019】
(2)▲1▼濾材固定部の中央付近位置に適当な数の先端が尖った突起とそれに対応する穴を配置する。
▲2▼先の突起により濾材を貫通させ、貫通させた突起は穴に収まるようにする。
【0020】
上記(1)または(2)によれば、以下の効果が発揮される。
【0021】
▲1▼突起により濾材を貫通させるので、濾材の抜けを確実に防止できる。
▲2▼濾材の潰し部分をケースの平面で潰すようにすると、多少潰し過ぎても濾材を切ることがない。また、濾材を潰すと、濾材の圧密により濾材が硬くなるために突起の引っかかり強度を高くできる。
▲3▼突起が設けられていること、および濾材の切れの可能性が非常に少ないことから、部品の寸法公差、振動溶着のストローク管理を緩和させることができる。
【0022】
また、本発明は、これをオイルストレーナの製造方法として捉えると、一対のケース部材間に不織布等よりなる濾過部材を挟み込んで前記両ケース部材を互いに溶着してなるオイルストレーナの製造方法において、一方の前記ケース部材の濾過部材挟着面に前記濾過部材に突き刺さって貫通する突起を設け、他方の前記ケース部材の濾過部材挟着面に前記突起の先端部を収める穴を設け、前記突起を前記濾過部材に突き刺して貫通させその先端部を前記穴に収めた状態で前記両ケース部材を互いに溶着することを特徴とするものとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施例に係るオイルストレーナの平面を示しており、そのA−A線拡大断面が図2に示されている。また、図3は図2の要部拡大図である。
【0025】
当該実施例に係るオイルストレーナ1は、以下のように構成されている。
【0026】
すなわち先ず、オイルの吸込口3および吐出口4を設けた中空のケース2が設けられており、オイルの吸込口3を備えた下側ケース部材6と、オイルの吐出口4を備えた下側ケース部材7とが互いに溶着されており、両ケース部材6,7に囲まれた空間内にフィルタとして機能する不織布等よりなる濾過部材(濾材とも称する)5が配置されて、両ケース部材6,7の内部を吸込口3から吐出口4へと流れるオイルに含まれるスケール等の不純物を濾過するようになっている。
【0027】
(1)ケース2
ケース2は、吸込口3を設けた樹脂製の下側ケース部材(ロアーケースとも称する)6と、吐出口4を設けた同じく樹脂製の上側ケース部材(アッパーケースとも称する)7との組み合わせによって形成されており、この両ケース部材6,7がその周縁部において互いに溶着されることにより一体化されている。
【0028】
(2)溶着部8
このため、両ケース部材6,7の周縁部には、上側ケース部材7に設けられた溶着用凸部9と、下側ケース部材6に設けられた溶着用凹部10との組み合わせよりなる溶着部8が設けられている。
【0029】
(3)濾過部材挟着部11
この溶着部8の内側(図3において右側)には、この溶着部8のすぐ隣に位置して、両ケース部材6,7間に濾過部材5を挟み込むための一対の濾過部材挟着面12,13の組み合わせよりなる濾過部材挟着部(濾材固定部とも称する)11が設けられている。この一対の濾過部材挟着面12,13について当該実施例に係るオイルストレーナ1が上記図6および図7のオイルストレーナ51と異なるのは、挟着用凸部62,63が設けられていないことであり、よって当該実施例では、濾過部材5がその周縁部を一部ではなく、全面S1(図2では、その断面の幅を示す)に亙って挟み込まれるように構成されている。
【0030】
また、上側ケース部材7の濾過部材挟着面12には、濾過部材5に突き刺さって貫通する突起18が設けられており、下側ケース部材6の濾過部材挟着面13には、突起18の先端部18aを収める穴19が対応して設けられている。突起18は、濾過部材5に突き刺さって貫通しその先端部18aが穴19内に収められ、この状態でケース部材6,7同士の溶着が行なわれている。
【0031】
突起18は、濾過部材5に突き刺さるものであるので、先端部18aに尖端を有している。当該実施例では突起18の先端部18aの形状は円錐形を想定しているが、濾過部材5に突き刺さって濾過部材5を貫通するものであれば突起18の形状は特に限定されない。
【0032】
また、穴19は、突起18の先端部18aを収めた状態で溶着が行なわれるので、穴19内で突起18の先端部18aが移動可能となるように突起18の先端部18aよりも若干大きく形成されている。また、当該実施例ではその形状は円錐形を想定しているが、突起18の先端部18aを移動可能に収めるものであれば穴19の形状は特に限定されない。
【0033】
尚、突起18を設けた上側ケース部材7の濾過部材挟着面12と、溶着用凸部9を設けた上側ケース部材7の凸部形成面20とは同一平面状をなしている。また、穴19を設けた下側ケース部材6の濾過部材挟着面13と、溶着用凹部10を設けた下側ケース部材6の底面部とはこれも同一平面状をなしている。
【0034】
また、上記突起18および穴19は、ケース部材6,7の周縁部の周上に複数が所定の間隔を開けて設けられているが、それらの数、形状および設置箇所はオイルストレーナの構造によって適宜設定することができる。
【0035】
(4)濾過部材5
濾過部材5は、例えば不織布よりなる平面状シート材を二つ折りにして、その折り返し端部(図示せず)とは反対側の開放端部(図示せず)を突起18の左右両側の側辺部5aとともに両ケース部材6,7の溶着時に両ケース部材6,7の濾過部材挟着面12,13間に挟み込んで袋状としたものであって、この袋状の濾過部材5が吸込口3から吐出口4へと向かうケース2内の流路を遮るように配置されている。したがってこの袋状の濾過部材5によりケース2内の空間は、濾過部材5の内側空間14と外側空間15とに仕切られている。
【0036】
また、この袋状の濾過部材5の内側空間14へ吸込口3からオイルを直接導入することができるように濾過部材5の下面部には透孔16が設けられており、この透孔16の周縁部16aが、吸込口3の内側に設けたフランジ部17に固定されている。
【0037】
尚、濾過部材5は、上記二つ折りによりその開放端部および側辺部5aにおいて二枚重ね状態とされているので、この二枚重ね状態の濾過部材5に対して突起18が突き刺さって貫通している。
【0038】
次に、上記構成のオイルストレーナ1を組み立てる方法を説明する。
【0039】
先ず、濾過部材5の透孔16の周縁部16aを下側ケース部材6の吸込口3の内側に設けたフランジ部17に溶着(本願実施例では超音波溶着)する。次いで、図4に示すように平面状シート材よりなる濾過部材5を二つ折りにしてその開放端部および側辺部5aを両ケース部材6,7の濾過部材挟着面12,13間に挟み込み、突起18を濾過部材5に突き刺す。次いで、図5に示すように突起18を濾過部材5に徐々に突き刺していき、図3に示すようにその先端部18aを穴19に収め、この状態で両ケース部材6,7を溶着部8において互いに溶着(本願実施例では振動溶着)する。
【0040】
更に詳しくは、図3に示すように、突起18を濾過部材5に突き刺すと、濾過部材5は下側ケース部材6の濾過部材挟着面13上に配置されて穴19を塞ぐが、このとき濾過部材5は圧縮されておらず自由状態にあるので柔らかく、よってこの濾過部材5に対しては突起18を突き刺し易くなっている。
【0041】
また、ケース部材6,7の振動溶着が開始されると、溶着用凸部9が溶融するのに伴って両ケース部材6,7の濾過部材挟着面12,13間の間隙cが徐々に狭められ、これに伴って濾過部材5が厚さ方向に圧縮され硬化する。特に当該実施例では、濾過部材5がその周縁部の全面S1(図2では、その断面の幅を示す)に亙って圧縮されるために、濾過部材5は周縁部の全面S1に亙って圧縮され硬化する。
【0042】
上記構成のオイルストレーナ1は、上記構成により以下の作用効果を奏する点に特徴を有している。
【0043】
すなわち先ず、上記したように上側ケース部材7の濾過部材挟着面12に突起18が設けられるとともに下側ケース部材6の濾過部材挟着面13に対応して穴19が設けられ、突起18が濾過部材5に突き刺さって貫通しその先端部18aが穴19に収まった状態でケース部材6,7同士が溶着部8において溶着されているために、溶着後、突起18は溶融することなく濾過部材5の全厚に対して係合し、濾過部材5を抜け止めする。したがって、濾過部材5が一対のケース部材6,7の濾過部材挟着面12,13間から抜け出るのを有効に防止することができ、しかも濾過部材挟着面12,13間の間隙cの大きさが溶着工程時に多少異なることがあっても突起18による抜け止め効果が維持されるために、一対のケース部材6,7における濾過部材挟着面12,13間の間隙cの寸法管理や溶着時におけるストローク量の管理等を多少緩やかに行なうことにしても、濾過部材5が一対のケース部材6,7の濾過部材挟着面12,13間から抜け出るのを有効に防止することができる。
【0044】
また、当該オイルストレーナ1の製造時、突起18は上記したように自由状態にある濾過部材5に突き刺さるので、突き刺すのが容易である。また、一対のケース部材6,7の振動溶着が開始されると、溶着用凸部9が溶融するのに伴って両ケース部材6,7の濾過部材挟着面12,13間の間隙cが徐々に狭められ、これに伴って濾過部材5が厚さ方向に圧縮され硬化する。したがってこの硬化した濾過部材5に対して突起18が係合して抜け止め作用を発揮するために、比較的大きな抜け止め力が発揮される。
【0045】
また、特に当該実施例では、濾過部材5がその周縁部の全面S1に亙って圧縮されるので、濾過部材5は周縁部の全面S1に亙って圧縮され硬化する。したがってこの周縁部の全面S1に亙って硬化した濾過部材5に対して突起18が係合して抜け止め作用を発揮するために、一層大きな抜け止め力が発揮される。濾過部材5はその周縁部を全面S1に亙って圧縮されるので、一対のケース部材6,7により切断されにくい。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0047】
すなわち、上記構成を備えた本発明のオイルストレーナにおいては、一方のケース部材の濾過部材挟着面に突起が設けられるとともに他方のケース部材の濾過部材挟着面に穴が設けられ、突起が濾過部材に突き刺さって貫通しその先端部が穴に収まった状態でケース部材同士が溶着されているために、溶着後、突起は溶融することなく濾過部材に係合し、濾過部材を抜け止めする。突起は濾過部材を貫通するので、濾過部材の全厚に対して係合し、濾過部材を抜け止めする。したがって、濾過部材が一対のケース部材の濾過部材挟着面間から抜け出るのを有効に防止することができ、しかも濾過部材挟着面間の間隙の大きさが溶着工程時に多少異なることがあっても突起による抜け止め効果が維持されるために、ケース部材における濾過部材挟着面間の間隙の寸法管理や溶着時におけるストローク量の管理等を多少緩やかに行なうことにしても、濾過部材が一対のケース部材の濾過部材挟着面間から抜け出るのを有効に防止することができる。
【0048】
また併せて本発明によれば、オイルストレーナの製造時、突起が自由状態にある濾過部材に突き刺さるので、突き刺すのが容易である。また、ケース部材の溶着が開始されると、溶着部が溶融するのに伴って両ケース部材の濾過部材挟着面間の間隙が徐々に狭められ、これに伴って濾過部材が厚さ方向に圧縮され硬化する。したがってこの硬化した濾過部材に対して突起が係合して抜け止め作用を発揮するため、比較的大きな抜け止め力を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るオイルストレーナの平面図
【図2】図1におけるA−A線拡大断面図
【図3】図2の要部拡大図
【図4】同オイルストレーナの製造工程を示す要部断面図
【図5】同じく同オイルストレーナの製造工程を示す要部断面図
【図6】従来例に係るオイルストレーナの断面図
【図7】図6の要部拡大図
【符号の説明】
1 オイルストレーナ
2 ケース
3 吸込口
4 吐出口
5 濾過部材
5a 側辺部
6 下側ケース部材(他方のケース部材)
7 上側ケース部材(一方のケース部材)
8 溶着部
9 溶着用凸部
10 溶着用凹部
11 濾過部材挟着部
12,13 濾過部材挟着面
14 内側空間
15 外側空間
16 透孔
16a 周縁部
17 フランジ部
18 突起
18a 先端部
19 穴
20 凸部形成面
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等車両の自動変速機(AT)におけるオイル循環系等に用いられるオイルストレーナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図6および図7に示すオイルストレーナ51が知られており、以下のように構成されている。
【0003】
すなわち先ず、オイルの吸込口53および吐出口54を設けた中空のケース52が設けられており、オイルの吸込口53を備えた下側ケース部材56と、オイルの吐出口54を備えた下側ケース部材57とが互いに溶着されており、両ケース部材56,57に囲まれた空間内にフィルタとして機能する不織布等よりなる濾過部材55が配置されて、両ケース部材56,57の内部を吸込口53から吐出口54へと流れるオイルに含まれるスケール等の不純物を濾過するようになっている。
【0004】
ケース52は、吸込口53を備えた樹脂製の下側ケース部材56と、吐出口54を備えた樹脂製の上側ケース部材57との組み合わせによって形成されており、この両ケース部材56,57がその周縁部において互いに溶着されることにより一体化されている。このため両ケース部材56,57の周縁部には、上側ケース部材57に設けられた溶着用凸部59と、下側ケース部材56に設けられた溶着用凹部60との組み合わせよりなる溶着部58が設けられている。
【0005】
また、この溶着部58の内側(図7において右側)には、この溶着部58から所定の間隔dを介して、両ケース部材56,57間に濾過部材55を挟み込むための一対の挟着用凸部62,63の組み合わせよりなる濾過部材挟着部61が設けられている。
【0006】
濾過部材55は、例えば不織布よりなる平面状シート材を二つ折りにして、その折り返し端部(図示せず)とは反対側の開放端部(図示せず)を左右両側の側辺部(周縁部)55aとともに両ケース部材56,57の溶着時に両ケース部材56,57の挟着用凸部62,63間に挟み込んで袋状としたものであって、この袋状の濾過部材55が吸込口53から吐出口54へと向かうケース52内の流路を遮るように配置されている。したがってこの袋状の濾過部材55によりケース52内の空間は、濾過部材55の内側空間64と外側空間65とに仕切られている。
【0007】
また、この袋状の濾過部材55の内側空間64へ吸込口53からオイルを直接導入することができるように濾過部材55の下面部には透孔66が設けられており、この透孔66の周縁部66aが、吸込口53の内側に設けたフランジ部67に固定されている。
【0008】
また、上記構成のオイルストレーナ51を組み立てるに際しては先ず、濾過部材55の透孔66の周縁部66aを下側ケース部材56の吸込口53の内側に設けたフランジ部67に溶着する。次いで、平面状シート材よりなる濾過部材55を二つ折りにしてその開放端部および周縁部55aを両ケース部材56,57の挟着用凸部62,63間に挟み込み、この状態で両ケース部材56,57を溶着部58において溶着する。したがって両ケース部材56,57は溶着部58において互いに溶着され、また濾過部材55はその開放端部および周縁部55aを両ケース部材56,57の挟着用凸部62,63間に挟み込まれることにより両ケース部材56,57に対して固定されることによって製造されるものである。
【0009】
しかしながら、上記従来の製造方法には、以下のような不都合がある。
【0010】
すなわち、上記従来の製造方法では、両ケース部材56,57に対する濾過部材55の固定が、挟着用凸部62,63による挟み込みの摩擦力を利用するものとされているために、挟着用凸部62,63間に設定する間隙cが大き過ぎると、濾過部材55を固定する力が小さくなり、過大な負圧が作用した場合などに濾過部材55が挟着用凸部62,63間から抜け出てしまう虞がある。また、間隙cが小さ過ぎると、濾過部材55が切れてしまい、濾過部材55を固定できない虞がある。したがって上記従来の製造方法では、挟着用凸部62,63間の間隙cの大きさを厳しく管理する必要があり、また各部品の寸法公差や振動溶着時のストローク量なども厳しく管理する必要があるために、オイルストレーナ51の製造に多くの手間と時間がかかる不都合がある。
【0011】
また、上記従来の製造方法では、濾過部材55を挟み込むケース部材56,57の挟着用凸部62,63が溶着部58から所定の間隔dを介した位置に配置されていて、この挟着用凸部62,63により濾過部材55はその周縁部の全面S1(図7では、その断面の幅を示す)ではなく一部S2(図7では、その断面の幅を示す)のみにおいて挟み込む構造とされている。したがって挟着用凸部62,63による濾過部材55の挟み込みが謂わば局所的に行なわれて、この局所的部位に比較的大きな挟み込み荷重が作用するために、濾過部材55が挟着用凸部62,63による挟み込みにより切断され易いという不都合がある。
【0012】
一方、ケース部材に対するフィルタ(本願では、濾過部材に相当する)の固定力を向上させるべくケース部材に突起を設ける技術が開示されているが、この突起は、濾過部材に刺さった状態で溶着時に溶かされて濾過部材の繊維成分と結合するものであって、本発明における突起とはその構成および突起が溶融しない点において作用効果を異にする(特許文献1)。
【0013】
【特許文献1】
特開2000−218108号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑みて、ケース部材における濾過部材挟着面間の間隙の寸法管理や溶着時におけるストローク量管理等を比較的緩やかに行なうことにしても、濾過部材をケース部材に対して強固に固定することができるオイルストレーナを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のオイルストレーナは、一対のケース部材間に濾過部材を挟み込んでなるオイルストレーナにおいて、一方の前記ケース部材の濾過部材挟着面に前記濾過部材に突き刺さって貫通する突起を設け、他方の前記ケース部材の濾過部材挟着面に前記突起の先端部を収める穴を設け、前記突起を前記濾過部材に突き刺して貫通させその先端部を前記穴に収めた状態で前記両ケース部材を互いに溶着してなることを特徴とするものである。
【0016】
【作用】
上記構成を備えた本発明のオイルストレーナにおいては、一方のケース部材の濾過部材挟着面に突起が設けられるとともに他方のケース部材の濾過部材挟着面に対応して穴が設けられ、突起が濾過部材に突き刺さって貫通しその先端部が穴に収まった状態でケース部材同士の溶着が行なわれる。溶着後、突起は溶融することなく濾過部材の全厚に対して係合し、濾過部材を抜け止めする。
【0017】
尚、本件出願には、以下の実施形態が含まれる。
【0018】
(1)▲1▼尖った先端をもつ突起と対応する穴がある。
▲2▼濾材を突起が貫通している。
▲3▼上記▲2▼と同時にケースの面で濾材を潰すことにより、濾材を圧密して引っかかり強度を増大させる。
【0019】
(2)▲1▼濾材固定部の中央付近位置に適当な数の先端が尖った突起とそれに対応する穴を配置する。
▲2▼先の突起により濾材を貫通させ、貫通させた突起は穴に収まるようにする。
【0020】
上記(1)または(2)によれば、以下の効果が発揮される。
【0021】
▲1▼突起により濾材を貫通させるので、濾材の抜けを確実に防止できる。
▲2▼濾材の潰し部分をケースの平面で潰すようにすると、多少潰し過ぎても濾材を切ることがない。また、濾材を潰すと、濾材の圧密により濾材が硬くなるために突起の引っかかり強度を高くできる。
▲3▼突起が設けられていること、および濾材の切れの可能性が非常に少ないことから、部品の寸法公差、振動溶着のストローク管理を緩和させることができる。
【0022】
また、本発明は、これをオイルストレーナの製造方法として捉えると、一対のケース部材間に不織布等よりなる濾過部材を挟み込んで前記両ケース部材を互いに溶着してなるオイルストレーナの製造方法において、一方の前記ケース部材の濾過部材挟着面に前記濾過部材に突き刺さって貫通する突起を設け、他方の前記ケース部材の濾過部材挟着面に前記突起の先端部を収める穴を設け、前記突起を前記濾過部材に突き刺して貫通させその先端部を前記穴に収めた状態で前記両ケース部材を互いに溶着することを特徴とするものとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施例に係るオイルストレーナの平面を示しており、そのA−A線拡大断面が図2に示されている。また、図3は図2の要部拡大図である。
【0025】
当該実施例に係るオイルストレーナ1は、以下のように構成されている。
【0026】
すなわち先ず、オイルの吸込口3および吐出口4を設けた中空のケース2が設けられており、オイルの吸込口3を備えた下側ケース部材6と、オイルの吐出口4を備えた下側ケース部材7とが互いに溶着されており、両ケース部材6,7に囲まれた空間内にフィルタとして機能する不織布等よりなる濾過部材(濾材とも称する)5が配置されて、両ケース部材6,7の内部を吸込口3から吐出口4へと流れるオイルに含まれるスケール等の不純物を濾過するようになっている。
【0027】
(1)ケース2
ケース2は、吸込口3を設けた樹脂製の下側ケース部材(ロアーケースとも称する)6と、吐出口4を設けた同じく樹脂製の上側ケース部材(アッパーケースとも称する)7との組み合わせによって形成されており、この両ケース部材6,7がその周縁部において互いに溶着されることにより一体化されている。
【0028】
(2)溶着部8
このため、両ケース部材6,7の周縁部には、上側ケース部材7に設けられた溶着用凸部9と、下側ケース部材6に設けられた溶着用凹部10との組み合わせよりなる溶着部8が設けられている。
【0029】
(3)濾過部材挟着部11
この溶着部8の内側(図3において右側)には、この溶着部8のすぐ隣に位置して、両ケース部材6,7間に濾過部材5を挟み込むための一対の濾過部材挟着面12,13の組み合わせよりなる濾過部材挟着部(濾材固定部とも称する)11が設けられている。この一対の濾過部材挟着面12,13について当該実施例に係るオイルストレーナ1が上記図6および図7のオイルストレーナ51と異なるのは、挟着用凸部62,63が設けられていないことであり、よって当該実施例では、濾過部材5がその周縁部を一部ではなく、全面S1(図2では、その断面の幅を示す)に亙って挟み込まれるように構成されている。
【0030】
また、上側ケース部材7の濾過部材挟着面12には、濾過部材5に突き刺さって貫通する突起18が設けられており、下側ケース部材6の濾過部材挟着面13には、突起18の先端部18aを収める穴19が対応して設けられている。突起18は、濾過部材5に突き刺さって貫通しその先端部18aが穴19内に収められ、この状態でケース部材6,7同士の溶着が行なわれている。
【0031】
突起18は、濾過部材5に突き刺さるものであるので、先端部18aに尖端を有している。当該実施例では突起18の先端部18aの形状は円錐形を想定しているが、濾過部材5に突き刺さって濾過部材5を貫通するものであれば突起18の形状は特に限定されない。
【0032】
また、穴19は、突起18の先端部18aを収めた状態で溶着が行なわれるので、穴19内で突起18の先端部18aが移動可能となるように突起18の先端部18aよりも若干大きく形成されている。また、当該実施例ではその形状は円錐形を想定しているが、突起18の先端部18aを移動可能に収めるものであれば穴19の形状は特に限定されない。
【0033】
尚、突起18を設けた上側ケース部材7の濾過部材挟着面12と、溶着用凸部9を設けた上側ケース部材7の凸部形成面20とは同一平面状をなしている。また、穴19を設けた下側ケース部材6の濾過部材挟着面13と、溶着用凹部10を設けた下側ケース部材6の底面部とはこれも同一平面状をなしている。
【0034】
また、上記突起18および穴19は、ケース部材6,7の周縁部の周上に複数が所定の間隔を開けて設けられているが、それらの数、形状および設置箇所はオイルストレーナの構造によって適宜設定することができる。
【0035】
(4)濾過部材5
濾過部材5は、例えば不織布よりなる平面状シート材を二つ折りにして、その折り返し端部(図示せず)とは反対側の開放端部(図示せず)を突起18の左右両側の側辺部5aとともに両ケース部材6,7の溶着時に両ケース部材6,7の濾過部材挟着面12,13間に挟み込んで袋状としたものであって、この袋状の濾過部材5が吸込口3から吐出口4へと向かうケース2内の流路を遮るように配置されている。したがってこの袋状の濾過部材5によりケース2内の空間は、濾過部材5の内側空間14と外側空間15とに仕切られている。
【0036】
また、この袋状の濾過部材5の内側空間14へ吸込口3からオイルを直接導入することができるように濾過部材5の下面部には透孔16が設けられており、この透孔16の周縁部16aが、吸込口3の内側に設けたフランジ部17に固定されている。
【0037】
尚、濾過部材5は、上記二つ折りによりその開放端部および側辺部5aにおいて二枚重ね状態とされているので、この二枚重ね状態の濾過部材5に対して突起18が突き刺さって貫通している。
【0038】
次に、上記構成のオイルストレーナ1を組み立てる方法を説明する。
【0039】
先ず、濾過部材5の透孔16の周縁部16aを下側ケース部材6の吸込口3の内側に設けたフランジ部17に溶着(本願実施例では超音波溶着)する。次いで、図4に示すように平面状シート材よりなる濾過部材5を二つ折りにしてその開放端部および側辺部5aを両ケース部材6,7の濾過部材挟着面12,13間に挟み込み、突起18を濾過部材5に突き刺す。次いで、図5に示すように突起18を濾過部材5に徐々に突き刺していき、図3に示すようにその先端部18aを穴19に収め、この状態で両ケース部材6,7を溶着部8において互いに溶着(本願実施例では振動溶着)する。
【0040】
更に詳しくは、図3に示すように、突起18を濾過部材5に突き刺すと、濾過部材5は下側ケース部材6の濾過部材挟着面13上に配置されて穴19を塞ぐが、このとき濾過部材5は圧縮されておらず自由状態にあるので柔らかく、よってこの濾過部材5に対しては突起18を突き刺し易くなっている。
【0041】
また、ケース部材6,7の振動溶着が開始されると、溶着用凸部9が溶融するのに伴って両ケース部材6,7の濾過部材挟着面12,13間の間隙cが徐々に狭められ、これに伴って濾過部材5が厚さ方向に圧縮され硬化する。特に当該実施例では、濾過部材5がその周縁部の全面S1(図2では、その断面の幅を示す)に亙って圧縮されるために、濾過部材5は周縁部の全面S1に亙って圧縮され硬化する。
【0042】
上記構成のオイルストレーナ1は、上記構成により以下の作用効果を奏する点に特徴を有している。
【0043】
すなわち先ず、上記したように上側ケース部材7の濾過部材挟着面12に突起18が設けられるとともに下側ケース部材6の濾過部材挟着面13に対応して穴19が設けられ、突起18が濾過部材5に突き刺さって貫通しその先端部18aが穴19に収まった状態でケース部材6,7同士が溶着部8において溶着されているために、溶着後、突起18は溶融することなく濾過部材5の全厚に対して係合し、濾過部材5を抜け止めする。したがって、濾過部材5が一対のケース部材6,7の濾過部材挟着面12,13間から抜け出るのを有効に防止することができ、しかも濾過部材挟着面12,13間の間隙cの大きさが溶着工程時に多少異なることがあっても突起18による抜け止め効果が維持されるために、一対のケース部材6,7における濾過部材挟着面12,13間の間隙cの寸法管理や溶着時におけるストローク量の管理等を多少緩やかに行なうことにしても、濾過部材5が一対のケース部材6,7の濾過部材挟着面12,13間から抜け出るのを有効に防止することができる。
【0044】
また、当該オイルストレーナ1の製造時、突起18は上記したように自由状態にある濾過部材5に突き刺さるので、突き刺すのが容易である。また、一対のケース部材6,7の振動溶着が開始されると、溶着用凸部9が溶融するのに伴って両ケース部材6,7の濾過部材挟着面12,13間の間隙cが徐々に狭められ、これに伴って濾過部材5が厚さ方向に圧縮され硬化する。したがってこの硬化した濾過部材5に対して突起18が係合して抜け止め作用を発揮するために、比較的大きな抜け止め力が発揮される。
【0045】
また、特に当該実施例では、濾過部材5がその周縁部の全面S1に亙って圧縮されるので、濾過部材5は周縁部の全面S1に亙って圧縮され硬化する。したがってこの周縁部の全面S1に亙って硬化した濾過部材5に対して突起18が係合して抜け止め作用を発揮するために、一層大きな抜け止め力が発揮される。濾過部材5はその周縁部を全面S1に亙って圧縮されるので、一対のケース部材6,7により切断されにくい。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0047】
すなわち、上記構成を備えた本発明のオイルストレーナにおいては、一方のケース部材の濾過部材挟着面に突起が設けられるとともに他方のケース部材の濾過部材挟着面に穴が設けられ、突起が濾過部材に突き刺さって貫通しその先端部が穴に収まった状態でケース部材同士が溶着されているために、溶着後、突起は溶融することなく濾過部材に係合し、濾過部材を抜け止めする。突起は濾過部材を貫通するので、濾過部材の全厚に対して係合し、濾過部材を抜け止めする。したがって、濾過部材が一対のケース部材の濾過部材挟着面間から抜け出るのを有効に防止することができ、しかも濾過部材挟着面間の間隙の大きさが溶着工程時に多少異なることがあっても突起による抜け止め効果が維持されるために、ケース部材における濾過部材挟着面間の間隙の寸法管理や溶着時におけるストローク量の管理等を多少緩やかに行なうことにしても、濾過部材が一対のケース部材の濾過部材挟着面間から抜け出るのを有効に防止することができる。
【0048】
また併せて本発明によれば、オイルストレーナの製造時、突起が自由状態にある濾過部材に突き刺さるので、突き刺すのが容易である。また、ケース部材の溶着が開始されると、溶着部が溶融するのに伴って両ケース部材の濾過部材挟着面間の間隙が徐々に狭められ、これに伴って濾過部材が厚さ方向に圧縮され硬化する。したがってこの硬化した濾過部材に対して突起が係合して抜け止め作用を発揮するため、比較的大きな抜け止め力を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るオイルストレーナの平面図
【図2】図1におけるA−A線拡大断面図
【図3】図2の要部拡大図
【図4】同オイルストレーナの製造工程を示す要部断面図
【図5】同じく同オイルストレーナの製造工程を示す要部断面図
【図6】従来例に係るオイルストレーナの断面図
【図7】図6の要部拡大図
【符号の説明】
1 オイルストレーナ
2 ケース
3 吸込口
4 吐出口
5 濾過部材
5a 側辺部
6 下側ケース部材(他方のケース部材)
7 上側ケース部材(一方のケース部材)
8 溶着部
9 溶着用凸部
10 溶着用凹部
11 濾過部材挟着部
12,13 濾過部材挟着面
14 内側空間
15 外側空間
16 透孔
16a 周縁部
17 フランジ部
18 突起
18a 先端部
19 穴
20 凸部形成面
Claims (1)
- 一対のケース部材(6)(7)間に濾過部材(5)を挟み込んでなるオイルストレーナ(1)において、
一方の前記ケース部材(7)の濾過部材挟着面(12)に前記濾過部材(5)に突き刺さって貫通する突起(18)を設け、他方の前記ケース部材(6)の濾過部材挟着面(13)に前記突起(18)の先端部(18a)を収める穴(19)を設け、前記突起(18)を前記濾過部材(5)に突き刺して貫通させその先端部(18a)を前記穴(19)に収めた状態で前記両ケース部材(6)(7)を互いに溶着してなることを特徴とするオイルストレーナ。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006316902A (ja) * | 2005-05-12 | 2006-11-24 | Toyota Boshoku Corp | 自動変速機用オイルフィルタ |
EP1645784A3 (en) * | 2004-10-06 | 2011-05-04 | JATCO Ltd | Oil strainer for automatic transmission |
JP2015194162A (ja) * | 2015-08-05 | 2015-11-05 | トヨタ自動車株式会社 | サブタンク |
-
2003
- 2003-05-19 JP JP2003140019A patent/JP2004340327A/ja not_active Withdrawn
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