JP2004340088A - 車両用排気管 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】請求項1に係る発明は、車両排気系に用いる車両用排気管であって、車両レイアウト上、潰し加工を施す部位を単管とし、他の部位を内管と外管からなる二重管として、当該二重管と前記単管とを一体的に接続したことを特徴とする。そして、請求項2に係る発明は、請求項1記載の車両用排気管に於て、二重管の排気ガス上端側端部の内管と外管を接合し、当該内管内に単管の排気ガス下流側端部を挿着したことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両排気系に用いる車両用排気管に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両排気系に於ける遮熱,遮音対策として、また、排気ガス温度の低下を防止して排気ガス後処理装置の性能を確保する目的で、従来、内管と外管からなる二重管構造の排気管が車両排気系に広く使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−88572号公報(段落番号「0009」〜「0014」、図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、排気管は、最低地上高を確保したり他部品との干渉を避ける等の車両レイアウト上の要請から、潰し加工を施す必要がある。
【0005】
しかし、上述した二重管構造の排気管にあっては、潰し加工の加工性が悪く、内管が狙ったように潰れないのが実情で、このような場合、異なる排気管毎に型成形により製品を作らざるを得ず、製造コストが高いものとなっていた。
また、排気管は、レイアウト上の要請から三次元的に曲げ加工する場合が多いが、この種の二重管構造の排気管は曲げ加工が難しく、内管と外管との間の空間を確保し乍らこれらを曲げ加工するのは非常に手間が掛かっているのが実情であった。
【0006】
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、従来の二重管構造の排気管と同様の遮熱,遮音性能及び排気ガス保温性能を確保しつつ、車両レイアウト上の要請に容易に対応可能な車両用排気管を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る発明は、車両排気系に用いる車両用排気管であって、車両レイアウト上、潰し加工を施す部位を単管とし、他の部位を内管と外管からなる二重管として、当該二重管と前記単管とを一体的に接続したことを特徴とする。
【0008】
そして、請求項2に係る発明は、請求項1記載の車両用排気管に於て、二重管の排気ガス上端側端部の内管と外管を接合し、当該内管内に単管の排気ガス下流側端部を挿着したことを特徴とし、請求項3に係る発明は、請求項2記載の車両用排気管に於て、単管の排気ガス下流側端部側に絞り部を設け、当該絞り部を、二重管の排気ガス上端側端部が当接する接続用位置決め部としたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る発明は、請求項1記載の車両用排気管に於て、単管の排気ガス上端側端部内に、二重管の外管の排気ガス下流側端部を挿着したことを特徴とし、請求項5に係る発明は、請求項4記載の車両用排気管に於て、単管の排気ガス上端側端部側に拡径部を設け、当該拡径部を、二重管の排気ガス下流側端部が当接する接続用位置決め部としたものである。
【0010】
(作用)
各請求項に係る発明によれば、排気管内を排気ガスが流下し、二重管が従来の二重管構造の排気管と同様、遮熱,遮音を図り、また、排気ガス温度の低下を防止して排気ガス後処理装置の性能を確保する。
また、排気管の製造に当たり、従来、二重管構造の排気管では潰し加工が困難な部位を加工の容易な単管に代えたことで、車両レイアウトを満足する排気管が容易に製造できることとなる。
【0011】
そして、請求項3に係る発明によれば、単管と二重管の接続に当たり、二重管の排気ガス上端側端部が絞り部に当接して、当該絞り部が接続時の位置決め部として機能する。
同様に、請求項5に係る発明によれば、単管と二重管の接続に当たり、二重管の排気ガス下流側端部が拡径部に当接して、当該拡径部が接続時の位置決め部として機能することとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図6は請求項1乃至請求項3に係る車両用排気管(以下、「排気管」という)の一実施形態を示し、図1に於て、1は図示しないエンジンの排気マニホールドと触媒一体型消音器(以下、「消音器」という)との間に接続される排気管で、当該排気管1はフランジ3を介して排気マニホールドに接続される単管5と、当該単管5に一体的に接続された二重管7とで構成されており、単管5は排気管1全体の約1/5の割合を占めている。そして、二重管7の排気ガス下流側端部(以下、「下流側端部」という)に取り付くフランジ9に、前記消音器が接続されるようになっている。
【0013】
而して、図2乃至図4に示すように上記単管5は、車両レイアウト上の要件(例えば、最低地上高や他部品との隙間確保,干渉防止)を満足させるため、断面円形状のパイプ材の略中央部分を従来周知のベンダー等を用いて側面視略L字状に曲げ加工を施すと共に、レイアウト上、その最低部に位置する部位を長手方向に潰し加工して平坦部11が設けられており、車両排気系に排気管1を装着した際に、図2の二点鎖線で示す如く潰し加工を施さない場合に比し高さHだけ地上高が確保できるようになっている。
【0014】
そして、単管5の排気ガス上端側端部(以下、「上端側端部」という)の外周に前記フランジ3が溶接されている。
また、図5に示すように単管5の下流側端部側には、当該端部に向かって順次縮径した絞り部13と断面円形状の小径部15が設けられており、当該小径部15が二重管7の内管17内に挿入,溶接されている。
【0015】
図5及び図6に示すように二重管7は、断面円形状の外管19と、当該外管19との間に空間を開けて外管19内に挿入された断面円形状の内管17と、内管17と外管19との間に充填されたステンレスメッシュ21とで構成されており、このステンレスメッシュ21は、内管17と外管19との間に所定の距離を確保するために充填されている。
【0016】
そして、内管17の上端側端部には拡径した大径部23が設けられており、当該大径部23の外周が外筒19の上端側端部の内周に接合されている。そして、大径部23の内周に単管5の小径部15がアーク溶接によって接合されており、斯様に大径部23内に単管5の小径部15を挿入する際に、二重管7(内管17)の上端側端部が絞り部13に当接して、当該絞り部13が接続時の位置決め部として機能するようになっている。
【0017】
また、図6に示すように二重管7の下流側端部は、内管17が外管19に接合することなく自由端とされており、外管19の下流側端部の外周に前記フランジ9が溶接されている。
そして、図1及び図2に示すように二重管7には2カ所(図中、A部とB部)で曲げ加工が施されているが、これらの部位は、既述した単管5の曲げ加工に比し大きな曲率で緩く曲げ加工されている。
【0018】
本実施形態に係る排気管1はこのように構成されているから、当該排気管1を排気マニホールドと消音器との間に接続すれば、エンジンから排出された排気ガスが排気管1内を流下して消音器に導入される。
そして、排気管1全体の約4/5の割合を占める二重管7が、従来の二重管構成の排気管と同様、遮熱,遮音を図り、また、排気ガス温度の低下を防止して排気ガス後処理装置の性能を確保する。
【0019】
また、排気管1の製造に当たり、本実施形態は、従来、二重管構造の排気管では潰し加工やきつい曲げ加工が難しい部位をこれらの加工が容易な単管構造に代えたことで、車両レイアウトを満足する排気管1が容易に製造でき、既述したように単管5を潰し加工して平坦部11を設けたことで、必要とされる最低地上高が確保できることとなる。
【0020】
更にまた、大径部23内に単管5の小径部15を挿入,溶接する際に、図5の如く二重管7(内管17)の上端側端部が絞り部13に当接して、当該絞り部13が接続時の位置決め部として機能する。
このように本実施形態に係る排気管1は、車両レイアウト上、潰し加工と曲率の小さなきつい曲げ加工を施す部位に単管5を全長の1/5だけ用いて、これに二重管7に接続して構成したので、全長に亘って中空二重管を用いた従来の排気管と同様の遮音,遮熱性能と排気ガス保温性能を確保し乍ら、従来に比し容易に潰し形状と曲げ形状を施した排気管1を安価に製造することができる。
【0021】
これにより、少量多種の排気管を必要とするトラック等の車両に於て、レイアウト及び必要性能を満足した排気管を安価に得ることができる利点を有する。
而も、本実施形態によれば、単管5と二重管7を接続する際に、二重管7(内管17)の上端側端部が絞り部13に当接して当該絞り部13が接続時の位置決め部として機能するため、精度良く単管5と二重管7を接続することが可能である。
【0022】
図7は請求項1,請求項4及び請求項5の一実施形態に係る排気管の二重管と単管の接続構造を示し、図中、27は上端側に二重管29、下流側に単管31を用いた排気管で、図示しないが車両レイアウト上、必要な潰し加工と曲げ加工が単管31側に施されている。
而して、既述した二重管7と同様、二重管29は外管33と、当該外管33との間に空間を開けて外管33内に挿入された内管35と、内管35と外管33との間に充填されたステンレスメッシュ21とで構成されており、二重管29の下流側端部は、内管35が外管33に接合することなく自由端とされている。
【0023】
そして、二重管29(外管33)の下流側端部の外周に、単管31の上端側端部が溶接されている。
図示するように単管31の上端側端部には、当該端部に向けて順次拡径する拡径部37と断面円形状の大径部39が設けられており、大径部39内に外管33の下流側端部が挿入されてアーク溶接で接合されている。そして、斯様に大径部39内に外管33を挿入する際に、当該外管33の下流側端部が拡径部37に当接して、当該拡径部37が接続時の位置決め部として機能するようになっている。
【0024】
本実施形態はこのように構成されているから、排気管27内を排気ガスが流下し、二重管29が、従来の二重管構造の排気管と同様、遮熱,遮音を図り、また、排気ガス温度の低下を防止して排気ガス後処理装置の性能を確保する。
【0025】
また、排気管27の製造に当たり、従来、二重管構造の排気管では潰し加工やきつい曲げ加工が困難な部位を、これらの加工が容易な単管31に代えたことで、車両レイアウトを満足する排気管27が容易に製造できることとなる。
そして、大径部39内に外管33を挿入する際に、外管33の下流側端部が拡径部37に当接して当該拡径部37が接続時の位置決め部として機能する。
【0026】
従って、本実施形態によっても、図1の実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能で、少量多種の排気管を必要とするトラック等の車両に於て、レイアウト及び必要性能を満足した排気管を安価に得ることができる利点を有する。而も、既述した拡径部37が接続時の位置決め部として機能するため、精度良く単管31を二重管29に接続することが可能である。
【0027】
尚、図1の実施形態では、排気管1の上端側(前部)に単管5,排気管1の下流側に二重管7を用い、また、図7の実施形態では、排気管27の上端側に二重管29、排気管27の下流側に単管31を用いたが、例えば複数の二重管の間に単管を接続して排気管を構成してもよく、この場合の二重管と単管の接続構造は、上述した両実施形態の構造を用いればよい。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように、各請求項に係る発明によれば、全長に亘って中空二重管を用いた従来の排気管と同様の遮音,遮熱性能と排気ガス保温性能を確保し乍ら、従来に比し容易に潰し形状を施した排気管を安価に製造することができる。
これにより、少量多種の排気管を必要とするトラック等の車両に於て、レイアウト及び必要性能を満足した排気管を安価に得ることができる利点を有する。
【0029】
そして、請求項3及び請求項5に係る発明によれば、絞り部や拡径部が接続時の位置決め部として機能するため、精度良く単管と二重管を接続することができる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1乃至請求項3の一実施形態に係る排気管の平面図である。
【図2】図1に示す排気管の側面図である。
【図3】単管の底面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】単管と二重管の接続部分の拡大断面図である。
【図6】二重管の下流側端部の拡大断面図である。
【図7】請求項1,請求項4及び請求項5の一実施形態に係る排気管の単管と二重管の接続部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
1,27 排気管
5,31 単管
7,29 二重管
11 平坦部
13 絞り部
15 小径部
17,35 内管
19,33 外管
21 ステンレスメッシュ
23,39 大径部
37 拡径部
Claims (5)
- 車両排気系に用いる車両用排気管であって、車両レイアウト上、潰し加工を施す部位を単管とし、他の部位を内管と外管からなる二重管として、当該二重管と前記単管とを一体的に接続したことを特徴とする車両用排気管。
- 二重管の排気ガス上端側端部の内管と外管を接合し、当該内管内に単管の排気ガス下流側端部を挿着したことを特徴とする請求項1記載の車両用排気管。
- 単管の排気ガス下流側端部側に絞り部を設け、当該絞り部を、二重管の排気ガス上端側端部が当接する接続用位置決め部としたことを特徴とする請求項2記載の車両用排気管。
- 単管の排気ガス上端側端部内に、二重管の外管の排気ガス下流側端部を挿着したことを特徴とする請求項1記載の車両用排気管。
- 単管の排気ガス上端側端部側に拡径部を設け、当該拡径部を、二重管の排気ガス下流側端部が当接する接続用位置決め部としたことを特徴とする請求項4記載の車両用排気管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003140243A JP2004340088A (ja) | 2003-05-19 | 2003-05-19 | 車両用排気管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003140243A JP2004340088A (ja) | 2003-05-19 | 2003-05-19 | 車両用排気管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004340088A true JP2004340088A (ja) | 2004-12-02 |
Family
ID=33529012
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003140243A Pending JP2004340088A (ja) | 2003-05-19 | 2003-05-19 | 車両用排気管 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004340088A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006192445A (ja) * | 2005-01-11 | 2006-07-27 | Calsonic Kansei Corp | 他部材への溶接による二重管管端接続部位置決め構造 |
-
2003
- 2003-05-19 JP JP2003140243A patent/JP2004340088A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006192445A (ja) * | 2005-01-11 | 2006-07-27 | Calsonic Kansei Corp | 他部材への溶接による二重管管端接続部位置決め構造 |
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