JP2004339904A - 地下埋設式融雪装置 - Google Patents

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Satoru Ishikawa
悟 石川
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ISHIKAWA FUDOSAN KANTEI JIMUSH
ISHIKAWA FUDOSAN KANTEI JIMUSHO KK
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ISHIKAWA FUDOSAN KANTEI JIMUSH
ISHIKAWA FUDOSAN KANTEI JIMUSHO KK
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Abstract

【課題】雪国地方における雪の除去対策として極めて有効な地下埋設式融雪装置を提供する。
【解決手段】複数の側枠11〜14を上下多段に積層埋設してなる実質的に密閉断熱構造を有する融雪槽10を備える。融雪槽10内に投入した雪もしくは雪塊に地下水Wを散水することにより融雪して、その融水を地下に排水する。融雪槽10内の適所に設置された地下水汲上げポンプ15と、地下水汲上げポンプ15から給水されて融雪槽10内に投入した雪もしくは雪塊に地下水を散水する散水手段18とを備える。少なくとも最上段の側枠11まわりに断熱材20を付設し、融雪槽10の保温効果を確保する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、雪国地方において敷地等の除雪によって道路あるいは歩道等に山積状態で堆積された雪の除去対策として極めて有効な地下埋設式融雪装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
北海道や雪国地方では特に12月〜3月期にかなりの降雪があり、積雪が10m以上に達する場合がある。住宅等の除雪作業それ自体に多大な労力を要し、さらに除雪して敷地内にたまった雪はそのままにできないため、付近の道路あるいは歩道等に運び出されることになり、この作業にも多大な労力を要する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように処理される雪は、次第に道路あるいは歩道等に山積状態で堆積され、すなわち実質的に除雪されるのではなく場所を変えて残存しているのが実情である。たとえば交差点等で山積状態で雪が堆積すると、交差点付近の見通しが悪くなり、交通安全上著しく安全性を阻害することになる。
【0004】
本発明はかかる実情に鑑み、雪国地方における雪の除去対策として極めて有効な地下埋設式融雪装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の地下埋設式融雪装置は、複数の側枠を上下多段に積層埋設してなる実質的に密閉断熱構造を有する融雪槽を備え、該融雪槽内に投入した雪もしくは雪塊に地下水を散水することにより融雪して、その融水を地下に排水するようにしたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明の地下埋設式融雪装置において、前記融雪槽内の適所に設置された地下水汲上げポンプと、この地下水汲上げポンプから給水されて前記融雪槽内に投入した雪もしくは雪塊に地下水を散水する散水手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の地下埋設式融雪装置において、少なくとも最上段の側枠まわりに断熱材を付設し、前記融雪槽の保温効果を確保するようにしたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の地下埋設式融雪装置において、ほぼ地表位置に開閉可能な雪投入口を有し、さらにその内側至近に雪粉砕機能を有する中蓋を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の地下埋設式融雪装置において、前記融雪槽の底部に設置された水中ポンプと、この水中ポンプから給水されて前記融雪槽内に投入した雪もしくは雪塊に高圧水を噴射する高圧水噴射手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の地下埋設式融雪装置において、前記融雪槽の所定高さ位置に、投入された前記雪もしくは雪塊を受け止める雪受け部材が横架され、前記高圧水噴射手段は前記雪受け部材上の前記雪もしくは雪塊に高圧水を噴射することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の地下埋設式融雪装置において、前記高圧水噴射手段はパイプ材でなり、該パイプ材の開口断面積よりもその合計断面積が小さく設定された複数の水噴出口を有し、これらの水噴出口が前記雪受け部材上の前記雪もしくは雪塊に指向するように配置構成されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の地下埋設式融雪装置において、前記高圧水噴射手段は、前記雪もしくは雪塊に対する前記高圧水の噴射方向が調整可能に構成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、地下に埋設した融雪槽内に雪を投入し、該融雪槽内の雪に地下水を噴射することにより融雪して、その融水を地下に浸透もしくは排水する。地熱で温められた地下水をかけることで、融雪槽内の雪を効率よく融かすことができ、その融けた雪は地下水として浸透排水し、自然還流される。
また、地熱により融雪槽内部を温めるとともに、低温の地表付近に対する断熱を図ることで融雪槽内部を保温する。このように地熱、地下水を有効活用して極めて効率よく融雪することができる。
【0014】
また、本発明によれば、融雪槽の底部に設置された水中ポンプと、この水中ポンプから給水されて雪もしくは雪塊に高圧水を噴射する高圧水噴射手段とを備える。高圧水噴射手段から雪受け部材上の雪もしくは雪塊に高圧水を噴射することで、多量の雪を極めて迅速かつ効率的に融かすことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基き、本発明による地下埋設式融雪装置の好適な実施の形態を説明する。
図1は、本発明装置の全体構成例を示す図である。本発明の地下埋設式融雪装置は、複数の側枠11〜14を上下多段に積層埋設し、実質的に密閉断熱構造を有する融雪槽10内に雪を投入し、該融雪槽10内の雪に地下水を散水することにより融雪して、その融水を地下に排水するようになっている。
【0016】
側枠11,12,13,14はコンクリート製の枠体でなり、典型的な例としては図2あるいは図3に示される基本型のように箱型(縦L2400mm、横W1200mm、高さH1000mm)とする。なお、地質や地形等に応じて、円形型あるいは正方形型等を適宜選択可能である。側枠11〜14を積み上げることで融雪槽10は、この例では4mの高さを持ち、融雪装置の設置場所には予めほぼ4mの穴が掘削される。
【0017】
また、本発明の地下埋設式融雪装置において、融雪槽10内の適所に地下水汲上げポンプ15が設置される。この例では最上段の側枠11に棚板16が取り付けられ、地下水汲上げポンプ15は棚板16上に支持される。地下水汲上げポンプ15からは地下水汲上げ管17が垂下され、地中の地下水層まで到達させるようにしている。地下水汲上げポンプ15は家庭用電源で駆動可能であり、後述する散水手段の散水量等との関係で適宜その出力を選択可能である。なお、地下水汲上げポンプ15の機種変更による重量変化を見込んで、棚板16の強度等は余裕を持たせて設定される。
【0018】
また、地下水汲上げポンプ15には配管19を介して、散水手段18が接続される。地下水汲上げポンプ15によって汲み上げられた地下水は、散水手段18に給水されて融雪槽10内に堆積された雪Sに散水されるようになっている。散水手段18はシャワー状に地下水を噴射する場合の他に、たとえば霧状あるいは流線状に噴射可能であり、これらの散水機能は雪質等に合わせて適宜選択することができる。なお、散水手段18および配管19の配設方法としては側枠11の辺々に沿って配置し、あるいは雪質等に応じて融雪槽10の四隅に縦方向に配置してもよい。
【0019】
少なくとも最上段の側枠11まわりには断熱材20が付設され、融雪槽10の保温効果を確保するようにしている。断熱材20としてはいわゆるスタイロホーム等と称するものが好適であり、凍結深度である地表からほぼ1m付近までを断熱材20で覆うことで融雪槽10外部から断熱することができる。
【0020】
さらに、図示のように側枠11にはたとえばコンクリート製天板21を有し、その中央部に鋼板製開閉蓋22を有している。これらの天板21あるいは開閉蓋22は、たとえば車両が載っても変形等しない安全な強度を備え、また、開閉蓋22は開閉作業を行ない得るように軽量化されている。天板21あるいは開閉蓋22の内側には断熱材20A、20Bが添設される。
【0021】
融雪槽10の上部には、ほぼ地表位置に開閉可能な雪投入口23を有する。通常この雪投入口23は開閉蓋22によって塞がれており、すなわち融雪槽10は密閉断熱構造を有している。かかる密閉断熱構造を有することで、地熱および地下水で温められた融雪槽10内を適正に保温することができ、高い融雪作用を保証することができる。
【0022】
さらに、開閉蓋22の内側至近に雪粉砕機能を有する中蓋24を有する。中蓋24としては、たとえば図4(b)のように複数の鋼部材24aを雪投入口23に合わせて矩形に列設し、あるいは格子状に形成したいわゆるスノコが好適であり、開閉蓋22の内側に支持される。雪投入口23に中蓋24を設置しておくことにより、投入された雪を中蓋24のスノコを通過する際に細かく分断することができる。このように雪もしくは雪塊を分断することで、融雪効率を大幅に向上維持することができる。なお、中蓋24は取外し可能である。
【0023】
上記の場合、図5に示されるように側枠12〜14の上縁部にフランジ状の突起25を設けるとよい。地下4m前後に埋設される融雪槽10は地中からかなりの圧力(土圧)を受けるが、突起25を有することでコンクリート枠の強度を高め、その結果実質的に融雪槽10の強度を増大する。
【0024】
なお、上下の側枠11〜14相互の接合部26(図5参照)は、凹凸嵌合するように段状に形成することができる。接合部26をこのように形成することで、上下に積層される側枠11〜14相互間でガタつくことなく、ぴったりと上下に積層することができる。
【0025】
ここで、地下埋設式融雪装置を設置する際、融雪装置の設置場所には予めほぼ4mの穴を掘削する。この穴に側枠14,13,12,11を順に埋設するが、その場合まず、側枠14,13を2段重ねにして設置するとよい。その後、作業者が設置されたコンクリート枠の中に入って作業するため安全性を確保することができる。側枠11〜14は予め工場で製作され、所定の強度、剛性を有するため矢板を用いることなく、すなわち面倒な準備をすることなく短時間で設置作業を完了することが可能である。これにより土溜め工事等の特別な費用の発生をなくし、費用節約を図ることができる。
【0026】
本発明の地下埋設式融雪装置の使用において開閉蓋22を開き、図1矢印Sのように雪投入口23に雪を投入する。投入された雪は、中蓋24のスノコを通過する際に細かく分断され(図1矢印S)、融雪槽10内に適度な大きさの塊の雪Sとして堆積する。雪の投入時、地下水汲上げポンプ15を作動させて、散水手段18から雪に地下水を散水することで雪をいわばシャーベット状にし、多量融雪を促進することができる。融雪槽10の雪Sには引き続き地下水が散水され、冬季でも地下水は10°C前後の温度となっているため効率よく融雪する。融水は融雪槽10の底部から地中に浸透し(図1矢印S)、地下に還流される。
【0027】
本発明装置では、凍結深度付近までを断熱材20で覆うことで融雪槽10外部から断熱し、これにより融雪槽10の保温効果を確保する。この保温効果は、上述した地下水使用による効果と相俟って高い融雪作用を確保し、融雪効率を向上することができる。
【0028】
上述したように開閉蓋22の内側の中蓋24は雪粉砕機能を有するが、開閉蓋22を開いた際、雪投入口23から作業者あるいは子供等が落下するのを防ぐことができる。したがって、実使用に際して高い安全性が確保されている。
【0029】
このように本発明装置は地熱、地下水を有効活用して極めて効率よく融雪することができるとともに、その融水を地下水として還流し自然環境保護の観点からも優れた効果を奏する。
【0030】
なお、本発明の地下埋設式融雪装置は一旦設置後でもこれを撤去移設することができるが、その場合側枠11〜14単位で移動することができるため、作業が極めて簡単であり、そのための手間および工数が少なく、安価にしかも短時間で行なうことができる。
【0031】
つぎに、本発明による地下埋設式融雪装置の第2の実施形態を説明する。
図6は、第2の実施形態における本発明装置の構成例を示す図である。この第2の実施形態の基本構成は実質的に前述した実施形態と同様であり、その説明を省略するものとする。
【0032】
本発明による第2の実施形態では特に、融雪槽10の高さ方向所定位置に雪もしくは雪塊を受ける金網27が横架される。この金網27は所定サイズ(典型的には3cm程度)のメッシュもしくは網目を有し、雪投入口23から投入された雪を一旦受け止めることができるようになっている。なお、金網27は融雪槽10から取外し可能であり、雪質等に応じて着脱することができる。
【0033】
金網27の設置位置としては、散水手段18から金網27上の雪に地下水を噴射した際、融雪効率が最もよくなる距離に設定される。すなわちこの例では散水手段18の下方1000mm程度が好ましく、このような状態で金網27上の雪に地下水を噴射することで雪もしくは雪塊はシャーベット状になり、金網27の網目をスムースに通り抜ける。
【0034】
また、第2の実施形態では図6(b)に示されるように、散水のための循環用圧送ポンプ28を装備することができる。この場合、側枠14の底部を塞いでおいて一定水位(50cm程度)の水が溜まるようにする。そのため側枠14の側壁の所定高さ位置に排水用の孔を有し、その水位を保持するように排水される。循環用圧送ポンプ28は配管29を介して別途設けた高圧水噴射手段30に接続され、あるいは配管19に接続してもよい。
【0035】
なお、循環用圧送ポンプ28は家庭用電源で駆動可能であり、散水手段の散水量等との関係で適宜その出力や設置台数が選択可能である。
【0036】
本発明による第2の実施形態では、融雪槽10の最適な高さ位置に金網27を設けることで、雪投入口23から投入された雪もしくは雪塊が一旦受け止められる。この金網27上の雪に散水手段18(または高圧水噴射手段30)から地下水を噴射することにより、その雪もしくは雪塊は極めて効率よくシャーベット状になり、金網27の網目をスムースに通り抜ける。したがって、融雪速度を大幅に向上し、短時間で融雪することができる。
【0037】
この場合、循環用圧送ポンプ28を用いることで、融水を循環再使用することができるため地下水を無駄使いすることなく、高い融雪作用を実現する。また、融雪の効果を上げるためには、地下水と循環水(融雪による水)を混合させ、水温を3度以上に確保することにより融雪効果を高めることが可能となる。なお、循環用圧送ポンプ28は雪質または量等に応じて、ON/OFF作動制御するようにできる。
【0038】
つぎに、本発明による地下埋設式融雪装置の第3の実施形態を説明する。
図7および図8は、第3の実施形態における本発明装置の構成例を示す図である。この第3の実施形態は、特に高圧水を噴射して雪を効率よく融かす例を示し、その基本構成は実質的に前述した実施形態と同様であり、その説明を省略するものとする。
【0039】
本発明による第3の実施形態では特に、地下水汲上げポンプ15には配管19を介して、後述する散水手段31が接続される。また、水中ポンプとして構成される循環用圧送ポンプ28には配管29を介して、高圧水噴射手段32が接続される。高圧水噴射手段32(および散水手段31)は長尺物として構成され、融雪槽10の上部付近で側枠11の長辺方向に沿って配置される。なお、地下水汲上げポンプ15で汲み上げる水脈の深さは、融雪槽10の底から1.5m程度とし、これにより融雪後の0.5°Cの冷えた水が混合するのを防ぐ。
【0040】
ここで、図9および図10は、高圧水噴射手段32(あるいは散水手段31)の構成例を示している。高圧水噴射手段32はパイプ材でなり、一端に配管29が接続するとともに他端は栓止されている。高圧水噴射手段32はそのパイプ材の開口断面積よりも、その合計断面積が小さく設定された複数の水噴出口32aを有している。このように水噴出口32aの合計断面積を小さく設定することで、噴出水圧を高めている。
【0041】
この例では水噴出口32aは高圧水噴射手段32の長手方向に沿って複数(たとえば2〜3列)列設され、各水噴出口32aから図10のように高圧水を噴射するようになっている。この場合、高圧水噴射手段32のパイプ材は、その軸のまわりに回転可能であり(図10、矢印A,B)、雪もしくは雪塊に対する高圧水の噴射方向が調整可能に構成される。
【0042】
散水手段31についても高圧水噴射手段32と実質的に同様に構成することができる。したがって、散水手段31はそのパイプ材に設けた複数の水噴出口から高圧水を噴射する。
【0043】
第3の実施形態において融雪槽10の所定高さ位置に、投入された雪もしくは雪塊を受け止める雪受け部材が横架される。この雪受け部材は、第2の実施形態で説明した金網27であってよく、高圧水噴射手段32あるいは散水手段31の水噴出口32aはそれぞれ、金網27上の雪もしくは雪塊に指向するように配置構成される。
【0044】
上記構成において、地下に埋設した融雪槽10内に雪を投入すると、その雪は金網27上に受け止められる。その雪に対して、高圧水噴射手段32から高圧水を噴射し(図7あるいは図8、実線図示参照)、あるいは散水手段31から高圧の地下水を噴射する(図7あるいは図8、点線図示参照)ことで、融雪槽10内の雪を効率よく融かすことができ、その融けた雪は地下水として排水し、自然還流される。
【0045】
特に第3の実施形態では、融雪槽10の底部に設置された水中ポンプとして構成される循環用圧送ポンプ28と、この水中ポンプから給水されて雪もしくは雪塊に高圧水を噴射する高圧水噴射手段32とを備える。高圧水噴射手段32から金網27の雪もしくは雪塊に強力な高圧水を噴射することで、多量の雪を極めて迅速かつ効率的に融かすことができる。その際、高圧水噴射手段32による高圧水の噴射方向を適宜調整することで、最も効率よく融雪するように配置することができる。
【0046】
つぎに、本発明による地下埋設式融雪装置の第4の実施形態を説明する。
図11および図12は、第4の実施形態における本発明装置の構成例を示す図である。この第4の実施形態の基本構成は実質的に前述した実施形態と同様であり、その説明を省略するものとする。
【0047】
本発明による第4の実施形態では特に、地下水汲上げポンプ33は深井用の強力大型ポンプを使用する。地下水汲上げポンプ33を設置する水脈の深さは、融雪槽10の底から1.5m程度とし、これにより融雪後の0.5°Cの冷えた水がその水脈に混合するのを防ぐようにする。この場合、地下水汲上げポンプ33は、融雪槽10内から垂下されたガイドパイプ34内に配置される。内側に地下水汲上げポンプ33が位置するガイドパイプ34には、水脈の地下水を内部へ浸透させるためのスリットもしくは孔34aが多数形成されている。
【0048】
地下水汲上げポンプ33には配管35を介して、散水手段31が接続される。なお、配管35はガイドパイプ34内を挿通させることができる。散水手段31および高圧水噴射手段32自体の構成については、第3の実施形態の場合と実質的に同様であってよい。
【0049】
特に第4の実施形態では、循環用圧送ポンプ28から給水されて、雪もしくは雪塊に高圧水を噴射する高圧水噴射手段32に加え、強力大型の地下水汲上げポンプ33から給水される散水手段31を持つことで、融雪効果をさらに向上することができる。
【0050】
ここで、図13および図14は、融雪槽10の変形例を示している。この例では融雪槽10を構成する側枠11〜14の長辺側の中央部を適度に幅広にし、すなわち図13のように太鼓状(平面図)を呈する。この場合、側枠12〜14において、それぞれの幅広部にサポータ36が横架され、融雪槽10の補強部材として機能する。なお、最上部の側枠11については、土圧が緩和されるために基本的にはサポータ36を用いないでよい。
【0051】
融雪槽10を上記のように太鼓状にすることで、全体としての剛性強度を大幅に向上させ、その分側枠11〜14の厚さを薄くすることができる。具体的には同一の強度を確保する場合では、その厚さを1/2に減少させることができる。
【0052】
なお、図14に示されるように側枠11〜14の壁面、特に凍結深度より深い部分に設けた複数の穴は、前述した各実施形態の場合も含め、地熱吸収ならびに融雪水の浸透排水のために有効に作用する。
【0053】
上記のように本発明を好適な実施形態について説明したが、本発明はそれらの実施形態にのみ限定されるものでなく、本発明の範囲内で地質、地域等に応じて適宜変更等が可能である。
たとえば、側枠11〜14の個数や大きさ、寸法等は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更、設定可能であり、上記実施形態と同様な作用効果を得ることができる。また、金網27のメッシュサイズや設置位置等は、上記実施形態で示した数値等のみに限定されず適宜変更等が可能である。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、地熱、地下水を有効活用して極めて効率よく融雪することができるとともに、その融水を地下水として還流する。これにより雪国地方における雪の除去対策として極めて優れた効果を発揮し、たとえば道路付近等で雪が堆積するのを防止可能となり、交通安全に多大に寄与することができる。また、一般住宅等での積雪処理を格段に容易化し、装置構造が比較的簡素であるため実質的に低コストで実現可能である等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による地下埋設式融雪装置の実施形態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る融雪槽まわりを示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る地下埋設式融雪装置の基本構成を示す(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る地下埋設式融雪装置の基本構成を示す(a)は開閉蓋平面図、(b)は中蓋平面図である。
【図5】本発明による側枠の変形例を示す縦断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る地下埋設式融雪装置の構成例を示す(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図7】本発明による地下埋設式融雪装置の第3の実施形態を示す図である。
【図8】本発明による地下埋設式融雪装置の第3の実施形態を示す図である。
【図9】本発明に係る高圧水噴射手段を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る高圧水噴射手段を示す斜視図および断面図である。
【図11】本発明による地下埋設式融雪装置の第4の実施形態を示す図である。
【図12】本発明による地下埋設式融雪装置の第4の実施形態を示す図である。
【図13】本発明に係る融雪槽の変形例を示す平面図である。
【図14】本発明に係る融雪槽の変形例を示す側面図および正面図である。
【符号の説明】
10 融雪槽
11〜14 側枠
15 地下水汲上げポンプ
16 棚板
17 地下水汲上げ管
18 散水手段
19 配管
20 断熱材
21 天板
22 開閉蓋
23 雪投入口
24 中蓋
25 突起
26 接合部
27 金網
28 循環用圧送ポンプ
31 散水手段
32 高圧水噴射手段
33 地下水汲上げポンプ
34 ガイドパイプ
S 雪
W 地下水

Claims (8)

  1. 複数の側枠を上下多段に積層埋設してなる実質的に密閉断熱構造を有する融雪槽を備え、該融雪槽内に投入した雪もしくは雪塊に地下水を散水することにより融雪して、その融水を地下に排水するようにしたことを特徴とする地下埋設式融雪装置。
  2. 前記融雪槽内の適所に設置された地下水汲上げポンプと、この地下水汲上げポンプから給水されて前記融雪槽内に投入した雪もしくは雪塊に地下水を散水する散水手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の地下埋設式融雪装置。
  3. 少なくとも最上段の側枠まわりに断熱材を付設し、前記融雪槽の保温効果を確保するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の地下埋設式融雪装置。
  4. ほぼ地表位置に開閉可能な雪投入口を有し、さらにその内側至近に雪粉砕機能を有する中蓋を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の地下埋設式融雪装置。
  5. 前記融雪槽の底部に設置された水中ポンプと、この水中ポンプから給水されて前記融雪槽内に投入した雪もしくは雪塊に高圧水を噴射する高圧水噴射手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の地下埋設式融雪装置。
  6. 前記融雪槽の所定高さ位置に、投入された前記雪もしくは雪塊を受け止める雪受け部材が横架され、前記高圧水噴射手段は前記雪受け部材上の前記雪もしくは雪塊に高圧水を噴射することを特徴とする請求項5に記載の地下埋設式融雪装置。
  7. 前記高圧水噴射手段はパイプ材でなり、該パイプ材の開口断面積よりもその合計断面積が小さく設定された複数の水噴出口を有し、これらの水噴出口が前記雪受け部材上の前記雪もしくは雪塊に指向するように配置構成されることを特徴とする請求項6に記載の地下埋設式融雪装置。
  8. 前記高圧水噴射手段は、前記雪もしくは雪塊に対する前記高圧水の噴射方向が調整可能に構成されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の地下埋設式融雪装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008127769A (ja) * 2006-11-16 2008-06-05 Nippon Aaku Kaihatsu Kk コンクリート融雪槽
JP2011021370A (ja) * 2009-07-15 2011-02-03 Furukawa Electric Co Ltd:The 融雪装置および融雪方法
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