JP2004339392A - インクセット及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高階調性を有し、シャウカステン照射で利用しても画像に退色を生じず、更に、印字後の被記録媒体の貼り付きが抑制された保存性に優れた光透過画像を形成できるインクジェット記録用のインクセット、及び記録方法の提供。
【解決手段】同一の色相を有し、且つ互いに色材濃度が異なる複数の濃淡インクを独立に有するインクジェット記録用インクセットであって、各インクが、色材、水溶性有機溶剤及び水を含んでなり、第1のインクは濃インクで、該インクが揮発性及び低揮発性の有機溶剤を含み全溶剤量の50質量%以上が揮発性溶剤であり、第2のインクは淡インクで、該インク中の有機溶剤の全量に対して50質量%以上の低揮発性溶剤を含み、且つ、上記濃インク中に含まれる低揮発性溶剤量が、上記淡インク中に含まれる低揮発溶剤量よりも少ないインクセット。
【選択図】 なし
【解決手段】同一の色相を有し、且つ互いに色材濃度が異なる複数の濃淡インクを独立に有するインクジェット記録用インクセットであって、各インクが、色材、水溶性有機溶剤及び水を含んでなり、第1のインクは濃インクで、該インクが揮発性及び低揮発性の有機溶剤を含み全溶剤量の50質量%以上が揮発性溶剤であり、第2のインクは淡インクで、該インク中の有機溶剤の全量に対して50質量%以上の低揮発性溶剤を含み、且つ、上記濃インク中に含まれる低揮発性溶剤量が、上記淡インク中に含まれる低揮発溶剤量よりも少ないインクセット。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、高い階調性が要求される医療分野における診断用及び参照画像等の透過画像を得るシステムに利用可能なインクセット、及びインクを光透過媒体に吐出して画像を形成するインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、医療分野における、レントゲン写真等の診断画像や、その参照画像のハードコピーを得る方式としては、現像液による現像工程を含むウェット処理方式による銀塩写真が主流である。しかしながら、ウェット処理方式では現像処理過程で廃液が生じるため、その廃液の回収や減量、更には、その再資源化が課題となっている。そのため、近年では、ウェット処理方式から現像工程が不要であるドライ処理へのニーズの高まりが顕著となり、レーザー露光熱現像方式やサーマルヘッド方式、レーザーヒートモード方式といったドライ処理の方式が急速に普及してきている。
【0003】
一方、インクジェット記録方法は、インクの小滴を飛翔させ、紙等の被記録媒体にインクを付着させて記録を行うものである。これらの中でも、吐出エネルギー供給手段として電気熱変換体を用い、熱エネルギーをインクに与えて気泡を発生させることにより液滴を発生させる方式のインクジェット記録方法(以下、サーマルインクジェット記録方法という)によれば、記録へッドの高密度マルチオリフィス化を容易に実現することができ、高解像度及び高品位の画像を高速で記録することができる(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0004】
ところで、近年のインクジェット記録方式の進歩は著しく、高精細の画像が得られるに至っている。
【0005】
かかるインクジェット記録方式の進歩に伴い、近年では、前記した医療分野における高い階調性が要求されるレントゲン写真等の診断画像や参照画像のハードコピーに、インクジェット記録方式を利用することについての提案が数多くなされている(例えば、特許文献4参照)。その中で、画像の高い階調性を実現するために、同系色で濃度の異なる濃淡インクを用いることが提案されている。
【0006】
ところで、医療分野では、診断画像や参照画像を利用する場合の特殊な形態として、シャウカステンといわれるバックライトでレントゲン写真等の画像を明るく照らし、透過画像により患部の診断をすることが行なわれている。この場合には、診断画像はごく近傍から光を当てられることになる。しかし、通常のインクジェット画像では、このような状況は想定されておらず、医療用のインクジェット画像を長時間シャウカステンに掛けて診断すると、特に、診断画像や参照画像のハイライト部に退色が生じてしまう場合があった。かかる画像の退色は、誤診に繋がることも考えられるため、診断画像や参照画像のハードコピーにインクジェット記録方式を利用する場合には、シャウカステン診断によって生じる恐れのある画像の退色を如何にして抑制できるかが重要となる。特に、患部をより正確に表現するために高い階調性が求められている医療用画像においては、ハイライト部分の退色の抑制は、重要な技術課題である。
【0007】
又、上記した医療用の診断画像や参照画像については、画像視認性から特に高い画像濃度が要求され、更に、印字画像の保存において画像濃度が低下してしまうと誤診に繋がるおそれもあるため、画像を保存した場合における濃度低下を抑制することも重要となる。
【0008】
更に、医療診断分野で多く用いられるX線画像や、CT画像、MR画像では、必要とされる階調画像部分以外の余白部分を、該階調画像の視認性を高める目的から、高濃度の黒色にすることが要求される。このため、診断画像や参照画像のハードコピーにインクジェット方式を利用した場合には、階調画像部分以外の余白部分へのインク印字打ち込み量を多くする必要がある。しかし、インク付与量を多くした場合、印字された被記録媒体(光透過媒体)同士を重ねたときに、インク付与量を多くした部位において被記録媒体同士が貼り付いてしまい、画像が破損してしまう場合がある。これは、所定期間の保管が要求される診断画像においては、やはり解決すべき重要な技術課題であるということができる。
【0009】
【特許文献1】
特公昭61−59911号公報
【特許文献2】
特公昭61−59912号公報
【特許文献3】
特公昭61−59914号公報
【特許文献4】
特開平10−202920号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、高い階調性を有し、且つシャウカステン照射によっても画像に退色を生じ難く、また印字後の被記録媒体(光透過媒体)同士の貼り付きを有効に抑制することのできるインクジェット画像を与えるインクジェット記録用のインクセット、及びインクジェット記録方法を提供することにある。本発明の目的は、特に、高い階調性が要求される医療分野における診断用及び参照画像等の透過画像を得るシステムに好適な、同一の色相を有する複数の濃淡インクを独立に有してなるインクセット、及び該インクセットを用いることで良好な画像形成を可能とするインクジェット記録方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。
即ち、本発明は、[1]同一の色相を有し、且つ互いに色材濃度が異なる複数のインクジェット記録用の第1及び第2のインクを独立に有しているインクジェット記録用インクセットであって、上記第1及び第2のインクは、少なくとも色材、水溶性有機溶剤及び水を含んでおり、上記第1のインクは、体積4〜5plの滴として解像度1,200dpi、100%のデューティで光透過媒体に付与したときに透過濃度が0.7を超える濃度を有する画像を与えるインクであり、また該第1のインクは、インク中に含まれる水溶性有機溶剤として揮発性水溶性有機溶剤と低揮発性水溶性有機溶剤とを含み、該揮発性水溶性有機溶剤を該水溶性有機溶剤全量に対して質量基準で50%以上含み、上記第2のインクは、体積4〜5plの滴として解像度1,200dpi、100%のデューティで光透過媒体に付与したときに透過濃度が0.7以下の濃度を有する画像を与えるインクであり、また該第2のインクは、インク中に含まれる水溶性有機溶剤の全量に対して質量基準で50%以上の低揮発性水溶性有機溶剤を含み、且つ、上記第1のインク中に含まれる低揮発性水溶性有機溶剤の含有量は、上記第2のインク中に含まれる低揮発性水溶性有機溶剤の含有量よりも少ないことを特徴とするインクセットである。
【0012】
本発明にかかるインクセットの別の形態は、[2]色材、水溶性有機溶剤及び水を含んでいる第3のインクを更に有し、該第3のインクは、体積4〜5plの滴として解像度1,200dpi、100%のデューティで光透過媒体に付与したときに透過濃度が0.7を超える濃度を有する画像を与え、且つインク中に含まれる水溶性有機溶剤として低揮発性水溶性有機溶剤を、該水溶性有機溶剤の全量に対して質量基準で50%以上含んでいるインクである上記[1]に記載のインクセットである。
【0013】
本発明にかかるインクセットの好ましい形態としては、下記[3]〜[5]のインクセットが挙げられる:
[3]前記第1のインク中における水溶性有機溶剤の含有量がインク全量に対して10〜40質量%であり、前記第2のインク中における水溶性有機溶剤の含有量がインク全量に対して15〜50質量%であり、且つ、該第1のインクの水溶性有機溶剤の含有量が、該第2のインクのそれよりも少ない上記[1]又は[2]に記載のインクセット。
[4]前記第1及び第3のインク中における水溶性有機溶剤の含有量がインク全量に対して10〜40質量%であり、前記第2のインク中における水溶性有機溶剤の含有量がインク全量に対して15〜50質量%であり、且つ、該第1及び第3のインクの水溶性有機溶剤の含有量が、該第2のインクのそれよりも少ない上記[2]に記載のインクセット。
[5]前記のインクの各々が、黒色インクである上記[1]〜[4]の何れかに記載のインクセット。
【0014】
本発明の別の形態は、[6]上記[1]〜[5]の何れかに記載のインクセットを構成している複数のインクの各々を滴として光透過媒体に付与する工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
【0015】
本発明にかかるインクジェット記録方法の好ましい形態としては、上記[2]に記載のインクセットを用い、且つ、階調画像の記録領域には第3のインクを用い、階調画像の非記録領域には第1のインクを用いる上記[6]に記載のインクジェット記録方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳しく説明する。本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、先ず、シャウカステン照射による利用の際に生じる退色画像の濃度低下の程度は、インクの蒸発性と大きな相関があること、そしてインクの蒸発性が低ければ、濃度低下を抑制できることを見出した。そして、そのためには、インク中に含まれる水溶性有機溶剤の構成を、低揮発性の有機溶剤とすることが有効であることを見出した。この理由は明らかではないが、以下のように考えられる。上記した画像の退色は、シャウカステン照射による記録画像の温度の上昇によりインク中の揮発性有機溶剤が揮発し、それに伴って該有機溶剤中に溶解された色材が析出し、その結果、画像の退色が起こるものと思われる。
【0017】
一方、本発明者らが検討した結果、印字排紙後の保存時等に生じる被記録媒体(光透過媒体)の貼り付きについては、使用するインクの蒸発性が高ければ被記録媒体の貼り付きが抑制されることを見出した。そして、この被記録媒体の貼り付きの抑制は、インク中に含まれる水溶性有機溶剤の構成を、揮発性の有機溶剤とすることによって実現できることを見出した。この理由は明らかではないが、以下のように考えられる。画像を形成するインク中に含まれる揮発し難い有機溶剤が、印字後、光透過媒体等のメディアの打ち込み量が多い箇所に残り、その上に平滑な被記録媒体が重なることにより貼り付きが生じるためと予測される。
【0018】
上記した相反する知見に対して、本発明者らは更なる検討を行なった結果、レントゲン写真等の診断画像をインクジェット記録方法で印刷する場合には、複数の濃淡インクを構成する各インク中の水溶性有機溶剤を特定に設計して用いることが有効であることを見出して本発明を達成した。即ち、本発明にかかるインクセットは、同一の色相を有し、且つ互いに色材濃度が異なる複数のインクジェット記録用の濃淡インクを独立に有してなるが、第1の形態は、少なくとも1種類の濃インクと、1種類の淡インクとを独立に含んでなり(以下、第1のインクセットという)、又、第2の形態は、少なくとも、複数の濃淡インクの中で最も色材濃度が高いインクに分類される2種類の濃インクA及びBと、1種類の淡インクとを独立に含んでなるものとする(以下、第2のインクセットという)そして、これらのインクセットを構成する各濃淡インク中の水溶性有機溶剤を、それぞれ後述するように構成する。
【0019】
上記した第1及び第2のインクセットを構成する濃インク及び淡インクについて説明する。これらの各インクは、少なくとも色材、水溶性有機溶剤及び水を含んでなるが、本発明でいう濃インクとは、体積4〜5plの滴として解像度1,200dpi、100%のデューティで光透過媒体に付与したときに透過濃度が0.7を超える濃度を有する画像が形成されるもののことである。又、淡インクとは、体積4〜5plの滴として解像度1,200dpi、100%のデューティで光透過媒体に付与したときに透過濃度が0.7以下の濃度を有する画像が形成されるもののことである。
【0020】
(第1のインクセット)
本発明にかかる第1のインクセットでは、少なくとも1種の濃インクを有し、該濃インク中の水溶性有機溶剤を、(1)揮発性有機溶剤が水溶性有機溶剤全量の50質量%以上となるように構成する。且つ、これと併用する淡インク中の水溶性有機溶剤を、(2)低揮発性有機溶剤が水溶性有機溶剤全量の50質量%以上となるように構成する。更に、上記濃インク中に含まれる低揮発性水溶性有機溶剤の含有量が、上記淡インク中に含まれる低揮発性水溶性有機溶剤の含有量よりも少なくなるように構成したことを特徴とする。
【0021】
本発明者らの検討によれば、シャウカステン照射による画像の退色は、記録画像のハイライト部、つまり淡インクが多用される記録部に特に顕著に見られる現象であり、又、被記録媒体(光透過媒体)の貼り付きは、前記したように打ち込み量の多い高画像濃度部によって引き起こされる現象である。従って、上記のように構成した濃インク及び淡インクとを組み合わせた第1のインクセットを用いることで、淡インクは低揮発性有機溶剤を特定量含有させた構成により有機溶剤の蒸発に起因して生じる画像の退色を抑制でき、また光透過媒体等のメディアへの打ち込み量が多い部分に使用される濃インク中に、揮発性有機溶剤を特定量含有させた構成により、揮発し難い有機溶剤が、印字後、媒体に残ることによって生じると考えられる光透過媒体等の貼り付きを有効に抑制できる。
【0022】
(第2のインクセット)
本発明にかかる第2のインクセットでは、上記第1のインクセットを構成する濃インク(以降「濃インクA」)と淡インクに、更に別の濃インク(以降「濃インクB」)を加えたものであり、該濃インクBは、色材、水溶性有機溶剤及び水を含み、低揮発性有機溶剤が、水溶性有機溶剤の全量に対して50質量%以上含まれるように構成する。又、この場合に、濃インクB中の低揮発性水溶性有機溶剤の含有量は、濃インクA中の低揮発性有機溶剤の含有量よりも少ないことが好ましい。
【0023】
更に、第2の態様に係るインクセットを構成する3種のインクのうち、階調画像の記録には濃インクBと淡インクとを用い、階調画像の非記録領域には濃インクAを用いるように構成すると、前記した第1のインクセットによる効果に加えて、階調画像が、低揮発性溶剤を多く含む淡インク及び濃インクBとで形成されるため、階調画像の退色をより一層有効に抑制することができるという効果を得られる。
【0024】
尚、上記第2のインクセットにおいて用いる、濃インクA、Bは、当該インクセットを構成する複数のインク群において最も濃いインクである場合に、本インクセットにより得られる効果は、より大きなものとなる。ここでいう複数の濃淡インク中の最も濃いインクには、インクセットを構成している各インクの中で最高の色材濃度を有するインクと、該最高濃度に対して−20%の範囲内にある色材濃度を有するインクが含まれる。つまり、複数の濃淡インク中で最高の色材濃度を有するインクAの色材濃度が5.0%である場合は、該インクAの色材濃度よりも20%色材の含有量が少ない、色材濃度が4.0%のインクBまで、即ち、色材濃度が4.0%以上5.0%以下であるインクを全て最も濃いインクとして扱う。
【0025】
次に、上記した第1及び第2のインクセットを構成する各インクの形成材料について説明する。
【0026】
(水溶性有機溶剤)
本発明で用いるインクは、少なくとも色材、水溶性有機溶剤及び水を含んでなるが、インクを作製する場合に、使用する水溶性有機溶剤が、揮発性有機溶剤であるか低揮発性有機溶剤であるかが重要となる。ここで、本発明における揮発性有機溶剤、及び低揮発性有機溶剤は、次のような方法で分類し、定義する。即ち、温度25℃、湿度50%R.H.の環境下で、パイレックス(登録商標)ガラス製のJIS R3503準拠のビーカー100mlに、試験する対象の水溶性有機溶剤を約5g正確に秤り取る。これを、温度60℃、湿度5%以下の環境下に15日間放置して、水溶性有機溶剤を蒸発させる。次に、再び、温度25℃、湿度50%R.H.環境下に、蒸発した水溶性有機溶剤が残留しているビーカーを戻し、2時間放置する。その後、同じ環境下で残留した水溶性有機溶剤の重さを測定する。そして、上記した蒸発処理を行なった前後の水溶性有機溶剤の重さから、上記した条件下における蒸発率を算出し、得られた蒸発率が20%以上のものを揮発性有機溶剤、20%未満のものを低揮発性有機溶剤と定義する。
【0027】
[揮発性有機溶剤]
上記した方法によって分類された揮発性有機溶剤の例としては、下記のものがある。例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;2−ピロリドン、1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
【0028】
[低揮発性有機溶剤]
上記した方法によって分類された低揮発性有機溶剤の例としては、下記のものがある。例えば、グリセリン、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ポリエチレングリコール(平均分子量200〜600程度)、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0029】
本発明は、勿論これらに限定されるわけではない。又、上記のごとき水溶性有機溶剤は、インク中に、単独でも或いは混合物として含有させてもよい。又、ノズルの目詰まり防止や吐出信頼性の点から、濃インク、淡インクともに、揮発性有機溶剤と低揮発性有機溶剤の両者を組み合わせて用いることが好ましい。更に、インク中における水溶性有機溶剤の含有量は、濃インクにおいては、インク全量に対して、10〜40質量%の範囲とすることが好ましく、淡インクにおいては、15〜50質量%の範囲とすることが好ましい。更に、本発明にかかるインクセットにおいては、濃インクの水溶性有機溶剤含有量が、淡インクのそれよりも少なくなるように構成することことが好ましい。
【0030】
(水)
本発明で使用するインクを構成する水は、いずれも脱イオン水を使用することが望ましい。又、本発明で使用する濃インク、淡インクの何れについても、インクに含有される水の含有量は、インク全質量に対して、好ましくは50〜95質量%の範囲である。
【0031】
(色材)
本発明で使用するインクを構成する色材としては、公知の染料や顔料を用いることができる。染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、塩基性染料等を用いることができる。例えば、アニオン性染料としては、既存のものでも、新規に合成したものでも適度な色調と濃度を有するものであれば、たいていのものを用いることができる。又、これらのうち何れかを混合して用いることも可能である。以下、本発明で使用することのできる染料について、色相毎に具体例を挙げる。
【0032】
[イエローインク用の色材]
C.I.ダイレクトイエロー 4、8、11、12、26、27、28、33、39、44、50、58、85、86、87、88、89、98、100、110、132
C.I.アシッドイエロー 1、3、7、11、17、19、23、25、29、36、38、40、42、44、49、61、72、76、78、98、99、110、127、135、141、142、
C.I.リィアクティブイエロー 2、3、17、25、37、42
C.I.フードイエロー 3
C.I.ベーシックイエロー 1、2、21
【0033】
[レッドインク用の色材]
C.I.ダイレクトレッド 2、4、9、11、20、23、24、31、37、39、46、62、75、79、80、81、83、89、95、197、201、218、220、224、225、226、227、228、229、230
C.I.アシッドレッド 6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、37、42、51、52、57、80、82、83、87、89、92、94、106、111、114、115、129、131、133、134、138、145、158、186、198、249、265、276、289
C.I.リィアクティブレッド 7、12、13、15、17、20、23、24、31、42、45、46、59
C.I.フードレッド 87、92、94
C.I.ベーシックレッド 1、2、9、14
【0034】
[ブルーインク用の色材]
C.I.ダイレクトブルー 1、15、22、25、41、71、76、77、80、86、90、98、106、108、120、158、163、168、199、226
C.I.アシッドブルー 1、3、7、9、15、22、23、25、26、29、40、41、43、59、62、74、78、80、83、90、93、100、102、103、104、112、113、117、127、138、158、161
C.I.リィアクティブブルー 4、5、7、13、14、15、18、19、21、26、27、29、32、38、40、44、100
【0035】
[ブラックインク用色材]
C.I.ダイレクトブラック 17、19、22、31、32、38、51、62、71、74、112、113、154、168、195
C.I.アシッドブラック 1、2、24、26、31、48、51、52、107、109、110、115、119、154、156
C.I.フードブラック 1、2
C.I.ベーシックブラック 2、8
【0036】
[その他の色のインク用色材]
C.I.アシッドバイオレット15、17
C.I.アシッドグリーン3、9、16、25、27
C.I.ベーシックオレンジ2、14、32
C.I.ベーシックバイオレット1、3、7
C.I.ベーシックブラウン12
C.I.ベーシックグリーン49
【0037】
又、本発明で使用するインクの色材とできる顔料の例としては、ブラックインクについてはカーボンブラックが好適に使用される。例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料で、例えば、レイヴァン(Raven)7000、レイヴァン5750、レイヴァン5250、レイヴァン5000ULTRA、レイヴァン3500、レイヴァン2000、レイヴァン1500、レイヴァン1250、レイヴァン1200、レイヴァン1190ULTRA−II、レイヴァン1170、レイヴァン1255(以上コロンビア社製)、ブラックパールズ(Black Pearls)L、リーガル(Regal)400R、リーガル330R、リーガル660R、モウグル(Mogul)L、モナク(Monarch)700、モナク800、モナク880、モナク900、モナク1000、モナク1100、モナク1300、モナク1400、ヴァルカン(Valcan)XC−72R(以上キャボット社製)、カラーブラック(Color Black)FW1、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW18、カラーブラックFW200、カラーブラックS150、カラーブラックS160、カラーブラックS170、プリンテックス(Printex)35、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス140U、プリンテックス140V、スペシャルブラック(Special Black)6、スペシャルブラック5、スペシャルブラック4A、スペシャルブラック4(以上デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上三菱化学社製)等の市販品や、別途新たに調製されたものも使用することができる。
【0038】
カラーインクに用いる顔料としては、有機顔料が好ましく用いられる。具体的には、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッド等の不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料、アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系顔料、ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系顔料、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系顔料、ベンズイミダゾロンエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンレッド等のイミダゾロン系顔料、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系顔料、インジゴ系顔料、縮合アゾ系顔料、チオインジゴ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、キノフタロンエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等のその他の顔料が例示できる。
【0039】
又、有機顔料を、カラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示すと、
C.I.ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、97、109、110、117、120、125、128、137、138、147、148、150、151、153、154、166、168、180、185
C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、71
C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、175、176、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254、255、272
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50
C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64
C.I.ピグメントグリーン7、36
C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が例示できる。
【0040】
本発明に用いることのできる顔料は、自己分散性のものでも、或いは分散剤の吸着により分散するものでもどちらでも使用できる。顔料の分散剤としては、水溶性樹脂ならどのようなものでも使用することができる。具体的には、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも2つの単量体(このうち少なくとも1つは親水性単量体)からなる、ブロック共重合体、或いはランダム共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。或いは、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も好ましく使用することができる。これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂である。
【0041】
又、本発明にかかるインクセットは、インクジェット記録用(例えば、バブルジェット(登録商標)法等)であるが、光透過媒体等の被記録媒体に付着せしめる場合に優れたインクジェット吐出特性を有するように、インク所望の粘度、表面張力、pHを有するように調整することが好ましい。このためには、上記した成分の他に、界面活性剤やpH調整剤、防黴剤等、種々の添加剤を適宜添加することができる。
【0042】
(被記録媒体(光透過媒体))
本発明にかかるインクセットを用いてインクジェット記録方法で画像を形成する場合に好ましく用いられる被記録媒体としては、支持体上にシリカ又はアルミナ等から構成される多孔質のインク受容層を有する透過媒体が挙げられる。医療用に用いられる光透過媒体の場合には、ブルーベースフィルムが広く用いられている。このため、支持体として、自身が青色の透過性のフィルムを用いることが好ましい。このような支持体上に形成するインク受容層は、シリカやアルミナ等の微粒子を主とし、必要に応じて、下記に挙げるようなバインダーやその他の添加剤を含有する塗工液を塗布することによって得られる。
【0043】
上記で使用するバインダーとして好適に使用されているものとしては、水溶性高分子やラテックスを挙げることができる。例えば、ポリビニルアルコール又はその変性体、澱粉又はその変性体、ゼラチン又はその変性体、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロオイルメチルセルロース等のセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸又はその共重合体、アクリル酸エステル共重合体等が使用され、必要に応じて2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0044】
上記においては必要に応じて使用することのできる添加剤としては、例えば、分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙げられる。インク受容層としてアルミナを使用している例としては、例えば、特開平02−276670号公報が挙げられる。又、インク受容層としてシリカを使用している例としては、例えば特開2001−150803公報が挙げられる。
【0045】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、文中、%とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
【0046】
[実施例1〜3、及び比較例1、2]
(インクの作製)
下記表1に示す各成分を混合し、充分攪拌して溶解後、ポアサイズが0.2μmのフロロポアフィルター(住友電工(株)製)にて加圧濾過し、染料濃度の異なる4種類のブラックインクからなる実施例1〜3、比較例1及び2のインクセットを作製した。尚、表において、「残部」とあるのはインクの総量が100となるように水で調整したことを意味する。
【0047】
【0048】
【0049】
上記表1−1及び1−2中における各成分は下記の通りである。
・染料:C.I.フードブラック2
・低揮発性有機溶剤
a:グリセリン
b:ポリエチレングリコール(平均分子量200)
c:トリエチレングリコール
・揮発性有機溶剤
d:エチレングリコール
e:ジエチレングリコール
・界面活性剤:アセチレノールEH(商品名、川研ファインケミカル製)
【0050】
(光透過媒体の作成)
予め青色に着色した、厚さ175μmのポリエステル製の透明基材を用い、該基材の両面に、コロナ放電処理を行った。そして、以下に示す組成を有する塗布液を用いて、基材の片面にインク受容層を形成した。尚、このフィルムのCIELAB色空間で表されるLab値はL*=77、a*=−7、b*=−1であった。
【0051】
<インク受容層の作製>
・スノーテックスPS−M(日産化学製、球状コロイ
ダルシリカ分散液、固形分20.5%) 1kg
・ポリビニルアルコール10%水溶液(クラレ製、P
VA−235) 200g
先ず、上記成分をスターラー上で攪拌・混合した。その後、これに5%ホウ酸水溶液を50g加えて、インク受容層形成用の塗布液を得た。そして、得られた塗布液を上記フィルムに塗布して光透過媒体Aを得た。
【0052】
(記録方法)
インクジェット記録装置としてキヤノン(株)製BJF−870を用い、上記で得た実施例1〜3及び比較例1、2のインクセットをそれぞれ搭載して、上記で得た光透過媒体Aに画像を形成した。具体的には、印字領域を8回の走査で印字する8パス印字を行った。ここで用いた記録ヘッドは、1,200dpiの記録密度を有し、駆動条件としては、駆動周波数22kHzとした。1,200dpiのヘッドを使用したときの1ドット当たりの吐出量は、5ngのヘッドを使用した。又、各インクセットについて、上記のインクジェット記録装置にそれぞれ搭載して、上記で得た光透過媒体Aに、100%dutyのベタ印字を行った。
【0053】
その結果、印字1日後の透過印字濃度は以下の表2に示す通りであった。尚、透過印字濃度の測定にはX−Rite310TR(ステータスA濃度測定モード)を用いた。
【0054】
【0055】
表2に示した通り、各インクセットのA及びBは本発明でいう濃インク、C及びDは本発明でいう淡インクに相当する。次に、これらのインクセットを用いて、被記録媒体Aにインクジェット記録を行い、以下の評価を行った。
【0056】
<貼り付き評価>
上記で得た実施例1〜3及び比較例1、2のインクセットにより胸部X線画像を印刷し、印字3分後に記録画像上に被記録媒体を重ね合わせ、温度25℃で、湿度60%にて10分放置後、被記録媒体同士の貼り付きを評価した。表3に評価結果を示した。
○:貼り付きは殆ど確認されない。
×:貼り付きが激しい。
【0057】
<シャウカステン照射退色評価>
上記で得た実施例1〜3及び比較例1、2のインクセットによって印刷した胸部X線画像を24時間自然乾燥させた。そして、温度25℃、湿度50%の環境にて(株)精光社製シャウカステンに掛け48時間放置した。試験前後の画像を透過光にて目視観察し、退色の程度を評価した。表3に評価結果を示した。
○:退色は殆ど確認されない。
×:退色が激しい。
【0058】
【0059】
[実施例4〜7、及び比較例3〜6]
(インクの作製)
下記表4に示す各成分を混合し、充分攪拌して溶解後、ポアサイズが0.2μmのフロロポアフィルター(住友電工(株)製)にて加圧濾過し、3種類のブラックインクからなる実施例4〜7、及び比較例3〜6のインクセットを作製した。
【0060】
【0061】
【0062】
上記表4−1及び4−2中において、各成分は下記の通りである。
・染料:C.I.フードブラック2
・低揮発性有機溶剤
a:グリセリン
b:ポリエチレングリコール(分子量200)
c:トリエチレングリコール
・揮発性有機溶剤
d:エチレングリコール
e:ジエチレングリコール
・界面活性剤:アセチレノールE100(商品名、川研ファインケミカル製)
【0063】
(評価)
先の場合と同様に透過印字濃度を測定した結果、表4−1及び4−2に示したインクセットのA及びBは本発明でいう濃インクであり、Cは本発明でいう淡インクに相当した。実施例1〜3及び比較例1、2のインクセットに代えて、上記で得た実施例4〜7及び比較例3〜6のインクセットをそれぞれ用いて、先に得た光透過媒体Aに画像を形成した。そして、実施例1〜3及び比較例1、2のインクセットの場合と同様の方法で、画像の貼り付きを評価した。更に、画像の濃度低下については、下記のようにして評価した。得られた評価結果を表5に示した。
【0064】
<濃度低下評価>
実施例4〜7及び比較例3〜6で得られた各記録画像を24時間自然乾燥させ、槽内温度60℃、槽内相対湿度50%の条件の恒温槽中に7日間放置した。試験後及び試験前の記録画像を透過光にて目視観察した。その結果を表5に示した。
○:濃度低下は殆ど確認されない。
×:濃度低下が激しい。
【0065】
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高い階調性を有し、且つシャウカステン照射による利用によっても画像に退色を生じることがなく、更に、印字後における被記録媒体(光透過媒体)に貼り付きが生じることが抑制された画像の保存性にも優れた記録画像を形成することのできるインクジェット記録用のインクセット、及びインクジェット記録方法が提供される。本発明によれば、特に、高い階調性が要求される医療分野における診断用及び参照画像等の透過画像を得るシステムに好適な、同一の色相を有する複数の濃淡インクを独立に有してなるインクセット、及びインクジェット記録方法が提供される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、高い階調性が要求される医療分野における診断用及び参照画像等の透過画像を得るシステムに利用可能なインクセット、及びインクを光透過媒体に吐出して画像を形成するインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、医療分野における、レントゲン写真等の診断画像や、その参照画像のハードコピーを得る方式としては、現像液による現像工程を含むウェット処理方式による銀塩写真が主流である。しかしながら、ウェット処理方式では現像処理過程で廃液が生じるため、その廃液の回収や減量、更には、その再資源化が課題となっている。そのため、近年では、ウェット処理方式から現像工程が不要であるドライ処理へのニーズの高まりが顕著となり、レーザー露光熱現像方式やサーマルヘッド方式、レーザーヒートモード方式といったドライ処理の方式が急速に普及してきている。
【0003】
一方、インクジェット記録方法は、インクの小滴を飛翔させ、紙等の被記録媒体にインクを付着させて記録を行うものである。これらの中でも、吐出エネルギー供給手段として電気熱変換体を用い、熱エネルギーをインクに与えて気泡を発生させることにより液滴を発生させる方式のインクジェット記録方法(以下、サーマルインクジェット記録方法という)によれば、記録へッドの高密度マルチオリフィス化を容易に実現することができ、高解像度及び高品位の画像を高速で記録することができる(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0004】
ところで、近年のインクジェット記録方式の進歩は著しく、高精細の画像が得られるに至っている。
【0005】
かかるインクジェット記録方式の進歩に伴い、近年では、前記した医療分野における高い階調性が要求されるレントゲン写真等の診断画像や参照画像のハードコピーに、インクジェット記録方式を利用することについての提案が数多くなされている(例えば、特許文献4参照)。その中で、画像の高い階調性を実現するために、同系色で濃度の異なる濃淡インクを用いることが提案されている。
【0006】
ところで、医療分野では、診断画像や参照画像を利用する場合の特殊な形態として、シャウカステンといわれるバックライトでレントゲン写真等の画像を明るく照らし、透過画像により患部の診断をすることが行なわれている。この場合には、診断画像はごく近傍から光を当てられることになる。しかし、通常のインクジェット画像では、このような状況は想定されておらず、医療用のインクジェット画像を長時間シャウカステンに掛けて診断すると、特に、診断画像や参照画像のハイライト部に退色が生じてしまう場合があった。かかる画像の退色は、誤診に繋がることも考えられるため、診断画像や参照画像のハードコピーにインクジェット記録方式を利用する場合には、シャウカステン診断によって生じる恐れのある画像の退色を如何にして抑制できるかが重要となる。特に、患部をより正確に表現するために高い階調性が求められている医療用画像においては、ハイライト部分の退色の抑制は、重要な技術課題である。
【0007】
又、上記した医療用の診断画像や参照画像については、画像視認性から特に高い画像濃度が要求され、更に、印字画像の保存において画像濃度が低下してしまうと誤診に繋がるおそれもあるため、画像を保存した場合における濃度低下を抑制することも重要となる。
【0008】
更に、医療診断分野で多く用いられるX線画像や、CT画像、MR画像では、必要とされる階調画像部分以外の余白部分を、該階調画像の視認性を高める目的から、高濃度の黒色にすることが要求される。このため、診断画像や参照画像のハードコピーにインクジェット方式を利用した場合には、階調画像部分以外の余白部分へのインク印字打ち込み量を多くする必要がある。しかし、インク付与量を多くした場合、印字された被記録媒体(光透過媒体)同士を重ねたときに、インク付与量を多くした部位において被記録媒体同士が貼り付いてしまい、画像が破損してしまう場合がある。これは、所定期間の保管が要求される診断画像においては、やはり解決すべき重要な技術課題であるということができる。
【0009】
【特許文献1】
特公昭61−59911号公報
【特許文献2】
特公昭61−59912号公報
【特許文献3】
特公昭61−59914号公報
【特許文献4】
特開平10−202920号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、高い階調性を有し、且つシャウカステン照射によっても画像に退色を生じ難く、また印字後の被記録媒体(光透過媒体)同士の貼り付きを有効に抑制することのできるインクジェット画像を与えるインクジェット記録用のインクセット、及びインクジェット記録方法を提供することにある。本発明の目的は、特に、高い階調性が要求される医療分野における診断用及び参照画像等の透過画像を得るシステムに好適な、同一の色相を有する複数の濃淡インクを独立に有してなるインクセット、及び該インクセットを用いることで良好な画像形成を可能とするインクジェット記録方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。
即ち、本発明は、[1]同一の色相を有し、且つ互いに色材濃度が異なる複数のインクジェット記録用の第1及び第2のインクを独立に有しているインクジェット記録用インクセットであって、上記第1及び第2のインクは、少なくとも色材、水溶性有機溶剤及び水を含んでおり、上記第1のインクは、体積4〜5plの滴として解像度1,200dpi、100%のデューティで光透過媒体に付与したときに透過濃度が0.7を超える濃度を有する画像を与えるインクであり、また該第1のインクは、インク中に含まれる水溶性有機溶剤として揮発性水溶性有機溶剤と低揮発性水溶性有機溶剤とを含み、該揮発性水溶性有機溶剤を該水溶性有機溶剤全量に対して質量基準で50%以上含み、上記第2のインクは、体積4〜5plの滴として解像度1,200dpi、100%のデューティで光透過媒体に付与したときに透過濃度が0.7以下の濃度を有する画像を与えるインクであり、また該第2のインクは、インク中に含まれる水溶性有機溶剤の全量に対して質量基準で50%以上の低揮発性水溶性有機溶剤を含み、且つ、上記第1のインク中に含まれる低揮発性水溶性有機溶剤の含有量は、上記第2のインク中に含まれる低揮発性水溶性有機溶剤の含有量よりも少ないことを特徴とするインクセットである。
【0012】
本発明にかかるインクセットの別の形態は、[2]色材、水溶性有機溶剤及び水を含んでいる第3のインクを更に有し、該第3のインクは、体積4〜5plの滴として解像度1,200dpi、100%のデューティで光透過媒体に付与したときに透過濃度が0.7を超える濃度を有する画像を与え、且つインク中に含まれる水溶性有機溶剤として低揮発性水溶性有機溶剤を、該水溶性有機溶剤の全量に対して質量基準で50%以上含んでいるインクである上記[1]に記載のインクセットである。
【0013】
本発明にかかるインクセットの好ましい形態としては、下記[3]〜[5]のインクセットが挙げられる:
[3]前記第1のインク中における水溶性有機溶剤の含有量がインク全量に対して10〜40質量%であり、前記第2のインク中における水溶性有機溶剤の含有量がインク全量に対して15〜50質量%であり、且つ、該第1のインクの水溶性有機溶剤の含有量が、該第2のインクのそれよりも少ない上記[1]又は[2]に記載のインクセット。
[4]前記第1及び第3のインク中における水溶性有機溶剤の含有量がインク全量に対して10〜40質量%であり、前記第2のインク中における水溶性有機溶剤の含有量がインク全量に対して15〜50質量%であり、且つ、該第1及び第3のインクの水溶性有機溶剤の含有量が、該第2のインクのそれよりも少ない上記[2]に記載のインクセット。
[5]前記のインクの各々が、黒色インクである上記[1]〜[4]の何れかに記載のインクセット。
【0014】
本発明の別の形態は、[6]上記[1]〜[5]の何れかに記載のインクセットを構成している複数のインクの各々を滴として光透過媒体に付与する工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
【0015】
本発明にかかるインクジェット記録方法の好ましい形態としては、上記[2]に記載のインクセットを用い、且つ、階調画像の記録領域には第3のインクを用い、階調画像の非記録領域には第1のインクを用いる上記[6]に記載のインクジェット記録方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳しく説明する。本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、先ず、シャウカステン照射による利用の際に生じる退色画像の濃度低下の程度は、インクの蒸発性と大きな相関があること、そしてインクの蒸発性が低ければ、濃度低下を抑制できることを見出した。そして、そのためには、インク中に含まれる水溶性有機溶剤の構成を、低揮発性の有機溶剤とすることが有効であることを見出した。この理由は明らかではないが、以下のように考えられる。上記した画像の退色は、シャウカステン照射による記録画像の温度の上昇によりインク中の揮発性有機溶剤が揮発し、それに伴って該有機溶剤中に溶解された色材が析出し、その結果、画像の退色が起こるものと思われる。
【0017】
一方、本発明者らが検討した結果、印字排紙後の保存時等に生じる被記録媒体(光透過媒体)の貼り付きについては、使用するインクの蒸発性が高ければ被記録媒体の貼り付きが抑制されることを見出した。そして、この被記録媒体の貼り付きの抑制は、インク中に含まれる水溶性有機溶剤の構成を、揮発性の有機溶剤とすることによって実現できることを見出した。この理由は明らかではないが、以下のように考えられる。画像を形成するインク中に含まれる揮発し難い有機溶剤が、印字後、光透過媒体等のメディアの打ち込み量が多い箇所に残り、その上に平滑な被記録媒体が重なることにより貼り付きが生じるためと予測される。
【0018】
上記した相反する知見に対して、本発明者らは更なる検討を行なった結果、レントゲン写真等の診断画像をインクジェット記録方法で印刷する場合には、複数の濃淡インクを構成する各インク中の水溶性有機溶剤を特定に設計して用いることが有効であることを見出して本発明を達成した。即ち、本発明にかかるインクセットは、同一の色相を有し、且つ互いに色材濃度が異なる複数のインクジェット記録用の濃淡インクを独立に有してなるが、第1の形態は、少なくとも1種類の濃インクと、1種類の淡インクとを独立に含んでなり(以下、第1のインクセットという)、又、第2の形態は、少なくとも、複数の濃淡インクの中で最も色材濃度が高いインクに分類される2種類の濃インクA及びBと、1種類の淡インクとを独立に含んでなるものとする(以下、第2のインクセットという)そして、これらのインクセットを構成する各濃淡インク中の水溶性有機溶剤を、それぞれ後述するように構成する。
【0019】
上記した第1及び第2のインクセットを構成する濃インク及び淡インクについて説明する。これらの各インクは、少なくとも色材、水溶性有機溶剤及び水を含んでなるが、本発明でいう濃インクとは、体積4〜5plの滴として解像度1,200dpi、100%のデューティで光透過媒体に付与したときに透過濃度が0.7を超える濃度を有する画像が形成されるもののことである。又、淡インクとは、体積4〜5plの滴として解像度1,200dpi、100%のデューティで光透過媒体に付与したときに透過濃度が0.7以下の濃度を有する画像が形成されるもののことである。
【0020】
(第1のインクセット)
本発明にかかる第1のインクセットでは、少なくとも1種の濃インクを有し、該濃インク中の水溶性有機溶剤を、(1)揮発性有機溶剤が水溶性有機溶剤全量の50質量%以上となるように構成する。且つ、これと併用する淡インク中の水溶性有機溶剤を、(2)低揮発性有機溶剤が水溶性有機溶剤全量の50質量%以上となるように構成する。更に、上記濃インク中に含まれる低揮発性水溶性有機溶剤の含有量が、上記淡インク中に含まれる低揮発性水溶性有機溶剤の含有量よりも少なくなるように構成したことを特徴とする。
【0021】
本発明者らの検討によれば、シャウカステン照射による画像の退色は、記録画像のハイライト部、つまり淡インクが多用される記録部に特に顕著に見られる現象であり、又、被記録媒体(光透過媒体)の貼り付きは、前記したように打ち込み量の多い高画像濃度部によって引き起こされる現象である。従って、上記のように構成した濃インク及び淡インクとを組み合わせた第1のインクセットを用いることで、淡インクは低揮発性有機溶剤を特定量含有させた構成により有機溶剤の蒸発に起因して生じる画像の退色を抑制でき、また光透過媒体等のメディアへの打ち込み量が多い部分に使用される濃インク中に、揮発性有機溶剤を特定量含有させた構成により、揮発し難い有機溶剤が、印字後、媒体に残ることによって生じると考えられる光透過媒体等の貼り付きを有効に抑制できる。
【0022】
(第2のインクセット)
本発明にかかる第2のインクセットでは、上記第1のインクセットを構成する濃インク(以降「濃インクA」)と淡インクに、更に別の濃インク(以降「濃インクB」)を加えたものであり、該濃インクBは、色材、水溶性有機溶剤及び水を含み、低揮発性有機溶剤が、水溶性有機溶剤の全量に対して50質量%以上含まれるように構成する。又、この場合に、濃インクB中の低揮発性水溶性有機溶剤の含有量は、濃インクA中の低揮発性有機溶剤の含有量よりも少ないことが好ましい。
【0023】
更に、第2の態様に係るインクセットを構成する3種のインクのうち、階調画像の記録には濃インクBと淡インクとを用い、階調画像の非記録領域には濃インクAを用いるように構成すると、前記した第1のインクセットによる効果に加えて、階調画像が、低揮発性溶剤を多く含む淡インク及び濃インクBとで形成されるため、階調画像の退色をより一層有効に抑制することができるという効果を得られる。
【0024】
尚、上記第2のインクセットにおいて用いる、濃インクA、Bは、当該インクセットを構成する複数のインク群において最も濃いインクである場合に、本インクセットにより得られる効果は、より大きなものとなる。ここでいう複数の濃淡インク中の最も濃いインクには、インクセットを構成している各インクの中で最高の色材濃度を有するインクと、該最高濃度に対して−20%の範囲内にある色材濃度を有するインクが含まれる。つまり、複数の濃淡インク中で最高の色材濃度を有するインクAの色材濃度が5.0%である場合は、該インクAの色材濃度よりも20%色材の含有量が少ない、色材濃度が4.0%のインクBまで、即ち、色材濃度が4.0%以上5.0%以下であるインクを全て最も濃いインクとして扱う。
【0025】
次に、上記した第1及び第2のインクセットを構成する各インクの形成材料について説明する。
【0026】
(水溶性有機溶剤)
本発明で用いるインクは、少なくとも色材、水溶性有機溶剤及び水を含んでなるが、インクを作製する場合に、使用する水溶性有機溶剤が、揮発性有機溶剤であるか低揮発性有機溶剤であるかが重要となる。ここで、本発明における揮発性有機溶剤、及び低揮発性有機溶剤は、次のような方法で分類し、定義する。即ち、温度25℃、湿度50%R.H.の環境下で、パイレックス(登録商標)ガラス製のJIS R3503準拠のビーカー100mlに、試験する対象の水溶性有機溶剤を約5g正確に秤り取る。これを、温度60℃、湿度5%以下の環境下に15日間放置して、水溶性有機溶剤を蒸発させる。次に、再び、温度25℃、湿度50%R.H.環境下に、蒸発した水溶性有機溶剤が残留しているビーカーを戻し、2時間放置する。その後、同じ環境下で残留した水溶性有機溶剤の重さを測定する。そして、上記した蒸発処理を行なった前後の水溶性有機溶剤の重さから、上記した条件下における蒸発率を算出し、得られた蒸発率が20%以上のものを揮発性有機溶剤、20%未満のものを低揮発性有機溶剤と定義する。
【0027】
[揮発性有機溶剤]
上記した方法によって分類された揮発性有機溶剤の例としては、下記のものがある。例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;2−ピロリドン、1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
【0028】
[低揮発性有機溶剤]
上記した方法によって分類された低揮発性有機溶剤の例としては、下記のものがある。例えば、グリセリン、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ポリエチレングリコール(平均分子量200〜600程度)、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0029】
本発明は、勿論これらに限定されるわけではない。又、上記のごとき水溶性有機溶剤は、インク中に、単独でも或いは混合物として含有させてもよい。又、ノズルの目詰まり防止や吐出信頼性の点から、濃インク、淡インクともに、揮発性有機溶剤と低揮発性有機溶剤の両者を組み合わせて用いることが好ましい。更に、インク中における水溶性有機溶剤の含有量は、濃インクにおいては、インク全量に対して、10〜40質量%の範囲とすることが好ましく、淡インクにおいては、15〜50質量%の範囲とすることが好ましい。更に、本発明にかかるインクセットにおいては、濃インクの水溶性有機溶剤含有量が、淡インクのそれよりも少なくなるように構成することことが好ましい。
【0030】
(水)
本発明で使用するインクを構成する水は、いずれも脱イオン水を使用することが望ましい。又、本発明で使用する濃インク、淡インクの何れについても、インクに含有される水の含有量は、インク全質量に対して、好ましくは50〜95質量%の範囲である。
【0031】
(色材)
本発明で使用するインクを構成する色材としては、公知の染料や顔料を用いることができる。染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、塩基性染料等を用いることができる。例えば、アニオン性染料としては、既存のものでも、新規に合成したものでも適度な色調と濃度を有するものであれば、たいていのものを用いることができる。又、これらのうち何れかを混合して用いることも可能である。以下、本発明で使用することのできる染料について、色相毎に具体例を挙げる。
【0032】
[イエローインク用の色材]
C.I.ダイレクトイエロー 4、8、11、12、26、27、28、33、39、44、50、58、85、86、87、88、89、98、100、110、132
C.I.アシッドイエロー 1、3、7、11、17、19、23、25、29、36、38、40、42、44、49、61、72、76、78、98、99、110、127、135、141、142、
C.I.リィアクティブイエロー 2、3、17、25、37、42
C.I.フードイエロー 3
C.I.ベーシックイエロー 1、2、21
【0033】
[レッドインク用の色材]
C.I.ダイレクトレッド 2、4、9、11、20、23、24、31、37、39、46、62、75、79、80、81、83、89、95、197、201、218、220、224、225、226、227、228、229、230
C.I.アシッドレッド 6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、37、42、51、52、57、80、82、83、87、89、92、94、106、111、114、115、129、131、133、134、138、145、158、186、198、249、265、276、289
C.I.リィアクティブレッド 7、12、13、15、17、20、23、24、31、42、45、46、59
C.I.フードレッド 87、92、94
C.I.ベーシックレッド 1、2、9、14
【0034】
[ブルーインク用の色材]
C.I.ダイレクトブルー 1、15、22、25、41、71、76、77、80、86、90、98、106、108、120、158、163、168、199、226
C.I.アシッドブルー 1、3、7、9、15、22、23、25、26、29、40、41、43、59、62、74、78、80、83、90、93、100、102、103、104、112、113、117、127、138、158、161
C.I.リィアクティブブルー 4、5、7、13、14、15、18、19、21、26、27、29、32、38、40、44、100
【0035】
[ブラックインク用色材]
C.I.ダイレクトブラック 17、19、22、31、32、38、51、62、71、74、112、113、154、168、195
C.I.アシッドブラック 1、2、24、26、31、48、51、52、107、109、110、115、119、154、156
C.I.フードブラック 1、2
C.I.ベーシックブラック 2、8
【0036】
[その他の色のインク用色材]
C.I.アシッドバイオレット15、17
C.I.アシッドグリーン3、9、16、25、27
C.I.ベーシックオレンジ2、14、32
C.I.ベーシックバイオレット1、3、7
C.I.ベーシックブラウン12
C.I.ベーシックグリーン49
【0037】
又、本発明で使用するインクの色材とできる顔料の例としては、ブラックインクについてはカーボンブラックが好適に使用される。例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料で、例えば、レイヴァン(Raven)7000、レイヴァン5750、レイヴァン5250、レイヴァン5000ULTRA、レイヴァン3500、レイヴァン2000、レイヴァン1500、レイヴァン1250、レイヴァン1200、レイヴァン1190ULTRA−II、レイヴァン1170、レイヴァン1255(以上コロンビア社製)、ブラックパールズ(Black Pearls)L、リーガル(Regal)400R、リーガル330R、リーガル660R、モウグル(Mogul)L、モナク(Monarch)700、モナク800、モナク880、モナク900、モナク1000、モナク1100、モナク1300、モナク1400、ヴァルカン(Valcan)XC−72R(以上キャボット社製)、カラーブラック(Color Black)FW1、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW18、カラーブラックFW200、カラーブラックS150、カラーブラックS160、カラーブラックS170、プリンテックス(Printex)35、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス140U、プリンテックス140V、スペシャルブラック(Special Black)6、スペシャルブラック5、スペシャルブラック4A、スペシャルブラック4(以上デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上三菱化学社製)等の市販品や、別途新たに調製されたものも使用することができる。
【0038】
カラーインクに用いる顔料としては、有機顔料が好ましく用いられる。具体的には、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッド等の不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料、アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系顔料、ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系顔料、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系顔料、ベンズイミダゾロンエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンレッド等のイミダゾロン系顔料、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系顔料、インジゴ系顔料、縮合アゾ系顔料、チオインジゴ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、キノフタロンエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等のその他の顔料が例示できる。
【0039】
又、有機顔料を、カラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示すと、
C.I.ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、97、109、110、117、120、125、128、137、138、147、148、150、151、153、154、166、168、180、185
C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、71
C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、175、176、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254、255、272
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50
C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64
C.I.ピグメントグリーン7、36
C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が例示できる。
【0040】
本発明に用いることのできる顔料は、自己分散性のものでも、或いは分散剤の吸着により分散するものでもどちらでも使用できる。顔料の分散剤としては、水溶性樹脂ならどのようなものでも使用することができる。具体的には、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも2つの単量体(このうち少なくとも1つは親水性単量体)からなる、ブロック共重合体、或いはランダム共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。或いは、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も好ましく使用することができる。これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂である。
【0041】
又、本発明にかかるインクセットは、インクジェット記録用(例えば、バブルジェット(登録商標)法等)であるが、光透過媒体等の被記録媒体に付着せしめる場合に優れたインクジェット吐出特性を有するように、インク所望の粘度、表面張力、pHを有するように調整することが好ましい。このためには、上記した成分の他に、界面活性剤やpH調整剤、防黴剤等、種々の添加剤を適宜添加することができる。
【0042】
(被記録媒体(光透過媒体))
本発明にかかるインクセットを用いてインクジェット記録方法で画像を形成する場合に好ましく用いられる被記録媒体としては、支持体上にシリカ又はアルミナ等から構成される多孔質のインク受容層を有する透過媒体が挙げられる。医療用に用いられる光透過媒体の場合には、ブルーベースフィルムが広く用いられている。このため、支持体として、自身が青色の透過性のフィルムを用いることが好ましい。このような支持体上に形成するインク受容層は、シリカやアルミナ等の微粒子を主とし、必要に応じて、下記に挙げるようなバインダーやその他の添加剤を含有する塗工液を塗布することによって得られる。
【0043】
上記で使用するバインダーとして好適に使用されているものとしては、水溶性高分子やラテックスを挙げることができる。例えば、ポリビニルアルコール又はその変性体、澱粉又はその変性体、ゼラチン又はその変性体、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロオイルメチルセルロース等のセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸又はその共重合体、アクリル酸エステル共重合体等が使用され、必要に応じて2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0044】
上記においては必要に応じて使用することのできる添加剤としては、例えば、分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙げられる。インク受容層としてアルミナを使用している例としては、例えば、特開平02−276670号公報が挙げられる。又、インク受容層としてシリカを使用している例としては、例えば特開2001−150803公報が挙げられる。
【0045】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、文中、%とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
【0046】
[実施例1〜3、及び比較例1、2]
(インクの作製)
下記表1に示す各成分を混合し、充分攪拌して溶解後、ポアサイズが0.2μmのフロロポアフィルター(住友電工(株)製)にて加圧濾過し、染料濃度の異なる4種類のブラックインクからなる実施例1〜3、比較例1及び2のインクセットを作製した。尚、表において、「残部」とあるのはインクの総量が100となるように水で調整したことを意味する。
【0047】
【0048】
【0049】
上記表1−1及び1−2中における各成分は下記の通りである。
・染料:C.I.フードブラック2
・低揮発性有機溶剤
a:グリセリン
b:ポリエチレングリコール(平均分子量200)
c:トリエチレングリコール
・揮発性有機溶剤
d:エチレングリコール
e:ジエチレングリコール
・界面活性剤:アセチレノールEH(商品名、川研ファインケミカル製)
【0050】
(光透過媒体の作成)
予め青色に着色した、厚さ175μmのポリエステル製の透明基材を用い、該基材の両面に、コロナ放電処理を行った。そして、以下に示す組成を有する塗布液を用いて、基材の片面にインク受容層を形成した。尚、このフィルムのCIELAB色空間で表されるLab値はL*=77、a*=−7、b*=−1であった。
【0051】
<インク受容層の作製>
・スノーテックスPS−M(日産化学製、球状コロイ
ダルシリカ分散液、固形分20.5%) 1kg
・ポリビニルアルコール10%水溶液(クラレ製、P
VA−235) 200g
先ず、上記成分をスターラー上で攪拌・混合した。その後、これに5%ホウ酸水溶液を50g加えて、インク受容層形成用の塗布液を得た。そして、得られた塗布液を上記フィルムに塗布して光透過媒体Aを得た。
【0052】
(記録方法)
インクジェット記録装置としてキヤノン(株)製BJF−870を用い、上記で得た実施例1〜3及び比較例1、2のインクセットをそれぞれ搭載して、上記で得た光透過媒体Aに画像を形成した。具体的には、印字領域を8回の走査で印字する8パス印字を行った。ここで用いた記録ヘッドは、1,200dpiの記録密度を有し、駆動条件としては、駆動周波数22kHzとした。1,200dpiのヘッドを使用したときの1ドット当たりの吐出量は、5ngのヘッドを使用した。又、各インクセットについて、上記のインクジェット記録装置にそれぞれ搭載して、上記で得た光透過媒体Aに、100%dutyのベタ印字を行った。
【0053】
その結果、印字1日後の透過印字濃度は以下の表2に示す通りであった。尚、透過印字濃度の測定にはX−Rite310TR(ステータスA濃度測定モード)を用いた。
【0054】
【0055】
表2に示した通り、各インクセットのA及びBは本発明でいう濃インク、C及びDは本発明でいう淡インクに相当する。次に、これらのインクセットを用いて、被記録媒体Aにインクジェット記録を行い、以下の評価を行った。
【0056】
<貼り付き評価>
上記で得た実施例1〜3及び比較例1、2のインクセットにより胸部X線画像を印刷し、印字3分後に記録画像上に被記録媒体を重ね合わせ、温度25℃で、湿度60%にて10分放置後、被記録媒体同士の貼り付きを評価した。表3に評価結果を示した。
○:貼り付きは殆ど確認されない。
×:貼り付きが激しい。
【0057】
<シャウカステン照射退色評価>
上記で得た実施例1〜3及び比較例1、2のインクセットによって印刷した胸部X線画像を24時間自然乾燥させた。そして、温度25℃、湿度50%の環境にて(株)精光社製シャウカステンに掛け48時間放置した。試験前後の画像を透過光にて目視観察し、退色の程度を評価した。表3に評価結果を示した。
○:退色は殆ど確認されない。
×:退色が激しい。
【0058】
【0059】
[実施例4〜7、及び比較例3〜6]
(インクの作製)
下記表4に示す各成分を混合し、充分攪拌して溶解後、ポアサイズが0.2μmのフロロポアフィルター(住友電工(株)製)にて加圧濾過し、3種類のブラックインクからなる実施例4〜7、及び比較例3〜6のインクセットを作製した。
【0060】
【0061】
【0062】
上記表4−1及び4−2中において、各成分は下記の通りである。
・染料:C.I.フードブラック2
・低揮発性有機溶剤
a:グリセリン
b:ポリエチレングリコール(分子量200)
c:トリエチレングリコール
・揮発性有機溶剤
d:エチレングリコール
e:ジエチレングリコール
・界面活性剤:アセチレノールE100(商品名、川研ファインケミカル製)
【0063】
(評価)
先の場合と同様に透過印字濃度を測定した結果、表4−1及び4−2に示したインクセットのA及びBは本発明でいう濃インクであり、Cは本発明でいう淡インクに相当した。実施例1〜3及び比較例1、2のインクセットに代えて、上記で得た実施例4〜7及び比較例3〜6のインクセットをそれぞれ用いて、先に得た光透過媒体Aに画像を形成した。そして、実施例1〜3及び比較例1、2のインクセットの場合と同様の方法で、画像の貼り付きを評価した。更に、画像の濃度低下については、下記のようにして評価した。得られた評価結果を表5に示した。
【0064】
<濃度低下評価>
実施例4〜7及び比較例3〜6で得られた各記録画像を24時間自然乾燥させ、槽内温度60℃、槽内相対湿度50%の条件の恒温槽中に7日間放置した。試験後及び試験前の記録画像を透過光にて目視観察した。その結果を表5に示した。
○:濃度低下は殆ど確認されない。
×:濃度低下が激しい。
【0065】
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高い階調性を有し、且つシャウカステン照射による利用によっても画像に退色を生じることがなく、更に、印字後における被記録媒体(光透過媒体)に貼り付きが生じることが抑制された画像の保存性にも優れた記録画像を形成することのできるインクジェット記録用のインクセット、及びインクジェット記録方法が提供される。本発明によれば、特に、高い階調性が要求される医療分野における診断用及び参照画像等の透過画像を得るシステムに好適な、同一の色相を有する複数の濃淡インクを独立に有してなるインクセット、及びインクジェット記録方法が提供される。
Claims (7)
- 同一の色相を有し、且つ互いに色材濃度が異なる複数のインクジェット記録用の第1及び第2のインクを独立に有しているインクジェット記録用インクセットであって、上記第1及び第2のインクは、少なくとも色材、水溶性有機溶剤及び水を含んでおり、
上記第1のインクは、体積4〜5plの滴として解像度1,200dpi、100%のデューティで光透過媒体に付与したときに透過濃度が0.7を超える濃度を有する画像を与えるインクであり、また該第1のインクは、インク中に含まれる水溶性有機溶剤として揮発性水溶性有機溶剤と低揮発性水溶性有機溶剤とを含み、該揮発性水溶性有機溶剤を、該水溶性有機溶剤全量に対して質量基準で50%以上含み、
上記第2のインクは、体積4〜5plの滴として解像度1,200dpi、100%のデューティで光透過媒体に付与したときに透過濃度が0.7以下の濃度を有する画像を与えるインクであり、また該第2のインクは、インク中に含まれる水溶性有機溶剤の全量に対して質量基準で50%以上の低揮発性水溶性有機溶剤を含み、
且つ、上記第1のインク中に含まれる低揮発性水溶性有機溶剤の含有量は、上記第2のインク中に含まれる低揮発性水溶性有機溶剤の含有量よりも少ないことを特徴とするインクセット。 - 色材、水溶性有機溶剤及び水を含んでいる第3のインクを更に有し、該第3のインクは、体積4〜5plの滴として解像度1,200dpi、100%のデューティで光透過媒体に付与したときに透過濃度が0.7を超える濃度を有する画像を与え、且つインク中に含まれる水溶性有機溶剤として低揮発性水溶性有機溶剤を、該水溶性有機溶剤の全量に対して質量基準で50%以上含んでいるインクである請求項1に記載のインクセット。
- 前記第1のインク中における水溶性有機溶剤の含有量がインク全量に対して10〜40質量%であり、前記第2のインク中における水溶性有機溶剤の含有量がインク全量に対して15〜50質量%であり、且つ、該第1のインクの水溶性有機溶剤の含有量が、該第2のインクのそれよりも少ない請求項1又は2に記載のインクセット。
- 前記第1及び第3のインク中における水溶性有機溶剤の含有量がインク全量に対して10〜40質量%であり、前記第2のインク中における水溶性有機溶剤の含有量がインク全量に対して15〜50質量%であり、且つ、該第1及び第3のインクの水溶性有機溶剤の含有量が、該第2のインクのそれよりも少ない請求項2に記載のインクセット。
- 前記のインクの各々が、黒色インクである請求項1〜4の何れか1項に記載のインクセット。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載のインクセットを構成している複数のインクの各々を滴として光透過媒体に付与する工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
- 請求項2に記載のインクセットを用い、且つ、階調画像の記録領域には第3のインクを用い、階調画像の非記録領域には第1のインクを用いる請求項6に記載のインクジェット記録方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007119659A (ja) * | 2005-10-31 | 2007-05-17 | Seiko Epson Corp | ブラックインク組成物少なくとも3種を含むインクセット |
-
2003
- 2003-05-16 JP JP2003138398A patent/JP2004339392A/ja active Pending
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