JP2004339087A - 日焼け止め化粧料 - Google Patents
日焼け止め化粧料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004339087A JP2004339087A JP2003135180A JP2003135180A JP2004339087A JP 2004339087 A JP2004339087 A JP 2004339087A JP 2003135180 A JP2003135180 A JP 2003135180A JP 2003135180 A JP2003135180 A JP 2003135180A JP 2004339087 A JP2004339087 A JP 2004339087A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- component
- ditrimethylolpropane
- sunscreen cosmetic
- sunscreen
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
Abstract
【課題】塗布時にきしみ感が無く、伸び広がりが良好であり、油っぽいべたつき感が無く、しかも経時的にゲル化等を生じることの無い優れた日焼け止め化粧料を提供すること。
【解決手段】次の成分(a)及び(b)を含有し、成分(a)の水酸基価(OHV)が10〜150であることを特徴とする日焼け止め化粧料を提供するものである。
(a)ジトリメチロールプロパンと脂肪酸とのエステル化合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物、該エステル化合物と多価カルボン酸との重縮合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物と脂肪酸との重縮合物、及びジトリメチロールプロパンと脂肪酸と多価カルボン酸との重縮合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上
(b)紫外線遮蔽効果を有する金属酸化物粉体。
【選択図】 なし
【解決手段】次の成分(a)及び(b)を含有し、成分(a)の水酸基価(OHV)が10〜150であることを特徴とする日焼け止め化粧料を提供するものである。
(a)ジトリメチロールプロパンと脂肪酸とのエステル化合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物、該エステル化合物と多価カルボン酸との重縮合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物と脂肪酸との重縮合物、及びジトリメチロールプロパンと脂肪酸と多価カルボン酸との重縮合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上
(b)紫外線遮蔽効果を有する金属酸化物粉体。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジトリメチロールプロパン誘導体及び紫外線遮蔽効果を有する金属酸化物粉体を含有する日焼け止め化粧料に関するものであり、更に詳しくは、該金属酸化物粉体の分散性に優れ、きしみ感が無く塗布時の伸び広がりが良好であり、油っぽいべたつき感が無く、しかも経時的にゲル化等を生じることの無い優れた日焼け止め化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
日焼け止め化粧料は、有害な紫外線から肌を守るために用いられる化粧料であり、大気圏のオゾンホール等の影響により、近年その使用量は増加傾向にある化粧料である。このような日焼け止め化粧料は、紫外線遮蔽剤として、化学的に紫外線を吸収する有機紫外線吸収剤や、物理化学的に紫外線を吸収・遮蔽する無機紫外線遮蔽剤が用いられている。前記有機紫外線吸収剤は、液状、固形状、ペースト状等の物質であり、通常は油剤又は水に溶解して用いられている。これら有機紫外線吸収剤は、可視光を透過するため、透明性に優れるが、化学構造的に不安定な物質であり、肌に刺激を与える場合があり、多量に用いることはできなかった。また、使用性の面からも、油っぽいべたつき感があることからも、多量には用いられていない。
【0003】
そこで、これら有機紫外線吸収剤の代わりに、無機紫外線遮蔽剤である、酸化チタン、酸化亜鉛等の半導体特性を有する金属酸化物粉体が用いられている。また、この金属酸化物粉体は、透明性を向上させ、且つ紫外線遮蔽効果を高めるために、平均粒径が100nm以下の、いわゆる微粒子金属酸化物粉体が汎用されている。しかし、これら金属酸化物粉体は微粒子化すると、比表面積がより大きくなり、粒子同士の結合力が強くなり凝集し易い性質を帯びてくる。このため、これら日焼け止め化粧料に金属酸化物粉体を用いる場合には、如何に凝集させずに、安定に含有させるかが重要となり、多数の技術が開発されている。
【0004】
これら従来から用いられている金属酸化物粉体を均一分散させる技術としては、シリコーン化合物で被覆した金属酸化物粉体と特定のシリコーン系界面活性剤を用いる方法(例えば、特許文献1参照)、ビーズミル等の湿式媒体ミルを用いて機械的に強分散させる方法(例えば、特許文献2参照)等が挙げられる。
【0005】
【特許文献1】
特開昭63−215615号公報(第1頁−第9頁)
【特許文献2】
特開平05−201844号公報(第1頁−第8頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シリコーン化合物で被覆した金属酸化物粉体と特定のシリコーン系界面活性剤を用いる方法では、分散効果が十分でなく、製造直後は良好な分散状態が得られたとしても、経時的に凝集を生じる場合があった。また、湿式媒体ミルを用いて機械的に強分散させる方法では、化粧料のような少量多品種を生産するには、生産効率が悪く、しかも、強分散時に熱が発生するため、油剤や添加成分が劣化する場合があった。
【0007】
このため、金属酸化物粉体の分散性に優れ、塗布時にきしみ感が無く、伸び広がりが良好であり、油っぽいべたつき感が無く、しかも経時的にゲル化等を生じることの無い優れた日焼け止め化粧料の開発が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる実情に鑑み、本発明者らは鋭意検討した結果、紫外線防御効果を有する金属酸化物粉体を分散させる分散媒として、特定のジトリメチロールプロパン誘導体を用いると、特段の機械力や表面処理を用いなくても、該金属酸化物粉体の分散性が優れることを見出し、これを日焼け止め化粧料に応用することにより、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、次の成分(a)及び(b)を含有し、成分(a)の水酸基価(OHV)が10〜150であることを特徴とする日焼け止め化粧料を提供するものである。
(a)ジトリメチロールプロパンと脂肪酸との下記一般式(I)で示されるエステル化合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物、下記一般式(I)で示されるエステル化合物と多価カルボン酸との重縮合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物と脂肪酸との重縮合物、及びジトリメチロールプロパンと脂肪酸と多価カルボン酸との重縮合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上
【化2】
(式中、R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子又は脂肪酸残基を表す。)
(b)紫外線遮蔽効果を有する金属酸化物粉体。
なお、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物と脂肪酸との重縮合物とは、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物と、脂肪酸とのエステル化反応で得られた重縮合物のことを示す。
【0010】
本発明は、成分(a)及び(b)を含有するものであって、界面活性剤である成分(c)及び/又は有機紫外線吸収剤である成分(d)を含有する日焼け止め化粧料を提供するものである。
【0011】
さらに、成分(b)の平均粒径が10〜100nmである日焼け止め化粧料を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる成分(a)はジトリメチロールプロパンと脂肪酸との下記一般式(I)で示されるエステル化合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物、下記一般式(I)で示されるエステル化合物と多価カルボン酸との重縮合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物と脂肪酸との重縮合物、及びジトリメチロールプロパンと脂肪酸と多価カルボン酸との重縮合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上である。
【化3】
(式中、R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子又は脂肪酸残基を表す。)
【0013】
成分(a)を構成する脂肪酸としては、炭素数5〜28の直鎖又は分岐鎖の脂肪酸が好ましく、特に分岐鎖の脂肪酸が好ましい。このような分岐鎖の脂肪酸としては、例えば、ピバリン酸、イソヘプタン酸、4−エチルペンタン酸、イソオクチル酸、2−エチルヘキサン酸、4,5−ジメチルヘキサン酸、4−プロピルペンタン酸、イソノナン酸、2−エチルヘプタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、イソデカン酸、イソドデカン酸、2−メチルデカン酸、3−メチルデカン酸、4−メチルデカン酸、5−メチルデカン酸、6−メチルデカン酸、7−メチルデカン酸、9−メチルデカン酸、6−エチルノナン酸、5−プロピルオクタン酸、イソラウリン酸、3−メチルヘンデカン酸、6−プロピルノナン酸、イソトリデカン酸、2−メチルドデカン酸、3−メチルドデカン酸、4−メチルドデカン酸、5−メチルドデカン酸、11−メチルドデカン酸、7−プロピルデカン酸、イソミリスチン酸、2−メチルトリデカン酸、12−メチルトリデカン酸、イソパルミチン酸、2−ヘキシルデカン酸、14−メチルペンタデカン酸、2−エチルテトラデカン酸、イソステアリン酸、メチル分岐型イソステアリン酸、2−へプチルウンデカン酸、2−イソへプチルイソウンデカン酸、2−エチルヘキサデカン酸、14−エチルヘキサデカン酸、14−メチルヘプタデカン酸、15−メチルヘプタデカン酸、16−メチルヘプタデカン酸、2−ブチルテトラデカン酸、イソアラキン酸、3−メチルノナデカン酸、2−エチルオクタデカン酸、イソヘキサコ酸、24−メチルヘプタコサン酸、2−エチルテトラコサン酸、2−ブチルドコサン酸、2−ヘキシルイコサン酸、2−オクチルオクタデカン酸、2−デシルヘキサデカン酸等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。尚、これら脂肪酸の中でも、イソオクチル酸、(さらに好ましくは、2−エチルヘキサン酸、4,5−ジメチルヘキサン酸)、イソノナン酸(さらに好ましくは、2−エチルヘプタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸)、イソパルミチン酸、イソトリデカン酸、イソステアリン酸(さらに好ましくは、メチル分岐型イソステアリン酸、2−ヘプチルウンデカン酸、2−イソヘプチルイソウンデカン酸)などの炭素数8〜18の分岐飽和脂肪酸が好ましい。
【0014】
また、このような直鎖脂肪酸としては、例えば、カプロン酸、カプリル酸、オクチル酸、ノニル酸、デカン酸、ドデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの直鎖飽和脂肪酸、また、カプロレイン酸、ウンデシレン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、ゴンドイン酸、エルカ酸、ブラシン酸等の直鎖不飽和脂肪酸が挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。
【0015】
本発明の成分(a)のエステル化合物は、モノ、ジ、トリ、又はテトラのエステル化合物の1種又は2種以上からなるものである。
【0016】
また、本発明の成分(a)の重縮合物を調製するための多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の炭素数2〜10の二塩基性カルボン酸が好ましい。尚、これらは1種又は2種以上を使用することができる。
【0017】
本発明の成分(a)の水酸基価(以下、「OHV」と略す)は、10〜150のものが好ましく、30〜150のものがより好ましく、40〜100のものが最も好ましい。成分(a)のOHVが、このような範囲にあると、他の油性成分に対する相溶性をより良好にできる。尚、OHVとは、粧原基一般試験法水酸基価測定法により得られた値とする。
【0018】
本発明の成分(a)は、室温で液状であるのが好ましく、その粘度(25℃)は100〜30000mPa・sであるのが好ましい。
【0019】
成分(a)の調製方法は、特に限定されないが、例えば、ジトリメチロールプロパン1当量に対し脂肪酸及び/又は多価カルボン酸を1.5〜3.5当量仕込み、無触媒または触媒(たとえば塩化スズ)存在下、180〜240℃にてエステル化及び/又は脱水縮合反応を行い、次いで、反応混合物を吸着処理等に付して触媒除去処理を行い、蒸留等により未反応原料など低分子分を除去して、最終製品を得る方法等により調製することができる。
【0020】
本発明の日焼け止め化粧料における成分(a)の含有量は、特に限定されるものではないが、1〜50質量%が好ましく、更には5〜30質量%が好ましい。成分(a)をこの範囲で用いると、成分(b)の分散性が特に良好な日焼け止め化粧料を得ることができる。
【0021】
本発明に用いられる成分(b)は、紫外線遮蔽効果を有する金属酸化物粉体であり、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。成分(b)の金属酸化物は、良好な紫外線遮蔽効果の観点より、その平均粒径体は、10〜100nmが好ましい。また、成分(b)の形状は、特に限定されないが、球状、針状、紡錘状、板状、薄片状等が挙げられる。尚、成分(b)は、表面活性を低下させるために、シリカ、アルミナ等の無機化合物により処理されていても良い。
【0022】
このような成分(b)の金属酸化物粉体は、市販としては、TIPAQUE TTO−55A(石原産業社製)、TIPAQUE TTO−S2(石原産業社製)、TIPAQUE CR−50(石原産業社製)、微粒子酸化チタンMT−500SA(テイカ社製)、チタンP−25(デグッサ社製)等の酸化チタン、FINEX−25,50,75(何れも、堺化学社製)、超微粒子酸化亜鉛ZnO−310(住友大阪セメント社製)等の酸化亜鉛等が挙げられる。
【0023】
また、成分(b)は、肌への付着性向上等を目的として、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸等のシリコーン化合物、パーフルオロポリエーテルリン酸やパーフルオロアルキルリン酸エステル、フッ素変性シリコーン等のフッ素化合物、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム等の金属石鹸、N−長鎖アシルアミノ酸等のアミノ酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸、セタノール等の高級アルコール、ワックス、界面活性剤等の通常公知の表面処理剤を通常公知の方法で表面処理して用いることもできる。
【0024】
本発明の日焼け止め化粧料における成分(b)の含有量は、特に限定されるものではないが、1〜40質量%が好ましく、更には5〜30質量%が好ましい。成分(b)をこの範囲で用いると、紫外線遮蔽効果と塗布時の伸び広がり特に良好な日焼け止め化粧料を得ることができる。
【0025】
本発明の日焼け止め化粧料には、前記成分(a)及び(b)に加えて、成分(c)として界面活性剤を含有させることにより、成分(b)の金属酸化物粉体の分散性を向上させることができる。このような界面活性剤としては、通常化粧料に一般に用いられている界面活性剤であれば何れでも良く、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、モノステアリン酸グリセリル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、モノオレイン酸ソルビタンポリオキシエチレン、セスキオレイン酸ソルビタン、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、o−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン、水素添加大豆リン脂質等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。
【0026】
本発明の日焼け止め化粧料における成分(c)の含有量は、特に限定されるものではないが、0.1〜10質量%が好ましく、更には1〜5質量%が好ましい。成分(c)をこの範囲で用いると、成分(b)の分散性が特に良好な日焼け止め化粧料を得ることができる。
【0027】
本発明の日焼け止め化粧料には、前記成分(a)、(b)及び(c)に加えて、成分(d)として有機紫外線吸収剤を含有させることにより、紫外線遮蔽効果を向上させることができ、また、成分(b)の含有量を減らすことにより、塗布時の伸び広がりをより向上させることができる。さらに、成分(c)を含有させず、成分(a)及び(b)に加えて成分(d)を含有させることもできる。このような有機紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、パラジヒドロキシプロピル安息香酸エチル等のPABA系化合物、パラ−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−メトキシケイ皮酸−2−エトキシエチル等のケイ皮酸系化合物、サリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル等のサリチル酸系化合物、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン等のジベンゾイル系化合物が挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。
【0028】
本発明の日焼け止め化粧料における成分(d)の含有量は、特に限定されるものではないが、1〜10質量%が好ましい。成分(d)をこの範囲で用いると、紫外線遮蔽効果に優れ、塗布時の伸び広がりが特に良好な日焼け止め化粧料を得ることができる。
【0029】
本発明の日焼け止め化粧料には、上記の成分に加え、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、成分(a)以外の油剤、成分(b)以外の粉体、水性成分、水溶性高分子、pH調整剤、被膜形成剤、エタノール等の溶剤、パラオキシ安息香酸メチル等のパラオキシ安息香酸誘導体、フェノキシエタノール等の防腐剤、ビタミン類、美容成分、保湿剤、香料、殺菌剤、酸化防止剤等の1種又は2種以上を使用することができる。
【0030】
本発明の日焼け止め化粧料に用いられる成分(a)以外の油剤としては、通常化粧料に用いられる油剤であれば特に限定されず、動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等の油剤が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、フィッシャトロプスワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油、モクロウ等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネート、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ロジン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、低重合度ジメチルポリシロキサン、セチルジメチコンコーポリオール、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
【0031】
本発明の日焼け止め化粧料に用いられる成分(b)以外の粉体としては、着色剤、感触調整剤等の目的で含有されるものであり、一般的に化粧料に用いられる粉体であれば特に限定されず、球状、板状、針状等の形状や、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、シリカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、酸化亜鉛、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、群青、コンジョウ、タール色素、天然色素、雲母チタン、酸化鉄雲母チタン、ナイロンパウダー、シリコーンパウダー等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。また、これら粉体は、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、トリメトキシシロキシケイ酸等のシリコーン化合物、パーフルオロポリエーテルリン酸やパーフルオロアルキルリン酸エステル、フッ素変性シリコーン等のフッ素化合物、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム等の金属石鹸、N−長鎖アシルアミノ酸等のアミノ酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸、セタノール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール、ワックス、界面活性剤等の通常公知表面処理剤を通常公知の方法で表面処理して用いることもできる。
【0032】
本発明の日焼け止め化粧料に用いられる水性成分としては、水及び水に可溶な成分であり、通常、化粧料に用いられるものであれば何れでもよく、例えば、水や、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液を挙げることができ、これらを必要に応じて1種又は2種以上を使用することができる。
【0033】
本発明の日焼け止め化粧料に用いられる水溶性高分子としては、安定性向上、感触改良等を目的として含有されるものである。具体的には、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体類、アルギン酸ソーダ、カラギーナン、クインスシードガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ペクチン、ジェランガム等の天然高分子類、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸グリセリンエステル,ポリビニルピロリドン等の合成高分子類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
【0034】
本発明の日焼け止め化粧料の剤型は、特に限定されないが、油中水型、水中油型等の乳化剤型、油性剤型、粉体剤型等が挙げられる。また形態としては、液状、乳液状、多層状、クリーム状、ペースト状、固形状、粉末状等が挙げられる。
【0035】
本発明の日焼け止め化粧料は、サンスクリーン剤等の日焼け止め料等の他に、ファンデーション、下地料、コンシーラー、白粉、アイシャドウ、頬紅、口紅等のメーキャップ化粧料、乳液、美容液等のスキンケア化粧料等に紫外線遮蔽効果を付与したものにも適用可能である。これらの化粧料の製法は、何ら限定されるものではなく、通常の方法で調整することができる。
【0036】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0037】
(製造例1)ジトリメチロールプロパンとイソステアリン酸とセバシン酸との重縮合物の調製
ジトリメチロールプロパン(広栄化学社製:ジトリメチロールプロパン)168g(0.8モル)、イソステアリン酸(ユニケマ社製:PRISORINE3505)392g(1.3モル)、及びセバシン酸(小倉合成工業社製:セバシン酸)41g(0.2モル)を攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管、水分離管を備えた1Lの4つ口フラスコに仕込み、還流溶剤として、キシロールを全仕込量の5質量%の量で一緒に加え、攪拌しながら混合物を180〜240℃で6時間反応させた。反応終了後、活性白土を用いて脱色し、常法による脱臭を行い、ジトリメチロールプロパンとイソステアリン酸とセバシン酸との重縮合物436gを得た。この重縮合物のOHVは92であった。
【0038】
(製造例2)ジトリメチロールプロパンと2−エチルヘキサン酸とのエステル化合物の調製
ジトリメチロールプロパン(広栄化学社製:ジトリメチロールプロパン)211g(0.8モル)と2−エチルヘキサン酸(チッソ社製:オクチル酸)389g(2.7モル)を攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管、水分離管を備えた1Lの4つ口フラスコに仕込み、還流溶剤として、キシロールを全仕込量の5質量%の量で一緒に加え、攪拌しながら混合物を180〜240℃で19時間反応させた。反応終了後、活性白土を用いて脱色し、常法による脱臭を行い、ジトリメチロールプロパンと2−エチルヘキサン酸とのエステル化合物421gを得た。このエステル化合物のOHVは89であった。
【0039】
実施例1〜7及び比較例1〜2:多層状油中水型乳化日焼け止め料
表1に示す組成の日焼け止め料を下記方法により調製し、「粉体の分散性」、「経時安定性」、「塗布時の伸び広がり」、「べたつき感の無さ」の各項目について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を併せて表1に示した。
【0040】
【表1】
注(1):TIPAQUE TTO−S2(石原産業社製)
注(2):FINEX 25(堺化学工業社製)をメチルハイドロジェンポリシロキサンで5%処理したもの
注(3):ABIL EM−90(ゴールドシュミット社製)
【0041】
(製 法1:実施例1〜7及び比較例1)
A. 成分1〜13を均一に混合する。
B. 成分14〜17を均一に混合する。
C. A工程で得られた混合物にB工程で得られた混合物を添加して、乳化する。
D. C工程で得られた乳化物をステンレスボール入りの樹脂ボトルに充填して、多層状油中水型乳化日焼け止め料を得た。
(製 法2:比較例2)
A. 成分3と成分5をビーズミルにて1時間処理する。
B. A工程で得られた処理物に成分6〜13加え、を均一に混合する。
C. 成分14〜17を均一に混合する。
D. B工程で得られた混合物にC工程で得られた混合物を添加して、乳化する。
E. D工程で得られた乳化物をステンレスボール入りの樹脂ボトルに充填して多層状油中水型乳化日焼け止め料を得た。
【0042】
(評価方法1:塗布時の伸び広がり、べたつき感の無さ)
実施例及び比較例の日焼け止め料を化粧品評価専門パネル20名に2週間使用してもらい、「塗布時の伸び広がり」、「べたつき感の無さ」の各項目について、各パネルが日焼け止め料毎に、以下に示す1〜5点の5段階の評価基準により評点を付した。そして、全パネルの評点の平均点を算出し、以下の4段階の判定基準により判定した。
【0043】
<評価基準>
内 容 評 点(点)
非常に良好 : 5
良好 : 4
普通 : 3
やや不良 : 2
不良 : 1
【0044】
【0045】
(評価方法2:粉体の分散性)
実施例及び比較例の日焼け止め料を室温で24時間放置した後、光学顕微鏡(1000倍)で粉体の分散状態を観察し、以下に示す判定基準により判定した。
<判定基準>
粉体の分散状態 判 定
凝集が全く無い : ◎
僅かに極小の凝集が有る : ○
全体的に小さい凝集有る : △
大きな凝集が有る : ×
【0046】
(評価方法3:経時安定性)
実施例及び比較例の日焼け止め料を40℃の恒温槽に3ヶ月間保管し、室温保管品と比較して、外観の変化(ゲル化等)を以下に示す判定基準により判定した。
【0047】
表1の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例1〜7の多層状油中水型乳化日焼け止め料は、何れも「粉体の分散性」、「経時安定性」、「塗布時の伸び広がり」、「べたつき感の無さ」の全ての項目に優れた日焼け止め化粧料であった。一方、本発明の構成成分である成分(a)の化合物を含有しない比較例1は、粉体の分散性に劣り、塗布時の伸び広がりも良好ではなかった。また、湿式強分散機器を用いた比較例2では、製造直後の粉体の分散性は良好であったが、直ぐに凝集する傾向にあり、経時安定性等も良好ではなかった。
【0048】
実施例8:クリーム状水中油型日焼け止め料
注(4):微粒子酸化チタンMT−500SA(テイカ社製)
【0049】
(製 法)
A. 成分1〜10を70℃に加熱し、均一に混合する。
B. 成分12〜16を70℃に加熱し、均一に混合する。
C. A工程で得られた混合物にB工程で得られた混合物を添加して、乳化する。
D. C工程で得られた乳化物を室温まで冷却後、成分11を添加し、混合する。
E. D工程で得られた混合物を容器に充填してクリーム状水中油型日焼け止め料を得た。
本発明品である、実施例8のクリーム状水中油型日焼け止め料は、粉体の分散性」、「経時安定性」、「塗布時の伸び広がり」、「べたつき感の無さ」の全ての項目に優れた日焼け止め化粧料であった。
【0050】
実施例9:スティック状油性型コンシーラー
注(5):TIPAQUE CR−50(石原産業社製)をステアリン酸にて3質量%処理した粉体
注(6):コスモール168AR(日清オイリオ社製)
【0051】
(製 法)
A. 成分6〜14を70℃に加熱し、均一に混合する。
B. A工程で得られた混合物に成分1〜5及び成分15を添加し、均一に混合する。
C. B工程で得られた混合物を再び加熱溶解し、脱泡する。
D. C工程で得られた処理物をスティック容器に充填し、室温まで冷却し、スティック状油性型コンシーラーを得た。
本発明品である、実施例9のスティック状油性型コンシーラーは、粉体の分散性」、「経時安定性」、「塗布時の伸び広がり」、「べたつき感の無さ」の全ての項目に優れた日焼け止め化粧料であった。
【0052】
【発明の効果】
本発明の日焼け止め化粧料は、塗布時にきしみ感が無く、伸び広がりが良好であり、油っぽいべたつき感が無く、しかも経時的にゲル化等を生じることの無い優れた日焼け止め化粧料であった。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジトリメチロールプロパン誘導体及び紫外線遮蔽効果を有する金属酸化物粉体を含有する日焼け止め化粧料に関するものであり、更に詳しくは、該金属酸化物粉体の分散性に優れ、きしみ感が無く塗布時の伸び広がりが良好であり、油っぽいべたつき感が無く、しかも経時的にゲル化等を生じることの無い優れた日焼け止め化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
日焼け止め化粧料は、有害な紫外線から肌を守るために用いられる化粧料であり、大気圏のオゾンホール等の影響により、近年その使用量は増加傾向にある化粧料である。このような日焼け止め化粧料は、紫外線遮蔽剤として、化学的に紫外線を吸収する有機紫外線吸収剤や、物理化学的に紫外線を吸収・遮蔽する無機紫外線遮蔽剤が用いられている。前記有機紫外線吸収剤は、液状、固形状、ペースト状等の物質であり、通常は油剤又は水に溶解して用いられている。これら有機紫外線吸収剤は、可視光を透過するため、透明性に優れるが、化学構造的に不安定な物質であり、肌に刺激を与える場合があり、多量に用いることはできなかった。また、使用性の面からも、油っぽいべたつき感があることからも、多量には用いられていない。
【0003】
そこで、これら有機紫外線吸収剤の代わりに、無機紫外線遮蔽剤である、酸化チタン、酸化亜鉛等の半導体特性を有する金属酸化物粉体が用いられている。また、この金属酸化物粉体は、透明性を向上させ、且つ紫外線遮蔽効果を高めるために、平均粒径が100nm以下の、いわゆる微粒子金属酸化物粉体が汎用されている。しかし、これら金属酸化物粉体は微粒子化すると、比表面積がより大きくなり、粒子同士の結合力が強くなり凝集し易い性質を帯びてくる。このため、これら日焼け止め化粧料に金属酸化物粉体を用いる場合には、如何に凝集させずに、安定に含有させるかが重要となり、多数の技術が開発されている。
【0004】
これら従来から用いられている金属酸化物粉体を均一分散させる技術としては、シリコーン化合物で被覆した金属酸化物粉体と特定のシリコーン系界面活性剤を用いる方法(例えば、特許文献1参照)、ビーズミル等の湿式媒体ミルを用いて機械的に強分散させる方法(例えば、特許文献2参照)等が挙げられる。
【0005】
【特許文献1】
特開昭63−215615号公報(第1頁−第9頁)
【特許文献2】
特開平05−201844号公報(第1頁−第8頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シリコーン化合物で被覆した金属酸化物粉体と特定のシリコーン系界面活性剤を用いる方法では、分散効果が十分でなく、製造直後は良好な分散状態が得られたとしても、経時的に凝集を生じる場合があった。また、湿式媒体ミルを用いて機械的に強分散させる方法では、化粧料のような少量多品種を生産するには、生産効率が悪く、しかも、強分散時に熱が発生するため、油剤や添加成分が劣化する場合があった。
【0007】
このため、金属酸化物粉体の分散性に優れ、塗布時にきしみ感が無く、伸び広がりが良好であり、油っぽいべたつき感が無く、しかも経時的にゲル化等を生じることの無い優れた日焼け止め化粧料の開発が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる実情に鑑み、本発明者らは鋭意検討した結果、紫外線防御効果を有する金属酸化物粉体を分散させる分散媒として、特定のジトリメチロールプロパン誘導体を用いると、特段の機械力や表面処理を用いなくても、該金属酸化物粉体の分散性が優れることを見出し、これを日焼け止め化粧料に応用することにより、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、次の成分(a)及び(b)を含有し、成分(a)の水酸基価(OHV)が10〜150であることを特徴とする日焼け止め化粧料を提供するものである。
(a)ジトリメチロールプロパンと脂肪酸との下記一般式(I)で示されるエステル化合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物、下記一般式(I)で示されるエステル化合物と多価カルボン酸との重縮合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物と脂肪酸との重縮合物、及びジトリメチロールプロパンと脂肪酸と多価カルボン酸との重縮合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上
【化2】
(式中、R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子又は脂肪酸残基を表す。)
(b)紫外線遮蔽効果を有する金属酸化物粉体。
なお、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物と脂肪酸との重縮合物とは、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物と、脂肪酸とのエステル化反応で得られた重縮合物のことを示す。
【0010】
本発明は、成分(a)及び(b)を含有するものであって、界面活性剤である成分(c)及び/又は有機紫外線吸収剤である成分(d)を含有する日焼け止め化粧料を提供するものである。
【0011】
さらに、成分(b)の平均粒径が10〜100nmである日焼け止め化粧料を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる成分(a)はジトリメチロールプロパンと脂肪酸との下記一般式(I)で示されるエステル化合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物、下記一般式(I)で示されるエステル化合物と多価カルボン酸との重縮合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物と脂肪酸との重縮合物、及びジトリメチロールプロパンと脂肪酸と多価カルボン酸との重縮合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上である。
【化3】
(式中、R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子又は脂肪酸残基を表す。)
【0013】
成分(a)を構成する脂肪酸としては、炭素数5〜28の直鎖又は分岐鎖の脂肪酸が好ましく、特に分岐鎖の脂肪酸が好ましい。このような分岐鎖の脂肪酸としては、例えば、ピバリン酸、イソヘプタン酸、4−エチルペンタン酸、イソオクチル酸、2−エチルヘキサン酸、4,5−ジメチルヘキサン酸、4−プロピルペンタン酸、イソノナン酸、2−エチルヘプタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、イソデカン酸、イソドデカン酸、2−メチルデカン酸、3−メチルデカン酸、4−メチルデカン酸、5−メチルデカン酸、6−メチルデカン酸、7−メチルデカン酸、9−メチルデカン酸、6−エチルノナン酸、5−プロピルオクタン酸、イソラウリン酸、3−メチルヘンデカン酸、6−プロピルノナン酸、イソトリデカン酸、2−メチルドデカン酸、3−メチルドデカン酸、4−メチルドデカン酸、5−メチルドデカン酸、11−メチルドデカン酸、7−プロピルデカン酸、イソミリスチン酸、2−メチルトリデカン酸、12−メチルトリデカン酸、イソパルミチン酸、2−ヘキシルデカン酸、14−メチルペンタデカン酸、2−エチルテトラデカン酸、イソステアリン酸、メチル分岐型イソステアリン酸、2−へプチルウンデカン酸、2−イソへプチルイソウンデカン酸、2−エチルヘキサデカン酸、14−エチルヘキサデカン酸、14−メチルヘプタデカン酸、15−メチルヘプタデカン酸、16−メチルヘプタデカン酸、2−ブチルテトラデカン酸、イソアラキン酸、3−メチルノナデカン酸、2−エチルオクタデカン酸、イソヘキサコ酸、24−メチルヘプタコサン酸、2−エチルテトラコサン酸、2−ブチルドコサン酸、2−ヘキシルイコサン酸、2−オクチルオクタデカン酸、2−デシルヘキサデカン酸等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。尚、これら脂肪酸の中でも、イソオクチル酸、(さらに好ましくは、2−エチルヘキサン酸、4,5−ジメチルヘキサン酸)、イソノナン酸(さらに好ましくは、2−エチルヘプタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸)、イソパルミチン酸、イソトリデカン酸、イソステアリン酸(さらに好ましくは、メチル分岐型イソステアリン酸、2−ヘプチルウンデカン酸、2−イソヘプチルイソウンデカン酸)などの炭素数8〜18の分岐飽和脂肪酸が好ましい。
【0014】
また、このような直鎖脂肪酸としては、例えば、カプロン酸、カプリル酸、オクチル酸、ノニル酸、デカン酸、ドデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの直鎖飽和脂肪酸、また、カプロレイン酸、ウンデシレン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、ゴンドイン酸、エルカ酸、ブラシン酸等の直鎖不飽和脂肪酸が挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。
【0015】
本発明の成分(a)のエステル化合物は、モノ、ジ、トリ、又はテトラのエステル化合物の1種又は2種以上からなるものである。
【0016】
また、本発明の成分(a)の重縮合物を調製するための多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の炭素数2〜10の二塩基性カルボン酸が好ましい。尚、これらは1種又は2種以上を使用することができる。
【0017】
本発明の成分(a)の水酸基価(以下、「OHV」と略す)は、10〜150のものが好ましく、30〜150のものがより好ましく、40〜100のものが最も好ましい。成分(a)のOHVが、このような範囲にあると、他の油性成分に対する相溶性をより良好にできる。尚、OHVとは、粧原基一般試験法水酸基価測定法により得られた値とする。
【0018】
本発明の成分(a)は、室温で液状であるのが好ましく、その粘度(25℃)は100〜30000mPa・sであるのが好ましい。
【0019】
成分(a)の調製方法は、特に限定されないが、例えば、ジトリメチロールプロパン1当量に対し脂肪酸及び/又は多価カルボン酸を1.5〜3.5当量仕込み、無触媒または触媒(たとえば塩化スズ)存在下、180〜240℃にてエステル化及び/又は脱水縮合反応を行い、次いで、反応混合物を吸着処理等に付して触媒除去処理を行い、蒸留等により未反応原料など低分子分を除去して、最終製品を得る方法等により調製することができる。
【0020】
本発明の日焼け止め化粧料における成分(a)の含有量は、特に限定されるものではないが、1〜50質量%が好ましく、更には5〜30質量%が好ましい。成分(a)をこの範囲で用いると、成分(b)の分散性が特に良好な日焼け止め化粧料を得ることができる。
【0021】
本発明に用いられる成分(b)は、紫外線遮蔽効果を有する金属酸化物粉体であり、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。成分(b)の金属酸化物は、良好な紫外線遮蔽効果の観点より、その平均粒径体は、10〜100nmが好ましい。また、成分(b)の形状は、特に限定されないが、球状、針状、紡錘状、板状、薄片状等が挙げられる。尚、成分(b)は、表面活性を低下させるために、シリカ、アルミナ等の無機化合物により処理されていても良い。
【0022】
このような成分(b)の金属酸化物粉体は、市販としては、TIPAQUE TTO−55A(石原産業社製)、TIPAQUE TTO−S2(石原産業社製)、TIPAQUE CR−50(石原産業社製)、微粒子酸化チタンMT−500SA(テイカ社製)、チタンP−25(デグッサ社製)等の酸化チタン、FINEX−25,50,75(何れも、堺化学社製)、超微粒子酸化亜鉛ZnO−310(住友大阪セメント社製)等の酸化亜鉛等が挙げられる。
【0023】
また、成分(b)は、肌への付着性向上等を目的として、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸等のシリコーン化合物、パーフルオロポリエーテルリン酸やパーフルオロアルキルリン酸エステル、フッ素変性シリコーン等のフッ素化合物、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム等の金属石鹸、N−長鎖アシルアミノ酸等のアミノ酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸、セタノール等の高級アルコール、ワックス、界面活性剤等の通常公知の表面処理剤を通常公知の方法で表面処理して用いることもできる。
【0024】
本発明の日焼け止め化粧料における成分(b)の含有量は、特に限定されるものではないが、1〜40質量%が好ましく、更には5〜30質量%が好ましい。成分(b)をこの範囲で用いると、紫外線遮蔽効果と塗布時の伸び広がり特に良好な日焼け止め化粧料を得ることができる。
【0025】
本発明の日焼け止め化粧料には、前記成分(a)及び(b)に加えて、成分(c)として界面活性剤を含有させることにより、成分(b)の金属酸化物粉体の分散性を向上させることができる。このような界面活性剤としては、通常化粧料に一般に用いられている界面活性剤であれば何れでも良く、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、モノステアリン酸グリセリル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、モノオレイン酸ソルビタンポリオキシエチレン、セスキオレイン酸ソルビタン、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、o−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン、水素添加大豆リン脂質等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。
【0026】
本発明の日焼け止め化粧料における成分(c)の含有量は、特に限定されるものではないが、0.1〜10質量%が好ましく、更には1〜5質量%が好ましい。成分(c)をこの範囲で用いると、成分(b)の分散性が特に良好な日焼け止め化粧料を得ることができる。
【0027】
本発明の日焼け止め化粧料には、前記成分(a)、(b)及び(c)に加えて、成分(d)として有機紫外線吸収剤を含有させることにより、紫外線遮蔽効果を向上させることができ、また、成分(b)の含有量を減らすことにより、塗布時の伸び広がりをより向上させることができる。さらに、成分(c)を含有させず、成分(a)及び(b)に加えて成分(d)を含有させることもできる。このような有機紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、パラジヒドロキシプロピル安息香酸エチル等のPABA系化合物、パラ−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−メトキシケイ皮酸−2−エトキシエチル等のケイ皮酸系化合物、サリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル等のサリチル酸系化合物、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン等のジベンゾイル系化合物が挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。
【0028】
本発明の日焼け止め化粧料における成分(d)の含有量は、特に限定されるものではないが、1〜10質量%が好ましい。成分(d)をこの範囲で用いると、紫外線遮蔽効果に優れ、塗布時の伸び広がりが特に良好な日焼け止め化粧料を得ることができる。
【0029】
本発明の日焼け止め化粧料には、上記の成分に加え、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、成分(a)以外の油剤、成分(b)以外の粉体、水性成分、水溶性高分子、pH調整剤、被膜形成剤、エタノール等の溶剤、パラオキシ安息香酸メチル等のパラオキシ安息香酸誘導体、フェノキシエタノール等の防腐剤、ビタミン類、美容成分、保湿剤、香料、殺菌剤、酸化防止剤等の1種又は2種以上を使用することができる。
【0030】
本発明の日焼け止め化粧料に用いられる成分(a)以外の油剤としては、通常化粧料に用いられる油剤であれば特に限定されず、動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等の油剤が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、フィッシャトロプスワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油、モクロウ等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネート、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ロジン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、低重合度ジメチルポリシロキサン、セチルジメチコンコーポリオール、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
【0031】
本発明の日焼け止め化粧料に用いられる成分(b)以外の粉体としては、着色剤、感触調整剤等の目的で含有されるものであり、一般的に化粧料に用いられる粉体であれば特に限定されず、球状、板状、針状等の形状や、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、シリカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、酸化亜鉛、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、群青、コンジョウ、タール色素、天然色素、雲母チタン、酸化鉄雲母チタン、ナイロンパウダー、シリコーンパウダー等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。また、これら粉体は、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、トリメトキシシロキシケイ酸等のシリコーン化合物、パーフルオロポリエーテルリン酸やパーフルオロアルキルリン酸エステル、フッ素変性シリコーン等のフッ素化合物、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム等の金属石鹸、N−長鎖アシルアミノ酸等のアミノ酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸、セタノール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール、ワックス、界面活性剤等の通常公知表面処理剤を通常公知の方法で表面処理して用いることもできる。
【0032】
本発明の日焼け止め化粧料に用いられる水性成分としては、水及び水に可溶な成分であり、通常、化粧料に用いられるものであれば何れでもよく、例えば、水や、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液を挙げることができ、これらを必要に応じて1種又は2種以上を使用することができる。
【0033】
本発明の日焼け止め化粧料に用いられる水溶性高分子としては、安定性向上、感触改良等を目的として含有されるものである。具体的には、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体類、アルギン酸ソーダ、カラギーナン、クインスシードガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ペクチン、ジェランガム等の天然高分子類、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸グリセリンエステル,ポリビニルピロリドン等の合成高分子類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
【0034】
本発明の日焼け止め化粧料の剤型は、特に限定されないが、油中水型、水中油型等の乳化剤型、油性剤型、粉体剤型等が挙げられる。また形態としては、液状、乳液状、多層状、クリーム状、ペースト状、固形状、粉末状等が挙げられる。
【0035】
本発明の日焼け止め化粧料は、サンスクリーン剤等の日焼け止め料等の他に、ファンデーション、下地料、コンシーラー、白粉、アイシャドウ、頬紅、口紅等のメーキャップ化粧料、乳液、美容液等のスキンケア化粧料等に紫外線遮蔽効果を付与したものにも適用可能である。これらの化粧料の製法は、何ら限定されるものではなく、通常の方法で調整することができる。
【0036】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0037】
(製造例1)ジトリメチロールプロパンとイソステアリン酸とセバシン酸との重縮合物の調製
ジトリメチロールプロパン(広栄化学社製:ジトリメチロールプロパン)168g(0.8モル)、イソステアリン酸(ユニケマ社製:PRISORINE3505)392g(1.3モル)、及びセバシン酸(小倉合成工業社製:セバシン酸)41g(0.2モル)を攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管、水分離管を備えた1Lの4つ口フラスコに仕込み、還流溶剤として、キシロールを全仕込量の5質量%の量で一緒に加え、攪拌しながら混合物を180〜240℃で6時間反応させた。反応終了後、活性白土を用いて脱色し、常法による脱臭を行い、ジトリメチロールプロパンとイソステアリン酸とセバシン酸との重縮合物436gを得た。この重縮合物のOHVは92であった。
【0038】
(製造例2)ジトリメチロールプロパンと2−エチルヘキサン酸とのエステル化合物の調製
ジトリメチロールプロパン(広栄化学社製:ジトリメチロールプロパン)211g(0.8モル)と2−エチルヘキサン酸(チッソ社製:オクチル酸)389g(2.7モル)を攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管、水分離管を備えた1Lの4つ口フラスコに仕込み、還流溶剤として、キシロールを全仕込量の5質量%の量で一緒に加え、攪拌しながら混合物を180〜240℃で19時間反応させた。反応終了後、活性白土を用いて脱色し、常法による脱臭を行い、ジトリメチロールプロパンと2−エチルヘキサン酸とのエステル化合物421gを得た。このエステル化合物のOHVは89であった。
【0039】
実施例1〜7及び比較例1〜2:多層状油中水型乳化日焼け止め料
表1に示す組成の日焼け止め料を下記方法により調製し、「粉体の分散性」、「経時安定性」、「塗布時の伸び広がり」、「べたつき感の無さ」の各項目について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を併せて表1に示した。
【0040】
【表1】
注(1):TIPAQUE TTO−S2(石原産業社製)
注(2):FINEX 25(堺化学工業社製)をメチルハイドロジェンポリシロキサンで5%処理したもの
注(3):ABIL EM−90(ゴールドシュミット社製)
【0041】
(製 法1:実施例1〜7及び比較例1)
A. 成分1〜13を均一に混合する。
B. 成分14〜17を均一に混合する。
C. A工程で得られた混合物にB工程で得られた混合物を添加して、乳化する。
D. C工程で得られた乳化物をステンレスボール入りの樹脂ボトルに充填して、多層状油中水型乳化日焼け止め料を得た。
(製 法2:比較例2)
A. 成分3と成分5をビーズミルにて1時間処理する。
B. A工程で得られた処理物に成分6〜13加え、を均一に混合する。
C. 成分14〜17を均一に混合する。
D. B工程で得られた混合物にC工程で得られた混合物を添加して、乳化する。
E. D工程で得られた乳化物をステンレスボール入りの樹脂ボトルに充填して多層状油中水型乳化日焼け止め料を得た。
【0042】
(評価方法1:塗布時の伸び広がり、べたつき感の無さ)
実施例及び比較例の日焼け止め料を化粧品評価専門パネル20名に2週間使用してもらい、「塗布時の伸び広がり」、「べたつき感の無さ」の各項目について、各パネルが日焼け止め料毎に、以下に示す1〜5点の5段階の評価基準により評点を付した。そして、全パネルの評点の平均点を算出し、以下の4段階の判定基準により判定した。
【0043】
<評価基準>
内 容 評 点(点)
非常に良好 : 5
良好 : 4
普通 : 3
やや不良 : 2
不良 : 1
【0044】
【0045】
(評価方法2:粉体の分散性)
実施例及び比較例の日焼け止め料を室温で24時間放置した後、光学顕微鏡(1000倍)で粉体の分散状態を観察し、以下に示す判定基準により判定した。
<判定基準>
粉体の分散状態 判 定
凝集が全く無い : ◎
僅かに極小の凝集が有る : ○
全体的に小さい凝集有る : △
大きな凝集が有る : ×
【0046】
(評価方法3:経時安定性)
実施例及び比較例の日焼け止め料を40℃の恒温槽に3ヶ月間保管し、室温保管品と比較して、外観の変化(ゲル化等)を以下に示す判定基準により判定した。
【0047】
表1の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例1〜7の多層状油中水型乳化日焼け止め料は、何れも「粉体の分散性」、「経時安定性」、「塗布時の伸び広がり」、「べたつき感の無さ」の全ての項目に優れた日焼け止め化粧料であった。一方、本発明の構成成分である成分(a)の化合物を含有しない比較例1は、粉体の分散性に劣り、塗布時の伸び広がりも良好ではなかった。また、湿式強分散機器を用いた比較例2では、製造直後の粉体の分散性は良好であったが、直ぐに凝集する傾向にあり、経時安定性等も良好ではなかった。
【0048】
実施例8:クリーム状水中油型日焼け止め料
注(4):微粒子酸化チタンMT−500SA(テイカ社製)
【0049】
(製 法)
A. 成分1〜10を70℃に加熱し、均一に混合する。
B. 成分12〜16を70℃に加熱し、均一に混合する。
C. A工程で得られた混合物にB工程で得られた混合物を添加して、乳化する。
D. C工程で得られた乳化物を室温まで冷却後、成分11を添加し、混合する。
E. D工程で得られた混合物を容器に充填してクリーム状水中油型日焼け止め料を得た。
本発明品である、実施例8のクリーム状水中油型日焼け止め料は、粉体の分散性」、「経時安定性」、「塗布時の伸び広がり」、「べたつき感の無さ」の全ての項目に優れた日焼け止め化粧料であった。
【0050】
実施例9:スティック状油性型コンシーラー
注(5):TIPAQUE CR−50(石原産業社製)をステアリン酸にて3質量%処理した粉体
注(6):コスモール168AR(日清オイリオ社製)
【0051】
(製 法)
A. 成分6〜14を70℃に加熱し、均一に混合する。
B. A工程で得られた混合物に成分1〜5及び成分15を添加し、均一に混合する。
C. B工程で得られた混合物を再び加熱溶解し、脱泡する。
D. C工程で得られた処理物をスティック容器に充填し、室温まで冷却し、スティック状油性型コンシーラーを得た。
本発明品である、実施例9のスティック状油性型コンシーラーは、粉体の分散性」、「経時安定性」、「塗布時の伸び広がり」、「べたつき感の無さ」の全ての項目に優れた日焼け止め化粧料であった。
【0052】
【発明の効果】
本発明の日焼け止め化粧料は、塗布時にきしみ感が無く、伸び広がりが良好であり、油っぽいべたつき感が無く、しかも経時的にゲル化等を生じることの無い優れた日焼け止め化粧料であった。
Claims (4)
- 次の成分(a)及び(b)を含有し、成分(a)の水酸基価(OHV)が10〜150であることを特徴とする日焼け止め化粧料。
(a)ジトリメチロールプロパンと脂肪酸との下記一般式(I)で示されるエステル化合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物、下記一般式(I)で示されるエステル化合物と多価カルボン酸との重縮合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物と脂肪酸との重縮合物、及びジトリメチロールプロパンと脂肪酸と多価カルボン酸との重縮合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上
(b)紫外線遮蔽効果を有する金属酸化物粉体。 - 更に、成分(c)として、界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1記載の日焼け止め化粧料。
- 更に、成分(d)として、有機紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の日焼け止め化粧料。
- 前記成分(b)の平均粒径が10〜100nmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の日焼け止め化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003135180A JP2004339087A (ja) | 2003-05-13 | 2003-05-13 | 日焼け止め化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003135180A JP2004339087A (ja) | 2003-05-13 | 2003-05-13 | 日焼け止め化粧料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004339087A true JP2004339087A (ja) | 2004-12-02 |
Family
ID=33525507
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003135180A Pending JP2004339087A (ja) | 2003-05-13 | 2003-05-13 | 日焼け止め化粧料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004339087A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007204459A (ja) * | 2006-02-06 | 2007-08-16 | Shiseido Co Ltd | 油中水型乳化日焼け止め化粧料 |
JP2020033313A (ja) * | 2018-08-31 | 2020-03-05 | 株式会社マンダム | 皮膚化粧料 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5248613A (en) * | 1975-10-17 | 1977-04-18 | Nisshin Oil Mills Ltd:The | Process for preparation of wax-like materials |
JPH08507081A (ja) * | 1993-02-26 | 1996-07-30 | エスティー ローダー インコーポレーテッド | 二酸化チタン分散液、化粧品組成物およびそれを使用する方法 |
JPH08310914A (ja) * | 1995-05-22 | 1996-11-26 | Iwase Cosfa Kk | 日焼け止め化粧料及びその製造方法 |
JPH0948705A (ja) * | 1995-08-04 | 1997-02-18 | Nikko Kemikaruzu Kk | O/wエマルション型化粧料 |
JPH10212222A (ja) * | 1997-01-29 | 1998-08-11 | Shiseido Co Ltd | 日焼け止め化粧料 |
JPH10510284A (ja) * | 1994-12-12 | 1998-10-06 | ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン | 高オレイン酸低ステアリン酸植物油からの脂肪酸混合物とアルコールの合成エステル |
-
2003
- 2003-05-13 JP JP2003135180A patent/JP2004339087A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5248613A (en) * | 1975-10-17 | 1977-04-18 | Nisshin Oil Mills Ltd:The | Process for preparation of wax-like materials |
JPH08507081A (ja) * | 1993-02-26 | 1996-07-30 | エスティー ローダー インコーポレーテッド | 二酸化チタン分散液、化粧品組成物およびそれを使用する方法 |
JPH10510284A (ja) * | 1994-12-12 | 1998-10-06 | ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン | 高オレイン酸低ステアリン酸植物油からの脂肪酸混合物とアルコールの合成エステル |
JPH08310914A (ja) * | 1995-05-22 | 1996-11-26 | Iwase Cosfa Kk | 日焼け止め化粧料及びその製造方法 |
JPH0948705A (ja) * | 1995-08-04 | 1997-02-18 | Nikko Kemikaruzu Kk | O/wエマルション型化粧料 |
JPH10212222A (ja) * | 1997-01-29 | 1998-08-11 | Shiseido Co Ltd | 日焼け止め化粧料 |
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
クローダジャパン株式会社,FRAGRANCE JOURNAL,1990年8月号,PP.77, JPN4006005759, ISSN: 0000723808 * |
クローダジャパン株式会社,FRAGRANCE JOURNAL,1990年8月号,PP.77, JPNX006038396, ISSN: 0000766134 * |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007204459A (ja) * | 2006-02-06 | 2007-08-16 | Shiseido Co Ltd | 油中水型乳化日焼け止め化粧料 |
JP2020033313A (ja) * | 2018-08-31 | 2020-03-05 | 株式会社マンダム | 皮膚化粧料 |
JP7228978B2 (ja) | 2018-08-31 | 2023-02-27 | 株式会社マンダム | 皮膚化粧料 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3535389B2 (ja) | 外用組成物 | |
JP6114083B2 (ja) | 油中水型固形化粧料 | |
JP2004521959A (ja) | 日焼け止め剤組成物 | |
EP3476382B1 (en) | Agent for treating powder for cosmetic, powder for cosmetic, and cosmetic formulated using said powder | |
US20060067902A1 (en) | Oil-in-water emulsion type cosmetic preparation | |
US20060093635A1 (en) | Oil-in-water emulsion type cosmetic preparation | |
JP5053562B2 (ja) | 乳化化粧料 | |
JP5497314B2 (ja) | 油性化粧料 | |
JP2006316003A (ja) | 水素添加ロジンのアルコールエステルを含有する安定な液状組成物およびそれを含有する化粧料 | |
JP2007269763A (ja) | 油性化粧料 | |
JP4995473B2 (ja) | 水中油型日焼け止め料 | |
JP2004339087A (ja) | 日焼け止め化粧料 | |
JP2000063231A (ja) | 水性化粧料 | |
JP2021123590A (ja) | 油中水型乳化化粧料 | |
JP5616094B2 (ja) | 油性アイライナー化粧料 | |
JP4860328B2 (ja) | 表面被覆粉体及びそれを配合する化粧料 | |
JP2004339093A (ja) | 日焼け止め化粧料 | |
JP2004339129A (ja) | 化粧料 | |
JPH11236307A (ja) | 化粧料 | |
JP2004339128A (ja) | 化粧料 | |
JP4263532B2 (ja) | 化粧料 | |
JPH11222411A (ja) | 粉末化粧料 | |
JP2004339127A (ja) | 油性化粧料 | |
WO2023026999A1 (ja) | 粉体含有組成物 | |
JP2004339098A (ja) | 化粧料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050316 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060309 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060328 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060822 |