JP2004338944A - 権限のない昇降路アクセスの防止 - Google Patents

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Abstract

【課題】エレベータシステム内への人の権限のない昇降路アクセスを防止するより安全な手段および方法を提供する。
【解決手段】通常動作状況において補助解放機構の作動を防止するために、乗り場ドアの補助解放機構に近接して取り付けるための安全デバイス14が提供される。安全デバイス14は、使用中、エレベータシステムの動作状況の変化に応答する励起回路を含み、また通常動作状況において、鍵穴に鍵でアクセスすることができない第1の位置と、異常動作状況において、鍵穴にアクセスすることができる第2の位置との間で、励起回路に応答して移動可能な遮断部材28をさらに含んでよい。したがって、鍵穴に鍵を差し込むだけで、補助解放機構のロック解除用ビットを作動させ、異常動作状況において、乗り場ドアを解放することができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、エレベータシステムの昇降路内への人の権限のないアクセスを防止する手段および方法に関する。特に本発明は、以下で異常動作状況と呼ぶ、メンテナンス中または緊急事態の間にのみ作動可能である補助解放機構を備えた特殊な乗り場ドア(landing door)ロックを提供する。
現代的なエレベータシステムでは、エレベータシステムの各乗り場ドアにロックを設けることが一般的である。ロックには、乗り場ドアのロックを解除するために用いられる2つの特殊な機構がある。そのうちの1つは、主解放機構であり、エレベータの通常動作状況にある間、エレベータかご上または乗り場ドア上のいずれかに取り付けられた引き込み式カムにより作動される。したがって、かごが所望の階に到着すると、主解放機構が隣接する乗り場で作動されることにより、乗客がかごと階との間を移動できるようになる。言うまでもなく、権限のある人が、ある階から昇降路に直接アクセスすることが必要な事態(例えば、メンテナンス中や緊急事態)がある。これを行うために、ロックは、補助解放機構をさらに含む。一般的に補助解放機構は、保守作業者や消防士(権限のある人)が所有する適切な鍵により手動で作動された後、乗り場ドアは手動で開かれる。このような安全対策は、破壊者などの権限のない人が乗り場ドアを開いて、エレベータ装置に損害を及ぼすだけでなく、彼等自身の安全性を危険にさらしてしまうことを防ぐのに不十分であることは明らかである。
使用が容易で、特定の範囲または領域内にあるすべてのエレベータシステムに対して一様に適用できるようにするために、補助ロック機構の鍵は、一般的に単純な設計である。例えば欧州では、関連する規格EN81−1:1998において、鍵が乗り場からアクセス可能であるロック解除三角形と適合することが明記されている。ロック解除三角形の形状は、角が丸い中実の等辺三角形である。昇降路に入ろうとする人が、ロック解除三角形に適合するであろう鍵を容易に複製できる。ロック解除三角形は、ねじ付きキャップやプラグで覆われていることがあるが、これらは特に有効な抑制ではなく、故意の悪用を防げない。
米国では、乗り場からアクセス可能な対応する鍵穴に嵌合する半円形の外形をもつロック解除用の鍵を供給することが一般的である。鍵を回転させるのではなく、一方側に動かし、ロック解除用レバーを反対側に滑動させて、補助解放機構を作動させる。この場合も、このような比較的単純な仕組みでは、故意の悪用を防止する際に有効ではない。
イギリス特許第1498039号明細書に、この問題に対する解決策が提案されている。鍵を作動させるのではなく、イギリス特許第1498039号明細書の補助解放機構は、手動で動作可能なスイッチに電気的に接続され、それを作動させることで、乗り場ドアが解放される。スイッチは、エレベータかご、乗り場、またはエレベータシステムの機械室内のロックされた区画部分に収容されることができる。
エレベータシステムの専用構成部品であるスイッチは、常に現場で利用可能なものでなければならないため、昇降路への権限のないアクセスにつながる破壊行為の本質的な危険性が常に存在する。さらに当業者において、空間の消費量を減少させようとする要望が続いていることで、現代的なシステムの設計には機械室がなく、その代わりに昇降路に機械が取り付けられている。これらの設置では、ロックされた区画部分は、かごまたは乗り場のいずれかに取り付けられなければならず、それらは共に、一般的に、一般の人々がアクセス可能であるため、破壊行為および権限のないアクセスの危険性が高まる。
イギリス特許第1498039号明細書の機構が、標準に従ったものであれば、解放スイッチを含む区画部分は、標準的な鍵を用いてロック解除が可能なものでなければならない。この場合既存の鍵で作動される解放機構よりも、権限のないアクセスを防止することができず、乗り場ドアを開くためにスイッチを手動で作動させるタスクが単に増えるだけである。
特開平8−059151号明細書において、エレベータかごに手動スイッチが設けられ、制御室に別の手動スイッチが設けられた同様の構成が開示されている。両方のスイッチが作動されたときのみ、乗り場ドアを開くことができる。
特開2000−072361号明細書において、かごが乗り場ドアとは正反対のドッキング位置にあるときを除いて、常時シャッタが乗り場ドア上の鍵穴をブロックする仕組みが示されている。このシステムが使用されれば、メンテナンスのために昇降路にアクセスできないことは明らかである。
イギリス特許第1511838号明細書に、別の解決策が提案されている。この解決策において、乗り場ドアロックは、適切な鍵以外の物体が鍵穴に差し込まれ、補助解放機構を作動させることがないようにするための少なくとも1つの固定された遮断物を含む。鍵を含むすべての物体は、鍵穴を通る直接的な経路に沿って差し込まれることは防止される。その代わりに、鍵は、鍵穴に設けられた突出部を避けるように間接的な経路に沿って差し込まれる。完全に差し込まれると、鍵にある開口は、突出部を収容することができるため、鍵は補助解放機構を作動するように動かされる。
この場合も、このような解決策では、破壊者による昇降路へのアクセスの試みが防止されず、間に合わせの複製鍵が鍵穴に確実にはめ込まれると、特に緊急時に、権限がある人によるその後の操作ができなくなるため、その行為自体が極めて危険となる。
イギリス特許第1498039号明細書 特開平8−059151号明細書 特開2000−072361号明細書 イギリス特許第1511838号明細書
本発明の主要な目的は、エレベータシステム内への権限のない昇降路アクセスを防止するより安全な手段および方法により、従来技術の欠点を解消することである。
この目的は、特許請求の範囲に記載されている本発明により達成される。
以下、添付の図面を参照しながら、例示的にのみ示した本発明の好適な実施形態について詳細に記載する。
図1は、建物内にあるエレベータシステムの典型的な階構成1を示す。この構成1は一般的に、ドアフレーム4によって囲まれた1つ以上の乗り場ドア2を含み、ドアフレーム4には、ユーザの要求を記録する制御ステーション6が収容されている。通常の動作状態の間、ユーザが建物内の上階または下階に移動したいと思えば、制御ステーション6上の適切なキーを押し、システムの昇降路内のかごがこのコールに応答する。その階の近くにかごがある場合、かごは主開放機構を作動するように乗り場ドア2と連動して、乗り場ドア2を解放および開く。
前述したように、権限のある人が昇降路へアクセスすることが必要な場合がある(例えば、定期的なメンテナンス作業のため)。これを行うために、エレベータ階構成1の少なくとも1つには、かごが階のすぐ近辺にないときに、ドア2を解放し開くことができるようにする補助解放機構が設けられる。図3に最良に示すように、補助解放機構は、ドアフレーム4にある鍵穴10を介してアクセス可能である三角形状のロック解除用ビット12を含む。すべての権限のある人が、図2に示すようなロック解除用鍵8を所有する。鍵8は、ロック解除用ビット12のものに対応した中空三角形の外形を有する端部9を有する。したがって、昇降路へアクセスするためには、鍵8を鍵穴10に差し込んで、このようなプロファイルの端部9が、ロック解除用ビット12を囲んで、ビットと確実に係合するようにさせる。鍵8とビット12が同時に回転すると、補助解放機構が作動して、乗り場ドア2のロックを解除する。
鍵穴10は、ドアフレーム4に設けられる必要はなく、エレベータ階構成1の任意の他の露出表面に設けられてよいことを認識されたい。多くの場合、鍵穴10は乗り場ドア2に位置する。
図4および図5は、本発明の第1の実施形態による鍵穴包囲部14を示す。図4には、ドアフレーム4の側面に面した表面に設けられた鍵穴10と、その上に取り付けられた包囲部14とが特に示されているが、図1および図3に示す鍵穴10を取り囲むように、ドアフレーム4の階に面した表面上に包囲部分14を組み込むことも同様に許容可能である。
図5に示すように、包囲部14は一体形の貫通孔18を有する実質的に凹形のハウジング16を含む。包囲部14は、ハウジング16にあるねじ穴19と係合するねじ(図示せず)によって、ドアフレーム4に取り付けられる。取り付けられると、包囲部14の貫通孔18は、鍵穴10と同心円状に整列され、ハウジング16の内壁とドアフレーム4との間に、キャビティCが画定される。キャビティCは、中心から等距離にある対向する位置でハウジング16の内壁に固定された2つの電磁石20を収容する。ハウジング16の内壁の中心に、螺旋状のピン22の底端部が取り付けられる。このピン22は、鉄円盤28を支持し誘導するために使用される。ピン22を覆う圧縮ばね24が、ハウジング16からピン22の頂上端部に固定されたねじ26に向かって方向Aに円盤28を付勢する。円盤28に、アクセス穴30が形成される。
通常動作状況にある間、電磁石20は励起されず、ばね34は、図5に示す初期位置で、ねじ26に対して鉄円盤28を保持する。この位置において、円盤28のアクセス穴30は、フレーム4および包囲部14にあるそれぞれの同心穴10および18と整列しない。したがって、鉄円盤28は、ロック解除用ビット12へのアクセスを阻止する。
異常動作状況において、電磁石20は、鉄円盤28に方向Bの引き付け力をかけるように励起される。最初、この磁力が、ばね24の反作用の付勢力より大きいため、円盤28は、螺旋状のピン22に沿って方向Bに動く。このように動くと、時計回りの方向Eに円盤28が同時に回転する。円盤28は、逆の力が等しくなると、静止位置に位置する。この位置において、図4に示すように、円盤28にあるアクセス穴30は、包囲部14の貫通孔18およびドアフレーム4にある鍵穴10と整列される。その結果、ロック解除用の鍵8を、貫通孔18と、アクセス穴30と、鍵穴10とに差し込み、ロック解除用のビット12と係合して、乗り場ドア2を解放することができる。
エレベータシステムが通常の動作状況に戻ると、電磁石30は作動しないようにされ、圧縮ばね24により、円盤28が方向Aに動かされることにより、反時計回りの方向Dに同時に回転することで、円盤28は図5に示す初期位置に戻る。
この構成を効率的に作動させるためには、エレベータの動作状況が継続して監視されることが必須である。この目的を達成するための有効な方法の1つは、図6に示すような検知機器を使用することである。エレベータシステムにおいて、かご34が昇降路32内のカウンターウェイト36に接続され、それとは反対の方向に同時に動く。
メンテナンスまたはサービスタスクを安全に実行するためには、かご34の走行が防止された昇降路32のピットおよびヘッドルームの安全確保用の空間を十分に設けることが重要である。しかしながら、エレベータシステムが占める空間を減少させるために、これらの安全確保用の空間が、必要な場合にのみ確立され、その後要求された作業が完了するとなくなるような一時的なものであることが好ましい。本発明のシステムでは、柱38および40を用いて、ピットおよびヘッドルームの安全性確保用の空間が確立される。通常動作状況の間、柱38および40は、ピットフロア上に水平方向に横たわっている。
エンジニアが昇降路32のピットで作業する予定があれば、かご柱38が、図6に示すようなピボット点の周りで直立位置になるようにされる。かご34は、ピットフロアとかご柱38の頂上部とにより画定された安全確保用の空間に侵入することはできない。
同様に、エンジニアが昇降路32のヘッドルームまたはかご34の頂上部上で作業する予定があれば、カウンターウェイト柱40が、図6に示すようなピボット点の周りで直立位置になるようにされる。カウンターウェイト36が、ピットフロアとカウンターウェイト柱40の頂上部とにより画定される空間に侵入できないため、同様にかご34は、昇降路32のヘッドルームにある対応する安全確保用の空間に入ることができない。
柱38および40は、例えばエレベータシステムの機械室から、または乗り場ドアフレーム4に設けられた制御パネルから、適切なワイヤまたはロープおよびプーリ構成によって手動で作動することができる。この代わりとして、これらは機械室にあるスイッチや制御パネルのスイッチにより制御される電機アクチュエータにより作動することもできる。好ましい実施形態において、ロック解除用の鍵8に一体化された送信機から遠隔制御によって作動される電機アクチュエータが使用される。
図6に略図的に示すように、昇降路32のピットフロア上に2つのセンサ44が設けられて、かご柱38およびカウンターウェイト柱40の位置をそれぞれ表す信号48および50を与える。柱38および40のいずれかが直立した作動位置にある場合、対応する柱信号48および50が使用されて、図7に示すように、鍵穴包囲部14にある電磁石20に対して励起回路51の対応するスイッチ45を自動的に閉じる。このようにして、電源52は、電磁石20を流れる電流を発生する。鉄円盤28は、励起された電磁石20の方へ引き付けられ、時計回りの方向Eに回転することにより、作業者は鍵穴10にロック解除用の鍵8を差し込んで、ロック解除用のビット12を作動させて、乗り場ドア2を解放することができる。
柱38および40の代わりに、かご34が一時的な作業空間内へ走行できないようにされた位置に移動可能な任意のかごまたはカウンターウェイトブロック装置を用いることができる。例として、かごを支持するガイドレール上または昇降路32の壁上のストップに隣接するようにかご34から延在するボルトやラッチ、かご34またはカウンターウェイト36と係合するように昇降路32のガイドレールまたは壁から延在するレバーまたはラッチ、昇降路に取り付けられた旋回可能な緩衝装置、および1つ以上の所定の位置にガバナロープをロックするための手段がある。
火災や他の緊急事態において、エレベータシステムに関連付けされた従来の緊急回路42が使用されて、励起回路51の関連するスイッチ45を自動的に閉じるための緊急信号46を与えることができる。緊急回路42は、適切な検出器(火災検出器、地震検出器など)からの信号や建物内のスイッチによって、または遠隔操作で、例えば消防署から作動することができる。好ましい実施形態において、上記の作動手段のほかに、緊急回路42は、消防士に与えられたロック解除用の鍵に組み込まれた送信機に応答する受信機をさらに含む。
図8から図11は、本発明の第2の実施形態による別の鍵穴包囲部54を示す。この場合も、包囲部は一体形の貫通孔58を有する実質的に凹形のハウジング56を含み、この貫通孔は、この場合包囲部54の中心に位置する。包囲部54をドアフレーム4に取り付けるためのねじ穴19が設けられる。取り付けられると、貫通孔58は鍵穴10と同心円状に整列され、ハウジング56の内壁とドアフレーム4との間にキャビティが規定される。キャビティは、ハウジング16の内壁に固定された単一のC字状の電磁石60を収容する。キャビティの反対側にはピン62が設けられ、そこに鉄板64が旋回可能に取り付けられる。
前述した実施形態とは対照的に、通常動作状況の間、C字状の電磁石50は励起され、鉄板64は図9に示す位置に保持され、同図において、鉄板64により包囲部54の貫通孔58が不明瞭になっている。したがって、補助解放機構のロック解除用ビット12は作動することができない。
異常動作状況において、C字状の電磁石50は励起されず、電磁石50からの磁力がないと、鉄板64は重力下において、図11に示す位置にピン62の周りを旋回する。したがって、ロック解除用の鍵8は、包囲部54の貫通孔58とドアフレーム4の鍵穴10を介して差し込まれて、ロック解除用のビット12を作動することができる。
電磁石50が、通常状況において励起され、異常動作状況において励起されないため(第1の実施形態の構成とは対照的)、図7の励起回路とそのスイッチ45は、それに応じて修正する必要があることは明らかである。しかしながらこの修正は、特にディジタル信号および制御回路が用いられていれば、複雑な作業ではない。
前述した両方の実施形態において、電磁石20および60の代わりに、小型電機モータが使用されてよいことを理解されたい。
図12は、本発明の第3の実施形態による鍵穴包囲部140の構成部品を示す。この場合も包囲部140は、一体形の貫通孔144を有する実質的に凹形のハウジング142を含み、この貫通孔は取り付けられると、エレベータ階構成1の鍵穴10と同心円状に整列される。ハウジング142の内壁上に、螺旋状のピン148の底部が取り付けられる。ピン148は、鉄レバー156を支持および誘導するように使用される。圧縮ばね150および軸受面152が、ピン148を収容し、ハウジング142からピン148の頂上端部に固定されたねじ158に向かって方向Oにレバー156を付勢するために使用される。軸受面152とレバー156との間にボール軸受154が設けられて、自由な相対回転が可能になる。さらに、コイル146が螺旋状のピン148の基部を取り囲む。また、ハウジング142は永久磁石146を収容する。
前述した実施形態とは対照的に、鉄レバー156は2つの位置(双安定)の方へ付勢され、それらの位置で安定する。エレベータの通常動作状況において、レバー156は、ばね150によって図12に示す位置にねじ158に対して付勢されて、貫通孔144を遮断する。
メンテナンス中または緊急事態において、励起回路がコイル146に電流パルスを与えて、レバー156を方向Mに引き付ける。この引き付け力はばね150の付勢力より大きいため、レバー156が螺旋状のピン148に沿って、方向MおよびNにそれぞれ運動および回転する。レバー156が永久磁石145の上方にあるとき、永久磁石145は、レバー156に十分な磁力をかけて、ばね150の付勢を打ち消すため、レバー156によって貫通孔144が遮られていない位置にレバー156を保持する。
通常動作状況が再度確立されると、励起回路はコイル146に逆の電流パルスを与えて、レバー156を方向OおよびPに移動させ、ばね150はレバー156によって貫通孔144が遮られていない初期位置にレバー156をさらに付勢する。
この場合も、この実施形態においてコイル150が両方向に励起される必要があるため、図7の励起回路51およびスイッチは、それに応じて修正される必要がある。
図13は、本発明の第4の実施形態によるスライドゲート構成70を示す。前述した実施形態とは対照的に、エレベータシステムのドアフレーム4の背面(昇降路32に対向)上に、構成70が取り付けられる。構成70は、複数のストラップ74によってドアフレーム4の表面上に支持されたスライドゲート72を含み、これらのストラップは、リベット76などの適切な手段によってフレーム4に固定される。小型双方向電気モータ82により駆動されるピニオンと係合するラック78が、スライドゲートの末端部に設けられる。
通常動作状況において、モータ82はラック78およびピニオン80を駆動して、図面では左側に、スライドゲート72によってドアフレーム4にある鍵穴10が遮られる位置へスライドゲート72を滑動させる。異常事態が検出されると、モータ82は反対側へ、右側にスライドゲート72を滑動させるように動作することにより、鍵穴10にロック解除用の鍵8を差し込んで、補助解放機構のロック解除用ビット12を作動することができるようになる。
上記実施形態に関して、モータ80が双方向性のものであるため、図7の励起回路51およびスイッチ45は、それに応じて修正される必要がある。
スライドゲート72がばねによって、または重力を利用して縦軸に沿って再配置することによって、一方の位置に付勢されることができるため、他方の位置へスライドゲートを駆動するために、一方向モータおよび簡易励起回路を使用することができることを想定されたい。
また、縦軸に沿って整列されると、モータ82の代わりに1つ以上の電磁石が用いられて力をかけ、鉄スライドゲート72を適切に動かすことができることを認識されたい。さらにスライドゲート構成70は、ドアフレームの外面(フロアに対面)上に、破壊行為から構成部品を保護するためのカバー板を取り付けることができる。
権限のない昇降路アクセスを防止するための明らかな方法は、ドアフレーム4の鍵穴10を一切なくすことである。しかしながら、現時点まで、規則に従った従来のアクセス可能な鍵穴10を備えていない構成を認識することは現実的ではない。この目的を留意しながら、図14および図15に示すように、本発明の第5の実施形態による鍵穴装着部100が展開されている。前述した実施形態に関して、鍵穴装着部100は既存のエレベータシステムに後付けできるが、前述した実施形態とは対照的に装着部100は、すべてのエレベータ動作状況において、ドアフレーム4の鍵穴10を完全に阻止する。
鍵穴装着部100は、回転可能な凹形ハウジング102と、作動板106と、コイル114と、基板116と、鉄スライド鍵124とを含む。作動板106は、ピン104および穴108によって、凹形のハウジング102と同時に回転するように取り付けられる。コイル114は、基板116の凹部122内に収容される。鉄スライド鍵124は、基板116の貫通孔118内に収容される。スライド鍵124は、従来のロック解除用ビット12と継続して係合するための中空三角形状のプロファイル128を有する端部と、八角形のヘッド126および圧縮ばね112を部分的に収容する中空部129とを有する対向する端部とを有する。
鍵穴装着部100は、従来のドアフレーム4に固定されることによって、基板116の貫通孔118は、ドアフレーム4にある鍵穴10と一致する。鉄スライド鍵124は、圧縮ばね112によって方向Gに付勢されることにより、中空三角形状のプロファイル128は、補助解放機構の三角形のロック解除用ビット12と継続して係合する。凹形のハウジング102(および作動板106)は、軸受120上で基板116に対して自由に回転する。
異常動作状況において、コイル114が(例えば、図7の励起回路51によって)励起されることにより、ばね112の付勢に対してスライド鍵124を方向Fへ、八角形のヘッド126が作動板106の対応する八角形のソケット110と係合する位置に引っ張る。この位置において、スライド鍵124は、ロック解除用ビット12と係合する状態のままである。したがって、凹形のハウジング102が回転すると、作動板106と、スライド鍵124と、ロック解除用ビット12が同時に回転してドア2を解放する。
通常動作状況が再度確立されると、コイルは励起されず、ばね112は方向Gに沿ってスライド鍵124を押し進めることにより、スライド鍵124を作動板106から切り離す。
近年では、信号を遠隔送信するための機器および手順の信頼性が高く安全になってきているため、エレベータ業界では、手動によるロック解除ではなく、補助解放機構を遠隔作動することが一般化されてきていると予見される。明らかに、本発明は、図16に示すようなシステムで用いられることができる。励起回路130は、図7の前述した励起回路51の構成部品を多くを共有するが、ロック解除用ビット12によって補助解放機構の手動作動を選択的に許容または防止する代わりに、回路130が補助解放機構を作動するモータ132を組み込んでいる。その結果、鍵穴が不要になるため、階構成の美観が高められる。
前述したように、メンテナンス作業が実行される場合や緊急事態(エレベータシステムの異常動作状況)の間、緊急信号46および2つの柱信号48および50の1つ以上の信号により、関連するスイッチ45が回路130を閉じるようになる。しかしながら、これは、回路130を完了しない。これを行うために、権限のある人は、遠隔制御ユニット134から、階構成に近接したレシーバスイッチ138にロック解除用信号136を送信しなければならない。異常動作信号48、50、および46およびロック解除用信号136の1つ以上が検出されたときのみ、回路130はモータ132を作動するように励起されて、補助解放機構のロックを解除することにより、権限のある人が乗り場ドアを開き、昇降路に入ることができるようになる。
補助解放機構のロックを解除するために、モータ132の代わりにソレノイドが使用されてよいことが想定される。さらに、メンテナンスを行うために、送信されたロック解除用信号136が使用されて、柱38および40をブロック位置に配置するように電気モータを作動することもできる。このようにして、単一の信号136が安全確保用のスペースを確立し、補助開放機構のロックを解除する。同様に消防士が、緊急信号46およびロック解除用信号136を同時に送信する遠隔制御ユニット138を使用してよい。
主解放機構および補助解放機構を有するロックが取り付けられた乗り場ドアを含む従来のエレベータ階構成の平面図である。 典型的なロック解除用三角形の斜視図である。 緊急事態またはメンテナンスアクセスが必要とされるとき、補助解放機構を作動するように図2のロック解除用三角形を貫通する鍵穴の拡大図である。 エレベータ階構成のドアフレームの側面表面上に取り付けられた、本発明の第1の実施形態による鍵穴包囲部の斜視図である。 図4の鍵穴包囲部の構成部品を詳細に示す拡大斜視図である。 図4および図5の鍵穴包囲部を組み込んだエレベータシステムの昇降路の部分断面図である。 図4および図5の鍵穴包囲部内に収容された鉄円盤の動きを制御するための励起回路の略図である。 本発明の第2の実施形態による鍵穴包囲部の斜視図である。 図8の鍵穴包囲部の断面図である。 図8に対応するが、通常動作状況ではなく、異常動作状況にある鍵穴包囲部を示す図である。 図10の鍵穴包囲部の断面図である。 本発明の第3の実施形態による鍵穴包囲部の構成部品を示す拡大斜視図である。 本発明の第4の実施形態によるスライドゲートを組み込んだエレベータのドアフレームの後方からの平面図である。 本発明の第5の実施形態による鍵穴装着部の構成部品を詳細に示す拡大斜視図である。 図14に対応するが、他方側から見た図である。 本発明の第6の実施形態による別の励起回路の略図である。
符号の説明
1 エレベータシステムの階構成
2 乗り場ドア
4 ドアフレーム
6 制御ステーション
8 ロック解除用の鍵
10 鍵穴
12 三角形状のロック解除用ビット
14 鍵穴包囲部
16 ハウジング
18 一体形貫通孔
20 電磁石
22 螺旋状のピン
24 圧縮ばね
26 ねじ
28 鉄円盤
30 アクセス穴
32 昇降路
34 かご
36 カウンターウェイト
38、40 柱
42 緊急回路
51 励起回路

Claims (11)

  1. 複数の乗り場ドア(2)を有するエレベータ昇降路(32)内で移動可能なエレベータかご(34)と、
    前記かご(34)が前記昇降路(32)内の一時的な作業空間内に走行しないように、阻止位置に移動可能な少なくとも1つの阻止デバイス(38、40)と、
    少なくとも1つの乗り場ドア(2)上に取り付けられた補助解放機構と、
    通常動作状況において、前記補助解放機構の作動を防止する励起回路(51、130)とを含むエレベータシステムであって、
    前記阻止位置に前記阻止デバイス(38、40)の存在を検出すると、前記励起回路(51、130)にメンテナンス指示信号(48、50)を与え、前記励起回路により、前記補助解放機構の作動を可能にするセンサ(44)をさらに含むことを特徴とする、エレベータシステム。
  2. 緊急事態を検出すると、前記励起回路(51、130)に緊急信号(46)を与え、前記励起回路により、前記補助解放機構の作動を可能にする緊急回路(42)をさらに含む、請求項1に記載のエレベータシステム。
  3. 通常動作状況において前記補助解放機構の作動を防止する第1の位置と、前記補助解放機構を作動できる第2の位置との間で、前記励起回路(51)に応答して可動である部材(28、64、72、124、156)をさらに含む、請求項1または2に記載のエレベータシステム。
  4. 前記可動部材(28、64、72、156、124)が、
    前記第1の位置において、鍵穴(10)を遮断し、前記第2の位置において、前記鍵穴(10)に鍵(8)を進入させ、前記補助解放機構のロック解除用ビット(12)の作動を可能にするか、
    前記補助解放機構の前記ロック解除用ビット(12)と係合する前記第1の位置と、前記ロック解除用ビット(12)と係合する第2の位置との間で滑動し、作動板(106)にさらに連結されることにより、前記作動板(106)が回転すると、前記ロック解除用ビット(12)が同時に回転して、前記補助解放機構を作動させる、請求項3に記載のエレベータシステム。
  5. 前記励起回路(51)が、前記可動部材(28、64、72、124、156)に作用するための電気デバイス(20、60、82、114、146)を含む、請求項3または4に記載のエレベータシステム。
  6. 前記電気デバイス(82、146)が、前記第1および第2の位置の間で可動部材(72、156)を移動するような双方向性のものであり、
    前記可動部材(28、64、124)が、前記位置の一方に付勢され、前記電気デバイス(20、60、114)が、励起されると、前記付勢に対して前記可動部材(28、64、124)に作用して、前記位置の他方に前記可動部材(28、64、124)を移動および保持する、請求項5に記載のエレベータシステム。
  7. 前記可動部材(156)が、両方の位置に付勢され安定化され、前記励起回路(51)は、前記電気デバイス(146)に電流パルスを与えて、前記双安定位置間で前記可動部材(156)を移動させる、請求項6に記載のエレベータシステム。
  8. 前記可動部材(28、64、124、156)が、1つ以上のばね(24、112)により、および/または永久磁石(145)により、および/または重力(F)下で付勢される、請求項6または7に記載されるエレベータシステム。
  9. 前記励起回路(130)が、電気デバイス(132)と、遠隔制御ユニット(134)から送信されたロック解除信号(136)に応答してレシーバスイッチ(138)とをさらに含むことにより、前記レシーバスイッチ(138)に前記ロック解除信号(136)が送信され、前記励起回路(130)に、前記メンテナンス指示信号または前記緊急信号が与えられると、前記励起回路(130)は、前記補助解放機構のロックを自動的に解除するように前記電気デバイス(132)を作動させる、請求項2に記載のエレベータシステム。
  10. 複数の階構成(1)を有する昇降路(32)内で移動可能なかご(34)を有するエレベータシステムの前記昇降路(32)内へのアクセスを提供する方法であって、
    前記階構成(1)の少なくとも1つに補助解放機構を提供するステップと、
    前記昇降路(32)内の一時的な作業空間内に前記かご(34)が走行しないように、阻止位置に移動可能な少なくとも1つの阻止デバイス(38、40)を提供するステップと、
    通常動作状況において、前記補助解放機構の作動を防止するステップとを含む方法であって、
    前記阻止デバイス(38、40)が前記阻止位置にあるとき、前記補助解放機構の作動を可能にすることを特徴とする、方法。
  11. 緊急事態、例えば火災、テロ攻撃、洪水、地震、または台風を検出すると、前記補助解放機構の作動を可能にするステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
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