JP2004338626A - タイヤおよびタイヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ外表面のクラックを防止し、また間エア入りを発生させることもなく、しかも大幅に生産性を低下させることもない、帯状ゴムを重ね合わせて形成されるトレッドゴムもしくはサイドウォールを有するタイヤおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】タイヤ1のサイドウォールゴム2もしくはトレッドゴムの少なくとも一方は、周方向に延在し幅方向の少なくとも一部で重なり合う帯状ゴム3よりなり、タイヤ外表面Sに露出して互いに隣接する帯状ゴム3a、3bの、隣接面5の両側に位置するそれぞれの重なり部分4aおよび4bの少なくとも一方は、高接着性材料よりなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トレッドゴムおよびサイドウォールゴムの少なくとも一方が帯状ゴムを螺旋巻回して形成されるタイヤとその製造方法に関し、特に、タイヤ外表面の帯状ゴム同士の重なり部分からクラックが成長することを防止することのできるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤを構成するゴム部分、例えばトレッドゴムやサイドウォールゴムを形成するに際し、未加硫の帯状ゴムをタイヤ周方向に螺旋状に巻回してその幅方向の一部で重ね合わせる方法が知られている(例えば、特許文献1。)。
【0003】
この方法は、広幅で肉厚の未加硫ゴム部材をタイヤ一周分だけ巻回して形成する通例の方法に対して、断面が小さい未加硫帯状ゴムを巻回するので、大型の押出機を必要しない上、タイヤの全幅にわたって延在する部材のつなぎ目をなくしてユニフォーミティを向上させることができ、また、帯状ゴムの重ね合わせ方を変えることにより、一種類の未加硫帯状ゴムで種々の断面形状のゴム部分を形成することができるので、多品種少量生産に柔軟に対応できるという長所がある。さらに、製品タイヤにおいて半径方向内外に延在するゴム部分、例えばサイドウォールゴムを、未加硫ゴム部材を一周だけ巻回して形成する場合には、半径方向外側部分は伸ばされるため大きな応力が残留しタイヤのユフォーミティを悪化させるという問題があるが、未加硫帯状ゴムを重ね合わせる方法は半径方向外側部分であっても同じ張力でこれを巻回して形成することができ、このような問題を解消することができる。
【0004】
しかしながら、この未加硫帯状ゴムを巻回するこの方法によってできたタイヤでは、タイヤ外表面に露出する帯状ゴムの重なり部分が製品となっても界面として残存し、タイヤの走行に伴って繰り返し発生する変形によってこの界面を核ととしたクラックが発生しこれが成長しタイヤの故障となることがあり、この問題に対処するため、未加硫帯状ゴムを螺旋巻回して主要部を形成したあと、加硫に先立ってゴムシートをこの主要部の外側に貼り付け主要部を被覆することも行われる。しかし、このゴムシートで主要部を被覆する方法も、タイヤ外表面のクラックは防止することができるものの、ゴムシートと主要部との間に残存するエア溜まりによって剥離が発生することがあり、また、ゴムシートの貼り付けに伴う生産性の低下も問題となっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−200677号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、帯状ゴムを重ね合わせて形成されるトレッドゴムもしくはサイドウォールを有するタイヤに関し、タイヤ外表面のクラックを防止し、また間エア入りを発生させることもなく、しかも大幅に生産性を低下させることもないタイヤおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明はなされたものであり、その要旨構成ならびに作用を以下に示す。
【0008】
請求項1に記載のタイヤは、トレッドゴムおよびサイドウォールゴムの少なくとも一方は、周方向に延在し幅方向の少なくとも一部で重なり合う帯状ゴムよりなり、タイヤ外表面に露出して互いに隣接する帯状ゴムの少なくとも一方の重なり部分は、トレッドゴムもしくはサイドウォールゴムの主たるゴム材料とは異なる高接着性材料よりなるものである。
【0009】
このタイヤによれば、タイヤ外表面のクラックの核となる隣接する帯状ゴムの少なくとも一方の重なり部分は高接着性材料よりなるので、帯状ゴム同士の重なり部分の界面を強固に接着することができ、タイヤの走行に伴って発生する繰り返し変形によってもこの界面からクラックが発生することを防止することができ、また、帯状ゴムよりなる部分を被覆するシートゴム層を有さないので、シートゴム層を具えることによる、間エア入りや生産性の低下の問題も解消することができる。
【0010】
請求項2に記載のタイヤは、トレッドゴムおよびサイドウォールゴムの少なくとも一方は、周方向に延在し幅方向の少なくとも一部で重なり合う帯状ゴムよりなる主要部と、主要部表面を隙間なく被覆してタイヤ外表面を形成する、主要部と同種ゴムもしくは主要部のゴムと類似しこれより亀裂成長性の低いゴムよりなるコート層と、を具えてなるものである。
【0011】
このタイヤによれば、帯状ゴムよりなる主要部の表面を隙間なく被覆してタイヤ外表面を形成する、主要部と同種ゴムもしくは主要部のゴムと類似しこれより亀裂成長性の低いゴムよりなるコート層を具えるので、帯状ゴムの重なり部分がタイヤ外表面に露出することがなく、帯状ゴムの重なり部分からのクラックの発生を防止するとともに、コート層と主要部との間のエア入りやこの層間部分にクラックが入ることを防止し、また、コート層の形成にあたっては、シートゴムを貼り付ける方法に対して大幅に生産性を削減することができる。
【0012】
請求項3に記載のタイヤの製造方法は、請求項1に記載のタイヤを製造するに際し、ゴムセメントを一部の表面に塗布した未加硫帯状ゴムを螺旋状に巻回し幅方向の少なくとも一部で重ね合わせて、トレッドゴムおよびサイドウォールゴムの少なくとも一方を形成するものである。
【0013】
このタイヤの製造方法によれば、ゴムセメントを一部の表面に塗布した未加硫帯状ゴムを螺旋巻回してタイヤのゴム部分を形成するので、ゴムセメントを用いて、前記帯状ゴムの重なり部分の高接着性材料となし、前述の通り、タイヤ外表面に露出する界面がクラックの核となることを防止することができる。
【0014】
請求項4に記載のタイヤの製造方法は、請求項1に記載のタイヤを製造するに際し、一部表面に高接着性ゴム材料を一体的に接合した未加硫帯状ゴムを螺旋状に巻回し幅方向の少なくとも一部で重ね合わせて、トレッドゴムおよびサイドウォールゴムの少なくとも一方を形成するものである。
【0015】
このタイヤの製造方法によれば、一部表面に高接着性ゴム材料を一体的に接合した未加硫帯状ゴムを螺旋巻回してタイヤのゴム部分を形成するので、この高接着性ゴム材料を用いて、前記帯状ゴムの重なり部分の高接着性材料となし、前述の通り、タイヤ外表面に露出する界面がクラックの核となることを防止することができ、また、高接着性ゴム材料は一体的に未加硫帯状ゴムに接着されているので、これらの間からクラックが発生することもない。
【0016】
請求項5に記載のタイヤの製造方法は、請求項3もしくは4に記載するところにおいて、未加硫帯状ゴムの、前記重なり部分にほぼ対応する表面にゴムセメントを塗布する、もしくは、高接着性ゴム材料を接合するものである。
【0017】
未加硫帯状ゴムの、ゴムセメントを塗布する、もしくは、高接着性ゴム材料を接合する表面部分が、前記重なり部分より広い場合には、トレッドゴムもしくはサイドウォールゴムの主たるゴム材料部分に対する異種ゴム部分の割合が増加し、このゴムの本来の機能を損なうこととなり、逆に、この表面部分が前記重なり部分より狭い場合には、重なり部分の界面での接着力が不十分となり表面クラックを防止することが難しくなる。
【0018】
請求項6に記載のタイヤの製造方法は、請求項2に記載のタイヤを製造するに際し、未加硫帯状ゴムを螺旋状に巻回し幅方向の少なくとも一部で重ね合わせて未加硫の前記主要部を形成したあと、タイヤの加硫に先立って主要部の表面に液状ゴムをコーティングしてコート層を形成するものである。
【0019】
このタイヤの製造方法によれば、前記主要部を形成したあと、タイヤの加硫に先立って主要部の表面に液状ゴムをコーティングして前記コート層を形成するので、コート層は主要部の表面に露出した帯状ゴムの重なり部分による段差があっても隙間なくこれを被覆することができ、コート層と主要部との間のエア入りの発生を防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図1ないし図7に基づいて説明する。図1は、第一の実施形態のタイヤ1を示す子午線断面図であり、図2は、図1のa部を拡大して示す断面図である。タイヤ1のサイドウォールゴム2は、周方向に延在し幅方向の少なくとも一部で重なり合う帯状ゴム3よりなり、タイヤ外表面Sに露出して互いに隣接する帯状ゴム3a、3bの、隣接面5の両側に位置するそれぞれの重なり部分4aおよび4bの少なくとも一方は、高接着性材料よりなっている。
【0021】
図3は、タイヤ1のサイドウォールゴム2の形成方法を示す模式図であり、図4(a)はこの方法に用いる未加硫帯状ゴム13を示す断面図である。このタイヤ1を製造するに際しては、成型途中のグリーンタイヤ11を回転させながら貼り付け装置Aを用いて未加硫の帯状ゴム13を螺旋状に巻回しこれを幅方向の一部で重ね合わせて未加硫のサイドウォールゴム部材を形成するが、この形成に当たり、帯状ゴム13を押出機Eから押し出したあと、ゴムセメント塗布装置Pを用いて、ゴムセメントを、未加硫帯状ゴム13の、製品タイヤ1における重なり部分4aもしくは4bに対応する表面部分14に、吹きつけもしくは刷毛塗りにより塗布する。
【0022】
以上のような工程を経ることにより、帯状ゴム3の重なり部分4a、4bの高接着性材料をゴムセメントとするタイヤ1を形成することができる。ここでゴムセメントとは、揮発性溶剤にゴムを溶け込ましたものをいう。
【0023】
また、図4(a)に例示した未加硫帯状ゴム13は平行四辺形の断面形状を有するが、未加硫帯状ゴムの断面形状はこれに限定されるものではなく、例えば、図4(b)に断面図で示すように未加硫帯状ゴム13aを凸レンズ状とすることもでき、この場合も、ゴムセメントは製品タイヤ1における帯状ゴム3の重なり部分4aもしくは4bに対応する表面14aに塗布するのがよい。また、ゴムセメントの塗布に当たっては、未加硫帯状ゴム13の全長にわたって塗布してもよいが、製品タイヤ1のタイヤ外表面Sに露出する帯状ゴム3に対応する長さ部分にだけに限定して塗布することが、不必要な異種ゴムの割合を抑制する点で好ましい。
【0024】
図4(c)は、ゴムセメントを塗布した未加硫帯状ゴム13に代わる、他の態様の未加硫帯状ゴム17を示す断面図であり、未加硫帯状ゴム17は、ゴムセメントをサイドウォールゴム2の主たるゴム材料よりなる部分15の表面にこの主たるゴム材料より接着性の高い高接着性ゴム材料よりなる部分16を一体的に接合してなり、これらの部分の接合に際しては、図3において、ゴムセメント塗布装置Pを配置する代りに、押出機Eをデュアル押出機として、これらの部分15、16を一体的に押し出し、あるいはこれらの部分15、16をそれぞれ別個に押し出した後、これらをホットな状態で一体化して行うことができ、いずれの方法においても、これらの部分15、16の接合部分から剥離が発生することのないように接合することが重要である。
【0025】
このように、高接着性ゴム材料よりなる部分16を一体的に接合した未加硫帯状ゴム17を用いることにより、帯状ゴム3の重なり部分4a、4bの高接着性材料として、高接着性ゴム材料を用いたタイヤ1を形成することができる。ここで、高接着性ゴム材料は、JIS K 6301に基づく剥離試験の結果が、従来ゴム同士の剥離試験結果より良好なものを選定するのがよく、また、従来ゴム同士のものとの差が大きければ大きいほど好ましい。
【0026】
また、未加硫帯状ゴム17の断面形状は平行四辺形に限定されるものではない点、および、未加硫帯状ゴム17の長手方向の必要部分だけに高接着性ゴム材料を一体的に接合することが好ましいことは、未加硫帯状ゴム13について前述したのと同様である。
【0027】
図5は、本発明の第二の実施形態のタイヤ21を示す子午線断面図であり、図6は、図5のb部の詳細を示す断面図である。タイヤ21のサイドウォールゴム22は、周方向に延在し幅方向の少なくとも一部で重なり合う帯状ゴム8よりなる主要部7と、主要部7の表面を隙間なく被覆してタイヤ外表面Sを形成する、主要部7と同種ゴムもしくはこれと類似のゴムでこれより亀裂成長性の低いゴムよりなるコート層9とを具える。ここで、コート層9は、主要部7の表面S1を隙間なく被覆することが重要であり、特に、隣接する帯状ゴム8a、8bの隣接面5が主要部表面S1に露出してできる段差5Aも完全に埋めることがことがこの部分のエア入りを防止する上で重要である。
【0028】
図7は、タイヤ21のサイドウォールゴム22の形成方法を示す模式図である。このタイヤ21を製造するに際しては、押出機Eから押し出された未加硫の帯状ゴム18を貼り付け装置Aを用いて螺旋状に巻回して、成型途中のグリーンタイヤ23の半径方向外側に未加硫の主要部部材27を形成し、その後、未加硫の主要部部材27の外表面にスプレーガンGを用いて液状ゴムを塗布して未加硫のコート層19を形成する。ここで、グリーンタイヤ23を回転させるとともにスプレーガンGをタイヤ幅方向に変位させながら、未加硫の主要部部材27の外表面全面にわたって隙間なく液状ゴムを塗布することが肝要である。
【0029】
また、液状ゴムは、サイドウォールゴムと同一ゴム材料もしくはこれに類似しこれよりも亀裂成長性の低いゴム材料を灯油等の有機溶剤に溶かしこんだものを用いるのが好ましく、この類似するゴム材料として、サイドウォールゴムに用いられるものと同じ原料ゴムに、カーボンを30質量部以上と、オイルを25質量部以上と、老化防止剤を1質量部以上とを配合したゴム組成物を用いるのが好ましい。
【0030】
図7におけるスプレーガンGの代りに、タイヤ幅方向に変位可能に設けられた刷毛を用いて液状ゴムを塗布することもでき、また、塗膜の厚さを0.05〜2mmとするのがよく、これを0.05m未満とすると、塗膜の厚さのばらつき等に起因して帯状ゴムの重なり部分を完全に覆えずに、クラックの発生を防止できない可能性があり、また、塗膜の厚さを増やしても、これが2mmを越えるとコート層のクラック抑制効果は向上せず、コード層を形成するための材料と工数だけが増大するので好ましくない。
【0031】
なお第一および第二の実施形態の説明において、サイドウォールゴム2、22が帯状ゴムよりなるタイヤ1、21の例にについて詳細の説明を行ったが、以上サイドウォールゴムについて説明したことをトレッドゴム6、26についても適用することができ、サイドウォールゴムとトレッドゴムとのいずれの部分に、上記の構成を用いるかは適宜、タイヤの種類や用途によって決めることができる。
【0032】
【実施例】
第一および第二の実施形態に対応してそれぞれ第一の評価テストおよび第二の評価テストを行ったので、それぞれの評価テストごとに以下に説明する。
【0033】
1.第一評価テスト
サイドウォールゴムを、未加硫の帯状ゴム13を周方向に螺旋状に巻回して重ね合わせて形成する際、この未加硫の帯状ゴム13として、製品タイヤにおける重なり部分に対応する部分にゴムセメントを塗布してものを用いたタイヤを実施例1とし、製品タイヤにおける重なり部分に対応する部分に高接着性ゴム材料を一体的に接合したものを用いたタイヤを実施例2とし、製品タイヤにおける重なり部分に何も施さないものを従来例1として、これらのタイヤの耐久性を評価して比較した。
【0034】
これらのタイヤは、帯状ゴムの重なり部分が異なる点以外はすべて同じであり、共通仕様は次の通りである。
1)タイヤサイズ:PSR215/45R17
2)帯状ゴムの断面形状:底辺と斜辺との挟角が30度の平行四辺形。
3)帯状ゴムの断面寸法:底辺の幅15mm、厚さ0.6mm
4)帯状ゴムの重なり部分:前記平行四辺形の斜辺に隣接する部分
5)サイドウォールゴム厚さ:3mm
【0035】
ここで、実施例2に用いた高接着性ゴム材料は、JIS K6307の評価試験に基づく接着性はサイドウォールゴムの主たるゴム材料よりも50%高いものを用いた。
【0036】
耐久評価として、幅が7インチのリムにそれぞれのタイヤを装着して130kpaの内圧を充填し、荷重5.43kNを加えてドラム試験機で耐久試験を行いそれぞれのタイヤについて、サイドウォールゴム表面にクラックが発生するまでの走行距離を調査した。表1に、その結果を示す。
【0037】
【表1】
Figure 2004338626
【0038】
表1から明らかなように、ゴムセメントを塗布した未加硫帯状ゴム、および、高接着性ゴム材料を接合した未加硫帯状ゴムのいずれを螺旋巻回してサイドウォールゴムを形成したタイヤであっても、従来のタイヤに対して大幅にクラックの発生を抑制することができることがわかる。
【0039】
2.第二評価テスト
サイドウォールゴムを、未加硫の帯状ゴム18を周方向に螺旋巻回して重ね合わせて未加硫の主要部部材27を形成したあと、スプレーガンGで液状ゴムを塗布し、コート層9を形成したタイヤを実施例3とし、コート層を設けず主要部をタイヤ表面に露出させたタイヤを従来例2、コート層の代りに広幅ゴムシートを主要部外側に貼り付けてこれを被覆したタイヤを比較例として、実車走行耐久評価、製品不良評価、作業性評価のそれぞれの評価を行いこれらのタイヤを比較した。
【0040】
これらのタイヤは、主要部の表面の被覆の有無、もしくは被覆手段が異なる点以外はすべて同じであり、共通仕様は次の通りである。
1)タイヤサイズ:PSR205/60R15
2)帯状ゴムの断面形状:底辺と斜辺との挟角が30度の平行四辺形。
3)帯状ゴムの断面寸法:底辺の幅15mm、厚さ0.6mm
4)帯状ゴムの重なり部分:前記平行四辺形の斜辺に隣接する部分
5)サイドウォールゴム厚さ:3mm
【0041】
また、実施例3に用いた液状ゴムは、サイドウォールゴムと同じゴム材料を灯油に溶かし込んだものを用い、比較例に用いた広幅ゴムシートは、サイドウォールゴムと同じゴム材料を0.2mmの厚さのシート状に圧延したものを用いた。
【0042】
実車走行耐久評価に当たっては、実施例3、従来例2および比較例それぞれの種類のタイヤについて、四輪すべてに同じタイヤを装着した実車を30000km走行させ、その間の、サイドウォール部表面のクラックの発生を観察した。実車として、ホンダ製アコードを用い、また、実車走行にあたっては、四人乗車相当の負荷となるよう荷重を車内に搭載し、走行路条件は、一般良路70%、高速道路15%、山道10%、および悪路5%とした。
【0043】
また、実施例3と比較例とについては、コート層もしくは広幅ゴムシートと主要部との間に発生するエア入りによる製品不良を評価した。製品不良の評価は、生産されたそれぞれのタイヤ10本のうち、製品外観検査工程でこの部分にエア入りの発生が検出されたタイヤの本数の割合を不良率としてパーセントで表わした。
【0044】
さらに、これら実施例3および比較例のタイヤについては、生産性の評価として、主要部を被覆する表面層の形成、すなわち、未加硫のコート層もしくは広幅ゴムシートの層を形成するのに要する作業時間tを測定した。これら、実車走行耐久評価、製品不良評価、生産性評価の結果を表2にまとめて示す。
【0045】
【表2】
Figure 2004338626
【0046】
表2から明らかなように、実施例3のタイヤはクラック発生の発生を防止することができ従来例2のタイヤに対比して耐久性を大幅に向上させ、あわせて、比較例に対比しても、製品不良、生産性の点ではるかに優れたものであることがわかる。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたところから明らかなように、本発明によれば、タイヤ1のサイドウォールゴム2は、周方向に延在し幅方向の少なくとも一部で重なり合う帯状ゴム3よりなり、タイヤ外表面Sに露出して互いに隣接する帯状ゴム3a、3bの、隣接面5の両側に位置するそれぞれの重なり部分4aおよび4bの少なくとも一方は、高接着性材料よりなり、また、タイヤ21のサイドウォールゴム22は、周方向に延在し幅方向の少なくとも一部で重なり合う帯状ゴムよりなる主要部7と、主要部7の表面を隙間なく被覆してタイヤ外表面Sを形成する、主要部7と同種ゴムもしくはこれより亀裂成長性の低いゴムよりなるコート層9とを具えるので、タイヤ外表面のクラックを防止し、また間エア入りを発生させることもなく、しかも大幅に生産性を低下させることもないタイヤおよびその製造方法を提供することすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第一の実施形態のタイヤを示す子午線断面図である。
【図2】図1のa部の詳細を示す断面図である。
【図3】第一の実施形態のタイヤのサイドウォールゴムの形成方法を示す模式図である。
【図4】未加硫帯状ゴムを示す断面図である。
【図5】本発明に係る第二の実施形態のタイヤを示す子午線断面図である。
【図6】図5のb部の詳細を示す断面図である。
【図7】第二の実施形態のタイヤのサイドウォールゴムの形成方法を示す模式図である。
【符号の説明】
1 タイヤ
2 サイドウォールゴム
3、3a、3b 帯状ゴム
4a、4b 帯状ゴムの重なり部分
5 隣接面
5A 段差
6 トレッドゴム
7 主要部
8、8a、8b 未加硫帯状ゴム
9 コート層
11 成型途中のグリーンタイヤ
13、13a 未加硫帯状ゴム
14、14a 未加硫帯状ゴムの、重なり部分に対応する表面部分
15 サイドウォールゴムの主たるゴム材料よりなる部分
16 高接着性ゴム材料よりなる部分
17 未加硫帯状ゴム
18 未加硫帯状ゴム
19 未加硫コート層
21 タイヤ
22 サイドウォールゴム
23 成型途中のグリーンタイヤ
26 トレッドゴム
27 未加硫主要部部材
A 貼り付け装置
E 押出機
G スプレーガン
P ゴムセメント塗布装置
S タイヤ外表面
S1 主要部の表面

Claims (6)

  1. トレッドゴムおよびサイドウォールゴムの少なくとも一方は、周方向に延在し幅方向の少なくとも一部で重なり合う帯状ゴムよりなり、タイヤ外表面に露出して互いに隣接する帯状ゴムの少なくとも一方の重なり部分は、トレッドゴムもしくはサイドウォールゴムの主たるゴム材料とは異なる高接着性材料よりなるタイヤ。
  2. トレッドゴムおよびサイドウォールゴムの少なくとも一方は、周方向に延在し幅方向の少なくとも一部で重なり合う帯状ゴムよりなる主要部と、主要部表面を隙間なく被覆してタイヤ外表面を形成する、主要部と同種ゴムもしくは主要部のゴムと類似しこれより亀裂成長性の低いゴムよりなるコート層と、を具えてなるタイヤ。
  3. 請求項1に記載のタイヤを製造するに際し、ゴムセメントを一部の表面に塗布した未加硫帯状ゴムを螺旋状に巻回し幅方向の少なくとも一部で重ね合わせて、トレッドゴムおよびサイドウォールゴムの少なくとも一方を形成するタイヤの製造方法。
  4. 請求項1に記載のタイヤを製造するに際し、一部表面に高接着性ゴム材料を一体的に接合した未加硫帯状ゴムを螺旋状に巻回し幅方向の少なくとも一部で重ね合わせて、トレッドゴムおよびサイドウォールゴムの少なくとも一方を形成するタイヤの製造方法。
  5. 未加硫帯状ゴムの、前記重なり部分にほぼ対応する表面にゴムセメントを塗布する、もしくは、高接着性ゴム材料を接合する請求項3もしくは4に記載のタイヤの製造方法。
  6. 請求項2に記載のタイヤを製造するに際し、未加硫帯状ゴムを螺旋状に巻回し幅方向の少なくとも一部で重ね合わせて未加硫の前記主要部を形成したあと、タイヤの加硫に先立って主要部の表面に液状ゴムをコーティングしてコート層を形成するタイヤの製造方法。
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