JP4651881B2 - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気入りタイヤの製造方法に関するものであり、なかでも、その製造時間の低減と、製品タイヤのエア溜まりの防止とをともに実現したものである。
【0002】
【従来の技術】
路面整備状況が悪い道路、すなわち悪路においては、優れた乗心地を達成し難く、これがため、悪路での乗心地を改善するための種々の提案がなされているところ、その一案として、トレッド部が路上に存在する突起物等を包込むように接地する性質、すなわちトレッド部のエンベロープ性を向上させる提案がなされている。
【0003】
かかるエンベロープ性の向上を図るために、従来は、グリーンタイヤの成型に際して、図3(a)に示すように、並列配置した複数本のベルト層コードよりなり、所定の間隔をおいて位置する、二つのコード集合体21a,21bを用意するとともに、ゴムシート部材21cも別個に用意して、BTドラムD1上に、ゴムシート部材21cを配設した後、コード集合体21a,21bをゴムシート部材21cに突き合わせて配設して、タイヤ半径方向最内側に位置するベルト層素材21を形成し、しかる後に、ベルト層素材22、ベルト層素材間ゴム23、ベルト層素材24およびトレッドゴム25を順次配設していた。
【0004】
そして図3(a)において成型した一体物26を、1st成型ドラム(図示せず)で成型したグリーンケースと成型することでグリーンタイヤを完成させ、その後加硫工程を経て図3(b)に示すような製品タイヤ27を製造していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記態様により、製品タイヤ27を成型した場合には、図3(a)において、ベルト層素材21の両コード集合体21a,21bを別々に配設する必要があり、またゴムシート部材21cをこれらコード集合体21a,21bとは別個に配設しなければならず、しかもベルト層素材21のコード集合体21a,21bとゴムシート部材21cとを配設時に突き合わせなければならないことから、成型工程における製造工数が嵩み、ひいては製造時間が多大となるという問題があった。
【0006】
すなわち、タイヤの製造工程には、種々の工程が存在するが、これら工程のうち、グリーンタイヤの成型工程および加硫工程での製造能力が、とくに、製品タイヤの製造本数に影響を及ぼすことが判明しており、これに鑑みれば、これら工程における必要時間の低減が、同一設備でより多数本のタイヤを製造することを可能ならしめる大きな要因であり、これがため、上記問題は、製造経済上、解決すべき非常に重要な問題であった。
【0007】
また、上記態様により、製品タイヤ27を製造した場合には、BTドラム上での成型において、ベルト層素材21のコード集合体21a,21bと、ゴムシート部材21cとの間に、かすかな隙間(図示せず)が生じてしまい、この隙間の容積が十分でないことに起因して、加硫時にエアがタイヤ外部に抜け切るだけのブラダーによる十分な圧力がかからず、これがため、加硫後にもこの隙間にエアが残留し、製品タイヤとして通常の使用に耐え得る程度に、タイヤ耐久性を発揮できないおそれがあるという問題もあった。
【0008】
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、最内側に位置するベルト層を成型するにあたり、その製造時間を低減し、しかも製品タイヤにおけるエア溜まりの防止を実現した空気入りタイヤの製造方法を提案するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の空気入りタイヤの製造方法は、カーカスプライの半径方向外方に配設した三層以上のベルト層のうち、最内側に位置するベルト層を中抜き構造としてなる空気入りタイヤの製造方法であって、中抜き構造のベルト層の形成にあたり、並列配置した複数本のベルト層コードよりなり、所定の間隔をおいて位置する、二つのコード集合体の相互を、ゴムシート部材により連結して最内側ベルト層素材とし、この最内側ベルト層素材を、円筒状に形成したカーカスバンドの周りに、そのカーカスバンドの中央部分の膨張変形下で、それの全周にわたって貼着するものである。
【0010】
この空気入りタイヤの製造方法では、カーカスプライの半径方向外方に配設した三層以上のベルト層のうち、最内側に位置するベルト層を中抜き構造とすることで、最内側ベルト層の中抜き部分の剛性をベルト層部分の剛性に比して低くし、これにより、トレッド部のエンベロープ性を向上させることができる。
【0011】
またこの空気入りタイヤの製造方法では、中抜き構造のベルト層の形成にあたり、並列配置した複数本のベルト層コードよりなり、所定の間隔をおいて位置する、二つのコード集合体の相互を、ゴムシート部材により連結して最内側ベルト層素材とし、この最内側ベルト層素材を、円筒状に形成したカーカスバンドの周りに、そのカーカスバンドの中央部分の膨張変形下で、それの全周にわたって貼着することで、従来のように最内側ベルト層素材を構成するコード集合体を別々に配設する必要がないだけでなく、中抜き部をなすゴムシート部材をそれらと別個に配設する必要もなく、しかもベルト層素材のコード集合体とゴムシート部材とを配設時に突き合わせる必要もないことから、製造時間の低減を図ることができる。
【0012】
そしてこの空気入りタイヤの製造方法では、上述したように、グリーンタイヤ成型時に、最内側ベルト層素材のコード集合体とゴムシート部材とを配設時に突き合わせる必要がないことから、BTドラム上での最内側ベルト層素材の成型時に、コード集合体とゴムシート部材との間に、かすかな隙間が生じることがなく、これがため、加硫後にもこの隙間にエアが残留し、製品タイヤとして通常の使用に耐え得る程度に、タイヤ耐久性を発揮できないという懸念もない。
【0013】
したがって、この発明にかかる空気入りタイヤの製造方法では、タイヤ半径方向最内側に位置するベルト層を、中抜き構造とすることに基づく、エンベロープ性の向上を前提に、最内側ベルト層素材のBTドラム上での成型態様に起因した製造時間の低減と、最内側ベルト層素材の構造に起因した製品タイヤのエア溜まりの防止とをともに実現することができる。
なお、最内側ベルト層を構成する二つのコード集合体を、ゴムシート部材に予め連結する前工程は、グリーンタイヤの成型工程および加硫工程とは別工程であるため、生産設備の生産能力に直接係わることなく、これがため、この発明にしたがう製造方法を採用した場合には、生産性を悪化させることはない。
また、上記製造方法は、BTドラム上で成型した最内側ベルト層素材等を、円筒状に形成したカーカスバンドの周りに固定した状態で、カーカスバンドの中央部分を膨張変形させて、最内側ベルト層素材等をカーカスバンドの全周にわたって貼着する場合のみならず、円筒状に形成したカーカスバンドの中央部分を予め膨張変形させた状態で、当該最内側ベルト層素材等をカーカスバンドの全周にわたって貼着する場合にも適用することができる。
【0014】
かかる空気入りタイヤの製造方法においてより好ましくは、タイヤ幅方向断面内で、二つのコード集合体の間に、これらコード集合体の厚みと実質的に同じ厚みのゴムシート部材を介在させて、最内側ベルト層素材を形成する。
ここで、実質的に同じ厚みとは、コード集合体の厚みの、90〜110%の厚みをいう。
これによれば、最内側ベルト層素材を、中抜きタイプでない一般的なベルト層素材の場合となんら変わることなく、BTドラム上で成型することができるので、従来に比して製造時間の低減を実現することができ、またこの場合には、最内側ベルト層素材が、その構造において、コード集合体とゴムシート部材との間に隙間を生ずるものではないので、製品タイヤのエア溜まりを考慮するまでもなく、タイヤ耐久性の向上を実現することができる。
【0015】
また好ましくは、二つのコード集合体とゴムシート部材とに、タイヤ幅方向重複部分を設けて、最内側ベルト層素材を形成する。
かかる空気入りタイヤの製造方法によれば、最内側ベルト層素材を、二つのコード集合体の間に、これらコード集合体の厚みと実質的に同じ厚みのゴムシート部材を介在させて形成する場合に比して、BTドラム上での成型に先立って行われる最内側ベルト層素材の形成を容易ならしめることができ、またこの場合には、最内側ベルト層素材を構成するコード集合体同士の間に十分な空間が画成されることで、加硫時にエアがタイヤ外部に抜け切るだけのブラダーによる十分な圧力をかけることができ、これがため、加硫後に上記空間にエアが残留することがなく、製品タイヤとして通常の使用に耐え得る程度に、タイヤ耐久性を発揮することができる。
【0016】
そして、上述したように、二つのコード集合体とゴムシート部材とに、タイヤ幅方向重複部分を設けて、最内側ベルト層素材を形成する場合には、かかるタイヤ幅方向重複部分の片側幅を、最内側ベルト層素材の総幅の10〜30%とすることや、ゴムシート部材の厚みを、1.0〜5.0mmとすることが、加硫時に、ブラダーの膨張によりゴムシート部材が、最内側ベルト層素材のコード集合体同士の間に画成された空間に十分侵入し、これによって、エアをタイヤ外部に確実に抜け切らせることができ、また、二つのコード集合体とゴムシート部材とを十分に密着させる一方で、ゴムシート部材の、コード集合体との重複量を、過度に確保することなく、よってタイヤ重量増を防止することができる。
【0017】
このようなタイヤにおいては、最内側ベルト層の中抜き幅を30mm以上とすることで、製品タイヤにおいて、十分なエンベロープ性を確保することができ、その一方で、この中抜き幅を、最内側ベルト層と隣合うベルト層の幅よりも小さくすることで、当該最内側ベルト層とこれに隣合うベルト層とによりベルト層群を形成せしめ、このベルト層群によって、ベルト層本来の役目である、コードによるたが効果を十分に実現することができる。
【0018】
また好ましくは、製品タイヤにおいて、最内側ベルト層の各ベルト層部分のコード延在角度を、タイヤ赤道面に対して40〜65°とする。
これによれば、製品タイヤにおいて、最内側ベルト層のタイヤ幅方向の収縮を抑制し、優れたベルト剛性を確保することができる。
【0019】
そして、二つのコード集合体とゴムシート部材とに、タイヤ幅方向重複部分を設けて、最内側ベルト層素材を形成する場合において、さらに好ましくは、製品タイヤにおいて、最内側ベルト層のゴムシートの硬度を、ベルト側縁部とカーカスプライとの間に配設したクッションゴムの硬度よりも高くするとともに、最内側ベルト層の各ベルト層部分の被覆ゴムの硬度よりも低くする。
ここで、各ゴム層部分の硬度は、JIS K 6253−1993にしたがう、デュロメータ硬さ試験・タイプA試験機を用いて、試験温度25℃にて測定したものである。
異なるゴム種のゴム同士間において物性が大きく相違すると、大きな入力に対して、これらゴム同士の界面にてセパレーションを起すおそれがある。しかしながら、物性差を徐々に変化させることで、かかるセパレーションのおそれは回避することができる。以上のような知見の下において提案された、この発明の空気入りタイヤの製造方法によれば、製品タイヤにおいて、最内側ベルト層のゴムシートの硬度を、ベルト側縁部とカーカスプライとの間に配設したクッションゴムの硬度よりも高くするとともに、最内側ベルト層の各ベルト層部分の被覆ゴムの硬度よりも低くすることで、異なるゴム種のゴム同士、すなわち、クッションゴムとゴムシートとの界面、およびゴムシートと最内側ベルト層の各ベルト層部分との界面それぞれにおいて、セパレーションを有利に防止することができ、またベルトのカーカスプライに対するたが効果を損なわずに、加硫に際し、ゴムシートの流動性を十分に利用することができる。
【0020】
加えて好ましくは、製品タイヤにおいて、最内側ベルト層のタイヤ半径方向外方に位置する、少なくとも二層のベルト層のコード延在角度を、タイヤ赤道面に対して10〜30°とし、これら隣接ベルト層同士のコードを交差させる。
これによれば、優れたたが効果を実現することができ、使用に十分耐え得るベルト剛性が得られる。
【0021】
さらに、二つのコード集合体とゴムシート部材とに、タイヤ幅方向重複部分を設けて、最内側ベルト層素材を形成する場合において、一層好ましくは、製品タイヤにおいて、ゴムシートとクッションゴムとの重複部分の片側幅を、2.5mm以上とするとともに、最内側ベルト層の各ベルト層部分の幅よりも小さくする。
この発明の空気入りタイヤの製造方法によれば、ゴムシートとクッションゴムとの重複部分の片側幅を、2.5mm以上とすることで、異なるゴム種のゴム同士、すなわち、クッションゴムとゴムシートとの界面、およびゴムシートと最内側ベルト層の各ベルト層部分との界面それぞれにおいて、セパレーションを有利に防止することができ、その一方で、ゴムシートとクッションゴムとの重複部分の片側幅を、最内側ベルト層の各ベルト層部分の幅よりも小さくすることで、クッションゴムおよびゴムシートを必要以上に大きくすることなく、よってタイヤ重量の増加を防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を図面に示すところに基づいて説明する。
図1(a)は、この発明にかかる、BTドラム上での最内側ベルト層素材等の配設態様を示す断面図であり、図中1は最内側ベルト層素材、2,4はベルト層素材、3はベルト層素材間ゴム、5はトレッドゴム、そしてD1はBTドラムをそれぞれ示すものである。
【0023】
同図に示すように、BTドラムD1上にベルト層素材1,2,4、ベルト層素材間ゴム3およびトレッドゴム5を配設する場合には、並列配置した複数本のベルト層コードよりなり、所定の間隔をおいて位置する、二つのコード集合体1a,1bの相互を、ゴムシート1cにより連結して最内側ベルト層素材1とし、かかる最内側ベルト層素材1を、BTドラムD1上に配設し、しかる後にタイヤ半径方向外方に、ベルト層素材2、ベルト層素材間ゴム3、ベルト層素材4およびトレッドゴム5を順次配設する。
【0024】
なお同図に示した例は、タイヤ幅方向断面内で、二つのコード集合体1a,1bの間に、これらコード集合体1a,1bの厚みと実質的に同じ厚みのゴムシート部材1cを介在させて、ベルト層素材1を形成した例である。
【0025】
次に、図1(a)に示したBTドラムD1上で成型した一体物6を、1st成型ドラムで成型したグリーンケースと成型することで、グリーンタイヤを完成させ、しかる後に加硫を施し、図1(b)に示す製品タイヤ7を得る。
【0026】
かかる製品タイヤ7は、図1(b)に示す如く、カーカスプライ8の半径方向外方に位置し、コードをゴム被覆した三層のベルト層9,10,11のうち、半径方向最内側に位置するベルト層9を、ベルト層部分9a、ゴムシート9bおよびベルト層部分9cとからなる、タイヤ幅方向中央部が中抜きされたベルト層とすることを前提に、この最内側ベルト層9の各ベルト層部分9a,9cのコード延在角度を、タイヤ赤道面Cに対して40〜65°とし、かかるベルト層9のタイヤ半径方向外方に位置する、二層のベルト層10,11のコード延在角度を、タイヤ赤道面に対して10〜30°としたものである。
【0027】
以上に記載した空気入りタイヤの製造方法によれば、タイヤ半径方向最内側に位置するベルト層9を中抜き構造とすることに基づく、エンベロープ性の向上を前提に、最内側ベルト層素材1のBTドラム上での成型態様に起因した製造時間の低減と、当該ベルト層素材1の構造に起因した製品タイヤのエア溜まりの防止とをともに実現することができる。
【0028】
図2(a)は、この発明にかかる、BTドラム上での最内側ベルト層素材等の他の配設態様を示す断面図であり、図中12は最内側ベルト層素材、2,4はベルト層素材、3はベルト層素材間ゴム、5はトレッドゴム、そしてD1はBTドラムをそれぞれ示すものである。
この例は、コード集合体12a,12bとゴムシート部材12cとに、タイヤ幅方向重複部分を設けて、最内側ベルト層素材12を形成し、図2(a)に示すように、上記タイヤ幅方向重複部分の片側幅dを、最内側ベルト層素材12の総幅Dの10〜30%とし、ゴムシート部材12cの厚みtを、1.0〜5.0mmとし、最内側ベルト層15の中抜き幅wを30mm以上とし、しかもこの中抜き幅wを、最内側ベルト層15と隣合うベルト層16の幅Wよりも小さくしたものであり、以上に記載したこと以外は、図1(a)に示した例と同じ成型態様を採用するものである。
【0029】
なお、図2(a)において成型した一体物13を、1st成型ドラム(図示せず)で成型したグリーンケースと成型して、グリーンタイヤを完成させ、加硫の後に図2(b)に示す製品タイヤ14を得た場合には、製品タイヤ14において、最内側ベルト層15のゴムシート15aの硬度を、ベルト側縁部とカーカスプライとの間に配設したクッションゴム17の硬度よりも高くするとともに、最内側ベルト層15の各ベルト層部分15b,15cの被覆ゴムの硬度よりも低くし、さらには、図2(c)に図2(b)の一部を拡大してより詳細に示す如く、ゴムシート15aとクッションゴム17との重複部分の片側幅lを、2.5mm以上とするとともに、最内側ベルト層15の各ベルト層部分15b,15cの幅L(同図では左側15bのみ示した。)よりも小さくすることが好ましい。
【0030】
図2に示す製造方法によっても、タイヤ半径方向最内側に位置するベルト層15を中抜き構造とすることに基づく、エンベロープ性の向上を前提に、最内側ベルト層素材12の成型態様に起因した製造時間の低減と、当該ベルト層素材12の構造に起因した製品タイヤのエア溜まりの防止とをともに実現することができる。
【0031】
【実施例】
次に、この発明にかかる空気入りラジアルタイヤを試作し、最内側ベルト層素材の形成準備時間およびその成型時間と、製品タイヤにおける、最内側ベルト層近傍でのエア溜まり発生率とについての評価を行ったので、以下で説明する。
実施例タイヤ1〜6はいずれも、図2に示す、BTドラム上での成型態様により製造したタイヤであり、供試タイヤのそれぞれの各諸元は表1に示すとおりであり、その他の構造については、一般的な重荷重用空気入りタイヤと同様の構造とした。
表1に供試タイヤそれぞれの各諸元を示す。
【0032】
【表1】
Figure 0004651881
【0033】
ここで、最内側ベルト層素材の形成準備時間は、通常のベルト層素材と同様に、予めロール状に巻回された最内側ベルト層素材を、成型機上のベルトサーバの位置にセット完了となるまでの時間を計測し、また最内側ベルト層素材の成型時間は、最内側ベルト層素材がセットされたベルトカーバを起動させてから、その最内側ベルト層素材をBTドラム上に貼付け、ジョイントセットが完了するまでにかかる時間を計測し、そして製品タイヤにおける最内側ベルト層近傍でのエア溜まり発生率は、タイヤ内面からの非破壊検査によりエア溜まりを確認し、その周方向長さを測定し、(エア溜まり周方向長さ)を(検査した周方向総長さ)で除した値をエア溜まり発生率として評価した。
【0034】
なお、ここで各項目に対する評価はすべて、表1に示す各諸元を有し、図2に示す製造方法で製造した各供試タイヤについて行ったものであり、これら評価は、表1に示す各諸元を有し、図3に示す従来の製造方法で製造した従来例タイヤの場合をそれぞれコントロール(100:記載せず)として、相対評価したものである。
その結果を表2に示す。なお、評価指数はすべて、その値が小さいほど優れた結果を示すものである。
【0035】
【表2】
Figure 0004651881
【0036】
表2によれば、実施例タイヤ1〜6はいずれも、図3に示す従来の製造方法によって製造した従来例タイヤに比して、最内側ベルト層素材の形成準備時間およびその成型時間と、製品タイヤにおける最内側ベルト層近傍でのエア溜まり発生率とのいずれについても、優れた結果を示すことが判る。
【0037】
【発明の効果】
かくして、この発明によれば、製造時間の低減と、製品タイヤのエア溜まりの防止とをともに実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、この発明にかかる、BTドラム上での最内側ベルト層素材等の配設態様を示す断面図であり、(b)は(a)にしたがい成型した製品タイヤを示す、タイヤ幅方向部分断面図である。
【図2】 (a)は、この発明にかかる、BTドラム上での最内側ベルト層素材等の他の配設態様を示す断面図であり、(b)は、(a)にしたがい成型した製品タイヤを示す、タイヤ幅方向部分断面図であり、(c)は、(b)に示すゴムシート15aとクッションゴム17との重複部分を、(b)に比して拡大して示したタイヤ幅方向部分断面図である。
【図3】 従来の実施の形態を示す、(a)はBTドラム上での最内側ベルト層素材等の配設態様を示す断面図であり、(b)は、(a)にしたがい成型した製品タイヤを示す、タイヤ幅方向部分断面図である。
【符号の説明】
1,12 最内側ベルト層素材
1a,1b,12a,12b コード集合体
1c,12c ゴムシート部材
2,4 ベルト層素材
3 ベルト層素材間ゴム
5 トレッドゴム
6,13 一体物
7,14 製品タイヤ
8 カーカスプライ
9,15 最内側ベルト層
9a,9c,15b,15c 各ベルト層部分
9b,15a ゴムシート
10,11,16 ベルト層
17 クッションゴム
C タイヤ赤道面
D1 BTドラム
D 最内側ベルト層素材12の総幅
d タイヤ幅方向重複部分の片側幅
L 最内側ベルト層15の各ベルト層部分15b,15cの幅
l ゴムシート15aとクッションゴム17との重複部分の片側幅l
t ゴムシート部材12cの厚み
W 最内側ベルト層15と隣合うベルト層16の幅
w 最内側ベルト層15の中抜き幅

Claims (10)

  1. カーカスプライの半径方向外方に配設した三層以上のベルト層のうち、最内側に位置するベルト層を中抜き構造としてなる空気入りタイヤの製造方法であって、
    中抜き構造のベルト層の形成にあたり、並列配置した複数本のベルト層コードよりなり、所定の間隔をおいて位置する、二つのコード集合体の相互を、ゴムシート部材により連結して最内側ベルト層素材とし、この最内側ベルト層素材を、円筒状に形成したカーカスバンドの周りに、そのカーカスバンドの中央部分の膨張変形下で、それの全周にわたって貼着することを特徴とする、空気入りタイヤの製造方法。
  2. タイヤ幅方向断面内で、前記二つのコード集合体の間に、これらコード集合体の厚みと実質的に同じ厚みのゴムシート部材を介在させて、最内側ベルト層素材を形成することを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記二つのコード集合体とゴムシート部材とに、タイヤ幅方向重複部分を設けて、最内側ベルト層素材を形成することを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記タイヤ幅方向重複部分の片側幅を、最内側ベルト層素材の総幅の10〜30%とすることを特徴とする、請求項3に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記ゴムシート部材の厚みを、1.0〜5.0mmとすることを特徴とする、請求項3もしくは4に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. 製品タイヤにおいて、前記最内側ベルト層の中抜き幅を30mm以上とし、しかもこの中抜き幅を、最内側ベルト層と隣合うベルト層の幅よりも小さくすることを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  7. 製品タイヤにおいて、前記最内側ベルト層の各ベルト層部分のコード延在角度を、タイヤ赤道面に対して40〜65°とすることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  8. 製品タイヤにおいて、最内側ベルト層のゴムシートの硬度を、ベルト側縁部とカーカスプライとの間に配設したクッションゴムの硬度よりも高くするとともに、最内側ベルト層の各ベルト層部分の被覆ゴムの硬度よりも低くすることを特徴とする、請求項3〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  9. 製品タイヤにおいて、前記最内側ベルト層のタイヤ半径方向外方に位置する、少なくとも二層のベルト層のコード延在角度を、タイヤ赤道面に対して10〜30°とし、これら隣接ベルト層同士のコードを交差させることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  10. 製品タイヤにおいて、前記ゴムシートと前記クッションゴムとの重複部分の片側幅を、2.5mm以上とするとともに、最内側ベルト層の各ベルト層部分の幅よりも小さくしてなる、請求項3〜9のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
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