JP2003159909A - 空気入りタイヤ、空気入りタイヤの製造方法、帯状部材、及び帯状部材の製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤ、空気入りタイヤの製造方法、帯状部材、及び帯状部材の製造方法

Info

Publication number
JP2003159909A
JP2003159909A JP2001360827A JP2001360827A JP2003159909A JP 2003159909 A JP2003159909 A JP 2003159909A JP 2001360827 A JP2001360827 A JP 2001360827A JP 2001360827 A JP2001360827 A JP 2001360827A JP 2003159909 A JP2003159909 A JP 2003159909A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
unvulcanized
covered
layer
steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001360827A
Other languages
English (en)
Inventor
Takehiko Nakajima
岳彦 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2001360827A priority Critical patent/JP2003159909A/ja
Publication of JP2003159909A publication Critical patent/JP2003159909A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tyre Moulding (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スチールコード間の裂けを防止することので
きる空気入りタイヤを提供すること。 【解決手段】 スチールコード30を接着力の大きな第
1の被覆ゴム層31で覆うことで第1の被覆ゴム層31
とスチールコード30との間のセパレーションを抑制す
る。また、スチールコード間に、第1の被覆ゴム層31
よりも100%伸張モジュラスの小さい第2のゴム3
3’を介在させることで剛性段差を緩和し、耐劣化破壊
特性を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム被覆したスチ
ールコード間の裂けを防止することのできる空気入りタ
イヤ、空気入りタイヤの製造方法、帯状部材、及び帯状
部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スチールラジアルタイヤでは、図
6に示すようなスチールコード100を1種類のゴム1
02で覆ったカーカスプライ104を使用していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スチールコ
ード間に充填されているゴム102は、スチールコード
100との接着機能が最も重要な要求性能であるため、
これと背反する劣化破壊特性と両立させ、高温、高荷重
での使用条件におけるカーカス耐久性を更に向上させる
ことが困難であった。
【0004】そこで、本発明は、上記事実を考慮し、ス
チールコード間の裂けを防止することのできる空気入り
タイヤ、空気入りタイヤの製造方法、帯状部材、及び帯
状部材の製造方法を提供することが目的である。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、被覆ゴム内にスチールコードが配列された補強層を
有する空気入りタイヤであって、前記補強層は、前記ス
チールコードが第1の被覆ゴム層で覆われ、前記第1の
被覆ゴム層が第2の被覆ゴム層で覆われ、 前記第1の
被覆ゴム層を構成する第1のゴムは、前記第2の被覆ゴ
ム層を構成する第2のゴムよりもスチールに対する接着
力が大きく、前記第2のゴムは、前記第1のゴムよりも
100%伸張モジュラスが小さい、ことを特徴としてい
る。
【0006】次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。
【0007】請求項1に記載の空気入りタイヤでは、ス
チールコードが接着力の大きな第1のゴム(第2のゴム
対比で)からなる第1の被覆ゴムで覆われているので、
第1の被覆ゴム層とスチールコートとの間のセパレーシ
ョンを抑制できる。
【0008】また、スチールコードとスチールコードと
の間には、第1の被覆ゴム層の第1のゴムよりも100
%伸張モジュラスの小さい第2のゴムからなる第2の被
覆ゴム層が介在するので、ゴムとスチールとの剛性段差
を緩和し、スチールコード間の亀裂発生を抑制すること
ができる。
【0009】即ち、第1の被覆ゴム層の第1のゴムは、
接着性を優先する。
【0010】また、スチールコード間のゴムが高熱や大
きな歪み繰り返し受けるとゴムが劣化して破壊しやすく
なるが、第2の被覆ゴム層の第2のゴムは、第1の被覆
ゴム層よりも100%伸張モジュラスが相対的に小さい
ので、硬度がスチール、第1のゴム、第2のゴムの順で
低くなってスチールとゴムとの剛性段差が緩和できると
共に、耐劣化破壊特性を向上できる。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の空気入りタイヤにおいて、前記第1のゴムの100%
伸張モジュラスをM1、前記第2のゴムの100%伸張
モジュラスをM2としたときに、1.0<M1/M2≦
1.5を満足することを特徴としている。
【0012】次に、請求項2に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。
【0013】第1のゴムの100%伸張モジュラスと第
2のゴムの100%伸張モジュラスとの比率M1/M2
が1.0以下になると、剛性段差を緩和することが出来
なくなる。
【0014】一方、比率M1/M2が1.5を越える
と、第1の被覆ゴム層と第2の被覆ゴム層との剛性段差
が大き過ぎ、ゴム層間破壊に至る場合がある。
【0015】請求項3に記載の発明は、スチールコード
が第1の被覆ゴム層で覆われ、前記第1の被覆ゴム層が
第2の被覆ゴム層で覆われた補強層を内部に有する空気
入りタイヤの製造方法であって、未加硫の第2のゴムか
らなる層を環状に形成する第1の工程と、環状に形成さ
れた前記未加硫の第2のゴムからなる層の外周面に、未
加硫の第1のゴムで覆われたスチールコードを間隔をあ
けて配置する第2の工程と、前記未加硫の第1のゴムで
覆われたスチールコードの上に未加硫の第2のゴムから
なる層を形成する第3の工程と、加熱及び加圧による加
硫を行って、前記第2のゴム、前記第1のゴム及び前記
スチールコードを一体化させる第4の工程と、を有し、
加硫後に加硫済みの前記第2のゴムよもスチールに対す
る接着力が高くなる未加硫の第1のゴムと、加硫後に加
硫済みの前記第1のゴムよりも100%伸張モジュラス
が低くなる未加硫の第2のゴムとを用いる、ことを特徴
としている。
【0016】次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの
製造方法の作用を説明する。
【0017】空気入りタイヤの製造方法としては、全体
的に従来の空気入りタイヤの製造方法とほぼ同じである
が、スチールコードを有する補強層部分の製造工程が異
なっている。
【0018】先ず、第1の工程では、未加硫の第2のゴ
ムからなる層が環状に形成される。
【0019】なお、第2のゴムを環状の層に形成するた
め、タイヤ成形ドラム等を用いることができる。
【0020】第2の工程では、環状に形成された未加硫
の第2のゴムからなる層の外周面に、未加硫の第1のゴ
ムで覆われたスチールコードが間隔をあけて配置され
る。なお、未加硫の第2のゴムからなる層の外周面に
は、未加硫の第1のゴムで覆われた複数本のスチールコ
ードを配置しても良く、未加硫の第1のゴムで覆われた
1本のスチールコードをジグザグ状に折り返しながら配
置しても良い。
【0021】第3の工程では、未加硫の第1のゴムで覆
われたスチールコードの上に未加硫の第2のゴムからな
る層が形成される。
【0022】第4の工程では、加熱及び加圧による加硫
を行う。加圧により、第2のゴム及び第1のゴムが流動
して第2のゴム、第1のゴム及びスチールコードが一体
化して補強層が空気入りタイヤの中に形成される。
【0023】なお、第2の工程において、未加硫の第1
のゴムで覆われたスチールコードを間隔をあけて配置し
ているので、加硫後の補強層では、第2のゴム中に、第
1のゴムで覆われたスチールコードが間隔をおいて配置
されることになる(即ち、スチールコードとスチールコ
ードとの間に第2のゴムが介在する。)。
【0024】この第4の工程の加硫とは、通常の空気入
りタイヤの加硫成形工程で良い。
【0025】また、第1の工程〜第4の工程の途中に、
通常の空気入りタイヤの他の製造工程が設けられていて
も良い。
【0026】なお、請求項3に記載の空気入りタイヤの
製造方法で得られた空気入りタイヤの作用は、請求項1
の作用と同様である。
【0027】請求項4に記載の発明は、スチールコード
が第1の被覆ゴム層で覆われ、前記第1の被覆ゴム層が
第2の被覆ゴム層で覆われた補強層を内部に有する空気
入りタイヤの製造方法であって、外周面が未加硫の第1
のゴムで覆われ未加硫の第1のゴムの外周面が未加硫の
第2のゴムで覆われたスチールコードを1乃至複数本用
いて環状の未加硫の補強層を形成する第1の工程と、加
熱及び加圧による加硫を行って、前記第2のゴム、前記
第1のゴム及び前記スチールコードを一体化させる第2
の工程と、を有し、加硫後に加硫済みの前記第2のゴム
よもスチールに対する接着力が高くなる未加硫の第1の
ゴムと、加硫後に加硫済みの前記第1のゴムよりも10
0%伸張モジュラスが低くなる未加硫の第2のゴムとを
用いる、ことを特徴としている。
【0028】次に、請求項4に記載の空気入りタイヤの
製造方法を説明する。
【0029】先ず第1の工程では、外周面が未加硫の第
1のゴムで覆われ未加硫の第1のゴムの外周面が未加硫
の第2のゴムで覆われたスチールコードを1乃至複数本
用いて、環状の未加硫の補強層が形成される。
【0030】なお、補強層を形成するため、タイヤ成形
ドラム等を用いることができる。
【0031】次の、第2の工程では、加熱及び加圧によ
る加硫が行われ、第2のゴム、第1のゴム及びスチール
コードが一体化される。
【0032】この第2の工程の加硫とは、通常の空気入
りタイヤの加硫成形工程で良い。
【0033】また、第1の工程と第2の工程の途中に、
通常の空気入りタイヤの他の製造工程が設けられていて
も良い。
【0034】なお、請求項4に記載の空気入りタイヤの
製造方法で得られた空気入りタイヤの作用は、請求項1
の作用と同様である。
【0035】請求項5に記載の発明は、請求項3に記載
の空気入りタイヤの製造方法において、前記第1の工程
は、空気入りタイヤのクラウン部に対応する外周面部と
サイド部に対応する側面部とを有したコアの外面上に、
未加硫の第2のゴムからなる層を環状に形成する工程で
あり、前記第2の工程は、外周面が未加硫の第1のゴム
で覆われたスチールコードを、前記コアの一方の側面部
から他方の側面部に向けて貼付け、前記他方の側面部で
折り返し再び一方の側面部に向けて貼付け、コア周方向
に沿って前記外周面が未加硫の第1のゴムで覆われたス
チールコードの前記貼付けを繰り返す工程である、こと
を特徴としている。
【0036】次に、請求項5に記載の空気入りタイヤの
製造方法を説明する。
【0037】先ず、第1の工程では、空気入りタイヤの
クラウン部に対応する外周面部とサイド部に対応する側
面部とを有したコアの外面上に、未加硫の第2のゴムか
らなる層が環状に形成される。
【0038】次の第2の工程は、外周面が未加硫の第1
のゴムで覆われたスチールコードが、コアの一方の側面
部から他方の側面部に向けて貼付けられ、他方の側面部
で折り返し再び一方の側面部に向けて貼付けられ、コア
周方向に沿って外周面が未加硫の第1のゴムで覆われた
スチールコードの貼付けが繰り返される。
【0039】即ち、第2の工程では、未加硫の第1のゴ
ムで覆われたスチールコードがコア外面に貼り付けられ
た未加硫の第2のゴムからなる層の外面に、略ジグザグ
状に貼り付けられる。
【0040】その後、請求項3の作用で説明したよう
に、第3の工程及び第4の工程を経て空気入りタイヤが
形成される。
【0041】このため、本製造法で製造された空気入り
タイヤの内部には、タイヤ周方向にジグザグ状に配置さ
れたスチールコードを有するカーカス層を形成すること
ができる。
【0042】また、一般的に生タイヤを加硫する場合、
モールド内では、膨張するブラダーによって生タイヤを
膨張させて拡径し、モールド内面にタイヤ外面を密着さ
せる。
【0043】本製造方法では、空気入りタイヤのクラウ
ン部に対応する外周面部とサイド部に対応する側面部と
を有したコアの外面上に、未加硫の第2のゴムからなる
層と未加硫の第1のゴムで覆われたスチールコードを貼
り付けるので、得られた生タイヤは、モールド内で膨張
させる割合が少なくて済み、カーカス層が部分的に大き
く引っ張られることがない。このため、スチールコード
のピッチ、即ち、スチールコードとスチールコードとの
間のゴムゲージを全体的に一定にすることができ、カー
カス層全体に渡って一様な耐劣化破壊特性が得られる。
【0044】請求項6に記載の発明は、請求項4に記載
の空気入りタイヤの製造方法において、前記第1の工程
は、空気入りタイヤのクラウン部に対応する外周面部と
サイド部に対応する側面部とを有したコアの外面上に、
外周面が未加硫の第1のゴムで覆われ未加硫の第1のゴ
ムの外周面が未加硫の第2のゴムで覆われたスチールコ
ードを、前記コアの一方の側面部から他方の側面部に向
けて貼付け、前記他方の側面部で折り返し再び一方の側
面部に向けて貼付け、コア周方向に沿って外周面が未加
硫の第1のゴムで覆われ未加硫の第1のゴムの外周面が
未加硫の第2のゴムで覆われたスチールコードの前記貼
付けを繰り返す工程である、ことを特徴としている。
【0045】次に、請求項6に記載の空気入りタイヤの
製造方法を説明する。
【0046】第1の工程では、空気入りタイヤのクラウ
ン部に対応する外周面部とサイド部に対応する側面部と
を有したコアの外面上に、外周面が未加硫の第1のゴム
で覆われ未加硫の第1のゴムの外周面が未加硫の第2の
ゴムで覆われたスチールコードが、コアの一方の側面部
から他方の側面部に向けて貼付けられ、他方の側面部で
折り返し再び一方の側面部に向けて貼付けられ、コア周
方向に沿って外周面が未加硫の第1のゴムで覆われ未加
硫の第1のゴムの外周面が未加硫の第2のゴムで覆われ
たスチールコードの貼付けが繰り返される。
【0047】即ち、第1の工程では、外周面が未加硫の
第1のゴムで覆われ未加硫の第1のゴムの外周面が未加
硫の第2のゴムで覆われたスチールコードがコア外面
に、略ジグザグ状に貼り付けられる。
【0048】その後、請求項4の作用で説明したよう
に、第2の工程を経て空気入りタイヤが形成される。
【0049】このため、本製造法で製造された空気入り
タイヤの内部には、タイヤ周方向にジグザグ状に配置さ
れたスチールコードを有するカーカス層を形成すること
ができる。
【0050】また、一般的に生タイヤを加硫する場合、
モールド内では、膨張するブラダーによって生タイヤを
膨張させて拡径し、モールド内面にタイヤ外面を密着さ
せる。
【0051】本製造方法では、空気入りタイヤのクラウ
ン部に対応する外周面部とサイド部に対応する側面部と
を有したコアの外面上に、外周面が未加硫の第1のゴム
で覆われ第1のゴムの外周面が未加硫の第2のゴムで覆
われたスチールコードを貼り付けるので、得られた生タ
イヤは、モールド内で膨張させる割合が少なくて済み、
カーカス層が部分的に大きく引っ張られることがない。
このため、スチールコードのピッチ、即ち、スチールコ
ードとスチールコードとの間のゴムゲージを全体的に一
定にすることができ、カーカス層全体に渡って一様な耐
劣化破壊特性が得られる。
【0052】請求項7に記載の発明は、被覆ゴム内にス
チールコードが配列された帯状部材であって、スチール
コードは、第1の被覆ゴム層で覆われ、前記第1の被覆
ゴム層は、第2の被覆ゴム層で覆われ、前記第1の被覆
ゴム層を構成する第1のゴムは、前記第2の被覆ゴム層
を構成する第2のゴムよりもスチールに対する接着力が
大きく、前記第2のゴムは、前記第1のゴムよりも10
0%伸張モジュラスが小さい、ことを特徴としている。
【0053】次に、請求項7に記載の帯状部材の作用を
説明する。
【0054】請求項7に記載の帯状部材では、スチール
コードが接着力の大きな第1のゴム(第2のゴム対比
で)からなる第1の被覆ゴムで覆われているので、第1
の被覆ゴム層とスチールコートとの間のセパレーション
を抑制できる。
【0055】また、スチールコードとスチールコードと
の間には、第1の被覆ゴム層の第1のゴムよりも100
%伸張モジュラスの小さい第2のゴムからなる第2の被
覆ゴム層が介在するので、ゴムとスチールとの剛性段差
を緩和し、スチールコード間の亀裂発生を抑制すること
ができる。
【0056】即ち、第1の被覆ゴム層の第1のゴムは、
接着性を優先する。
【0057】また、スチールコード間のゴムが高熱や大
きな歪み繰り返し受けるとゴムが劣化して破壊しやすく
なるが、第2の被覆ゴム層の第2のゴムは、第1の被覆
ゴム層よりも100%伸張モジュラスが相対的に低くい
ので、硬度がスチール、第1のゴム、第2のゴムの順で
低くなってスチールとゴムとの剛性段差が緩和できると
共に、耐劣化破壊特性を向上できる。
【0058】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の帯状部材において、前記第1のゴムの100%伸張モ
ジュラスをM1、前記第2のゴムの100%伸張モジュ
ラスをM2としたときに、1.0<M1/M2≦1.5
を満足することを特徴としている。
【0059】次に、請求項8に記載の帯状部材の作用を
説明する。
【0060】第1のゴムの100%伸張モジュラスと第
2のゴムの100%伸張モジュラスとの比率M1/M2
が1.0以下になると、剛性段差を緩和することが出来
なくなる。
【0061】一方、比率M1/M2が1.5を越える
と、第1の被覆ゴム層と第2の被覆ゴム層との剛性段差
が大き過ぎ、ゴム層間破壊に至る場合がある。
【0062】請求項9に記載の発明は、間隔をおいて配
置されたスチールコードが第1のゴムを用いた第1の被
覆ゴム層で覆われ、前記第1の被覆ゴム層が第2のゴム
を用いた第2の被覆ゴム層で覆われた帯状部材の製造方
法であって、未加硫の第1のゴムで覆われたスチールコ
ードを間隔をおいて配置する工程と、前記間隔をおいて
配置されたスチールコードを両側からシート状の未加硫
の第2のゴムで挟んで帯状に形成して加圧、加熱による
加硫を行う工程と、を有し、加硫後に加硫済みの前記第
2のゴムよもスチールに対する接着力が高くなる未加硫
の第1のゴムと、加硫後に加硫済みの前記第1のゴムよ
りも100%伸張モジュラスが低くなる未加硫の第2の
ゴムとを用いる、ことを特徴としている。
【0063】次に、請求項9に記載の帯状部材の製造方
法の作用を説明する。
【0064】未加硫の第1のゴムで覆われたスチールコ
ードを間隔をおいて配置する工程と、間隔をおいて配置
されたスチールコードを両側からシート状の未加硫の第
2のゴムで挟んで帯状に形成して加硫する工程とがある
が、シート状の未加硫の第2のゴムをスチールコードに
貼り付けても良く、スチールコードをシート状の未加硫
の第2のゴムに貼り付けても良く、本発明において貼付
けの順番は特に問わない。
【0065】間隔をおいて配置された未加硫の第1のゴ
ムで覆われたスチールコードを両側からシート状の未加
硫の第2のゴムで挟んで帯状に形成し、これを加圧、加
熱により加硫すると、第1のゴムで覆われたスチールコ
ード間には加圧により第2のゴムが進入し、第1のゴ
ム、スチールコード及び第2のゴムが隙間無く一体化し
た帯状部材が得られる。
【0066】なお、請求項9に記載の帯状部材の製造方
法で得られた帯状部材の作用は、請求項7に記載の帯状
部材の作用と同様である。
【0067】請求項10に記載の発明は、間隔をおいて
配置されたスチールコードが第1のゴムを用いた第1の
被覆ゴム層で覆われ、前記第1の被覆ゴム層が第2のゴ
ムを用いた第2の被覆ゴム層で覆われた帯状部材の製造
方法であって、外周面が未加硫の第1のゴムで覆われ未
加硫の第1のゴムの外周面が未加硫の第2のゴムで覆わ
れたスチールコードを並べて未加硫の帯状部材とする工
程と、前記未加硫の帯状部材を加圧、加熱による加硫を
行う工程と、を有し、加硫後に加硫済みの前記第2のゴ
ムよもスチールに対する接着力が高くなる未加硫の第1
のゴムと、加硫後に加硫済みの前記第1のゴムよりも1
00%伸張モジュラスが低くなる未加硫の第2のゴムと
を用いる、ことを特徴としている。
【0068】次に、請求項10に記載の帯状部材の製造
方法を説明する。
【0069】先ず最初の工程では、外周面が未加硫の第
1のゴムで覆われ、未加硫の第1のゴムの外周面が未加
硫の第2のゴムで覆われたスチールコードが並べられて
未加硫の帯状部材が得られる。
【0070】次の工程では、未加硫の帯状部材が加圧、
加熱により加硫される。
【0071】スチールコードは、外周面が未加硫の第1
のゴムで覆われ、この第1のゴムの外周面が未加硫の第
2のゴムで覆われているので、加圧、加熱により加硫す
ると、互いに隣接するスチールコードの第2のゴム同士
が密着して一体となり、これにより第1のゴム、スチー
ルコード及び第2のゴムが隙間無く一体化した帯状部材
が得られる。
【0072】なお、請求項10に記載の帯状部材の製造
方法で得られた帯状部材の作用は、請求項7に記載の帯
状部材の作用と同様である。
【0073】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]以下、図面に
したがって、本発明の第1の実施形態に係る空気入りタ
イヤ及びその製造方法について説明する。
【0074】図2に示すように、空気入りタイヤ10
(以下、適宜「タイヤ10」と略す。)は、1対のビー
ドコア12を備えている。
【0075】このビードコア12間には、カーカス層1
4がトロイド状に跨っている。
【0076】カーカス層14のタイヤ径方向外側には、
ベルト層16が配置されている。
【0077】さらに、ベルト層16のタイヤ径方向外側
には、トレッドゴム層18が配置されている。
【0078】なお、カーカス層14のタイヤ径方向内側
には、インナーライナー19が形成されている。
【0079】このように、タイヤ10では、主にビード
コア12で構成されるビード部20と、主にトレッドゴ
ム層18で構成されるトレッド部22と、トレッド部2
2のタイヤ幅方向外側に位置するショルダー部24と、
ショルダー部24とビード部20との間に位置するサイ
ドウォール部26と、がそれぞれ設けられている。
【0080】なお、本実施形態の空気入りタイヤ10
は、以下に詳述するカーカス層14の構成以外は、通常
のラジアルタイヤの構造と同様である。
【0081】図1に示すように、カーカス層14は、ス
チールコード30が互いに間隔をおいて配置されてい
る。
【0082】スチールコード30の外周面には第1の被
覆ゴム層31が設けられており、第1の被覆ゴム層31
で覆われたスチールコード30が、第2の被覆ゴム層3
3中に埋設されている。
【0083】この第1の被覆ゴム層31を構成する第1
のゴム31’は、第2の被覆ゴム層33を構成する第2
のゴム33’よりもスチールに対する接着力が大きく設
定されている。
【0084】また、第2の被覆ゴム層33を構成する第
2のゴム33’は、第1の被覆ゴム層31を構成する第
1のゴム31’よりも100%伸張モジュラスが低く設
定されている。
【0085】なお、第1の被覆ゴム層31を構成する第
1のゴム31’の100%伸張モジュラスをM1、第2
の被覆ゴム層33を構成する第2のゴム33’の100
%伸張モジュラスをM2としたときに、1.0<M1/
M2≦1.5を満足することが好ましい。
【0086】次に、カーカス層14を形成する際に用い
る製造装置40について説明する。
【0087】図3に示すように、製造装置40は、金属
製で、かつ外面形状が製品タイヤの内面形状と略同一の
形状に形成されたコア42を備えている。このコア42
は、従来周知のものであり、複数個に分割可能に構成さ
れている。
【0088】なお、図3には、予めインナーライナー1
9(図示せず)、及びシート状に形成された第2のゴム
33’が貼り付けられたコア42が示されている。
【0089】また、製造装置40は、シート状に形成さ
れた第2のゴム33’の上に第1のゴム31’で被覆さ
れたスチールコード30を貼り付ける貼付機構46を備
えている。
【0090】コア42には図示しない駆動機構により回
転駆動される回転軸43が貫通しており、回転軸43の
回転によりコア42が図3中矢印A方向及び矢印A方向
とは反対方向に回転するようになっている。
【0091】貼付機構46は、第1のゴム31’で被覆
されたスチールコード30がストックされる図示しない
供給部と、第1のゴム31’で被覆されたスチールコー
ド30をコア42上のインナーライナー19に対して貼
り付ける貼付部52と、を備えている。
【0092】貼付部52は、第1のゴム31’で被覆さ
れたスチールコード30が内部を搬送されるアーム54
と、アーム54の先端に設けられた回転軸56を中心と
して回転自在に構成された首振部58とを備え、その先
端からコア42上のインナーライナー19に対して第1
のゴム31’で被覆されたスチールコード30を貼り付
けるものである。
【0093】次に、本実施形態の空気入りタイヤ10の
製造方法について説明する。
【0094】先ず最初の工程では、コア42上にインナ
ーライナー19が貼り付けられる。
【0095】次の工程では、インナーライナー19の外
周面に第2の被覆ゴム層33を形成するためのシート状
の未加硫の第2のゴム33’が貼り付けられる。
【0096】次の工程では、供給部から第1のゴム3
1’で被覆されたスチールコード30が供給され、シー
ト状の未加硫の第2のゴム33’に貼り付けられる。
【0097】ここで、コア42は、図示しない駆動機構
によって矢印A方向に回転させられるとともに、貼付機
構46のアーム54がコア幅方向(矢印B方向、及び矢
印B方向とは反対方向)に移動すると共に上下に伸縮
(矢印D方向、及び矢印D方向とは反対方向)、首振部
58が回転軸56を中心として回転(矢印C方向、及び
矢印C方向とは反対方向)させられる。
【0098】すなわち、アーム54がコア幅方向に移動
すると共に首振部58が回転することによりコア42の
一方側の側面部50から第1のゴム31’で被覆された
スチールコード30が順次貼り付けられていき、カーカ
ス帯状部材44がコア42の外周面部48を通って他方
側の側面部50に到達したときに、アーム54を伸縮さ
せて首振部58を逆方向に回転させ、再度、コア42の
一方側の側面部50に向かって第1のゴム31’で被覆
されたスチールコード30が貼り付けられていく。
【0099】また、首振部58の回転速度とコア42の
回転速度とは、図示しない制御部により制御されてい
る。
【0100】ここで、本実施形態では、制御部により首
振部58の回転速度とコア42の回転速度とを制御し
て、コア42の外周面部48では、コア周方向(図3中
矢印S方向)に対して略90度となるように第1のゴム
31’で被覆されたスチールコード30が貼り付けられ
ていく。
【0101】一方、コア42の一方の側面部50、及び
他方の側面部50では、第1のゴム31’で被覆された
スチールコード30がコア42の略径方向(図3中矢印
T方向)に沿って貼り付けられていく。
【0102】このように、第1のゴム31’で被覆され
たスチールコード30が、シート状の未加硫の第2のゴ
ム33’に順次周方向に貼り付けられていき、第1のゴ
ム31’で被覆されたスチールコード30は、シート状
の未加硫の第2のゴム33’上を少なくとも1周する。
【0103】次の工程では、第1のゴム31’で被覆さ
れたスチールコード30の上に、シート状の未加硫の第
2のゴム33’が貼り付けられる。
【0104】これにより、インナーライナー19の外周
面には、図4に示すように2枚のシート状の未加硫の第
2のゴム33’で、第1のゴム31’で被覆されたスチ
ールコード30が挟まれた未加硫のカーカス層14が形
成される。
【0105】次の工程では、カーカス層14が形成され
た後、コア42のコア幅方向外側からそれぞれリング状
のビードコア12が圧着される。
【0106】次の工程では、カーカス層14のコア幅方
向両端部がビードコア12を包み込むようにコア幅方向
外側からコア径方向外側に向けて折り曲げられる。
【0107】次の工程では、ベルト層形成工程におい
て、カーカス層14のタイヤ径方向外側にベルトコード
を有したベルト層16が貼り付けられる。
【0108】次の工程では、ベルト層16のタイヤ径方
向外側に各種ゴム部材が巻回されて、トレッド部22、
ショルダー部24、サイドウォール部26及びビード部
20がそれぞれ形成される。
【0109】以上の各工程を経て、生タイヤが製造され
る。
【0110】コア42より取り外された生タイヤは、図
示しないモールドに装填され、加硫工程にて加圧、加熱
され、空気入りタイヤ10(製品タイヤ)となる。
【0111】なお、加硫時の圧力により、図4で示され
た第1のゴム31’で被覆されたスチールコード間の隙
間60には、未加硫の第2のゴム33’が流れ込み埋ま
ってしまい、図1に示すような断面形状のカーカス層1
4となる。 (作用)このようにして得られた空気入りタイヤ10で
は、スチールコード30が接着力の大きな第1のゴム3
1’(第2のゴム33’対比で)からなる第1の被覆ゴ
ム層31で覆われているので、第1の被覆ゴム層31と
スチールコード30との間のセパレーションを抑制でき
る。
【0112】また、スチールコード間には、第1の被覆
ゴム層31の第1のゴム31’よりも100%伸張モジ
ュラスの小さい第2のゴム33’が介在するので、剛性
段差が緩和できると共に、耐劣化破壊特性を向上でき
る。これによって、高温、高荷重で使用された場合のカ
ーカス層14のスチールコード間の亀裂発生を抑制でき
る。
【0113】なお、第1のゴム31’(加硫済み)の1
00%伸張モジュラスM1と第2のゴム33’(加硫済
み)の100%伸張モジュラスM2との比率M1/M2
が1.0以下になると、剛性段差を緩和することが出来
なくなる。
【0114】一方、比率M1/M2が1.5を越える
と、第1の被覆ゴム層31と第2の被覆ゴム層33との
剛性段差が大き過ぎ、ゴム層間破壊に至る場合がある。
【0115】また、本実施形態の製造方法によれば、カ
ーカス層14が予め製品タイヤの形状に沿って形成され
るので、モールドで加硫する際に、カーカス層14が部
分的に大きく引っ張られることがない。このため、スチ
ールコード30のピッチ、即ち、スチールコード30と
スチールコード30との間のゴムゲージが全体的に一定
となり、カーカス層全体に渡って一様な耐劣化破壊特性
が得られる。
【0116】なお、スチールコード30とスチールコー
ド30との間のゴムゲージを全体的に一定とするには、
生タイヤをモールドで加硫する際のカーカス層14の拡
径率({(加硫後のタイヤのカーカス層の外径−生タイ
ヤでのカーカス層14の外径)/生タイヤでのカーカス
層14の外径}×100)を5%以内とすることが好ま
しい。
【0117】また、ゴムの接着力を高める方法は、従来
公知の技術、例えば、コバルト元素を含む配合剤(例え
ば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト等)を
用いることができるが、他の配合剤を用いても良いのは
勿論である。
【0118】また、第1のゴム31’及び第2のゴム3
3’のゴム配合として好ましくは、第1のゴム31’は
カーボンブラック40〜60重量部、コバルト元素含有
量0.02〜0.4重量部であり、第2のゴム33’は
カーボンブラック30〜50重量部、コバルト元素含有
量は無し(または極少)である。
【0119】なお、空気入りタイヤ10では、第1のゴ
ム31’の100%伸張モジュラスM1は3.0〜5.
0MPaの範囲内が好ましく、第2のゴム33’ の1
00%伸張モジュラスM2は2.0〜4.0MPaの範
囲内が好ましい。
【0120】また、本実施形態では、外面形状が製品タ
イヤの内面形状と略同一の形状に形成されたコア42を
用いて生タイヤを形成したが、本発明はこれに限らず、
外周面がフラット(一定径)なドラム上で各種部材を貼
り付け、その後拡張を行って生タイヤを形成しても良
い。
【0121】また、上記実施形態では、カーカス層14
をコア42上で形成したが、本発明はこれに限らず、コ
ンベアや、外周面がフラットなドラム上で形成しても良
い。
【0122】また、上記実施形態では、1本のスチール
コード30を用いてカーカス層14を形成したが、第1
のゴム31’で被覆されたスチールコード30を複数本
並べた帯状部材を形成し、これに第2のゴム33’をコ
ーティングする方法でカーカス層14を形成しても良
い。
【0123】[第2の実施形態]次に、本発明の第2の
実施形態に係る空気入りタイヤの製造方法について説明
する。
【0124】なお、ここでは、第1実施形態の空気入り
タイヤの製造方法と異なる点のみを説明する。
【0125】第1の実施形態では、インナーライナー1
9の外周面にシート状の第2のゴム33’を貼り付けた
が、本実施形態では、図5に示すように、外周面が未加
硫の第1のゴム31’で覆われ、第1のゴム31’の外
周面が未加硫の第2のゴム33’で覆われたスチールコ
ード30をコア42上のインナーライナー19に対して
貼り付ける。
【0126】なお、この第1のゴム31’及び第2のゴ
ム33’で覆われたスチールコード30の貼り付け方法
は、第1の実施形態と同様に行う。
【0127】そして、第1のゴム31’及び第2のゴム
33’で覆われたスチールコード30を貼り付けた後
は、ビードコア12の装着、トレッド部22、ショルダ
ー部24、サイドウォール部26及びビード部20を構
成する各種ゴム部材を装着して生タイヤを得て、モール
ドにて加硫を行う。
【0128】なお、加硫後のカーカス層14の断面形状
は、図1と同様になる。 [その他の実施形態]上記実施形態では、本発明をカー
カス層14に適用した例を示したが、本発明はこれに限
らず、ベルト層等のスチールコードを用いる補強層には
全て適用可能である。
【0129】また、本発明は、タイヤ以外の物品、例え
ば、ベルトコンベア用のベルト、各種動力伝達用のベル
ト、クローラー等にも適用可能である。 (試験例)次に、従来例のタイヤ、本発明の適用された
実施例のタイヤ、及び比較例のタイヤを試作し、カーカ
スのスチールコードの接着性、コード間耐破壊性につい
て比較を行った。
【0130】スチールコードの接着性は、145°Cで
40分間加硫したカーカス層からスチールコードを引き
抜き、引き抜いたスチールコードのゴム被覆率を調べ
た。なお、指数100がスチールコード外周全面がゴム
で被覆されていることを示し、指数0はスチールコード
の外周表面に全くゴムが付着していないことを示す。
【0131】コード間耐破壊性は、1200R24サイ
ズで試作したタイヤを60°Cの恒温槽内に3ヶ月放置
し、その後車両に装着して高さ15cmの縁石に乗り上
げ、スチールコード間の破壊の発生率を調べた。
【0132】評価は、従来例のタイヤを100とする指
数で表しており、指数が高いほどコード間の破壊が少な
く、耐破壊性に優れていることを表している。
【0133】また、実施例のタイヤは、第1の実施形態
で説明した方法により製造したが、従来例及び比較例の
タイヤは、複数本のスチールコードを互いに平行に並べ
てゴムコーティングしたカーカスプライを用い、フラッ
トなドラム外周にこのカーカスプライを巻きつけた後
に、中央部の外径を拡張させた従来の一般的な製造方法
で形成したタイヤである。
【0134】各タイヤの緒元は以下の表1に、試験結果
は以下の表2に示すとおりである。
【0135】
【表1】
【0136】
【表2】 上記表2に示すように、本発明のタイヤは、従来例及び
比較例のタイヤと比較して、スチールコードのコード間
破壊特性に優れていることが分かる。
【0137】
【発明の効果】本発明の空気入りタイヤは上記の構成と
したので、高温、高荷重で使用された場合に問題とされ
るスチールコード間の裂けを防止することができる、と
いう優れた効果を有する。
【0138】本発明の空気入りタイヤの製造方法によれ
ば、高温、高荷重で使用された場合に問題とされるスチ
ールコード間の裂けを防止することのできる空気入りタ
イヤを効率的に製造できる、という優れた効果を有す
る。
【0139】本発明の帯状部材は上記の構成としたの
で、高温や過酷な条件で使用された場合に問題とされる
スチールコード間の裂けを防止することができる、とい
う優れた効果を有する。
【0140】また、本発明の帯状部材の製造方法によれ
ば、高温や過酷な条件で使用された場合に問題とされる
スチールコード間の裂けを防止することのできる帯状部
材を効率的に製造できる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤの
カーカス層の断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤの
断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤの
製造装置を示す斜視図である。
【図4】第1の実施形態における、コア上に形成された
カーカス層の断面図である。
【図5】第2の実施形態における、コア上に形成された
カーカス層の断面図である。
【図6】従来の空気入りタイヤのカーカス層の断面図で
ある。
【符号の説明】
10 空気入りタイヤ 14 カーカス層(補強層) 30 スチールコード 31 第1の被覆ゴム層 31’ 第1のゴム 33 第2の被覆ゴム層 33’ 第2のゴム 42 コア

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被覆ゴム内にスチールコードが配列され
    た補強層を有する空気入りタイヤであって、 前記補強層は、前記スチールコードが第1の被覆ゴム層
    で覆われ、前記第1の被覆ゴム層が第2の被覆ゴム層で
    覆われ、 前記第1の被覆ゴム層を構成する第1のゴムは、前記第
    2の被覆ゴム層を構成する第2のゴムよりもスチールに
    対する接着力が大きく、 前記第2のゴムは、前記第1のゴムよりも100%伸張
    モジュラスが小さい、ことを特徴とする空気入りタイ
    ヤ。
  2. 【請求項2】 前記第1のゴムの100%伸張モジュラ
    スをM1、前記第2のゴムの100%伸張モジュラスを
    M2としたときに、 1.0<M1/M2≦1.5を満足することを特徴とす
    る請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 スチールコードが第1の被覆ゴム層で覆
    われ、前記第1の被覆ゴム層が第2の被覆ゴム層で覆わ
    れた補強層を内部に有する空気入りタイヤの製造方法で
    あって、 未加硫の第2のゴムからなる層を環状に形成する第1の
    工程と、 環状に形成された前記未加硫の第2のゴムからなる層の
    外周面に、未加硫の第1のゴムで覆われたスチールコー
    ドを間隔をあけて配置する第2の工程と、 前記未加硫の第1のゴムで覆われたスチールコードの上
    に未加硫の第2のゴムからなる層を形成する第3の工程
    と、 加熱及び加圧による加硫を行って、前記第2のゴム、前
    記第1のゴム及び前記スチールコードを一体化させる第
    4の工程と、 を有し、 加硫後に加硫済みの前記第2のゴムよもスチールに対す
    る接着力が高くなる未加硫の第1のゴムと、加硫後に加
    硫済みの前記第1のゴムよりも100%伸張モジュラス
    が低くなる未加硫の第2のゴムとを用いる、 ことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  4. 【請求項4】 スチールコードが第1の被覆ゴム層で覆
    われ、前記第1の被覆ゴム層が第2の被覆ゴム層で覆わ
    れた補強層を内部に有する空気入りタイヤの製造方法で
    あって、 外周面が未加硫の第1のゴムで覆われ未加硫の第1のゴ
    ムの外周面が未加硫の第2のゴムで覆われたスチールコ
    ードを1乃至複数本用いて環状の未加硫の補強層を形成
    する第1の工程と、 加熱及び加圧による加硫を行って、前記第2のゴム、前
    記第1のゴム及び前記スチールコードを一体化させる第
    2の工程と、 を有し、 加硫後に加硫済みの前記第2のゴムよもスチールに対す
    る接着力が高くなる未加硫の第1のゴムと、加硫後に加
    硫済みの前記第1のゴムよりも100%伸張モジュラス
    が低くなる未加硫の第2のゴムとを用いる、 ことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の工程は、空気入りタイヤのク
    ラウン部に対応する外周面部とサイド部に対応する側面
    部とを有したコアの外面上に、未加硫の第2のゴムから
    なる層を環状に形成する工程であり、 前記第2の工程は、外周面が未加硫の第1のゴムで覆わ
    れたスチールコードを、前記コアの一方の側面部から他
    方の側面部に向けて貼付け、前記他方の側面部で折り返
    し再び一方の側面部に向けて貼付け、コア周方向に沿っ
    て前記外周面が未加硫の第1のゴムで覆われたスチール
    コードの前記貼付けを繰り返す工程である、ことを特徴
    とする請求項3に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の工程は、空気入りタイヤのク
    ラウン部に対応する外周面部とサイド部に対応する側面
    部とを有したコアの外面上に、外周面が未加硫の第1の
    ゴムで覆われ未加硫の第1のゴムの外周面が未加硫の第
    2のゴムで覆われたスチールコードを、前記コアの一方
    の側面部から他方の側面部に向けて貼付け、前記他方の
    側面部で折り返し再び一方の側面部に向けて貼付け、コ
    ア周方向に沿って外周面が未加硫の第1のゴムで覆われ
    未加硫の第1のゴムの外周面が未加硫の第2のゴムで覆
    われたスチールコードの前記貼付けを繰り返す工程であ
    る、ことを特徴とする請求項4に記載の空気入りタイヤ
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 被覆ゴム内にスチールコードが配列され
    た帯状部材であって、 スチールコードは、第1の被覆ゴム層で覆われ、 前記第1の被覆ゴム層は、第2の被覆ゴム層で覆われ、 前記第1の被覆ゴム層を構成する第1のゴムは、前記第
    2の被覆ゴム層を構成する第2のゴムよりもスチールに
    対する接着力が大きく、 前記第2のゴムは、前記第1のゴムよりも100%伸張
    モジュラスが小さい、 ことを特徴とする帯状部材。
  8. 【請求項8】 前記第1のゴムの100%伸張モジュラ
    スをM1、前記第2のゴムの100%伸張モジュラスを
    M2としたときに、 1.0<M1/M2≦1.5を満足することを特徴とす
    る請求項7に記載の帯状部材。
  9. 【請求項9】 間隔をおいて配置されたスチールコード
    が第1のゴムを用いた第1の被覆ゴム層で覆われ、前記
    第1の被覆ゴム層が第2のゴムを用いた第2の被覆ゴム
    層で覆われた帯状部材の製造方法であって、 未加硫の第1のゴムで覆われたスチールコードを間隔を
    おいて配置する工程と、前記間隔をおいて配置されたス
    チールコードを両側からシート状の未加硫の第2のゴム
    で挟んで帯状に形成して加圧、加熱による加硫を行う工
    程と、を有し、 加硫後に加硫済みの前記第2のゴムよもスチールに対す
    る接着力が高くなる未加硫の第1のゴムと、加硫後に加
    硫済みの前記第1のゴムよりも100%伸張モジュラス
    が低くなる未加硫の第2のゴムとを用いる、ことを特徴
    とする帯状部材の製造方法。
  10. 【請求項10】 間隔をおいて配置されたスチールコー
    ドが第1のゴムを用いた第1の被覆ゴム層で覆われ、前
    記第1の被覆ゴム層が第2のゴムを用いた第2の被覆ゴ
    ム層で覆われた帯状部材の製造方法であって、 外周面が未加硫の第1のゴムで覆われ未加硫の第1のゴ
    ムの外周面が未加硫の第2のゴムで覆われたスチールコ
    ードを並べて未加硫の帯状部材とする工程と、 前記未加硫の帯状部材を加圧、加熱による加硫を行う工
    程と、を有し、 加硫後に加硫済みの前記第2のゴムよもスチールに対す
    る接着力が高くなる未加硫の第1のゴムと、加硫後に加
    硫済みの前記第1のゴムよりも100%伸張モジュラス
    が低くなる未加硫の第2のゴムとを用いる、ことを特徴
    とする帯状部材の製造方法。
JP2001360827A 2001-11-27 2001-11-27 空気入りタイヤ、空気入りタイヤの製造方法、帯状部材、及び帯状部材の製造方法 Pending JP2003159909A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001360827A JP2003159909A (ja) 2001-11-27 2001-11-27 空気入りタイヤ、空気入りタイヤの製造方法、帯状部材、及び帯状部材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001360827A JP2003159909A (ja) 2001-11-27 2001-11-27 空気入りタイヤ、空気入りタイヤの製造方法、帯状部材、及び帯状部材の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003159909A true JP2003159909A (ja) 2003-06-03

Family

ID=19171580

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001360827A Pending JP2003159909A (ja) 2001-11-27 2001-11-27 空気入りタイヤ、空気入りタイヤの製造方法、帯状部材、及び帯状部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003159909A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005068166A1 (ja) * 2004-01-13 2005-07-28 Bridgestone Corporation タイヤの製造方法
JP2008307944A (ja) * 2007-06-12 2008-12-25 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
JP2009062014A (ja) * 2007-09-10 2009-03-26 Bridgestone Corp タイヤ
WO2017175675A1 (ja) * 2016-04-08 2017-10-12 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005068166A1 (ja) * 2004-01-13 2005-07-28 Bridgestone Corporation タイヤの製造方法
JP2008307944A (ja) * 2007-06-12 2008-12-25 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
JP2009062014A (ja) * 2007-09-10 2009-03-26 Bridgestone Corp タイヤ
WO2017175675A1 (ja) * 2016-04-08 2017-10-12 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JPWO2017175675A1 (ja) * 2016-04-08 2018-08-30 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
US11104180B2 (en) 2016-04-08 2021-08-31 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Pneumatic tire

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5276647B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JP3774116B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5677384B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法、及び空気入りタイヤ
JP5227392B2 (ja) 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法
CN101352933A (zh) 充气轮胎的制造方法
JP2018099850A (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JP4397149B2 (ja) 空気入りタイヤおよびそれの製造方法
KR20120088489A (ko) 공기 타이어의 제조방법
CN101137495B (zh) 缺气保用轮胎的制造方法
JP2003159909A (ja) 空気入りタイヤ、空気入りタイヤの製造方法、帯状部材、及び帯状部材の製造方法
WO2019225374A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP3811536B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JP2006247931A (ja) ランフラットタイヤ及びその製造方法
JPH0379401A (ja) 空気入りタイヤ
JP2008168807A (ja) 空気入りタイヤおよびその製造方法
JP2008188819A (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP5557945B1 (ja) タイヤ製造方法
US20160288573A1 (en) Continuous crown reinforcement for a pneumatic tire
JP4315632B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JP2003225953A (ja) 空気入りタイヤの製造方法
US20210122127A1 (en) Tire manufacturing method
JP4651881B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JP4526869B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法および空気入りタイヤ
JP2004529015A (ja) 未加硫ゴム製品の製造および保管方法
US20070051454A1 (en) Producing method of pneumatic tire