JP2004338476A - タイヤのシーリング・ポンプアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポンプアップ装置30では、エアコンプレッサ40によりチャンバー容器48に加圧空気を供給すると、チャンバー容器48の内圧が上昇するに従って内容積が膨張すると共に、チャンバー容器48が液剤容器44に圧縮荷重を作用させつつ内容積を縮小させる。これにより、液剤容器44の容積縮小量に対応する量のシーリング剤100がタイヤ90内へ注入される。また液剤容器44内から所定量のシーリング剤100が押し出されると、連通部材64が弁体を突き破って吐出口58を空気室46に連通させ、エアコンプレッサ40により空気室46内へ供給された加圧空気がタイヤ90内へ供給される。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パンクした空気入りタイヤをシールするためのシーリング剤を空気入りタイヤ内へ注入した後、空気入りタイヤ内に加圧空気を供給して空気入りタイヤの内圧を昇圧するタイヤのシーリング・ポンプアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という。)がパンクした際に、タイヤ及びホイールを交換することなく、タイヤをシーリング剤により補修して所定の基準圧まで内圧をポンプアップするシーリング・ポンプアップ装置(以下、単に「ポンプアップ装置」という。)が普及している。この種のポンプアップ装置としては、例えば、パンクシーリング剤の収納容器である樹脂製の液ボトルと、加圧空気の供給源であるエアコンプレッサとを備えたものがある。液ボトルは1回のパンク修理に必要なパンクシーリング剤を収容している。液ボトルには注液ホースが接続され、この注液ホースの先端部にはタイヤ側のタイヤバルブと接続可能とされたアダプタが取り付けられている。またエアコンプレッサには高圧ガス用の耐圧ホースが接続されており、この耐圧ホースの先端部にもタイヤバルブと接続可能とされたアダプタが取り付けられている。
【0003】
上記のようなポンプアップ装置を用いてパンクしたタイヤを修理する作業手順を説明する。
【0004】
パンク発生時には、先ず、作業者は、タイヤにおけるタイヤバルブに注液ホースのアダプタをねじ止めする。この状態で、作業者は、液ボトルを握り潰してパンクシーリング剤を液ボトル内から搾り出し、注液ホースを通してパンクシーリング剤をタイヤ内へ注入する。液ボトル内からタイヤ内への所定量のパンクシーリング剤の注入が完了すると、注液ホースをタイヤバルブから取り外す。
【0005】
次いで、作業者は、タイヤバルブに耐圧ホースのアダプタをねじ止めし、エアコンプレッサを作動させて加圧空気をタイヤ内へ充填し、タイヤを所定の内圧で膨張させる。これが終わると、耐圧ホースをタイヤバルブから取り外し、エアコンプレッサを止める。この直後に、シーリング剤が注入されたタイヤにより一定距離に亘って予備走行し、タイヤ内部にパンクシーリング剤を均一に拡散し、シーリング剤によりパンク穴をシールした後、タイヤバルブに耐圧ホースを接続しエアコンプレッサによりタイヤを規定の内圧まで再度、ポンプアップする。
【0006】
しかし、上記のようなポンプアップ装置では、注液ホースをタイヤバルブに接続した後、この注液ホースを通して液ボトルから所定量のシーリング剤をタイヤ内へ注入した後、この注液ホースをタイヤバルブから取り外し、タイヤバルブに耐圧ホースに接続し、エアコンプレッサにより加圧空気をタイヤ内へ充填しなければならない。このため、この種のポンプアップ装置では、タイヤバルブに接続される注液ホース及び耐圧ホースの交換作業が煩瑣であるという不具合がある。
【0007】
一方、特許文献1には、上記のようなホース交換作業を不要にできるポンプアップ装置が示されている。特許文献1に示されたポンプアップ装置20は、図3に示されるように、シーリング剤6を収容した耐圧容器4と、加圧空気の供給源であるエアコンプレッサ1とを備えている。エアコンプレッサ1は、ホース2を介して耐圧容器4のガス導入部3に接続されている。またガス導入部3は、栓バルブ5で閉止できかつ耐圧容器4に収納されたシーリング剤6の液面上までのびるライザーチューブとされている。耐圧容器4は、パンクシーリング剤6を吐出するための出口バルブ7を有し、この出口バルブ7にホース8の一端部が接続されるとともに、このホース8の他端部には、タイヤバルブ10にねじ止めされるねじアダプタ9が取付けられている。
【0008】
上記のようなポンプアップ装置20では、タイヤにパンクが発生すると、アダプタ9がタイヤバルブ10にねじ止めされた後、耐圧容器4のガス導入部3が栓バルブ5により開放される。この状態で、エアコンプレッサ1を作動し、ガス導入部3を通してエアコンプレッサ1から耐圧容器4内に加圧空気を導入する。これにより、耐圧容器4内におけるシーリング剤6上の空間部分の内圧が上昇し、この空間部分の静圧により出口バルブ7からシーリング剤6が押し出され、シーリング剤6がタイヤバルブ10を通してタイヤ内に注入される。この後、耐圧容器4内のシーリング剤6の液面レベルが出口バルブ7の開口まで下降すると、耐圧容器4内の加圧空気が出口バルブ7を通してタイヤの内部に供給され、タイヤを所定の内圧で膨張させる。
【0009】
【特許文献1】
特許第3210863号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に示されているポンプアップ装置20では、耐圧容器4を傾けた状態で、エアコンプレッサ1を作動させて耐圧容器4内のシーリング剤6をタイヤ内へ注入すると、耐圧容器4内に傾きに応じた相当量のシーリング剤6が残存したまま、加圧空気がタイヤ内へ供給開始され、タイヤ内へ必要な量のシーリング剤が注入できなくなるおそれがある。これにより、タイヤ内へ必要な量のシーリング剤が注入できないと、シーリング剤によるパンク穴の閉塞が不完全になり、修理後にタイヤの内圧が徐々に低下したり、一定距離走行後にパンクが再発するなどの不具合が生じるおそれがある。
【0011】
本発明の目的は、上記事実を考慮して、パンクした空気入りタイヤに対する修理作業を簡単に行え、かつ装置を傾けたままでも必要の量のシーリング剤を確実に空気入りタイヤに注入できるタイヤのシーリング・ポンプアップ装置を提供することある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るタイヤのシーリング・ポンプアップ装置は、パンクした空気入りタイヤ内に液状のシーリング剤を注入した後、空気入りタイヤ内へ加圧空気を供給して空気入りタイヤの内圧を昇圧するタイヤのシーリング・ポンプアップ装置であって、シーリング剤を収容すると共に、空気入りタイヤ内へ連通する吐出口が設けられ、外部から所定の圧縮方向の荷重を受けると、内容積を縮小しつつ前記吐出口を通してシーリング剤を吐出する液体室と、前記液体室に隣接して設けられ、外部から供給される加圧空気により内圧が上昇するに従って内容積が膨張すると共に、前記液体室に前記圧縮方向に沿った荷重を作用させて前記液体室の内容積を縮小させる空気室と、前記液体室内で前記吐出口に接続され、該吐出口を通して前記液体室内から所定量のシーリング剤が吐出されると、前記液体室と前記空気室とを区画する隔壁部を貫通して前記吐出口を前記空気室に連通させる連通部材と、を有することを特徴とする。
【0013】
本発明に係るタイヤのシーリング・ポンプアップ装置によれば、先ず、液体室に隣接して設けられた空気室に加圧空気を供給すれば、空気室の内圧が上昇するに従って内容積が膨張すると共に、液体室に圧縮方向に沿った荷重を作用させて液体室の内容積を縮小させる。これにより、空気室の内容積の膨張量、すなわち液体室の内容積の縮小量に対応する量のシーリング剤が、空気圧の作用により吐出口から強制的に押し出され、このシーリング剤を空気入りタイヤ内へ注入できるので、液体室の傾きに影響されることなく、液体室の縮小量に対応する量のシーリング剤を空気入りタイヤの内部へ確実に注入できる。
【0014】
また、本発明に係るシーリング・ポンプアップ装置では、上記のようにして液体室内から所定量のシーリング剤が吐出されると、液体室内で吐出口に接続された連通部材が、液体室と空気室とを区画する隔壁部を貫通して吐出口を空気室に連通させる。これにより、液体室内から所定量のシーリング剤が吐出されて空気入りタイヤの内部に注入された後に、吐出口を通して空気室を空気入りタイヤの内部に連通させ、空気室内の加圧空気を空気入りタイヤの内部へ供給できるので、所定量のシーリング剤が注入された空気入りタイヤに加圧空気を供給し、この加圧空気により空気入りタイヤを膨張できる。
【0015】
従って、本発明に係るシーリング・ポンプアップ装置によれば、空気入りタイヤの内部へシーリング剤を注入した後、加圧空気を空気入りタイヤの内部へ供給するため、空気入りタイヤに対してホース等を繋ぎかえる必要もなくなるので、シーリング剤の注入後に空気入りタイヤに対してホース等を繋ぎかえる作業が必要となるシーリング・ポンプアップ装置と比較し、パンクした空気入りタイヤを修理する作業を簡単に行える。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るタイヤのシーリング・ポンプアップ装置について説明する。
【0017】
(シーリング・ポンプアップ装置の構成)
図1及び図2には、本発明の実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置(以下、単に「ポンプアップ装置」という。)が示されている。ポンプアップ装置30は、自動車等の車両に装着された空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という。)がパンクした際、そのタイヤ及びホイールを交換することなく、タイヤをシーリング剤により補修して所定の基準圧まで内圧を再加圧(ポンプアップ)するものである。
【0018】
図1に示されるように、ポンプアップ装置30は外殻部として立方体状のケーシング32を備えており、ケーシング32の内部は仕切板34により2個の隔室36,38に区画されている。一方の隔室36内には、レシプロ式のエアコンプレッサ40が配置されている。エアコンプレッサ40には、電気ケーブル(図示省略)が接続されており、この電源ケーブルを、例えば、車両に設置されたシガレットライターのソケットに差込むことにより、車両からエアコンプレッサ40に電源が供給される。
【0019】
また他方の隔室38内には、図2に示されるように、内部がシーリング剤100を収容する液体室42とされた液剤容器44が配置されると共に、この液剤容器44の下側に隣接して内部が空気室46とされたチャンバー容器48が配置されている。液剤容器44は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂により成形された薄肉状の外殻部を有しており、図2に示されるように、その側壁部50全体が高さ方向(矢印H方向)に沿って伸縮可能な蛇腹構造とされている。液剤容器44は、側壁部50を十分に伸長した状態では、図1(A)に示されるように高さ方向へ細長い略四角柱となり、また側壁部50を十分に縮長した状態では、図1(B)に示されるように高さ方向へ扁平な板状となる。従って、液剤容器44は、側壁部50を伸長した状態から縮長するに従って、その内容積が連続的に縮小する。
【0020】
ここで、液剤容器44内に構成された液体室42内には、ポンプアップ装置30により修理すべきタイヤ90の種類毎に規定された量(例えば、200cc)以上のシーリング剤100が収容されている。
【0021】
図2(A)に示されるように、液剤容器44は、その頂板部52がケーシング32の頂板部56に固定されており、液剤容器の頂板部52には、中央部に円形の吐出口58が穿設されている。またケーシング32の頂板部56には、吐出口58に面して円形の連通穴60が穿設されている。これらの吐出口58及び連通穴60内には連結リング62が嵌挿されており、連結リング62は、吐出口58が連通穴60に一致するように頂板部52を頂板部56に固定している。連結リング62の内周側には円筒状の連通部材64が挿通しており、この連通部材64は、その中間部が連結リング62の内周面へ固着され、先端側が液剤容器44内へ所定長挿入されている。また連通部材64の先端面はスロープ状に傾斜しており、この先端面の下端部分と外周面とは鋭角で交わっている。
【0022】
ここで、連通部材64は、例えば、金属や樹脂を素材として成形されており、その先端部での高さ方向に対する交差角が10°〜80°の範囲から適宜選択された角度となるように、先端面が高さ方向に対して傾斜した平面により形成されている。
【0023】
連通部材64の上端部には、バルブ66を介してホース68が接続されており、このホース68の先端部には、タイヤ90のタイヤバルブ92にねじ止め可能とされたアダプタ70が配置されている。バルブ66は、連通部材64及びホース68に対して周方向へ回転するように操作されることで、連通部材64とホース68との間を開閉するように構成されている。
【0024】
チャンバー容器48は、樹脂により成形され液剤容器44と略同一の形状及び構造を有しており、図2に示されるように、その側壁部72全体が高さ方向に沿って伸縮可能な蛇腹構造とされている。これにより、チャンバー容器48は、側壁部72を十分に伸長した状態では、図1(B)に示されるように高さ方向へ細長い略四角柱状となり、また側壁部72を十分に縮長した状態では、図1(A)に示されるように高さ方向へ扁平な板状となる。
【0025】
チャンバー容器48の頂板部74は、液剤容器44の底板部54に密着するように連結固定されており、頂板部74及び底板部54は高さ方向へ一体となって移動する。また頂板部74の中央部には、円筒状の弁体支持部76が上方へ突出するように形成されており、この弁体支持部76は、底板部54の中央部に開口した円形の挿通穴78を通って液剤容器44内へ所定長挿入されている。弁体支持部76の内周側には、図2(A)に示されるように、円板状の弁体80が弁体支持部76を閉塞するように配設されている。弁体80は、例えば、ゴムにより所定の厚さに成形され、所定の引裂き強度を有している。また弁体支持部76は連通部材64と略同軸的に配置され、その内径が連通部材64の外径よりも若干大径とされている。
【0026】
ここで、弁体80は、例えば、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)等の樹脂、これらの樹脂表面をアルミ箔等からなる補強層を形成した複合材料、ゴム材料等により成形されており、その引裂き強度が2〜60kgf/cmの範囲から選択された値となるように、厚さ、成形素材等が適宜選択されている。
【0027】
図2に示されるように、チャンバー容器48の底板部82は、隔室38の底板部を構成する仕切板83上に配置され、この仕切板83に固定されている。またチャンバー容器48の底板部82にはニップル86が配置されている。一方、エアコンプレッサ40は加圧空気を外部へ供給するための圧力配管88を有しており、この圧力配管88の先端部は、ニップル86を介してチャンバー容器48へ接続されている。これにより、エアコンプレッサ40を作動させると、圧力配管88を通して加圧空気がチャンバー容器48内に構成された空気室46内へ供給される。ここで、エアコンプレッサ40は、ポンプアップ装置30により修理すべきタイヤ90の種類毎に規定された基準圧よりも高圧の圧力(例えば、3kgf/cm2以上)を発生可能とされている。
【0028】
(シーリング・ポンプアップ装置の作用)
次に、本実施形態に係るポンプアップ装置30を用いてパンクしたタイヤ90を修理する作業手順を説明する。
【0029】
タイヤ90にパンクが発生した際には、先ず、作業者は、タイヤ90におけるタイヤバルブ92にアダプタ70をねじ止めし、ホース68をタイヤ90へ接続する。
【0030】
次いで、作業者は、バルブ66を開方向へ回転させてホース68と液体室42の内部とを互いに連通させる。このとき、図2(A)に示されるように、液剤容器44は、規定量以上のシーリング剤100が収容されており、側壁部50が高さ方向に沿って最も伸長した状態になっている。またチャンバー容器48は、内部に殆ど空気が入っておらず、側壁部72が高さ方向に沿って最も縮長した状態になっている。この状態で、作業者は、エアコンプレッサ40を作動させ、圧力配管88を通してエアコンプレッサ40により発生した加圧空気を空気室46内へ供給する。これにより、空気室46の内圧が徐々に上昇し、この内圧の上昇に従ってチャンバー容器48の内容積が高さ方向に沿って液剤容器44側へ膨張する。従って、液剤容器44は、その底板部54がチャンバー容器48の内圧に応じた加圧力で上方へ押圧されて、側壁部50が縮長して行く。
【0031】
このとき、液剤容器44は、チャンバー容器48の膨張量と略等しい体積だけ内容積が減少し、この内容積の減少量と略等しい量のシーリング剤100が吐出口58を通してホース68内へ強制的に押し出され、ホース68内で加圧状態となったシーリング剤100がホース68を通ってタイヤ90内部へ注入される。
【0032】
チャンバー容器48は、エアコンプレッサ40により供給される加圧空気により、図2(B)に示されるように、弁体支持部76が連結リング62に当接するまで膨張する。このとき、液剤容器44内のシーリング剤100は、頂板部52と底板部54との隙間及びホース68内にそれぞれ僅かに残存するが、殆どがタイヤ90の内部へ注入されている。また連通部材64の先端部は、弁体支持部76が連結リング62に当接する直前に弁体支持部76内へ挿入される。この連通部材64は、弁体支持部76が連結リング62に当接すると略同時に、又は弁体支持部76が連結リング62に当接した後、弁体支持部76内に配置された弁体80を突き破り、吐出口58を空気室46内に連通させる。
【0033】
ここで、弁体80の引裂き強度は、空気室46内の内圧が0.5kgf/cm2〜2.0kgf/cm2から任意に選択された気圧、具体的には、例えば、1.5kgf/cmにまで昇圧されると、この内圧に対応する加圧力で弁体80に圧接する連通部材64により破断するように設定されている。
【0034】
連通部材64が弁体80を突き破り吐出口58が空気室46内に連通すると、ホース68を通して空気室46内の加圧空気がタイヤ90の内部へ供給された後、更にエアコンプレッサ40から送られてくる加圧空気が空気室46及びホース68を通してタイヤ90の内部へ供給される。作業者は、エアコンプレッサ40に設けられた圧力ゲージ(図示省略)によりタイヤ90の内圧が規定圧になったことを確認したならば、エアコンプレッサ40を停止し、アダプタ70をタイヤバルブ92から取り外す。
【0035】
なお、本実施形態では、弁体80が連通部材64からの所定の加圧力により破断するように構成されていたが、弁体自体を十分に高強度に構成し、この弁体80が連通部材64から所定の加圧力により弁体支持部76から剥離するようにしても良く、また独立した弁体を設けることなく、チャンバー容器48の頂板部74が連通部材64から所定の加圧力を受けると、頂板部74に連通部材64の先端部に沿って亀裂、打抜穴が形成されるようにしても良い。
【0036】
作業者は、タイヤ90の膨張完了後、シーリング剤100が未硬化状態に維持される一定の時間以内に、シーリング剤100が注入されたタイヤ90を用いて一定距離に亘って予備走行する。これにより、タイヤ90内部にシーリング剤100が均一に拡散し、シーリング剤100がパンク穴に充填されてパンク穴を閉塞する。予備走行完了後に、作業者は、再びホース68のアダプタ70をタイヤバルブ92にねじ止めし、エアコンプレッサ40を作動させてタイヤ90を規定の内圧まで加圧する。これにより、タイヤ90のパンク修理が完了し、ホース68をタイヤ90から取り外せば、このタイヤ90を用いて通常の走行が可能になる。
【0037】
以上説明した本実施形態に係るポンプアップ装置30によれば、先ず、エアコンプレッサ40により液体室42に隣接して設けられた空気室46に加圧空気を供給すると、空気室46の内圧が上昇するに従って内容積が膨張すると共に、液体室42に圧縮方向に沿った荷重を作用させて液体室42の内容積を縮小させることにより、空気室46の内容積の膨張量、すなわち液体室42の内容積の縮小量に対応する量のシーリング剤100が、空気室46内の空気圧の作用により吐出口58から強制的に押し出され、このシーリング剤100をタイヤ90内へ注入できるので、例えポンプアップ装置30を傾けたままでも、液体室42の縮小量に対応する量のシーリング剤100をタイヤ90の内部へ確実に注入できる。
【0038】
このとき、液体室42は任意の縮小量が得られるように設計できるので、この縮小量がタイヤ90に規定されたシーリング剤の注入量と等しく、又は若干多めの量となるように設計すれば、タイヤ規定量のシーリング剤100を確実にタイヤ90内へ注入できる。
【0039】
また、本実施形態に係るポンプアップ装置30では、上記のようにして液体室42内から所定量のシーリング剤100が押し出されると、液体室42内で吐出口58に接続された連通部材64が、液体室42と空気室46とを区画する弁体80を突き破って吐出口58を空気室46に連通させることにより、
液体室42内から所定量のシーリング剤100が押し出されてタイヤ90の内部に注入された後に、吐出口58を通して空気室46をタイヤ90の内部に連通させ、エアコンプレッサ40により空気室46内の供給された加圧空気をタイヤ90の内部へ供給できるので、規定量のシーリング剤100が注入されたタイヤ90に加圧空気を供給し、この加圧空気によりタイヤ90を規定圧で膨張できる。
【0040】
従って、本実施形態に係るポンプアップ装置30によれば、タイヤ90の内部へ規定量のシーリング剤100を注入した後、加圧空気をタイヤ90の内部へ供給するため、タイヤに対してホース68を繋ぎかえる必要もなくなるので、シーリング剤100の注入後にタイヤ90に対してホース等を繋ぎかえる作業が必要となるポンプアップ装置と比較し、パンクしたタイヤ90を修理する作業を簡単に行える。
【0041】
【実施例】
以下、以上説明した本発明の実施形態に係るポンプアップ装置30を用いて、実際にパンクしたタイヤを修理した結果を実施例として説明する。
【0042】
エアコンプレッサ40としては、20 l/minの能力を有するレシプロ式のものを用いた。液剤容器44及びチャンバー容器48としてはポリエチレン製で、限界付近まで伸長させた状態でそれぞれ内容積が略200ccとなるものを用いた。弁体80はNBR(天然ゴム)を素材として成形したものを用い、連通部材64は直径5mmで、先端部を先端へ向って薄肉となるように研磨したものを用いた。
【0043】
またシーリング剤100としては、40wt%のNBRラテックス(日本ゼオン製)、35wt%のエチレングリコール、23wt%の水をそれぞれ含み、残部が消泡剤、増粘剤、及びpH調整剤の混合物からなるシーラント組成物を用いた。
【0044】
上記のような仕様を有するポンプアップ装置30のホース68をパンクしたタイヤ90のタイヤバルブ92に接続し、エアコンプレッサ40を作動させたところ、液体室42内に収容されたシーリング剤100の大部分をタイヤ90内へ注入した後、加圧空気をタイヤ90内へ供給でき、タイヤ90の内圧を2kgf/cm2まで加圧することができた。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシーリング・ポンプアップ装置によれば、パンクした空気入りタイヤに対する修理作業を簡単に行え、かつ装置を傾けたままでも必要の量のシーリング剤を確実に空気入りタイヤに注入できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置の構成を示す斜視図であり、(A)はタイヤへのシーリング剤注入前の状態を示し、(B)はタイヤへのシーリング剤注入完了後の状態を示している。
【図2】本発明の実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置の構成を示す側面断面図であり、(A)はタイヤへのシーリング剤注入前の状態を示し、(B)はタイヤへのシーリング剤注入完了後の状態を示している。
【図3】従来のシーリング・ポンプアップ装置の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
30 ポンプアップ装置(シーリング・ポンプアップ装置)
40 エアコンプレッサ(給気手段)
42 液体室
44 液剤容器(液体室)
46 空気室
48 チャンバー容器(空気室)
58 吐出口
76 弁体支持部(弁体部)
80 弁体(弁体部)
90 タイヤ(空気入りタイヤ)
92 タイヤバルブ
100 シーリング剤
Claims (4)
- パンクした空気入りタイヤ内に液状のシーリング剤を注入した後、空気入りタイヤ内へ加圧空気を供給して空気入りタイヤの内圧を昇圧するタイヤのシーリング・ポンプアップ装置であって、
シーリング剤を収容すると共に、空気入りタイヤ内へ連通する吐出口が設けられ、外部から所定の圧縮方向の荷重を受けると、内容積を縮小しつつ前記吐出口を通してシーリング剤を吐出する液体室と、
前記液体室に隣接して設けられ、外部から供給される加圧空気により内圧が上昇するに従って内容積が膨張すると共に、前記液体室に前記圧縮方向に沿った荷重を作用させて前記液体室の内容積を縮小させる空気室と、
前記液体室内で前記吐出口に接続され、該吐出口を通して前記液体室内から所定量のシーリング剤が吐出されると、前記液体室と前記空気室とを区画する隔壁部を貫通して前記吐出口を前記空気室に連通させる連通部材と、
を有することを特徴とするタイヤのシーリング・ポンプアップ装置。 - 前記液体室の外殻部及び前記空気室の外殻部をそれぞれ前記圧縮方向に沿って伸縮可能な蛇腹構造としたことを特徴とする請求項1記載のタイヤのシーリング・ポンプアップ装置。
- 前記液体室と前記空気室とを区画する隔壁部に、前記連通部材からの加圧力に対して所定の強度を有し、かつ前記液体室内から予め規定された量のシーリング剤が吐出されると、前記空気室の内圧に対応する圧力で前記連通部材と圧接するように弁体部を設け、
前記弁体部の前記連通部材による加圧に対する強度を、前記液体室内から予め規定された量のシーリング剤が吐出された後、前記空気室の内圧が0.5kgf/cm2〜2.0kgf/cm2から任意に選択された気圧になると、前記連通部材により突き破られるように設定したことを特徴とする請求項1又は2記載のタイヤのシーリング・ポンプアップ装置。 - 前記空気室内へ加圧空気を供給して、該空気室の内圧を上昇させる給気手段を有することを特徴とする請求項1、2又は3記載のタイヤのシーリング・ポンプアップ装置。
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