JP2004337441A - 医療用検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、使用者の使い勝手が向上し、使用者の準備・検査の効率化が図れ、かつ装置デザインの自由度が向上する医療用検査装置を提供することを最も主要な特徴とする。
【解決手段】作業台ユニット3の上面の作業テーブル9の周縁部位少なくとも所定区間連続的に同一断面形状の段差状のクリップ受部91を形成し、さらに、クリップ94の弾性体のクリップ本体94aの一端部側にクリップ受部91の断面形状と対応する切欠き形状の係合凹部95を形成している。これにより、クリップ受部91にクリップ94を着脱可能に装着できるようにしている。さらに、クリップ本体94aの他端部側には検査に使用する器具を係脱可能に係合保持する器具保持部96が形成されたものである。
【選択図】 図28
【解決手段】作業台ユニット3の上面の作業テーブル9の周縁部位少なくとも所定区間連続的に同一断面形状の段差状のクリップ受部91を形成し、さらに、クリップ94の弾性体のクリップ本体94aの一端部側にクリップ受部91の断面形状と対応する切欠き形状の係合凹部95を形成している。これにより、クリップ受部91にクリップ94を着脱可能に装着できるようにしている。さらに、クリップ本体94aの他端部側には検査に使用する器具を係脱可能に係合保持する器具保持部96が形成されたものである。
【選択図】 図28
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡を使用した検査や手術時に手術室内で使用される医療用検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、内視鏡装置で使用される各種付属品を内視鏡装置に保持させる場合、対象となる付属品に合わせた専用の保持部材を設けている。そして、この専用の保持部材を内視鏡装置に配設して対象となる付属品を保持させることに使用している(特許文献1参照)。これらの付属品保持部材は、配設する場所に合わせて異なる取り付け構造を持っていることが多い。
【0003】
また、取り付け場所の自由を増すためにマグネットや吸着板を用いて付属品保持部材を内視鏡装置に取り付ける場合もある。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−110479号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
内視鏡装置で使用される各種の付属品を内視鏡装置に保持させる際に、対象となる付属品に合わせた専用の保持部材を使用して内視鏡装置に配設する場合にはこれらの付属品保持部材は、配設する場所に合わせて異なる取り付け構造を持っていることが多い。そのため、内視鏡装置の限定された場所にしか保持部材を取り付けることができない。従って、使用環境の異なる使用者であった場合に、その使用者にとって最適な位置に付属品を保持させることが難しい問題がある。
【0006】
また、取り付け場所の自由を増すためにマグネットや、吸着板を用いて付属品保持部材を内視鏡装置に取り付けるような場合には、装置表面を金属で構成したり、装置外装を平面で構成する必要がある。そのため、質感やデザイン性が損なわれる懸念がある。
【0007】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、使用者の使い勝手が向上し、使用者の準備・検査の効率化が図れ、かつ装置デザインの自由度が向上する医療用検査装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、作業台ユニットの上面に配置される作業テーブルの周縁部位の少なくとも所定区間連続的に同一断面形状の段差状のクリップ受部を形成し、弾性体のクリップ本体の一端部側に前記クリップ受部の断面形状と対応する切欠き形状の係合凹部が形成され、他端部側に検査に使用する器具を係脱可能に係合保持する器具保持部が形成されたクリップを前記クリップ受部に着脱可能に装着できるようにしたことを特徴とする医療用検査装置である。
そして、本請求項1の発明では、作業台ユニットの上面に配置される作業テーブルの周縁部位に同一断面形状の段差状のクリップ受部を少なくとも所定区間連続的に形成し、作業テーブルの周縁部位の所定区間では任意の場所のクリップ受部にクリップを着脱可能に装着できるようにしたものである。
【0009】
請求項2の発明は、前記作業テーブルは、周縁部位の一部に内視鏡の周辺装置を設置するマウント部を有し、前記クリップ受部は、前記作業テーブルの前記マウント部以外の略全周に亙り、連続的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の医療用検査装置である。
そして、本請求項2の発明では、作業テーブルの周縁部位の一部のマウント部には内視鏡の周辺装置を設置し、作業テーブルのマウント部以外の略全周に亙り、クリップ受部を連続的に形成するようにしたものである。
【0010】
請求項3の発明は、前記クリップは、1つの前記クリップ本体に複数の前記器具保持部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の医療用検査装置である。
そして、本請求項3の発明では、クリップの1つのクリップ本体に形成されている複数の器具保持部の任意の場所で器具を保持するようにしたものである。
【0011】
請求項4の発明は、前記クリップは、前記器具を縦置きに配置する縦向きの前記器具保持部と、前記器具を横置きに配置する横向きの前記器具保持部とが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の医療用検査装置である。
そして、本請求項4の発明では、クリップの縦向きの器具保持部で、器具を縦置きに配置し、横向きの器具保持部で、器具を横置きに配置するようにしたものである。
【0012】
請求項5の発明は、前記クリップは、1つの前記器具保持部に外径寸法が異なる複数の前記器具を係合する複数の溝幅の係合凹部が並設されていることを特徴とする請求項3または4のいずれか一方に記載の医療用検査装置である。
そして、本請求項5の発明では、クリップの1つの器具保持部に並設されている複数の溝幅の係合凹部で外径寸法が異なる複数の器具を係合するようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図30を参照して説明する。図1は内視鏡を使用した検査や手術時に手術室内で使用される本実施の形態の医療用検査装置である内視鏡検査装置1のシステム全体の概略構成を示すものである。この内視鏡検査装置1のシステムには手術用ベッド2の近傍位置に配置される作業台ユニット3と、モニタースタンド4とが設けられている。
【0014】
作業台ユニット3のユニット本体5には、図2に示すように鉛直方向に立設された柱状のフレーム6と、複数段の棚板(テーブル)7とが設けられている。さらに、図22に示すようにユニット本体5の底部には底板8、上面には作業テーブル9がそれぞれ配設されている。そして、フレーム6はユニット本体5の4隅の角部にそれぞれ配設されている。
【0015】
また、本実施の形態のユニット本体5は図3に示すようにフレーム6の周囲全体を複数の外装パネル10で囲んだ構成になっている。この外装パネル10にはユニット本体5の正面に配置される正面パネル11と、ユニット本体5の両側面に配置される側面パネル12,13と、ユニット本体5の背面に配置される背面パネル14とがそれぞれ設けられている。
【0016】
また、図4に示すように本実施の形態の外装パネル10のパネル本体15の内面には略平面状のフレーム対向面16が形成されている。そして、この平面状のフレーム対向面16が外装パネル10の取付時にフレーム6側に対向配置されるようになっている。さらに、このフレーム対向面16にはパネル本体15全体の外形よりも小さい略矩形枠型のアンダーカット部17が内側に向けて突出されている。
【0017】
本実施の形態の外装パネル10は、圧空成形品が使用されている。図5(A)〜(F)は、本実施の形態の外装パネル10を圧空成形する成形工程を簡略的に示したものである。図5(A)は、圧空成形の成形型18を示す。この成形型18には、型本体19と、取り外し型部材であるプレート20とが設けられている。型本体19には圧空成形品の成形空間である凹陥状の雌型19aが形成されている。そして、この雌型19aの開口部周縁部位に複数のプレート20が配設されている。ここで、プレート20の内端部は雌型19a側に所定量突設されている。これにより、外装パネル10のパネル本体15の内面のフレーム対向面16に内側に向けて突出させた略矩形枠型のアンダーカット部17が設定されている。
【0018】
図5(B)は、成形型18に成形材料であるシート21をセットした状態を示す。シート21はクランプ部材22によって成形型18にクランプされている。さらに、シート21はヒーター23によって加熱される。このとき、型本体19の雌型19a内が真空引きされる。これにより、加熱されて軟化されたシート21を雌型19aに引き込む。同時に、図5(C)に示すようにシート21の型面とは反対側から空気で加圧し、雌型19aの型形状の転写性を高める。これにより、雌型19aを転写した形状の外装パネル10の圧空成形品24が成形される。
【0019】
成形後、図5(D)に示すようにアンダーカット部17を成形するために使用したプレート20を成形型18から取外す。これにより、プレート20に引っ掛かることなく成形後のシート21を雌型19a内から引き抜くことができる。
【0020】
このとき、図5(E)に示すように雌型19a内から引き抜かれた圧空成形品24には不要なシート21の余り部分24aが残っている。そのため、最後に圧空成形品24には不要なシート21の余り部分24aを切断して除去するばり取り作業が行なわれる。これにより、図5(F)に示すように外装パネル10の圧空成形品24が成形される。
【0021】
また、本実施の形態のユニット本体5ではフレーム6の周囲全体を外装パネル10で囲んだ状態に組み付けた際に、隣接する外装パネル10同士は図6(A)に示すように組み合わされる。このとき、隣接する外装パネル10同士の合わせ部25間には図6(B)に示すようにアンダーカット部17間を組み合わせた状態で係合させた係合部26が形成されている。そして、この係合部26によって隣接する外装パネル10間の合わせ目部分の隙間Sを隠す構成になっている。さらに、この係合部26は、フレーム6に対して前後左右の各外装パネル10を垂直に取外す方向には隣接する外装パネル10同士が相互に干渉する部分がない。そのため、図6(C)に示すようにフレーム6に対して各外装パネル10をそれぞれ個別に単独で着脱することができる構成になっている。なお、図6(C)はフレーム6に対して例えば側面パネル12が装着され、正面パネル11が取外された状態を示している。
【0022】
また、図11(A)に示すようにユニット本体5内には、例えば5段の棚板7が配設されている。そして、上の2段の棚板7の配置部分には、内視鏡検査では必ず使用される必須の使用機器である光源装置27と、カメラコントロールユニット(CCU)28とが収納される専用の第1の機器収納室29が形成されている。この第1の機器収納室29の周囲には上部正面パネル11aと、上部側面パネル12a,13aと、背面パネル14aとがそれぞれ設けられている。
【0023】
第1の機器収納室29の前面の上部正面パネル11aには光源装置27のコネクタ受部30と、カメラコントロールユニット28のコネクタ受部31とが設けられている。そして、図2(A),(B)に示すように後述する内視鏡32のライトガイドケーブル33の先端のコネクタ部34が光源装置27のコネクタ受部30に着脱可能に連結されるようになっている。さらに、内視鏡32の電気コネクタ部35がカメラコントロールユニット28のコネクタ受部31に着脱可能に連結されるようになっている。
【0024】
さらに、ユニット本体5の下側の棚板7には、必要に応じて電気メスなどの治療器具、あるいはビデオプリンター、写真撮像装置などの各種の周辺機器36が任意に搭載可能な第2の機器収納室37が形成されている。この第2の機器収納室37の周囲には複数、本実施の形態では4枚の下部正面パネル11b〜11eと、それぞれ1枚の下部側面パネル12b,13bと、1枚の背面パネル14bとがそれぞれ設けられている。
【0025】
また、本実施の形態のユニット本体5では、図8に示すようにフレーム6と外装パネル10との接合部に外装パネル10をフレーム6に磁力によって着脱可能に固定するマグネット式のパネル固定部38が設けられている。このパネル固定部38には、フレーム6に取付けられた固定用マグネット39と、外装パネル10側に取付けられた磁性体からなるマグネット受部40とが設けられている。このマグネット受部40は固定用マグネット39と対応する部位に配置された取り付けブラケットを利用して形成されている。図9に示すようにマグネット受部40には、固定用マグネット39と凹凸嵌合する位置決め用の嵌合凹部41が設けられている。
【0026】
そして、フレーム6に外装パネル10を固定する場合には図10(A),(B)に示すようにマグネット受部40と固定用マグネット39との間の凹凸嵌合部分を外装パネル10とフレーム6との間の上下方向の位置決め用に利用している。なお、左右方向にも同様の構成のマグネット式のパネル固定部38を設けることにより、マグネット受部40と固定用マグネット39との間の凹凸嵌合部分を外装パネル10とフレーム6との間の左右方向の位置決め用に利用することができる。
【0027】
また、本実施の形態では第2の機器収納室37内の機器搭載フレーム6に装備される棚板7のうち少なくとも一つは使用・不使用を選択できるように設定されている。すなわち、図13に示すように各フレーム6には棚板支持用レール42を着脱可能に支持するための上下一対のレール取付け穴43,44が設けられている。
【0028】
棚板支持用レール42には断面形状が略L字状のレール本体45が設けられている。このレール本体45の両端部には図14(B)に示すように上下2段の係合爪46,47が形成されている。ここで、上側の係合爪46には、後方に向けて略水平方向に屈曲された屈曲部46aの先端部に上向きに屈曲された上向屈曲部46bが形成されている。さらに、下側の係合爪47には、後方に向けて略水平方向に屈曲された屈曲部47aが形成されている。そして、図15に示すように棚板支持用レール42の上段の係合爪46が上側のレール取付け穴43、下段の係合爪47が下側のレール取付け穴44に挿入されることにより、棚板支持用レール42がフレーム6に対して取外し可能に装着されている。
【0029】
また、この棚板支持用レール42は第2の機器収納室37内に左右2組設けられている。そして、両側の棚板支持用レール42上に1つの棚板7が支持されている。これにより、1つの棚板7が使用・不使用を選択できるように設定されている。
【0030】
例えば、図11(A)は第2の機器収納室37内の3つの棚板7が全て装着されている状態を示す。これに対し、図12(A)は中央の棚板7が取外された状態を示す。そして、図12(A)に示すように中央の棚板7を取外すことにより、図11(A)の棚板7上に搭載される周辺機器36よりも高さが高い周辺機器36を第2の機器収納室37内に収納することができる構成になっている。
【0031】
また、外装パネル10と棚板7の取り付け位置は、もともと同じ高さではなく、適当な位置関係に配置されている。そして、本実施の形態では第2の機器収納室37の正面に配置される4枚の下部正面パネル11b〜11eは、最下段の下部正面パネル11eの高さがL2、これ以外の3枚の下部正面パネル11b〜11dの高さがL1にそれぞれ設定されている。さらに、3枚の下部正面パネル11b〜11dの外形寸法は同じ寸法に設定されている。なお、第2の機器収納室37の正面に配置される外装パネル10の少なくとも2枚は同じ外形寸法に設定されることが好ましい。そして、棚板7と外装パネル10との相対関係が全ての段において同一ではない。なお、図12(A)に示すように高さが高い周辺機器36を第2の機器収納室37内に収納した場合には図12(B)に示すように1枚の下部正面パネル11cにアクセス穴が形成されていないダミーパネルが装着される。
【0032】
また、本実施の形態では第2の機器収納室37内に収納した棚板7の取り付け位置を上下方向に調整する支持位置調整手段48が設けられている。この支持位置調整手段48は図21に示すように棚板7の上に略箱型のスペーサー49を介して特定のサイズの搭載機器36を乗せたものである。これにより、図20の棚板7の上から図21の棚板7の上に特定のサイズの搭載機器36を乗せ換える場合のように棚板7の上に特定のサイズの搭載機器36を直接乗せた場合には外装パネル10のアクセス穴50の開口部と搭載機器36の開口部の合わせ目が合わない場合でもスペーサー49を介して特定のサイズの搭載機器36を乗せることにより、外装パネル10のアクセス穴50の開口部と搭載機器36の開口部を合わせることができる。その結果、共通の外装パネル10を使用できるようにしている。なお、スペーサー49の内部には物品収納部としても利用可能である。
【0033】
さらに、本実施の形態では図16に示すように第2の機器収納室37内に収納した中段位置の棚板7上の搭載機器36の外装パネル10をフレーム6から分離させて取外すことなく開閉するパネル開閉機構51が設けられている。このパネル開閉機構51には、図17に示すようにフレーム6に対して外装パネル10を正規の装着位置(図18に示す)と、前方に引き出した引き出し位置との間でスライド可能に支持するスライド機構52と、引き出し位置(図19に示す)で、外装パネル10を下端部の回動支点53を中心に手前側に回転させて前倒しするヒンジ機構54とが設けられている。図18に示すようにスライド機構52には棚板7上に固定される静止部材である左右一対のガイドレール55と、移動部材56とが設けられている。そして、移動部材56が左右のガイドレール55にガイドされる状態で図17中で左右方向に移動可能に支持されている。
【0034】
また、移動部材56には水平方向に配置されたベースプレート56aと、このベースプレート56aの前端部に下向きに略L字状に屈曲された屈曲板56bとが設けられている。屈曲板56bの下端部にヒンジ機構54を介して外装パネル10の下端部が連結されている。
【0035】
なお、本実施の形態では、図7(A)に示すように第2の機器収納室37の各下部正面パネル11b〜11dの水平方向の合わせ目ラインが、水平方向に配置される形状の外装パネル10を設けた構成を示したが、図7(B)に示すように下部正面パネル11b〜11dの水平方向の合わせ目ラインが、側面から見るとフレーム6から前方へ向かって下方に傾斜する傾斜面57を設けてもよい。この場合には、手術中、手術室内に飛び散る飛沫類が下部正面パネル11b〜11dに付着しても傾斜面57に沿って外側下向きに滴下するので、飛沫類が作業台ユニット3内に浸入する事を効果的に防ぐことができる。
【0036】
また、本実施の形態ではユニット本体5のフレーム6には図23に示すように断面形状がU字状のフレーム構成部材58が設けられている。このフレーム構成部材58の開口部には断面形状がU字状のカバー部材59が嵌着されて一体的に接合されている。そして、フレーム構成部材58とカバー部材59との間の矩形状の空間内に電気配線用のケーブル60を収納するケーブル収納部61が形成されている。
【0037】
また、ユニット本体5の第2の機器収納室37の背面の背面パネル14の内部には基板ケース62が形成されている。この基板ケース62の内部にはユニット本体5の内部に搭載される光源装置27と、カメラコントロールユニット28と、その他の各周辺機器36に接続される図示しない配線基板が配設されている。この基板ケース62の内面は蓋62aによって開閉可能に閉塞されている。この配線基板には予め作業台ユニット3の内部に搭載される予定の複数の内蔵機器や、作業台ユニット3の外部に配置される任意の外部機器との接続用のコネクタが設けられている。
【0038】
さらに、この基板ケース62は一側部がヒンジ機構63を介してフレーム6に回動可能に軸支されている。そして、この基板ケース62は図23に示す閉位置から、図24に示す開位置まで開閉可能に支持されている。
【0039】
また、図25(A),(B)に示すようにフレーム6には、蝶番であるヒンジ機構63によって形成されるデッドスペースに基板ケース62の閉塞時に基板ケース62内の電気配線に接続してアース(GND)させるばね状のアース部材64(例えばEMCフィンガー)が配設されている。このアース部材64は図25(C)に示すように略円弧形状の断面形状の板ばね状の導電部材によって形成されている。そして、このアース部材64はヒンジ機構63の近傍に配置されている。
【0040】
さらに、基板ケース62にはアース部材64と接触する接触部材65が設けられている。この接触部材65は、基板ケース62が図24に示すように開いている場合にはアース部材64から離れ、基板ケース62が図25に示すように閉じた際にアース部材64に圧接されて接触するようになっている。
【0041】
また、図1に示すように作業台ユニット3の上面の作業テーブル9の後端部には、集中制御パネル66が配設されている。この集中制御パネル66は、基板ケース62内の配線基板を介して予め作業台ユニット3の内部に搭載される予定の複数の内蔵機器や、作業台ユニット3の外部に配置される任意の外部機器と接続されている。この集中制御パネル66は、タッチパネルによって形成されている。そして、作業台ユニット3の内部に搭載されている複数の内蔵機器や、作業台ユニット3の外部に配置される外部機器は、全てこの集中制御パネル66の操作によって制御可能になっている。
【0042】
また、集中制御パネル66の後方には、モニター装着部67(図27参照)が設けられている。このモニター装着部67には液晶表示モニターによって形成される内視鏡画像等の情報表示用のモニター68が着脱可能に装着されている。図26に示すようにモニター68の下部にはアダプタ69が設けられている。
【0043】
さらに、作業台ユニット3のモニター装着部67は、作業台ユニット3とは異なる場所に配置されたモニタースタンド4の上端部に配置されているモニター装着部70と同一構造の共通ユニットになっている。そのため、作業台ユニット3のモニター装着部67は、モニタースタンド4のモニター装着部70に着脱可能に装着されるモニター68が共通に装着可能なように構成されている。
【0044】
さらに、図1に示すように作業台ユニット3の背面側には略L字状の内視鏡支持アーム71が装着されている。この内視鏡支持アーム71の上部には複数の医療器具支持部材72が装着されている。
【0045】
図2(A)に示すようにこの医療器具支持部材72には内視鏡32が支持されるようになっている。内視鏡32には細長い挿入部32aと、この挿入部32aの基端部に連結された手元側の操作部32bとが設けられている。さらに、操作部32bにはライトガイドケーブル33の基端部が連結されている。このライトガイドケーブル33の先端部にはコネクタ部34が連結されている。このコネクタ部34には電気コードの一端が連結されている。この電気コードの他端には電気コネクタ部35が連結されている。そして、前述した通り、コネクタ部34が上部正面パネル11aの光源装置27のコネクタ受部30に着脱可能に連結され、電気コネクタ部35がカメラコントロールユニット28のコネクタ受部31に着脱可能に連結されている。
【0046】
また、図2(A)に示すように作業台ユニット3の下部側面パネル12bには処置用の機器の出力部81が配置されている。そして、図2(B)に示すように第2の機器収納室37に処置用の機器、例えば電気メスなどの処置用器具82が収納されている場合には、この処置用機器82は、作業台ユニット3の下部側面パネル12bの出力部81に接続されている。
【0047】
また、図28に示すように本実施の形態の作業台ユニット3の上面に配置される作業テーブル9の周縁部位には段差状のクリップ受部91が形成されている。このクリップ受部91は少なくとも所定区間連続的に同一断面形状に形成されている。ここで、作業テーブル9の背面側には、周縁部位の一部に内視鏡32の周辺装置である集中制御パネル66を設置するマウント部83が設けられている。そして、クリップ受部91は、作業テーブル9のマウント部83以外の略全周に亙り、連続的に形成されている。
【0048】
また、本実施の形態のクリップ受部91には図29に示すように作業テーブル9のテーブル面よりも上向きに段差状に突出する上向き係合凸部92が設けられている。さらに、クリップ受部91の前面下部には凹陥状の係合凹部93が形成されている。
【0049】
また、図28に示すように作業テーブル9のクリップ受部91には複数のクリップ94が着脱可能に装着できるようになっている。このクリップ94には、弾性体のクリップ本体94aが設けられている。このクリップ本体94aの一端部側にはクリップ受部91の断面形状と対応する切欠き形状の係合凹部95が形成されている。この係合凹部95の周縁部位には図29(B)に示すようにクリップ本体94aの上面に下向きに略L字状に屈曲された屈曲部95aが形成されている。さらに、クリップ本体94aの下面側には係合凸片95bが形成されている。
【0050】
そして、作業テーブル9のクリップ受部91にクリップ94を係合させる場合には図29(C)に示すようにクリップ本体94aの屈曲部95aをクリップ受部91の係合凸部92に引っ掛けた状態で係合させるとともに、クリップ本体94aの係合凸片95bをクリップ受部91の係合凹部93に係合させるようになっている。
【0051】
また、クリップ本体94aの他端部側には検査に使用する器具を係脱可能に係合保持する器具保持部96が形成されている。この器具保持部96には図30に示すようにクリップ本体94aの縦方向に延設された縦溝状の第1の保持溝97と、クリップ本体94aの横方向に延設された横溝状の第2の保持溝98とが設けられている。そして、この器具保持部96の第1の保持溝97と、第2の保持溝98のいずれか一方に選択的に検査に使用する器具が挿入されて保持されるようになっている。ここで、検査に使用する器具としては例えば送水チューブ、吸引チューブなどのチューブ類や、内視鏡32のスコープケーブル、ホワイトバランスキャップ、処置具としての高周波スネアや、Pプレートなどが保持可能になっている。さらに、クリップ本体94aの器具保持部96ではこれ以外でも内視鏡32を保持しても良く、スコープハンガーとしても使用可能になっている。
【0052】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では作業台ユニット3の上面の作業テーブル9の周縁部位に同一断面形状の段差状のクリップ受部91を少なくとも所定区間連続的に形成し、作業テーブル9の周縁部位の所定区間では任意の場所のクリップ受部91にクリップ94を着脱可能に装着できるようにしている。このとき、作業台ユニット3の上面の作業テーブル9の周縁部のクリップ受部91を略全周共通形状とし、その形状にはまり込むクリップ94を作成したので、専用のアダプターが無くても、テーブル9上のどこにでもクリップ94を取り付けることが出来る。そのため、内視鏡装置である作業台ユニット3の各種付属品(検査に使用する器具)を器具保持部96で保持するクリップ94をそれぞれの使用者の最適な位置に選択的に配設することができるので、使用者の使い勝手が向上する。
【0053】
また、付属品を保持するクリップ94を作業テーブル9のクリップ受部91に簡易的に着脱できるため、検査種別毎にそれぞれの付属品を最適位置に簡単に配設し直すことができ、使用者の準備・検査の効率化が図れる。
【0054】
また、内視鏡装置である作業台ユニット3の外観に特別な条件(材質、形状など)を設ける必要がないので、作業台ユニット3の装置デザインの自由度が向上する。
【0055】
また、図31は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図30参照)のクリップ94の器具保持部96の構造を次の通り変更したクリップ101を設けたものである。
【0056】
すなわち、本実施の形態のクリップ101の器具保持部96には器具保持部96の第1の保持溝97に複数、本実施の形態では3つの段付きのそれぞれ溝幅の異なる係合凹部97a、97b、97cが並設されている。同様に、第2の保持溝98にも複数、本実施の形態では3つの段付きのそれぞれ溝幅の異なる係合凹部98a、98b、98cが並設されている。そして、例えばチューブ類などの長尺物を適正な溝幅の係合凹部97a、97b、97cまたは係合凹部98a、98b、98cのいずれかに係合させた状態で保持させることができる。そのため、内視鏡装置で使用するチューブ類などの長尺物が、使用者の望む最適な状態で配設することが可能となる。
【0057】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) 内視鏡装置の辺縁部を同一形状として、各種保持部材の取付部構造を前記辺縁部に嵌合する共通形状とする。
【0058】
(付記項2) 長尺物を保持するひとつの保持部材を柔軟性のある材質にて構成し、且つ縦・横方向それぞれに段付きの溝を設ける。
【0059】
(付記項1の従来技術) 内視鏡装置で使用される各種付属品を内視鏡装置に保持する場合、対象となる付属品に合わせた専用の保持部材を使用して内視鏡装置に配設していた。これらの付属品保持部材は、配設する場所に合わせて異なる取り付け構造を持っていることが多い。
【0060】
また、取り付け場所の自由を増すためにマグネットや吸着板を用いて付属品保持部材を内視鏡装置に取り付けるような場合がある。
【0061】
(付記項1が解決しようとする課題) 付属品に合わせた専用の保持部材を使用している場合、内視鏡装置の限定された場所にしか保持部材を取り付けることができない。従って、使用環境の異なる使用者であった場合に、その使用者にとって最適な位置に付属品を保持することが難しいといった問題がある。マグネットや吸着板を用いて付属品保持部材を内視鏡装置に取り付けるような場合には、装置表面を金属で構成したり装置外装を平面で構成する必要があり、質感やデザイン性が損なわれる懸念があった。従来は専用の取り付け台の位置にしかチューブクリップを取り付けられなかった。
【0062】
(付記項1の課題を解決するための手段) 内視鏡ユニットのテーブル周縁部を全周共通形状とし、その形状にはまり込むチューブクリップを作成した。
【0063】
(付記項1の効果) これにより内視鏡装置の各種付属品の保持部材が、それぞれの使用者の最適な位置に選択的に配設することが可能となり、使用者の使い勝手が向上する。また、付属品の保持部材を簡易的に着脱できるため、検査種別毎にそれぞれの付属品を最適位置に簡単に配設し直すことができ、使用者の準備・検査の効率化が図れる。また、内視鏡装置外観に特別な条件(材質、形状など)を設ける必要がないことから装置デザインの自由度が向上する。
【0064】
(付記項2の従来技術) 内視鏡検査に使用される長尺物(チューブやコード)を保持する場合、その対象となる長尺物のサイズに合わせた専用の保持部材を使用している。
【0065】
(付記項2が解決しようとする課題) この場合、形の異なる長尺物を利用するような場合、上手く保持することができず、保持状態が不安定となる。また、使用する内視鏡装置に搭載されている機器が使用者で異なる時、長尺物を保持する最適な向きが異なり、前記専用の保持部材では適正な使用状態を実現することが難しかった。
【0066】
(付記項2の課題を解決するための手段) チューブクリップには縦だけでなく横方向にも溝を設けた。また、様々の幅のチューブ溝を設けて、様々の外径のチューブに対応できるようにした。
【0067】
(付記項2の効果) この構成により、内視鏡装置で使用する長尺物が、使用者の望む最適な状態で配設することが可能となる。チューブクリップの使い勝手が向上した。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、医療用検査装置の作業台ユニットを使用する際に使用者の使い勝手が向上し、使用者の準備・検査の効率化が図れ、かつ装置デザインの自由度が向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す内視鏡検査装置全体の概略構成を示す斜視図。
【図2】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットを示すもので、(A)は作業台ユニットのフレームの周囲全体に外装パネルを装着した状態を示す斜視図、(B)は作業台ユニットのサイドカバーを取外した状態を示す斜視図。
【図3】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの外装パネルの装着状態を説明するための説明図。
【図4】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの外装パネルを示す斜視図。
【図5】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの外装パネルの製造方法を説明するための説明図。
【図6】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの外装パネルの組み付け状態を示すもので、(A)はフロントパネルとサイドパネルとの接合部を示す要部の斜視図、(B)は同平面図、(C)はフロントパネルを取り外した状態を示す要部の斜視図。
【図7】(A)は第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの外装パネルの並設状態を示す側面図、(B)は外装パネルの変形例の並設状態を示す側面図。
【図8】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの外装パネルの固定状態を示す横断面図。
【図9】図8のIX−IX線断面図。
【図10】(A)は第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの外装パネルの固定用マグネットとマグネット受部との係合状態を示す正面図、(B)は(A)のXB−XB線断面図。
【図11】(A)は第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニット内に周辺装置を搭載した状態を示す側面図、(B)は同正面図。
【図12】(A)は第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニット内の周辺装置を入れ替えた状態を示す側面図、(B)は同正面図。
【図13】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの棚板支持用のレールの取付け状態を示す斜視図。
【図14】(A)は第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットのフレームのレール取付け穴を示す斜視図、(B)はレールの係合爪を示す斜視図。
【図15】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットのフレームのレール取付け穴にレールの係合爪を係合させた状態を示す要部の縦断面図。
【図16】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの内蔵機器の正面パネルの開操作状態を示す側面図。
【図17】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットのフロントパネルの支持機構を示す斜視図。
【図18】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットのフロントパネルが閉じた状態を示す要部の縦断面図。
【図19】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットのフロントパネルが開いた状態を示す要部の縦断面図。
【図20】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの内蔵機器の設置状態を示す斜視図。
【図21】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの内蔵機器の設置位置を移動した状態を示す斜視図。
【図22】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットのフレーム構造を示す斜視図。
【図23】(A)は第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの基板ケースの蓋を閉じた状態を示す要部の横断面図、(B)は基板ケースの蓋を開いた状態を示す要部の横断面図、(C)はアース部材の取付け状態を示す横断面図。
【図24】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの基板ケースの蓋を閉じた状態を示す横断面図。
【図25】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの基板ケースの蓋を開いた状態を示す横断面図。
【図26】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの情報表示用のモニターを示す正面図。
【図27】(A)第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットのモニター装着部に情報表示用のモニターを取付けた状態を示す斜視図、(B)はモニタースタンドのモニター装着部を示す斜視図。
【図28】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの斜視図。
【図29】(A)は第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットのクリップ受部を示す斜視図、(B)は作業台ユニットのクリップ受部にクリップを装着させる前の状態を示す斜視図、(C)は作業台ユニットのクリップ受部にクリップを装着させた状態を示す要部の縦断面図。
【図30】第1の実施の形態の内視鏡検査装置におけるクリップの斜視図。
【図31】本発明の第2の実施の形態を示すクリップの斜視図。
【符号の説明】
3…作業台ユニット、9…作業テーブル、91…クリップ受部、94…クリップ、94a…クリップ本体、95…係合凹部、96…器具保持部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡を使用した検査や手術時に手術室内で使用される医療用検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、内視鏡装置で使用される各種付属品を内視鏡装置に保持させる場合、対象となる付属品に合わせた専用の保持部材を設けている。そして、この専用の保持部材を内視鏡装置に配設して対象となる付属品を保持させることに使用している(特許文献1参照)。これらの付属品保持部材は、配設する場所に合わせて異なる取り付け構造を持っていることが多い。
【0003】
また、取り付け場所の自由を増すためにマグネットや吸着板を用いて付属品保持部材を内視鏡装置に取り付ける場合もある。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−110479号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
内視鏡装置で使用される各種の付属品を内視鏡装置に保持させる際に、対象となる付属品に合わせた専用の保持部材を使用して内視鏡装置に配設する場合にはこれらの付属品保持部材は、配設する場所に合わせて異なる取り付け構造を持っていることが多い。そのため、内視鏡装置の限定された場所にしか保持部材を取り付けることができない。従って、使用環境の異なる使用者であった場合に、その使用者にとって最適な位置に付属品を保持させることが難しい問題がある。
【0006】
また、取り付け場所の自由を増すためにマグネットや、吸着板を用いて付属品保持部材を内視鏡装置に取り付けるような場合には、装置表面を金属で構成したり、装置外装を平面で構成する必要がある。そのため、質感やデザイン性が損なわれる懸念がある。
【0007】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、使用者の使い勝手が向上し、使用者の準備・検査の効率化が図れ、かつ装置デザインの自由度が向上する医療用検査装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、作業台ユニットの上面に配置される作業テーブルの周縁部位の少なくとも所定区間連続的に同一断面形状の段差状のクリップ受部を形成し、弾性体のクリップ本体の一端部側に前記クリップ受部の断面形状と対応する切欠き形状の係合凹部が形成され、他端部側に検査に使用する器具を係脱可能に係合保持する器具保持部が形成されたクリップを前記クリップ受部に着脱可能に装着できるようにしたことを特徴とする医療用検査装置である。
そして、本請求項1の発明では、作業台ユニットの上面に配置される作業テーブルの周縁部位に同一断面形状の段差状のクリップ受部を少なくとも所定区間連続的に形成し、作業テーブルの周縁部位の所定区間では任意の場所のクリップ受部にクリップを着脱可能に装着できるようにしたものである。
【0009】
請求項2の発明は、前記作業テーブルは、周縁部位の一部に内視鏡の周辺装置を設置するマウント部を有し、前記クリップ受部は、前記作業テーブルの前記マウント部以外の略全周に亙り、連続的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の医療用検査装置である。
そして、本請求項2の発明では、作業テーブルの周縁部位の一部のマウント部には内視鏡の周辺装置を設置し、作業テーブルのマウント部以外の略全周に亙り、クリップ受部を連続的に形成するようにしたものである。
【0010】
請求項3の発明は、前記クリップは、1つの前記クリップ本体に複数の前記器具保持部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の医療用検査装置である。
そして、本請求項3の発明では、クリップの1つのクリップ本体に形成されている複数の器具保持部の任意の場所で器具を保持するようにしたものである。
【0011】
請求項4の発明は、前記クリップは、前記器具を縦置きに配置する縦向きの前記器具保持部と、前記器具を横置きに配置する横向きの前記器具保持部とが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の医療用検査装置である。
そして、本請求項4の発明では、クリップの縦向きの器具保持部で、器具を縦置きに配置し、横向きの器具保持部で、器具を横置きに配置するようにしたものである。
【0012】
請求項5の発明は、前記クリップは、1つの前記器具保持部に外径寸法が異なる複数の前記器具を係合する複数の溝幅の係合凹部が並設されていることを特徴とする請求項3または4のいずれか一方に記載の医療用検査装置である。
そして、本請求項5の発明では、クリップの1つの器具保持部に並設されている複数の溝幅の係合凹部で外径寸法が異なる複数の器具を係合するようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図30を参照して説明する。図1は内視鏡を使用した検査や手術時に手術室内で使用される本実施の形態の医療用検査装置である内視鏡検査装置1のシステム全体の概略構成を示すものである。この内視鏡検査装置1のシステムには手術用ベッド2の近傍位置に配置される作業台ユニット3と、モニタースタンド4とが設けられている。
【0014】
作業台ユニット3のユニット本体5には、図2に示すように鉛直方向に立設された柱状のフレーム6と、複数段の棚板(テーブル)7とが設けられている。さらに、図22に示すようにユニット本体5の底部には底板8、上面には作業テーブル9がそれぞれ配設されている。そして、フレーム6はユニット本体5の4隅の角部にそれぞれ配設されている。
【0015】
また、本実施の形態のユニット本体5は図3に示すようにフレーム6の周囲全体を複数の外装パネル10で囲んだ構成になっている。この外装パネル10にはユニット本体5の正面に配置される正面パネル11と、ユニット本体5の両側面に配置される側面パネル12,13と、ユニット本体5の背面に配置される背面パネル14とがそれぞれ設けられている。
【0016】
また、図4に示すように本実施の形態の外装パネル10のパネル本体15の内面には略平面状のフレーム対向面16が形成されている。そして、この平面状のフレーム対向面16が外装パネル10の取付時にフレーム6側に対向配置されるようになっている。さらに、このフレーム対向面16にはパネル本体15全体の外形よりも小さい略矩形枠型のアンダーカット部17が内側に向けて突出されている。
【0017】
本実施の形態の外装パネル10は、圧空成形品が使用されている。図5(A)〜(F)は、本実施の形態の外装パネル10を圧空成形する成形工程を簡略的に示したものである。図5(A)は、圧空成形の成形型18を示す。この成形型18には、型本体19と、取り外し型部材であるプレート20とが設けられている。型本体19には圧空成形品の成形空間である凹陥状の雌型19aが形成されている。そして、この雌型19aの開口部周縁部位に複数のプレート20が配設されている。ここで、プレート20の内端部は雌型19a側に所定量突設されている。これにより、外装パネル10のパネル本体15の内面のフレーム対向面16に内側に向けて突出させた略矩形枠型のアンダーカット部17が設定されている。
【0018】
図5(B)は、成形型18に成形材料であるシート21をセットした状態を示す。シート21はクランプ部材22によって成形型18にクランプされている。さらに、シート21はヒーター23によって加熱される。このとき、型本体19の雌型19a内が真空引きされる。これにより、加熱されて軟化されたシート21を雌型19aに引き込む。同時に、図5(C)に示すようにシート21の型面とは反対側から空気で加圧し、雌型19aの型形状の転写性を高める。これにより、雌型19aを転写した形状の外装パネル10の圧空成形品24が成形される。
【0019】
成形後、図5(D)に示すようにアンダーカット部17を成形するために使用したプレート20を成形型18から取外す。これにより、プレート20に引っ掛かることなく成形後のシート21を雌型19a内から引き抜くことができる。
【0020】
このとき、図5(E)に示すように雌型19a内から引き抜かれた圧空成形品24には不要なシート21の余り部分24aが残っている。そのため、最後に圧空成形品24には不要なシート21の余り部分24aを切断して除去するばり取り作業が行なわれる。これにより、図5(F)に示すように外装パネル10の圧空成形品24が成形される。
【0021】
また、本実施の形態のユニット本体5ではフレーム6の周囲全体を外装パネル10で囲んだ状態に組み付けた際に、隣接する外装パネル10同士は図6(A)に示すように組み合わされる。このとき、隣接する外装パネル10同士の合わせ部25間には図6(B)に示すようにアンダーカット部17間を組み合わせた状態で係合させた係合部26が形成されている。そして、この係合部26によって隣接する外装パネル10間の合わせ目部分の隙間Sを隠す構成になっている。さらに、この係合部26は、フレーム6に対して前後左右の各外装パネル10を垂直に取外す方向には隣接する外装パネル10同士が相互に干渉する部分がない。そのため、図6(C)に示すようにフレーム6に対して各外装パネル10をそれぞれ個別に単独で着脱することができる構成になっている。なお、図6(C)はフレーム6に対して例えば側面パネル12が装着され、正面パネル11が取外された状態を示している。
【0022】
また、図11(A)に示すようにユニット本体5内には、例えば5段の棚板7が配設されている。そして、上の2段の棚板7の配置部分には、内視鏡検査では必ず使用される必須の使用機器である光源装置27と、カメラコントロールユニット(CCU)28とが収納される専用の第1の機器収納室29が形成されている。この第1の機器収納室29の周囲には上部正面パネル11aと、上部側面パネル12a,13aと、背面パネル14aとがそれぞれ設けられている。
【0023】
第1の機器収納室29の前面の上部正面パネル11aには光源装置27のコネクタ受部30と、カメラコントロールユニット28のコネクタ受部31とが設けられている。そして、図2(A),(B)に示すように後述する内視鏡32のライトガイドケーブル33の先端のコネクタ部34が光源装置27のコネクタ受部30に着脱可能に連結されるようになっている。さらに、内視鏡32の電気コネクタ部35がカメラコントロールユニット28のコネクタ受部31に着脱可能に連結されるようになっている。
【0024】
さらに、ユニット本体5の下側の棚板7には、必要に応じて電気メスなどの治療器具、あるいはビデオプリンター、写真撮像装置などの各種の周辺機器36が任意に搭載可能な第2の機器収納室37が形成されている。この第2の機器収納室37の周囲には複数、本実施の形態では4枚の下部正面パネル11b〜11eと、それぞれ1枚の下部側面パネル12b,13bと、1枚の背面パネル14bとがそれぞれ設けられている。
【0025】
また、本実施の形態のユニット本体5では、図8に示すようにフレーム6と外装パネル10との接合部に外装パネル10をフレーム6に磁力によって着脱可能に固定するマグネット式のパネル固定部38が設けられている。このパネル固定部38には、フレーム6に取付けられた固定用マグネット39と、外装パネル10側に取付けられた磁性体からなるマグネット受部40とが設けられている。このマグネット受部40は固定用マグネット39と対応する部位に配置された取り付けブラケットを利用して形成されている。図9に示すようにマグネット受部40には、固定用マグネット39と凹凸嵌合する位置決め用の嵌合凹部41が設けられている。
【0026】
そして、フレーム6に外装パネル10を固定する場合には図10(A),(B)に示すようにマグネット受部40と固定用マグネット39との間の凹凸嵌合部分を外装パネル10とフレーム6との間の上下方向の位置決め用に利用している。なお、左右方向にも同様の構成のマグネット式のパネル固定部38を設けることにより、マグネット受部40と固定用マグネット39との間の凹凸嵌合部分を外装パネル10とフレーム6との間の左右方向の位置決め用に利用することができる。
【0027】
また、本実施の形態では第2の機器収納室37内の機器搭載フレーム6に装備される棚板7のうち少なくとも一つは使用・不使用を選択できるように設定されている。すなわち、図13に示すように各フレーム6には棚板支持用レール42を着脱可能に支持するための上下一対のレール取付け穴43,44が設けられている。
【0028】
棚板支持用レール42には断面形状が略L字状のレール本体45が設けられている。このレール本体45の両端部には図14(B)に示すように上下2段の係合爪46,47が形成されている。ここで、上側の係合爪46には、後方に向けて略水平方向に屈曲された屈曲部46aの先端部に上向きに屈曲された上向屈曲部46bが形成されている。さらに、下側の係合爪47には、後方に向けて略水平方向に屈曲された屈曲部47aが形成されている。そして、図15に示すように棚板支持用レール42の上段の係合爪46が上側のレール取付け穴43、下段の係合爪47が下側のレール取付け穴44に挿入されることにより、棚板支持用レール42がフレーム6に対して取外し可能に装着されている。
【0029】
また、この棚板支持用レール42は第2の機器収納室37内に左右2組設けられている。そして、両側の棚板支持用レール42上に1つの棚板7が支持されている。これにより、1つの棚板7が使用・不使用を選択できるように設定されている。
【0030】
例えば、図11(A)は第2の機器収納室37内の3つの棚板7が全て装着されている状態を示す。これに対し、図12(A)は中央の棚板7が取外された状態を示す。そして、図12(A)に示すように中央の棚板7を取外すことにより、図11(A)の棚板7上に搭載される周辺機器36よりも高さが高い周辺機器36を第2の機器収納室37内に収納することができる構成になっている。
【0031】
また、外装パネル10と棚板7の取り付け位置は、もともと同じ高さではなく、適当な位置関係に配置されている。そして、本実施の形態では第2の機器収納室37の正面に配置される4枚の下部正面パネル11b〜11eは、最下段の下部正面パネル11eの高さがL2、これ以外の3枚の下部正面パネル11b〜11dの高さがL1にそれぞれ設定されている。さらに、3枚の下部正面パネル11b〜11dの外形寸法は同じ寸法に設定されている。なお、第2の機器収納室37の正面に配置される外装パネル10の少なくとも2枚は同じ外形寸法に設定されることが好ましい。そして、棚板7と外装パネル10との相対関係が全ての段において同一ではない。なお、図12(A)に示すように高さが高い周辺機器36を第2の機器収納室37内に収納した場合には図12(B)に示すように1枚の下部正面パネル11cにアクセス穴が形成されていないダミーパネルが装着される。
【0032】
また、本実施の形態では第2の機器収納室37内に収納した棚板7の取り付け位置を上下方向に調整する支持位置調整手段48が設けられている。この支持位置調整手段48は図21に示すように棚板7の上に略箱型のスペーサー49を介して特定のサイズの搭載機器36を乗せたものである。これにより、図20の棚板7の上から図21の棚板7の上に特定のサイズの搭載機器36を乗せ換える場合のように棚板7の上に特定のサイズの搭載機器36を直接乗せた場合には外装パネル10のアクセス穴50の開口部と搭載機器36の開口部の合わせ目が合わない場合でもスペーサー49を介して特定のサイズの搭載機器36を乗せることにより、外装パネル10のアクセス穴50の開口部と搭載機器36の開口部を合わせることができる。その結果、共通の外装パネル10を使用できるようにしている。なお、スペーサー49の内部には物品収納部としても利用可能である。
【0033】
さらに、本実施の形態では図16に示すように第2の機器収納室37内に収納した中段位置の棚板7上の搭載機器36の外装パネル10をフレーム6から分離させて取外すことなく開閉するパネル開閉機構51が設けられている。このパネル開閉機構51には、図17に示すようにフレーム6に対して外装パネル10を正規の装着位置(図18に示す)と、前方に引き出した引き出し位置との間でスライド可能に支持するスライド機構52と、引き出し位置(図19に示す)で、外装パネル10を下端部の回動支点53を中心に手前側に回転させて前倒しするヒンジ機構54とが設けられている。図18に示すようにスライド機構52には棚板7上に固定される静止部材である左右一対のガイドレール55と、移動部材56とが設けられている。そして、移動部材56が左右のガイドレール55にガイドされる状態で図17中で左右方向に移動可能に支持されている。
【0034】
また、移動部材56には水平方向に配置されたベースプレート56aと、このベースプレート56aの前端部に下向きに略L字状に屈曲された屈曲板56bとが設けられている。屈曲板56bの下端部にヒンジ機構54を介して外装パネル10の下端部が連結されている。
【0035】
なお、本実施の形態では、図7(A)に示すように第2の機器収納室37の各下部正面パネル11b〜11dの水平方向の合わせ目ラインが、水平方向に配置される形状の外装パネル10を設けた構成を示したが、図7(B)に示すように下部正面パネル11b〜11dの水平方向の合わせ目ラインが、側面から見るとフレーム6から前方へ向かって下方に傾斜する傾斜面57を設けてもよい。この場合には、手術中、手術室内に飛び散る飛沫類が下部正面パネル11b〜11dに付着しても傾斜面57に沿って外側下向きに滴下するので、飛沫類が作業台ユニット3内に浸入する事を効果的に防ぐことができる。
【0036】
また、本実施の形態ではユニット本体5のフレーム6には図23に示すように断面形状がU字状のフレーム構成部材58が設けられている。このフレーム構成部材58の開口部には断面形状がU字状のカバー部材59が嵌着されて一体的に接合されている。そして、フレーム構成部材58とカバー部材59との間の矩形状の空間内に電気配線用のケーブル60を収納するケーブル収納部61が形成されている。
【0037】
また、ユニット本体5の第2の機器収納室37の背面の背面パネル14の内部には基板ケース62が形成されている。この基板ケース62の内部にはユニット本体5の内部に搭載される光源装置27と、カメラコントロールユニット28と、その他の各周辺機器36に接続される図示しない配線基板が配設されている。この基板ケース62の内面は蓋62aによって開閉可能に閉塞されている。この配線基板には予め作業台ユニット3の内部に搭載される予定の複数の内蔵機器や、作業台ユニット3の外部に配置される任意の外部機器との接続用のコネクタが設けられている。
【0038】
さらに、この基板ケース62は一側部がヒンジ機構63を介してフレーム6に回動可能に軸支されている。そして、この基板ケース62は図23に示す閉位置から、図24に示す開位置まで開閉可能に支持されている。
【0039】
また、図25(A),(B)に示すようにフレーム6には、蝶番であるヒンジ機構63によって形成されるデッドスペースに基板ケース62の閉塞時に基板ケース62内の電気配線に接続してアース(GND)させるばね状のアース部材64(例えばEMCフィンガー)が配設されている。このアース部材64は図25(C)に示すように略円弧形状の断面形状の板ばね状の導電部材によって形成されている。そして、このアース部材64はヒンジ機構63の近傍に配置されている。
【0040】
さらに、基板ケース62にはアース部材64と接触する接触部材65が設けられている。この接触部材65は、基板ケース62が図24に示すように開いている場合にはアース部材64から離れ、基板ケース62が図25に示すように閉じた際にアース部材64に圧接されて接触するようになっている。
【0041】
また、図1に示すように作業台ユニット3の上面の作業テーブル9の後端部には、集中制御パネル66が配設されている。この集中制御パネル66は、基板ケース62内の配線基板を介して予め作業台ユニット3の内部に搭載される予定の複数の内蔵機器や、作業台ユニット3の外部に配置される任意の外部機器と接続されている。この集中制御パネル66は、タッチパネルによって形成されている。そして、作業台ユニット3の内部に搭載されている複数の内蔵機器や、作業台ユニット3の外部に配置される外部機器は、全てこの集中制御パネル66の操作によって制御可能になっている。
【0042】
また、集中制御パネル66の後方には、モニター装着部67(図27参照)が設けられている。このモニター装着部67には液晶表示モニターによって形成される内視鏡画像等の情報表示用のモニター68が着脱可能に装着されている。図26に示すようにモニター68の下部にはアダプタ69が設けられている。
【0043】
さらに、作業台ユニット3のモニター装着部67は、作業台ユニット3とは異なる場所に配置されたモニタースタンド4の上端部に配置されているモニター装着部70と同一構造の共通ユニットになっている。そのため、作業台ユニット3のモニター装着部67は、モニタースタンド4のモニター装着部70に着脱可能に装着されるモニター68が共通に装着可能なように構成されている。
【0044】
さらに、図1に示すように作業台ユニット3の背面側には略L字状の内視鏡支持アーム71が装着されている。この内視鏡支持アーム71の上部には複数の医療器具支持部材72が装着されている。
【0045】
図2(A)に示すようにこの医療器具支持部材72には内視鏡32が支持されるようになっている。内視鏡32には細長い挿入部32aと、この挿入部32aの基端部に連結された手元側の操作部32bとが設けられている。さらに、操作部32bにはライトガイドケーブル33の基端部が連結されている。このライトガイドケーブル33の先端部にはコネクタ部34が連結されている。このコネクタ部34には電気コードの一端が連結されている。この電気コードの他端には電気コネクタ部35が連結されている。そして、前述した通り、コネクタ部34が上部正面パネル11aの光源装置27のコネクタ受部30に着脱可能に連結され、電気コネクタ部35がカメラコントロールユニット28のコネクタ受部31に着脱可能に連結されている。
【0046】
また、図2(A)に示すように作業台ユニット3の下部側面パネル12bには処置用の機器の出力部81が配置されている。そして、図2(B)に示すように第2の機器収納室37に処置用の機器、例えば電気メスなどの処置用器具82が収納されている場合には、この処置用機器82は、作業台ユニット3の下部側面パネル12bの出力部81に接続されている。
【0047】
また、図28に示すように本実施の形態の作業台ユニット3の上面に配置される作業テーブル9の周縁部位には段差状のクリップ受部91が形成されている。このクリップ受部91は少なくとも所定区間連続的に同一断面形状に形成されている。ここで、作業テーブル9の背面側には、周縁部位の一部に内視鏡32の周辺装置である集中制御パネル66を設置するマウント部83が設けられている。そして、クリップ受部91は、作業テーブル9のマウント部83以外の略全周に亙り、連続的に形成されている。
【0048】
また、本実施の形態のクリップ受部91には図29に示すように作業テーブル9のテーブル面よりも上向きに段差状に突出する上向き係合凸部92が設けられている。さらに、クリップ受部91の前面下部には凹陥状の係合凹部93が形成されている。
【0049】
また、図28に示すように作業テーブル9のクリップ受部91には複数のクリップ94が着脱可能に装着できるようになっている。このクリップ94には、弾性体のクリップ本体94aが設けられている。このクリップ本体94aの一端部側にはクリップ受部91の断面形状と対応する切欠き形状の係合凹部95が形成されている。この係合凹部95の周縁部位には図29(B)に示すようにクリップ本体94aの上面に下向きに略L字状に屈曲された屈曲部95aが形成されている。さらに、クリップ本体94aの下面側には係合凸片95bが形成されている。
【0050】
そして、作業テーブル9のクリップ受部91にクリップ94を係合させる場合には図29(C)に示すようにクリップ本体94aの屈曲部95aをクリップ受部91の係合凸部92に引っ掛けた状態で係合させるとともに、クリップ本体94aの係合凸片95bをクリップ受部91の係合凹部93に係合させるようになっている。
【0051】
また、クリップ本体94aの他端部側には検査に使用する器具を係脱可能に係合保持する器具保持部96が形成されている。この器具保持部96には図30に示すようにクリップ本体94aの縦方向に延設された縦溝状の第1の保持溝97と、クリップ本体94aの横方向に延設された横溝状の第2の保持溝98とが設けられている。そして、この器具保持部96の第1の保持溝97と、第2の保持溝98のいずれか一方に選択的に検査に使用する器具が挿入されて保持されるようになっている。ここで、検査に使用する器具としては例えば送水チューブ、吸引チューブなどのチューブ類や、内視鏡32のスコープケーブル、ホワイトバランスキャップ、処置具としての高周波スネアや、Pプレートなどが保持可能になっている。さらに、クリップ本体94aの器具保持部96ではこれ以外でも内視鏡32を保持しても良く、スコープハンガーとしても使用可能になっている。
【0052】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では作業台ユニット3の上面の作業テーブル9の周縁部位に同一断面形状の段差状のクリップ受部91を少なくとも所定区間連続的に形成し、作業テーブル9の周縁部位の所定区間では任意の場所のクリップ受部91にクリップ94を着脱可能に装着できるようにしている。このとき、作業台ユニット3の上面の作業テーブル9の周縁部のクリップ受部91を略全周共通形状とし、その形状にはまり込むクリップ94を作成したので、専用のアダプターが無くても、テーブル9上のどこにでもクリップ94を取り付けることが出来る。そのため、内視鏡装置である作業台ユニット3の各種付属品(検査に使用する器具)を器具保持部96で保持するクリップ94をそれぞれの使用者の最適な位置に選択的に配設することができるので、使用者の使い勝手が向上する。
【0053】
また、付属品を保持するクリップ94を作業テーブル9のクリップ受部91に簡易的に着脱できるため、検査種別毎にそれぞれの付属品を最適位置に簡単に配設し直すことができ、使用者の準備・検査の効率化が図れる。
【0054】
また、内視鏡装置である作業台ユニット3の外観に特別な条件(材質、形状など)を設ける必要がないので、作業台ユニット3の装置デザインの自由度が向上する。
【0055】
また、図31は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図30参照)のクリップ94の器具保持部96の構造を次の通り変更したクリップ101を設けたものである。
【0056】
すなわち、本実施の形態のクリップ101の器具保持部96には器具保持部96の第1の保持溝97に複数、本実施の形態では3つの段付きのそれぞれ溝幅の異なる係合凹部97a、97b、97cが並設されている。同様に、第2の保持溝98にも複数、本実施の形態では3つの段付きのそれぞれ溝幅の異なる係合凹部98a、98b、98cが並設されている。そして、例えばチューブ類などの長尺物を適正な溝幅の係合凹部97a、97b、97cまたは係合凹部98a、98b、98cのいずれかに係合させた状態で保持させることができる。そのため、内視鏡装置で使用するチューブ類などの長尺物が、使用者の望む最適な状態で配設することが可能となる。
【0057】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) 内視鏡装置の辺縁部を同一形状として、各種保持部材の取付部構造を前記辺縁部に嵌合する共通形状とする。
【0058】
(付記項2) 長尺物を保持するひとつの保持部材を柔軟性のある材質にて構成し、且つ縦・横方向それぞれに段付きの溝を設ける。
【0059】
(付記項1の従来技術) 内視鏡装置で使用される各種付属品を内視鏡装置に保持する場合、対象となる付属品に合わせた専用の保持部材を使用して内視鏡装置に配設していた。これらの付属品保持部材は、配設する場所に合わせて異なる取り付け構造を持っていることが多い。
【0060】
また、取り付け場所の自由を増すためにマグネットや吸着板を用いて付属品保持部材を内視鏡装置に取り付けるような場合がある。
【0061】
(付記項1が解決しようとする課題) 付属品に合わせた専用の保持部材を使用している場合、内視鏡装置の限定された場所にしか保持部材を取り付けることができない。従って、使用環境の異なる使用者であった場合に、その使用者にとって最適な位置に付属品を保持することが難しいといった問題がある。マグネットや吸着板を用いて付属品保持部材を内視鏡装置に取り付けるような場合には、装置表面を金属で構成したり装置外装を平面で構成する必要があり、質感やデザイン性が損なわれる懸念があった。従来は専用の取り付け台の位置にしかチューブクリップを取り付けられなかった。
【0062】
(付記項1の課題を解決するための手段) 内視鏡ユニットのテーブル周縁部を全周共通形状とし、その形状にはまり込むチューブクリップを作成した。
【0063】
(付記項1の効果) これにより内視鏡装置の各種付属品の保持部材が、それぞれの使用者の最適な位置に選択的に配設することが可能となり、使用者の使い勝手が向上する。また、付属品の保持部材を簡易的に着脱できるため、検査種別毎にそれぞれの付属品を最適位置に簡単に配設し直すことができ、使用者の準備・検査の効率化が図れる。また、内視鏡装置外観に特別な条件(材質、形状など)を設ける必要がないことから装置デザインの自由度が向上する。
【0064】
(付記項2の従来技術) 内視鏡検査に使用される長尺物(チューブやコード)を保持する場合、その対象となる長尺物のサイズに合わせた専用の保持部材を使用している。
【0065】
(付記項2が解決しようとする課題) この場合、形の異なる長尺物を利用するような場合、上手く保持することができず、保持状態が不安定となる。また、使用する内視鏡装置に搭載されている機器が使用者で異なる時、長尺物を保持する最適な向きが異なり、前記専用の保持部材では適正な使用状態を実現することが難しかった。
【0066】
(付記項2の課題を解決するための手段) チューブクリップには縦だけでなく横方向にも溝を設けた。また、様々の幅のチューブ溝を設けて、様々の外径のチューブに対応できるようにした。
【0067】
(付記項2の効果) この構成により、内視鏡装置で使用する長尺物が、使用者の望む最適な状態で配設することが可能となる。チューブクリップの使い勝手が向上した。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、医療用検査装置の作業台ユニットを使用する際に使用者の使い勝手が向上し、使用者の準備・検査の効率化が図れ、かつ装置デザインの自由度が向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す内視鏡検査装置全体の概略構成を示す斜視図。
【図2】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットを示すもので、(A)は作業台ユニットのフレームの周囲全体に外装パネルを装着した状態を示す斜視図、(B)は作業台ユニットのサイドカバーを取外した状態を示す斜視図。
【図3】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの外装パネルの装着状態を説明するための説明図。
【図4】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの外装パネルを示す斜視図。
【図5】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの外装パネルの製造方法を説明するための説明図。
【図6】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの外装パネルの組み付け状態を示すもので、(A)はフロントパネルとサイドパネルとの接合部を示す要部の斜視図、(B)は同平面図、(C)はフロントパネルを取り外した状態を示す要部の斜視図。
【図7】(A)は第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの外装パネルの並設状態を示す側面図、(B)は外装パネルの変形例の並設状態を示す側面図。
【図8】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの外装パネルの固定状態を示す横断面図。
【図9】図8のIX−IX線断面図。
【図10】(A)は第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの外装パネルの固定用マグネットとマグネット受部との係合状態を示す正面図、(B)は(A)のXB−XB線断面図。
【図11】(A)は第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニット内に周辺装置を搭載した状態を示す側面図、(B)は同正面図。
【図12】(A)は第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニット内の周辺装置を入れ替えた状態を示す側面図、(B)は同正面図。
【図13】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの棚板支持用のレールの取付け状態を示す斜視図。
【図14】(A)は第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットのフレームのレール取付け穴を示す斜視図、(B)はレールの係合爪を示す斜視図。
【図15】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットのフレームのレール取付け穴にレールの係合爪を係合させた状態を示す要部の縦断面図。
【図16】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの内蔵機器の正面パネルの開操作状態を示す側面図。
【図17】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットのフロントパネルの支持機構を示す斜視図。
【図18】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットのフロントパネルが閉じた状態を示す要部の縦断面図。
【図19】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットのフロントパネルが開いた状態を示す要部の縦断面図。
【図20】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの内蔵機器の設置状態を示す斜視図。
【図21】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの内蔵機器の設置位置を移動した状態を示す斜視図。
【図22】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットのフレーム構造を示す斜視図。
【図23】(A)は第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの基板ケースの蓋を閉じた状態を示す要部の横断面図、(B)は基板ケースの蓋を開いた状態を示す要部の横断面図、(C)はアース部材の取付け状態を示す横断面図。
【図24】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの基板ケースの蓋を閉じた状態を示す横断面図。
【図25】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの基板ケースの蓋を開いた状態を示す横断面図。
【図26】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの情報表示用のモニターを示す正面図。
【図27】(A)第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットのモニター装着部に情報表示用のモニターを取付けた状態を示す斜視図、(B)はモニタースタンドのモニター装着部を示す斜視図。
【図28】第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットの斜視図。
【図29】(A)は第1の実施の形態の内視鏡検査装置における作業台ユニットのクリップ受部を示す斜視図、(B)は作業台ユニットのクリップ受部にクリップを装着させる前の状態を示す斜視図、(C)は作業台ユニットのクリップ受部にクリップを装着させた状態を示す要部の縦断面図。
【図30】第1の実施の形態の内視鏡検査装置におけるクリップの斜視図。
【図31】本発明の第2の実施の形態を示すクリップの斜視図。
【符号の説明】
3…作業台ユニット、9…作業テーブル、91…クリップ受部、94…クリップ、94a…クリップ本体、95…係合凹部、96…器具保持部。
Claims (5)
- 作業台ユニットの上面に配置される作業テーブルの周縁部位の少なくとも所定区間連続的に同一断面形状の段差状のクリップ受部を形成し、
弾性体のクリップ本体の一端部側に前記クリップ受部の断面形状と対応する切欠き形状の係合凹部が形成され、他端部側に検査に使用する器具を係脱可能に係合保持する器具保持部が形成されたクリップを前記クリップ受部に着脱可能に装着できるようにしたことを特徴とする医療用検査装置。 - 前記作業テーブルは、周縁部位の一部に内視鏡の周辺装置を設置するマウント部を有し、
前記クリップ受部は、前記作業テーブルの前記マウント部以外の略全周に亙り、連続的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の医療用検査装置。 - 前記クリップは、1つの前記クリップ本体に複数の前記器具保持部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の医療用検査装置。
- 前記クリップは、前記器具を縦置きに配置する縦向きの前記器具保持部と、前記器具を横置きに配置する横向きの前記器具保持部とが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の医療用検査装置。
- 前記クリップは、1つの前記器具保持部に外径寸法が異なる複数の前記器具を係合する複数の溝幅の係合凹部が並設されていることを特徴とする請求項3または4のいずれか一方に記載の医療用検査装置。
Priority Applications (1)
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JP2003139171A JP2004337441A (ja) | 2003-05-16 | 2003-05-16 | 医療用検査装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018079045A1 (ja) * | 2016-10-26 | 2018-05-03 | 国立大学法人九州大学 | 固定台 |
-
2003
- 2003-05-16 JP JP2003139171A patent/JP2004337441A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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WO2018079045A1 (ja) * | 2016-10-26 | 2018-05-03 | 国立大学法人九州大学 | 固定台 |
JP2018068518A (ja) * | 2016-10-26 | 2018-05-10 | 国立大学法人九州大学 | 固定台 |
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