JP2004305280A - 輸液システム及びポンプ支持用架台 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のシリンジポンプを同時に使用する場合に、電源コード等が邪魔にならず、しかもシリンジポンプを容易に着脱することができる輸液システムを提供する。
【解決手段】輸液システムはシリンジポンプ1とこれを着脱可能に支持するポンプ支持用架台2とを有する。ポンプ支持用架台2は、シリンジポンプ1を保持する保持部41と、ポンプ支持用架台2に搭載された共通の電源回路62に接続される給電用端子36とを備える。シリンジポンプ1は、給電用端子36に電気的に接続可能な受電用端子27を備える。受電用端子27に給電用端子36を電気的に接続するとともにシリンジポンプ1を保持部41に保持させる装着状態と、受電用端子27と給電用端子36とを切り離すとともに保持部41に保持されたシリンジポンプ1を解放する脱着状態とを切換可能な着脱レバー37がポンプ支持用架台2に設けられる。
【選択図】 図10
【解決手段】輸液システムはシリンジポンプ1とこれを着脱可能に支持するポンプ支持用架台2とを有する。ポンプ支持用架台2は、シリンジポンプ1を保持する保持部41と、ポンプ支持用架台2に搭載された共通の電源回路62に接続される給電用端子36とを備える。シリンジポンプ1は、給電用端子36に電気的に接続可能な受電用端子27を備える。受電用端子27に給電用端子36を電気的に接続するとともにシリンジポンプ1を保持部41に保持させる装着状態と、受電用端子27と給電用端子36とを切り離すとともに保持部41に保持されたシリンジポンプ1を解放する脱着状態とを切換可能な着脱レバー37がポンプ支持用架台2に設けられる。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療現場で使用されるシリンジポンプ、すなわちシリンジ内に収容された薬液等の溶液を設定された流量で患者の血管等に注入するシリンジポンプとこのシリンジポンプを支持するポンプ支持用架台とを有する輸液システム等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、患者に対して栄養補給、化学療法剤、麻酔剤等の薬液注入を自動的に、かつ高い精度で行うように構成されたシリンジポンプは知られている。
【0003】
シリンジポンプは、例えば特許文献1に開示されるように、薬液を収納したシリンジを固定する固定部と、固定されたシリンジの押子を押圧するためのスライダと、このスライダを駆動するための電気式の駆動機構と、駆動機構を制御する制御装置と、薬液の注入量の設定やその表示を行う操作パネル等を備えたものが一般的であり、シリンジポンプを輸液スタンド(ポール)の可動架台にクランプネジで固定されている。そして、使用時には、シリンジポンプを輸液スタンドに上記のように固定した状態で該シリンジポンプにシリンジをセットし、操作パネル上で注入量等の条件を設定すれば、その設定条件に応じて上記スライダが駆動され、これによりシリンジの押子が押圧されて所定流量で薬液が送り出されるように構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−122239号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のシリンジポンプでは、シリンジポンプ毎に電源コードや通信用配線等を接続する必要があり、そのため複数のシリンジポンプを同時に使用する場合には電源コード等の数が増えて邪魔になるという問題がある。例えば手術室等では、10台を超えるシリンジポンプを同時に使用することが頻繁にあるが、このような場合には医師や看護師がシリンジポンプの電源コードや通信用配線等に足を引っ掛ける等して円滑な医療業務に支障をきたすことが考えられる。
【0006】
また、輸液スタンド(ポール)の可動架台にネジで固定しなければならず、上記のように複数のシリンジポンプを同時に使用する場合にはそれぞれについてネジで着脱する作業を行わなければならず、手間暇がかかるという問題もある。例えば上記のように、手術室等で10台を超えるシリンジポンプを同時に使用した後に、患者をシリンジポンプとともに集中治療室等に搬送されることがあるが、このような場合に医師や看護師は、その都度、各シリンジポンプを脱着しなければならず、円滑かつ迅速な医療業務が妨げられる虞がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、複数のシリンジポンプを同時に使用する場合に、電源コード等が邪魔にならず、しかも容易に着脱することができ、その利便性を向上させ、もって円滑な医療業務を実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る輸液システムは、シリンジに収容した薬液等を設定条件に応じて送液する電気駆動の複数のシリンジポンプと、これらのシリンジポンプを着脱可能に支持するポンプ支持用架台とを有する輸液システムであって、上記ポンプ支持用架台は、上記シリンジポンプを保持する保持部と、このポンプ支持用架台に搭載された共通の電源回路に接続される給電用端子とを備える一方、上記シリンジポンプは、上記給電用端子に電気的に接続可能な受電用端子を備え、この受電用端子に上記給電用端子を電気的に接続するとともに上記シリンジポンプを上記保持部に保持させる装着状態と、上記受電用端子と給電用端子とを切り離すとともに上記保持部から上記シリンジポンプを解放する脱着状態とを切換可能な着脱レバーが上記ポンプ支持用架台に設けられることを特徴とする。
【0009】
この輸液システムでは、ポンプ支持用架台における複数の保持部に対して必要な数のシリンジポンプを保持させ、シリンジポンプ及びポンプ支持用架台の端子同士(給電用端子および受電用端子)を接続すれば、各シリンジポンプがポンプ支持用架台に搭載された共通の電源回路に接続されて駆動用の電力が各シリンジポンプに供給される。つまり、電源コードとしてはポンプ支持用架台の電源回路用のコードだけで済み、各シリンジポンプ毎に電源コードを設ける必要がなくなる。従って、複数のシリンジポンプを使用しながらも電源コードを集約することができる。
【0010】
また、この輸液システムでは、ポンプ支持用架台における複数の保持部にシリンジポンプを必要な数だけ配置し、上記着脱レバーを切り換えれば、シリンジポンプとポンプ支持用架台が機械的及び電気的に接離される。つまり、着脱レバーを切換操作するだけで、受電用端子に上記給電用端子を電気的に接続するとともに上記シリンジポンプを上記保持部に保持させる装着状態と上記受電用端子と給電用端子とを切り離すとともに上記保持部から上記シリンジポンプを解放する脱着状態とを切り換えることができる。従って、従来のようにネジの緊締、弛緩作業を要さず、着脱レバーの操作だけでシリンジポンプを容易かつ的確に着脱することができる。
【0011】
この輸液システムにおいて、着脱レバーは、上記装着状態と脱着状態との切り換え過程で、上記シリンジポンプを上記保持部に保持させた状態で上記受電用端子と給電用端子とを分離する中間状態を経由するように構成されるのが好ましい(請求項2)。
【0012】
このように構成すれば、着脱動作が段階的に行われるので、該着脱動作を安定して行わせることができる。すなわち、着脱レバーが装着状態から脱着状態に切り換えられる場合は、シリンジポンプを保持部により保持させた状態で受電用端子と給電用端子とが切り離されるので、受電用端子と給電用端子とを切り離す際の反動等によりシリンジポンプが不測に脱落することがない。一方、着脱レバーが脱着状態から装着状態に切り換えられる場合は、シリンジポンプを保持部により保持させた状態で受電用端子と給電用端子とが接続されるので、確実に両端子を接続することができる。
【0013】
上記給電用端子と受電用端子との接離の具体的構造は、特に限定するものではないが、上記着脱レバーの切換操作に応じてスライド移動するスライダに上記保持部が設けられる一方、上記給電用端子と受電用端子とは一方向から結合可能なコネクタにより接続され、上記スライダの移動により上記給電用端子と受電用端子とが接離するように構成するのが好ましい(請求項3)。
【0014】
このように構成すれば、シリンジポンプを保持部に保持させた状態でスライド移動させて給電用端子と受電用端子とが接離されるので、簡単な構造で確実に端子同士(給電用端子及び受電用端子)を接離することができる。
【0015】
シリンジポンプと保持部との具体的保持構造は特に限定するものではないが、上記シリンジポンプの左右両側面に一対の係止孔が設けられる一方、上記保持部には上記スライダの移動に応じて上記係止孔に出没する一対の係止爪が設けられているように構成するのが好ましい(請求項4)。
【0016】
このように構成すれば、シリンジポンプの両側面に設けられた係止孔に係止爪を出没させるだけで、シリンジポンプを保持部に着脱させることができ、比較的簡単な構造で確実にシリンジポンプを着脱することができる。しかも、スライダの移動に応じて係止爪が出没するように構成されているので、シリンジポンプの着脱動作を端子同士の接離動作と連動させることができ、確実にシリンジポンプとポンプ支持用架台とを機械的及び電気的に接続することができる。
【0017】
この輸液システムにおいて、必要に応じて複数の上記ポンプ支持用架台を設けることができ、この場合にはこの複数のポンプ支持用架台における各電源回路を電気的に接続する連結コードを介して各電源回路を共通化するのが好ましい(請求項5)。
【0018】
このように構成すれば、複数のポンプ支持用架台が設けられる場合でも、電源コードとしては複数のポンプ支持用架台について連結コードにより共通化された電源回路用のコードだけで済み、各ポンプ支持用架台毎に電源コードを設ける必要がなくなる。従って、複数のポンプ支持用架台を使用しながらも電源コードを集約することができる。
【0019】
さらに、上記輸液システムでは、上記ポンプ支持用架台に棒状体に掛止するための掛止部が設けられるのが好ましい(請求項6)。
【0020】
このように構成すれば、ポンプ支持用架台を簡単に掛け吊すことができる。例えば、手術中においてポンプ支持用架台をスタンドに掛け吊し、手術後にシリンジポンプを患者とともに集中治療室等に搬送する場合には、ポンプ支持用架台から必要なシリンジポンプだけを残してシリンジポンプを脱着し、掛止部をスタンドの棒状体からベッドの桟部に掛止し直せば、残りのシリンジポンプをポンプ支持用架台ごと搬送することができ、円滑かつ迅速な対応が可能となる。
【0021】
また、ポンプ支持用架台におけるシリンジポンプの配置態様は特に限定するものではないが、上記ポンプ支持用架台が、上記シリンジポンプを上下方向に一列に支持するように構成されているのが好ましい(請求項7)。
【0022】
このように構成すれば、複数のシリンジポンプを支持しながらも平面的な占有スペースは少なくて済み、スペース効率が向上する。
【0023】
さらに、この輸液システムにおいて、上記受電用端子は、直接外部電源を接続することができるように構成されているのが好ましい(請求項8)。
【0024】
このように構成すれば、シリンジポンプに外部電源を直接接続することによりシリンジポンプをポンプ支持用架台に装着することなく単独で使用することが可能となり、しかも、別途外部電源を直接接続する端子を設ける必要がなく、経済的にシリンジポンプの利便性を向上することができる。
【0025】
一方、本発明のポンプ支持用架台は、上記輸液システムに特に適したものであり、電気駆動のシリンジポンプを脱着可能に支持するとともに、該シリンジポンプに対して電源供給を行うポンプ支持用架台であって、上記シリンジポンプを脱着可能に保持する複数の保持部が設けられるとともに、上記シリンジポンプに設けられた受電用端子に電気的接続可能な給電用端子が各保持部に対してそれぞれ設けられ、これら給電用端子がポンプ支持用架台に搭載される共通の電源回路に接続される一方、上記受電用端子に上記給電用端子を電気的に接続するとともに上記シリンジポンプを上記保持部に保持させる装着状態と、上記受電用端子と給電用端子とを切り離すとともに上記保持部に保持された上記シリンジポンプを解放する脱着状態とを切換可能な着脱レバーを備えることを特徴とする(請求項9)。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0027】
図1は本発明に係る輸液システムの全体を正面図で示している。この図に示すように、輸液システムはシリンジポンプ1と、複数台のシリンジポンプ1を支持することができるポンプ支持用架台2(以下、架台2と略す)と、複数台の架台2を掛け吊す架台用スタンド3とから構成されている。
【0028】
シリンジポンプ1は、患者に対する栄養補給、化学療法剤、麻酔剤等の薬液注入を目的とした微量持続注入ポンプであって、図2に示すように横長の箱型の本体を有しており、架台2に支持された状態でこの本体の前面下部(図2では本体の上面下部)に操作パネル10を、上部にシリンジ固定部15をそれぞれ備えている。
【0029】
操作パネル10には、シリンジポンプの作動状態、例えば薬液の流量、予定量、積算値等の各種表示を行う表示部11や、電源あるいは薬液の流量等の各種設定を行うための各種スイッチ12等が設けられている。
【0030】
シリンジ固定部15には、薬液を収容したシリンジSを固定するためのロック機構16と、シリンジSの押子を押圧するためのポンプスライダ18と、このスライダ18を駆動するための駆動機構等が設けられている。
【0031】
ロック機構16はばね等により下方に付勢されるクランプ17を有しており、シリンジ固定部15のシリンジステージ15a上にセットされたシリンジSを該クランプ17により上方から押さえ付けた状態で固定するように構成されている。シリンジSの脱着は、クランプ17の先端部(図2では下端部)を上方に引き上げるようにしてクランプ17を回転させ、これによりシリンジステージの上方を開放した状態で行うように構成されている。
【0032】
スライダ18は、シリンジステージ15aにセットされたシリンジSに対してその長手方向にスライド可能に設けられており、駆動機構により駆動されてその端部(図2では右側端部)に設けられた押圧部19によりシリンジSの押子Spをその後側(図2では右側)から押圧するように構成されている。
【0033】
駆動機構は、図示を省略するが、例えばスライダ18に螺合装着されたボールねじ軸をモータにより回転駆動してスライダ18を移動させる周知の往復移動機構からなり、上記操作パネル10において設定された条件に応じて後述するコントローラ61により駆動制御されるように構成されている。
【0034】
図3(a)及び(b)に示すように、シリンジポンプ1の側面には、架台2に対する機械的な接続部が設けられている。具体的には、シリンジポンプ1の本体の両側面には、架台2の後述する一対の突出部45に設けられた係止爪部46aが係止される一対の係止孔21が設けられている。
【0035】
なお、シリンジポンプ1の本体の一側部(図2では右側部)には、該シリンジポンプ1を持ち運ぶためのU字状のポンプ用把持部22が設けられている。このポンプ用把持部22は、押子Spを衝撃、特に側面からの衝撃から保護する機能をも有し、従ってポンプ用把持部22は伸張状態にある押子Spよりも長く側面に突出するものとなされている。
【0036】
また、シリンジポンプ1の本体の他側部(図2では左側部)には、架台2に対する電気的な接続部、具体的には電源の受電用端子27及び通信用端子28が設けられている。本実施形態では、これらの端子27,28は、コネクタ、特に、受電用端子27は、シリンジポンプ1の後述するスライド方向に結合可能なコネクタにより構成されている。
【0037】
一方、架台2は、図4及び図5に示すように、縦長の架台本体30を有しており、架台本体30の後面にキャスター付の架台用スタンド3(図11参照)の掛止棒3aに掛止させる掛止部31が設けられている。この架台2は、持ち運びし得るように、比較的コンパクトに形成されるとともに、その上端部に架台用把持部32が設けられている。
【0038】
この架台2には、上下方向に複数個(本実施形態では3個)のシリンジポンプ1が脱着可能に装着される装着部2aが設けられ、各シリンジポンプ1が後傾状態で支持されるように、装着部2aの前面が後方に傾斜して段状に形成されている。
【0039】
架台本体30には、後述する共通の電源回路62(図12参照)が搭載された正面視略矩形状の後面板状体33と、この電源回路62等の内部構造を略被覆した状態で後面板状体33の前側に組み付けられるカバーケース34とを備え、両者33,34を組み付けた状態でカバーケース34の前面が上記装着部2aとなり、この装着部2aの下端部にシリンジポンプ1を載置する支持棒2bが前方に突出して設けられている。
【0040】
図6はカバーケースを取り外した状態の架台を示す正面図であり、図7ないし図9は図6の各断面線における断面図である。
【0041】
後面板状体33は、上記共通の電源回路62の他、シリンジポンプ1を着脱するための着脱機構35や、上記電源回路62に接続される給電用端子36等が搭載されている。また、後面板状体33は、その一側面(図1では左側面)の上下にコード用ジャック(図示せず)が設けられ、該コード用ジャックに後述する連結コード60や電源コード65が差し込まれるものとなされている。
【0042】
着脱機構35は、上記装着部2aに対応して上下方向に複数個一列に設けられている。本実施形態では上段、中段、下段の3段の着脱機構35a〜35cが設けられている。
【0043】
各着脱機構35は、後面板状体33の一側縁部に軸支され、L字状に屈曲形成された着脱レバー37と、一端が着脱レバー37にその屈曲部分に軸支されたリンク部材38と、このリンク部材38の他端が軸支される主スライダ39とを備える。すなわち、本実施形態の着脱機構35は、リンク機構により主スライダ39をスライド移動させるように構成されている。ここで主スライダ39は、本願請求項にいうスライダに相当する。
【0044】
着脱レバー37は、上記したように揺動可能に軸支され、図6の上中下段の各着脱機構35a〜35cにおける着脱レバー37a〜37cに示すように、例えばクリック機構等の公知の間欠的位置決め機構により3段階に位置決めされ、後述する装着状態、中間状態、脱着状態の3状態を切り換えることができるものとなされている。主スライダ39は、後面板状体33に固着された左右一対のスライダ支持部材40の案内溝(図示せず)に嵌挿されてスライド自在に架設されている。そして、着脱レバー37の回転運動が、両端が軸支されたリンク部材38を介して主スライダ39のスライド運動に変換されて、当該主スライダ39が左右方向にスライド移動するものとなされている。従って、図6に示すように、着脱レバー37が装着状態、中間状態、脱着状態の3状態の切換に応じて、主スライダ39も後述する装着位置、中間位置、脱着位置にスライド移動するものとなされている。
【0045】
この主スライダ39は、中間部において前方(図8では上方)に解放した偏平細長箱状体に形成され、その長さが架台本体30内に収まるものとなされている。この主スライダ39は、その両端部に前方に突出して設けられた左右一対の保持部41と、主スライダ39内に配設され、一定条件下で主スライダ39に対して相対的にスライド移動する左右一対の副スライダ42と、これらの副スライダ42間を近接する方向に付勢する弾性部材43とを備える。
【0046】
保持部41は、図10に示すように、その間でシリンジポンプ1を保持するものとなされ、図7ないし図9に示すように、突出部45と、係止爪部材46とを備える。
【0047】
具体的には、主スライダ39の両端部に前方に突出する中空の突出部45が設けられ、この突出部45と主スライダ39との内部空間は連通するものとなされている。これらの各突出部45の内部空間には、副スライダ42の長手方向の外端部に固設された係止爪部材46が収納されており、この係止爪部材46の係止爪部46aが各突出部45の対向壁に設けられた出没孔47を通して出没し得るように構成されている。そして、この係止爪部46aが出没孔47を通して突出することにより、該係止爪部46aがシリンジポンプ1の係止孔21に係止されてシリンジポンプ1を保持する。
【0048】
副スライダ42は、公知のスライド構造により主スライダ39内を左右方向にスライド移動するように構成されている。例えば、主スライダ39の両側壁に左右方向に延びる細長いガイド溝(図示せず)が設けられ、このガイド溝に副スライダ42の両側面から延びる一対のガイド部を挿入することにより、副スライダ42を左右方向にスライド移動させることができるようになされる。なお、このようにガイド溝とガイド部によりスライド構造を構成する場合には、スライド方向に沿って前後にガイド部を設けると、副スライダを円滑にスライドさせることができる。
【0049】
また、副スライダ42は、それぞれ突出部45の後方から主スライダ39の前面開放部にまで延びて形成され、相対向する内端部間が離間するように配設される。そして、副スライダ42の相対向する内端部間に上記弾性部材43としてのつるまきバネが張設され、上記のように各副スライダ42を近接する方向に付勢している。これに伴い、この副スライダ42に固設された係止爪部46aも内側に付勢され、通常の状態では、係止爪部46aが出没孔47を通して突出した係止状態となっている。なお、上記弾性部材43は、本実施形態ではつるまきバネが採用されているが、その他のバネや、ゴム等のその他の弾性部材であっても良い。また、弾性部材43を副スライダ42間に張設するものでなくてもよい。要は、左右一対の副スライダ42を近接する方向に配設されていれば、その素材や配置態様等は問わない。
【0050】
一方、副スライダ42は、主スライダ39のスライド移動に伴い係止爪部46aが出没孔47内に退入して係止爪部46aと係止孔21との係止状態が解除されるように構成されている。
【0051】
すなわち、主スライダ39が中間位置から脱着位置にスライド移動する過程で、一方の副スライダ42(図8では着脱レバー37側の副スライダ42)がその移動を規制され、主スライダ39に対してそのスライド方向後方に向かって相対移動するものとなされる一方、他方の副スライダ42(図8では着脱レバー37と反対側の副スライダ42)が主スライダ39のスライド方向に押し出され、主スライダ39に対してそのスライド方向前方に相対移動するものとなされている。このように、一対の副スライダ42が主スライダ39内を相互に離反する方向にスライド移動することにより、この副スライダ42の外端部に設けられた係止爪部46aも離反する方向に移動して出没孔47内に退入し、これにより係止爪部46aと係止孔21との係止状態が解除される。
【0052】
より具体的には、後面板状体33には前方に突出するストッパーピン49が設けられ、このストッパーピン49は主スライダ39の後面にそのスライド方向に沿って設けられた長孔50から主スライダ39内に突出するものとなされている。そして、このストッパーピン49は、主スライダ39が中間位置から脱着位置にスライド移動する過程で、着脱レバー37側の副スライダ42の長手方向内端面に当接してその移動を規制するものとなされている。
【0053】
一方、主スライダ39には図6に矢印で示す方向に揺動する揺動部材51が軸支され、この揺動部材51はその下端部が着脱レバー37と反対側の副スライダ42の内端面に当接し、その上端部が主スライダ39から上方にはみ出すように配設されている。そして、この揺動部材51は主スライダ39とともにスライド移動し、主スライダ39が中間位置から脱着位置にスライド移動する過程で、揺動部材51の上端部は後面板状体33に固設されたストッパー片52に当接するものとなされている。揺動部材51がストッパー片52に当接すると、図6の中段の着脱機構35bから上段の着脱機構35aに示すように、揺動部材51が揺動し、その下端部において着脱レバー37と反対側の副スライダ42を押し出されるものとなされている。ここで、揺動部材51は、所定角度以上に回動しないようにストッパー等によりその回転角度が規制されるようになされている。
【0054】
なお、本実施形態では、一方の副スライダ42がストッパーピン49に当接するタイミングと、他方の副スライダ42が揺動部材51に押し出されるタイミングとが同期するように設定され、一対の副スライダ42が連動するものとなされている。
【0055】
次に上記構成の着脱機構35の作用について、図6ないし図10を用いて説明する。
【0056】
まず、着脱レバー37が最上位にある状態(図6及び図10では上段の着脱レバー37aの状態)では、主スライダ39が脱着位置、すなわち主スライダ39に設けられた保持部41が給電用端子36から最も離反した位置(図では最も左側にある位置)に配置されている。この主スライダ39が脱着位置にある場合には、一対の副スライダ42がストッパーピン49及び揺動部材51により弾性部材43の付勢力に抗して相互に離反して位置し、この副スライダ42の外端部に固設された係止爪部46aは突出部45の出没孔47内に退入している(図7参照)。
【0057】
従って、この状態では、シリンジポンプ1を装着部2aに前方からセットすることができ、図10に示すように、このセットされたシリンジポンプ1はその受電用端子27が給電用端子36と切り離されているとともに上記保持部41から解放された脱着状態にある。
【0058】
シリンジポンプ1の具体的セット方法は、まず操作パネル10が前面に向いた起立姿勢にシリンジポンプ1を保持し、このシリンジポンプ1を前方から支持棒2bの先端部に載置し、この支持棒2bに沿って後方にスライドさせることにより行う。これにより、一対の保持部41の各内側面がシリンジポンプ1の各側面に当接して一対の保持部41間にシリンジポンプ1が嵌め込まれ、シリンジポンプ1を位置決め状態にセットすることができる。このように本実施形態の輸液システムでは、シリンジポンプ1を前方、すなわちシリンジポンプ1の表示部11やスイッチ12等が設けられた側からセットすることができるので、例えばシリンジポンプ1を横方向から差し込むように構成され、架台2の設置空間に加え横方向にシリンジポンプ1の差し込みのための必要空間を要するものに比べて、この輸液システムを比較的狭い場所に設置することができる。
【0059】
次に上記着脱レバー37を最上位にある状態(脱着状態)から下方に引き下げ、中間位置にある状態(図6及び図10では中段の着脱レバー37bの状態)に切り換えると、主スライダ39が脱着位置から中間位置にスライド移動する。この主スライダ39が脱着位置から中間位置にスライド移動する過程における所定のタイミングで、ストッパーピン49は一方の副スライダ42の内端面から離反する一方、揺動部材51はその上端部がストッパー片52から離反し、一対の副スライダ42は弾性部材43により近接する方向にスライド移動する(図8参照)。この副スライダ42のスライド移動に伴って係止爪部46aは出没孔47から突出してシリンジポンプ1の係止孔21に係止され、これによりシリンジポンプ1が保持部41に保持される。
【0060】
すなわち、着脱レバー37が中間位置にある状態では、図10の中段に示すように、受電用端子27と給電用端子36とが離反しているとともにシリンジポンプ1が保持部41に保持された中間状態にある。
【0061】
続いて、上記着脱レバー37を中間位置にある状態からさらに下方に引き下げて最下位にある状態(図6及び図10では下段の着脱レバー37cの状態)に切り換えると、主スライダ39が中間位置から装着位置に大きくスライド移動する。この主スライダ39の移動に伴いシリンジポンプ1の受電用端子27が架台2の給電用端子36に電気的に接続される。両端子27,36の電気的接続は、主スライダ39のスライド方向に結合可能なコネクタを介して行われるため、確実かつ容易に行われる。
【0062】
一方、主スライダ39が中間位置から装着位置にスライド移動する過程でも、係止爪部46aは出没孔47から突出した状態で維持され、これにより係止爪部46aが係止孔21に係止されてシリンジポンプ1が保持部41に保持される(図9参照)。
【0063】
すなわち、着脱レバー37が最下位にある状態では、図10の下段に示すように、シリンジポンプ1の受電用端子27が架台2の給電用端子36に電気的に接続されているとともに、上記シリンジポンプ1が保持部41に保持されている装着状態となる。
【0064】
一方、このシリンジポンプ1を脱着するには、着脱レバー37を上記手順と反対に上方に引き上げると、装着状態、中間状態、脱着状態の各状態に切り換わり、図10の上段に示すように、シリンジポンプ1を脱着することができる状態となる。
【0065】
このように、本実施形態の輸液システムでは、着脱レバー37を切り換えるだけで、容易にシリンジポンプ1と架台2を機械的及び電気的に接続することができる。従って、従来の輸液システムのようにネジを緊緩することを要さず、着脱レバーの操作だけでシリンジポンプ1を容易かつ的確に着脱することができる。
【0066】
しかも、着脱レバー37を用いて主スライダ39をスライド移動するものとなされているので、梃子の原理を利用して比較的軽く着脱操作することができる。
【0067】
また、着脱レバー37の操作により中間状態を経て装着状態と脱着状態が切り換わるようになされているので、該着脱動作を安定して行わせることができる。すなわち、着脱レバー37が装着状態から脱着状態に切り換えられる場合は、シリンジポンプ1を保持部41により保持させた状態で受電用端子27と給電用端子36とが切り離されるので、この切り離しの際の反動等によりシリンジポンプ1が不測に脱落することがなく、また着脱レバー37が脱着状態から装着状態に切り換えられる場合は、シリンジポンプ1を保持部41により保持させた状態で受電用端子27と給電用端子36とが接続されるので、確実に両端子27,36を接続することができる。
【0068】
また、主スライダ39には、着脱レバー37側(図6では左側)の保持部41に連接して化粧ボックス53が設けられている。この化粧ボックス53は、カバーケース34の後述する収納部34aに一方の保持部41(図7では左側の保持部)が収納され、この保持部41がカバーケース34に設けられた挿通孔(図示せず)を通して出入される構造が採用されていることから、保持部41が退出した後にこの挿通孔を通して収納部34a内部が露出して外観体裁が悪化するのを防止するためのものである。従って、主スライダ39が脱着位置にある場合にでも、化粧ボックス53の他端部は収納部34aの挿通孔を覆うものとなされている。
【0069】
そして、図6に示すように、給電用端子36は、上記着脱機構35の下方に設けられており、本実施形態では、主スライダ39(シリンジポンプ1)のスライド方向に結合可能なコネクタにより構成されている。すなわち、受電用端子27と給電用端子36は、シリンジポンプ1のスライド方向に結合可能に構成され、シリンジポンプ1のスライド移動にともなって接続されるものとなされている。なお、この給電用端子36は、直接外部電源を接続することができるように構成され、シリンジポンプ1を単独で使用することができるように構成されている。
【0070】
一方、カバーケース34は、図4に示すように、後面板状体33の前面に沿って段状に形成され、その一側部(図4では左側部)に前方に突出する収納部34aが設けられるとともにこの収納部34aから所定範囲にわたって保持部41が移動するための切欠き部34bが設けられる一方、その他端部に他方の保持部41が嵌挿される切欠き部34cが設けられている。収納部34aには、共通の電源回路62、着脱機構35の一部を被覆するものであり、シリンジポンプ1が装着部2aに装着された状態でシリンジポンプ1の前面と面一になるように形成されている。
【0071】
なお、収納部34aには、図示しないが、右側壁に主スライダ39の保持部41がこのスライド移動する際に挿通される挿通孔が設けられるとともに、この挿通孔の下方に給電用端子36が挿通される端子挿通孔が設けられている。
【0072】
次に、この輸液システムにおける電気的な構成を図12を用いて説明する。なお、この図では、2台の架台2が設けられ、これらの架台2が連結コード60を介して電気的に接続されているとともに、各架台2の全ての装着部2aにシリンジポンプ1を装着した状態を示している。
【0073】
この図に示すように各シリンジポンプ1には、その駆動を制御するためのコントローラ61(制御手段)がそれぞれ搭載されている。このコントローラ61は、論理演算を実行する周知のCPU、そのCPUを制御する種々のプログラムなどを予め記憶するROM、動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM等を備えており、操作パネル10において設定された各種条件に基づきシリンジポンプ1の駆動を統括的に制御するように構成されている。
【0074】
コントローラ61には、上記通信用端子28が接続されており、シリンジポンプ1を脱着した状態で、通信用端子28に通信用配線が接続されることによりコンピュータ等の外部装置との間で各種情報を送信できるように構成されている。
【0075】
一方、架台2には、この架台2に装着される複数のシリンジポンプ1について共通のAC−DC電源回路62等が搭載されている。
【0076】
このAC−DC電源回路62は、周知の電源回路からなり、当実施形態ではAC100Vをシリンジポンプ1の駆動に必要な例えばDC12Vに変換して出力する。このAC−DC電源回路62には、電源スイッチ63を介して上記電源コード65が接続されるとともに、必要に応じて各架台2に設けられたAC−DC電源回路62を電気的に接続するための連結コード60が接続されている。
【0077】
次に、以上のように構成された輸液システムの使用説明を行う。
【0078】
上記着脱機構35によりシリンジポンプ1を装着状態にセットしたら、架台2の電源コード65をAC100Vコンセントに差し込んで架台2の電源スイッチ63を入れ、その後、各シリンジポンプ1の電源スイッチを入れる。
【0079】
このようにすると架台2が起動し、AC−DC電源回路62から受電用端子27および給電用端子36を介して各シリンジポンプ1に電源が供給され、これにより各シリンジポンプ1が起動する。
【0080】
このように、架台2に装着した複数のシリンジポンプ1に対して架台2に設けた共通のAC−DC電源回路62から電源を供給するように構成しているので、複数のシリンジポンプ1を同時に使用しながらも電源コードとしては架台2の電源コード65だけで済む。しかも、複数台の架台2を架台用スタンド3に掛止する場合でも、連結コード60を介して各架台2の電源回路62を共通化することができ、これにより電源コードも一の架台2の電源コード65だけで済む。
【0081】
従って、複数のシリンジポンプを同時に使用する場合でも、電源コードや通信配線が邪魔になることがなくなり、例えば、医師や看護師がシリンジポンプの電源コード等に足を引っ掛ける等して医療業務に支障をきたすといった問題を解消することができるという効果がある。
【0082】
以上の事前準備が完了したら、各シリンジポンプ1に対してシリンジSを固定する。シリンジSの固定は、既に説明した通りクランプ17を解放した状態でシリンジSをシリンジステージ上にセットし、その後、クランプ17を固定位置にセットすることにより行う。
【0083】
そして、各シリンジポンプ1毎に操作パネル10を操作して流量等の輸液条件を設定した後、各シリンジポンプ1のシリンジに接続されたチューブの留置針を患者の腕等に穿刺し、操作パネル10のスイッチを操作して薬液の注入を開始する。なお、このようにして薬液の注入が開始されると、各シリンジポンプ1における薬液の流量、予定量、あるいは積算量等の輸液情報が操作パネル10の表示部11に表示される。
【0084】
なお、この輸液システムでは、シリンジポンプ1を架台2に装着して使用する以外に、上記のようにシリンジポンプ1を単独で使用することも可能である。この場合には、シリンジポンプ1の上記給電用端子36に図外のACアダプタを接続し、このアダプタをAC100Vコンセントに差し込むことにより該コンセントから直接電源をとるようにすればよい。
【0085】
ところで、以上説明した輸液システムは、本発明に係る輸液システムの一の実施の形態であって、その具体的な構成は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、以下のような態様を採ることもできる。
【0086】
▲1▼主スライダを移動させるための機構は、上記のようなリンク機構に限らず、公知の機構、例えばラチェット機構であってもよい。すなわち、着脱レバーの基端部に扇状ギヤを設けるとともに、この扇状ギヤに噛合する一ないし複数の伝達ギヤを設け、この伝達ギヤに噛合するラックのスライド運動を直接ないし間接的に主スライダに伝達するものであってもよい。
【0087】
▲2▼上記実施形態では、架台2に掛止部31を設け、この掛止部31により架台用スタンド3に掛け吊すものとなされているが、例えば架台を架台用スタンドに固着するものであってもよい。但し、上記のように掛止部31により架台用スタンド3に掛け吊すものとすれば、例えば複数のシリンジポンプ1を小分けにして患者とともに搬送する場合に、架台をベッドの桟等に掛け吊すことができ、持ち運びが容易になる等の利便性が向上する点で有利である。
【0088】
▲3▼上記着脱レバー37は、装着状態、中間状態、脱着状態の3状態を切り換えることができるものとなされているが、中間状態を省略して装着状態と脱着状態との2状態に切り換えることができるものであってもよい。すなわち、受電用端子と給電用端子とを接離させつつ、シリンジポンプを保持部に保持または解放させるように構成してもよい。但し、上記したように、中間状態を経由して切り換える着脱レバー37を設けることにより、シリンジポンプの安定した着脱が可能となる。
【0089】
▲4▼シリンジポンプ1の保持機構は、上記のような係止爪部46aと係止孔21との係止手段により係止するものだけでなく、その他の公知の保持機構であってもよい。すなわち上記実施形態において係止爪部46aに換えて弾性部材等からなる圧接部を設け、シリンジポンプ1を左右から挟着するものであってもよい。
【0090】
▲5▼架台2に設けられる保持部41の配列は縦一列に限らず、縦二列、あるいは縦三列であってもよく、また縦向きの配列に限らず横向きの配列であってもよい。但し、多くのシリンジポンプ1を平面的に少ないスペースに支持する上では、装着部を縦一列に設けるのが好ましい。
【0091】
▲6▼受電用端子27および給電用端子36は上記のようなコネクタ同士で連結させるものに限らず、互いに圧接し合う板ばね状の端子等であってもよい。
【0092】
▲7▼シリンジポンプ1に充電式の内部バッテリーを搭載するようにしてもよい。このようにすれば、架台2やACアダプタを用いることなくシリンジポンプ1を使用することができるので室外での使用時に便利となる。なお、この場合には、シリンジポンプ1を架台2に装着して使用している間、あるいはシリンジポンプ1にACアダプタを接続して使用している間に上記バッテリーが自動的に充電されるように構成するのが好ましい。このようにすればバッテリー充電の手間が省け利便性が向上する。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の輸液システムは、ポンプ支持用架台に設けられた複数の装着部に対して必要な数のシリンジポンプを装着して使用でき、かつ装着した各シリンジポンプに対してポンプ支持用架台側の共通の電源回路から駆動用電力を供給するように構成しているので、複数のシリンジポンプを同時に使用しながらも電源コードとしてはポンプ支持用架台の電源コードだけ済む。つまり、電源コードを集約することができる。従って、複数のシリンジポンプを同時に使用する場合でも、従来のように電源コードが邪魔になるようなことがなくなる。
【0094】
しかも、本発明の輸液システムでは、上記着脱レバーを切り換えるという簡単な操作でシリンジポンプとポンプ支持用架台とを機械的及び電気的に接離することができる。すなわち、シリンジポンプの着脱を迅速かつ的確に行うことができる。
【0095】
従って、本発明の輸液システムによれば、円滑かつ迅速な医療業務の遂行を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る輸液システムを示す正面図である。
【図2】この輸液システムに適用されるシリンジポンプを示す斜視図(操作パネル側)である。
【図3】図(a)は同シリンジポンプの一側面を示す斜視図である。図(b)は同シリンジポンプの他側面を示す斜視図である。
【図4】輸液システムに適用されるポンプ支持用架台を前面側から示す斜視図である。
【図5】同ポンプ支持用架台を後面側から示す斜視図である。
【図6】同ポンプ支持用架台をカバーケースを取り外した状態で示す正面図である。
【図7】図6のIIV−IIV線断面図である。
【図8】図6のIIIV−IIIV線断面図である。
【図9】図6のIX−IX線断面図である。
【図10】この輸液システムにおけるシリンジポンプの着脱状態を示す説明図である。
【図11】本実施形態に係る輸液システムに適用される架台用スタンドを示す斜視図である。
【図12】輸液システムの電気的な構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 シリンジポンプ
2 ポンプ支持用架台
21 係止孔
27 受電用端子
31 掛止部
36 給電用端子
37 着脱レバー
39 主スライダ(スライダ)
41 保持部
45 突出部
46a 係止爪部
62 電源回路
66 連結コード
S シリンジ
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療現場で使用されるシリンジポンプ、すなわちシリンジ内に収容された薬液等の溶液を設定された流量で患者の血管等に注入するシリンジポンプとこのシリンジポンプを支持するポンプ支持用架台とを有する輸液システム等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、患者に対して栄養補給、化学療法剤、麻酔剤等の薬液注入を自動的に、かつ高い精度で行うように構成されたシリンジポンプは知られている。
【0003】
シリンジポンプは、例えば特許文献1に開示されるように、薬液を収納したシリンジを固定する固定部と、固定されたシリンジの押子を押圧するためのスライダと、このスライダを駆動するための電気式の駆動機構と、駆動機構を制御する制御装置と、薬液の注入量の設定やその表示を行う操作パネル等を備えたものが一般的であり、シリンジポンプを輸液スタンド(ポール)の可動架台にクランプネジで固定されている。そして、使用時には、シリンジポンプを輸液スタンドに上記のように固定した状態で該シリンジポンプにシリンジをセットし、操作パネル上で注入量等の条件を設定すれば、その設定条件に応じて上記スライダが駆動され、これによりシリンジの押子が押圧されて所定流量で薬液が送り出されるように構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−122239号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のシリンジポンプでは、シリンジポンプ毎に電源コードや通信用配線等を接続する必要があり、そのため複数のシリンジポンプを同時に使用する場合には電源コード等の数が増えて邪魔になるという問題がある。例えば手術室等では、10台を超えるシリンジポンプを同時に使用することが頻繁にあるが、このような場合には医師や看護師がシリンジポンプの電源コードや通信用配線等に足を引っ掛ける等して円滑な医療業務に支障をきたすことが考えられる。
【0006】
また、輸液スタンド(ポール)の可動架台にネジで固定しなければならず、上記のように複数のシリンジポンプを同時に使用する場合にはそれぞれについてネジで着脱する作業を行わなければならず、手間暇がかかるという問題もある。例えば上記のように、手術室等で10台を超えるシリンジポンプを同時に使用した後に、患者をシリンジポンプとともに集中治療室等に搬送されることがあるが、このような場合に医師や看護師は、その都度、各シリンジポンプを脱着しなければならず、円滑かつ迅速な医療業務が妨げられる虞がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、複数のシリンジポンプを同時に使用する場合に、電源コード等が邪魔にならず、しかも容易に着脱することができ、その利便性を向上させ、もって円滑な医療業務を実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る輸液システムは、シリンジに収容した薬液等を設定条件に応じて送液する電気駆動の複数のシリンジポンプと、これらのシリンジポンプを着脱可能に支持するポンプ支持用架台とを有する輸液システムであって、上記ポンプ支持用架台は、上記シリンジポンプを保持する保持部と、このポンプ支持用架台に搭載された共通の電源回路に接続される給電用端子とを備える一方、上記シリンジポンプは、上記給電用端子に電気的に接続可能な受電用端子を備え、この受電用端子に上記給電用端子を電気的に接続するとともに上記シリンジポンプを上記保持部に保持させる装着状態と、上記受電用端子と給電用端子とを切り離すとともに上記保持部から上記シリンジポンプを解放する脱着状態とを切換可能な着脱レバーが上記ポンプ支持用架台に設けられることを特徴とする。
【0009】
この輸液システムでは、ポンプ支持用架台における複数の保持部に対して必要な数のシリンジポンプを保持させ、シリンジポンプ及びポンプ支持用架台の端子同士(給電用端子および受電用端子)を接続すれば、各シリンジポンプがポンプ支持用架台に搭載された共通の電源回路に接続されて駆動用の電力が各シリンジポンプに供給される。つまり、電源コードとしてはポンプ支持用架台の電源回路用のコードだけで済み、各シリンジポンプ毎に電源コードを設ける必要がなくなる。従って、複数のシリンジポンプを使用しながらも電源コードを集約することができる。
【0010】
また、この輸液システムでは、ポンプ支持用架台における複数の保持部にシリンジポンプを必要な数だけ配置し、上記着脱レバーを切り換えれば、シリンジポンプとポンプ支持用架台が機械的及び電気的に接離される。つまり、着脱レバーを切換操作するだけで、受電用端子に上記給電用端子を電気的に接続するとともに上記シリンジポンプを上記保持部に保持させる装着状態と上記受電用端子と給電用端子とを切り離すとともに上記保持部から上記シリンジポンプを解放する脱着状態とを切り換えることができる。従って、従来のようにネジの緊締、弛緩作業を要さず、着脱レバーの操作だけでシリンジポンプを容易かつ的確に着脱することができる。
【0011】
この輸液システムにおいて、着脱レバーは、上記装着状態と脱着状態との切り換え過程で、上記シリンジポンプを上記保持部に保持させた状態で上記受電用端子と給電用端子とを分離する中間状態を経由するように構成されるのが好ましい(請求項2)。
【0012】
このように構成すれば、着脱動作が段階的に行われるので、該着脱動作を安定して行わせることができる。すなわち、着脱レバーが装着状態から脱着状態に切り換えられる場合は、シリンジポンプを保持部により保持させた状態で受電用端子と給電用端子とが切り離されるので、受電用端子と給電用端子とを切り離す際の反動等によりシリンジポンプが不測に脱落することがない。一方、着脱レバーが脱着状態から装着状態に切り換えられる場合は、シリンジポンプを保持部により保持させた状態で受電用端子と給電用端子とが接続されるので、確実に両端子を接続することができる。
【0013】
上記給電用端子と受電用端子との接離の具体的構造は、特に限定するものではないが、上記着脱レバーの切換操作に応じてスライド移動するスライダに上記保持部が設けられる一方、上記給電用端子と受電用端子とは一方向から結合可能なコネクタにより接続され、上記スライダの移動により上記給電用端子と受電用端子とが接離するように構成するのが好ましい(請求項3)。
【0014】
このように構成すれば、シリンジポンプを保持部に保持させた状態でスライド移動させて給電用端子と受電用端子とが接離されるので、簡単な構造で確実に端子同士(給電用端子及び受電用端子)を接離することができる。
【0015】
シリンジポンプと保持部との具体的保持構造は特に限定するものではないが、上記シリンジポンプの左右両側面に一対の係止孔が設けられる一方、上記保持部には上記スライダの移動に応じて上記係止孔に出没する一対の係止爪が設けられているように構成するのが好ましい(請求項4)。
【0016】
このように構成すれば、シリンジポンプの両側面に設けられた係止孔に係止爪を出没させるだけで、シリンジポンプを保持部に着脱させることができ、比較的簡単な構造で確実にシリンジポンプを着脱することができる。しかも、スライダの移動に応じて係止爪が出没するように構成されているので、シリンジポンプの着脱動作を端子同士の接離動作と連動させることができ、確実にシリンジポンプとポンプ支持用架台とを機械的及び電気的に接続することができる。
【0017】
この輸液システムにおいて、必要に応じて複数の上記ポンプ支持用架台を設けることができ、この場合にはこの複数のポンプ支持用架台における各電源回路を電気的に接続する連結コードを介して各電源回路を共通化するのが好ましい(請求項5)。
【0018】
このように構成すれば、複数のポンプ支持用架台が設けられる場合でも、電源コードとしては複数のポンプ支持用架台について連結コードにより共通化された電源回路用のコードだけで済み、各ポンプ支持用架台毎に電源コードを設ける必要がなくなる。従って、複数のポンプ支持用架台を使用しながらも電源コードを集約することができる。
【0019】
さらに、上記輸液システムでは、上記ポンプ支持用架台に棒状体に掛止するための掛止部が設けられるのが好ましい(請求項6)。
【0020】
このように構成すれば、ポンプ支持用架台を簡単に掛け吊すことができる。例えば、手術中においてポンプ支持用架台をスタンドに掛け吊し、手術後にシリンジポンプを患者とともに集中治療室等に搬送する場合には、ポンプ支持用架台から必要なシリンジポンプだけを残してシリンジポンプを脱着し、掛止部をスタンドの棒状体からベッドの桟部に掛止し直せば、残りのシリンジポンプをポンプ支持用架台ごと搬送することができ、円滑かつ迅速な対応が可能となる。
【0021】
また、ポンプ支持用架台におけるシリンジポンプの配置態様は特に限定するものではないが、上記ポンプ支持用架台が、上記シリンジポンプを上下方向に一列に支持するように構成されているのが好ましい(請求項7)。
【0022】
このように構成すれば、複数のシリンジポンプを支持しながらも平面的な占有スペースは少なくて済み、スペース効率が向上する。
【0023】
さらに、この輸液システムにおいて、上記受電用端子は、直接外部電源を接続することができるように構成されているのが好ましい(請求項8)。
【0024】
このように構成すれば、シリンジポンプに外部電源を直接接続することによりシリンジポンプをポンプ支持用架台に装着することなく単独で使用することが可能となり、しかも、別途外部電源を直接接続する端子を設ける必要がなく、経済的にシリンジポンプの利便性を向上することができる。
【0025】
一方、本発明のポンプ支持用架台は、上記輸液システムに特に適したものであり、電気駆動のシリンジポンプを脱着可能に支持するとともに、該シリンジポンプに対して電源供給を行うポンプ支持用架台であって、上記シリンジポンプを脱着可能に保持する複数の保持部が設けられるとともに、上記シリンジポンプに設けられた受電用端子に電気的接続可能な給電用端子が各保持部に対してそれぞれ設けられ、これら給電用端子がポンプ支持用架台に搭載される共通の電源回路に接続される一方、上記受電用端子に上記給電用端子を電気的に接続するとともに上記シリンジポンプを上記保持部に保持させる装着状態と、上記受電用端子と給電用端子とを切り離すとともに上記保持部に保持された上記シリンジポンプを解放する脱着状態とを切換可能な着脱レバーを備えることを特徴とする(請求項9)。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0027】
図1は本発明に係る輸液システムの全体を正面図で示している。この図に示すように、輸液システムはシリンジポンプ1と、複数台のシリンジポンプ1を支持することができるポンプ支持用架台2(以下、架台2と略す)と、複数台の架台2を掛け吊す架台用スタンド3とから構成されている。
【0028】
シリンジポンプ1は、患者に対する栄養補給、化学療法剤、麻酔剤等の薬液注入を目的とした微量持続注入ポンプであって、図2に示すように横長の箱型の本体を有しており、架台2に支持された状態でこの本体の前面下部(図2では本体の上面下部)に操作パネル10を、上部にシリンジ固定部15をそれぞれ備えている。
【0029】
操作パネル10には、シリンジポンプの作動状態、例えば薬液の流量、予定量、積算値等の各種表示を行う表示部11や、電源あるいは薬液の流量等の各種設定を行うための各種スイッチ12等が設けられている。
【0030】
シリンジ固定部15には、薬液を収容したシリンジSを固定するためのロック機構16と、シリンジSの押子を押圧するためのポンプスライダ18と、このスライダ18を駆動するための駆動機構等が設けられている。
【0031】
ロック機構16はばね等により下方に付勢されるクランプ17を有しており、シリンジ固定部15のシリンジステージ15a上にセットされたシリンジSを該クランプ17により上方から押さえ付けた状態で固定するように構成されている。シリンジSの脱着は、クランプ17の先端部(図2では下端部)を上方に引き上げるようにしてクランプ17を回転させ、これによりシリンジステージの上方を開放した状態で行うように構成されている。
【0032】
スライダ18は、シリンジステージ15aにセットされたシリンジSに対してその長手方向にスライド可能に設けられており、駆動機構により駆動されてその端部(図2では右側端部)に設けられた押圧部19によりシリンジSの押子Spをその後側(図2では右側)から押圧するように構成されている。
【0033】
駆動機構は、図示を省略するが、例えばスライダ18に螺合装着されたボールねじ軸をモータにより回転駆動してスライダ18を移動させる周知の往復移動機構からなり、上記操作パネル10において設定された条件に応じて後述するコントローラ61により駆動制御されるように構成されている。
【0034】
図3(a)及び(b)に示すように、シリンジポンプ1の側面には、架台2に対する機械的な接続部が設けられている。具体的には、シリンジポンプ1の本体の両側面には、架台2の後述する一対の突出部45に設けられた係止爪部46aが係止される一対の係止孔21が設けられている。
【0035】
なお、シリンジポンプ1の本体の一側部(図2では右側部)には、該シリンジポンプ1を持ち運ぶためのU字状のポンプ用把持部22が設けられている。このポンプ用把持部22は、押子Spを衝撃、特に側面からの衝撃から保護する機能をも有し、従ってポンプ用把持部22は伸張状態にある押子Spよりも長く側面に突出するものとなされている。
【0036】
また、シリンジポンプ1の本体の他側部(図2では左側部)には、架台2に対する電気的な接続部、具体的には電源の受電用端子27及び通信用端子28が設けられている。本実施形態では、これらの端子27,28は、コネクタ、特に、受電用端子27は、シリンジポンプ1の後述するスライド方向に結合可能なコネクタにより構成されている。
【0037】
一方、架台2は、図4及び図5に示すように、縦長の架台本体30を有しており、架台本体30の後面にキャスター付の架台用スタンド3(図11参照)の掛止棒3aに掛止させる掛止部31が設けられている。この架台2は、持ち運びし得るように、比較的コンパクトに形成されるとともに、その上端部に架台用把持部32が設けられている。
【0038】
この架台2には、上下方向に複数個(本実施形態では3個)のシリンジポンプ1が脱着可能に装着される装着部2aが設けられ、各シリンジポンプ1が後傾状態で支持されるように、装着部2aの前面が後方に傾斜して段状に形成されている。
【0039】
架台本体30には、後述する共通の電源回路62(図12参照)が搭載された正面視略矩形状の後面板状体33と、この電源回路62等の内部構造を略被覆した状態で後面板状体33の前側に組み付けられるカバーケース34とを備え、両者33,34を組み付けた状態でカバーケース34の前面が上記装着部2aとなり、この装着部2aの下端部にシリンジポンプ1を載置する支持棒2bが前方に突出して設けられている。
【0040】
図6はカバーケースを取り外した状態の架台を示す正面図であり、図7ないし図9は図6の各断面線における断面図である。
【0041】
後面板状体33は、上記共通の電源回路62の他、シリンジポンプ1を着脱するための着脱機構35や、上記電源回路62に接続される給電用端子36等が搭載されている。また、後面板状体33は、その一側面(図1では左側面)の上下にコード用ジャック(図示せず)が設けられ、該コード用ジャックに後述する連結コード60や電源コード65が差し込まれるものとなされている。
【0042】
着脱機構35は、上記装着部2aに対応して上下方向に複数個一列に設けられている。本実施形態では上段、中段、下段の3段の着脱機構35a〜35cが設けられている。
【0043】
各着脱機構35は、後面板状体33の一側縁部に軸支され、L字状に屈曲形成された着脱レバー37と、一端が着脱レバー37にその屈曲部分に軸支されたリンク部材38と、このリンク部材38の他端が軸支される主スライダ39とを備える。すなわち、本実施形態の着脱機構35は、リンク機構により主スライダ39をスライド移動させるように構成されている。ここで主スライダ39は、本願請求項にいうスライダに相当する。
【0044】
着脱レバー37は、上記したように揺動可能に軸支され、図6の上中下段の各着脱機構35a〜35cにおける着脱レバー37a〜37cに示すように、例えばクリック機構等の公知の間欠的位置決め機構により3段階に位置決めされ、後述する装着状態、中間状態、脱着状態の3状態を切り換えることができるものとなされている。主スライダ39は、後面板状体33に固着された左右一対のスライダ支持部材40の案内溝(図示せず)に嵌挿されてスライド自在に架設されている。そして、着脱レバー37の回転運動が、両端が軸支されたリンク部材38を介して主スライダ39のスライド運動に変換されて、当該主スライダ39が左右方向にスライド移動するものとなされている。従って、図6に示すように、着脱レバー37が装着状態、中間状態、脱着状態の3状態の切換に応じて、主スライダ39も後述する装着位置、中間位置、脱着位置にスライド移動するものとなされている。
【0045】
この主スライダ39は、中間部において前方(図8では上方)に解放した偏平細長箱状体に形成され、その長さが架台本体30内に収まるものとなされている。この主スライダ39は、その両端部に前方に突出して設けられた左右一対の保持部41と、主スライダ39内に配設され、一定条件下で主スライダ39に対して相対的にスライド移動する左右一対の副スライダ42と、これらの副スライダ42間を近接する方向に付勢する弾性部材43とを備える。
【0046】
保持部41は、図10に示すように、その間でシリンジポンプ1を保持するものとなされ、図7ないし図9に示すように、突出部45と、係止爪部材46とを備える。
【0047】
具体的には、主スライダ39の両端部に前方に突出する中空の突出部45が設けられ、この突出部45と主スライダ39との内部空間は連通するものとなされている。これらの各突出部45の内部空間には、副スライダ42の長手方向の外端部に固設された係止爪部材46が収納されており、この係止爪部材46の係止爪部46aが各突出部45の対向壁に設けられた出没孔47を通して出没し得るように構成されている。そして、この係止爪部46aが出没孔47を通して突出することにより、該係止爪部46aがシリンジポンプ1の係止孔21に係止されてシリンジポンプ1を保持する。
【0048】
副スライダ42は、公知のスライド構造により主スライダ39内を左右方向にスライド移動するように構成されている。例えば、主スライダ39の両側壁に左右方向に延びる細長いガイド溝(図示せず)が設けられ、このガイド溝に副スライダ42の両側面から延びる一対のガイド部を挿入することにより、副スライダ42を左右方向にスライド移動させることができるようになされる。なお、このようにガイド溝とガイド部によりスライド構造を構成する場合には、スライド方向に沿って前後にガイド部を設けると、副スライダを円滑にスライドさせることができる。
【0049】
また、副スライダ42は、それぞれ突出部45の後方から主スライダ39の前面開放部にまで延びて形成され、相対向する内端部間が離間するように配設される。そして、副スライダ42の相対向する内端部間に上記弾性部材43としてのつるまきバネが張設され、上記のように各副スライダ42を近接する方向に付勢している。これに伴い、この副スライダ42に固設された係止爪部46aも内側に付勢され、通常の状態では、係止爪部46aが出没孔47を通して突出した係止状態となっている。なお、上記弾性部材43は、本実施形態ではつるまきバネが採用されているが、その他のバネや、ゴム等のその他の弾性部材であっても良い。また、弾性部材43を副スライダ42間に張設するものでなくてもよい。要は、左右一対の副スライダ42を近接する方向に配設されていれば、その素材や配置態様等は問わない。
【0050】
一方、副スライダ42は、主スライダ39のスライド移動に伴い係止爪部46aが出没孔47内に退入して係止爪部46aと係止孔21との係止状態が解除されるように構成されている。
【0051】
すなわち、主スライダ39が中間位置から脱着位置にスライド移動する過程で、一方の副スライダ42(図8では着脱レバー37側の副スライダ42)がその移動を規制され、主スライダ39に対してそのスライド方向後方に向かって相対移動するものとなされる一方、他方の副スライダ42(図8では着脱レバー37と反対側の副スライダ42)が主スライダ39のスライド方向に押し出され、主スライダ39に対してそのスライド方向前方に相対移動するものとなされている。このように、一対の副スライダ42が主スライダ39内を相互に離反する方向にスライド移動することにより、この副スライダ42の外端部に設けられた係止爪部46aも離反する方向に移動して出没孔47内に退入し、これにより係止爪部46aと係止孔21との係止状態が解除される。
【0052】
より具体的には、後面板状体33には前方に突出するストッパーピン49が設けられ、このストッパーピン49は主スライダ39の後面にそのスライド方向に沿って設けられた長孔50から主スライダ39内に突出するものとなされている。そして、このストッパーピン49は、主スライダ39が中間位置から脱着位置にスライド移動する過程で、着脱レバー37側の副スライダ42の長手方向内端面に当接してその移動を規制するものとなされている。
【0053】
一方、主スライダ39には図6に矢印で示す方向に揺動する揺動部材51が軸支され、この揺動部材51はその下端部が着脱レバー37と反対側の副スライダ42の内端面に当接し、その上端部が主スライダ39から上方にはみ出すように配設されている。そして、この揺動部材51は主スライダ39とともにスライド移動し、主スライダ39が中間位置から脱着位置にスライド移動する過程で、揺動部材51の上端部は後面板状体33に固設されたストッパー片52に当接するものとなされている。揺動部材51がストッパー片52に当接すると、図6の中段の着脱機構35bから上段の着脱機構35aに示すように、揺動部材51が揺動し、その下端部において着脱レバー37と反対側の副スライダ42を押し出されるものとなされている。ここで、揺動部材51は、所定角度以上に回動しないようにストッパー等によりその回転角度が規制されるようになされている。
【0054】
なお、本実施形態では、一方の副スライダ42がストッパーピン49に当接するタイミングと、他方の副スライダ42が揺動部材51に押し出されるタイミングとが同期するように設定され、一対の副スライダ42が連動するものとなされている。
【0055】
次に上記構成の着脱機構35の作用について、図6ないし図10を用いて説明する。
【0056】
まず、着脱レバー37が最上位にある状態(図6及び図10では上段の着脱レバー37aの状態)では、主スライダ39が脱着位置、すなわち主スライダ39に設けられた保持部41が給電用端子36から最も離反した位置(図では最も左側にある位置)に配置されている。この主スライダ39が脱着位置にある場合には、一対の副スライダ42がストッパーピン49及び揺動部材51により弾性部材43の付勢力に抗して相互に離反して位置し、この副スライダ42の外端部に固設された係止爪部46aは突出部45の出没孔47内に退入している(図7参照)。
【0057】
従って、この状態では、シリンジポンプ1を装着部2aに前方からセットすることができ、図10に示すように、このセットされたシリンジポンプ1はその受電用端子27が給電用端子36と切り離されているとともに上記保持部41から解放された脱着状態にある。
【0058】
シリンジポンプ1の具体的セット方法は、まず操作パネル10が前面に向いた起立姿勢にシリンジポンプ1を保持し、このシリンジポンプ1を前方から支持棒2bの先端部に載置し、この支持棒2bに沿って後方にスライドさせることにより行う。これにより、一対の保持部41の各内側面がシリンジポンプ1の各側面に当接して一対の保持部41間にシリンジポンプ1が嵌め込まれ、シリンジポンプ1を位置決め状態にセットすることができる。このように本実施形態の輸液システムでは、シリンジポンプ1を前方、すなわちシリンジポンプ1の表示部11やスイッチ12等が設けられた側からセットすることができるので、例えばシリンジポンプ1を横方向から差し込むように構成され、架台2の設置空間に加え横方向にシリンジポンプ1の差し込みのための必要空間を要するものに比べて、この輸液システムを比較的狭い場所に設置することができる。
【0059】
次に上記着脱レバー37を最上位にある状態(脱着状態)から下方に引き下げ、中間位置にある状態(図6及び図10では中段の着脱レバー37bの状態)に切り換えると、主スライダ39が脱着位置から中間位置にスライド移動する。この主スライダ39が脱着位置から中間位置にスライド移動する過程における所定のタイミングで、ストッパーピン49は一方の副スライダ42の内端面から離反する一方、揺動部材51はその上端部がストッパー片52から離反し、一対の副スライダ42は弾性部材43により近接する方向にスライド移動する(図8参照)。この副スライダ42のスライド移動に伴って係止爪部46aは出没孔47から突出してシリンジポンプ1の係止孔21に係止され、これによりシリンジポンプ1が保持部41に保持される。
【0060】
すなわち、着脱レバー37が中間位置にある状態では、図10の中段に示すように、受電用端子27と給電用端子36とが離反しているとともにシリンジポンプ1が保持部41に保持された中間状態にある。
【0061】
続いて、上記着脱レバー37を中間位置にある状態からさらに下方に引き下げて最下位にある状態(図6及び図10では下段の着脱レバー37cの状態)に切り換えると、主スライダ39が中間位置から装着位置に大きくスライド移動する。この主スライダ39の移動に伴いシリンジポンプ1の受電用端子27が架台2の給電用端子36に電気的に接続される。両端子27,36の電気的接続は、主スライダ39のスライド方向に結合可能なコネクタを介して行われるため、確実かつ容易に行われる。
【0062】
一方、主スライダ39が中間位置から装着位置にスライド移動する過程でも、係止爪部46aは出没孔47から突出した状態で維持され、これにより係止爪部46aが係止孔21に係止されてシリンジポンプ1が保持部41に保持される(図9参照)。
【0063】
すなわち、着脱レバー37が最下位にある状態では、図10の下段に示すように、シリンジポンプ1の受電用端子27が架台2の給電用端子36に電気的に接続されているとともに、上記シリンジポンプ1が保持部41に保持されている装着状態となる。
【0064】
一方、このシリンジポンプ1を脱着するには、着脱レバー37を上記手順と反対に上方に引き上げると、装着状態、中間状態、脱着状態の各状態に切り換わり、図10の上段に示すように、シリンジポンプ1を脱着することができる状態となる。
【0065】
このように、本実施形態の輸液システムでは、着脱レバー37を切り換えるだけで、容易にシリンジポンプ1と架台2を機械的及び電気的に接続することができる。従って、従来の輸液システムのようにネジを緊緩することを要さず、着脱レバーの操作だけでシリンジポンプ1を容易かつ的確に着脱することができる。
【0066】
しかも、着脱レバー37を用いて主スライダ39をスライド移動するものとなされているので、梃子の原理を利用して比較的軽く着脱操作することができる。
【0067】
また、着脱レバー37の操作により中間状態を経て装着状態と脱着状態が切り換わるようになされているので、該着脱動作を安定して行わせることができる。すなわち、着脱レバー37が装着状態から脱着状態に切り換えられる場合は、シリンジポンプ1を保持部41により保持させた状態で受電用端子27と給電用端子36とが切り離されるので、この切り離しの際の反動等によりシリンジポンプ1が不測に脱落することがなく、また着脱レバー37が脱着状態から装着状態に切り換えられる場合は、シリンジポンプ1を保持部41により保持させた状態で受電用端子27と給電用端子36とが接続されるので、確実に両端子27,36を接続することができる。
【0068】
また、主スライダ39には、着脱レバー37側(図6では左側)の保持部41に連接して化粧ボックス53が設けられている。この化粧ボックス53は、カバーケース34の後述する収納部34aに一方の保持部41(図7では左側の保持部)が収納され、この保持部41がカバーケース34に設けられた挿通孔(図示せず)を通して出入される構造が採用されていることから、保持部41が退出した後にこの挿通孔を通して収納部34a内部が露出して外観体裁が悪化するのを防止するためのものである。従って、主スライダ39が脱着位置にある場合にでも、化粧ボックス53の他端部は収納部34aの挿通孔を覆うものとなされている。
【0069】
そして、図6に示すように、給電用端子36は、上記着脱機構35の下方に設けられており、本実施形態では、主スライダ39(シリンジポンプ1)のスライド方向に結合可能なコネクタにより構成されている。すなわち、受電用端子27と給電用端子36は、シリンジポンプ1のスライド方向に結合可能に構成され、シリンジポンプ1のスライド移動にともなって接続されるものとなされている。なお、この給電用端子36は、直接外部電源を接続することができるように構成され、シリンジポンプ1を単独で使用することができるように構成されている。
【0070】
一方、カバーケース34は、図4に示すように、後面板状体33の前面に沿って段状に形成され、その一側部(図4では左側部)に前方に突出する収納部34aが設けられるとともにこの収納部34aから所定範囲にわたって保持部41が移動するための切欠き部34bが設けられる一方、その他端部に他方の保持部41が嵌挿される切欠き部34cが設けられている。収納部34aには、共通の電源回路62、着脱機構35の一部を被覆するものであり、シリンジポンプ1が装着部2aに装着された状態でシリンジポンプ1の前面と面一になるように形成されている。
【0071】
なお、収納部34aには、図示しないが、右側壁に主スライダ39の保持部41がこのスライド移動する際に挿通される挿通孔が設けられるとともに、この挿通孔の下方に給電用端子36が挿通される端子挿通孔が設けられている。
【0072】
次に、この輸液システムにおける電気的な構成を図12を用いて説明する。なお、この図では、2台の架台2が設けられ、これらの架台2が連結コード60を介して電気的に接続されているとともに、各架台2の全ての装着部2aにシリンジポンプ1を装着した状態を示している。
【0073】
この図に示すように各シリンジポンプ1には、その駆動を制御するためのコントローラ61(制御手段)がそれぞれ搭載されている。このコントローラ61は、論理演算を実行する周知のCPU、そのCPUを制御する種々のプログラムなどを予め記憶するROM、動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM等を備えており、操作パネル10において設定された各種条件に基づきシリンジポンプ1の駆動を統括的に制御するように構成されている。
【0074】
コントローラ61には、上記通信用端子28が接続されており、シリンジポンプ1を脱着した状態で、通信用端子28に通信用配線が接続されることによりコンピュータ等の外部装置との間で各種情報を送信できるように構成されている。
【0075】
一方、架台2には、この架台2に装着される複数のシリンジポンプ1について共通のAC−DC電源回路62等が搭載されている。
【0076】
このAC−DC電源回路62は、周知の電源回路からなり、当実施形態ではAC100Vをシリンジポンプ1の駆動に必要な例えばDC12Vに変換して出力する。このAC−DC電源回路62には、電源スイッチ63を介して上記電源コード65が接続されるとともに、必要に応じて各架台2に設けられたAC−DC電源回路62を電気的に接続するための連結コード60が接続されている。
【0077】
次に、以上のように構成された輸液システムの使用説明を行う。
【0078】
上記着脱機構35によりシリンジポンプ1を装着状態にセットしたら、架台2の電源コード65をAC100Vコンセントに差し込んで架台2の電源スイッチ63を入れ、その後、各シリンジポンプ1の電源スイッチを入れる。
【0079】
このようにすると架台2が起動し、AC−DC電源回路62から受電用端子27および給電用端子36を介して各シリンジポンプ1に電源が供給され、これにより各シリンジポンプ1が起動する。
【0080】
このように、架台2に装着した複数のシリンジポンプ1に対して架台2に設けた共通のAC−DC電源回路62から電源を供給するように構成しているので、複数のシリンジポンプ1を同時に使用しながらも電源コードとしては架台2の電源コード65だけで済む。しかも、複数台の架台2を架台用スタンド3に掛止する場合でも、連結コード60を介して各架台2の電源回路62を共通化することができ、これにより電源コードも一の架台2の電源コード65だけで済む。
【0081】
従って、複数のシリンジポンプを同時に使用する場合でも、電源コードや通信配線が邪魔になることがなくなり、例えば、医師や看護師がシリンジポンプの電源コード等に足を引っ掛ける等して医療業務に支障をきたすといった問題を解消することができるという効果がある。
【0082】
以上の事前準備が完了したら、各シリンジポンプ1に対してシリンジSを固定する。シリンジSの固定は、既に説明した通りクランプ17を解放した状態でシリンジSをシリンジステージ上にセットし、その後、クランプ17を固定位置にセットすることにより行う。
【0083】
そして、各シリンジポンプ1毎に操作パネル10を操作して流量等の輸液条件を設定した後、各シリンジポンプ1のシリンジに接続されたチューブの留置針を患者の腕等に穿刺し、操作パネル10のスイッチを操作して薬液の注入を開始する。なお、このようにして薬液の注入が開始されると、各シリンジポンプ1における薬液の流量、予定量、あるいは積算量等の輸液情報が操作パネル10の表示部11に表示される。
【0084】
なお、この輸液システムでは、シリンジポンプ1を架台2に装着して使用する以外に、上記のようにシリンジポンプ1を単独で使用することも可能である。この場合には、シリンジポンプ1の上記給電用端子36に図外のACアダプタを接続し、このアダプタをAC100Vコンセントに差し込むことにより該コンセントから直接電源をとるようにすればよい。
【0085】
ところで、以上説明した輸液システムは、本発明に係る輸液システムの一の実施の形態であって、その具体的な構成は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、以下のような態様を採ることもできる。
【0086】
▲1▼主スライダを移動させるための機構は、上記のようなリンク機構に限らず、公知の機構、例えばラチェット機構であってもよい。すなわち、着脱レバーの基端部に扇状ギヤを設けるとともに、この扇状ギヤに噛合する一ないし複数の伝達ギヤを設け、この伝達ギヤに噛合するラックのスライド運動を直接ないし間接的に主スライダに伝達するものであってもよい。
【0087】
▲2▼上記実施形態では、架台2に掛止部31を設け、この掛止部31により架台用スタンド3に掛け吊すものとなされているが、例えば架台を架台用スタンドに固着するものであってもよい。但し、上記のように掛止部31により架台用スタンド3に掛け吊すものとすれば、例えば複数のシリンジポンプ1を小分けにして患者とともに搬送する場合に、架台をベッドの桟等に掛け吊すことができ、持ち運びが容易になる等の利便性が向上する点で有利である。
【0088】
▲3▼上記着脱レバー37は、装着状態、中間状態、脱着状態の3状態を切り換えることができるものとなされているが、中間状態を省略して装着状態と脱着状態との2状態に切り換えることができるものであってもよい。すなわち、受電用端子と給電用端子とを接離させつつ、シリンジポンプを保持部に保持または解放させるように構成してもよい。但し、上記したように、中間状態を経由して切り換える着脱レバー37を設けることにより、シリンジポンプの安定した着脱が可能となる。
【0089】
▲4▼シリンジポンプ1の保持機構は、上記のような係止爪部46aと係止孔21との係止手段により係止するものだけでなく、その他の公知の保持機構であってもよい。すなわち上記実施形態において係止爪部46aに換えて弾性部材等からなる圧接部を設け、シリンジポンプ1を左右から挟着するものであってもよい。
【0090】
▲5▼架台2に設けられる保持部41の配列は縦一列に限らず、縦二列、あるいは縦三列であってもよく、また縦向きの配列に限らず横向きの配列であってもよい。但し、多くのシリンジポンプ1を平面的に少ないスペースに支持する上では、装着部を縦一列に設けるのが好ましい。
【0091】
▲6▼受電用端子27および給電用端子36は上記のようなコネクタ同士で連結させるものに限らず、互いに圧接し合う板ばね状の端子等であってもよい。
【0092】
▲7▼シリンジポンプ1に充電式の内部バッテリーを搭載するようにしてもよい。このようにすれば、架台2やACアダプタを用いることなくシリンジポンプ1を使用することができるので室外での使用時に便利となる。なお、この場合には、シリンジポンプ1を架台2に装着して使用している間、あるいはシリンジポンプ1にACアダプタを接続して使用している間に上記バッテリーが自動的に充電されるように構成するのが好ましい。このようにすればバッテリー充電の手間が省け利便性が向上する。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の輸液システムは、ポンプ支持用架台に設けられた複数の装着部に対して必要な数のシリンジポンプを装着して使用でき、かつ装着した各シリンジポンプに対してポンプ支持用架台側の共通の電源回路から駆動用電力を供給するように構成しているので、複数のシリンジポンプを同時に使用しながらも電源コードとしてはポンプ支持用架台の電源コードだけ済む。つまり、電源コードを集約することができる。従って、複数のシリンジポンプを同時に使用する場合でも、従来のように電源コードが邪魔になるようなことがなくなる。
【0094】
しかも、本発明の輸液システムでは、上記着脱レバーを切り換えるという簡単な操作でシリンジポンプとポンプ支持用架台とを機械的及び電気的に接離することができる。すなわち、シリンジポンプの着脱を迅速かつ的確に行うことができる。
【0095】
従って、本発明の輸液システムによれば、円滑かつ迅速な医療業務の遂行を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る輸液システムを示す正面図である。
【図2】この輸液システムに適用されるシリンジポンプを示す斜視図(操作パネル側)である。
【図3】図(a)は同シリンジポンプの一側面を示す斜視図である。図(b)は同シリンジポンプの他側面を示す斜視図である。
【図4】輸液システムに適用されるポンプ支持用架台を前面側から示す斜視図である。
【図5】同ポンプ支持用架台を後面側から示す斜視図である。
【図6】同ポンプ支持用架台をカバーケースを取り外した状態で示す正面図である。
【図7】図6のIIV−IIV線断面図である。
【図8】図6のIIIV−IIIV線断面図である。
【図9】図6のIX−IX線断面図である。
【図10】この輸液システムにおけるシリンジポンプの着脱状態を示す説明図である。
【図11】本実施形態に係る輸液システムに適用される架台用スタンドを示す斜視図である。
【図12】輸液システムの電気的な構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 シリンジポンプ
2 ポンプ支持用架台
21 係止孔
27 受電用端子
31 掛止部
36 給電用端子
37 着脱レバー
39 主スライダ(スライダ)
41 保持部
45 突出部
46a 係止爪部
62 電源回路
66 連結コード
S シリンジ
Claims (9)
- シリンジに収容した薬液等を設定条件に応じて送液する電気駆動の複数のシリンジポンプと、これらのシリンジポンプを着脱可能に支持するポンプ支持用架台とを有する輸液システムであって、
上記ポンプ支持用架台は、上記シリンジポンプを保持する保持部と、ポンプ支持用架台に搭載された共通の電源回路に接続される給電用端子とを備える一方、上記シリンジポンプは、上記給電用端子に電気的に接続可能な受電用端子を備え、
この受電用端子に上記給電用端子を電気的に接続するとともに上記シリンジポンプを上記保持部に保持させる装着状態と、上記受電用端子と給電用端子とを切り離すとともに上記保持部から上記シリンジポンプを解放する脱着状態とを切換可能な着脱レバーが上記ポンプ支持用架台に設けられることを特徴とする輸液システム。 - 請求項1記載の輸液システムにおいて、上記着脱レバーは、上記装着状態と脱着状態との切り換え過程で、上記シリンジポンプを上記保持部に保持させた状態で上記受電用端子と給電用端子とを分離する中間状態を経由するように構成されていることを特徴とする輸液システム。
- 請求項1または請求項2記載の輸液システムにおいて、上記着脱レバーの切換操作に応じてスライド移動するスライダに上記保持部が設けられる一方、上記給電用端子と受電用端子とは一方向から結合可能なコネクタにより接続され、上記スライダの移動により上記給電用端子と受電用端子とが接離することを特徴とする輸液システム。
- 請求項3記載の輸液システムにおいて、上記シリンジポンプの左右両側面に一対の係止孔が設けられる一方、上記保持部には上記スライダの移動に応じて上記係止孔に出没する一対の係止爪が設けられていることを特徴とする輸液システム。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の輸液システムにおいて、複数の上記ポンプ支持用架台が設けられ、この複数のポンプ支持用架台における各電源回路を電気的に接続する連結コードを介して各電源回路を共通化することを特徴とする輸液システム。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の輸液システムにおいて、上記ポンプ支持用架台に棒状体に掛止するための掛止部が設けられていることを特徴とする輸液システム。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の輸液システムにおいて、上記ポンプ支持用架台は、上記シリンジポンプを上下方向に一列に支持するように構成されていることを特徴とする輸液システム。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の輸液システムにおいて、上記受電用端子は、直接外部電源を接続することができるように構成されていることを特徴とする輸液システム。
- 電気駆動のシリンジポンプを脱着可能に支持するとともに、該シリンジポンプに対して電源供給を行うポンプ支持用架台であって、
上記シリンジポンプを脱着可能に保持する複数の保持部が設けられるとともに、上記シリンジポンプに設けられた受電用端子に電気的接続可能な給電用端子が各保持部に対してそれぞれ設けられ、これら給電用端子がポンプ支持用架台に搭載される共通の電源回路に接続される一方、
上記受電用端子に上記給電用端子を電気的に接続するとともに上記シリンジポンプを上記保持部に保持させる装着状態と、上記受電用端子と給電用端子とを切り離すとともに上記保持部に保持された上記シリンジポンプを解放する脱着状態とを切換可能な着脱レバーを備えることを特徴とするポンプ支持用架台。
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