JP4939707B2 - 輸液システム、シリンジポンプ及びポンプ支持用架台 - Google Patents

輸液システム、シリンジポンプ及びポンプ支持用架台 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療現場で使用されるシリンジポンプ、すなわちシリンジ内に収容された薬液等の溶液を設定された流量で患者の血管等に注入するシリンジポンプとこのシリンジポンプを支持するポンプ支持用架台とを有する輸液システム等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、患者に対して栄養補給、化学療法剤、麻酔剤等の薬液注入を自動的に、かつ高い精度で行うように構成されたシリンジポンプは知られている。
【0003】
シリンジポンプは、例えば特開平9−122239号公報に開示されるように、薬液を収納したシリンジを固定する固定部と、固定されたシリンジの押子を押圧するためのスライダと、このスライダを駆動するための電気式の駆動機構と、駆動機構を制御する制御装置と、薬液の注入量の設定やその表示を行う操作パネル等を備えたものが一般的であり、使用時には、シリンジポンプを輸液スタンド(ポール)に固定した状態で該シリンジポンプにシリンジをセットし、操作パネル上で注入量等の条件を設定すれば、その設定条件に応じて前記スライダが駆動され、これによりシリンジの押子が押圧されて所定流量で薬液が送り出されるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のシリンジポンプでは、シリンジポンプ毎に電源コードや通信用配線等を接続する必要があり、そのため複数のシリンジポンプを同時に使用する場合には電源コード等の数が増えて邪魔になるという問題がある。例えば手術室等では、10台を超えるシリンジポンプを同時に使用することが頻繁にあるが、このような場合には医師や看護婦がシリンジポンプの電源コードや通信用配線等に足を引っ掛ける等して円滑な医療業務に支障をきたすことが考えられる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、複数のシリンジポンプを同時に使用する場合に電源コード等が邪魔になるという問題を解消することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、シリンジに収容した薬液を設定条件に応じて送液する電気駆動のシリンジポンプと、このシリンジポンプを支持するポンプ支持用架台とを有する輸液システムであって、前記ポンプ支持用架台にシリンジポンプを脱着可能な複数の装着部が設けられ、各装着部に給電用端子が夫々設けられるとともに、これら給電用端子がポンプ支持用架台に搭載された共通の電源回路に接続される一方、前記シリンジポンプに、前記装着部に装着された状態で前記給電用端子に接続可能な電源の受電用端子が設けられ、前記ポンプ支持用架台の電気回路は、外部電源から入力された交流電力を直流電力に変換して前記給電用端子から出力する電源部を有し、前記シリンジポンプは、前記電源部からの電力により駆動可能な駆動機構と、前記電源部からの電力により充電可能でかつ前記駆動機構を駆動するための電力を出力可能なバッテリーと、前記シリンジポンプに直接外部電源を接続するための前記受電用端子とは別の端子とを備え、前記シリンジポンプが前記ポンプ支持用架台に装着されて使用されている間、前記シリンジポンプのバッテリーが自動的に充電されるものである。
【0007】
このシステムでは、ポンプ支持用架台に設けられた複数の装着部に対して必要な数のシリンジポンプを装着し、シリンジポンプ及びポンプ支持用架台の端子同士(給電用端子および受電用端子)を接続すれば、各シリンジポンプがポンプ支持用架台に搭載された共通の電源回路に接続されて駆動用の電力が各シリンジポンプに供給される。つまり、電源コードとしてはポンプ支持用架台の電源回路用のコードだけで済み、各シリンジポンプ毎に電源コードを設ける必要がなくなる。従って、複数のシリンジポンプを使用しながらも電源コードを集約することができる。なお、請求項の記載において「端子」とは、電気的な接続を繰り返し行える部分を意味するものであり、導電部である端子そのものは勿論のことコネクタ等の接続手段も含む意味である。また、「薬液」には、栄養補給、化学療法剤、麻酔剤等が含まれる。
【0008】
なお、前記シリンジポンプは、該シリンジポンプに直接外部電源を接続するための前記受電用端子とは別の端子を備えている。
【0009】
そのため、シリンジポンプに外部電源を直接接続することにより、シリンジポンプをポンプ支持用架台に装着することなく単独で使用することが可能となり、シリンジポンプの利便性が向上する。
【0010】
このシステムにおいては、前記ポンプ支持用架台に、前記装着部に装着された各シリンジポンプの作動状態の情報を外部装置との間で通信可能とする通信手段と、各装着部に設けられて前記通信手段に夫々接続される架台側通信用端子とが設けられる一方、前記シリンジポンプに、その駆動を制御する制御手段と、この制御手段に接続され、前記装着部にシリンジポンプが装着された状態で前記架台側通信用端子に接続可能なポンプ側通信用端子とが設けられているのが好ましい。
【0011】
この構成によれば、ポンプ支持用架台およびシリンジポンプの端子同士(架台側通信用端子およびポンプ側通信用端子)を接続すれば、各シリンジポンプの制御手段とポンプ支持用架台の通信手段とを電気的に接続することができる。従って、通信手段に接続される共通の通信配線を介して各シリンジポンプと外部装置とを電気的に接続することが可能となり、各シリンジポンプと外部装置とを接続する通信用配線の集約化を図ることができる。なお、「シリンジポンプの作動状態」には、薬液の流量、予定量、積算値が含まれる。
【0012】
なおシリンジポンプにポンプ側通信用端子が設けられる場合には、このポンプ側通信用端子とは別に、該シリンジポンプの作動状態の情報を前記制御手段と外部装置との間で通信可能とする外部装置接続用の端子をさらに設けておくのが好ましい。
【0013】
このような構成によれば、シリンジポンプ通信用配線を直接接続することによりシリンジポンプをポンプ支持用架台に装着することなく単独で使用することが可能となり、シリンジポンプの利便性が向上する。
【0014】
なお、前記システムにおいて、ポンプ支持用架台の各装着部は上下方向に一列に設けられているのが好ましい。
【0015】
このようにシリンジポンプを上下一列に並べて支持できるようにすれば、複数のシリンジポンプを支持しながらも平面的な占有スペースは少なくて済み、スペース効率が向上する。
【0016】
一方、本発明のシリンジポンプは、外部電源から入力された交流電力を直流電力に変換して出力する電源部を有するポンプ支持用架台に脱着可能に装着されて該架台から電源供給を受けて駆動するシリンジポンプであって、前記ポンプ支持用架台の電源部に接続された給電用端子に接触可能な受電用端子と、シリンジポンプに直接外部電源を接続するための前記受電用端子とは別の端子と、前記電源部から前記給電用端子を介して入力された電力により駆動可能な駆動機構と、前記電源部から前記給電用端子を介して入力された電力により充電可能でかつ前記駆動機構を駆動するための電力を出力可能なバッテリーとを備え、前記ポンプ支持用架台に装着されて使用されている間、前記バッテリーが自動的に充電されるものである。
【0017】
このシリンジポンプにおいては、前記ポンプ支持用架台に設けられる架台側通信用端子に接触可能なポンプ側通信用端子が設けられ、前記ポンプ支持用架台に装着された状態でこれら端子を介してシリンジポンプの作動状態の情報を該シリンジポンプとポンプ支持用架台との間で通信可能に構成されるとともに、前記ポンプ側通信用端子とは別に、シリンジポンプの前記情報を外部装置との間で通信可能とする外部装置接続用の端子を有しているのが好ましい。
【0018】
さらに、本発明のポンプ支持用架台は、外部電源からの電力を受けて駆動可能な駆動機構と、外部電源からの電力を受けて充電可能でかつ前記駆動機構を駆動するための電力を出力可能なバッテリーとを有する電気駆動のシリンジポンプを脱着可能に支持するとともに、該シリンジポンプに対して電源供給を行うポンプ支持用架台であって、前記シリンジポンプを脱着可能に装着する複数の装着部が設けられ、これらの装着部に前記シリンジポンプに設けられる電源の受電用端子に接触可能な給電用端子が夫々設けられるとともに、これら給電用端子がポンプ支持用架台に搭載される共通の電源回路に接続され、前記ポンプ支持用架台の電気回路は、外部電源から入力された交流電力を直流電力に変換して前記給電用端子を介して出力することにより、前記駆動機構を駆動するための電力、及び前記バッテリーを充電するための電力を前記受電用端子を介して前記駆動機構及びバッテリーに供給可能な電源部を備え、前記シリンジポンプは、該シリンジポンプに直接外部電源を接続するための前記受電用端子とは別の端子を備え、前記シリンジポンプが装着されて使用されている間、前記シリンジポンプのバッテリーが自動的に充電されるものである。
【0019】
このポンプ支持用架台においては、外部装置との通信手段が設けられるとともに、前記装着部に、この通信手段に夫々接続されて前記シリンジポンプに設けられるポンプ側通信用端子に接触可能な架台側通信用端子が夫々設けられているのが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0021】
図1は本発明に係る輸液システムの全体を斜視図で示している。この図に示すように、輸液システムはシリンジポンプ1と、複数台のシリンジポンプ1を支持することができるポンプ支持用架台2(以下、架台2と略す)とから構成されている。
【0022】
シリンジポンプ1は、患者に対する栄養補給、化学療法剤、麻酔剤等の薬液注入を目的とした微量持続注入ポンプであって、図2に示すように横長の箱型の本体を有しており、この本体の上部前側に操作パネル10を、後側にシリンジ固定部15を夫々備えている。
【0023】
操作パネル10には、シリンジポンプの作動状態、例えば薬液の流量、予定量、積算値等の各種表示11aを行う表示部11や、電源あるいは薬液の流量等の各種設定を行うための各種スイッチ12等が設けられている。
【0024】
シリンジ固定部15には、薬液を収容したシリンジSを固定するためのロック機構16と、シリンジSの押子を押圧するためのスライダ18と、このスライダを駆動するための駆動機構等が設けられている。
【0025】
ロック機構16はばね等により下方に付勢されるクランプ17を有しており、シリンジ固定部15の図外のシリンジステージ(図示省略)上にセットされたシリンジSを該クランプ17により上方から押さえ付けた状態で固定するように構成されている。シリンジSの脱着は、クランプ17を上方に引き上げてから例えば図1の矢印方向にクランプ17を回転させ、これによりシリンジステージの上方を開放した状態で行うように構成されている。
【0026】
スライダ18は、シリンジステージにセットされたシリンジSに対してその長手方向にスライド可能に設けられており、駆動機構により駆動されてその端部(図2では右側端部)に設けられた押圧部19によりシリンジSの押子Spをその後側(図2では右側)から押圧するように構成されている。
【0027】
駆動機構は、図示を省略するが、例えばスライダ18に螺合装着されたボールねじ軸をモータにより回転駆動してスライダ18を移動させる周知の往復移動機構からなり、前記操作パネル10において設定された条件に応じて後述するコントローラ30により駆動制御されるように構成されている。
【0028】
なお、図1に示すようにシリンジポンプ1の本体側部には、図外のACアダプタ(外部電源)を接続するための接続用コネクタ20と、シリンジポンプ1をコンピュータ等の外部装置に接続するための外部通信コネクタ21とが並べて設けられている。
【0029】
また、シリンジポンプ1の本体下部(裏側)には、図3に示すようにシリンジポンプ1を架台2へ取り付けるための取付部25が設けられている。
【0030】
この取付部25には、その上下両側に(同図で上下両側)幅方向に伸びる案内溝26が設けられるとともに、架台2に対する電気的な接続部、具体的には電源の受電用端子27および通信用端子28(ポンプ側通信用端子)が設けられている。なお、これらの端子27,28は撓み可能な板ばね状に形成されている。
【0031】
一方、架台2は、図4に示すように縦長の本体を有しており、キャスター付きの輸液スタンド(ポール)Pにボルト等の固定手段により固定されている。
【0032】
架台2の本体には、シリンジポンプ1を装着するための複数の装着部が設けられており、当実施形態では6つの装着部31a〜31fが上下一列に設けられている。各装着部31a〜31fには、シリンジポンプ1を位置決めするための幅方向に伸びる上下一対の案内板32が設けられるとともに、同ポンプ1の前記受電用端子27および通信用端子28に接触可能な給電用端子35および通信用端子36(架台側通信用端子)が夫々設けられている。なお、これらの端子35,36は平板状に形成されており、後述するように各装着部31a〜31fにシリンジポンプ1が装着されると、シリンジポンプ1の端子27,28が夫々架台側の対応する端子35,36に圧接(接触)するようになっている。
【0033】
架台2の下端部位であってその前面側には、電源スイッチ37と、各装着部31a〜31fに対応するパイロットランプ38,43等とが設けられている。また、架台2の後側には電源コード39が接続されている。
【0034】
次に、この輸液システムにおける電気的な構成を図5を用いて説明する。なお、この図では、架台2の全ての装着部31a〜31fにシリンジポンプ1を装着した状態を示している。
【0035】
この図に示すように各シリンジポンプ1には、その駆動を制御するためのコントローラ30(制御手段)が夫々搭載されている。このコントローラ30は、論理演算を実行する周知のCPU、そのCPUを制御する種々のプログラムなどを予め記憶するROM、動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM等を備えており、操作パネル10において設定された各種条件に基づきシリンジポンプ1の駆動を統括的に制御するように構成されている。
【0036】
コントローラ30には、前記外部通信コネクタ21および通信用端子28が接続されており、ポンプ使用中には、後述するように、外部通信コネクタ21に通信用配線が接続されるか、あるいは通信用端子28が架台2の通信用端子36に接触する(接続される)ことによりコンピュータ等の外部装置との間で各種情報を送信できるように構成されている。
【0037】
一方、架台2には、コントローラ40、AC−DC電源回路41等が搭載されている。
【0038】
コントローラ40は、装着部31a〜31fに装着される各シリンジポンプ1とコンピュータ等の外部装置との通信を統括的に行う通信手段として機能するものである。このコントローラ40には、前記パイロットランプ43を介して前記装着部31a〜31fの各通信用端子36が夫々接続されるとともに、コンピュータ等の外部装置に接続された通信用配線44の一端側が接続されている。
【0039】
AC−DC電源部41は、周知の電源回路からなり、当実施形態ではAC100Vをシリンジポンプ1の駆動に必要な例えばDC12Vに変換して出力する。このAC−DC電源部41には、電源スイッチ37を介して前記電源コード39が接続されるとともに、前記パイロットランプ38を介して装着部31a〜31fの各通信用端子36が夫々接続されている。
【0040】
次に、以上のように構成された輸液システムの使用説明を行う。
【0041】
まず、事前準備として、使用するシリンジポンプ1の数を決定し、シリンジポンプ1を架台2の装着部31a〜31fに夫々装着する。装着は、操作パネル10が前面に向いた起立姿勢にシリンジポンプ1を保持し、この状態でシリンジポンプ1を架台2の側方からスライドさせながら、ポンプ裏面の前記案内溝26に案内板32を差込むことにより行う。なお、図示を省略するが各装着部31a〜31fにはロック機構が設けられてあり、シリンジポンプ1を特定位置までスライドさせた後、このロック機構によりシリンジポンプ1を架台2に固定する。これによりシリンジポンプ1の架台2への装着が完了する。
【0042】
なお、このようにシリンジポンプ1を装着部31a〜31fに装着すると、シリンジポンプ1の受電用端子27および通信用端子28が夫々対応する架台側の給電用端子35および通信用端子36に圧接し、これにより各シリンジポンプ1と架台2とが電気的に接続される。具体的には、各シリンジポンプ1が受電用端子27および通信用端子28を介して架台2のAC−DC電源部41に接続されるとともに、各シリンジポンプ1のコントローラ30が通信用端子28,36を介して架台2のコントローラ40に接続されることとなる。
【0043】
架台2への各シリンジポンプ1の装着が完了したら、次に、架台2の電源コード39をAC100Vコンセントに差し込んで架台2の電源スイッチ37を入れ、その後、各シリンジポンプ1の電源スイッチを入れる。
【0044】
このようにすると架台2が起動し、AC−DC電源部41から受電用端子27および給電用端子35を介して各シリンジポンプ1に電源が供給される。これにより各シリンジポンプ1が起動するとともに、各シリンジポンプ1が架台2のコントローラ40を介してコンピュータ等の外部装置と通信状態となる。なお、架台2から各シリンジポンプ1への電源供給が適正な場合、および各シリンジポンプ1とコントローラ40との通信状態が適正な場合には夫々対応するパイロットランプ38,39が点灯し、その旨が表示される。
【0045】
以上の事前準備が完了したら、各シリンジポンプ1に対してシリンジSを固定する。シリンジSの固定は、既に説明した通りクランプ17を解除した状態でシリンジSをシリンジステージ上にセットし、その後クランプ17を固定位置にセットすることにより行う。
【0046】
そして、各シリンジポンプ1毎に操作パネル10を操作して流量等の輸液条件を設定した後、各シリンジポンプ1のシリンジに接続されたチューブの留置針を患者の腕等に穿刺し、操作パネル10のスイッチを操作して薬液の注入を開始する。なお、このようにして薬液の注入が開始されると、各シリンジポンプ1における薬液の流量、予定量、あるいは積算量等の輸液情報が操作パネル10の表示部11に表示されるとともに、架台2(コントローラ40)を介してコンピュータ等の前記外部装置に出力されて集中管理されることとなる。
【0047】
なお、この輸液システムでは、上記のようにシリンジポンプ1を架台2に装着して使用する以外に、シリンジポンプ1を単独で使用することも可能である。
【0048】
この場合には、シリンジポンプ1の前記接続用コネクタ20に図外のACアダプタを接続し、このアダプタをAC100Vコンセントに差し込むことにより該コンセントから直接電源をとり、また、前記外部通信コネクタ21に図外の通信用配線を接続し、この通信用配線をコンピュータ等の外部装置に接続することによりシリンジポンプ1と外部装置とを直接接続するようにすればよい。
【0049】
以上説明した輸液システムによると、架台に装着した複数のシリンジポンプ1に対して架台2に設けた共通のAC−DC電源部41から電源を供給するように構成しているので、複数のシリンジポンプ1を同時に使用しながらも電源コードとしては架台2の電源コード39だけで済む。
【0050】
しかも、各シリンジポンプ1(コントローラ30)を架台2のコントローラ40及び通信用配線44を介してコンピュータ等の外部装置に接続するようにしているので、各シリンジポンプ1と外部装置とを接続する通信用配線についても共通の通信用配線44だけで済む。
【0051】
従って、複数のシリンジポンプを同時に使用する場合でも、従来のように電源コードや通信配線が邪魔になるとがなくなり、例えば、医師や看護婦がシリンジポンプの電源コード等に足を引っ掛ける等して医療業務に支障をきたすといった問題を解消することができるという効果がある。
【0052】
また、この輸液システムでは、上記のようにシリンジポンプ1を架台2に装着して使用する以外に単独でも使用することができるので、シリンジポンプ1の利便性が良いというメリットもある。
【0053】
ところで、以上説明した輸液システムは、本発明に係る輸液システムの一の実施の形態であって、その具体的な構成は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、以下のような態様を採ることもできる。
【0054】
(1)架台2に設けられる装着部31a〜31fの配列は縦一列に限らず、縦二列、あるいは縦三列であってもよく、また縦向きの配列に限らず横向きの配列であってもよい。但し、多くのシリンジポンプ1を平面的に少ないスペースに支持する上では、装着部を縦一列に設けるのが好ましい。
【0055】
(2)受電用端子27および給電用端子35、あるいは通信用端子28および通信用端子36は上記のような互いに圧接し合う板ばね状のものに限らず、例えばハウジング付きのコネクタ等であってよい。この場合、該コネクタは、シリンジポンプ1を装着部31a〜31fに装着した後に個別に嵌合、接続するものであってもよいが、シリンジポンプ1の装着部31a〜31fへの装着過程で自ずとコネクタ同士が嵌合する所謂待ち受け式のコネクタ構造とすれば、シリンジポンプ1を架台2へ装着する際の作業性が良くなるというメリットがある。
【0056】
(3)シリンジポンプ1に充電式の内部バッテリーを搭載するようにしてもよい。このようにすれば、架台2やACアダプタを用いることなくシリンジポンプ1を使用することができるので室外での使用時に便利となる。なお、この場合には、シリンジポンプ1を架台2に装着して使用している間、あるいはシリンジポンプ1にACアダプタを接続して使用している間に上記バッテリーが自動的に充電されるように構成するのが好ましい。このようにすればバッテリー充電の手間が省け利便性が向上する。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の輸液システムは、ポンプ支持用架台に設けられた複数の装着部に対して必要な数のシリンジポンプを装着して使用でき、かつ装着した各シリンジポンプに対してポンプ支持用架台側の共通の電源回路から駆動用電力を供給するように構成しているので、複数のシリンジポンプを同時に使用しながらも電源コードとしてはポンプ支持用架台の電源コードだけ済む。つまり、電源コードを集約することができる。従って、複数のシリンジポンプを同時に使用する場合でも、従来のように電源コードが邪魔になるようなことがなくなる。
【0058】
特に、ポンプ支持用架台に通信手段を設け、装着された各シリンジポンプをこの通信手段を介してコンピュータ等の外部装置に接続するように構成すれば、各シリンジポンプと外部装置とを接続する通信用配線についてもその集約化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る輸液システムを示す斜視図である。
【図2】 輸液システムに適用されるシリンジポンプを示す斜視図(操作パネル側)である。
【図3】 輸液システムに適用されるシリンジポンプを示す斜視図(取付部側)である。
【図4】 輸液システムに適用されるポンプ支持用架台を示す斜視図である。
【図5】 輸液システムの電気的な構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 シリンジポンプ
2 ポンプ支持用架台
27 受電用端子
28 通信用端子(ポンプ側通信用端子)
30 コントローラ(制御手段)
31a〜31f 装着部
35 給電用端子
36 通信用端子(架台側通信用端子)
37 電源スイッチ
41 AC−DC電源部
40 コントローラ(通信手段)

Claims (8)

  1. シリンジに収容した薬液を設定条件に応じて送液する電気駆動のシリンジポンプと、このシリンジポンプを支持するポンプ支持用架台とを有する輸液システムであって、前記ポンプ支持用架台にシリンジポンプを脱着可能な複数の装着部が設けられ、各装着部に給電用端子が夫々設けられるとともに、これら給電用端子がポンプ支持用架台に搭載された共通の電源回路に接続される一方、前記シリンジポンプに、前記装着部に装着された状態で前記給電用端子に接続可能な電源の受電用端子が設けられ、
    前記ポンプ支持用架台の電気回路は、外部電源から入力された交流電力を直流電力に変換して前記給電用端子から出力する電源部を有し、
    前記シリンジポンプは、前記電源部からの電力により駆動可能な駆動機構と、前記電源部からの電力により充電可能でかつ前記駆動機構を駆動するための電力を出力可能なバッテリーと、前記シリンジポンプに直接外部電源を接続するための前記受電用端子とは別の端子とを備え
    前記シリンジポンプが前記ポンプ支持用架台に装着されて使用されている間、前記シリンジポンプのバッテリーが自動的に充電されることを特徴とする輸液システム。
  2. 請求項1記載の輸液システムにおいて、
    前記ポンプ支持用架台に、前記装着部に装着された各シリンジポンプの作動状態の情報を外部装置との間で通信可能とする通信手段と、各装着部に設けられて前記通信手段に夫々接続される架台側通信用端子とが設けられる一方、前記シリンジポンプに、その駆動を制御する制御手段と、この制御手段に接続され、前記装着部にシリンジポンプが装着された状態で前記架台側通信用端子に接続可能なポンプ側通信用端子とが設けられていることを特徴とする輸液システム。
  3. 請求項記載の輸液システムにおいて、
    前記シリンジポンプにポンプ側通信用端子が設けられるとともに、このポンプ側通信用端子とは別に、該シリンジポンプの作動状態の情報を前記制御手段と外部装置との間で通信可能とする外部装置接続用の端子をさらに有していることを特徴とする輸液システム。
  4. 請求項1乃至のいずれかに記載の輸液システムにおいて、
    前記ポンプ支持用架台の各装着部は上下方向に一列に設けられていることを特徴とする輸液システム。
  5. 外部電源から入力された交流電力を直流電力に変換して出力する電源部を有するポンプ支持用架台に脱着可能に装着されて該架台から電源供給を受けて駆動するシリンジポンプであって、
    前記ポンプ支持用架台の電源部に接続された給電用端子に接触可能な受電用端子と、シリンジポンプに直接外部電源を接続するための前記受電用端子とは別の端子と、前記電源部から前記給電用端子を介して入力された電力により駆動可能な駆動機構と、前記電源部から前記給電用端子を介して入力された電力により充電可能でかつ前記駆動機構を駆動するための電力を出力可能なバッテリーとを備え
    前記ポンプ支持用架台に装着されて使用されている間、前記バッテリーが自動的に充電されることを特徴とするシリンジポンプ。
  6. 請求項記載のシリンジポンプにおいて、
    前記ポンプ支持用架台に設けられる架台側通信用端子に接触可能なポンプ側通信用端子が設けられ、前記ポンプ支持用架台に装着された状態でこれら端子を介してシリンジポンプの作動状態の情報を該シリンジポンプとポンプ支持用架台との間で通信可能に構成されるとともに、前記ポンプ側通信用端子とは別に、シリンジポンプの前記情報を外部装置との間で通信可能とする外部装置接続用の端子を有していることを特徴とするシリンジポンプ。
  7. 外部電源からの電力を受けて駆動可能な駆動機構と、外部電源からの電力を受けて充電可能でかつ前記駆動機構を駆動するための電力を出力可能なバッテリーとを有する電気駆動のシリンジポンプを脱着可能に支持するとともに、該シリンジポンプに対して電源供給を行うポンプ支持用架台であって、
    前記シリンジポンプを脱着可能に装着する複数の装着部が設けられ、これらの装着部に前記シリンジポンプに設けられる電源の受電用端子に接触可能な給電用端子が夫々設けられるとともに、これら給電用端子がポンプ支持用架台に搭載される共通の電源回路に接続され、
    前記ポンプ支持用架台の電気回路は、外部電源から入力された交流電力を直流電力に変換して前記給電用端子を介して出力することにより、前記駆動機構を駆動するための電力、及び前記バッテリーを充電するための電力を前記受電用端子を介して前記駆動機構及びバッテリーに供給可能な電源部を備え
    前記シリンジポンプは、該シリンジポンプに直接外部電源を接続するための前記受電用端子とは別の端子を備え、
    前記シリンジポンプが装着されて使用されている間、前記シリンジポンプのバッテリーが自動的に充電されることを特徴とするポンプ支持用架台。
  8. 請求項記載のポンプ支持用架台において、
    外部装置との通信手段が設けられるとともに、前記装着部に、この通信手段に夫々接続されて前記シリンジポンプに設けられるポンプ側通信用端子に接触可能な架台側通信用端子が夫々設けられていることを特徴とするポンプ支持用架台。
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