JP2004337156A - 即席麺及び即席麺類の製造方法 - Google Patents

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裕二 石井
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Abstract

【課題】 生卵を麺塊天面中央領域に保持させて広く拡がるように調理可能な即席麺、特に生卵を麺塊上に載置して熱湯注加によって調理復元する場合にも、卵の白身が白くなる程度に調理可能な即席麺を提供する。
【解決手段】 麺塊に麺塊天面中央部が最も深い断面略円弧状、または略三角形状の開口部の広い窪みを形成する。または、麺塊に麺塊天面中央部が最も深い形状の窪みを形設し、前記窪みは、段階的に傾斜し、かつ、麺塊天面中央部分で断面円弧状または略三角形状であることを特徴とする。
【選択図】 図1


Description

本発明は、麺塊上に割卵した生卵(以下単に生卵という)を載置できる窪みを有する即席麺及び即席麺類の製造方法に関する。
即席麺は簡便性が高く、安価であり、室内で長期間保存することが可能な優れた食品である。そして、即席麺をさらに美味しく食べるために、あるいは栄養バランス改善のために、これに生卵を入れて喫食する人がある。しかし、従来(市販されている)の即席麺塊に生卵を載せて調理すると、生卵が麺塊上に広く拡がった状態にすることはできず、場合によっては生卵が麺塊上から脱落する。
そこで、即席麺の麺塊上に窪みを設けてここに生卵を載置して、調理、喫食することが考えられる。
一方、即席麺の麺塊に凹部や空洞を形成する技術としては、特許文献1,2,3等のように、既にいくつかの技術が知られている。しかし、これらの先行技術は、いずれも、調理、喫食時において生卵を麺塊上に載置するためのものではなく、流通や保存時において、麺塊に具材やスープを保持させることを目的として設けられたもので、生卵を載置するのに適用するには多くの問題点があった。
すなわち、即席麺の麺塊上に生卵を載置して調理する(熱湯注加による調理、電子レンジによる調理、炊くことによる調理等の方法がある)と、麺塊に凹部を有さない従来一般的な麺塊の場合はもちろん、前述の先行技術に記載されたような中央部が最も深くない形状の凹部では、卵が麺塊の中心からはずれてしまったり、麺塊上から脱落したり、卵の白身が麺塊上の全体に行き渡らずに一部に集中して見栄えの悪いものとなった。またさらに、熱湯注加によって復元調理、喫食する即席麺の場合においては、熱湯による調理が充分に行われず、卵の白身を全体的に半熟状に白く変性させることが困難であり、また、卵の直下の麺線が復元しにくいという問題もあった。
実公昭50−10478号公報 実開昭50―119674号公報 実開昭50−46782号公報
本発明は、前述のような、麺塊に具やスープを保持させることを目的とする先行技術とは違って、即席麺の麺塊上に生卵(鶏卵)を載置して調理、喫食する際に、卵が麺塊の中央領域に載置されて広く拡がり、脱落しないような即席麺、また、脱落せずに麺塊上に留まることで、特に熱湯注加による場合には、熱湯による調理(白身の変性)が目的とする箇所において集中的に行なえ、しかも麺、卵ともに均一に調理できるような即席麺を提供することを課題とする。すなわち、生卵を載置して調理、喫食しても、見栄えが良く、また、おいしく喫食できる即席麺を提供することを課題とする。
本発明は、上掲の課題を解決すべく発明されたものであり、その要旨とするところは、即席麺の麺塊において、麺塊天面に、該麺塊天面周縁部近傍から麺塊天面中央部に向かって麺塊天面中央部が最も深い形状の断面円弧状または略三角形状の窪みを形設したことを特徴とする即席麺である。このように麺塊天面中央部が最も深い断面円弧状または略三角形状の窪みを有する即席麺塊とし、当該窪みを生卵を割卵して載置するための窪みとすれば、この窪みに生卵を載置した時に卵を中央領域に配置させることができ、調理時においても載置した卵が中央領域に配置したまま脱落しない。また、当該窪みが麺塊天面周縁部近傍から始まる、開口部の広い構造としたことで、生卵が麺塊上で広く拡がった形状とすることができ、見栄えがよいとともに、卵の直下に位置する麺線の復元性悪化を防止することができる。特に、麺塊に熱湯を注加して復元調理する場合は、熱湯が行き届かずまだ白くなっていない白身の部分に対して集中的に熱湯を掛けることができるので、卵の調理ムラを防止することができる。
なお、本発明で、「麺塊天面」とは、調理する際に上になる部分で、麺塊の最も広い面またはその裏面である。「麺塊の最も広い面」とは、例えば厚さの薄い(高さの低い)円柱形、厚さの厚い(高さの高い)円柱形、円錐台形の麺塊の場合は、円形の上面または下面をいい、弁当箱状の直方体の場合には弁当箱の蓋面または底面に該当する面をいう。また、本発明で「麺塊天面周縁部近傍」とは、麺塊の大きさにもよるが、麺塊天面の周縁部から概ね十数mm程度内側までをいう。なお、麺塊天面周縁部と開口部端部との形状が異なるときには、開口部端部の一部分が麺塊天面の周縁部から概ね十数mm程度内側までにあればよい。
また、本発明は、上掲の課題を解決すべく発明されたものであり、その要旨とするところは、即席麺の麺塊において、麺塊天面に、該麺塊天面周縁部近傍から麺塊天面中央部に向かって麺塊天面中央部が最も深い形状の窪みを形設し、前記窪みは、段階的に傾斜し、かつ、麺塊天面中央部分(最終段階)で断面円弧状または略三角形状であることを特徴とする即席麺である。このように麺塊天面中央部が最も深い形状であり、段階的に傾斜し、かつ、麺塊天面中央部分で断面円弧状または略三角形状である窪みを有する即席麺塊とし、当該窪みを生卵を割卵して載置するための窪みとすれば、この窪みに生卵を載置した時に卵を中央領域に配置させることができ、調理時においても載置した卵が中央領域に配置したまま脱落しない。また、当該窪みが麺塊天面周縁部近傍から始まる、開口部の広い構造としたことで、生卵が麺塊上で広く拡がった形状とすることができ、見栄えがよいとともに、卵の直下に位置する麺線の復元性悪化を防止することができる。特に、麺塊に熱湯を注加して復元調理する場合は、熱湯が行き届かずまだ白くなっていない白身の部分に対して集中的に熱湯を掛けることができるので、卵の調理ムラを防止することができる。さらに、段階的に傾斜していく窪みを有する即席麺塊とすれば、麺塊の厚さが極端に薄くなる部分をよりなくすことができるので、製造時において、油揚げムラ等を防止することができる。
なお、本発明で、「段階的に傾斜する」とは、傾斜角度(垂直も含む)が変化する角を有することをいい、例えば、角毎に順々に傾斜することをいう。また、「段階的に傾斜し、かつ、麺塊天面中央部分で断面円弧状または略三角形状である」とは、例えば、ブフナーロート型形状等のことをいう。
また、本発明の即席麺は、前記麺塊の最も薄い部分の厚さは、麺塊天面とその反対側面との最長距離に対して50%以上であることが好ましい。このようにすることで、麺塊の厚さが極端に薄くなる部分を特になくすことができるので、製造時において、油揚げムラ等を防止することができる。
そして、本発明の即席麺は、前記麺塊天面に形成された窪みが、麺線密度の低い側の面に形成されていることが好ましい。麺線密度の低い側の面に窪みを形設することで、麺線密度の高い側の面に窪みを形設した場合と比較して、卵の直下にある麺線の湯戻りや、ほぐれを改良することができる。
また、窪みの容積は、即席麺塊が1食用の麺塊である場合で、20〜50mlであることが好ましく、また、窪みの深さは、窪みの中央部の一番深いところで、窪みの開口部端部の高さの位置から7〜13mmであるのが好ましい。窪みの容積が20ml未満である場合、または深さが7mmに満たない場合には麺塊上から生卵(鶏卵1個を割卵して載せた場合)が脱落する可能性が生じ、容積が50mlを超える場合、または深さが13mmを超える場合では、麺塊全体を均一に乾燥させることが困難になり、また、熱湯を注加して調理する場合に、卵の直下や麺塊周縁部の麺線の湯戻りが悪くなる場合がある。特に好ましい窪みの容積は20〜35mlであり、特に好ましい深さは8〜10mmである。
また本発明は、当該即席麺が味付け油揚げ麺であれば、別添スープを麺塊上に開ける手間なく、またスープを掻き混ぜて生卵を壊してしまうことなく、ワンタッチで調理、喫食できる。
また、本発明の即席麺類の製造方法は、α化処理した麺線を、リテーナに投入して乾燥させる乾燥工程を含む即席麺類の製造方法であって、該リテーナが、底部および蓋部の少なくとも一方に、その中央部がリテーナ内方に向かって最も張り出した、断面円弧状または略三角形状である、若しくは、段階的に傾斜しかつ中央部分で断面円弧状または略三角形状である突出部を有する構造であることが好ましい。
このような形状のリテーナを用いて乾燥処理を行うことで、即席麺の麺塊天面に、麺塊天面周縁部近傍から天面中央部に向かって、天面中央部が最も深い形状の断面円弧状または略三角形状の窪み、もしくは段階的に傾斜しかつ中央部分で断面円弧状または略三角形状の窪み形設することができる。
さらに、本発明の即席麺類の製造方法は、前記リテーナは、底部又は蓋部のどちらか一方に、突出部を有する構造であり、前記乾燥工程中に、前記リテーナの突出部が垂直方向下側に位置するように、リテーナを油中に入れて油揚げ処理することが好ましい。
このようにリテーナの突出部が、油揚げ処理する時の垂直方向下側に位置するようにして油揚げ処理することで、麺線密度の低い側の麺塊天面に窪みを形設した即席油揚げ麺とすることができる。
また、さらに、本発明の即席麺類の製造方法は、前記リテーナは、底部又は蓋部のどちらか一方に、突出部を有する構造であり、前記乾燥工程中に、前記リテーナの突出部が垂直方向上側に位置するように、リテーナを乾燥庫内に入れて熱風乾燥、凍結乾燥、又は、低温で送風乾燥を行うことが好ましい。
このようにリテーナの突出部を、熱風乾燥、凍結乾燥、又は、低温で送風して乾燥する乾燥処理時の垂直方向上側に位置するようにして乾燥工程に処すことで、麺線密度の低い側の麺塊天面に窪みを形設した即席ノンフライ麺とすることができる。
本発明によれば、即席麺の麺塊天面に、麺塊天面周縁部近傍から麺塊天面中央部に向かって麺塊天面中央部が最も深い断面円弧状または三角形状の窪みを設けたので、調理喫食の際に、この窪みに生卵を脱落しないように割卵して載置することができる。また、このように、窪みが、中央部が最も深く、開口部が広く浅い構造であることから、載置した生卵が、麺塊天面のほぼ中央に黄身が配置され、さらに、そこから白身が広く拡がりを持った状態に仕上げられることができ、見栄えがよい。
また、生卵を麺塊上に広く拡げることができることで、熱湯注加によって調理する場合には、熱湯注加によるだけで生卵の白身が白くなるような調理が可能となり、白くなっていない部分に集中的に熱湯を掛けて調理することも可能である。また、生卵の直下に位置する麺の湯戻りへの悪影響も最小限に抑えられ、麺の復元性、ほぐれを改善することができる。特に、麺塊天面に形成する窪みが麺塊の麺線密度の低い側の面に形成されることで、生卵の直下に位置する部分の麺の復元性やほぐれが改善される。
また、本発明の即席麺を炊いて調理する麺とした場合、麺塊上に拡がった卵が落し蓋の役目を果し、掻き混ぜて調理しなくとも麺を均一に調理することができる。さらに、炊いて調理した麺を調理後に丼に移す際には、加熱変性した白身が麺線と弱く結合するために、卵を麺上に乗せたままの状態でうまく丼内に麺を移すことができ見栄えがよい。
本発明は、熱湯注加によって復元され、喫食可能となるタイプの味付け油揚げ麺に適用する場合が最も好ましい。これは、前述したような効果以外に、麺に味付けがされていることで、喫食前に小袋に別添されたスープを加えて掻き混ぜることを要さず、従って、喫食時においても、卵を麺塊の中央領域に載置したままで、見栄え良く、好みの時点で卵の黄身をつぶして喫食することができるためである。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の麺は、即席麺であって、油揚げ麺、ノンフライ麺(熱風乾燥麺、マイクロ波照射による乾燥麺、凍結乾燥麺、低温乾燥即席麺等)のいずれでもよい。そして、その製造方法は、それぞれの即席麺の常法によって製造することができる。
本発明の麺塊の一の形状は、開口部が広く中心部がもっとも深くなる断面円弧状または略三角形状の窪みを有するもので、具体的には図1、図2のような、すり鉢または丼鉢の底形状の窪みを有するものが好ましい。
また、本発明の麺塊の二の形状は、開口部が広く中心部がもっとも深くなる、段階的に傾斜し、かつ、麺塊天面中央部分で断面円弧状または略三角形状である窪みを有するもので、具体的には図3〜8のような形状の窪みを有するものが好ましい。
図3は、本発明の即席麺の一例の斜視図であり、図4は、図3のA−A面に沿った断面図である。
麺塊1において、麺塊天面2に、麺塊天面周縁部から10mm〜20mm程度内側の地点から麺塊天面中央の地点3bに向かって麺塊天面中央の地点3bが最も深い形状の窪み3が形設されている。
麺塊1は、麺塊天面2と平坦な円形状の裏面4とを有し、窪み3が形設されていなければ、麺塊天面2と裏面4とが平行である厚さの薄い略円柱形となる。
窪み3は、麺塊天面中央の地点3bが最も深い形状であるとともに、2段階で傾斜し、かつ、麺塊天面中央部分(最終段階)で断面略三角形状である。なお、窪み3は、開口部端部3cから角3aまで急激に一定角度で傾斜し、そして、角3aから麺塊天面中央の地点3bまでなだらかに一定角度で傾斜している。
また、図5は、本発明の即席麺の別の一例の斜視図であり、図6は、図5のB−B面に沿った断面図である。
麺塊11において、麺塊天面12に、麺塊天面周縁部近傍から麺塊天面中央部に向かって麺塊天面中央部が最も深い形状の窪み13が形設されている。
麺塊11は、麺塊天面12と平坦な円形状の裏面14とを有し、窪み13が形設されていなければ、麺塊天面12と裏面14とが平行である厚さの薄い略円柱形となる。
窪み13は、麺塊天面中央部が最も深い形状であるとともに、2段階で傾斜し、かつ、麺塊天面中央部分(最終段階)で断面円弧状である。なお、窪み13は、開口部端部から角13aまで急激に一定角度で傾斜し、そして、角13aから麺塊天面中央部まで断面円弧状で傾斜している。
また、図7は、本発明の即席麺の別の一例の斜視図であり、図8は、図7のC−C面に沿った断面図である。
麺塊21において、麺塊天面22に、麺塊天面周縁部近傍から麺塊天面中央の地点23bに向かって麺塊天面中央の地点23bが最も深い形状の窪み23が形設されている。
麺塊21は、麺塊天面22と平坦な四角形状の裏面24とを有し、窪み23が形設されていなければ、麺塊天面22と裏面24とが平行である弁当箱状の直方体となる。
また、上方から見ると、麺塊天面22は四角形状であり、開口部端部23cは円形状である。したがって、開口部端部23cは麺塊天面周縁部から10mm〜20mm程度内側に一部分を有しているが、四角形状の麺塊天面22の対角線上に位置する部分付近は麺塊天面周縁部近傍より内側にある。
窪み23は、麺塊天面中央の地点23bが最も深い形状であるとともに、2段階で傾斜し、かつ、麺塊天面中央部分(最終段階)で断面略三角形状である。なお、窪み23は、開口部端部23cから角23aまで垂直に降下し、そして、角23aから麺塊天面中央の地点23bまでなだらかに一定角度で傾斜している。
このように、段階的に傾斜していく窪みを有する即席麺塊とすれば、麺塊の厚さが極端に薄くなる部分をよりなくすことができるので、製造時において、油揚げムラ等を防止することができる。
また、麺塊全体の形状(外形)としては、熱湯注加や電子レンジによって調理する場合の麺塊を入れる丼の形状、あるいは、炊いて調理する場合の鍋の形状からして、窪みが形設されていないとすると、厚さの薄い(高さの低い)略円柱状が好ましいが、円錐台状や弁当箱状の直方体形状でも構わない。
麺塊上の窪みに生卵を載せるためには、窪みに生卵が逃げないような容積が必要であり、また、熱湯注加によって調理する場合には、調理をできるだけ充分に行えるように、窪みの開口部は広い方が好ましい。特に熱湯注加による場合は、窪みの開口部が狭く深さが深いと、生卵の直下に位置する麺の湯戻りが悪い場合があるが、広く浅くすることで、卵の直下の麺の湯戻りと卵の調理度合いを改善することができる。従って、断面円弧状または略三角形状である、若しくは、段階的に傾斜しかつ麺塊天面中央部分で断面円弧状または略三角形状である窪みの開口部が、麺塊天面のほぼ全面(完全に全面にしてしまうと開口部端部が衝撃で欠けやすくなるため、麺塊外周周縁部から数mm〜20mm程度内側に開口部端部が形成されているのが最も良く、ここでいう「ほぼ全面」にはこのようなものを含む)に形成されているのが好ましく、特に図1〜8のような麺塊天面中央部の深さが浅い開口部の広い窪みを有するものが最も好ましい。そして具体的には、麺塊が1食用である場合(製品の麺重量70〜150g程度)で1個の生卵(鶏卵を割卵して)を載置する場合、窪みの容積は20〜50ml、特に好ましくは20〜35ml程度がよく、麺塊天面中央部の一番深い部分の深さは7〜13mm、特に好ましくは8〜10mm程度がよい。
また、必要に応じて窪みを麺塊天面とその反対側(裏側)の面との両面に形成することもできる。このようにすれば麺塊に上下の区別なく取り扱うことができる。しかし、上下両面に窪みを形成すると麺塊天面中央部分の厚みが薄くなり、その場合、麺塊を均一に油揚げまたは乾燥させることが非常に困難になる可能性がある。
次に、本発明の即席麺の製造方法は、即席麺製造の常法によって製造することができ、前記のような窪みをその製造工程において、容易に製造することが可能である。例えば、油揚げ麺の場合、α化処理した麺線をフライ処理するリテーナの上面(蓋部)または下面(底部)を、もしくは場合によっては上面と下面の両方を、リテーナ内方に向かって突出した球面状、円錐形、三角錐状、あるいは、段階的に傾斜しかつ中央部分で断面円弧状または略三角形状である突出部を有する形状等の構造とする(球面状の事例のリテーナ断面図を図9に示す)。このような構造のリテーナに麺線を投入して油中でフライすると、フライ中に未だ柔軟性を有している麺線が、フライ処理によって乾燥して形状固定され、リテーナの突出部が窪んだ麺塊形状の即席麺となる。
ノンフライ麺の場合も油揚げ麺と同様に、乾燥工程に処す際の麺を収納するリテーナの上面または下面、もしくは上面と下面の両方に、リテーナ内方に向かって突出した球面状、円錐形、三角錐状、あるいは、段階的に傾斜しかつ中央部分で断面円弧状または略三角形状である突出部を有する形状等の構造とし、これを乾燥庫に入れて乾燥する。ただし、乾燥方法として、熱風乾燥処理や低温での送風乾燥処理を採用する場合には、麺線は柔軟性を有したまま長時間掛けて乾燥されるため、例えばリテーナに蓋をせずにこれらの乾燥工程に処し、乾燥工程中に前記のような突出部を有する部材を麺塊に押し当てて窪みを形成することもできる。
なお、前記のように即席麺の通常の製造工程中(乾燥工程中)に窪みを形成する方法以外に、窪みを形成せずに製造した即席麺に対して、別工程で窪みを形成させることもできる。例えば、窪みを形成せずに製造した即席麺塊を、蒸気中等で軟化させて麺線に柔軟性を付与し、この状態で窪みを形成するための型を押し付けて窪みを形成し、乾燥させて製造することもできる。
なお、麺塊に形設した窪みを有する面が、麺線の空隙の少ないできるだけ密な構造としたい場合には、油揚げ麺の場合には油槽中で上面となる側を、ノンフライ麺の場合には乾燥庫中で下面となる側のリテーナの面を、それぞれ内方に向かって突出した構造とすれば、当該部分に接触する側の麺線密度が高くなり、麺塊の窪みを有する面が空隙の少ない面となる。これは、油揚げ麺の場合には油脂中で麺線が水分を失って浮き上がるためにリテーナの上面側の麺線密度が高くなるためであり、ノンフライ麺の場合には重力によってリテーナの下面側の麺線密度が高くなるためである。しかし、生卵を麺塊に載置する場合、生卵の直下の麺線密度が高いと、この部分の湯戻りが悪くなる傾向があるので、麺線密度の低い側に窪みを形成するのが好ましい。
本発明の麺塊において、熱湯注加によって喫食可能な味付け油揚げ麺に使用する場合が、麺塊の窪みに生卵を載置した後熱湯注加するだけで、スープの掻き混ぜ操作も必要とせず、ワンタッチで喫食できるために最も適している。しかし、スープが小袋に別添された方式の麺であっても、また、ノンフライ麺であっても適用可能である。また、熱湯注加によらない場合でも、例えば炊いて調理する場合や電子レンジで調理する場合でも適用可能であり、その場合でも調理中に掻き混ぜる操作をしなければ、窪み上に載置した卵が脱落することがなく、また、麺塊上に広く拡がって見た目が良い。
また、本発明の麺塊の窪みに載置する具としては、前述のように生卵の場合が最も有効であるが、生卵としては鶏卵以外にアヒルの卵の他、固形でない流動性を有する具にも好適に使用でき、例えば、やまかけそばにおけるとろろ芋や、あんかけの葛餡等にも適用できる。
本発明を実験例、実施例に基づいて、以下に具体的に説明するが、本発明は、これら実験例、実施例の開示に基づいて限定的に解釈されるべきでない。
[製造例1]
小麦粉950gに澱粉50gを粉体混合し、これに食塩8g、かんすい(炭酸ナトリウム:炭酸カリウム=2:1)4g、ポリリン酸ナトリウム1gを溶解した練り水340mlを加えてミキサーで約15分間混練してドウを形成した。これを麺帯化し、圧延機で0.7mmに圧延し、角刃20番で切り出して麺線とし、約2分間蒸し器で蒸して、1000mlの水に対して食塩100g、グルタミン酸ソーダ50g、醤油150mlを溶かした着味液に約5秒浸漬した後、次いで1食分135gずつにカットした。
カットした麺線を、下記の比較例1と実施例1に係るフライリテーナに充填して、これらの麺線(1食分135g)を充填した各フライリテーナをフライリテーナ上面(蓋部)を上にして150℃のパーム油に約2分半投入してフライ処理した。フライした麺塊をフライ後すぐに冷風を当てて冷却し、比較例1は窪みを有さない味付け油揚げ麺塊とし、実施例1は断面円弧状、麺塊天面中央部深さ8mmの窪みを有する味付け油揚げ麺塊とした。いずれも、製品の麺重量は約90gであった。
比較例1に係るフライリテーナ(窪みなし):上面(蓋部)の内径が112mm、下面(底部)の内径が110mm、高さが30mmである略円筒型のフライリテーナ
実施例1に係るフライリテーナ(基本型):上面(蓋部)の内径が112mm、下面(底部)の内径が110mm、高さが33mmであり、麺塊に窪みの容積27mlとなるような断面円弧状の突出部(突出部の端部直径85mm、断面円弧状部分のR150mm(ただし、窪みの開口部端部付近のRを強くなるようにした)、中央部の深さ8mm)を下面(底部)に有する(図9参照)。
なお、本発明で、内径とは、内側部分の直径のことをいい、Rとは、円弧状部分の曲率半径のことをいう。
[実験例1]
前記製造例1で製造した比較例1、実施例1の各油揚げ麺塊を、直径18cmの磁器製の丼に入れ(実施例1の油揚げ麺塊は窪みを有する面を上にして)、温度8〜9℃、約55gの生卵(殻なし重量、鶏卵サイズL)を、比較例1の油揚げ麺塊は麺塊天面中央に、実施例1の油揚げ麺塊は窪みの中央(麺塊天面中央)に割卵して載置した。これに沸騰した湯をやかんで卵の上から回し掛けるようにして400ml注湯し、蓋をして3分間調理(放置)した。
比較例1の油揚げ麺の場合、麺塊がわずかでも傾いている場合には生卵は麺塊上から滑落してしまい、水平に置いても湯を掛ける際に細心の注意をもってしなければ、麺塊の中央領域からかなりの確率で逸脱した。まれに、麺塊上に生卵が載置されて、これに熱湯を徐々に注湯できる場合は、白身が白くほぼ固まった状態にすることができたが、卵が麺塊上から逸脱した場合は白身はあまり白くならず、見た目も悪いものであった。これに対して、実施例1の油揚げ麺の場合は、ゆっくり熱湯を掛けることだけに留意すれば、比較例1の油揚げ麺の場合のような細心の注意を払わずに熱湯を注湯でき、卵は麺塊の中央領域に載置された。また、卵は白身がほぼ固まった状態で、見た目、食味とも目的とする調理にかなうものであった。
[実験例2]
前記製造例1で製造した比較例1、実施例1の各油揚げ麺塊を420mlの沸騰水を入れた直径16cm鍋に入れ、これらの麺塊天面中央部に温度約9℃、約55gの生卵(殻なし重量 鶏卵サイズL)を割卵して素早く載置し、掻き混ぜずに1分間炊いて調理した。比較例1の油揚げ麺の場合は、麺塊上に卵を維持することは極めて困難であったが、実施例1の油揚げ麺の場合は、卵が中央領域に保持された。このように調理した麺を調理後鍋から丼に移したが、実施例1の油揚げ麺の場合には、麺塊の中央領域に卵が保持された状態で丼に移すことができ、見た目の良好なものが得られた。これは熱変性によって固まった白身が麺塊と弱く結合することによって、卵と麺塊を一体化させられるためと考えられる。
また、鍋で調理する場合、実施例1の油揚げ麺は生卵が麺塊上に広く拡がっている状態であるので、卵が落とし蓋のように働き、調理中に掻き混ぜなくても均一に調理することができたが、比較例1の油揚げ麺において卵が調理中に麺塊上から落下した場合は、卵が落とし蓋の役目を果さず、掻き混ぜないと調理が均一にできない場合があった。ここで、麺を掻き混ぜてしまうと、出来上がりの見た目の悪いものとなる。
[実験例3]
実施例1に係るフライリテーナに替えて、以下の実施例2、3に係るフライリテーナを作製し、フライリテーナが異なること以外は全て前記製造例1と同様に操作して、実施例2及び実施例3の味付け油揚げ麺塊を得た。
実施例2に係るフライリテーナ(浅形):上面(蓋部)の内径が112mm、下面(底部)の内径が110mm、高さが32mmであり、麺塊に窪みの容積が17mlとなるような断面円弧状の突出部(突出部の端部直径86mm、断面円弧状部分のR135mm、中央部の深さ6.5mm)を下面(底部)に有する。
実施例3に係るフライリテーナ(深形):上面(蓋部)の内径が112mm、下面(底部)の内径が109mm、高さが34mmであり、麺塊に窪みの容積が67mlとなるような断面円弧状の突出部(突出部の端部直径109mm(窪みの開口部端部が麺塊の側面(麺塊天面周縁部)にある形状)、断面円弧状部分のR113mm、中央部の深さ14mm)を下面(底部)に有する。
得られた味付け油揚げ麺塊を、実験例1の油揚げ麺と同様にして、熱湯を生卵の上から注いで調理した結果、実施例2の油揚げ麺では、卵の黄身は麺塊のほぼ中央に載置されたが、白身の一部が麺塊上からこぼれるものが見られ、実施例1の油揚げ麺の出来上がりに比べて見栄えが若干劣ると共に、麺塊上からこぼれた部分の白身の変性がやや不充分なものが見られた。このことから、生卵を載置する場合の窪みの容積としては、好ましくは20ml程度以上、窪みの深さは7mm程度以上が良いように思われた。
一方実施例3の油揚げ麺では、出来上がりは実施例1の油揚げ麺に比べて、卵の直下の麺線のほぐれ、戻りが若干劣る傾向が見られた。また、窪みの中央部が深くなると白身があまり拡がらずに、注湯後卵の重さによって麺塊中央部がやや沈み麺塊周縁部が浮かび上がる傾向が見られ、そのために麺塊周縁部の湯戻りが若干不足気味のものが見られた。また、窪みの開口部端部が壊れやすく移送中での麺塊の割れの心配が否定できない。これらのことから、窪みの容積は、好ましくは50ml程度以下、窪みの深さは13mm程度以下が良いように思われた。
[実験例4]窪みが有る面の麺線密度と窪みの中央部の深さとの検討
実施例1に係るフライリテーナに替えて、以下の実施例4、5に係るフライリテーナを作製し、当該フライリテーナを使用したこと以外は全て前記製造例1(なお、フライ処理はフライリテーナの上面(蓋部)を上にして行った)と同様に操作して、実施例4、5の味付け油揚げ麺塊を得た。
実施例4に係るフライリテーナ(蓋部突出形):上面(蓋部)の内径が112mm、下面(底部)の内径が109mm、高さが32mmであり、麺塊に窪みの容積27mlとなるような断面円弧状の突出部(突出部の端部直径85mm、断面円弧状部分のR150mm(ただし、窪みの開口部端部付近のRを強くなるようにした)、中央部の深さ8mm)を上面(蓋部)に有する。
実施例5に係るフライリテーナ(やや深形):上面(蓋部)の内径が112mm、下面(底部)の内径が109mm、高さが33mmであり、麺塊に窪みの容積が33.7mlとなるような断面円弧状の突出部(突出部の端部直径81mm、断面円弧状部分のR140mm、中央部の深さ10.0mm)を下面(底部)に有する。
得られた実施例4、5の油揚げ麺塊と、実施例1の油揚げ麺塊とを用いて、下述する評価を行い、その結果を表1に示す。
(1)白身、黄身とも正確に載置されたもの
予め割卵した同一採卵日の冷蔵した約55gの生卵(殻なし重量、鶏卵サイズL)1個を直径6cmの半球状の容器に入れ、該容器下面から麺塊の窪みを有する面までの距離を16cm(普通生卵を割卵する場合は数cmである)として、該容器の真下に麺塊の窪み中央が来るように、麺塊を水平に置いて該容器から生卵を落下させた。試験はそれぞれ10回づつ行った。そのとき、黄身、白身とも麺塊上にきれいに拡がって載置されたときの回数を数えた。
なお、本実験は高さ16cmからの落下という非常に厳しい条件での試験となる。
(2)調理状況
麺塊を、直径18cmの磁器製の丼に入れ、温度8〜9℃、約55gの生卵(殻なし重量、鶏卵サイズL)を、窪みの中央(麺塊天面中央)に割卵して載置した。これに沸騰した湯をやかんで卵の上から回し掛けるようにして400ml注湯し、蓋をして3分間調理(放置)した。そのときの外観を評価した。
○:卵が麺塊の中央領域に広く拡がり、見栄えがよい
×:調理に際して卵の白身の一部が麺塊上から脱落したものがある
(3)復元状況
麺塊を、直径18cmの磁器製の丼に入れ、温度8〜9℃、約55gの生卵(殻なし重量、鶏卵サイズL)を、窪みの中央(麺塊天面中央)に割卵して載置した。これに沸騰した湯をやかんで卵の上から回し掛けるようにして400ml注湯し、蓋をして3分間調理(放置)した。放置後、麺を喫食し、評価した。
◎:麺線の復元性及びほぐれが特によかった
○:麺線の復元性及びほぐれがよかった
△:卵の直下の麺線の復元性及びほぐれが悪かった
×:全域の麺線の復元性及びほぐれが悪かった
Figure 2004337156
「白身、黄身とも正確に載置されたもの」の評価の際、黄身が麺塊上から脱落したものはいずれの場合も無かった。しかし、実施例1、4の油揚げ麺塊では白身の一部が脱落したものが7件、実施例5の油揚げ麺塊では4件あり、残りは全て黄身、白身とも麺塊上にきれいに拡がって載置された。
また、「調理状況」の結果では、ほとんど差はなかった。
一方、「復元状況」の結果より、下面(底部)に突出部があるフライリテーナで上面(蓋部)を上にしてフライ処理した(窪みが麺線密度の低い側の面にある)実施例1の油揚げ麺では、麺線の復元性及びほぐれは特に良好であった。
しかしながら、突出部をリテーナの蓋面側に設け(麺塊上の窪みが実施例1の油揚げ麺塊に対して反対側にあり、麺線密度の高い面に窪みを有するものが製造される)窪みのサイズを実施例1に係るフライリテーナと同じにした実施例4に係るフライリテーナで処理した(麺塊上の窪みが麺線密度の高い側の面にある)油揚げ麺については、実施例1の油揚げ麺と比較して、卵黄の直下の麺線の湯戻り、ほぐれが悪くなる傾向が見られた。
したがって、本実験では、窪みの深さ8mmである実施例1の油揚げ麺が卵黄の直下の麺線の湯戻りが良く、復元状況の点では最も良いように感じられた。しかし、割卵して生卵を麺塊上に載せやすい利点からすれば、深さ10mmである実施例5の油揚げ麺が有利であり、窪みの深さは8〜10mmが特に良好であると思われた。
[実験例5]窪みの形状の検討
実施例1に係るフライリテーナに替えて、以下の実施例6及び比較例2に係るフライリテーナを作製し、当該フライリテーナを使用したこと以外は全て前記製造例1(なお、フライ処理はフライリテーナの上面(蓋部)を上にして行った)と同様に操作して、実施例6及び比較例2の味付け油揚げ麺塊を得た。
実施例6に係るフライリテーナ(ブフナーロート型):上面(蓋部)の内径が112mm、下面(底部)の内径が109mm、高さが32mmであり、麺塊に窪みの容積が23.8mlとなるような断面ロート状の突出部(突出部の端部直径73mm、端部から深さ6mmまで45°の傾斜で、その後、深さ6.0mmから9.0mmまで5.5°の傾斜、中央部の深さ9.0mm)を下面(底部)に有する。
比較例2に係るフライリテーナ(皿底型):上面(蓋部)の内径が112mm、下面(底部)の内径が109mm、高さが32mmであり、麺塊に窪みの容積が27.9mlとなるような断面皿底状の突出部(突出部の端部直径76mm、端部から深さ8mmまで45°の傾斜で、その後、平面状)を下面(底部)に有する(図9参照)。
得られた実施例6及び比較例2の油揚げ麺塊と、実施例1、5の油揚げ麺塊とを用いて、上述した実験例4に順じて(1)白身、黄身とも正確に載置されたもの及び(2)調理状況で評価を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2004337156
「白身、黄身とも正確に載置されたもの」の評価の際、黄身が麺塊上から脱落したものはいずれの場合も無かった。しかし、実施例1の油揚げ麺塊では白身の一部が脱落したものが7件、実施例5の油揚げ麺塊では4件、実施例6の油揚げ麺塊では3件、比較例2の油揚げ麺塊では7件あり、残りは全て黄身、白身とも麺塊上にきれいに拡がって載置された。従って、ブフナーロート型窪みを有する実施例6の油揚げ麺塊が最も載置しやすく特に良好であると言える。
また、窪みの底部が平面状である比較例2の油揚げ麺塊では、卵の載置に特に問題がないが、黄身の中心が麺塊天面のほぼ中央に載置されない場合や、熱湯を掛ける際(「調理状況」の評価)に黄身や白身が逃げて調理中に白身が麺塊上からこぼれる場合があった。
なお、「白身、黄身とも正確に載置されたもの」の評価は本実験例及び実施例4では、高さ16cmからの落下という非常に厳しい条件での試験であり、通常の割卵による載置では、いずれの実施例の油揚げ麺塊でも特に問題ないと思われる。
[製造例2]
小麦粉(中力粉)850gに澱粉(タピオカ)150gを粉体混合し、これに食塩20g、かんすい(炭酸ナトリウム:炭酸カリウム=2:1)3g、ポリリン酸ナトリウム1gを溶解した練り水350mlを加えてミキサーで約15分間混練してドウを形成した。これを麺帯化し、圧延機で1.0mmに圧延し、角刃20番で切り出して麺線とし、約2分間蒸し器で蒸して、1000mlの水に対して食塩30g、グルタミン酸ソーダ7gを溶かした着味液約60℃に約5秒浸漬した後、次いで1食分135gずつにカットした。
カットした麺線を、下記の実施例7に係るリテーナに充填して、これらの麺線(1食分135g)を充填したリテーナをリテーナ下面(底部)を下にして乾燥庫内に入れて80℃約45分間熱風乾燥を行った。熱風乾燥した麺塊をすぐに冷風を当てて約1分間冷却し、断面円弧状、麺塊天面中央部深さ8mmの窪みを有する味付け油揚げ麺塊とした。製品の麺重量は約74gであった。
実施例7に係るリテーナ:上面(蓋部)の内径が142mm、下面(底部)の内径が117mm、高さが30mmであり、麺塊に窪みの容積27mlとなるような断面円弧状の突出部(突出部の端部直径85mm、断面円弧状部分のR150mm(ただし、窪みの開口部端部付近のRを強くなるようにした)、中央部の深さ8mm)を下面(底部)に有する。
[実験例6]
実施例7のリテーナを用いて製造例2で製造した熱風乾燥麺(ノンフライ麺)麺塊を、丼型のスチロール製容器に入れ(窪みを有する面を上にして)、温度8〜9℃、約55gの生卵(殻なし重量、鶏卵サイズL)を、窪みの中央(麺塊天面中央)に割卵して載置した。これに沸騰した湯をやかんで卵の上から回し掛けるようにして490ml注湯し、蓋をして4分間調理(放置)した。
その結果、実施例7の熱風乾燥麺は、ゆっくり熱湯を掛けることだけに留意すれば、細心の注意を払わずに熱湯を注湯でき、卵は麺塊の中央領域に載置された。また、卵は白身がほぼ固まった状態で、見た目に問題はなかった。
本発明の実施形態に係る麺塊の概略斜視図である。 本発明の別の実施形態に係る麺塊の概略斜視図である。 本発明の別の実施形態に係る麺塊の概略斜視図である。 図3のA−A面に沿った断面図である。 本発明の別の実施形態に係る麺塊の概略斜視図である。 図5のB−B面に沿った断面図である。 本発明の別の実施形態に係る麺塊の概略斜視図である。 図7のC−C面に沿った断面図である。 本発明の実施形態の麺塊を製造するための油揚げ用リテーナの断面図である。 比較例に係る麺塊を製造するための油揚げ用リテーナの断面図である。
符号の説明
1、11、21 麺塊
2、12、22 麺塊天面
3、13、23 窪み
4、14、24 裏面

Claims (13)

  1. 即席麺の麺塊において、麺塊天面に、該麺塊天面周縁部近傍から麺塊天面中央部に向かって麺塊天面中央部が最も深い形状の断面円弧状または略三角形状の窪みを形設したことを特徴とする即席麺
  2. 即席麺の麺塊において、麺塊天面に、該麺塊天面周縁部近傍から麺塊天面中央部に向かって麺塊天面中央部が最も深い形状の窪みを形設し、
    前記窪みは、段階的に傾斜し、かつ、麺塊天面中央部分で断面円弧状または略三角形状であることを特徴とする即席麺
  3. 前記窪みが、生卵を割卵して載置するための窪みであることを特徴とする請求項1または2に記載の即席麺
  4. 前記麺塊の最も薄い部分の厚さは、麺塊天面とその反対側面との最長距離に対して50%以上である請求項1から3のいずれかに記載の即席麺
  5. 前記窪みが、麺線密度の低い側の面に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の即席麺
  6. 前記麺塊が1食用の麺塊であり、前記窪みの容積が20〜50mlであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の即席麺
  7. 前記麺塊が1食用の麺塊であり、前記窪みの深さが窪みの中央部となる最も深い位置で7〜13mmであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の即席麺
  8. 前記即席麺が、熱湯注加によって復元され、喫食可能となる味付け油揚げ麺であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の即席麺
  9. 即席麺の麺塊において、麺塊天面周縁部近傍から麺塊天面中央部に向かって麺塊天面中央部が最も深い断面円弧状または略三角形状の窪みが形設された即席麺であって、該窪みに生卵を割卵して載置され、載置された生卵上に熱湯を注加されて、復元調理して喫食されることを特徴とする即席麺
  10. 即席麺の麺塊において、麺塊天面に、該麺塊天面周縁部近傍から麺塊天面中央部に向かって麺塊天面中央部が最も深い形状の窪みを形設し、前記窪みは、段階的に傾斜し、かつ、麺塊天面中央部分で断面円弧状または略三角形状である即席麺であって、該窪みに生卵を割卵して載置され、載置された生卵上に熱湯を注加されて、復元調理して喫食されることを特徴とする即席麺
  11. α化処理した麺線を、リテーナに投入して乾燥させる乾燥工程を含む即席麺類の製造方法であって、
    該リテーナが、底部および蓋部の少なくとも一方に、その中央部がリテーナ内方に向かって最も張り出した、断面円弧状または略三角形状である、若しくは、段階的に傾斜しかつ中央部分で断面円弧状または略三角形状である突出部を有する構造であることを特徴とする即席麺類の製造方法
  12. 前記リテーナは、底部又は蓋部のどちらか一方に、突出部を有する構造であり、
    前記乾燥工程中に、リテーナの突出部が垂直方向下側に位置するように、リテーナを油中に入れて油揚げ処理する請求項11に記載の即席麺類の製造方法
  13. 前記リテーナは、底部又は蓋部のどちらか一方に、突出部を有する構造であり、
    前記乾燥工程中に、前記リテーナの突出部が垂直方向上側に位置するように、リテーナを乾燥庫内に入れて熱風乾燥、凍結乾燥、又は、低温で送風乾燥を行う請求項11に記載の即席麺類の製造方法
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