JP2004337067A - スピニングリールのリアドラグ発音機構 - Google Patents

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【課題】スピニングリールのリアドラグ発音機構において、歯切れの良いクリック音およびメリハリのあるクリック感を得られるようにする。
【解決手段】リアドラグ発音機構は、音出し凹部71と、装着凹部72と、音出しピン73と、付勢手段74とを備えている。音出し凹部71は、レバー装着部52の外周面とレバー部材51の内周面とのいずれか一方に周方向に間隔を隔てて形成されている。装着凹部72は、音出し凹部71に対向する位置でレバー装着部52の外周面とレバー部材51の内周面とのいずれか他方に形成されている。音出しピン73は、装着凹部72に進退自在に装着されており、音出し凹部71に係合している。付勢手段74は、装着凹部72に配置されており、音出しピン73を音出し凹部71側に付勢している。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リアドラグ発音機構、特に、スピニングリールのリール本体後部に設けられた筒状のレバー装着部とレバー装着部の外周に所定の揺動範囲で揺動自在に装着される筒状のレバー部材との間に配置され、レバー部材を揺動させることにより発音するスピニングリールのリアドラグ発音機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のリアドラク式のスピニングリールでは、スピニングリールのリール本体後部に設けられた筒状のつまみ装着部の外周に、筒状のレバー部材と有底筒状のつまみ部材とが装着されたものがある。レバー部材はつまみ装着部に所定の揺動範囲で揺動自在に装着されており、つまみ部材はレバー部材の後方に開口部側を近接させてつまみ装着部に回転自在に装着されている。この種のスピニングリールでは、つまみ装着部とレバー部材との間に、リアドラグ発音機構が配置されることがある(たとえば、特許文献1参照)。このリアドラグ発音機構は、音出し部材と弾性板とを備えている。音出し部材は、環状に形成されており、外周面に複数の凹凸が形成されている。この音出し部材は、つまみ装着部の外周面に取り付けられている。弾性板は、一端がレバー部材に装着されており、他端が音出し部材の凹凸に係合している。このようなリアドラグ発音機構では、レバー部材を揺動させると、弾性板の一端がレバー部材に支持された状態で、弾性板の他端側が凸部側面に当接しながら撓まされる。そして、弾性板の他端が凸部を乗り越えて隣接した凸部側面に衝突して繰り返し発音するようになっている。
【0003】
【特許文献1】
実公平3−5259(第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスピニングリールのリアドラグ発音機構では、弾性板を凸部によって撓ませて隣接した凸部に衝突させることにより発音するようになっている。このため、弾性板が凸部に衝突したときに振動したりして、クリック音が明確に現れにくい。特に、レバー部材の微調整をしやすくするために凸部間のピッチが細かく設定されると、弾性板の撓みが小さくなり、弾性板が凸部に衝突したときの音も小さくなる。すると、レバー部材を揺動させたときにクリック音が現れにくくなる。また、凸部間のピッチが細かく設定されて弾性板の撓みが小さくなると、レバー部材を揺動させたときの操作感が細かなものとなり、クリック感を体感しにくくなる。このような弾性板を用いたリアドラグ発音機構では、凸部間のピッチが細かく設定されればされるほど、歯切れの良いクリック音やメリハリのあるクリック感を得にくくなる。
【0005】
本発明の課題は、スピニングリールのリアドラグ発音機構において、歯切れの良いクリック音およびメリハリのあるクリック感を得られるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明1に係るスピニングリールのリアドラグ発音機構は、リール本体後部に設けられた筒状のレバー装着部とレバー装着部の外周に所定の揺動範囲で揺動自在に装着される筒状のレバー部材との間に配置され、レバー部材を揺動させることにより発音するリアドラグ発音機構であって、音出し凹部と、装着凹部と、音出しピンと、付勢手段とを備えている。音出し凹部は、レバー装着部の外周面とレバー部材の内周面とのいずれか一方に、揺動範囲に応じて周方向に間隔を隔てて形成されている。装着凹部は、音出し凹部に対向する位置でレバー装着部の外周面とレバー部材の内周面とのいずれか他方に形成されている。音出しピンは、装着凹部に進退自在に装着されており、音出し凹部に係合している。付勢手段は、装着凹部に配置されており、音出しピンを音出し凹部側に付勢している。
【0007】
このスピニングリールのリアドラグ発音機構は、レバー装着部とレバー部材との間に配置される。複数の音出し凹部は、レバー装着部の外周面とレバー部材の内周面とのいずれか一方に、揺動範囲に応じて周方向に間隔を隔てて設けられる。音出しピンと付勢手段とは、レバー装着部の外周面とレバー部材の内周面とのいずれか他方に形成された装着凹部に配置される。このとき、付勢手段は、音出しピンを音出し凹部側に付勢し、音出しピンを音出し凹部に係合させている。
【0008】
ここでは、音出しピンが、レバー装着部の外周面とレバー部材の内周面とのいずれか一方に形成された装着凹部に配置され、付勢手段によってレバー装着部の外周面とレバー部材の内周面とのいずれか他方に形成された音出し凹部に係合している。すると、レバー部材を揺動させたときに、音出しピンを音出し凹部に繰り返し衝突させて発音させることができる。このとき、音出しピンが音出し凹部に確実に係合できるように、付勢手段が音出しピンを常に音出し凹部側に付勢している。これにより、音出し凹部の間隔を変化させても音出しピンを音出し凹部に確実に当接させて発音させることができ、歯切れの良いクリック音およびメリハリのあるクリック感を得ることができる。
【0009】
発明2に係るスピニングリールのリアドラグ発音機構は、発明1に記載のスピニングリールのリアドラグ発音機構において、音出し凹部がレバー部材の内周面に形成されており、装着凹部がレバー装着部の外周面に形成されている。この場合、レバー装着部の外周側に配置されたレバー部材に音出し凹部を形成したことで、音出しピンがレバー部材の音出し凹部に衝突すると、クリック音はレバー部材側で発せられ、クリック音はリール内部にこもりにくくなる。これにより、より歯切れの良いクリック音を得ることができる。
【0010】
発明3に係るスピニングリールのリアドラグ発音機構は、発明1又は2に記載のスピニングリールのリアドラグ発音機構において、音出しピンは、先端が滑らかな凸状の頭部と、頭部に連続して形成され頭部より大径の受け部と、受け部に連続して形成され受け部より小径の軸部とを有している。この場合、軸部の外周側に付勢手段を配置して、付勢手段の一端を底部に他端を受け部に当接させる。これにより、音出しピンが音出し凹部側に付勢される。このとき、受け部の外周面は、装着凹部の内周面に沿って軸方向に移動する。この音出しピンの頭部は受け部より小径であるため、頭部に対向した位置に形成される音出し凹部の間隔を小さくすることができる。これにより、発音間隔が短い歯切れの良いクリック音を出すことができる。そして、レバー部材を揺動させたときのクリック感もメリハリのある細かなものにすることができる。なお、受け部の外周面が装着凹部の内周面に沿って軸方向に移動するようにしたことで、音出しピンの挙動が安定するので、音出し凹部の間隔を小さくしても、クリック音およびクリック感が明確に現れるようになる。
【0011】
発明4に係るスピニングリールのリアドラグ発音機構は、発明3に記載のスピニングリールのリアドラグ発音機構において、装着凹部の底部に嵌合穴が形成されている。この嵌合穴に音出しピンの軸部が軸方向に摺動自在に嵌合されている。この場合、装着凹部の嵌合穴に音出しピンの軸部が嵌合されることで、音出しピンを装着凹部内で軸方向に安定して摺動させることができる。これにより、音出しピンの頭部を音出し凹部により確実に係合させることができ、歯切れの良いクリック音およびメリハリのあるクリック感を安定して得ることができる。
【0012】
発明5に係るスピニングリールのリアドラグ発音機構は、発明3に記載のスピニングリールのリアドラグ発音機構において、付勢手段が音出しピンの軸部の外周側に配置されたコイルばねからなっている。この場合、音出しピンの外周側にコイルばねを配置して、コイルばねを圧縮した状態でコイルばねの一端を装着凹部の底部に当接させる。このコイルばねによって、音出しピンが、音出し部材の音出し凹部側に付勢されて、音出し凹部に係合される。このような付勢手段を用いると、装着凹部内の音出しピンのがたつきをコイルばねによって低減することができる。これにより、音出しピンをコイルばねの付勢力によって音出し凹部にスムーズに係合させることができるとともに、歯切れの良いクリック音およびメリハリのあるクリック感を得ることができる。
【0013】
発明6に係るスピニングリールのリアドラグ発音機構は、発明1から5のいずれかに記載のスピニングリールのリアドラグ発音機構において、音出し凹部が、軸方向に延びた溝状に形成されている。この場合、レバー部材を揺動させたとき、レバー部材がレバー装着部に対して軸方向に移動したとしても、音出しピンを音出し凹部に係合させることができる。このような音出し凹部を周方向に所定の間隔で設けることで、レバー部材の軸方向および周方向への移動に対して、音出しピンを音出し凹部に安定して係合させることができる。これにより、歯切れの良いクリック音およびメリハリのあるクリック感を安定して得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
〔スピニングリールの構成〕
図1に、本発明の一実施形態によるスピニングリールを示す。
スピニングリールは、図1に示すように、主に、ハンドル10を回転自在に支持するリール本体1と、ロータ2と、スプール3と、つまみ部材50およびレバー部材51とを備えている。
【0015】
リール本体1は、リールボディ1aと、リールボディ1aから上方に延びる竿取付脚部1bとを有している。リールボディ1aの内部には収納空間が形成されている。この収納空間にはロータ2をハンドル10の回転に連動して回転させるロータ駆動機構5と、スプール3を前後に移動させて釣り糸を均一に巻き取るためのオシレーティング機構6とが設けられている。リールボディ1aの後部には、つまみ装着部52が筒状に一体に形成されている。つまみ装着部52には、図2に示すように、後部内周面に第1雌ねじ部52aと、中央部外周面に第3雄ねじ部52eとが形成されている。この第3雄ねじ部52eの後方には、環状の第1および第2環状溝52c,52dが所定の間隔を隔てて形成されている。そして、第3雄ねじ部52eの前方には、レバー部材51の回転方向の位置決めをするための位置決め凹部96がつまみ装着部52上部に設けられている。位置決め凹部96は、回転方向の両側面が底部側から開口側に向けて末広がりテーパ状に形成されている。また、第3雄ねじ部52eの前方には、後述する第2音出しピン73と第2コイルばね(付勢手段)74とを配置するための第2装着凹部72が、つまみ装着部52側部に設けられている。また、つまみ装着部52には、後端面に周方向に所定の間隔を隔てて複数の係合凹部52bが形成されている。
【0016】
ロータ2は、リール本体1の前部に回転自在に支持されている。ロータ2は、図1に示すように、ロータ円筒部30と、第1ロータアーム31および第2ロータアーム32とを有している。第1および第2ロータアーム31,32は、ロータ円筒部30の側方に互いに対向して設けられている。ロータ円筒部30と第1および第2ロータアーム31,32とは、たとえばアルミニウム合金製であり、ロータ円筒部30に一体に成形されている。第1および第2ロータアーム31,32は、ロータ円筒部30の周面上に周方向に広がりをもたせて接続させている。そして、ロータ円筒部30から外方に突出して湾曲しながら前方に延びている。第1ロータアーム31は、先端に第1ベール支持部材40が揺動自在に装着されている。そして、第1ベール支持部材40の先端に、釣り糸をスプール3に案内するためのラインローラ41が装着されている。第2ロータアーム32は、先端に第2ベール支持部材42が揺動自在に装着されている。ラインローラ41と第2ベール支持部材42との間には、線材を略U状に湾曲させた形状のベール43が固定されている。このように、第1ベール支持部材40及び第2ベール支持部材42、ラインローラ41、ベール43によって、釣り糸をスプール3に案内するベールアーム44が構成される。ベールアーム44は、図1に示す糸案内姿勢とそれから反転した糸開放姿勢との間で揺動自在である。
【0017】
ロータ駆動機構5は、図1に示すように、ハンドル10が連結されたハンドル軸10aとともに回転するフェースギア11と、フェースギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。ピニオンギア12は、筒状に形成されており、軸方向の中間部と後端部とがそれぞれ軸受14a、14bを介してリール本体1に回転自在に支持されている。また、ピニオンギア12の前部はロータ2の中心部を貫通してスプール3側に延びている。ピニオンギア12の中心部には、スプール軸14が回転軸芯に沿って前後方向に摺動自在に貫通している。
【0018】
スプール3は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、図1に示すように、ロータ2の前部に前後移動自在に装着されている。スプール3は、スプール本体7と、鍔部8と、鍔部固定部材9とで構成されている。スプール本体7は、糸巻胴部4aとスカート部4bとを有している。糸巻胴部4aは、筒状に形成されており、外周に釣り糸が巻き付けられる。スカート部4bは、糸巻胴部4aの外径より大径に形成され、糸巻胴部4aの後部に一体成形されている。鍔部8は、糸巻胴部4aの前部に装着されており、鍔部固定部材9によってスプール本体7に固定されている。
【0019】
オシレーティング機構6は、図1に示すように、スプール3に連結されたスプール軸14を前後方向に移動させて、スプール3を同方向に移動させるための機構である。オシレーティング機構6は、スプール軸14の下方に平行に配置された螺軸15と、螺軸15に沿って前後方向に移動するスライダ16と、スプール軸に平行に配置されたガイド軸(図示しない)と、螺軸15の先端に固定された中間ギア(図示しない)とを有している。スライダ16は、スプール軸14に回転不能に装着されている。
【0020】
リアドラグ機構45は、スプール3にドラグ力を作用させるための機構である。このリアドラグ機構45は、図2に示すように、長円筒状の第1ブッシュ18と、複数の摩擦プレート19a,20aからなる第1および第2摩擦係合部19,20と、第1摩擦係合部19の摩擦プレート19aを押圧するための押圧用コイルばね21および第1押圧部材22と、第2摩擦係合部20の摩擦プレート20aを押圧するための第2押圧部材25とから構成されている。
【0021】
第1ブッシュ18は、外周面が互いに平行に面取りされた筒状に形成されている。第1ブッシュ18の前部内周には、第2ブッシュ18aが第1ブッシュ18に対して回転不能かつ摺動不能に嵌合されている。第2ブッシュ18aも、外周面が互いに平行に面取りされた筒状に形成されている。この第2ブッシュ18aは、たとえば摺動性能の高い合成樹脂製からなっており、内周にスプール軸14が回転不能かつ摺動自在に嵌め込まれている。このように、第1ブッシュ18とスプール軸14との間に、摺動性能の高い第2ブッシュ18aを配置することで、スプール軸14は滑らかに摺動することが可能になる。
【0022】
第1ブッシュ18後部の外周面上には、フランジ部23が設けられている。そして、フランジ部23の前後に、第1摩擦係合部19の摩擦プレート19aが配置される。第1摩擦係合部19の後部には、押圧用コイルばね21が配置されている。そして、押圧用コイルばね21の後部には、第1押圧部材22が直列に連結される。この第1押圧部材22の前部22aは、円筒状に形成されており、外周面に第1雄ねじ部22bが設けられている。また、第1押圧部材の後部22cは、前部より小径の有底筒状に形成されており、外周面が互いに平行に面取りされている。
【0023】
第2摩擦係合部20では、第1ブッシュ18の外周に回転不能に装着されたプレート部材20bが摩擦プレート20aによって挟持されている。プレート部材20bの外周面には、後述する音出しばね81に係合する突起20cが周方向に所定の間隔で形成されている。第2摩擦係合部20の後部には第2押圧部材25が配置されており、後述するレバー部材51の係合部25bに係合している。
【0024】
第1押圧部材22は、第1雄ねじ部22bにおいて、つまみ装着部52の内周面に形成された第1雌ねじ部52aに回転自在に装着される。この状態で第1押圧部材22が回転すると、第1押圧部材22は、つまみ装着部52の内部を回転しながら前後方向に移動して、押圧用コイルばね21を圧縮したり圧縮解除したりする。一方で、第2押圧部材25は、第1ブッシュ18の外周に回転自在に装着されている。この第2押圧部材25が回転して第2摩擦係合部20の摩擦プレート20aを押圧すると、摩擦プレート20aによってプレート部材20bの両面が押圧される。
【0025】
つまみ部材50は、図3に示すように、第1つまみ部材55と、第2つまみ部材56と、リング部材57とからなっている。第1つまみ部材55は、たとえば合成樹脂製であり、筒状に形成されている。この第1つまみ部材55は、第1筒状部55aと第2筒状部55bと第3筒状部55cとを有しており、これら第1から第3筒状部55a,55b,55cは一体に形成されている。
【0026】
第1筒状部55aには、前部内周面に環状の第3環状溝55dが設けられている。この第3環状溝55dとつまみ装着部52の第1環状溝52cとに、第1嵌合部材58aが嵌合されている。ここで、第1嵌合部材58aには、たとえばOリングが用いられている。第2筒状部55bは、第1筒状部55aの後端に一体に形成されており、外径が第1筒状部55aの外径より小径になっている。第3筒状部55cは、第2筒状部55bの後端に一体に形成されており、外径が第2筒状部55bの外径より小径になっている。また、第3筒状部55cの外周面には第2雄ねじ部55eが設けられている。なお、第3筒状部55cの後端面は、ワッシャ55fを当接させることで補強されている。そして、ワッシャ55fは、第2嵌合部材58bによって位置決めされる。この第2嵌合部材58bは、ワッシャ55fの後部に当接させながら、つまみ装着部52に形成された第2環状溝52dに嵌合されている。ここで、第2嵌合部材58bには、たとえばC型止め輪が用いられている。このようにして、第1つまみ部材55は、第1嵌合部材58aおよび第2嵌合部材58bによって位置決めされ、つまみ装着部52に軸方向移動不能かつ回転自在に装着される。
【0027】
第2つまみ部材56は、たとえば合成樹脂製であり、有底筒状に形成されている。第2つまみ部材56の底部には、第1および第2嵌合部56e,56fが設けられている。第1嵌合部56eは、底部中央部に小判穴が形成されている。この第1嵌合部56eに、外周面が互いに平行に面取りされた第1押圧部材22の後部22cを嵌合させている。このとき、第1押圧部材22の後部22cは、第1嵌合部56e内において回転不能かつ前後方向に摺動自在になっている。第2嵌合部56fは、第2つまみ部材56の底部外周に円環凹状に形成されている。この第2嵌合部56fに、後述する音出し部材61が嵌合される。また、円環凹状に形成された第2嵌合部56fの底部には、第1装着凹部63が形成されており、この第1装着凹部63に後述する第1音出しピン64および第1コイルばね65が配置される。
【0028】
第2つまみ部材56の内周側面には、環状の第4環状溝56bと第2雌ねじ部56dとが設けられている。第4環状溝56bは、第2つまみ部材56の底部側で、後述する音出し部材61の外径より大径に形成されている。第2雌ねじ部56dは、第2つまみ部材56の開口側に形成されている。この第2雌ねじ部56dを第1つまみ部材55の第2雄ねじ部55eに螺合させることで、第2つまみ部材56が第1つまみ部材55に連結される。このとき、第1つまみ部材55と第2つまみ部材56との間には、リング部材57が配置される。このリング部材57は、たとえばアルミニュウム製である。なお、第1つまみ部材55と第2つまみ部材56との間にリング部材57を設置したことで、つまみ部材50の意匠性を向上することができる。
【0029】
レバー部材51は、図4に示すように、第1レバー部材90と、第2レバー部材91と、位置決めピン92および第4コイルばね93と、固定部材94と、筒状部材95とからなっている。第1レバー部材90は、筒状に形成されており、外周面から径方向外方に向けて突出した第1レバー部90aを有している。第1レバー部材90には、内周部に向けて突出した第1嵌合凸部90bが周方向に所定の間隔で形成されている。第1レバー部90aは収納部を有しており、この収納部に第2レバー部材91が収納される。第2レバー部材91は、筒状に形成されており、外周面から径方向外方に向けて突出して形成された第2レバー部91aを有している。また、第2レバー部材91には、内周面に第2嵌合凹部91cが、周方向に所定の間隔で形成されている。第2レバー部91aには第4装着凹部91bが前方に開口して形成されており、この第4装着凹部91bに位置決めピン92と第4コイルばね93とが配置されている。
【0030】
位置決めピン92は、第4頭部92aと、第4受け部92bと、第4軸部92cとを有している。第4頭部92aと第4受け部92bとは、略Γ字形に一体に形成されている。このとき、第4頭部92aは下向き部に対応しており、第4受け部92bは横向部に対応している。第4頭部92aは、矩形柱状に形成されており、先端部の両側面が先細りテーパ状になっている。第4軸部92cは、第4受け部92bに連結された軸状の部分であり、外周に第4コイルばね93を配置できるようになっている。第4コイルばね93は、基端部が第4装着凹部91bの上部側面に当接しており、先端部が第4受け部92bと第4軸部92cとの段差部分に当接している。この第4コイルばね93は、圧縮状態で第4装着凹部91bに収納され、位置決めピン92を位置決め凹部96側に付勢している。このように位置決めピン92と第4コイルばね93とを第4装着凹部91bに配置すると、レバー部材51を揺動させたときに、位置決めピン92がつまみ装着部52の上部に形成された位置決め凹部96に対向した位置にくると、位置決めピン92の第4頭部92aが位置決め凹部96に係合するようになっている。これにより、レバー部材51を所定の位置に確実に位置決めすることができ、位置決めされたことをクリック感によって判断することができる。なお、第4コイルばね93には、位置決めされたことをクリック感によって判断できる程度のばね定数が設定されている。
【0031】
固定部材94は、位置決めピン92および第4コイルばね93を第4装着凹部91bから抜け出さないようにするためのものであり、たとえばボルトにより第2レバー部材91に固定されている。このようにすると、レバー部材51を前方から順に組み立てていくことができる。筒状部材95は前部の外径が中央部の外径より大径に形成されており、前部と中央部との間の段差部がテーパ状に形成されている。筒状部材95の前部には、外周面に第2嵌合凸部95aが所定の間隔で形成されており、内周縁にレバー部材51の動作を第2押圧部材25に伝達するための係合部95bが形成されている。また、筒状部材95の後部外周面には、筒状部材95の後端へと溝状に延びた第1嵌合凹部95cが周方向に所定の間隔で形成されている。この第1嵌合凹部95cの側壁部には、第1嵌合凹部95cにくい違う方向に溝部95dが形成されている。さらに、筒状部材95の後部内周面には、第3雌ねじ部95eが設けられている。このような筒状部材95では、テーパ状の段差部と中央部とが第2レバー部材91の内周面に当接して、第2嵌合凸部95aが第2レバー部材91の第2嵌合凹部91cに嵌合されている。そして、筒状部材95の第1嵌合凹部95cに、第1レバー部材90の第1嵌合凸部90bが嵌合されている。また、第1レバー部材90の第1嵌合凸部90bの後面には、第3嵌合部材98が当接している。この第3嵌合部材98は、たとえばC型止め輪になっており、溝部95dに係止されている。
【0032】
ここで、レバー部材51では、第1レバー部材90および固定部材94と、第2レバー部材91とで異なる材質が用いられている。たとえば、第1レバー部材90および固定部材94はABS樹脂製になっており、第2レバー部材91は合成樹脂製になっている。第1レバー部材90および固定部材94の表層側には、めっき処理されためっき層99が設けられている。このとき、第1レバー部材90および固定部材94と第2レバー部材91とを異なる材質で構成したことで、めっき処理をするにあたって偏肉によるヒケマークを防止することができる。
【0033】
リアドラグ発音機構は、第1リアドラグ発音機構(つまみ操作時の発音機構)60と、第2リアドラグ発音機構(レバー操作時の発音機構)70と、第3リアドラグ発音機構(ドラグ作動時の発音機構)80とからなる。
第1リアドラグ発音機構60は、図5に示すように、つまみ装着部52と第2つまみ部材56との間に配置され、つまみ装着部52とつまみ部材50との相対回転により発音するようになっている。この第1リアドラグ発音機構60は、音出し部材61と、抜け止め部材62と、第1装着凹部63と、第1音出しピン64と、第1コイルばね65とを備えている。
【0034】
音出し部材61は、リング状に形成される円盤部61aと、円盤部61aの一面に回転方向に間隔を隔てて配置された複数の音出し凹部61bと、円盤部61aの他面に一体に形成された係合部61cとを有している。この音出し部材61では、円板部61aの外径が第4環状溝56bの内径より小径に形成されている。そして、円盤部61aが第2つまみ部材56の第2嵌合部56fに嵌合される。この円板部61aは、第2つまみ部材56に対して回転自在になっている。係合部61cは、つまみ装着部52の後端面に形成された係合凹部52bに向けて突出して形成されており、この係合凹部52bに嵌合可能に装着される。抜け止め部材62は、音出し部材61の脱落防止のために設けられている。この抜け止め部材62は、たとえばC型止め輪となっており、第4環状溝56bに配置される。また、抜け止め部材62の内径は、円盤部61aの外径より小さく形成されている。第1装着凹部63は、複数の音出し凹部61bに対向する位置で、第2つまみ部材56の底部に形成されている。
【0035】
第1音出しピン64は、第1装着凹部63に進退自在に装着されており、音出し部材61の第1音出し凹部61bに係合している。第1音出しピン64は、第1頭部64aと、第1頭部64aに連結された第1受け部64bと、第1受け部64bに連結された第1軸部64cとを有している。第1頭部64aは先端が滑らかな凸状に形成されている。この第1頭部64aの先端が、第1音出し凹部61bに衝突を繰り返すことでクリック音を発する。ここで、第1音出しピン64は第1頭部64aの先端が滑らかな凸状に形成されているので、第1音出しピン64は、極力少ない抵抗でクリック音を発することができる。第1受け部64bは、第1頭部64aより大径かつ第1装着凹部63の内径より小径に形成されている。第1軸部64cは、第1受け部64bより小径に形成された軸状の部分であり、外周に第1コイルばね65を配置できるようになっている。このように、第1軸部64cが第1受け部64bより小径に形成されることで、第1受け部64bと第1軸部64cとの段差部分に第1コイルばね65の先端が当接可能となっている。
【0036】
第1コイルばね65は、第1音出しピン64の第1軸部64cの外周側に配置される。このとき、第1コイルばね65の基端部は第1装着凹部63の底部に当接しており、第1コイルばね65の先端部は第1受け部64bと第1軸部64cとの段差部分に当接している。この第1コイルばね65は、圧縮状態で第1装着凹部63に収納され、第1音出しピン64を第1音出し凹部61b側に付勢している。なお、第1コイルばね65には、極力少ない抵抗で歯切れの良いクリック音を出せる程度のばね定数が設定されている。
【0037】
第2リアドラグ発音機構70は、図6に示すように、つまみ装着部52とレバー部材51との間に配置され、レバー部材51を揺動させることにより発音するようになっている。この第2リアドラグ発音機構70は、図6および図7に示すように、第2音出し凹部71と、第2装着凹部72と、第2音出しピン73と、第2コイルばね(付勢手段)74とを備えている。第2音出し凹部71は、軸方向に延びた溝状に形成されており、第2レバー部材91の前方の内周側面に揺動範囲に応じて周方向に間隔を隔てて複数形成されている。第2装着凹部72は、第2音出し凹部71に対向するようにつまみ装着部52の外周側面に形成されている。この第2装着凹部72の底部には、嵌合穴72aが形成されている。
【0038】
第2音出しピン73は、第2装着凹部72に進退自在に装着されており、第2音出し凹部71に係合している。第2音出しピン73は、第2頭部73aと、第2頭部73aに連結された第2受け部73bと、第2受け部73bに連結された第2軸部73cとを有している。第2頭部73aは先端が滑らかな凸状に形成されている。この第2頭部73aの先端が、第2音出し凹部71に衝突を繰り返すことでクリック音を発する。ここで、第2音出しピン73は、第2頭部73aの先端が滑らかな凸状に形成されているので、極力少ない抵抗でクリック音を発することができる。第2受け部73bは、第2頭部73aより大径かつ第2装着凹部72の内径より小径に形成されている。第2軸部73cは、第2受け部73bより小径に形成された軸状の部分であり、外周に第2コイルばね(付勢手段)74を配置できるようになっている。このように、第2軸部73cが第2受け部73bより小径に形成されることで、第2受け部73bと第2軸部73cとの段差部分に第2コイルばね(付勢手段)74の先端が当接可能となっている。また、第2軸部73cは、第2装着凹部72に形成された嵌合穴72aに、軸方向に摺動自在に嵌合されている。
【0039】
第2コイルばね(付勢手段)74は、第2音出しピン73の第2軸部73cの外周に配置される。このとき、第2コイルばね(付勢手段)74の基端部は第2装着凹部72の底部に当接しており、第2コイルばね(付勢手段)74の先端部は第2受け部73bと第2軸部73cとの段差部分に当接している。この第2コイルばね(付勢手段)74は、圧縮状態で第2装着凹部72に収納され、第2音出しピン73を第2音出し凹部71側に付勢している。なお、第2コイルばね(付勢手段)74には、極力少ない抵抗で歯切れの良いクリック音を出せる程度のばね定数が設定されている。
【0040】
第3リアドラグ発音機構80は、リアドラグ機構45が作動したときに発音するようになっている。第3リアドラグ発音機構80は、図2に示すように、音出しばね81と、プレート部材20bの外周面に形成された突起20cとからなっている。音出しばね81は、たとえば略L字形に形成された板ばねになっており、リールボディ1aに一端が固定されている。そして、音出しばね81の他端が突起20cに係合している。これにより、リアドラグ機構45が作動したときに、スプール軸14および第1ブッシュ18とともにプレート部材20bが回転して、プレート部材20bの突起20cが音出しばね81の他端に衝突を繰り返して発音する。
【0041】
〔スピニングリールの動作〕
以上に示したスピニングリールを使用する場合、糸を繰り出すときには、ベール43を糸開放側に倒す。そして、釣り竿をキャスティングすると、スプール3から釣り糸が繰り出される。糸を巻き取るときには、ベール43を糸巻取側に戻す。この状態でハンドル10を糸巻取方向に回転させると、この回転力がハンドル軸10a及びフェースギア11を介してピニオンギア12に伝達される。そして、ピニオンギア12に伝達された回転力が、ピニオンギア12の前部においてロータ2を回転させる。一方で、ピニオンギア12に伝達された回転力は、ピニオンギア12に噛み合う中間ギア(図示しない)を介して螺軸15も同時に回転させる。このとき、螺軸15の螺旋溝に噛み合うスライダ16がガイド軸(図示しない)に案内され前後方向に移動する。スライダ16が移動すると、スライダ16とともにスプール軸14とスプール3とが前後方向に往復移動する。こうしたロータ2の回転とスプール3の前後移動とによって、ベール43およびラインローラ41から案内された釣り糸が、スプール3の外周に前後方向に均一に巻き取られる。このように動作するスピニングリールを使用するとき、魚がかかって魚が所定のドラグ力を越える力で釣り糸を引き込むと、スプール軸14とスプール3とが相対回転してリアドラグ機構45が作動する。このとき、第3リアドラグ発音機構80において、プレート部材20bの突起20cが音出しばね81の他端に衝突を繰り返して発音する。
【0042】
このように作動するリアドラグ機構45では、つまみ部材50とレバー部材51とを操作することで、スプール3に対するドラグ力が所定の値に設定される。つまみ部材50を締め付けると、第2つまみ部材56の第1嵌合部56eに嵌合させた第1押圧部材22が回転しながら前方へと移動し、第1押圧部材22に連結された押圧用コイルばね21が押し込まれる。すると、第1摩擦係合部19の複数の摩擦プレート19aに働く押圧力が増大する。このとき、第1ブッシュ18のフランジ部23の両面は摩擦プレート19aに挟持されており、このフランジ部23の両面に働く押圧力も増大する。このようにして、第1ブッシュ18に対して回転不能なスプール軸14は回転しにくくなり、スプール3に作用するドラグ力は強くなる。一方で、つまみ部材50を弛めると、第1押圧部材22は回転しながら後方へと移動し、押圧用コイルばね21の押し込まれた状態が徐々に解除される。すると、摩擦プレート19aに挟持されたフランジ部23の押圧が解除されて、第1ブッシュ18に対して回転不能なスプール軸14は回転しやすくなり、スプール3に作用するドラグ力は弱くなる。
【0043】
レバー部材51をつまんでレバー部材51を締め付けると、係合部95bを介して第2押圧部材25が第2摩擦係合部20を押圧する。すると、第2摩擦係合部20の複数の摩擦プレート20aに働く押圧力が増大する。このとき、第1ブッシュ18の外周に回転不能に装着されたプレート部材20bの両面は摩擦プレート20aによって挟持されており、このプレート部材20bの両面に働く押圧力も増大する。このようにして、第1ブッシュ18に対して回転不能なスプール軸14も回転しにくくなり、スプール3に対するドラグ力は強くなる。一方で、レバー部材51を弛めると、第2押圧部材25によって、第2摩擦係合部20の押圧状態が徐々に解除される。すると、第1ブッシュ18に対して回転不能なスプール軸14は回転しやすくなり、スプール3のドラグ力は弱くなる。
【0044】
〔第1リアドラグ発音機構の組み立ておよび動作〕
第1リアドラグ発音機構60を組み立てるためには、図5に示したように、第2つまみ部材56の第1装着凹部63に、第1音出しピン64と第1コイルばね65とを配置する。そして、第1音出しピン64の第1頭部64aを音出し部材61の第1音出し凹部61bに当接させた状態で、音出し部材61を第2つまみ部材56の第2嵌合部56fに装着する。次に、抜け止め部材62を第2つまみ部材56に形成された第4環状溝56bに装着して、音出し部材61を抜け止めする。
【0045】
このように第1リアドラグ発音機構60を組み立てた後、つまみ部材50をつまみ装着部52に装着するためには、図3に示したように、まず、第1つまみ部材55にリング部材57を配置した後、第1つまみ部材55の第3環状溝55dを、つまみ装着部52に配置された第1嵌合部材58aに当接させる。そして、第1つまみ部材55の後端面にワッシャ55fを配置する。このワッシャ55fの後部で第2嵌合部材58bをつまみ装着部52の第2環状溝52dに装着して、第1つまみ部材55をつまみ装着部52に位置決めする。この状態で、第1つまみ部材55の第2雄ねじ部55eに、第2つまみ部材56の第2雌ねじ部56dを螺合させて、第1つまみ部材55と第2つまみ部材56とを回転不能に連結する。このとき、音出し部材61の係合部61cをつまみ装着部52の係合凹部52bに嵌合させて、音出し部材61とつまみ装着部52とを回転不能に連結する。ここで、第1リアドラグ発音機構60を第2つまみ部材56に配置した後、第2つまみ部材56を第1つまみ部材55に連結させるようにしたことで、第2つまみ部材56を第1リアドラグ発音機構60とともに、第1つまみ部材55に装着したり、第1つまみ部材55から取り外したりすることが容易になる。
【0046】
このつまみ部材50を回転させると、第1つまみ部材55が、つまみ装着部52に対して軸方向に移動不能の状態で相対回転する。つまり、第1つまみ部材55に回転不能に連結した第2つまみ部材56と、つまみ装着部52に回転不能に装着した音出し部材61とが相対回転する。すると、第2つまみ部材56の第1装着凹部63に配置した第1音出しピン64が、第1コイルばね65によって付勢された状態で、音出し部材61に形成された複数の音出し凹部61bに衝突を繰り返してクリック音を発する。ここで、つまみ部材50はつまみ装着部52に対して軸方向に移動不能にしているので、つまみ部材50とレバー部材51との間には段差ができにくくなる。これにより、つまみ部材とレバー部材51との外形を、互いに滑らかに接続させるように形成することができる。
【0047】
〔第2リアドラグ発音機構の組み立ておよび動作〕
第2リアドラグ発音機構70を組み立てるためには、図7に示したように、つまみ装着部52に形成された第2装着凹部72に、第2音出しピン73と第2コイルばね(付勢手段)74とを配置する。このとき、第2音出しピン73の第2軸部73cの外周に第2コイルばね(付勢手段)74を配置して、第2音出しピン73の第2軸部73cを、第2装着凹部72の底部に形成された嵌合穴72aに嵌合する。そして、第2音出しピン73の第2頭部73aを第2レバー部材91に形成された第2音出し凹部71に当接できる状態にしておく。
【0048】
このように第2リアドラグ発音機構70を組み立てた後、レバー部材51を組み立てる。図4および図6に示したように、まず、第1レバー部材90に第2レバー部材91を収納する。そして、第2レバー部材91の第4装着凹部91bに、位置決めピン92と第4コイルばね93とを配置する。これら位置決めピン92と第4コイルばね93とが第4装着凹部91bから抜け出さないように、固定部材94をボルトにより第2レバー部材91に固定する。次に、第2レバー部材91の第2嵌合凹部91cおよび第1レバー部材90の第1嵌合凸部90bを、筒状部材95の第2嵌合凸部95aおよび第1嵌合凹部95cにそれぞれ嵌合する。そして、第3嵌合部材98を、第1レバー部材90の第1嵌合凸部90bの後面に当接させた状態で、筒状部材95の第1嵌合凹部95cの側壁部に形成された溝部95dに嵌合する。
【0049】
このようにして組み立てられたレバー部材51をつまみ装着部52に装着するには、筒状部材95の内周面に設けられた第3雌ねじ部95eに、つまみ装着部に形成された第3雄ねじ部52eを螺合させる。このときに、第2リアドラグ発音機構70の第2音出しピン73の第2頭部73aを、第2レバー部材91に形成された第2音出し凹部71に当接させる。これにより、レバー部材51はつまみ装着部52に揺動自在に装着され、第2リアドラグ発音機構70がレバー部材51とつまみ装着部52との間に配置される。
【0050】
以上のようにつまみ装着部52に装着されたレバー部材51を揺動させると、レバー部材51とつまみ装着部52とは相対回転する。すると、つまみ装着部52の第2装着凹部72に配置した第2音出しピン73が、第2コイルばね(付勢手段)74によって付勢された状態で、第2レバー部材91に形成された複数の第2音出し凹部71に衝突を繰り返してクリック音を発する。
【0051】
第2リアドラグ発音機構70に対応する従来のスピニングリールのリアドラグ発音機構では、弾性板を凸部によって撓ませて隣接した凸部に衝突させることにより発音するようになっていた。このため、弾性板が凸部に衝突したときに振動したりして、クリック音が明確に現れにくかった。特に、レバー部材の微調整をしやすくするために凸部間のピッチが細かく設定されると、弾性板の撓みが小さくなり、弾性板が凸部に衝突したときの音も小さくなる。すると、レバー部材51を揺動させたときにクリック音が現れにくくなっていた。また、凸部間のピッチが細かく設定されて弾性板の撓みが小さくなると、レバー部材51を揺動させたときの操作感が細かなものとなり、クリック感を体感しにくくかった。このような弾性板を用いたリアドラグ発音機構では、凸部間のピッチが細かく設定されればされるほど、歯切れの良いクリック音やメリハリのあるクリック感を得にくくかった。
【0052】
本実施形態の第2リアドラグ発音機構70では、第2音出しピン73と第2コイルばね(付勢手段)74とを用いて音出しをするようにしている。第2音出しピン73はつまみ装着部52の第2装着凹部72に配置され、第2コイルばね(付勢手段)74によってレバー部材51の第2音出し凹部71に係合させている。すると、レバー部材51を揺動させたときに、第2音出しピン73を第2音出し凹部71に繰り返し衝突させて発音することができる。つまり、第2音出しピン73が第2音出し凹部71に確実に係合できるように、第2コイルばね(付勢手段)74が第2音出しピン73を常に音出し凹部71側に付勢しているので、第2音出し凹部71の間隔が変化しても第2音出しピン73を第2音出し凹部71に確実に当接させて発音することができ、歯切れの良いクリック音およびメリハリのあるクリック感を得ることができる。
【0053】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、第2リアドラグ発音機構70の第2装着凹部72がつまみ装着部52の外周側面に形成される場合の例を示したが、第2装着凹部72の設置位置は、前記実施形態に限定されず、第2音出しピン73を第2音出し凹部71に係合させることができれば、どのような位置に設定しても良い。
【0054】
(b) 前記実施形態では、第2音出し凹部71が軸方向に延びた溝状に形成される場合の例を示したが、第2音出し凹部71の形状は、前記実施形態に限定されず、第2音出しピン73を第2音出し凹部71に係合させることができれば、どのような形状に形成しても良い。
(c) 前記実施形態では、第2音出し凹部71がレバー部材51の内周側面に形成される場合の例を示したが、第2音出し凹部71の設置位置は、前記実施形態に限定されず、第2音出しピン73を第2音出し凹部71に係合させることができれば、どのような位置に設置しても良い。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、音出しピンはレバー装着部の外周面とレバー部材の内周面とのいずれか一方に形成された装着凹部に配置され、付勢手段によってレバー装着部の外周面とレバー部材の内周面とのいずれか他方に形成された音出し凹部に係合している。すると、レバー部材を揺動させたときに、音出しピンを音出し凹部に繰り返し衝突させて発音することができる。このとき、音出しピンが音出し凹部に確実に係合できるように、付勢手段が音出しピンを常に音出し凹部側に付勢している。これにより、音出し凹部の間隔を変化させても音出しピンを音出し凹部に確実に当接させて発音することができ、歯切れの良いクリック音およびメリハリのあるクリック感を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるスピニングリールの断面図。
【図2】前記スピニングリール後部の拡大断面図。
【図3】前記スピニングリールのつまみ部材の拡大断面図。
【図4】前記スピニングリールのレバー部材の拡大断面図。
【図5】前記スピニングリールに設置された第1リアドラグ発音機構の拡大断面図。
【図6】前記スピニングリールに設置された第2リアドラグ発音機構の断面図(図1のI−I位置)。
【図7】前記第2リアドラグ発音機構の拡大断面図。
【符号の説明】
51 レバー部材
52 つまみ装着部
70 第2リアドラグ発音機構
71 第2音出し凹部
72 第2装着凹部
73 第2音出しピン
74 第2コイルばね(付勢手段)
72a 嵌合穴
73a 第2頭部
73b 第2受け部
73c 第2軸部
90 第1レバー部材
90a 第1レバー部
90b 第1嵌合凸部
91 第2レバー部材
91a 第2レバー部
91b 第4装着凹部
91c 第2嵌合凹部
92 位置決めピン
93 第4コイルばね
94 固定部材
95 筒状部材
95a 第2嵌合凸部
95b 係合部
95c 第1嵌合凹部
95d 溝部
95e 第3雌ねじ部
96 位置決め凹部
98 第3嵌合部材
99 めっき層

Claims (6)

  1. スピニングリールのリール本体後部に設けられた筒状のレバー装着部と前記レバー装着部の外周に所定の揺動範囲で揺動自在に装着される筒状のレバー部材との間に配置され、前記レバー部材を揺動させることにより発音するスピニングリールのリアドラグ発音機構であって、
    前記レバー装着部の外周面と前記レバー部材の内周面とのいずれか一方に前記揺動範囲に応じて周方向に間隔を隔てて形成される複数の音出し凹部と、
    前記音出し凹部に対向する位置で前記レバー装着部の前記外周面と前記レバー部材の前記内周面とのいずれか他方に形成される装着凹部と、
    前記装着凹部に進退自在に装着され前記音出し凹部に係合する音出しピンと、前記装着凹部に配置され前記音出しピンを前記音出し凹部側に付勢する付勢手段と、
    を備えるスピニングリールのリアドラグ発音機構。
  2. 前記音出し凹部は前記レバー部材の前記内周面に形成されており、前記装着凹部が前記レバー装着部の前記外周面に形成されている、請求項1に記載のスピニングリールのリアドラグ発音機構。
  3. 前記音出しピンは、先端が滑らかな凸状の頭部と、前記頭部に連続して形成され前記頭部より大径の受け部と、前記受け部に連続して形成され前記受け部より小径の軸部とを有する、請求項1又は2に記載のスピニングリールのリアドラグ発音機構。
  4. 前記装着凹部の底部には嵌合穴が形成されており、前記嵌合穴に前記音出しピンの前記軸部が軸方向に摺動自在に嵌合されている、請求項3に記載のスピニングリールのリアドラグ発音機構。
  5. 前記付勢手段は、前記音出しピンの前記軸部の外周側に配置されたコイルばねからなる、請求項3に記載のスピニングリールのリアドラグ発音機構。
  6. 前記音出し凹部は、軸方向に延びた溝状に形成されている、請求項1から5のいずれかに記載のスプリング組立体。
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