JP2004337011A - 乳化油脂組成物 - Google Patents

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和典 長村
Kunihiko Ataka
邦彦 安宅
Takao Kawajiri
隆夫 川尻
Minoru Iwai
年 岩井
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Abstract

【課題】従来の乳化油脂組成物は、乳化剤を用いていたので、乳化剤の種類や混合割合により、その性状が変化し、その取り扱いにある程度の熟練を要した。また、使用時に乳化剤が他の物質と反応し、思わぬ弊害を生じるおそれもあった。本発明は、上記従来の乳化油脂組成物が有していた問題点の解決を課題とする。
【解決手段】pH12以上の強アルカリ性のアルカリイオン水に、適宜、少量の糖や塩類を添加した上で、食用植物油を混合し、高速で攪拌した。このことで、油の粒子をアルカリイオン水の界面活性力により、液体中に均一に分散させ、乳化剤を用いることなく、水と油を混合し、安定したエマルジョンが形成されるようにした。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品分野において食品を改質するために使用されたり、あるいは、農薬や医薬、繊維加工などの各種工業分野で乳化剤として使用される乳化油脂組成物に関し、詳しくは、添加物に頼ることなく、水中油型、あるいは油中水型の何れのエマルジョンをも形成可能な乳化油脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
水に難溶な物質と水との混合、あるいは乳化技術は、様々な分野で重要な技術課題として研究されている。例えば、食品分野においては、製菓・製パンの際、あるいはマーガリンやホイップクリームなどを製造する際には、この乳化技術が重要な課題の一つとなっており、所望の製品を得るために、使用する乳化剤の選定や、配合などが種々、検討されてきた。ここにおいて、従来、乳化剤は、グリセリン脂肪酸エステルや、しょ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどの食品添加物として認可されたものが使用されていた。
【0003】
しかしながら、これらの乳化剤を用いた場合、例えば、低カロリーマーガリンを製造するために、分散相の水分を高めた油中水型エマルジョン(以下、W/O型エマルジョンという)を得ようとすると、非常に大量の乳化剤を使用する必要が有り、しかもその製造は、非常に限定された極く狭い条件のもとでしかできなかった。さらにこのようにして得られたエマルジョンは、安定性が非常に悪いため、通常は、水相部に増粘剤などの添加物を大量に添加していた。(例えば、特許文献1参照)
また、ドーナツ、揚げパンなどのフライ食品の生地に練り込む形で用いられる水中油型のエマルジョン(以下、O/Wエマルジョンという)の場合、乳化剤を用いたものは、フライ時に生地が油を吸い込み、出来上がりが油っぽくなるという問題点が有り、この点を改善した従来のものとしては、乳化剤の代わりに、おから粉末とカゼイン類を用いたものがあった。(例えば、特許文献2参照)
また、従来は、油中水型(W/O)と、水中油型(O/W)の何れのエマルジョンになるかは、使用する乳化剤の種類、即ち、親水基になるものと、疎水基になるものの構成比率により、決定されていた。
【0004】
なお、このようにして製造された乳化油脂組成物を、親水性あるいは疎水性の多孔質構造体を通過させることにより、内相と外相の乳化形態を転相させる方法は従来公知である。(例えば、特許文献3参照)
【0005】
【特許文献1】
特公平6−79539号公報(第2−3頁)
【特許文献2】
特開平7−213227号公報(第3頁)
【特許文献3】
特開平9−234359号公報(第2−4頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の乳化油脂組成物のうち、特許文献1に示されるような油中水型油脂組成物は、非常に大量(好ましくは60重量%以上)の乳化剤(グリセリンジ脂肪酸エステル)を要すると共に、その製造も非常に限定された狭い条件のもとでしかできないという問題点があった。
【0007】
また、特許文献2に示されるように、おから粉末を用いた水中油型乳化油脂組成物は、食品分野におけるフライ食品に使用用途が限定され、他の用途への汎用性がないという問題点があった。
【0008】
さらにまた、特許文献3に示されるように、多孔質構造体を通過させて内相と外相の乳化形態を転相させるものは、乳化剤の濃度が低いとエマルジョンの分離が早く、安定性に問題が生じ、また、分散相の配合比率が高いと、一部に二重乳化や転相不良が生じ、エマルジョンの性状が歪んだものになるという問題点があった。
【0009】
本発明は、上記従来の乳化油脂組成物が有していた問題点の解決を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のうち、請求項1記載の発明は、乳化油脂組成物をアルカリイオン水と油とで構成し、両者を所定の割合で混合し、攪拌することにより、水中油型エマルジョンあるいは油中水型エマルジョンの何れにもなるようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成を有する乳化油脂組成物に、数%以下の少量の糖類、あるいは塩類を添加した構成を加えたことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の乳化油脂組成物を構成したアルカリイオン水に、このアルカリイオン水に対する重量比で1.5%以下の量のシクロデキストリンを添加した構成を加えたことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の乳化油脂組成物を構成したアルカリイオン水を、結晶性粘土鉱物が溶解した原料水を電気分解して得られたpH12以上の強アルカリ性のものと限定したことを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の乳化油脂組成物を構成した油を、食用植物油に限定したことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
一般に、油などの難溶な物質を水に混合し、安定させるには乳化剤を用いてエマルジョンを形成するということが行われるが、この乳化剤には、種々の種類があり、その性状も異なるため、使用目的に応じて細かく使い分けなくてはならず、その使用に際しては、ある程度の知識や経験を必要とした。しかもこのような知識や経験を有する者であっても、使用目的に応じた最適の乳化剤や、その配合割合を見出すには、手間と時間が必要であった。さらにまた、このようにして細かく調整し、得られたものは、必ずしも安定しておらず、時間の経過と共に分離が生じ、所定の機能を発揮できないおそれもあった。
【0016】
そこで、本発明では、この種の乳化剤を用いることなく、水と油を安定したエマルジョンの形態にできないかと考え、精意、実験・検討を重ねることにより、従来とは全く異なる発想に基づく、乳化油脂組成物を得るに至ったものである。
【0017】
この乳化油脂組成物は、油とアルカリイオン水とだけで構成されており、乳化剤や乳化剤として機能する一切の添加物が含まれていない。よって、乳化剤の性状による扱い難さがなく、常に安定した機能を発揮し、製パン・製菓などの食品分野はもとより、化粧品、製薬などの工業分野においても幅広く利用できるものである。
【0018】
この乳化油脂組成物を製造するには、まず、界面活性力に優れたアルカリイオン水を準備し、これにオリーブ油や綿実油、ナタネ油、大豆油、コーン油などの食用植物油を、所定の割合で加え、高速攪拌すれば良く、このことで食用油が水中に均一に分散・乳化したエマルジョンが形成されるものである。なお、この時、予めアルカリイオン水に、その重量比で1.5%以下の割合でシクロデキストリンを添加しておけば、より良い効果が得られるので望ましい。また、このシクロデキストリンに代え、他の糖類、あるいは塩類を数%以下の量、添加することとしても良い。
【0019】
そして、このようにして形成されたエマルジョンは、アルカリイオン水の作用により、安定性が良く、油が分離し難いという特徴がある。また、このアルカリイオン水と油とからなる本発明の乳化油脂組成物は、水にも油にも分散し、目的に応じて水中油型(O/W)と、油中水型(W/O)の使い分けができるという特徴も有している。
【0020】
なお、乳化油脂組成物自体は、油と混合するアルカリイオン水の割合が50%以上の場合は、水中油型エマルジョン(O/Wエマルジョン)となり、50%以下の場合は、油中水型エマルジョン(W/Oエマルジョン)となる。
【0021】
ここにおいて、使用するアルカリイオン水は、界面活性力を備えたものであれば、どのようなものであっても良いが、分散相の配合比率の高いものや、安定したエマルジョンを形成するためには、pH12以上の強アルカリ性で、かつ、化学的に反応を起こすおそれのある化合物や合成物などの異物を含んでいないものが望ましく、例えば、結晶性粘土鉱物が溶解した原料水を、複数回、電気分解処理することにより、得られたものが好適に利用できる。
【0022】
そして、このようにして得られた乳化油脂組成物をフライ用のバッター液として使用したところ、油揚時間が短縮され、かつ、フライ油の吸油量も削減されることが確認できた。
【0023】
以上のように本発明の乳化油脂組成物は、イオン化された水と、油とで構成され、乳化剤となる添加物を一切含んでいないので、取り扱い易く、また安全性にも優れる。よって、乳化剤が他の物質と反応して思わぬ弊害を生じるおそれもなく、食品分野はもとより、農薬・医薬・化粧品の製造など、種々の分野にその利用が図られるものである。
【0024】
なお、食品以外の分野に使用する場合は、油として必ずしも食品用植物油を用いる必要はなく、工業油を使用しても良い。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の乳化油脂組成物は、アルカリイオン水の界面活性力を利用して乳化させるという従来には全く見られない発想により得られたものであるので、乳化剤となる添加物が不要で、多種多様な乳化剤に関する専門的な知識がない者でも容易に取り扱うことができる。それにもかかわらず、使用時に乳化剤が他の物質と反応して思わぬ弊害を生じるおそれがなく、安全性も確保される。
【0026】
また、本発明の乳化油脂組成物は、水にも油にも分散するので、この面においても取扱性に優れ、かつ、乳化剤の種類による性状の変化とも無縁であるので、使用に制限を受けることがなくなり、多種多様な分野への利用が促進されるという効果がある。

Claims (5)

  1. アルカリイオン水と油とで構成され、両者を所定の割合で混合し、攪拌することにより、水中油型エマルジョンあるいは油中水型エマルジョンの何れにもなる乳化油脂組成物。
  2. 数%以下の少量の糖類、あるいは塩類が添加されたことを特徴とする請求項1記載の乳化油脂組成物。
  3. アルカリイオン水に対する重量比で1.5%以下の量のシクロデキストリンが添加されたことを特徴とする請求項1記載の乳化油脂組成物。
  4. アルカリイオン水として、結晶性粘土鉱物が溶解した原料水を電気分解して得られたpH12以上の強アルカリ性のものが用いられたことを特徴とする請求項1記載の乳化油脂組成物。
  5. 油として、食用植物油が用いられたことを特徴とする請求項1記載の乳化油脂組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005068592A1 (ja) * 2004-01-16 2005-07-28 Aura Limited Company 精油乳化物の製法
JP2008141962A (ja) * 2006-12-06 2008-06-26 Aron World:Kk パン類の製造方法
WO2013098673A1 (en) 2011-12-26 2013-07-04 Koninklijke Philips Electronics N.V. Device and method for generating emulsion
WO2019112351A1 (ko) * 2017-12-06 2019-06-13 (주)아모레퍼시픽 순간 유화 화장품 제조 장치 및 제조 방법

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