JP2004336664A - 映像信号のコントラスト処理回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ソースにより様々な黒帯の幅を持つ入力信号のレターボックス信号の黒帯の幅を計測回路71により検出して、有効映像領域設定回路72で有効期間を定義し、入力信号の有効期間にだけ直流伝送率補正回路73、黒レベル伸張回路74や動的コントラスト補正回路75による黒レベル伸張処理や動的コントラスト補正、直流伝送率補正等の機能を有効にする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、上下が黒帯の所謂レターボックス形式で表示される映像信号に画質を改善するための信号処理を施す映像信号のコントラスト処理回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、テレビジョン(TV)受像機においては、表示画像のコントラスト感を高める機能として、黒レベルを検出して黒が浮いている場合に中間輝度を下げて、引き締まった画にする黒レベル伸張や、暗いシーンを検出してコントラストを上げ、見栄えを良くする動的コントラスト補正や、APLレベルを検出して直流伝送率を調整してダイナミックレンジを有効利用する手法が使われている。
【0003】
また、本件出願人は、ワイドアスペクト比の表示画面の表示手段によりワイドアスペクト比の画像と標準アスペクト比の画像を表示するようにした画像表示装置におけるオートペデスタル処理部の誤動作を防止して、表示手段のダイナミックレンジを有効に利用した画像表示を行うために、アスペクト比変換された映像信号の有効表示期間にオートペデスタル処理部を動作させるようにした画像表示装置を提案している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第3257788号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年普及が進んでいる映画が記録されたデジタル・ビデオ/バーサタイル・ディスク(所謂DVD)を再生した場合に、上下が黒帯の所謂レターボックスで表示されるものが非常に多くなっている。図3にこのレターボックス表示の画面110の例を示す。レターボックス表示画面110における黒帯115の幅B1,B2は、DVDの記録内容すなわち映画により様々である。
【0006】
従来、DVDから再生された映像信号をそのまま黒レベル伸張回路や動的コントラスト補正回路、直流伝送率補正回路を通すと上下の黒帯により、補正が誤動作してしまうので、ID検出によりレターボックスであることを検出して誤動作を防ぐため、上記黒レベル伸張処理や動的コントラスト補正、直流伝送率補正等の機能をオフさせているのが現状である。つまりより高画質表示が求められるDVDの映画の再生において、画質の向上させる黒レベル伸張処理や動的コントラスト補正や直流伝送率補正がかけられなくなっている問題が生じている。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上述の如き従来の実情に鑑み、ソースにより様々な黒帯の幅を持つ入力映像信号に対して、画質の向上させる黒レベル伸張処理や動的コントラスト補正や直流伝送率補正を有効にかけることができるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、ソースにより様々な黒帯の幅を持つ入力信号のレターボックス信号の黒帯の幅を検出して、有効期間を定義し、入力信号の有効期間にだけ黒レベル伸張処理や動的コントラスト補正、直流伝送率補正等の機能を有効にする。
【0009】
すなわち、本発明に係る映像信号のコントラスト処理回路は、入力映像信号の有効期間を計測する計測手段と、上記計測手段による計測結果に基づいて、有効映像領域の設定を行う有効映像領域設定手段と、入力映像信号により表示される画像の上記有効映像領域設定手段により設定された有効映像領域に対して適応的にコントラスト処理を施すコントラスト処理手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0011】
本発明は、例えば図1のブロック図に示すような構成の映像表示装置100に適用される。
【0012】
この映像表示装置100は、アナログテレビジョン放送を受信するためのアナログチューナ回路10を備え、このアナログチューナ回路10を介して受信されたアナログテレビジョン信号CVBSをアナログデジタル(AD)変換器11によりデジタル化してからYC分離回路12により輝度信号Y1とクロマ信号C1に分離し、さらにクロマデコーダ13により輝度信号Y1と色差信号U1,V1のコンポーネント信号にデコードするようになっている。
【0013】
また、この映像表示装置100は、デジタルテレビジョン放送を受信するためのデジタルチューナ回路20を備え、このデジタルチューナ回路20を介して受信されたデジタルテレビジョン信号TSをMPEGデコーダ21により輝度信号Y2と色差信号U2,V2のコンポーネント信号にデコードするようになっている。
【0014】
さらに、この映像表示装置100は、コンポーネントビデオ信号の入力端子30を備え、例えばDVDから再生されコンポーネント信号Y3,U3,V3をアナログデジタル(AD)変換器31,32,33によりデジタル化するようになっている。
【0015】
そして、この映像表示装置100は、上記MPEGデコーダ21によりデジタルテレビジョン信号TSからデコードされたコンポーネント信号Y2,U2,V2と上記アナログデジタル変換器31,32,33によりデジタル化されたDVDのコンポーネント信号Y3,U3,V3の一方を選択する第1の信号選択回路40と、この第1の信号選択回路40により選択されたコンポーネント信号Y4,U4,V4と上記クロマデコーダ13によりデコードされたアナログテレビジョン信号CVBSのコンポーネント信号Y1,U1,V1の一方を選択する第2の信号選択回路50を備え、この第2の信号選択回路50により選択されたコンポーネント信号Y5,U5,V5の色差信号U5,V5がCOL/HUE処理回路60に供給され、また、輝度信号Y5がコントラスト処理回路70に供給されるようになっている。
【0016】
COL/HUE処理回路60は、第2の信号選択回路50により選択されたコンポーネント信号Y5,U5,V5の色差信号U5,V5に対して色相調整などの処理を施し、処理済み色差信号U6,V6をマトリクス回路90に供給する。
【0017】
また、コントラスト処理回路70は、第2の信号選択回路50により選択されたコンポーネント信号Y5,U5,V5の輝度信号Y5に対してコントラスト処理を施し、処理済み輝度信号Y6をシャープネス回路80を介してマトリクス回路90に供給する。
【0018】
そして、マトリクス回路90は、コンポーネント信号Y6,U6,V6から3原色信号R,G,Bを形成して、図示しない出力回路を介して表示部の駆動回路に3原色信号R,G,Bを供給する。
【0019】
この映像表示装置100におけるコントラスト処理回路70は、第2の信号選択回路50により選択されたコンポーネント信号Y5,U5,V5の輝度信号Y5に対してコントラスト感の向上の処理を施すもので、図2に示すように、入力輝度信号Y5の有効期間を計測する計測回路71と、上記計測回路71による計測結果に基づいて、有効映像領域の設定を行う有効映像領域設定回路72と、入力輝度信号Y5により表示される画像の上記有効映像領域設定回路72により設定された有効映像領域に対して適応的にコントラスト処理を施す直流伝送率補正回路73、黒レベル伸張回路74及び動的コントラスト補正回路75を備える。
【0020】
計測回路71では、水平、垂直の有効領域期間並び同期信号から映像開始期間までの期間並び映像信号の終了から次の同期信号までの期間が計測される。この有効期間の計測は、あるスレッシュホールドレベルよりも大きい値の領域を検出するものである。図3にレターボックス表示の画面110の例を示すように、上下に黒帯115を持つレターボックス信号の場合は、上下の黒帯115の幅B1,B2の区間は無効領域期間と判定され、画像信号の存在する区間Aを有効領域期間として検出する。
【0021】
計測回路71により計測された期間に基づき、有効映像領域設定回路72により、有効映像領域Aの設定を行う。レターボックス信号の場合は、上下に黒帯115が存在するため、この領域を検出して、この領域の内側を画像の有効映像領域Aと判定して、レジスタの設定により、有効映像領域Aを示すマスクパルス(MSK_MVP1)を発生させる。
【0022】
そして、このマスクパルス(MSK_MVP1)は、直流伝送率補正回路73のAPL検出回路73A、黒レベル伸張回路74の黒領域検出回路74A並び黒レベル検出回路74B、動的コントラスト補正回路75のAPL検出回路75Aに供給される。
【0023】
直流伝送率補正回路73においては、マスクパルス(MSK_MVP1)に応じてAPL検出回路73Aにより画像有効領域AのみのAPL検出を行って、APL検出結果に基づいて輝度信号Y5の直流伝送率を変える処理を行う。この直流伝送率補正回路73における直流伝送率補正により、APLレベルを検出して輝度信号Y5の直流伝送率を調整してダイナミックレンジを有効利用することができる。
【0024】
また、黒レベル伸張回路74においては、マスクパルス(MSK_MVP1)に応じて黒領域検出回路74A並び黒レベル検出回路74Bにより画像有効領域Aのみで黒領域検出並び黒レベル検出を行って、それらの検出結果に基づいて黒レベル伸張処理を輝度信号Y5に施す。この黒レベル伸張回路74における黒レベル伸張処理により、ある一定の面積以下の黒が存在するときに、画面での黒の量と面積に応じて中間輝度を下げ、引き締まった画面にすることができる。
【0025】
さらに、動的コントラスト補正回路75では、マスクパルス(MSK_MVP1)に応じてAPL検出回路75Aにより画像有効領域AのみのAPL検出を行って、APL検出結果に基づいて輝度信号Y5に動的コントラスト補正処理を施す。この動的コントラスト補正回路75における動的コントラスト補正処理により、暗いシーンを検出してコントラストを上げ、見栄えを良くすることができる。
【0026】
入力端子30を介して入力されるDVDから再生されたコンポーネント信号Y3,U3,V3では、レターボックス表示画面110における黒帯115の幅B1,B2がDVDの記録内容すなわち映画により様々であるが、このコントラスト処理回路70では、計測回路71により入力映像信号Y5の有効期間を計測し、その計測結果に基づいて有効映像領域設定回路72で有効映像領域Aの設定を行うことにより、直流伝送率補正や黒レベル伸張や動的コントラスト補正を有効映像領域Aのみにかけることができる。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、レターボックス信号における上下の黒帯の位置が検出され、その部分をコントラスト補正のためのAPL検出や黒領域、黒レベル検出をマスクすることにより、DVDの映画信号のようなレターボックス信号に対しても、直流伝送率補正や黒レベル伸張や動的コントラスト補正が有効映像信号の領域だけに補正をかけられるようになり、コントラスト感のある引き締まった映像信号を楽しむことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した映像表示装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】この映像表示装置におけるコントラスト処理回路の構成例を示すブロック図である。
【図3】レターボックス表示の画面の例を示す図である。
【符号の説明】
100 映像表示装置、10 アナログチューナ回路、11 アナログデジタル変換器、12 YC分離回路、13 クロマデコーダ、20 デジタルチューナ回路、21 MPEGデコーダ、30 入力端子、31,32,33 アナログデジタル変換器、40 第1の信号選択回路、50 第2の信号選択回路、60 COL/HUE処理回路、70 コントラスト処理回路、80 シャープネス回路、90 マトリクス回路、71 計測回路、72 有効映像領域設定回路、73 直流伝送率補正回路、74 黒レベル伸張回路、75 動的コントラスト補正回路、110 表示画面、115 黒帯
Claims (4)
- 入力映像信号の有効期間を計測する計測手段と、
上記計測手段による計測結果に基づいて、有効映像領域の設定を行う有効映像領域設定手段と、
入力映像信号により表示される画像の上記有効映像領域設定手段により設定された有効映像領域に対して適応的にコントラスト処理を施すコントラスト処理手段と
を備えることを特徴とする映像信号のコントラスト処理回路。 - 上記コントラスト処理手段として、直流伝送率補正回路を備えることを特徴とする請求項1記載の映像信号のコントラスト処理回路。
- 上記コントラスト処理手段として、黒レベル信号回路をさらに備えることを特徴とする請求項2記載の映像信号のコントラスト処理回路。
- 上記コントラスト処理手段として、動的コントラスト補正回路をさらに備えることを特徴とする請求項3記載の映像信号のコントラスト処理回路。
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