JP2004335687A - プラズマ処理装置、プラズマ処理装置用アンテナおよびプラズマ処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被処理体Wが配置される載置面を有するサセプタ2と、サセプタ2を収容するとともにサセプタ2の載置面に対向する側に開口部を有する容器1と、容器1の開口部を閉塞する誘電体板7と、誘電体板7を介して容器1の内部に高周波電磁界を供給する電磁界供給装置10とを備えている。電磁界供給装置10は、誘電体板7と対向配置されたアンテナ20と、アンテナ20の表面24Aから誘電体板7に向かって突出する突起31Aとを備えている。突起31Aは、少なくともその表面に導電性を有している。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ処理装置および方法に関し、より詳しくは高周波電磁界を用いてプラズマを生成し、半導体やLCD(liquid crystal desplay)、有機EL(electro luminescent panel)などの被処理体を処理するプラズマ処理装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置やフラットパネルディスプレイの製造において、絶縁膜の形成や半導体層の結晶成長、エッチング、またアッシングなどの処理を行うために、プラズマ処理装置が多用されている。このプラズマ処理装置の一つに、処理容器内に高周波電磁界を供給することにより、処理容器内のガスを電離、励起、解離させてプラズマを生成する高周波プラズマ処理装置がある。この高周波プラズマ処理装置は、低圧力で高密度のプラズマを生成できるので、効率のよいプラズマ処理が可能である。
【0003】
図11は、従来の高周波プラズマ処理装置の全体構成を示す図である。このプラズマ処理装置は、上部が開口した有底円筒形の処理容器1を有している。処理容器1の内部にはサセプタ2が収容されている。サセプタ2の上面(載置面)には、被処理体として例えば半導体やLCD、有機ELなどの基板Wが配置される。サセプタ2にはまた、マッチングボックス3を介して高周波電源4が接続されている。
処理容器1の底部には、真空排気用の排気口5が設けられている。処理容器1の側壁には、処理容器1内にガスを導入するガス導入用ノズル6が設けられている。例えばプラズマ処理装置がエッチング装置として用いられる場合には、ノズル6からArなどのプラズマガスと、CF4 などのエッチングガスとが導入される。
【0004】
処理容器1の上部開口は、そこから高周波電磁界を導入しつつ、処理容器1内で生成されるプラズマPを外部に漏らさないように、誘電体板7で閉塞されている。なお、処理容器1の側壁上面と誘電体板7の周縁部下面との間にOリングなどのシール部材8を介在させ、処理容器1内の気密性を確保している。
誘電体板7の上には、処理容器1内に高周波電磁界を供給する電磁界供給装置10の例えばラジアルラインスロットアンテナ(以下、RLSAと略記する)20が配置されている。RLSA20は、誘電体板7によって処理容器1の内部から隔離され、プラズマPから保護されている。誘電体板7およびRLSA20の外周は、処理容器1の側壁上に環状に配置されたシールド材9によって覆われ、RLSA20から処理容器1の内部に供給される高周波電磁界が外部に漏れない構造になっている。
【0005】
電磁界供給装置10は、例えば0.9GHz〜十数GHzの範囲内の所定周波数の高周波電磁界を生成する高周波電源11と、上述したRLSA20と、高周波電源11とRLSA20との間を接続する矩形導波管12、矩形円筒変換器13および円筒導波管14とを有している。矩形導波管12または円筒導波管14には、電源側と負荷側とのインピーダンスを整合させる負荷整合器15が設けられている。また、円筒導波管14には、その軸線に垂直な面内で高周波電磁界を回転させて円偏波にする円偏波変換器16が設けられている。
【0006】
ここで、RLSA20は、ラジアル導波路21を形成する互いに平行な2枚の円形導体板22,24と、これら2枚の導体板22,24の外周部を接続してシールドする導体リング23とを有している。ラジアル導波路21の上面となる導体板22の中心部には、円筒導波管14に接続される開口25が形成され、この開口25からラジアル導波路21内に高周波電磁界が導入される。また、ラジアル導波路21の下面となる導体板24には、ラジアル導波路21内を伝搬する高周波電磁界を誘電体板7を介して処理容器1内に供給するスロット26が複数形成されている。これらのスロット26によりスロットアンテナが構成される。スロット26が形成される導体板24の誘電体板7側の面をRLSA20のアンテナ面と呼ぶ。
【0007】
ラジアル導波路21の下面となる導体板24の中心部には、上面となる導体板22の開口25に向かって突出するバンプ27が設けられている。バンプ27は略円錐状に形成され、その先端は球面状に丸められている。バンプ27は導体または誘電体のいずれで形成してもよい。このバンプ27により、円筒導波管14からラジアル導波路21へのインピーダンスの変化が緩やかになり、円筒導波管14とラジアル導波路21との結合部での高周波電磁界の反射が抑制される。
【0008】
このような構成のプラズマ処理装置において、高周波電源11を駆動して高周波電磁界を発生させると、この高周波電磁界は矩形導波管12、矩形円筒変換器13および円筒導波管14を介してRLSA20に至る。この際、円偏波変換器16により高周波電磁界は直線偏波から円偏波に変換され、RLSA20のラジアル導波路21内に導入される。ラジアル導波路21内に導入された高周波電磁界は、ラジアル導波路21の中心部から周縁部へ向かって放射状に伝搬しつつ、ラジアル導波路21の下面である導体板24に複数形成されたスロット26から徐々に処理容器1内に供給される。処理容器1内では、供給された高周波電磁界により、ノズル6から導入されたガスが電離、励起または解離してプラズマPが生成され、基板Wに対する処理が行われる(例えば、特許文献1を参照)。
【0009】
図12は、図11に示した従来のプラズマ処理装置を用いて、処理容器1内の圧力を133Pa、供給電力を2.5KWとして生成されたプラズマPの密度の分布を示す図である。横軸はサセプタ2の載置面に平行な面内における中心からの距離r[cm]、縦軸はプラズマ空間電位における飽和電子電流Isをその最大値Ismaxで正規化した値(Is/Ismax)を示している。飽和電子電流Isはプラズマ中の電子密度Neすなわちプラズマ密度に比例するので、図12はプラズマ密度の分布にほぼ一致する。図12から、従来のプラズマ処理装置では、プラズマ密度が中心部で高く、周縁部へ行くほど低くなることが分かる。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−217187号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
プラズマPを利用した基板Wに対する処理では、基板Wに平行な面内におけるプラズマ密度の分布が処理速度に影響する。すなわち、図12に示すようにプラズマ密度の分布が不均一の場合、中心部よりもプラズマ密度が低い周縁部で処理速度が遅くなり、所定時間内で基板Wの表面全域に均一な処理を施せない。この場合には、プラズマ密度の分布がより均一になるように調整する必要がある。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、プラズマ密度の分布を調整できるようにすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
RLSA20のアンテナ面24AとプラズマPの表面とシールド材9とに囲まれた空間では、電界強度の分布は図4に示すようなベッセル関数に準拠すると考えられる。x軸がプラズマPの表面に平行な面内における中心からの距離に対応し、y軸が電界強度に対応している。この図に示すように、電界強度は上記空間の中心部で大きく、周縁部へ行くほど小さくなる。電界強度が大きいほどプラズマの生成は促進されるので、図11に示した従来のプラズマ処理装置では、図12に示すように中心部で高く、周縁部へ行くほど低くなるプラズマ密度の分布が得られたと考えられる。
このように、電界強度とプラズマ密度との間には相関関係がある。したがって、プラズマ密度の分布を調整するには、電界強度の分布を制御すればよい。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
【0013】
本発明のプラズマ処理装置は、被処理体が配置される載置面を有するサセプタと、このサセプタを収容するとともに載置面に対向する側に開口部を有する容器と、開口部を閉塞する誘電体板と、この誘電体板を介して容器の内部に高周波電磁界を供給する電磁界供給装置とを備え、この電磁界供給装置が、誘電体板と対向配置されたアンテナと、このアンテナの表面から誘電体板に向かって突出する突起とを備え、この突起が、少なくともその表面に導電性を有することを特徴とする。突起の先端とプラズマの表面との距離はアンテナの表面とプラズマの表面との距離よりも小さくなるので、突起が配置された位置に電界が集中し、その位置の電界強度が大きくなる。
【0014】
ここで、突起は、その中心をアンテナの誘電体板との対向面の中心にほぼ合わせてリング状に配置される構成としてもよい。この際、突起は、幾つかに分割され、リング状をなすように配置されてもよい。また、リング状に配置される突起を少なくとも1個有していてもよい。
また、突起は誘電体板と対向する側が凸状になっていてもよい。例えば、突起の最先端部は曲面で構成するが、誘電体板と対向する側を尖らせてもよい。これにより、電界が集中しやすくなる。
また、アンテナは、誘電体板との対向面にスロットが形成されたスロットアンテナであってもよい。
【0015】
また、本発明のプラズマ処理装置用アンテナは、容器の開口部を閉塞する誘電体板との対向面から誘電体板に向かって突出する突起を備えたことを特徴とする。
また、本発明のプラズマ処理方法は、容器の内部に被処理体を配置し、容器の開口部を閉塞する誘電体板を介して容器の外部から内部へ高周波電磁界を供給することにより容器の内部にプラズマを生成し、被処理体に対して所定の処理を行うにあたって、誘電体板と対向配置されて容器の内部に高周波電磁界を供給するアンテナの表面から誘電体板に向かって突出する突起を設け、この突起の少なくとも表面に導電性をもたせたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、後掲する図面において、図11に示した構成要素に相当する構成要素については図11と同一符号で示し、適宜その説明を省略する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置の全体構成を示す図である。図2は、図1におけるRLSA20のアンテナ面24Aを示す平面図である。図1および図2に示すプラズマ処理装置は、被処理体としての基板Wが配置されるサセプタ2と、サセプタ2を収容する処理容器1と、処理容器1の上部開口を閉塞する誘電体板7と、誘電体板7を介して外部から処理容器1内に高周波電磁界を供給する電磁界供給装置10とを有している。ここで、電磁界供給装置10は、高周波電源11と、矩形導波管12と、矩形円筒変換器13と、円筒導波管14と、負荷整合器15と、円偏波変換器16と、RLSA20とを有している。本実施の形態ではさらに、RLSA20のアンテナ面24Aの中心部でスロット26が形成されていない領域に、凹形部材31が設けられている。
【0018】
図3は、凹形部材31の形状および寸法の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるIIIb−IIIb′線方向の断面図である。凹形部材31は、高さが低い円柱の下面がその周縁部を残して球面状に刳り抜かれた形状をしている。凹形部材31の上面をRLSA20のアンテナ面24Aに固定することにより、アンテナ面24Aから誘電体板7に向かって凹形部材31の周縁部が突出する構成となる。この凹形部材31の周縁部を突起部31Aと呼ぶ。なお、凹形部材31をアンテナ面24Aに固定する際には、凹形部材31の上面の中心をアンテナ面24Aの中心にほぼ合わせる。
【0019】
凹形部材31は、銅またはアルミニウムなどの金属材料で形成される。通常は、RLSA20と同じ材料で形成される。凹形部材31は全体を金属材料で形成してもよいが、少なくともその表面が導電性を有していればよい。例えば、コア部分を金属よりも軽い絶縁材料で形成し、その表面を金属薄膜で覆って凹形部材31を形成してもよい。また、凹形部材31を中空にしてもよい。このようにして凹形部材31を軽量化することにより、凹形部材31が取り付けられるアンテナ面24Aにかかる荷重を小さくすることができる。なお、通常は凹形部材31をアンテナ面24Aに電気的に接続させるが、両者の間に電気的な接続がなくてもよい。
【0020】
凹形部材31が設けられていない場合、RLSA20のアンテナ面24Aと、誘電体板7に沿って生成されるプラズマPの表面と、シールド材9とに囲まれた空間では、電界強度の分布はベッセル関数に準拠すると考えられる。図4は、次数0の第一種のベッセル関数を示す図である。x軸がプラズマPの表面に平行な面内における中心からの距離に対応し、y軸が電界強度に対応している。この図に示すように、電界強度は上記空間の中心部で大きく、周縁部へ行くほど小さくなる。
しかし、RLSA20のアンテナ面24Aに凹形部材31を設けることにより、凹形部材31の突起部31AとプラズマPの表面との距離が、アンテナ面24AとプラズマPの表面との距離よりも小さくなる。その結果、アンテナ面24AとプラズマPの表面との間の電界が突起部31Aの位置に集中して電界強度が大きくなり、その位置でのプラズマ生成が促進される。
【0021】
図5は、本実施の形態に係るプラズマ処理装置におけるプラズマ密度の分布を示す図である。横軸はサセプタ2の載置面に平行な面内における中心からの距離r[cm]、縦軸はプラズマ空間電位における飽和電子電流Isをその最大値Ismaxで正規化した値(Is/Ismax)を示している。縦軸がプラズマ密度に比例することは上述したとおりである。
測定には、RLSA20のアンテナ面24Aの中心部でスロット26が形成されていない領域に配置可能な凹形部材31を用いた。具体的には、図3に示したような突起部31Aの直径(PCD)が75mmφ、幅が10mm、高さが20mmの凹形部材31を用いた。この凹形部材31を直径54cmのアンテナ面24Aの中央部に取り付け、処理容器1内の圧力を133Pa、供給電力を2.5KWとしてプラズマPを生成した。生成されたプラズマPの密度をプローブ法で測定した結果を図5に実線で示す。また、比較のため、凹形部材31を取り付けなかった場合の測定結果を点線で示す。
【0022】
この図から、アンテナ面24Aの中央部に凹形部材31を取り付けることにより、プラズマ密度のピークが中心から凹形部材31の突起部31Aの近くにシフトすることが分かる。したがって、アンテナ面24Aに突起部31Aを有する凹形部材31を取り付け、アンテナ面24AとプラズマPの表面との間の電界強度の分布を制御することにより、プラズマ密度の分布が調整可能であることが分かる。
【0023】
(第2の実施の形態)
図6は、本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ処理装置の要部構成を示す断面図である。図7は、図6におけるRLSA20のアンテナ面24Aを示す平面図である。本実施の形態では、第1の実施の形態で用いた凹形部材31よりも半径が大きいリング部材32を用いる。
図8は、リング部材32の形状および寸法の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるVIIIb−VIIIb′線方向の断面図である。リング部材32は、金属材料を平面視円形のリング状に形成したものであり、その断面形状は矩形をしている。なお、第1の実施の形態で用いた凹形部材31と同様に、リング部材32もまた全体を金属材料で形成してもよいが、少なくともその表面が導電性を有していればよい。
【0024】
図6に示すように、このような構成のリング部材32の上面をRLSA20のアンテナ面24Aに固定する。これにより、リング部材32がアンテナ面24Aから誘電体板7に向かって突出し、リング部材32が突起部材として作用することになる。
この際、図7に示すように、リング部材32の中心をアンテナ面24Aの中心にほぼ合わせる。リング部材32の半径は第1の実施の形態で用いた凹形部材31の半径よりも大きいので、リング部材32はアンテナ面24Aのスロット26が形成されている領域に配置されることになる。リング部材32によりスロット26が一部塞がれてもよいが、できるだけ塞がれないように配置することが望ましい。なお、リング部材32の一部を切り欠き、リング部材32でスロット26を塞がないようにしてもよい。
通常はリング部材32をアンテナ面24Aに電気的に接続させるが、両者の間に電気的な接続がなくてもよい。
【0025】
図9は、本実施の形態に係るプラズマ処理装置におけるプラズマ密度の分布を示す図である。横軸および縦軸は図5と同じである。
測定には図8に示したような、直径(PCD)が175mmφ、幅が10mm、高さが6.5mmのリング部材32を用いた。このリング部材32を直径54cmのアンテナ面24Aに取り付け、処理容器1内の圧力を133Pa、供給電力を2.5KWとしてプラズマPを生成した。生成されたプラズマPの密度をプローブ法で測定した結果を図9に実線で示す。また、比較のため、リング部材32を取り付けなかった場合の測定結果を点線で示す。
【0026】
この図から、アンテナ面24Aにリング部材32を取り付けることにより、中心部からリング部材32を超えた位置までプラズマ密度の分布が平坦化することが分かる。したがって、アンテナ面24Aにリング部材32を取り付け、アンテナ面24AとプラズマPの表面との間の電界強度の分布を制御することにより、プラズマ密度の分布が調整可能であることが分かる。
なお、本実施の形態のようにリング部材32の中心をアンテナ面24Aの中心に合わせることにより、処理容器1の軸線に対して同心円状の分布となるプラズマ密度の分布を調整することができる。処理容器1の側壁が多角形をしている場合など、プラズマ密度の分布が円形にならない場合には、その分布の形状に合わせてリング部材32の形状を決めてもよい。第1の実施の形態で用いた凹形部材31についても同様であり、プラズマ密度の分布の形状に合わせて凹形部材31の外周の形状を決めてもよい。
【0027】
本実施の形態の変形例として、リング部材32の半径を小さくし、アンテナ面24Aの中心部でスロット26が形成されていない領域に配置してもよい。また、複数のリング部材32をアンテナ面24Aに同心円状に配置してもよい。また、幾つかに分割された少なくとも表面に導電性を有する部材をリング状をなすように配置してもよい。
また、第1および第2の実施の形態において、凹形部材31およびリング部材32の誘電体板7と対向する側は凸状になっている。特に、凹形部材31の突起部31Aおよびリング部材32の下側は角を有し尖っている。この角を丸めることにより電界の集中が緩和される。したがって、凹形部材31の突起部31Aおよびリング部材32の角を適宜丸めることにより、電界強度の分布を制御し、プラズマ密度の分布を調整することができる。
【0028】
また、凹形部材31またはリング部材32は、図1および図6に示したような平面的なアンテナ面24Aだけでなく、図10(a),(b)に示すような上に凸または下に凸の円錐面状のアンテナ面24B,24Cに取り付けてもよい。
また、このようなアンテナ面24A〜24Cを有するRLSAに限らず、導波管スロットアンテナなど、他のスロットアンテナのアンテナ面に凹形部材31またはリング部材32を取り付けてもよい。
また、パッチアンテナの共振器として作用する導体板に凹形部材31またはリング部材32を取り付けてもよい。
【0029】
なお、本発明では、上述したアンテナ面24A〜24Cを有するスロットアンテナやパッチアンテナなどを含めて、平面アンテナと呼ぶ。
本発明のプラズマ処理装置は、エッチング装置、CVD装置、アッシング装置などに利用することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、アンテナの表面から誘電体板に向かって突出する突起を設けることにより、突起の先端とプラズマの表面との距離はアンテナの表面とプラズマの表面との距離よりも小さくなる。その結果、突起の位置に電界が集中し、電界強度が大きくなる。電界強度が大きいほどプラズマの生成は促進されるので、突起を所定の位置に配置して電界強度の分布を制御することにより、プラズマ密度の分布を調整することができる。
また、突起をリング状にし、その中心をアンテナの誘電体板との対向面の中心にほぼ合わせることにより、容器の軸線に対して同心円状の分布となるプラズマ密度の分布を調整することができる。
また、突起の誘電体板と対向する側を凸状にすることにより、電界が集中しやすくなるので、プラズマ分布の調整を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置の全体構成を示す図である。
【図2】図1におけるRLSAのアンテナ面を示す平面図である。
【図3】凹形部材の形状および寸法の一例を示す図である。
【図4】次数0の第一種のベッセル関数を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置におけるプラズマ密度の分布を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ処理装置の要部構成を示す断面図である。
【図7】図6におけるRLSAのアンテナ面を示す平面図である。
【図8】リング部材の形状および寸法の一例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ処理装置におけるプラズマ密度の分布を示す図である。
【図10】RLSAのアンテナ面の構成例を示す斜視図である。
【図11】従来の高周波プラズマ処理装置の全体構成を示す図である。
【図12】従来のプラズマ処理装置におけるプラズマ密度の分布を示す図である。
【符号の説明】
1…処理容器、2…サセプタ、3…マッチングボックス、4…高周波電源、5…排気口、6…ガス導入用ノズル、7…誘電体板、8…シール部材、9…シールド材、10…電磁界供給装置、11…高周波電源、12…矩形導波管、13…矩形円筒変換器、14…円筒導波管、15…負荷整合器、16…円偏波変換器、20…RLSA(ラジアルラインスロットアンテナ)、21…ラジアル導波路、22,24…円形導体板、23…導体リング、24A〜24C…アンテナ面、25…開口、26…スロット、27…バンプ、31…凹形部材、31A…突起部、32…リング部材、P…プラズマ、W…基板(被処理体)。
Claims (8)
- 被処理体が配置される載置面を有するサセプタと、このサセプタを収容するとともに前記載置面に対向する側に開口部を有する容器と、前記開口部を閉塞する誘電体板と、この誘電体板を介して前記容器の内部に高周波電磁界を供給する電磁界供給装置とを備えるプラズマ処理装置において、
前記電磁界供給装置は、
前記誘電体板と対向配置されたアンテナと、
このアンテナの表面から前記誘電体板に向かって突出する突起とを備え、
この突起は、少なくともその表面に導電性を有することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項1に記載されたプラズマ処理装置において、
前記突起は、その中心を前記アンテナの前記誘電体板との対向面の中心に合わせてリング状に配置されることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項2に記載されたプラズマ処理装置において、
前記突起は、幾つかに分割され、リング状をなすように配置されることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項2に記載されたプラズマ処理装置において、
リング状に配置される前記突起を少なくとも1個有することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載されたプラズマ処理装置において、
前記突起は、前記誘電体板と対向する側が凸状になっていることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載されたプラズマ処理装置において、
前記アンテナは、前記誘電体板との前記対向面にスロットが形成されたスロットアンテナであることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 容器の開口部を閉塞する誘電体板に対向配置され、前記誘電体板を介して前記容器の外部から内部へ高周波電磁界を供給するプラズマ処理装置用アンテナにおいて、
前記誘電体板との対向面から前記誘電体板に向かって突出する突起を備えたことを特徴とするプラズマ処理装置用アンテナ。 - 容器の内部に被処理体を配置し、前記容器の開口部を閉塞する誘電体板を介して前記容器の外部から内部へ高周波電磁界を供給することにより前記容器の内部にプラズマを生成し、前記被処理体に対して所定の処理を行うプラズマ処理方法において、
前記誘電体板と対向配置されて前記容器の内部に高周波電磁界を供給するアンテナの表面から前記誘電体板に向かって突出する突起を設け、この突起の少なくとも表面に導電性をもたせたことを特徴とするプラズマ処理方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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