JP2004335525A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Masanobu Sato
雅伸 佐藤
Akira Izumi
昭 泉
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Abstract

【課題】基板の第1面および第2面の汚染状況や、これら面上に形成された微細構造の状況に応じて、当該第1面および第2面を同時に超音波洗浄可能な基板処理装置を提供する。
【解決手段】配線パターン等の微細構造が形成された基板Wのおもて面WS1には、ガス脱気部81によって溶存ガス濃度を低下させた洗浄液に超音波が付与されたものが供給される。またおもて面WS1に洗浄液が供給されるのと同時に、おもて面WS1と逆側のうら面WS2には、ガス溶解部82によって溶存ガス濃度を増加させて洗浄液が供給される。これにより、おもて面WS1は、微細構造を破損することなく良好に洗浄処理を施すことができる。また、うら面WS2は、溶存ガス濃度の高い洗浄液におもて面WS1側から伝播する超音波を付与して洗浄処理を施すことができるため、洗浄効果をさらに向上させることができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、単に「基板」と称する)に所定の処理を施す基板処理装置および基板処理方法に関するものであって、特に、基板に対して超音波洗浄を施す際に、当該基板の第1面および第2面の洗浄力を向上させるための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、超音波が付与された洗浄液によって基板を洗浄することにより、基板の洗浄効率を向上させる洗浄技術が提案されている(例えば、特許文献1)
また、従来より、基板の洗浄処理において、ガス(例えば、水素ガス、酸素ガス、希ガス)を溶解させた洗浄液を使用することにより、基板の洗浄効果が向上することも知られている(例えば、特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−076962号公報
【特許文献2】
特開2000−303093号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1の洗浄装置では、基板の下方から基板の下面に向けて超音波が付与された洗浄液が供給されるのと同時に、基板の上方から基板の上面に向けて超音波が付与されていない洗浄液が供給されることによって、基板の上面と下面とが同時に洗浄される。
【0005】
しかし、この特許文献1の洗浄装置によって基板を洗浄する際に以下のような問題が生ずる。すなわち、
(1)基板の下面が、電子デバイスやそれに付随する回路パターン等の微細構造を形成する面(以下、「デバイス面」とも呼ぶ)に該当する場合、洗浄液に溶解するガスの濃度が高いと、デバイス面に形成された微細構造が破損するといった問題が生ずる。
【0006】
また、デバイス面が基板の上面に配置されている場合、基板の下面については、を超音波を付与した洗浄液によって洗浄することができるため、洗浄効果を向上させることができる、しかし、
(2)基板の下面に供給された洗浄液に付与される超音波が、基板の下面および上面を介して基板の上面に供給される洗浄液に付与されることとなり、その際に洗浄液に溶解するガスの濃度が高いと、(1)と同様にデバイス面上の微細構造を破損するといった問題が生ずる。
【0007】
そこで、本発明は、基板の第1面および第2面の汚染状況や、これら面上に形成された微細構造の状況に応じて、当該第1面および第2面を同時に超音波洗浄可能な基板処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板に所定の処理を施す基板処理装置であって、前記基板を保持する保持手段と、前記保持手段に保持された前記基板の第1面と対向して設けられ、前記第1面に向けて第1の洗浄液を吐出する第1の吐出部と、前記保持手段に保持された前記基板を挟んで前記第1の吐出部と逆側に設けられ、前記第1面の裏側に位置する前記基板の第2面に向けて第2の洗浄液を吐出する第2の吐出部と、を備え、前記第1の洗浄液および前記第2の洗浄液のうち少なくとも一方は、超音波を付与されており、前記第1の洗浄液に溶存するガスと前記第2の洗浄液に溶存するガスとは濃度差を有することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の基板処理装置であって、前記第1の洗浄液および前記第2の洗浄液の少なくとも一方に溶存するガスのガス濃度を調整するガス濃度調整手段、をさらに備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の基板処理装置であって、前記第1面はデバイス面であり、前記第1の洗浄液に溶存するガス濃度は、前記第2の洗浄液に溶存するガス濃度より低いことを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の基板処理装置であって、前記第1面は、前記超音波が付与された前記第1の洗浄液を供給されており、前記第2の洗浄液は、前記第1の洗浄液から前記第1面および前記第2の面を介して伝播される超音波を付与されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項3または請求項4に記載の基板処理装置であって、前記ガス濃度調整手段は、前記第1の洗浄液を前記第1の吐出部に向けて供給する第1の洗浄液供給路上に配設され、前記第1の洗浄液に溶存するガスを脱気するガス脱気部と、前記第2の洗浄液を前記第2の突出部に向けて供給する第2の洗浄液供給路上に配設され、前記第2の洗浄液にガスを溶解させるガス溶解部と、を有することを特徴とする。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項3または請求項4に記載の基板処理装置であって、前記ガス濃度調整手段は、第1の複数種の原液を供給することにより前記第1の洗浄液を調合する第1の調合部と、第2の複数種の原液を供給することにより前記第2の洗浄液を調合する第2の調合部と、前記第1の複数種の原液のうち少なくとも1つの原液を前記第1の調合部に供給する第1の原液供給路上に設けられ、前記第1の原液供給路にて送給される原液に溶存するガスを脱気するガス脱気部と、前記第2の複数種の原液のうち少なくとも1つの原液を前記第2の調合部に供給する第2の原液供給路上に設けられ、前記第2の原液供給路にて送給される原液にガスを溶解させるガス溶解部と、を有することを特徴とする。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項3ないし請求項6のいずれかに記載の基板処理装置であって、前記基板の第1面は、基板の上面であることを特徴とする。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の基板処理装置であって、前記第1の洗浄液と前記第2の洗浄液とは同一であることを特徴とする。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項5ないし請求項8のいずれかに記載の基板処理装置であって、前記ガス溶解部は、前記第2の洗浄液に窒素ガスを溶解させることを特徴とする。
【0017】
また、請求項10の発明は、基板処理方法であって、保持手段に保持される基板の第1面と対向して設けられた第1の吐出部から前記基板の第1面に向けて第1の洗浄液を吐出して洗浄する第1の洗浄工程と、前記第1の洗浄工程と同時に行われる工程であって、前記保持手段に保持される前記基板を挟んで前記第1の吐出部と逆側に設けられた第2の吐出部から前記第1面の裏側に位置する前記基板の第2面に向けて第2の洗浄液を吐出して洗浄する第2の洗浄工程と、を有し、前記第1の洗浄液および前記第2の洗浄液の少なくとも一方には、超音波が付与されており、前記第1の洗浄液に溶存するガスと前記第2の洗浄液に溶存するガスとは濃度差を有することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0019】
<1.第1の実施の形態>
<1.1.基板処理装置の構成>
図1は、本発明に係る基板処理装置1の全体構成を示す縦断面図である。図2は、基板処理装置1に純水およびアンモニア水や過酸化水素水等の薬液(以下、「処理液」とも呼ぶ。また、洗浄処理に使用する処理液を、特に「洗浄液」とも呼ぶ)や窒素ガス等の不活性ガスを供給する供給部の構成を示す模式図である。以下、図1および図2を参照しつつ、基板処理装置1の構成について説明する。
【0020】
基板処理装置1は、基板Wに対する洗浄処理を行う枚葉式の基板処理装置である。図1に示すように、基板処理装置1は、主として、基板Wを保持して回転するスピンベース10と、スピンベース10の下側中心部付近と接続された回転軸11に内挿されて基板Wの下面に洗浄液を供給する下側処理液ノズル15と、
基板Wの上方に配設される回転軸35に内挿されて基板Wの上面に洗浄液を供給する上側処理液ノズル36と、上側処理液ノズル36とは別体に設けられており、超音波振動が付与された洗浄液を基板Wに供給する超音波ノズル68と、スピンベース10上に保持されて回転する基板Wから振り切られた処理液を受けるためのスプラッシュガード50とを備える。
【0021】
スピンベース10は、中心部に開口を有する円板状の部材であって、その上面には円形の基板Wの周縁部を把持するための複数個のチャックピン14が立設されている。チャックピン14は、円形の基板Wを確実に保持するために3個以上(例えば、6個)設けてあればよく、スピンベース10の周縁部に沿って等角度間隔(例えば、60°間隔)で配置されている。チャックピン14のそれぞれは、基板Wの周縁部を下方から支持する基板支持部14aと、基板支持部14aに支持された基盤Wの外周端面を押圧して基板Wを保持する基板保持部14bとを備えている。各チャックピン14は、基板保持部14bが基板Wの外周端面を押圧する押圧状態と、基板保持部14bが基板Wの外周端面から離れる開放状態との間を切り替え可能に構成されている。複数個のチャックピン14の押圧状態と解放状態との切り替えは、種々の公知の機構によって実現することが可能であり、例えば特公平3−9607号公報に開示されたリンク機構等を用いればよい。
【0022】
スピンベース10に対する基板Wの受け渡し時には、複数個のチャックピン14を解放状態とし、基板Wに対する諸処理を行う時には、複数個のチャックピン14を押圧状態とする。押圧状態とすることによって、複数個のチャックピン14は基板Wの周縁部を把持してその基板Wをスピンベース10から所定間隔を隔てて略水平姿勢に保持することができる。基板Wは、そのおもて面(電子回路パターンの形成面)WS1を上面側に向け、うら面WS2を下面側に向けた状態で保持される。
【0023】
スピンベース10の中心部下面側には、回転軸11が垂設されている。回転軸11は中空の円筒状部材であって、その内側の中空部分には下側処理液ノズル15が挿設されている。回転軸11の下端付近には、ベルト駆動機構21を介して電動モータ20が連動連結されている。すなわち、回転軸11の外周に固設された従動プーリ21aと電動モータ20の回転軸に連結された主動プーリ21bとの間にベルト21cが巻き掛けられている。電動モータ20を駆動することにより、その駆動力をベルト駆動機構21を介して回転軸11に伝達し、回転軸11、スピンベース10とともにチャックピン14に保持された基板Wを水平面内にて鉛直方向に沿った回転軸Jを中心として回転させることができる。
【0024】
以上の回転軸11、ベルト駆動機構21、電動モータ20等は、ベース部材24上に設けられた有蓋円筒状のケーシング25内に収容されている。
【0025】
下側処理液ノズル15は、上述のように回転軸11に挿通されており、その先端部15aはスピンベース10上に保持された基板Wのうら面WS2の中心部直下に対向するように配設されている。
【0026】
下側処理液ノズル15の基端部15bは、純水配管37d(図2参照)およびバルブ18bを介して純水供給源17cと連通接続されている。そのため、バルブ18bを開放することによって下側処理液ノズル15の先端部15aから基板Wのうら面WS2の中心部に向けて純水を供給することができる。
【0027】
また、下側処理液ノズル15の基端部15bは、洗浄液配管16(図2参照)に連通接続されている。そのため、下側処理液ノズル15の先端部15aから基板Wの下面に向けて、後述する調合部17a(図2参照)にて調合された純水、過酸化水素水、およびアンモニア水の混合液を洗浄液として供給することができる。
【0028】
このように、下側処理液ノズル15は基板Wのうら面WS2に向けて洗浄液を吐出する吐出部として使用される。なお、洗浄液配管16を介して下側処理液ノズル15に供給される洗浄液の供給部の詳細について後述する。
【0029】
また、回転軸11の中空部分の内壁と下側処理液ノズル15の外壁との間の隙間は、気体供給路19となっている。この気体供給路19の先端部19aは環状開口となっており、スピンベース10上に保持された基板Wのうら面WS2中心部に向けられている。そして、気体供給路19の基端部19bはガス配管22に連通接続されている。ガス配管22は不活性ガス供給源23に連通接続され、ガス配管22の経路途中にはバルブ13が設けられている。バルブ13を開放することによって、気体供給路19の先端部19aからスピンベース10上に保持された基板Wのうら面WS2中心部に向けて不活性ガス(本実施の形態では窒素ガス)を供給することができる。
【0030】
超音波ノズル68は、スピンベース10上に保持された基板Wの上方に、当該基板Wのおもて面WS1と対向するように配設されている。すなわち、超音波ノズル68は、スピンベース10に保持された基板Wを挟んで下側処理液ノズル15と逆側に配設されている。また、超音波ノズル68は、図1に示すように、凸字に屈曲したリンク部材66を介してノズル移動機構65と連結されている。
【0031】
ここで、ノズル移動機構65は、鉛直方向に沿った回転軸を有する電動モータ65aを備えており、その回転軸の周りにリンク部材66およびリンク部材66に接続された超音波ノズル68を回転させることができる。
【0032】
これにより、超音波ノズル68は、スピンベース10に保持された基板Wのおもて面WS1に対向する対向位置と、対向位置から側方にスプラッシュガード50の外側まで退避した退避位置との間を、回転運動により移動することができる。また、対向位置においても、超音波ノズル68はスピンベース10に保持された基板Wのおもて面WS1の中心部から周縁部に至る各部に対向することができる。
【0033】
さらに、ノズル移動機構65はノズル昇降機構69に接続されており、ノズル移動機構65とともに超音波ノズル68を昇降できる構成となっている。これにより、スプラッシュガード50を回避して、超音波ノズル68を退避位置と対向位置との間で移動させることができる。
【0034】
超音波ノズル68の斜視図を図3(a)に、超音波ノズル68の洗浄液配管37aを含む縦断面図を図3(b)に、それぞれ示す。これらの図に示すように、超音波ノズル68は、下半部の断面形状がV字形をなし、下端面に吐出口68aが形設された有蓋円筒形状の吐出部68bと、吐出部68bの上壁面に形成された透孔68cの一端に固設された超音波振動子68dとを備えている。
【0035】
吐出部68bは、フッ素樹脂等の耐薬性を有する素材で形成されている。また、吐出部68bの側壁面には、液導入口70が形設されており、吐出部68bの内部空間68fと調合部17a(図2参照)とは、液導入口70および洗浄液配管37aを介して連通接続されている。また、超音波振動子68dの表面には、石英もしくは高純度SiC(炭化珪素)の薄板が貼り付けられている。超音波振動子68dには、ケーブル67が電気的に接続されており、ケーブル67は、図外の高周波発信器に電気的に接続されている。
【0036】
これにより、吐出部68bの内部空間68fに調合部17aから供給される洗浄液を充満させるとともに、超音波振動子68dから吐出部68bの内部空間68fに向けて超音波が発射されると、内部空間68fに充満する洗浄液に超音波を付与することができる。そのため、超音波ノズル68の吐出口68aから基板Wの上面に向けて調合部17a(図2参照)にて調合された洗浄液に超音波を付与したものを供給することができる。すなわち、超音波ノズル68は、基板Wのおもて面WS1に向けて洗浄液を吐出する吐出部として使用される。なお、洗浄液配管37aを介して超音波ノズル68に供給される洗浄液の供給部の詳細について後述する。
【0037】
図1に示すように、スピンベース10上に保持された基板Wの上方には、円盤状の雰囲気遮断板30と、雰囲気遮断板30の上面中央部に垂設された環状の回転軸35と、回転軸35の内部に挿通された上側処理液ノズル36とが、一体として昇降可能に配置されている。そして、雰囲気遮断板30の中心部には、回転軸35の内径にほぼ等しい開口が設けられており、回転軸35の内側の中空部分には上側処理液ノズル36が挿設されている。
【0038】
上側処理液ノズル36は、回転軸35を貫通しており、その先端部36aはスピンベース10上に保持された基板Wの中心部直上に対向するように配設されている。また、上側処理液ノズル36の基端部36bは、図2に示すように、純水配管37cおよびバルブ18cを介して純水供給源17cと連通接続されている。そのため、バルブ18cを開放することによって上側処理液ノズル36の先端部36aから基板Wのおもて面WS1の中心部に向けて純水を供給することができる。
【0039】
また、回転軸35の中空部分の内壁および雰囲気遮断板30の中心の開口の内壁と上側処理液ノズル36の外壁との間の隙間は、気体供給路45となっている。この気体供給路45の先端部45aは環状開口となっており、スピンベース10上に保持された基板Wのおもて面WS1中心部に向けられている。そして、気体供給路45の基端部45bはガス配管46に連通接続されている。図2に示すように、ガス配管46は不活性ガス供給源23に連通接続され、ガス配管46の経路途中にはバルブ47が設けられている。そのため、バルブ47を開放することによって、気体供給路45の先端部45aからチャックピンに保持された基板Wのおもて面WS1の中心部に向けて窒素ガスを供給することができる。
【0040】
回転軸35は、支持アーム40にベアリングを介して回転自在に支持されているとともに、ベルト駆動機構41を介して、支持アーム40に取り付けられた電動モータ42に連結されている。すなわち、回転軸35の外周に固設された従動プーリ41aと電動モータ42の回転軸に連結された主動プーリ41bとの間にベルト41cが巻き掛けられている。電動モータ42を駆動することにより、その駆動力をベルト駆動機構41を介して回転軸35に伝達し、回転軸35および雰囲気遮断板30を水平面内にて鉛直方向に沿った回転軸Jを中心として回転させることができる。雰囲気遮断板30は基板Wとほぼ同じ回転数にて回転する。なお、ベルト駆動機構41は支持アーム40内に収容されている。
【0041】
さらに、支持アーム40はアーム昇降機構49に接続され、昇降可能となっている。アーム昇降機構としては、ボールネジを用いた送りネジ機構やエアシリンダを用いた機構等、種々の公知の機構を採用することができる。アーム昇降機構49は、支持アームを昇降させることによって、それに連結された回転軸35および雰囲気遮断板30を昇降させることができ、雰囲気遮断板30を、スピンベース上に保持された基板Wのおもて面WS1に近接する位置と、基板Wの上方に離間して退避した位置との間で移動させることができる。図1では、雰囲気遮断板30は退避した位置にある。
【0042】
受け部材26は、図1に示すように、ベース部材24上のケーシング25の周囲に固定的に取りつけられている。受け部材26には、円筒状の仕切部材27a,27bが立設されている。ケーシング25および仕切部材27aを側壁として、第1排液槽28が形成されており、仕切部材27aおよび仕切部材27bを側壁として、第2排液槽29が形成されている。第1排液槽28の底部にはV溝が形成されており、V溝中央部の一部には廃棄ドレイン28bに連通接続された排出口28aが設けられている。
【0043】
第1排液槽28の排出口28aからは使用済みの純水および気体を廃棄ドレイン28bへ排出し、気液分離後、それぞれ所定の手続きに従って廃棄することができる。一方、第2排液槽29の底部にはV溝が形成されており、V溝中央部の一部には回収ドレイン29bに連通接続された排出口29aが設けられている。第2排液槽29の排出口29aからは使用済みの洗浄液を回収ドレイン29bへ排出し、図外の回収タンクに一旦回収される。そして、この回収された洗浄液は、再度、超音波ノズル68の吐出口68aおよび下側処理液ノズル15の先端部15aから基板Wに向けて供給することによって循環再利用される。
【0044】
スプラッシュガード50は、スピンベース10および当該スピンベース10に保持された基板Wの周囲を取り囲むように配設されている。スプラッシュガード50の内面上部には、断面くの字形で内方に開いた溝状の第1案内部51が形成されている。また、スプラッシュガード50の下部には、内方および下方に開いた断面4分の1円弧状の第2案内部52と、第2案内部52の内側に円環状の溝53が形成されている。スプラッシュガード50は、リンク部材56を介してガード昇降機構55と連結されており、ガード昇降機構55によって昇降自在とされている。なお、ガード昇降機構55としては、ボールネジを用いた送りネジ機構やエアシリンダを用いた機構など、種々の公知の機構を採用することができる。
【0045】
ガード昇降機構55がスプラッシュガード50を下降させているときには、仕切部材27aが溝53に遊嵌するとともに、スピンベース10およびそれに保持された基板Wの周囲に第1案内部51が位置する。この状態は後述するリンス処理時およびスピン乾燥時の状態であり、回転する基板W等から飛散した純水を第1案内部51によって受け止め、その傾斜に沿って第1排液槽28に流し込み、排出口28aから廃棄ドレイン28bへと排出できる状態となる。
【0046】
一方、ガード昇降機構55がスプラッシュガード50を上昇させているときには、仕切部材27aが溝53から離間するとともに、スピンベース10およびそれに保持された基板Wの周囲に第2案内部52が位置することとなる(図1参照)。図1に示すスピンベース10とスプラッシュガード50との位置関係は、は洗浄処理時の状態であり、回転する基板Wから飛散した洗浄液を第2案内部52によって受け止め、その曲面に沿って第2排液槽29に流し込み、排出口29aから回収ドレイン29bへと排出できる状態となる。
【0047】
また、基板処理装置1は、上記の構成以外に制御部90を備え、電動モータ20,42、アーム昇降機構49、ガード昇降機構55、ノズル移動機構65,75、ノズル昇降機構69,79、バルブ12a,12b,12c,13,18a,18b,18c,47等は、制御部90により、その動作を制御することができる。
【0048】
<1.2.洗浄液供給部の構成>
ここでは、主として図2を参照することにより、超音波ノズル68、および下側処理液ノズル15に洗浄液を供給する洗浄液供給部について説明する。なお、図2に示される上側処理液ノズル36の先端部15aから基板Wのおもて面WS1に向けて供給される純水の供給部については説明済みであるため、ここでは説明を省略する。
【0049】
超音波ノズル68から基板Wのおもて面WS1に向けて供給される洗浄液の供給部は、図2に示すように、主として、洗浄液の調合を行う調合部17aと、洗浄液に溶存するガスを脱気して洗浄液に溶存するガス濃度を低下させるガス脱気部81とから構成されている。
【0050】
調合部17aは、超音波ノズル68および下側処理液ノズル15からそれぞれ基板Wのおもて面WS1およびうら面WS2に向けて吐出する洗浄液を、洗浄液の原液として使用される複数種の処理液を調合することによって取得する部材である。調合部17aの内部空間17fは、処理液を貯留可能に構成されている。
【0051】
また、調合部17aは、図2に示すように、バルブ18dおよび原液配管83aを介して純水供給源17cと、バルブ18eおよび原液配管83bを介して過酸化水素水供給源17dと、さらに、バルブ18fおよび原液配管83cを介してアンモニア水供給源17eと、それぞれ連通接続されている。
【0052】
そのため、バルブ18aおよびバルブ12aを閉鎖するとともに、バルブ18dを所定時間T1だけ開放して純水供給源17cから純水を、バルブ18eを所定時間T2だけ開放して過酸化水素水供給源17dから過酸化水素水を、また、バルブ18fを所定時間T3だけ開放してアンモニア水供給源17eからアンモニア水を調合部17aにそれぞれ供給してこれら純水、過酸化水素水、およびアンモニア水を混合することにより、調合部17aの内部空間17fにアルカリ性溶液であるアンモニア水と過酸化水素水と水との混合液(以下、「SC1」と呼ぶ)を所定の比率にて調合することができる。
【0053】
なお、本実施の形態では、調合部17aにおいて調合されるSC1と純水を洗浄液として使用しているが、その他フッ素系溶剤のハイドロフルオロエーテル(HFE)等の有機溶剤、希塩酸やSC2(塩酸と過酸化水素水と水との混合液)等の酸性溶液も洗浄液として使用してもよい。
【0054】
ガス脱気部81は、図2に示すように、調合部17aから超音波ノズル68に向けて洗浄液を供給する洗浄液配管37aの経路上に配設されている。図4にガス脱気部81の構成を示す。ガス脱気部81は、図4に示すように、脱気配管81aの内部に中空糸81bを配置した二重管構造を有している。
【0055】
また、図4に示すように、中空糸81bの外周部と脱気配管81aの内周部とによって囲まれるガス脱気部81の内部空間81cは、排気路85および排気ポンプ88を介して排気ドレイン88bと連通接続されている。そのため、排気ポンプ88aを動作させことにより、内部空間81cを真空状態にすることができる。さらに、中空糸81bの一方端には洗浄液配管37aおよびバルブ18aを介して調合部17a(図2参照)と連通接続されている。
【0056】
したがって、排気ポンプ88aを動作させて内部空間81cを真空状態にするとともに、バルブ18aを開放して中空糸81bに調合部17aから供給されるSC1(洗浄液)を流通させると、当該中空糸81bを流通するSC1に溶解しているガスを取り除いて脱気することができる。すなわち、ガス脱気部81は、中空糸81bを流通するSC1に溶存するガス濃度を、調合部17aに貯留されているSC1に溶存するガス濃度と比較して低下させることができ、ガス濃度調整部として使用される。そのため、超音波ノズル68(図2参照)から基板Wのおもて面WS1に向けて、このガス濃度を低下させて洗浄液を供給することができる。
【0057】
下側処理液ノズル15から基板Wのうら面WS2に向けて供給される洗浄液の供給部は、図2に示すように、主として、洗浄液の調合を行う調合部17aと、洗浄液にガスを溶解させて洗浄液に溶存するガス濃度を増加させるガス溶解部82とから構成されている。なお、調合部17aについてはすでに説明済みであるため、ここでは、ガス溶解部82について説明する。
【0058】
ガス溶解部82は、図2に示すように、調合部17aから下側処理液ノズル15に向けてSC1(洗浄液)を供給する洗浄液配管16の経路上に配設されている。図5にガス溶解部82の構成を示す。ガス溶解部82は、図5に示すように、溶解配管82aの内部に中空糸82bを配置した二重管構造を有している。
【0059】
図5に示すように、中空糸82bの外周部と溶解配管82aの内周部とによって囲まれるガス溶解部82の内部空間82cは、溶解ガス供給路86を介して溶解ガス供給源89と連通接続されている。
【0060】
ここで、溶解ガス供給源89とは、ガス溶解部82にて洗浄液に溶解させる溶解ガスを内部空間82cに供給する供給源であり、本実施の形態では、溶解ガス供給源89から窒素ガスが供給されるように構成されている。ただし、溶解ガスはこれに限定されるものでなく、例えば、酸素、二酸化炭素、水素ガスおよびオゾンでも良い。
【0061】
このように、内部空間82cは、溶解ガス供給路86を介して溶解ガス供給源89と連通接続されているため、バルブ86aを開放すると内部空間82cに溶解ガスを充填することができる。
【0062】
また、中空糸82bの一方端には洗浄液配管16およびバルブ12aを介して調合部17a(図2参照)と連通接続されている。
【0063】
これにより、バルブ86aを開放して内部空間82cに溶解ガスを供給するとともに、バルブ12aを開放して中空糸82bに調合部17aから供給されるSC1(洗浄液)を流通させると、当該中空糸82bを流通するSC1に対して内部空間82cに充填した溶解ガスの分圧に応じて、当該溶解ガスを溶解させることができる。すなわち、ガス溶解部82は、内部空間82cに充填する溶解ガスの分圧を調整することにより洗浄液に溶存する溶解ガスのガス濃度を増加させることができ、ガス濃度調整部として使用される。そのため、先端部15a(図2参照)から基板Wのうら面WS2に向けて、このガス濃度を増加させたSC1を供給することができる。
【0064】
ところで、特許文献2に記載されているように、ガスを溶解させた洗浄液に超音波を付与して基板Wの洗浄処理を行うと、基板Wの洗浄効果を向上させることが知られている。
【0065】
そして、発明者がさらに鋭意研究したところ、これは、ガスが外部に排出する際に発生するキャビテーションによるバブルが破裂する衝撃が原因と推定している。洗浄液に含まれるガス濃度が増加すると、超音波のエネルギーが洗浄液に含まれるガスを洗浄液の外部に排出することに使用され、洗浄液中や基板Wを伝搬する超音波のエネルギーが減少するという問題が発生することを突き止めた。また、洗浄液に含まれるガス濃度が増加すると、基板Wのデバイス面に形成された配線パターン等の微細構造を破損するという問題が発生することも突き止めた。
【0066】
これに対して、本実施の形態の洗浄液の供給部は、上述のように、調合部17aの内部空間17fに貯留されるSC1(洗浄液)と比較して溶存するガス濃度を低下させたSC1を基板Wのおもて面WS1に向けて供給することができる。また、下側処理液ノズル15に対しては、調合部17aの内部空間17fに貯留されるSC1と比較して溶存するガス濃度を増加させたSC1を基板Wのうら面WS2に向けて供給することができる。
【0067】
すなわち、基板Wのおもて面WS1に供給されるSC1に溶存するガスのガス濃度は、基板Wのうら面WS2に供給されるSC1に溶存するガスのガス濃度と比較して低くなるように設定されている。さらに換言すると、おもて面WS1に供給されるSC1に溶存するガスと、うら面WS2に供給されるSC1に溶存するガスとは、濃度差を有することとなる。
【0068】
そのため、本実施の形態では、うら面WS2側に伝播する超音波のエネルギーを増加させるために超音波振動子68dによってSC1(洗浄液)に付与される超音波のエネルギーを増加させても、基板Wのおもて面WS1に供給されるSC1に溶存するガス濃度を低く設定することによってデバイス面に形成される微細構造が破損されることを防止しつつデバイス面を良好に洗浄することができる。
【0069】
また、本実施の形態では、基板Wのおもて面WS1に供給されるSC1に溶存するガス濃度を低く設定することにより、おもて面WS1に供給されるSC1を伝播する超音波エネルギーが低下することを防止でき、基板Wを介してうら面WS2に供給されるSC1に超音波のエネルギーを良好に伝達することができる。
【0070】
これにより、うら面WS2に供給されるSC1は、おもて面WS1側から基板Wおよびうら面WS2面を介して伝播される超音波を付与される。そのため、うら面WS2に供給されるSC1に超音波を付与するための装置(例えば、超音波振動子68dと同様なもの)を設けなくても、うら面WS2を超音波が付与されたSC1(洗浄液)によって超音波洗浄することが可能となる。
【0071】
さらに、本実施の形態では、溶存ガス濃度を高く設定したSC1に超音波を付与したものを使用して基板Wのうら面WS2を洗浄処理を行うことができる。そのため、うら面WS2の洗浄効果をさらに向上させることができる。
【0072】
<1.3.洗浄処理手順>
ここでは、本実施の形態の基板処理装置1を用いた基板Wの洗浄処理手順について説明する。なお、洗浄処理を開始する前の時点において、すべてのバルブ12a、13、18a〜18f、47は閉鎖されている。また、調合部17aの内部空間17fには、洗浄液としてアルカリ性溶液であるSC1が貯留されている。
【0073】
本実施の形態の洗浄処理では、まず、ガード昇降機構55によりスプラッシュガード50の昇降動作を行い、スプラッシュガード50の上端がスピンベース10と同じ高さもしくは若干低い状態とする。そして、超音波ノズル68および雰囲気遮断板30を、退避位置に移動させる。この状態で、図外の搬送ロボットによって洗浄処理前の基板Wをスピンベース10上に搬入し、複数個のチャックピン14を解放状態から押圧状態とすることにより基板Wの周縁部を把持する。これにより基板Wは水平姿勢にて保持される。
【0074】
次に、ガード昇降機構55によりスプラッシュガード50を上昇させ、第2案内部52がスピンベース10およびそれに保持された基板Wを取り囲むように位置調整を行う。また、ノズル移動機構65およびノズル昇降機構69も駆動させ、超音波ノズル68を基板Wの対向位置に移動させる。
【0075】
そして、電動モータ20およびベルト駆動機構21を駆動させることにより、スピンベース10とともに基板Wの回転を開始する。この状態でバルブ18aおよびバルブ12aを略同時に開放する。
【0076】
これにより、超音波ノズル68から基板Wのおもて面WS1に向けて調合部17aの内部空間17fに貯留されるSC1と比較して溶存するガス濃度の低いSC1が、また、下側処理液ノズル15から基板Wのうら面WS2に向けて調合部17aの内部空間17fに貯留されるSC1と比較して溶存するガス濃度の高いSC1が、それぞれ吐出される。すなわち、超音波ノズル68から吐出される洗浄液と下側処理液ノズル15から吐出される洗浄液とは、溶存するガス濃度が相違することを除いて、純水、過酸化水素水、およびアンモニア水の混合比率が同一の薬液(SC1)である。そして、回転に伴う遠心力の影響により、基板Wのおもて面WS1およびうら面WS2は、それぞれ超音波ノズル68から供給されるSC1および下側処理液ノズル15から供給されるSC1によって覆われた状態となる。
【0077】
そのため、基板Wのおもて面WS1とうら面WS2とを同時に洗浄することができ、洗浄処理のスループットを向上することができる。また、デバイス面側であるおもて面WS1は、当該おもて面WS1上に形成された微細構造を破損することなく良好に超音波洗浄を行うことができる。
【0078】
また、おもて面WS1およびうら面WS2がSC1によって覆われている状態において、おもて面WS1に供給されたSC1に付与されている超音波は、良好にうら面WS2側に伝播してうら面WS2側に供給されるSC1に超音波を付与することができる。そのため、おもて面WS1と比較して汚染度の高いうら面WS2は、SC1に溶存するガス濃度の高いSC1によって超音波洗浄することができ、良好な洗浄効果を得ることができる。また、うら面WS2に向けて供給されるSC1に超音波を付与するための装置を設ける必要がなく、基板処理装置1の製造コストを低減することができる。
【0079】
このように、おもて面WS1に供給されるSC1に超音波を付与するとともに、おもて面WS1に供給されるSC1とうら面WS2に供給されるSC1とで濃度差を有することにより、各面WS1、WS2を良好に洗浄処理できるため、基板W全体として良好な洗浄効果を得ることができる。
【0080】
なお、本実施の形態において、超音波ノズル68は、ノズル移動機構65の回転軸を中心とし基板Wの回転軸Jを通る円弧軌跡(図6の二点鎖線)上を、基板Wの周縁部N1とN2の間で往復走査している。そのため、基板Wのおもて面WS1全域にSC1を供給し、基板Wのおもて面WS1全域を均一に処理することができる。
【0081】
基板Wのおもて面WS1およびうら面WS2に供給されたSC1は、基板Wの回転による遠心力で基板Wの側方へと振り切られ、スプラッシュガード50の第2案内部52に受けられる。第2案内部52にて受けとめられたSC1は、第2排液槽29内に流れ落ち、排出口29aから回収ドレイン29bへと排出され、図外の回収タンクに回収された後に循環再利用される。そして、所定の時間SC1を供給した後、バルブ18a、12aを閉鎖して超音波ノズル68および下側処理液ノズル15からのSC1の供給を停止する。
【0082】
続いて、ノズル移動機構65,75、ノズル昇降機構69,79、ガード昇降機構55等を駆動することにより、超音波ノズル68を退避位置に移動させる。その後ガード昇降機構55によりスプラッシュガード50を移動させ、第1案内部51がスピンベース10およびそれに保持された基板Wを取り囲むように位置調整を行う。さらに、アーム昇降機構49を駆動し、雰囲気遮断板30をスピンベース10上に保持された基板Wのおもて面WS1に近接する位置まで下降させる。
【0083】
そして、電動モータ42およびベルト駆動機構41を駆動させ、回転軸35とともに雰囲気遮断板30を回転させるとともに、バルブ47を開放することによって、気体供給路45の先端部45aから基板Wのおもて面WS1に向けて窒素ガスを吐出する。またバルブ47を開放すると同時にバルブ13を開放することによって、気体供給路19の先端部19aから基板Wのうら面WS2に向けて窒素ガスを吐出する。
【0084】
これにより、雰囲気遮断板30と基板Wとの間の空間、およびスピンベース10と基板Wとの間の空間を、それぞれ低酸素分圧にする。この状態でバルブ18cを開放することにより、上側処理液ノズル36からは純水を回転している基板Wのおもて面WS1に向けて、また、バルブ18bを開放することにより、下側処理液ノズル15からは純水を回転している基板Wのうら面WS2に向けて、それぞれ吐出し、基板W表面に残存するSC1等を洗い流すリンス処理を行う。
【0085】
続いて、基板W表面に供給された純水は、基板Wの回転による遠心力で基板Wの側方へと振り切られ、スプラッシュガード50の第1案内部51に受けられる。そして、その純水は第1排液槽28内に流れ落ち、排出口28aから廃棄ドレイン28bへと排出され、廃棄される。そして、所定の時間純水を供給した後、バルブ18c、18bを閉鎖することにより、上側処理液ノズル36および下側処理液ノズル15からの純水の供給を停止する。
【0086】
純水の供給が終了すると、気体供給路45,19からの窒素ガスの供給および基板Wの回転は継続し、基板W表面に付着した水分を振り切ることにより乾燥(スピン乾燥)を行う。
【0087】
ここで、気体供給路45および19から窒素ガスを吐出しつつスピン乾燥を行うことにより、基板Wおもて面WS1およびうら面WS2の乾燥効率を高める効果を得ることができる。また、雰囲気遮断板30と基板Wとの間の空間、およびスピンベース10と基板Wとの間の空間を、それぞれ低酸素分圧とすることにより、基板Wのおもて面WS1およびうら面WS2におけるウォーターマークの発生を抑制するという効果を得ることができる。
【0088】
基板W表面の乾燥が完了すると、気体供給路45,19からの窒素ガスの供給を停止する。また、電動モータ20を停止することにより基板Wの回転も停止させる。そして、アーム昇降機構を駆動し、雰囲気遮断板30をスピンベース10上に保持された基板Wのおもて面WS1から大きく離間した位置まで上昇させ、退避させる。また、ガード昇降機構55を駆動することにより、スプラッシュガード50の上端がスピンベース10と同じ高さもしくは若干低い状態とする。この状態で、基板Wの周縁部を把持する複数個のチャックピン14を押圧状態から解放状態にし、図外の搬送ロボットによって基板Wをスピンベース10上から装置外へと搬出し、1枚の基板Wの洗浄処理を終了する。
【0089】
<1.4.第1の実施の形態の基板処理装置の利点>
以上のように、本実施の形態において、基板Wのデバイス面に該当するおもて面WS1の洗浄処理は、ガス脱気部81によってガス濃度を低下させた洗浄液(SC1)に超音波を付与したものを供給すると略同時に、おもて面WS1と比較して汚染度の高いうら面WS2の洗浄処理は、ガス溶解部82によってガス濃度を増加させた洗浄液(SC1)を供給することによって行うことができる。そのため、おもて面WS1上に形成された微細構造を破損することなく良好に超音波洗浄を行うことができる。
【0090】
また、おもて面WS1には、溶存ガス濃度の低い洗浄液が供給される。これにより、超音波振動子68dによって与える超音波エネルギーをさらに増加させることができる。そのため、おもて面WS1側からうら面WS2側に伝播する超音波エネルギーをさらに増加させることができる。
【0091】
さらに、おもて面WS1に供給された洗浄液に付与されている超音波が、おもて面WS1、基板Wを介してうら面WS2側に供給される洗浄液に付与される。そのため、溶存ガス濃度の高い洗浄液によって超音波洗浄することができ、おもて面WS1と比較して汚染度の高いうら面WS2も良好に洗浄することができる。
【0092】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態と比較すると、洗浄液供給部のハードウェア構成が相違する点を除いて、第1の実施の形態の基板処理装置と同様である。そこで、以下では、この相違点を中心に説明する。
【0093】
なお、以下の説明において、第1の実施の形態の基板処理装置における構成要素と同様な構成要素については同一符号を付している。これら同一符号の構成要素は、第1の実施の形態において説明済みであるため、本実施の形態では説明を省略する。
【0094】
<2.1.洗浄液供給部の構成>
図7は、本実施の形態の洗浄液やガスの供給部の構成を示す模式図である。ここでは、図7を参照しつつ、超音波ノズル68、および下側処理液ノズル15に洗浄液を供給する洗浄液供給部について説明する。なお、図2に示される上側処理液ノズル36の先端部15aから基板Wのおもて面WS1に向けて供給される純水の供給部については第1の実施の形態において説明済みであるため、ここでは説明を省略する。
【0095】
超音波ノズル68から基板Wのおもて面WS1に向けて供給される洗浄液の供給部は、図7に示すように、主として、洗浄液の調合を行う調合部117aと、純水供給源17c、過酸化水素水供給源17d、およびアンモニア水供給源17eから供給される処理液に溶存するガスのガス濃度を低下させる複数(本実施の形態では3つ)のガス脱気部181a〜181cとから構成されている。
【0096】
調合部117aは、第1の実施の形態の調合部17aと同様に、超音波ノズル68から基板Wのおもて面WS1に向けて吐出する洗浄液を、洗浄液の原液として使用される複数種の処理液を調合することによって取得する部材である。調合部117aの内部空間117fは、処理液を貯留可能に構成されている。
【0097】
また、調合部117aは、図7に示すように、原液配管183a、ガス脱気部181aおよびバルブ118dを介して純水供給源17cと、原液配管183b、ガス脱気部181bおよびバルブ118eを介して過酸化水素水供給源17dと、さらに、原液配管183c、ガス脱気部181c、およびバルブ118fを介してアンモニア水供給源17eと、それぞれ連通接続されている。
【0098】
ガス脱気部181aは、図7に示すように、純水供給源17cから調合部117aに向けて純水を供給する原液配管183aの経路上に配設されており、第1の実施の形態のガス脱気部81と同様なハードウェア構成を有する。したがって、ガス脱気部181aを流通する純水は脱気されて、ガス脱気部181aに供給される前の純水と比較して溶存するガスのガス濃度は低下する。
【0099】
また、ガス脱気部181bは、図7に示すように、過酸化水素水供給源17dから調合部117aに向けて過酸化水素水を供給する原液配管183bの経路上に配設されており、第1の実施の形態のガス脱気部81と同様なハードウェア構成を有する。したがって、ガス脱気部181bを流通する過酸化水素水は脱気されて、ガス脱気部181bに供給される前の過酸化水素水と比較して溶存するガスのガス濃度は低下する。
【0100】
また、ガス脱気部181cは、図7に示すように、アンモニア水供給源17eから調合部117aに向けてアンモニア水を供給する原液配管183cの経路上に配設されており、第1の実施の形態のガス脱気部81と同様なハードウェア構成を有する。したがって、ガス脱気部181cを流通するアンモニア水は脱気されて、ガス脱気部181cに供給される前のアンモニア水と比較して溶存するガスのガス濃度は低下する。
【0101】
このように、調合部117aに供給される純水、過酸化水素水、およびアンモニア水は、それぞれガス脱気部181a、181b、181cによって脱気されて溶存するガスのガス濃度が調整されている。そのため、バルブ118aを閉鎖するとともに、バルブ118dを所定時間T4だけ開放して純水供給源17cから純水を、バルブ118eを所定時間T5だけ開放して過酸化水素水供給源17dから過酸化水素水を、また、バルブ118fを所定時間T6だけ開放してアンモニア水供給源17eからアンモニア水を調合部117aにそれぞれ供給してこれら純水、過酸化水素水、およびアンモニア水を調合することにより、調合部117aの内部空間117fに溶存ガス濃度が調整されてガス濃度が低下したSC1を貯留することができる。
【0102】
なお、本実施の形態では、超音波ノズル68に供給する洗浄液として、調合部117aにおいて調合されるSC1と純水を使用しているが、その他フッ素系溶剤のハイドロフルオロエーテル(HFE)等の有機溶剤、希塩酸やSC2(塩酸と過酸化水素水と水との混合液)等の酸性溶液も洗浄液として使用してもよい。
【0103】
下側処理液ノズル15から基板Wのうら面WS2に向けて供給される洗浄液の供給部は、図7に示すように、主として、洗浄液の調合を行う調合部117bと、純水供給源17c、過酸化水素水供給源17d、およびアンモニア水供給源17eから供給される処理液にガスを溶解させる複数(本実施の形態では3つ)のガス溶解部182とから構成されている。
【0104】
調合部117bは、第1の実施の形態の調合部17aと同様に、下側処理液ノズル15から基板Wのうら面WS2に向けて吐出する洗浄液を、洗浄液の原液として使用される複数種の処理液を調合することによって取得する部材である。調合部117bの内部空間117gは、処理液を貯留可能に構成されている。
【0105】
また、調合部117bは、図7に示すように、原液配管183d、ガス溶解部182aおよびバルブ118gを介して純水供給源17cと、原液配管183e、ガス溶解部182bおよびバルブ118hを介して過酸化水素水供給源17dと、さらに、原液配管183f、ガス溶解部182c、およびバルブ118jを介してアンモニア水供給源17eと、それぞれ連通接続されている。
【0106】
ガス溶解部182aは、図7に示すように、純水供給源17cから調合部117bに向けて純水を供給する原液配管183dの経路上に配設されており、第1の実施の形態のガス溶解部82と同様なハードウェア構成を有する。したがって、ガス溶解部182aを流通した純水には溶解ガスが溶解して、ガス溶解部182aに供給される前の純水と比較してガス濃度が増加する。
【0107】
また、ガス溶解部182bは、図7に示すように、過酸化水素水供給源17dから調合部117bに向けて過酸化水素水を供給する原液配管183eの経路上に配設されており、第1の実施の形態のガス溶解部82と同様なハードウェア構成を有する。したがって、ガス溶解部182bを流通した過酸化水素水には溶解ガスが溶解して、ガス溶解部182bに供給される前の過酸化水素水と比較してガス濃度が増加する。
【0108】
また、ガス溶解部182cは、図7に示すように、アンモニア水供給源17eから調合部117bに向けてアンモニア水を供給する原液配管183fの経路上に配設されており、第1の実施の形態のガス溶解部82と同様なハードウェア構成を有する。したがって、ガス溶解部182cを流通したアンモニア水には溶解ガスが溶解して、ガス溶解部182cに供給される前のアンモニア水と比較してガス濃度が増加する。
【0109】
このように、調合部117bに供給される純水、過酸化水素水、およびアンモニア水は、それぞれガス溶解部182a、182b、182cによって溶解ガスが溶解され、溶存するガスのガス濃度が調整されている。そのため、バルブ112aを閉鎖するとともに、バルブ118gを所定時間T7だけ開放して純水供給源17cから純水を、バルブ118hを所定時間T8だけ開放して過酸化水素水供給源17dから過酸化水素水を、また、バルブ118jを所定時間T9だけ開放してアンモニア水供給源17eからアンモニア水を調合部117bにそれぞれ供給してこれら純水、過酸化水素水、およびアンモニア水を調合することにより、調合部117bの内部空間117gに溶存ガス濃度が調整されてガス濃度が増加したSC1を貯留することができる。
【0110】
なお、本実施の形態では、下側処理液ノズル15に供給する洗浄液として、調合部117aにおいて調合されるSC1と純水を使用しているが、その他フッ素系溶剤のハイドロフルオロエーテル(HFE)等の有機溶剤、希塩酸やSC2(塩酸と過酸化水素水と水との混合液)等の酸性溶液も洗浄液として使用してもよい。
【0111】
<2.2.第2の実施の形態の基板処理装置の利点>
以上のように、本実施の形態の洗浄液の供給部は、上述のように、基板Wのおもて面WS1に向けて洗浄液を吐出する超音波ノズル68に対して溶存ガス濃度を低下させたSC1を、また、基板Wのうら面WS2に向けて洗浄液を吐出する下側処理液ノズル15に対して溶存ガス濃度を増加させたSC1をそれぞれ供給することができる。すなわち、基板Wのおもて面WS1に供給されるSC1に溶存するガスのガス濃度は、基板Wのうら面WS2に供給される洗浄液に溶存するガスのガス濃度と比較して低くなるように設定されている。そのため、第1の実施の形態と同様に、デバイス面に形成される微細構造が破損されることを防止しつつデバイス面を良好に洗浄することができる。
【0112】
また、第1の実施の形態と同様に、基板Wを介してうら面WS2に供給されるSC1に超音波のエネルギーを良好に伝達することができる。そのため、うら面WS2に供給されるSC1に超音波を付与するための装置(例えば、超音波振動子68dと同様なもの)を設けなくても、うら面WS2を超音波が付与されたSC1(洗浄液)によって超音波洗浄することができ、うら面WS2の洗浄効果をさらに向上させることができる。
【0113】
さらに、第2の実施の形態では、2つの調合部117a、117bを設けることにより、基板Wのおもて面WS1とうら面WS2とで供給されるSC1の純水、過酸化水素水、およびアンモニア水の混合比率を異なったものとすることができる。そのため、おもて面WS1に形成された微細構造の状況やうら面WS2の汚染状況に応じて供給するSC1の溶存ガス濃度だけでなく混合比率も調整することができる。その結果、さらに洗浄効果を向上させることができる。
【0114】
そして、本実施の形態で説明した図7に示す洗浄液供給部を第1の実施の形態の基板処理装置1に適用することにより、基板Wに対して同様な洗浄処理を施すことができる。
【0115】
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記の例に限定されるものではない。
【0116】
第1および第2の実施の形態において、超音波ノズル68から供給されるSC1にのみ超音波を付与していたが、これに限定されるものでなく、下側処理液ノズル15から供給されるSC1にのみ超音波を付与しても良いし、また、超音波ノズル68から供給されるSC1と下側処理液ノズル15との両方に超音波を付与しても良い。
【0117】
これらのうち、下側処理液ノズル15から供給されるSC1にのみ超音波を付与する場合、下側処理液ノズル15から供給されるSC1は、溶解ガスを溶解させることによって溶存ガス濃度を増加させているため、上述した洗浄液中や基板Wを伝搬する超音波のエネルギーが減少する。
【0118】
しかし、下側処理液ノズル15からSC1を吐出を受けるうら面WS2は、デバイス面でないため、超音波を付与する素子の出力を上げておもて面WS1側に伝播する超音波エネルギー量を確保するために超音波エネルギーを増加させてもうら面WS2の洗浄処理結果に影響をおよぼさない。したがって、このような場合であっても、基板W全体として良好な洗浄効果を得ることができる。
【0119】
また、第2の実施の形態において、調合部117aに連通接続されている原液配管183a〜183cのそれぞれに、ガス脱気部181a〜181c(計3つ)が設けられているが、これに限定されるものでなく、ガス脱気部の数を減じて、1つまたは2つとしてもよい。たとえば、ガス脱気部181cを減じて、ガス脱気部181a、181bの2つとしてもよい。このようにガス脱気部の数を減じても、調合部117aに貯留される洗浄液(SC1)のガス濃度を減少した状態に調整することができる。
【0120】
また、第2の実施の形態において、調合部117bに連通接続されている原液配管183d〜183fのそれぞれに、ガス溶解部182a〜181c(計3つ)が設けられているが、これに限定されるものでなく、ガス溶解部の数を減じて、1つまたは2つとしてもよい。たとえば、ガス溶解部181cを減じて、ガス脱気部181a、181bの2つとしてもよい。このようにガス溶解部の数を減じても、調合部117bに貯留される洗浄液(SC1)のガス濃度を増加した状態に調整することができる。
【0121】
【発明の効果】
請求項1から請求項9に記載の発明によれば、第1の洗浄液および第2の洗浄液の少なくとも一方に超音波を付与しつつ第1の洗浄液に溶存するガスと第2の洗浄液に溶存するガスとで濃度差を設けることにより、基板の第1面および基板の第2面のうち、ガス濃度の高い方の洗浄液が供給される基板の面では洗浄力がさらに向上し、また、ガス濃度の低い方の洗浄液が供給される基板の面では、基板に形成される配線パターン等の微細構造の破損を防止しつつ洗浄力を向上させることができる。
【0122】
すなわち、請求項1から請求項9に記載の発明によれば、第1の洗浄液に溶存するガスと第2の洗浄液に溶存するガスが濃度差を有することにより、基板の第1面および基板の第2面のそれぞれの汚染状況や、基板の第1面および基板の第2面の面上に形成された微細構造の状況に応じた超音波洗浄を行うことができる。そのため、基板全体としての洗浄効果をさらに向上させることができる。
【0123】
また、請求項1から請求項9に記載の発明によれば、基板の第1面と基板の第2面とを同時に洗浄することができる。そのため、基板の洗浄時間を短縮することができ、基板処理装置全体のスループットを向上することができる。
【0124】
特に、請求項2に記載の発明によれば、ガス濃度調整手段によって前記第1の洗浄液に溶存するガスと前記第2の洗浄液に溶存するガスとは濃度差を有するように調整することができる。そのため、基板全体としての洗浄効果をさらに向上させることができる。
【0125】
特に、請求項3に記載の発明によれば、第2の洗浄液と比較して溶存するガス濃度の低い第1の洗浄液をデバイス面に供給して洗浄処理を行うことができる。そのため、基板の第1面については、面上に形成された配線パターン等の微細構造が破損することを防止しつつ洗浄力を向上させることができる。また、基板の第2面については、さらに洗浄力を向上させることができる。その結果、基板全体としての洗浄効果をさらに向上させることができる。
【0126】
特に、請求項4に記載の発明によれば、基板の第2面に供給される第2の洗浄液には、第1の洗浄液に付与された超音波が基板の第1面および第2面を介して伝播された超音波が付与される。そのため、第2の洗浄液を基板の第2面に供給する前に、当該第2の洗浄液に対して超音波を付与するための装置を必要とせず、基板処理装置の製造コストを低減することができる。
【0127】
特に、請求項5に記載の発明によれば、ガス脱気部によって第1の洗浄液に溶存するガス濃度を低下させるとともに、ガス溶解部によって第2の洗浄液に溶存するガス濃度を増加させることにより、第2の洗浄液と比較して第1の洗浄液に溶存するガス濃度を低く調整することができる。そのため、基板全体としての洗浄効果をさらに向上させることができる。
【0128】
特に、請求項6に記載の発明によれば、ガス脱気部によって第1の複数種の原液のうち少なくとも1つの原液に溶存するガス濃度を低下させるとともに、ガス溶解部によって第2の複数種の原液のうち少なくとも1の原液に溶存するガス濃度を増加させることにより、第2の洗浄液と比較して第1の洗浄液に溶存するガス濃度を低く調整することができる。そのため、基板全体としての洗浄効果をさらに向上させることができる。
【0129】
特に、請求項7に記載の発明によれば、保持手段に対してデバイス面を上向きにして基板を保持して洗浄することができるため、デバイス面を良好に洗浄することができる。
【0130】
特に、請求項8に記載の発明によれば、基板の第1面と基板の第2面とを同一の洗浄液によって洗浄することにより、基板処理装置のうち洗浄液を基板に供給する部分のハードウェア構成を簡略化することができる。そのため、基板処理装置の製造コストを低減することができる。
【0131】
特に、請求項9に記載の発明によれば、安価な窒素ガスを溶解させることにより第2の洗浄液のガス濃度を増加させることができる。そのため、基板処理全体の処理コストを低減することができる。
【0132】
また、請求項10に記載の発明によれば、第1の洗浄液に溶存するガスと第2の洗浄液に溶存するガスが濃度差を有することにより、基板の第1面および第2面のそれぞれの汚染状況や、基板の第1面および第2面の面上に形成された微細構造の状況に応じた超音波洗浄を、基板の第1面および第2面について同時に行うことができる。そのため、基板全体としての洗浄効果をさらに向上させつつ、基板処理のスループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における基板処理装置の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における洗浄液やガスの供給部の構成を示す模式図である。
【図3】超音波ノズルの斜視図および超音波ノズルの配管を含む縦断面図である。
【図4】ガス脱気部の構成を示す断面図である。
【図5】ガス溶解部の構成を示す断面図である。
【図6】スピンベース上に保持された基板に対する超音波ノズルの動きを説明するための図解的な平面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における洗浄液やガスの供給部の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 基板処理装置
10 スピンベース
11 回転軸
14 チャックピン
15 下側処理液ノズル
17、117a、117b 調合部
17c 純水供給源
17d 過酸化水素水供給源
17e アンモニア水供給源
30 雰囲気遮断板
36 上側処理液ノズル
50 スプラッシュガード
68 超音波ノズル
68d 超音波振動子
81、181 ガス脱気部
82、182 ガス溶解部
90 制御部

Claims (10)

  1. 基板に所定の処理を施す基板処理装置であって、
    (a) 前記基板を保持する保持手段と、
    (b) 前記保持手段に保持された前記基板の第1面と対向して設けられ、前記第1面に向けて第1の洗浄液を吐出する第1の吐出部と、
    (c) 前記保持手段に保持された前記基板を挟んで前記第1の吐出部と逆側に設けられ、前記第1面の裏側に位置する前記基板の第2面に向けて第2の洗浄液を吐出する第2の吐出部と、
    を備え、
    前記第1の洗浄液および前記第2の洗浄液のうち少なくとも一方は、超音波を付与されており、前記第1の洗浄液に溶存するガスと前記第2の洗浄液に溶存するガスとは濃度差を有することを特徴とする基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    (d) 前記第1の洗浄液および前記第2の洗浄液の少なくとも一方に溶存するガスのガス濃度を調整するガス濃度調整手段、
    をさらに備えることを特徴とする基板処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の基板処理装置であって、
    前記第1面はデバイス面であり、前記第1の洗浄液に溶存するガス濃度は、前記第2の洗浄液に溶存するガス濃度より低いことを特徴とする基板処理装置。
  4. 請求項3に記載の基板処理装置であって、
    前記第1面は、前記超音波が付与された前記第1の洗浄液を供給されており、前記第2の洗浄液は、前記第1の洗浄液から前記第1面および前記第2の面を介して伝播される超音波を付与されていることを特徴とする基板処理装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の基板処理装置であって、
    前記ガス濃度調整手段は、
    (d−1) 前記第1の洗浄液を前記第1の吐出部に向けて供給する第1の洗浄液供給路上に配設され、前記第1の洗浄液に溶存するガスを脱気するガス脱気部と、
    (d−2) 前記第2の洗浄液を前記第2の突出部に向けて供給する第2の洗浄液供給路上に配設され、前記第2の洗浄液にガスを溶解させるガス溶解部と、
    を有することを特徴とする基板処理装置。
  6. 請求項3または請求項4に記載の基板処理装置であって、
    前記ガス濃度調整手段は、
    (d−3) 第1の複数種の原液を供給することにより前記第1の洗浄液を調合する第1の調合部と、
    (d−4) 第2の複数種の原液を供給することにより前記第2の洗浄液を調合する第2の調合部と、
    (d−5) 前記第1の複数種の原液のうち少なくとも1つの原液を前記第1の調合部に供給する第1の原液供給路上に設けられ、前記第1の原液供給路にて送給される原液に溶存するガスを脱気するガス脱気部と、
    (d−6) 前記第2の複数種の原液のうち少なくとも1つの原液を前記第2の調合部に供給する第2の原液供給路上に設けられ、前記第2の原液供給路にて送給される原液にガスを溶解させるガス溶解部と、
    を有することを特徴とする基板処理装置。
  7. 請求項3ないし請求項6のいずれかに記載の基板処理装置であって、
    前記基板の第1面は、基板の上面であることを特徴とする基板処理装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の基板処理装置であって、
    前記第1の洗浄液と前記第2の洗浄液とは同一であることを特徴とする基板処理装置。
  9. 請求項5ないし請求項8のいずれかに記載の基板処理装置であって、
    前記ガス溶解部は、前記第2の洗浄液に窒素ガスを溶解させることを特徴とする基板処理装置。
  10. 基板処理方法であって、
    (a) 保持手段に保持される基板の第1面と対向して設けられた第1の吐出部から前記基板の第1面に向けて第1の洗浄液を吐出して洗浄する第1の洗浄工程と、
    (b) 前記第1の洗浄工程と同時に行われる工程であって、前記保持手段に保持される前記基板を挟んで前記第1の吐出部と逆側に設けられた第2の吐出部から前記第1面の裏側に位置する前記基板の第2面に向けて第2の洗浄液を吐出して洗浄する第2の洗浄工程と、
    を有し、
    前記第1の洗浄液および前記第2の洗浄液の少なくとも一方には、超音波が付与されており、前記第1の洗浄液に溶存するガスと前記第2の洗浄液に溶存するガスとは濃度差を有することを特徴とする基板処理方法。
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