JP2004334005A - 定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄紙や剛性の低い転写材が定着ローラや加圧ローラに巻きついても確実に剥離し画像に剥離爪の痕がつかない高画質の定着画像が得られる定着装置を提供する。
【解決手段】トナー像3を担持する転写材4を定着ローラ1と加圧ローラ2から形成されるニップ内で挟持搬送して加熱および加圧することで前記未定着画像を転写材4に定着させる定着装置において、加圧ローラ2の外周面に当接してニップ通過後の転写材4を加圧ローラ2より剥離させるための剥離爪15は、転写材先端を剥離する剥離面とトナー画像部を剥離する案内面とからなり、剥離面の剥離角度より案内面の角度を大きくすることで転写材の剥離姿勢を変える構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】トナー像3を担持する転写材4を定着ローラ1と加圧ローラ2から形成されるニップ内で挟持搬送して加熱および加圧することで前記未定着画像を転写材4に定着させる定着装置において、加圧ローラ2の外周面に当接してニップ通過後の転写材4を加圧ローラ2より剥離させるための剥離爪15は、転写材先端を剥離する剥離面とトナー画像部を剥離する案内面とからなり、剥離面の剥離角度より案内面の角度を大きくすることで転写材の剥離姿勢を変える構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば電子写真方式によって用紙に画像を形成する画像形成装置に用いられ、定着装置に備えられた定着ローラや加圧ローラから用紙を引き剥がすための剥離爪に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、互いに圧接回転する定着ローラと加圧ローラと、定着ローラを加熱する加熱手段とを備え、トナー像を担持する転写材を上記定着ローラと加圧ローラによって形成されるニップで挟持搬送しつつ加熱加圧することによりトナー像を上記転写材に定着させる定着装置が知られている。この装置では、定着ローラ及び加圧ローラの少なくとも一方のローラ表面に当接してニップ部を通過した転写材を定着ローラまたは加圧ローラから剥離する剥離爪を備えている。この剥離爪は、定着ローラまたは加圧ローラに当接する部分は尖った形状にすることで定着ローラまたは加圧ローラに巻きついた転写材が剥離爪と定着ローラまたは加圧ローラとの間をすり抜けにくくしている。剥離された転写材は、剥離爪に沿って排紙出口へと案内される。転写材が剥離爪に衝突した際に転写材が座屈してジャムや折れが生じることなく剥離するには、剥離角度は、転写材の剛性や厚さにもよるが一般的には45度以下がよいとされている。
【特許文献1】
特開2001−265153号公報(第2頁、図3)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来技術では、転写材の先頭部にベタ画像が存在するときには、転写材が定着ローラまたは加圧ローラから剥離しにくく剥離爪によって転写材の先端部を引き剥がすだけでなく、画像部分も引き剥がすことになる。その結果、剥離爪と剥離直後のまだ固着されていないトナー画像が接触して画像に接触痕がついてしまう、という課題があった。
【0004】
本発明の目的は、薄紙や剛性の低い転写材が定着ローラや加圧ローラに巻きついても確実に剥離し画像に剥離爪の痕がつかない高画質の定着画像が得られる定着装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の定着装置は、内部に熱源を有する定着ローラと、該定着ローラの表面を押圧する加圧ローラを備え、未定着像を担持する記録材を前記定着ローラと前記加圧ローラから形成されるニップ内で挟持搬送して加熱および加圧することで前記未定着画像を前記記録材に定着させる定着装置であって、前記定着ローラあるいは前記加圧ローラの少なくとも一方の外周面に当接してニップ通過後の記録媒体を前記定着ローラあるいは前記加圧ローラより剥離させるための剥離爪を有する定着装置において、前記剥離爪は記録材先端を剥離する剥離面と、記録材を排紙方向に案内する案内面を有するので部品の共有化が図られ簡素化できる。
【0006】
また、前記剥離爪剥離面と案内面は連続しており、前記剥離爪の剥離面と該剥離爪のローラ当接面からなる第1剥離角度θ1と前記剥離爪の案内面と該剥離爪のローラ当接面からなる第2剥離角度θ2はθ1<θ2なる関係であることを特徴とするので記録媒体を剥離する側に面外変形させることができ剥離爪に作用する記録媒体からの押圧力が軽減し、剥離しやすくなる。
【0007】
さらに、前記剥離爪の第1剥離角度から第2剥離角度に推移する位置に凹状に切り欠き部を設けたことを特徴とする記録媒体と剥離爪の間に空間を確保でき溶融したトナーを冷却する空間を確実に確保できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図を用いて説明する。
【0009】
図1は、オイルレス定着装置の構成を示す図である。互いに圧接回転する定着ローラ1および加圧ローラ2を備え、トナー像3を担持する転写材4をトナー像4が担持されている面を定着ローラ1側にして、定着ローラ1と加圧ローラ2から形成されるニップで挟持搬送される。
【0010】
定着ローラ1はたとえば鉄やアルミニウム合金を芯金5として、その表層はシリコーンゴムやフッ素ゴムなどの弾性層6で被覆されている。さらに該ゴムの上に四フッ化エチレン−パーフルオロビニールエーテル共重合体(PFA)に代表されるフッ素樹脂からなる高離型層7で被覆されている。
【0011】
加圧ローラも同様に、芯金8の上に弾性層9と高離型層10を被覆してなる。
【0012】
ニップ形状は、定着ローラ1側に凸状となるように定着ローラ1、および加圧ローラ2のゴム厚さやゴム硬度が選択されている。
【0013】
定着ローラ1および加圧ローラ2の内部には熱源となるハロゲンランプ11,12が設けられており、定着ローラ1の表面温度を検出する温度センサ13の表面温度が所定の温度(100℃〜200℃)となるようにハロゲンランプ11,12の点灯が制御される構成となっている。
【0014】
定着ローラ1の転写材4の搬送方向下流には、定着ローラ1に張り付いた転写材4を定着ローラ1から引き剥がすための剥離ガイド14が設けてある。この剥離ガイド14は、剥離先端部と定着ローラとの間にわずかの隙間を設けている。これは、定着ローラ1表面をガイド14で傷つけないようにするためである。隙間は、定着ローラ1の熱膨張率、剥離ガイド14の製作精度、取り付け精度を考慮して決定する必要がある。剥離ガイド14の板厚にもよるが、概ね1.5mm以下に設定すれば、良好に転写材を剥離できる。
【0015】
加圧ローラ2の転写材4の搬送方向下流側には、加圧ローラ2に張り付いた転写材4を加圧ローラ1から引き剥がすための剥離爪15が設けてある。剥離爪15は、加圧ローラ2の回転軸線と平行に配された支持軸20に取付穴16を挿入して加圧ローラ1軸方向に所定の間隔を隔てて複数個取り付けてある。そして、剥離爪15の一端17には、引っ張りばね18が取り付けてあり、該ばね18の他端は定着装置のフレーム19に固定されている。これにより、剥離爪15はばね18の弾性力によって支持軸20を中心に時計回り方向に回動可能となり、爪部先端21は、加圧ローラ2の周面に所定の圧力で当接される。よって、加圧ローラ2に張り付いた転写材4を剥離爪15によって加圧ローラ2より引き剥がすことができる。
【0016】
転写材4には、一般的にはコピー用紙、再生紙、厚紙、およびOHPシートなどが用いられ、転写材4上にはトナー像3が形成されている。このトナーは、オイルレストナーであり、樹脂内部にワックスなどの離型剤を含有している。
【0017】
次に剥離爪15の剥離部形状について図2で説明する。
【0018】
加圧ローラ2と接触する面よりばねが系止されてる方向に延長する爪の底辺22と接触点23から加圧ローラ中心に向かう直線24とでなす角度は略90度に設定されている。そして剥離爪先端21の頂点25は、0.1mm以下の曲率からなる鋭利形状になっている。そして、加圧ローラ2との接触点よりやや突出しており、先端部25の加圧ローラ2への食い込みを軽減している。
【0019】
剥離爪先端21の初期剥離角度となる底辺22と剥離面26とからなる角度bは、転写材4の厚さや剛性にもよるが転写材先端が剥離爪15に衝突したときに転写材4が座屈して折れ、紙ジャムするなどの障害が発生しないような角度に設定しなければならない。一般的には、45度以下に設定すればよいが転写材4の突入姿勢を考慮(加圧ローラ側へのカールなど)すると30度以下が好ましい。
【0020】
転写材先端が剥離されてからの最終剥離角度となる底辺22と案内面27とからなる角度cは、初期剥離角度bよりも大きい角度に設定されている。角度を変える位置は、爪先端から数ミリメートルにする。これは、トナー画像3に剥離時の剥離痕をつけないためである。
【0021】
両面印字モードで裏面(二面目)印字の場合は、一面目のトナー画像は定着器では加圧ローラ2側になる。その状態で加圧ローラ2側に巻きついてくる転写材4を剥離爪15で剥離するとトナー像3と加圧ローラ2と間で粘着力が作用しているために剥離爪15に押し圧がかかる。この状態では、剥離爪15で転写材先端を剥離するだけでは転写材は剥離されず、トナー画像領域部分も強制的に剥離爪15で引き剥がす必要がある。加圧ローラ2も高温になっているので一度定着したトナーも再溶融する。よって、引き剥がし直後に画像に接触するものが存在すればその接触痕がトナー画像4に現れることになる。この現象は、特に高濃度の画像が用紙先頭近傍に描画されている場合に発生しやすい。
【0022】
最終剥離角度cは、初期剥離角度bにもよるが、初期剥離角度bに45度を加えた角度以内に設定すれば耳折れやジャムなく剥離できる。よって、約60度から90度の範囲内が良好となる。
【0023】
次に定着行程の動作を説明する。所定の方法で形成されたトナー像3を載せた転写材4は、トナー像3側を定着ローラ1側に向けながら案内ガイド28に沿って定着ローラ1と加圧ローラ2から形成されるニップ部へ搬送狭持されてくる。ニップ部では、熱と圧力によりトナーを溶融して転写材4に染み込ませ定着ローラ1から剥離されて排紙される。ここで、ニップ形状を定着ローラに凸状に形成したので転写材4のニップ出口での姿勢は加圧ローラ2側に傾くので定着ローラ1への転写材の巻付きは軽減される。剛性の低い転写材4を用いた場合は、転写材4は用紙剛性がトナー3と定着ローラ1間の粘着力に負けて定着ローラ1側に巻付く場合もあるが、ニップ出口近傍に設置した剥離ガイド14で剥離される。
【0024】
定着された転写材4は、図示されていない排紙ローラで装置外へと送り出される。両面印字する場合は、定着された転写材4は、図示されていない両面印字ユニットで一旦印写プロセスへと送られ再びトナー像を載せて定着器へと搬送されてくる。
【0025】
再び未定着トナー像側を定着ローラ1側に向けながら案内ガイドに沿ってニップ部へ搬送狭持されてきた転写材4は、ニップ部で熱と圧力で定着される。
【0026】
図3、および図4にニップ通過後に加圧ローラに転写材が巻き付いた場合の剥離の様子を示す。加圧ローラに巻き付いた転写材4は、初めに剥離爪15の初期剥離面26で先端部が剥離される。この状態では、まだトナー画像面は剥離されていない。初期剥離面の先端からの長さL1は、転写材4の先端非印字領域長さL2よりも短くなるような構成をとる。
【0027】
剥離された転写材先端は、剥離角度を大きくした案内面27で角度を変えられると、加圧ローラ2に張り付いていたトナー画像3を剥離し始める。このとき、転写材4は剥離角度を変えられることによって自己の剛性を利用して剥離爪15から遠ざかろうとする方向(矢印)28に力が作用する。よって、剥離爪先端25から案内面27の近傍に空間ができる。この空間をより広く長く確保することで加圧ローラ2から剥離したトナー画像3が自然冷却されてから案内面27で爪に接触することになる。よって、トナーは既に凝固している結果、爪痕が画像に付かない。これに対して、図7に示す従来の剥離爪30では、剥離面31の角度aが一定なので転写材先端が剥離された後も転写材32の姿勢は変わらず、トナー画像33は剥離爪30の剥離面31に接触し画像に痕が付く。
【0028】
トナーとローラ間の粘着力は、ローラ表面の離型性やトナーの粘性によって変わってくる。特に本実施形態のオイルレス定着器の場合には、離型剤となるシリコンオイルがローラ周面にないためにトナーはローラから離れにくい。トナー内部のワックス成分が樹脂の溶融とともににじみ出てくることで離型剤の役目をするが、一度溶融した画像を再度定着する場合、すなわち両面印字する場合では、トナー内部のワックス成分が一度目の定着時より少なくなるために離型性は多少低下する傾向にある。これを補うには、トナーの加熱時間を確保し、トナーの母体である樹脂を十分に溶融し、内部のワックスを表面により多く放出させることが重要である。その方法として、プロセス速度を遅くしたり、あるいは定着温度を上げたりすることも可能であるが、制御が複雑であったり使い勝手が低下してしまう。また、上記方法を適用すると、二度面に定着する側は、トナーが溶けすぎてホットオフセットが発生してしまう可能性がある。
加熱時間を確保するために爪の設置する位置をニップ出口からより遠い側に設けることで、用紙がローラに巻きつく時間、すなわち加熱時間を有効に利用しトナーを再溶融し剥離しやすくできる。
【0029】
剥離爪15の形状は、図5に示すように剥離面26から案内面27に推移する位置に曲率29を設けるとより耳折れや紙ジャムせずに転写材の搬送ができる。また、図6に示すように剥離面26から案内面27に推移する位置に凹形状の切り欠き部を設けると、大きな空間が確保されることで早く凝固し易くなり、定着速度の高速化にも対応できる。しかし、転写材先端が切り欠き部に引っかかる可能性があるので切り欠いたあとの頂点fの位置は、線分d,eの延長線と案内面が交差する点gよりも低い位置にする必要がある。
【0030】
本実施の形態では、加圧ローラと剥離爪の組み合わせについて記述したが定着ローラ側にも剥離ガイドの替わりに剥離爪を設けても何ら問題はない。定着ローラに剥離爪を設ける場合には、剥離爪表面をフッ素樹脂などの高離型性のコート材で覆ったほうがローラ表面に傷が付きにくくローラを長寿命化できる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、薄紙や剛性の低い転写材が定着ローラや加圧ローラに巻きついても確実に剥離し画像に剥離爪の痕がつかない高画質の定着画像が得られる定着装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の定着装置の図である。
【図2】定着装置に備えた剥離爪の形状を示す図である。
【図3】転写材先端を剥離する様子の図である。
【図4】転写材先端を剥離する様子の図である。
【図5】別の剥離爪の形状を示す図である。
【図6】さらに別の剥離爪の形状を示す図である。
【図7】従来の剥離爪の形状を示す図である。
【符号の説明】
1…定着ローラ、2…加圧ローラ、3…トナー画像、4…転写材、11,12…ハロゲンランプ、14…剥離ガイド、15…剥離爪、26…剥離面、27…案内面、34…切り欠き部、b…第一剥離角度、c…第二剥離角度。
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば電子写真方式によって用紙に画像を形成する画像形成装置に用いられ、定着装置に備えられた定着ローラや加圧ローラから用紙を引き剥がすための剥離爪に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、互いに圧接回転する定着ローラと加圧ローラと、定着ローラを加熱する加熱手段とを備え、トナー像を担持する転写材を上記定着ローラと加圧ローラによって形成されるニップで挟持搬送しつつ加熱加圧することによりトナー像を上記転写材に定着させる定着装置が知られている。この装置では、定着ローラ及び加圧ローラの少なくとも一方のローラ表面に当接してニップ部を通過した転写材を定着ローラまたは加圧ローラから剥離する剥離爪を備えている。この剥離爪は、定着ローラまたは加圧ローラに当接する部分は尖った形状にすることで定着ローラまたは加圧ローラに巻きついた転写材が剥離爪と定着ローラまたは加圧ローラとの間をすり抜けにくくしている。剥離された転写材は、剥離爪に沿って排紙出口へと案内される。転写材が剥離爪に衝突した際に転写材が座屈してジャムや折れが生じることなく剥離するには、剥離角度は、転写材の剛性や厚さにもよるが一般的には45度以下がよいとされている。
【特許文献1】
特開2001−265153号公報(第2頁、図3)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来技術では、転写材の先頭部にベタ画像が存在するときには、転写材が定着ローラまたは加圧ローラから剥離しにくく剥離爪によって転写材の先端部を引き剥がすだけでなく、画像部分も引き剥がすことになる。その結果、剥離爪と剥離直後のまだ固着されていないトナー画像が接触して画像に接触痕がついてしまう、という課題があった。
【0004】
本発明の目的は、薄紙や剛性の低い転写材が定着ローラや加圧ローラに巻きついても確実に剥離し画像に剥離爪の痕がつかない高画質の定着画像が得られる定着装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の定着装置は、内部に熱源を有する定着ローラと、該定着ローラの表面を押圧する加圧ローラを備え、未定着像を担持する記録材を前記定着ローラと前記加圧ローラから形成されるニップ内で挟持搬送して加熱および加圧することで前記未定着画像を前記記録材に定着させる定着装置であって、前記定着ローラあるいは前記加圧ローラの少なくとも一方の外周面に当接してニップ通過後の記録媒体を前記定着ローラあるいは前記加圧ローラより剥離させるための剥離爪を有する定着装置において、前記剥離爪は記録材先端を剥離する剥離面と、記録材を排紙方向に案内する案内面を有するので部品の共有化が図られ簡素化できる。
【0006】
また、前記剥離爪剥離面と案内面は連続しており、前記剥離爪の剥離面と該剥離爪のローラ当接面からなる第1剥離角度θ1と前記剥離爪の案内面と該剥離爪のローラ当接面からなる第2剥離角度θ2はθ1<θ2なる関係であることを特徴とするので記録媒体を剥離する側に面外変形させることができ剥離爪に作用する記録媒体からの押圧力が軽減し、剥離しやすくなる。
【0007】
さらに、前記剥離爪の第1剥離角度から第2剥離角度に推移する位置に凹状に切り欠き部を設けたことを特徴とする記録媒体と剥離爪の間に空間を確保でき溶融したトナーを冷却する空間を確実に確保できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図を用いて説明する。
【0009】
図1は、オイルレス定着装置の構成を示す図である。互いに圧接回転する定着ローラ1および加圧ローラ2を備え、トナー像3を担持する転写材4をトナー像4が担持されている面を定着ローラ1側にして、定着ローラ1と加圧ローラ2から形成されるニップで挟持搬送される。
【0010】
定着ローラ1はたとえば鉄やアルミニウム合金を芯金5として、その表層はシリコーンゴムやフッ素ゴムなどの弾性層6で被覆されている。さらに該ゴムの上に四フッ化エチレン−パーフルオロビニールエーテル共重合体(PFA)に代表されるフッ素樹脂からなる高離型層7で被覆されている。
【0011】
加圧ローラも同様に、芯金8の上に弾性層9と高離型層10を被覆してなる。
【0012】
ニップ形状は、定着ローラ1側に凸状となるように定着ローラ1、および加圧ローラ2のゴム厚さやゴム硬度が選択されている。
【0013】
定着ローラ1および加圧ローラ2の内部には熱源となるハロゲンランプ11,12が設けられており、定着ローラ1の表面温度を検出する温度センサ13の表面温度が所定の温度(100℃〜200℃)となるようにハロゲンランプ11,12の点灯が制御される構成となっている。
【0014】
定着ローラ1の転写材4の搬送方向下流には、定着ローラ1に張り付いた転写材4を定着ローラ1から引き剥がすための剥離ガイド14が設けてある。この剥離ガイド14は、剥離先端部と定着ローラとの間にわずかの隙間を設けている。これは、定着ローラ1表面をガイド14で傷つけないようにするためである。隙間は、定着ローラ1の熱膨張率、剥離ガイド14の製作精度、取り付け精度を考慮して決定する必要がある。剥離ガイド14の板厚にもよるが、概ね1.5mm以下に設定すれば、良好に転写材を剥離できる。
【0015】
加圧ローラ2の転写材4の搬送方向下流側には、加圧ローラ2に張り付いた転写材4を加圧ローラ1から引き剥がすための剥離爪15が設けてある。剥離爪15は、加圧ローラ2の回転軸線と平行に配された支持軸20に取付穴16を挿入して加圧ローラ1軸方向に所定の間隔を隔てて複数個取り付けてある。そして、剥離爪15の一端17には、引っ張りばね18が取り付けてあり、該ばね18の他端は定着装置のフレーム19に固定されている。これにより、剥離爪15はばね18の弾性力によって支持軸20を中心に時計回り方向に回動可能となり、爪部先端21は、加圧ローラ2の周面に所定の圧力で当接される。よって、加圧ローラ2に張り付いた転写材4を剥離爪15によって加圧ローラ2より引き剥がすことができる。
【0016】
転写材4には、一般的にはコピー用紙、再生紙、厚紙、およびOHPシートなどが用いられ、転写材4上にはトナー像3が形成されている。このトナーは、オイルレストナーであり、樹脂内部にワックスなどの離型剤を含有している。
【0017】
次に剥離爪15の剥離部形状について図2で説明する。
【0018】
加圧ローラ2と接触する面よりばねが系止されてる方向に延長する爪の底辺22と接触点23から加圧ローラ中心に向かう直線24とでなす角度は略90度に設定されている。そして剥離爪先端21の頂点25は、0.1mm以下の曲率からなる鋭利形状になっている。そして、加圧ローラ2との接触点よりやや突出しており、先端部25の加圧ローラ2への食い込みを軽減している。
【0019】
剥離爪先端21の初期剥離角度となる底辺22と剥離面26とからなる角度bは、転写材4の厚さや剛性にもよるが転写材先端が剥離爪15に衝突したときに転写材4が座屈して折れ、紙ジャムするなどの障害が発生しないような角度に設定しなければならない。一般的には、45度以下に設定すればよいが転写材4の突入姿勢を考慮(加圧ローラ側へのカールなど)すると30度以下が好ましい。
【0020】
転写材先端が剥離されてからの最終剥離角度となる底辺22と案内面27とからなる角度cは、初期剥離角度bよりも大きい角度に設定されている。角度を変える位置は、爪先端から数ミリメートルにする。これは、トナー画像3に剥離時の剥離痕をつけないためである。
【0021】
両面印字モードで裏面(二面目)印字の場合は、一面目のトナー画像は定着器では加圧ローラ2側になる。その状態で加圧ローラ2側に巻きついてくる転写材4を剥離爪15で剥離するとトナー像3と加圧ローラ2と間で粘着力が作用しているために剥離爪15に押し圧がかかる。この状態では、剥離爪15で転写材先端を剥離するだけでは転写材は剥離されず、トナー画像領域部分も強制的に剥離爪15で引き剥がす必要がある。加圧ローラ2も高温になっているので一度定着したトナーも再溶融する。よって、引き剥がし直後に画像に接触するものが存在すればその接触痕がトナー画像4に現れることになる。この現象は、特に高濃度の画像が用紙先頭近傍に描画されている場合に発生しやすい。
【0022】
最終剥離角度cは、初期剥離角度bにもよるが、初期剥離角度bに45度を加えた角度以内に設定すれば耳折れやジャムなく剥離できる。よって、約60度から90度の範囲内が良好となる。
【0023】
次に定着行程の動作を説明する。所定の方法で形成されたトナー像3を載せた転写材4は、トナー像3側を定着ローラ1側に向けながら案内ガイド28に沿って定着ローラ1と加圧ローラ2から形成されるニップ部へ搬送狭持されてくる。ニップ部では、熱と圧力によりトナーを溶融して転写材4に染み込ませ定着ローラ1から剥離されて排紙される。ここで、ニップ形状を定着ローラに凸状に形成したので転写材4のニップ出口での姿勢は加圧ローラ2側に傾くので定着ローラ1への転写材の巻付きは軽減される。剛性の低い転写材4を用いた場合は、転写材4は用紙剛性がトナー3と定着ローラ1間の粘着力に負けて定着ローラ1側に巻付く場合もあるが、ニップ出口近傍に設置した剥離ガイド14で剥離される。
【0024】
定着された転写材4は、図示されていない排紙ローラで装置外へと送り出される。両面印字する場合は、定着された転写材4は、図示されていない両面印字ユニットで一旦印写プロセスへと送られ再びトナー像を載せて定着器へと搬送されてくる。
【0025】
再び未定着トナー像側を定着ローラ1側に向けながら案内ガイドに沿ってニップ部へ搬送狭持されてきた転写材4は、ニップ部で熱と圧力で定着される。
【0026】
図3、および図4にニップ通過後に加圧ローラに転写材が巻き付いた場合の剥離の様子を示す。加圧ローラに巻き付いた転写材4は、初めに剥離爪15の初期剥離面26で先端部が剥離される。この状態では、まだトナー画像面は剥離されていない。初期剥離面の先端からの長さL1は、転写材4の先端非印字領域長さL2よりも短くなるような構成をとる。
【0027】
剥離された転写材先端は、剥離角度を大きくした案内面27で角度を変えられると、加圧ローラ2に張り付いていたトナー画像3を剥離し始める。このとき、転写材4は剥離角度を変えられることによって自己の剛性を利用して剥離爪15から遠ざかろうとする方向(矢印)28に力が作用する。よって、剥離爪先端25から案内面27の近傍に空間ができる。この空間をより広く長く確保することで加圧ローラ2から剥離したトナー画像3が自然冷却されてから案内面27で爪に接触することになる。よって、トナーは既に凝固している結果、爪痕が画像に付かない。これに対して、図7に示す従来の剥離爪30では、剥離面31の角度aが一定なので転写材先端が剥離された後も転写材32の姿勢は変わらず、トナー画像33は剥離爪30の剥離面31に接触し画像に痕が付く。
【0028】
トナーとローラ間の粘着力は、ローラ表面の離型性やトナーの粘性によって変わってくる。特に本実施形態のオイルレス定着器の場合には、離型剤となるシリコンオイルがローラ周面にないためにトナーはローラから離れにくい。トナー内部のワックス成分が樹脂の溶融とともににじみ出てくることで離型剤の役目をするが、一度溶融した画像を再度定着する場合、すなわち両面印字する場合では、トナー内部のワックス成分が一度目の定着時より少なくなるために離型性は多少低下する傾向にある。これを補うには、トナーの加熱時間を確保し、トナーの母体である樹脂を十分に溶融し、内部のワックスを表面により多く放出させることが重要である。その方法として、プロセス速度を遅くしたり、あるいは定着温度を上げたりすることも可能であるが、制御が複雑であったり使い勝手が低下してしまう。また、上記方法を適用すると、二度面に定着する側は、トナーが溶けすぎてホットオフセットが発生してしまう可能性がある。
加熱時間を確保するために爪の設置する位置をニップ出口からより遠い側に設けることで、用紙がローラに巻きつく時間、すなわち加熱時間を有効に利用しトナーを再溶融し剥離しやすくできる。
【0029】
剥離爪15の形状は、図5に示すように剥離面26から案内面27に推移する位置に曲率29を設けるとより耳折れや紙ジャムせずに転写材の搬送ができる。また、図6に示すように剥離面26から案内面27に推移する位置に凹形状の切り欠き部を設けると、大きな空間が確保されることで早く凝固し易くなり、定着速度の高速化にも対応できる。しかし、転写材先端が切り欠き部に引っかかる可能性があるので切り欠いたあとの頂点fの位置は、線分d,eの延長線と案内面が交差する点gよりも低い位置にする必要がある。
【0030】
本実施の形態では、加圧ローラと剥離爪の組み合わせについて記述したが定着ローラ側にも剥離ガイドの替わりに剥離爪を設けても何ら問題はない。定着ローラに剥離爪を設ける場合には、剥離爪表面をフッ素樹脂などの高離型性のコート材で覆ったほうがローラ表面に傷が付きにくくローラを長寿命化できる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、薄紙や剛性の低い転写材が定着ローラや加圧ローラに巻きついても確実に剥離し画像に剥離爪の痕がつかない高画質の定着画像が得られる定着装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の定着装置の図である。
【図2】定着装置に備えた剥離爪の形状を示す図である。
【図3】転写材先端を剥離する様子の図である。
【図4】転写材先端を剥離する様子の図である。
【図5】別の剥離爪の形状を示す図である。
【図6】さらに別の剥離爪の形状を示す図である。
【図7】従来の剥離爪の形状を示す図である。
【符号の説明】
1…定着ローラ、2…加圧ローラ、3…トナー画像、4…転写材、11,12…ハロゲンランプ、14…剥離ガイド、15…剥離爪、26…剥離面、27…案内面、34…切り欠き部、b…第一剥離角度、c…第二剥離角度。
Claims (3)
- 内部に熱源を有する定着ローラと、該定着ローラの表面を押圧する加圧ローラを備え、未定着画像を担持する記録材を前記定着ローラと前記加圧ローラから形成されるニップ内で挟持搬送して加熱および加圧することで前記未定着画像を前記記録材に定着させる定着装置であって、前記定着ローラあるいは前記加圧ローラの少なくとも一方の外周面に当接してニップ通過後の記録媒体を前記定着ローラあるいは前記加圧ローラより剥離させるための剥離爪を有する定着装置において、前記剥離爪は記録材先端を剥離する剥離面と、記録材を排紙方向に案内する案内面とを有することを特徴とする定着装置。
- 前記剥離爪剥離面と案内面は連続しており、前記剥離爪の剥離面と該剥離爪のローラ当接面からなる第1剥離角度θ1と前記剥離爪の案内面と該剥離爪のローラ当接面からなる第2剥離角度θ2はθ1<θ2なる関係であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記剥離爪の第1剥離角度から第2剥離角度に推移する位置に凹状に切り欠き部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007034170A (ja) * | 2005-07-29 | 2007-02-08 | Kyocera Mita Corp | 定着装置 |
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- 2003-05-09 JP JP2003131648A patent/JP2004334005A/ja active Pending
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