JP2004333633A - 液体電子写真装置 - Google Patents
液体電子写真装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004333633A JP2004333633A JP2003126432A JP2003126432A JP2004333633A JP 2004333633 A JP2004333633 A JP 2004333633A JP 2003126432 A JP2003126432 A JP 2003126432A JP 2003126432 A JP2003126432 A JP 2003126432A JP 2004333633 A JP2004333633 A JP 2004333633A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- toner image
- medium
- toner
- image
- electrophotographic apparatus
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 239000007788 liquid Substances 0.000 title claims abstract description 68
- 238000012546 transfer Methods 0.000 claims abstract description 156
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 claims abstract description 23
- 239000003795 chemical substances by application Substances 0.000 claims description 65
- 238000005259 measurement Methods 0.000 claims description 40
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 39
- 230000005684 electric field Effects 0.000 claims description 17
- 239000000155 melt Substances 0.000 claims description 12
- 239000007787 solid Substances 0.000 claims description 12
- 239000000463 material Substances 0.000 claims description 9
- 238000009835 boiling Methods 0.000 claims description 5
- 230000004927 fusion Effects 0.000 abstract description 13
- 239000000853 adhesive Substances 0.000 description 25
- 230000001070 adhesive effect Effects 0.000 description 25
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 13
- 230000035939 shock Effects 0.000 description 7
- 238000003825 pressing Methods 0.000 description 6
- 238000002844 melting Methods 0.000 description 5
- 230000008018 melting Effects 0.000 description 5
- 108091008695 photoreceptors Proteins 0.000 description 5
- 239000012876 carrier material Substances 0.000 description 4
- 230000007613 environmental effect Effects 0.000 description 4
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 3
- 239000002245 particle Substances 0.000 description 3
- 238000004140 cleaning Methods 0.000 description 2
- 239000003086 colorant Substances 0.000 description 2
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 2
- 230000002411 adverse Effects 0.000 description 1
- 230000001112 coagulating effect Effects 0.000 description 1
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 1
- 230000007547 defect Effects 0.000 description 1
- 230000001419 dependent effect Effects 0.000 description 1
- 230000002542 deteriorative effect Effects 0.000 description 1
- 238000011161 development Methods 0.000 description 1
- 239000002270 dispersing agent Substances 0.000 description 1
- 239000006185 dispersion Substances 0.000 description 1
- 238000011084 recovery Methods 0.000 description 1
- 238000010008 shearing Methods 0.000 description 1
- 239000002904 solvent Substances 0.000 description 1
- 230000003685 thermal hair damage Effects 0.000 description 1
- 230000003313 weakening effect Effects 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03G—ELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
- G03G15/00—Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
- G03G15/06—Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for developing
- G03G15/10—Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for developing using a liquid developer
- G03G15/104—Preparing, mixing, transporting or dispensing developer
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
- Wet Developing In Electrophotography (AREA)
- Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
- Liquid Developers In Electrophotography (AREA)
- Control Or Security For Electrophotography (AREA)
Abstract
【課題】この発明の課題は、不揮発性の液体現像剤を用いた電子写真装置において、溶融転写方式により媒体へのトナー画像の転写を行う場合、過大な圧力を加えることなく完全に転写を行うことができ、ショック目などのノイズが発生しない高画質な電子写真装置を提供するものである。
【解決手段】画像支持体に転写されたトナー画像の粘弾性動的測定値が強制振動1Hz、振幅応力10Paで測定したときに、貯蔵弾性率が1.0E5Paから1.0E8Paの範囲で、かつ、損失弾性率が1.0E5Paから1.0E8Paとなるよう制御する粘弾性制御手段を備えるよう構成する。
この粘弾性制御手段として、あらかじめ、上記の粘弾性動的測定値の条件を満たすトナー画像の温度を測定しておき、画像支持体である中間転写体3にヒーター4を内蔵し、このヒーター4により前記所定の温度にトナー画像を加熱する構成としてもよい。
【選択図】 図1
【解決手段】画像支持体に転写されたトナー画像の粘弾性動的測定値が強制振動1Hz、振幅応力10Paで測定したときに、貯蔵弾性率が1.0E5Paから1.0E8Paの範囲で、かつ、損失弾性率が1.0E5Paから1.0E8Paとなるよう制御する粘弾性制御手段を備えるよう構成する。
この粘弾性制御手段として、あらかじめ、上記の粘弾性動的測定値の条件を満たすトナー画像の温度を測定しておき、画像支持体である中間転写体3にヒーター4を内蔵し、このヒーター4により前記所定の温度にトナー画像を加熱する構成としてもよい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、不揮発性の液体現像剤を用いた液体電子写真装置に関し、感光体や中間転写体などの画像支持体上に形成したトナー画像を媒体へ転写する方式として、溶融転写方式を用いる場合に、液体現像剤の粘度を最適な粘弾性特性値に制御することで、媒体への転写時に過度の高圧力をかけて転写を行う必要をなくし、高画質な印刷を行うことができる液体電子写真装置を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体現像剤を用いた電子写真装置において、媒体へのトナー画像の転写には、画像支持体上に形成されたトナー画像に、バイアス電圧を印加することで、媒体側にトナーを転移させる静電転写方法が用いられていた。
【0003】
しかし、このような静電転写は媒体の電気抵抗に影響されるため、温度や湿度などの環境条件への依存度が高く、プリンタ装置の環境仕様の制限となっていた。
【0004】
このような問題を解決するため、媒体へトナー画像を転写させる前に、トナーを加熱することで溶融し、トナーの固形成分の粘着力を利用して媒体への転写を行う溶融転写方式が考案されている。
【0005】
これは図12に示すように、感光体50上に形成した静電潜像に、電界力を利用して現像装置51によりトナーを付着させ、感光体50上にトナー画像を形成し、このトナー画像を媒体53への転写前に感光体50に内蔵されたヒーター54により加熱することでトナーを溶融させ、これを転写部においてバックアップローラー52により押圧を付加することで媒体53に転写させる方式である。
【0006】
このような溶融転写方式を、揮発性の液体現像を用いて行う場合には、トナー画像の転写前に液体現像剤中に含まれるキャリア剤が揮発することで、溶融したトナーの凝集力を弱めることがないので、媒体への転写のために必要な十分な粘着力を確保することができる。
【0007】
しかし、このような揮発性の液体現像剤を使用する場合は、キャリア剤が揮発し、電子写真装置を使用している使用者の人体に影響が出ないようにするために、大規模な揮発溶剤回収装置を備える必要があった。
【0008】
不揮発性の液体現像剤を使用している場合、液体現像剤に含まれるキャリア剤により、溶融したトナーの凝集力が弱まるため、トナーが溶融することでトナー自体に発生する粘着力を十分に転写に生かすことができず、媒体への転写に必要な十分な粘着力を確保することができない。
【0009】
このため、従来の不揮発性の液体現像剤を用いた電子写真装置において溶融転写方式を用いる場合には、トナーの凝集力の弱さを補い、十分な粘着力を引き出すために、媒体への転写時に、バックアップローラーにより過大な押圧を付加する装置が考案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0010】
しかし、このような転写時にバックアップローラーにより過大な押圧をかける方法では、媒体が画像支持体とバックアップローラーの接触部分に噛み込まれるときに、装置に振動が発生し、ショック目と呼ばれる画像ノイズが発生し、高画質な印刷の妨げとなる場合があった。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−311725号公報
【発明が解決しようとする課題】
前記のごとく、従来の技術では次のような問題点がある。
【0012】
液体現像剤を用いた電子写真装置においては、媒体へのトナー画像の転写時に、画像支持体から媒体への転写には、媒体方向にトナーが移動するよう電界力を加えて転写する静電転写方式が用いられていた。
【0013】
しかし、この静電転写では、電子写真装置の使用環境、特に温度や湿度によって媒体の転写不良が発生しやすく、高画質印刷の妨げとなっていた。これを解決する転写方式として、液体現像剤中の固形成分であるトナーを加熱することで溶融し、トナー自体の粘着力により媒体へ転写を行う溶融転写方式が考案されている。
【0014】
しかし、不揮発性の液体現像剤を使用した電子写真装置においては、液体現像剤中の固形成分であるトナーを溶融させても、液体成分であるキャリア剤がトナーの凝集力を弱める働きをするため、トナーを溶融することで発生する粘着力だけでは、媒体への転写が十分に行えない場合があった。
【0015】
このような問題を解決するため、トナー画像の媒体への転写時に、バックアップローラーにより過大な押圧を加えることで、キャリア剤により弱められたトナーの凝集力を補うことで、媒体への転写を行う装置が考案されている。
【0016】
しかし、このような媒体への転写時に、過大な押圧を加える装置では、媒体が画像転写部に進入するときに装置に振動が発生し、ショック目と呼ばれるノイズが発生し画質を低下させるという問題があった。
【0017】
この発明の課題は、不揮発性の液体現像剤を用いた電子写真装置において、液体現像剤中の固形成分であるトナーを溶融させて媒体へ転写させる溶融転写方式を使用して媒体へのトナー画像の転写を行う場合、過大な圧力を加えることなく完全に転写を行うことができ、ショック目などのノイズが発生しない高画質な印刷を可能とする電子写真装置を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前記の問題点を解決するために、この発明では次に示す手段を取った。
【0019】
画像支持体に転写されたトナー画像の粘弾性動的測定値が強制振動1Hz、振幅応力10Paで測定したときに、貯蔵弾性率が1.0E5Paから1.0E8Paの範囲で、かつ、損失弾性率が1.0E5Paから1.0E8Paとなるよう制御する粘弾性制御手段を備えるよう構成する。
【0020】
この粘弾性制御手段として、あらかじめ、上記の粘弾性動的測定値の条件を満たすトナー画像の温度を測定しておき、この温度に画像支持体上のトナー画像を加熱する手段を備えるよう構成してもよい。
【0021】
上記のトナー画像の粘弾性動的測定値の条件を満たすように制御した上で、画像支持体上のトナー画像に、トナーの帯電電荷と同極性のバイアス電圧を加えることで、トナー成分を画像支持体上に押しつける方向に電界力をかけ、これによりトナーの上層に浮き上がらせたキャリア剤の層を画像支持体上のトナー画像の移動方向とは逆方向で等速度以上の移動体により除去し、さらに、除去後2000ms以内に媒体へのトナー画像の転写を行うように構成してもよい。
【0022】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態とするために、上記の画像支持体上のトナー画像の加熱手段により加熱する際に、画像支持体温度がキャリア剤沸点以下で、さらに、100℃以下になるように制御してもよい。
【0023】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態で、媒体への転写前に画像支持体上のトナー画像に含まれる固形分比率を50%以上で95%以下になるようにキャリア剤を除去するように構成してもよい。
【0024】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態で、媒体への転写を行う際に、加える圧力を0.5MPaから4.0MPaの間となるように制御するよう構成してもよい。
【0025】
カラー印刷を行う場合、上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態のトナー画像を画像支持体に重ねて行くにあたり、各色のトナー画像を画像支持体へ転写するごとに、キャリア剤除去を画像支持体の移動方向と同方向で同速度の移動体により除去するように構成してもよい。
【0026】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態のトナー画像を媒体へ転写するに際し、媒体の温度を粘弾性動的測定値が貯蔵弾性率が1.0E5Pa以下で、かつ、損失弾性率が1.0E5Pa以下になる最も低い温度+50℃以下にあらかじめ加熱しておくように構成してもよい。
【0027】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態のトナー画像を媒体へ転写する際に、トナーが媒体へ移動する方向へバイアス電圧を印加するように構成してもよい。
【0028】
上記のバイアス電圧を印加するに際して、画像支持体の電気抵抗を1.0E7Ωcm以上1.0E10Ωcm以下に設定するようにしてもよい。
【0029】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態のトナー画像を媒体へ転写する画像支持体として、その最外表がJIS−A10度以上80度以下のゴム材料で、かつ、トナー剥離性の高い材料を使用するようにしてもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】
この発明は、次に示す実施の形態を取った。
【0031】
画像支持体に転写されたトナー画像の粘弾性動的測定値が強制振動1Hz、振幅応力10Paで測定したときに、貯蔵弾性率が1.0E5Paから1.0E8Paの範囲で、かつ、損失弾性率が1.0E5Paから1.0E8Paとなるよう制御する粘弾性制御手段を備えるよう構成する。
【0032】
これにより、液体現像剤中の固形成分であるトナーが溶融して軟化し、トナー粒子同士が結合することで、液体現像剤中の液体成分であるキャリア剤と分離し、キャリア剤の除去を容易に行えるようになるとともに、完全にトナーが溶融し、画像支持体へ固着することで、転写効率を下げることもなくなり、トナー画像の媒体への100%の転写を行えるようになる。
【0033】
この粘弾性制御手段として、あらかじめ、上記の粘弾性動的測定値の条件を満たすトナー画像の温度を測定しておき、この温度に画像支持体上のトナー画像を加熱する手段を備えるよう構成してもよい。
【0034】
これにより、液体現像剤中の固形成分であるトナーを加熱することで、媒体への転写に最適な溶融状態に軟化することができる。
【0035】
上記のトナー画像の粘弾性動的測定値の条件を満たすように制御した上で、画像支持体上のトナー画像に、トナーの帯電電荷と同極性のバイアス電圧を加えることで、トナー成分を画像支持体上に押しつける方向に電界力をかけ、これによりトナーの上層に形成されるキャリア成分の層を画像支持体上のトナー画像の移動方向とは逆方向で等速度以上の移動体により除去し、さらに、除去後2000ms以内に媒体へのトナー画像の転写を行うように構成してもよい。
【0036】
これにより、画像支持体上のトナー画像を媒体への転写に最適な溶融状態に制御するとともに、電界力によりトナー成分を画像支持体へ押しつけることで、その上層にキャリア剤を浮かび上がらせ、キャリア剤の除去を容易にすることができ、さらに、キャリア剤の除去にトナー画像の移動方向と逆方向で等速度以上の移動体を使用することで、トナー画像の上層に浮かび上がらせたキャリア剤をほぼ100%除去することができるようになり、除去後2000ms以内に媒体への転写を行うことで、キャリア成分の除去されたトナー画像の表面の粘着力が、時間が経過することでキャリア成分がさらに浮かび上がってくることで落ちることを防ぐことができる。
【0037】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態とするために、上記の画像支持体上のトナー画像の加熱手段により加熱する際に、画像支持体温度がキャリア剤沸点以下で、さらに、100℃以下になるように制御してもよい。
【0038】
これにより、画像支持体上のトナー画像を媒体への転写に最適な溶融状態に軟化する際に、キャリア成分が揮発することを防ぐことで人体への悪影響を及ぼさないようにすることができ、また、画像支持体が加熱により熱的損傷を受けて劣化することを防ぐことができ、画像支持体の長寿命化を図ることができる。
【0039】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態で、媒体への転写前に画像支持体上のトナー画像に含まれる固形分比率を50%以上で95%以下になるようにキャリア剤を除去するように構成してもよい。
【0040】
これにより、媒体への転写の際に、キャリア成分によりトナー画像の凝集力が弱められ、転写が妨げられることを防ぐことができ、また、キャリア成分を完全に除去してしまうと、トナー画像が画像支持体に固着することがあり、このような固着を防ぐこともできる。
【0041】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態で、媒体への転写を行う際に、加える圧力を0.5MPaから4.0MPaの間となるように制御するよう構成してもよい。
【0042】
これにより、トナー画像の溶融状態を媒体への転写に最適な状態とすることで、従来の溶融転写方式で問題となっていた、媒体への転写部分で過大な圧力を加える必要がなく、転写部分への媒体の進入時に装置に振動が発生しない適切な圧力に押さえることで、ショック目などの画像ノイズの発生しない高画質な印刷を行うことができるようになる。
【0043】
カラー印刷を行う場合、上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態のトナー画像を画像支持体に重ねて行くにあたり、各色のトナー画像を画像支持体へ転写するごとに、キャリア剤除去を画像支持体の移動方向と同方向で同速度の移動体により除去するように構成してもよい。
【0044】
これにより、カラー印刷の場合、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックといった基本色の各色のトナー画像を、画像支持体上に重ねていき、画像支持体上でカラーのトナー画像を形成するのであるが、このとき、各色のトナー画像に含まれるキャリア成分をトナー画像を乱すことなく除去することができ、媒体への転写時に転写の妨げとなるキャリア成分を効果的に除去できるようになる。
【0045】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態のトナー画像を媒体へ転写するに際し、媒体の温度を画像支持体温度以上でトナー画像の粘弾性動的測定値の貯蔵弾性率が1.0E5Pa以下で、かつ、損失弾性率が1.0E5Pa以下になる最も低い温度+50℃以下にあらかじめ加熱しておくように構成してもよい。
【0046】
これにより、画像支持体上のトナー画像を加熱することで媒体への転写に最適な溶融状態としているときに、転写する媒体が低温であるため、媒体への粘着力が低下したり、あまりに高温であるため、トナーが溶融し画像支持体に固着したりすることで、完全な転写が行われなくなることを防ぐことができる。
【0047】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態のトナー画像を媒体へ転写する際に、トナーが媒体へ移動する方向へバイアス電圧を印加するように構成してもよい。
【0048】
これにより、画像支持体上のトナー画像が媒体への転写に最適な溶融状態となっているので、トナー成分の粘着力が媒体への転写に十分な粘着力を発揮するのであるが、さらに転写時にトナーが媒体へ移動する方向に電界力を加えることで、トナー画像の画像支持体への凝集力が弱まり、より安定的にトナー画像の媒体への転写を行うことができるようになる。
【0049】
上記のバイアス電圧を印加するに際して、画像支持体の電気抵抗を1.0E7Ωcm以上1.0E10Ωcm以下に設定するようにしてもよい。
【0050】
これにより、画像支持体上のトナー画像にバイアス電圧を加えて、トナーを媒体へ移動する方向に電界力を加える際に、画像支持体の電気抵抗が低すぎることで、トナー画像以外に電流が流れて、トナー画像に十分な電圧がかからなくなることや、画像支持体の電気抵抗が高すぎることで、画像支持体で電圧垂下が起こり、トナー画像に十分に電圧がかからなくなり、転写効率が落ちることを防ぐことができる。
【0051】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態のトナー画像を媒体へ転写する画像支持体として、その最外表がJIS−A10度以上80度以下のゴム材料で、かつ、トナー剥離性の高い材料を使用するようにしてもよい。
【0052】
これにより、トナー画像が媒体へ転写されるときに、トナー画像が画像支持体へ凝集する力を弱くすることができ、また、媒体へトナー画像を効率的に押し当てることで安定した転写が可能となり、転写後の画像支持体のクリーニングも容易とすることができる。
【0053】
【実施例】
この発明による代表的な実施例を説明する。なお、以下において、同じ箇所は同一の符号を付してあり、詳細な説明を省略することがある。
【0054】
不揮発性の液体現像剤を用いた電子写真装置においては、環境要因に左右される静電転写方式から、環境要因に左右されない溶融転写方式が用いられるようになっている。
【0055】
しかし、従来の溶融転写方式では、不揮発性の液体現像剤を用いた場合には、キャリア剤によりトナー成分の凝集力が弱められるため、媒体への転写に必要な粘着力が確保されず、転写不良が発生する場合があり、この凝集力不足を補うために媒体への転写時に、バックアップローラーにより媒体を画像支持体に押しつけ過大な圧力を加えることが行われているが、この転写部に媒体が進入するときに振動が発生し、ショック目と呼ばれる画像ノイズが発生し画質低下の要因となっていた。
【0056】
本装置は、不揮発性の液体現像剤を用いた電子写真装置において、溶融転写方式を用いた場合でも転写時に過大な圧力を加えることなく、確実なトナー画像の媒体への転写を行うことができる電子写真装置である。
【0057】
不揮発性の液体現像剤を使用して、画像支持体である感光体上に形成した静電潜像に電界力によりトナーを付着させることで、感光体上にトナー画像を形成するが、この感光体上に転写されたトナー画像の粘弾性動的測定値が強制振動1Hz、振幅応力10Paで測定したときに、貯蔵弾性率が1.0E5Paから1.0E8Paの範囲で、かつ、損失弾性率が1.0E5Paから1.0E8Paとなるよう制御する粘弾性制御手段を備えている。
【0058】
図13に示すように、画像支持体のトナー保持力F1、トナーの凝集力F2、媒体への接着力F3の関係がF2>F3>F1の関係が成り立つ場合に、媒体へのトナー画像の100%転写が可能となる。
【0059】
不揮発性の液体現像剤においては、媒体への転写時にも分散剤であるキャリア成分が揮発しないためトナー画像中に残存しており、これが多量に残っていると、トナーの凝集力F2が弱められる。
【0060】
そのため、転写前にトナー画像中のキャリア剤を極力取り除くことが必要となり、従来の溶融転写方式では、図1(c)に示すように、液体現像剤中の固形成分であるトナーを完全に溶融させ、トナー同士が溶融結合して一体化することで、トナー粒子同士の隙間に入り込んだ電界力だけでは取り出すことができないキャリア剤を強制的にはき出させ、これを除去するようにしている。
【0061】
このように、トナーを溶融することで、媒体への転写時に転写の妨げとなるキャリア剤の除去が効率よく行えることは知られているが、従来の溶融転写方式では、このトナーを溶融結合して一体化するとき、トナーが完全に溶融することで、画像支持体に対しても粘着力が発生し、トナーが画像支持体へ固着することで画像支持体のトナー保持力F1が強まり、トナー画像の媒体への転写効率が下がることがあり、また、転写後に画像支持体上に残存したトナーのクリーニングが困難になることがあった。
【0062】
本装置では、トナーを溶融させるとき、図1(b)に示すように、必要以上にトナーを溶融させて液状化させてしまうことなく、上記の粘弾性動的測定値の条件を満たす範囲でトナーを溶融結合して一体化させて軟化することにより、従来の溶融転写と同様にトナー粒子の隙間に入り込んだキャリア剤を除去することができるとともに、トナーが必要以上に溶融していないので、画像支持体に固着することがなく、媒体への転写効率が下がることもない。
【0063】
このような粘弾性動的測定値の条件を満たすように、トナー画像の粘弾性制御手段として、あらかじめ上記の粘弾性動的測定値の条件を満たすトナーの温度を計測しておき、画像支持体上のトナー画像を媒体へ転写する前にこの温度となるように加熱する加熱手段を備えるように構成している。
【0064】
この加熱手段としては、図2に示すように、画像支持体である感光体や中間転写体にヒーターを内蔵し、このヒーターにより感光体や中間転写体自体を加熱することで、表面に形成されたトナー画像を加熱するようにしてもよい。
【0065】
図の例では、感光体2上に形成した静電潜像に、現像装置1により電界力を利用してトナーを付着させてトナー画像を形成し、このトナー画像を中間転写体3に転写し、転写されたトナー画像を中間転写体3に内蔵されたヒーター4により所定の温度に加熱することで、トナー画像を転写に最適な溶融状態に溶融させ、これをバックアップローラー5により押圧を加えることで、媒体6に転写するようにしている。
【0066】
なお、このときの加熱温度を、画像支持体(図の場合は中間転写体)温度がキャリア剤沸点以下で、さらに、100℃以下になるように制御してもよい。
【0067】
これは、常温では不揮発性のキャリア剤でも、画像支持体の温度がキャリア剤の沸点以上になるとキャリア剤が揮発し、人体への影響が及ぶのを防ぎ、また、あまりに高温に加熱することで、画像支持体が熱的損傷を受けて劣化してしまうのを防ぐためである。
【0068】
このように画像支持体を加熱し、画像支持体上のトナー画像を所定の温度にすることで上記の粘弾性動的測定値の条件を満たすように制御した上で、トナー画像を媒体へ転写する際に、トナーの帯電電荷と同極性のバイアス電圧を印加することで、トナーを画像支持体に押しつける方向に電界力をかけ、これによりトナーの上層に浮かび上がらせたキャリア剤を除去するように構成している。
【0069】
このように、トナーの帯電電荷と同極性のバイアス電圧を印加することで、図3(a)に示すように、トナーは画像支持体表面に押しつけられ、その上層にキャリア剤を浮かび上がらせることで、キャリア剤の除去を行いやすいようにしている。
【0070】
また、このキャリア除去は、図3(b)に示すように、感光体とは逆方向に回転する回転体で、回転速度を感光体上のトナー画像の移動速度と、その接触部において等速度以上で移動するように回転させた逆回転キャリア剤除去ローラー7により除去するように構成している。
【0071】
このような接触部分において、トナー画像の移動方向とは反対方向に等速度以上で移動する逆回転キャリア剤除去ローラー7によりキャリア剤を除去すると、トナー画像の上層に浮かび上がっているキャリア剤をほぼ完全に除去することができるようになる。
【0072】
トナー画像の上層に浮かび上がっているキャリア剤が完全に除去されると、溶融することで粘着力が発生しているトナー画像の表面に、媒体との接着力を弱めるキャリア剤が存在しない状態とすることができ、より強力な媒体への接着力F3を得られるようになり、安定した転写が可能となる。
【0073】
また、図4に示すように、この逆回転キャリア剤除去ローラー7によるキャリア剤の除去が行われてから、トナー画像の媒体6への転写を2000ms以内に行うように構成している。
【0074】
これは、図5に示すように、転写前にトナー画像の上層に浮かび上がらせたキャリア剤を逆回転キャリア剤除去ローラー7により除去した後、一定の時間が経過するとトナー画像の上層に、トナー画像中に残存していたキャリア剤が時間の経過とともに再び浮かび上がってくることで、トナー画像の媒体への接着力F3やトナーの凝集力F2が弱まり、安定した媒体への転写が阻害されることを防ぐためである。
【0075】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態で、上記のキャリア剤除去ローラーによりキャリア剤を除去するとき、トナー画像の媒体への転写時に画像支持体上のトナー画像に含まれる固形分比率を50%以上で95%以下になるようにキャリア剤を除去するように構成してもよい。
【0076】
トナー画像に含まれるキャリア剤は、媒体への転写時にトナーの凝集力F2を弱める働きをし、転写の妨げとなるので、極力除去することが望ましいのであるが、あまりに完全にキャリア剤を除去してしまうと、トナー画像が画像支持体に固着してしまい、転写効率が下がってしまうことがあり、また、転写後に画像支持体に残存しているトナーのクリーニングが困難になるという問題が発生することがある。
【0077】
そこで、安定的に転写を行える上記の範囲でトナー画像に含まれるキャリア剤を除去するようにすることで、媒体への確実な転写が行え、画像支持体に残存したトナーのクリーニングも容易に行えるようにしている。
【0078】
カラー印刷を行う場合は、画像支持体上に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックといった基本色ごとのトナー画像を重ね合わせてカラーのトナー画像とし、これを媒体に転写することで印刷を行っている。
【0079】
このとき、図6に示すように、各色のトナー画像を画像支持体上に転写するごとに、キャリア剤除去を画像支持体上のトナー画像の移動方向と同方向で、その接触部において同速度となる回転速度で回転する順回転キャリア剤除去ローラー8により除去するように構成してもよい。
【0080】
各色のトナー画像には、キャリア剤が含まれており、これを画像支持体上に転写された後も除去せずに次の色のトナー画像を重ね合わせると、図7(a)に示すように、各色のトナー画像の層の間にキャリア剤が挟み込まれ、最終的に重ね合わせてカラーとなったトナー画像を媒体に転写するとき、転写前に余分なキャリア剤の除去を行うのが困難となり、残存しているキャリア剤により各色のトナー画像が乱れ易くなり、画質の低下を招く原因ともなる。
【0081】
そこで、図6に示すように、各色のトナー画像を画像支持体に転写するごとに、余分なキャリア剤の除去を行うことで、最終的に重ね合わせてカラーとなったトナー画像は、図7(b)に示すように、余分なキャリア剤が残ることがなく、トナー画像が乱れて画質の低下を招くことを防ぐことができるようになる。
【0082】
また、このときキャリア剤を除去する方法として、図6に示すように、画像支持体上のトナー画像の移動方向と同方向で、等速度で接触回転する順回転キャリア剤除去ローラー8により余分なキャリア剤を除去するようにしているが、これは、余分なキャリア剤の除去を固定したブレードなどで行うと、トナー画像がキャリア剤の除去時に発生するせん断力により乱れて画質を低下させることがあり、これを上記のような順回転キャリア剤除去ローラー8により行うことで、キャリア剤除去時にせん断力が発生しないようにでき、トナー画像の乱れを発生させることなくキャリア剤の除去が行えるようになるからである。
【0083】
図8に示すように、トナー画像を媒体6へ転写する転写部において、バックアップローラー5により押圧を付加するように構成し、転写時の押圧を0.5MPa以上で、かつ、4.0MPa以下に設定するように制御してもよい。
【0084】
このようにトナー画像の転写時にバックアップローラーにより押圧を付加することで、不揮発性の液体現像剤を使用している場合に、キャリア剤によりトナーの凝集力F2が不足するのを補うことができ、安定した転写に必要なF2(トナーの凝集力)>F3(媒体への接着力)>F1(画像支持体のトナー保持力)の関係を保つことができるようになる。
【0085】
さらに、従来の溶融転写方式で付圧により転写を行う場合には、キャリア剤により弱められるF2(トナーの凝集力)及びF3(媒体への接着力)を補うために、バックアップローラーにより過大な押圧(4.0MPa以上)をかける必要があり、媒体が転写部に進入するときに振動が発生し画像ノイズの原因となっていたが、本装置では、トナー画像の粘弾性動的測定値の条件を転写に最適な状態に制御しているので、転写部での付圧を低く設定することができるため、このような画像ノイズの発生を防ぐことができる。
【0086】
図9に示すように、トナー画像を転写する媒体を転写前に、あらかじめ媒体加熱ローラー9により加熱し、媒体の温度が画像支持体温度以上で、かつ、トナー画像の粘弾性動的測定値の貯蔵弾性率が1.0E5Pa以下で、かつ、損失弾性率が1.0E5Pa以下になる最も低い温度+50℃以下になるように構成してもよい。
【0087】
トナー画像を媒体へ転写する前に、トナー画像は転写に最適な粘弾性動的測定値の条件を満たすように加熱されるが、このトナー画像の温度が媒体と接触するときに、媒体の温度により変化してしまい、転写に最適な粘弾性動的測定値の条件を満たす温度範囲からはずれてしまうことで、安定した転写を妨げることがある。
【0088】
そこで、上記の温度に媒体をあらかじめ加熱しておくことで、トナー画像が転写時に媒体に接触するときに転写に最適な粘弾性動的測定値の条件を満たす温度範囲からはずれないようにしている。
【0089】
図10に示すように、上記の転写に最適な粘弾性動的測定値の条件を保った溶融状態のトナー画像を媒体へ転写する際に、トナーが媒体へ移動する方向へバイアス電圧を印加するように構成してもよい。
【0090】
これにより、トナー画像を転写に最適な粘弾性動的測定値の条件を満たすようにすることで、転写に必要なトナーの凝集力や媒体への接着力を維持したまま、さらに、トナーを媒体へ移動する方向に電界力を加えることで、画像支持体のトナー保持力を弱め、トナー画像の完全な転写に必要なF2(トナーの凝集力)>F3(トナーの接着力)>F1(画像支持体の保持力)の関係を安定的に保つことができるようになる。
【0091】
上記のバイアス電圧を印加するに際して、画像支持体の電気抵抗を1.0E7Ωcm以上1.0E10Ωcm以下に設定するようにしてもよい。
【0092】
バイアス電圧を印加して、画像支持体上のトナー画像を媒体方向に移動する電界力を発生させるためには、画像支持体の電気抵抗が低すぎると、トナー画像以外の部分に電流が流れてしまい、トナー画像に電圧が加わらず、十分な電界力を発生できない場合があり、画像支持体の電気抵抗が高すぎると、画像支持体での電圧垂下によりトナー画像に十分に電圧が加わらず、十分な電界力が発生できない場合がある。
【0093】
そこで、上記の範囲で画像支持体の電気抵抗を設定しておくことで、効果的にトナー画像に電圧が加えられ、転写に十分な電界力が発生し、安定した転写を行うことができるようになる。
【0094】
図11(a)に示すように、上記の転写に最適な粘弾性動的測定値の条件を保った溶融状態のトナー画像を媒体へ転写する画像支持体として、その最外表がJIS−A10度以上80度以下のゴム材料で、かつ、トナー剥離性の高い材料を使用するようにしてもよい。
【0095】
トナー剥離性の高い部材の使用により画像支持体のトナー保持力を弱めることができ、また、転写時にバックアップローラーにより押圧を加えることで、図11(b)に示すように、転写部が変形し、媒体との接触面積が大きくなるゴム材を使用することでより転写しやすくすることができ、安定した転写を行うことができるようにしている。
【0096】
【発明の効果】
この発明により、以下に示すような効果が期待できる。
【0097】
不揮発性の液体現像剤を使用した電子写真装置において、トナー画像を加熱してトナーを溶融し、トナーの粘着力により媒体への転写を行う溶融転写方式を使用する場合、キャリア剤が転写時にも揮発せずに残っているため、これがトナーの凝集力を弱める働きをし、溶融したトナーの粘着力のみでは十分に転写することができないため、転写時にバックアップローラーにより過大な押圧を付加することで転写を行う方法が用いられてきた。
【0098】
しかし、このような転写時に過大な圧力を付加して転写する方式では、押圧を加える転写部に媒体が進入するときに装置に振動が発生し、ショック目と呼ばれる画像ノイズが発生し、画質を低下させるという問題があった。
【0099】
本発明を利用することにより、不揮発性の液体現像剤を用いて溶融転写を行う場合にも、トナーの溶融状態を媒体への転写に最適な状態とすることで、トナー画像が媒体へ100%転写可能となる条件である、F2(トナーの凝集力)>F3(媒体へのトナーの接着力)>F1(画像支持体のトナー保持力)の関係を安定的に保つことができ、転写時に過大な圧力をかける必要もないので、ショック目などの画像ノイズの発生しない、高画質な転写が可能な電子写真装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナー溶融状態の説明図である。
【図2】中間転写体に内蔵したヒーターを使用した場合の説明図である。
【図3】不要なキャリア剤の除去処理の説明図である。
【図4】キャリア剤除去処理と媒体転写位置との関係説明図である。
【図5】キャリア剤除去後のトナー固形成分の再分散の説明図である。
【図6】各色トナー画像を転写するごとにキャリア剤除去を行う処理の説明図である。
【図7】カラー印刷時のキャリア剤除去処理の効果説明図である。
【図8】媒体への転写時のバックアップローラーによる押圧付加の説明図である。
【図9】転写前に媒体を加熱する手段を備えた装置の構成図である。
【図10】バイアス電圧により媒体側にトナーを移動させる処理の説明図である。
【図11】画像支持体の最外表の材質の説明図である。
【図12】従来の溶融転写方式の説明図である。
【図13】溶融転写方式でのトナー画像の媒体への転写条件説明図である。
【符号の説明】
1:現像装置
2:感光体
3:中間転写体
4:ヒーター
5:バックアップローラー
6:媒体
7:逆回転キャリア剤除去ローラー
8:順回転キャリア剤除去ローラー
9:媒体加熱ローラー
【発明の属する技術分野】
この発明は、不揮発性の液体現像剤を用いた液体電子写真装置に関し、感光体や中間転写体などの画像支持体上に形成したトナー画像を媒体へ転写する方式として、溶融転写方式を用いる場合に、液体現像剤の粘度を最適な粘弾性特性値に制御することで、媒体への転写時に過度の高圧力をかけて転写を行う必要をなくし、高画質な印刷を行うことができる液体電子写真装置を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体現像剤を用いた電子写真装置において、媒体へのトナー画像の転写には、画像支持体上に形成されたトナー画像に、バイアス電圧を印加することで、媒体側にトナーを転移させる静電転写方法が用いられていた。
【0003】
しかし、このような静電転写は媒体の電気抵抗に影響されるため、温度や湿度などの環境条件への依存度が高く、プリンタ装置の環境仕様の制限となっていた。
【0004】
このような問題を解決するため、媒体へトナー画像を転写させる前に、トナーを加熱することで溶融し、トナーの固形成分の粘着力を利用して媒体への転写を行う溶融転写方式が考案されている。
【0005】
これは図12に示すように、感光体50上に形成した静電潜像に、電界力を利用して現像装置51によりトナーを付着させ、感光体50上にトナー画像を形成し、このトナー画像を媒体53への転写前に感光体50に内蔵されたヒーター54により加熱することでトナーを溶融させ、これを転写部においてバックアップローラー52により押圧を付加することで媒体53に転写させる方式である。
【0006】
このような溶融転写方式を、揮発性の液体現像を用いて行う場合には、トナー画像の転写前に液体現像剤中に含まれるキャリア剤が揮発することで、溶融したトナーの凝集力を弱めることがないので、媒体への転写のために必要な十分な粘着力を確保することができる。
【0007】
しかし、このような揮発性の液体現像剤を使用する場合は、キャリア剤が揮発し、電子写真装置を使用している使用者の人体に影響が出ないようにするために、大規模な揮発溶剤回収装置を備える必要があった。
【0008】
不揮発性の液体現像剤を使用している場合、液体現像剤に含まれるキャリア剤により、溶融したトナーの凝集力が弱まるため、トナーが溶融することでトナー自体に発生する粘着力を十分に転写に生かすことができず、媒体への転写に必要な十分な粘着力を確保することができない。
【0009】
このため、従来の不揮発性の液体現像剤を用いた電子写真装置において溶融転写方式を用いる場合には、トナーの凝集力の弱さを補い、十分な粘着力を引き出すために、媒体への転写時に、バックアップローラーにより過大な押圧を付加する装置が考案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0010】
しかし、このような転写時にバックアップローラーにより過大な押圧をかける方法では、媒体が画像支持体とバックアップローラーの接触部分に噛み込まれるときに、装置に振動が発生し、ショック目と呼ばれる画像ノイズが発生し、高画質な印刷の妨げとなる場合があった。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−311725号公報
【発明が解決しようとする課題】
前記のごとく、従来の技術では次のような問題点がある。
【0012】
液体現像剤を用いた電子写真装置においては、媒体へのトナー画像の転写時に、画像支持体から媒体への転写には、媒体方向にトナーが移動するよう電界力を加えて転写する静電転写方式が用いられていた。
【0013】
しかし、この静電転写では、電子写真装置の使用環境、特に温度や湿度によって媒体の転写不良が発生しやすく、高画質印刷の妨げとなっていた。これを解決する転写方式として、液体現像剤中の固形成分であるトナーを加熱することで溶融し、トナー自体の粘着力により媒体へ転写を行う溶融転写方式が考案されている。
【0014】
しかし、不揮発性の液体現像剤を使用した電子写真装置においては、液体現像剤中の固形成分であるトナーを溶融させても、液体成分であるキャリア剤がトナーの凝集力を弱める働きをするため、トナーを溶融することで発生する粘着力だけでは、媒体への転写が十分に行えない場合があった。
【0015】
このような問題を解決するため、トナー画像の媒体への転写時に、バックアップローラーにより過大な押圧を加えることで、キャリア剤により弱められたトナーの凝集力を補うことで、媒体への転写を行う装置が考案されている。
【0016】
しかし、このような媒体への転写時に、過大な押圧を加える装置では、媒体が画像転写部に進入するときに装置に振動が発生し、ショック目と呼ばれるノイズが発生し画質を低下させるという問題があった。
【0017】
この発明の課題は、不揮発性の液体現像剤を用いた電子写真装置において、液体現像剤中の固形成分であるトナーを溶融させて媒体へ転写させる溶融転写方式を使用して媒体へのトナー画像の転写を行う場合、過大な圧力を加えることなく完全に転写を行うことができ、ショック目などのノイズが発生しない高画質な印刷を可能とする電子写真装置を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前記の問題点を解決するために、この発明では次に示す手段を取った。
【0019】
画像支持体に転写されたトナー画像の粘弾性動的測定値が強制振動1Hz、振幅応力10Paで測定したときに、貯蔵弾性率が1.0E5Paから1.0E8Paの範囲で、かつ、損失弾性率が1.0E5Paから1.0E8Paとなるよう制御する粘弾性制御手段を備えるよう構成する。
【0020】
この粘弾性制御手段として、あらかじめ、上記の粘弾性動的測定値の条件を満たすトナー画像の温度を測定しておき、この温度に画像支持体上のトナー画像を加熱する手段を備えるよう構成してもよい。
【0021】
上記のトナー画像の粘弾性動的測定値の条件を満たすように制御した上で、画像支持体上のトナー画像に、トナーの帯電電荷と同極性のバイアス電圧を加えることで、トナー成分を画像支持体上に押しつける方向に電界力をかけ、これによりトナーの上層に浮き上がらせたキャリア剤の層を画像支持体上のトナー画像の移動方向とは逆方向で等速度以上の移動体により除去し、さらに、除去後2000ms以内に媒体へのトナー画像の転写を行うように構成してもよい。
【0022】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態とするために、上記の画像支持体上のトナー画像の加熱手段により加熱する際に、画像支持体温度がキャリア剤沸点以下で、さらに、100℃以下になるように制御してもよい。
【0023】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態で、媒体への転写前に画像支持体上のトナー画像に含まれる固形分比率を50%以上で95%以下になるようにキャリア剤を除去するように構成してもよい。
【0024】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態で、媒体への転写を行う際に、加える圧力を0.5MPaから4.0MPaの間となるように制御するよう構成してもよい。
【0025】
カラー印刷を行う場合、上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態のトナー画像を画像支持体に重ねて行くにあたり、各色のトナー画像を画像支持体へ転写するごとに、キャリア剤除去を画像支持体の移動方向と同方向で同速度の移動体により除去するように構成してもよい。
【0026】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態のトナー画像を媒体へ転写するに際し、媒体の温度を粘弾性動的測定値が貯蔵弾性率が1.0E5Pa以下で、かつ、損失弾性率が1.0E5Pa以下になる最も低い温度+50℃以下にあらかじめ加熱しておくように構成してもよい。
【0027】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態のトナー画像を媒体へ転写する際に、トナーが媒体へ移動する方向へバイアス電圧を印加するように構成してもよい。
【0028】
上記のバイアス電圧を印加するに際して、画像支持体の電気抵抗を1.0E7Ωcm以上1.0E10Ωcm以下に設定するようにしてもよい。
【0029】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態のトナー画像を媒体へ転写する画像支持体として、その最外表がJIS−A10度以上80度以下のゴム材料で、かつ、トナー剥離性の高い材料を使用するようにしてもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】
この発明は、次に示す実施の形態を取った。
【0031】
画像支持体に転写されたトナー画像の粘弾性動的測定値が強制振動1Hz、振幅応力10Paで測定したときに、貯蔵弾性率が1.0E5Paから1.0E8Paの範囲で、かつ、損失弾性率が1.0E5Paから1.0E8Paとなるよう制御する粘弾性制御手段を備えるよう構成する。
【0032】
これにより、液体現像剤中の固形成分であるトナーが溶融して軟化し、トナー粒子同士が結合することで、液体現像剤中の液体成分であるキャリア剤と分離し、キャリア剤の除去を容易に行えるようになるとともに、完全にトナーが溶融し、画像支持体へ固着することで、転写効率を下げることもなくなり、トナー画像の媒体への100%の転写を行えるようになる。
【0033】
この粘弾性制御手段として、あらかじめ、上記の粘弾性動的測定値の条件を満たすトナー画像の温度を測定しておき、この温度に画像支持体上のトナー画像を加熱する手段を備えるよう構成してもよい。
【0034】
これにより、液体現像剤中の固形成分であるトナーを加熱することで、媒体への転写に最適な溶融状態に軟化することができる。
【0035】
上記のトナー画像の粘弾性動的測定値の条件を満たすように制御した上で、画像支持体上のトナー画像に、トナーの帯電電荷と同極性のバイアス電圧を加えることで、トナー成分を画像支持体上に押しつける方向に電界力をかけ、これによりトナーの上層に形成されるキャリア成分の層を画像支持体上のトナー画像の移動方向とは逆方向で等速度以上の移動体により除去し、さらに、除去後2000ms以内に媒体へのトナー画像の転写を行うように構成してもよい。
【0036】
これにより、画像支持体上のトナー画像を媒体への転写に最適な溶融状態に制御するとともに、電界力によりトナー成分を画像支持体へ押しつけることで、その上層にキャリア剤を浮かび上がらせ、キャリア剤の除去を容易にすることができ、さらに、キャリア剤の除去にトナー画像の移動方向と逆方向で等速度以上の移動体を使用することで、トナー画像の上層に浮かび上がらせたキャリア剤をほぼ100%除去することができるようになり、除去後2000ms以内に媒体への転写を行うことで、キャリア成分の除去されたトナー画像の表面の粘着力が、時間が経過することでキャリア成分がさらに浮かび上がってくることで落ちることを防ぐことができる。
【0037】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態とするために、上記の画像支持体上のトナー画像の加熱手段により加熱する際に、画像支持体温度がキャリア剤沸点以下で、さらに、100℃以下になるように制御してもよい。
【0038】
これにより、画像支持体上のトナー画像を媒体への転写に最適な溶融状態に軟化する際に、キャリア成分が揮発することを防ぐことで人体への悪影響を及ぼさないようにすることができ、また、画像支持体が加熱により熱的損傷を受けて劣化することを防ぐことができ、画像支持体の長寿命化を図ることができる。
【0039】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態で、媒体への転写前に画像支持体上のトナー画像に含まれる固形分比率を50%以上で95%以下になるようにキャリア剤を除去するように構成してもよい。
【0040】
これにより、媒体への転写の際に、キャリア成分によりトナー画像の凝集力が弱められ、転写が妨げられることを防ぐことができ、また、キャリア成分を完全に除去してしまうと、トナー画像が画像支持体に固着することがあり、このような固着を防ぐこともできる。
【0041】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態で、媒体への転写を行う際に、加える圧力を0.5MPaから4.0MPaの間となるように制御するよう構成してもよい。
【0042】
これにより、トナー画像の溶融状態を媒体への転写に最適な状態とすることで、従来の溶融転写方式で問題となっていた、媒体への転写部分で過大な圧力を加える必要がなく、転写部分への媒体の進入時に装置に振動が発生しない適切な圧力に押さえることで、ショック目などの画像ノイズの発生しない高画質な印刷を行うことができるようになる。
【0043】
カラー印刷を行う場合、上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態のトナー画像を画像支持体に重ねて行くにあたり、各色のトナー画像を画像支持体へ転写するごとに、キャリア剤除去を画像支持体の移動方向と同方向で同速度の移動体により除去するように構成してもよい。
【0044】
これにより、カラー印刷の場合、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックといった基本色の各色のトナー画像を、画像支持体上に重ねていき、画像支持体上でカラーのトナー画像を形成するのであるが、このとき、各色のトナー画像に含まれるキャリア成分をトナー画像を乱すことなく除去することができ、媒体への転写時に転写の妨げとなるキャリア成分を効果的に除去できるようになる。
【0045】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態のトナー画像を媒体へ転写するに際し、媒体の温度を画像支持体温度以上でトナー画像の粘弾性動的測定値の貯蔵弾性率が1.0E5Pa以下で、かつ、損失弾性率が1.0E5Pa以下になる最も低い温度+50℃以下にあらかじめ加熱しておくように構成してもよい。
【0046】
これにより、画像支持体上のトナー画像を加熱することで媒体への転写に最適な溶融状態としているときに、転写する媒体が低温であるため、媒体への粘着力が低下したり、あまりに高温であるため、トナーが溶融し画像支持体に固着したりすることで、完全な転写が行われなくなることを防ぐことができる。
【0047】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態のトナー画像を媒体へ転写する際に、トナーが媒体へ移動する方向へバイアス電圧を印加するように構成してもよい。
【0048】
これにより、画像支持体上のトナー画像が媒体への転写に最適な溶融状態となっているので、トナー成分の粘着力が媒体への転写に十分な粘着力を発揮するのであるが、さらに転写時にトナーが媒体へ移動する方向に電界力を加えることで、トナー画像の画像支持体への凝集力が弱まり、より安定的にトナー画像の媒体への転写を行うことができるようになる。
【0049】
上記のバイアス電圧を印加するに際して、画像支持体の電気抵抗を1.0E7Ωcm以上1.0E10Ωcm以下に設定するようにしてもよい。
【0050】
これにより、画像支持体上のトナー画像にバイアス電圧を加えて、トナーを媒体へ移動する方向に電界力を加える際に、画像支持体の電気抵抗が低すぎることで、トナー画像以外に電流が流れて、トナー画像に十分な電圧がかからなくなることや、画像支持体の電気抵抗が高すぎることで、画像支持体で電圧垂下が起こり、トナー画像に十分に電圧がかからなくなり、転写効率が落ちることを防ぐことができる。
【0051】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態のトナー画像を媒体へ転写する画像支持体として、その最外表がJIS−A10度以上80度以下のゴム材料で、かつ、トナー剥離性の高い材料を使用するようにしてもよい。
【0052】
これにより、トナー画像が媒体へ転写されるときに、トナー画像が画像支持体へ凝集する力を弱くすることができ、また、媒体へトナー画像を効率的に押し当てることで安定した転写が可能となり、転写後の画像支持体のクリーニングも容易とすることができる。
【0053】
【実施例】
この発明による代表的な実施例を説明する。なお、以下において、同じ箇所は同一の符号を付してあり、詳細な説明を省略することがある。
【0054】
不揮発性の液体現像剤を用いた電子写真装置においては、環境要因に左右される静電転写方式から、環境要因に左右されない溶融転写方式が用いられるようになっている。
【0055】
しかし、従来の溶融転写方式では、不揮発性の液体現像剤を用いた場合には、キャリア剤によりトナー成分の凝集力が弱められるため、媒体への転写に必要な粘着力が確保されず、転写不良が発生する場合があり、この凝集力不足を補うために媒体への転写時に、バックアップローラーにより媒体を画像支持体に押しつけ過大な圧力を加えることが行われているが、この転写部に媒体が進入するときに振動が発生し、ショック目と呼ばれる画像ノイズが発生し画質低下の要因となっていた。
【0056】
本装置は、不揮発性の液体現像剤を用いた電子写真装置において、溶融転写方式を用いた場合でも転写時に過大な圧力を加えることなく、確実なトナー画像の媒体への転写を行うことができる電子写真装置である。
【0057】
不揮発性の液体現像剤を使用して、画像支持体である感光体上に形成した静電潜像に電界力によりトナーを付着させることで、感光体上にトナー画像を形成するが、この感光体上に転写されたトナー画像の粘弾性動的測定値が強制振動1Hz、振幅応力10Paで測定したときに、貯蔵弾性率が1.0E5Paから1.0E8Paの範囲で、かつ、損失弾性率が1.0E5Paから1.0E8Paとなるよう制御する粘弾性制御手段を備えている。
【0058】
図13に示すように、画像支持体のトナー保持力F1、トナーの凝集力F2、媒体への接着力F3の関係がF2>F3>F1の関係が成り立つ場合に、媒体へのトナー画像の100%転写が可能となる。
【0059】
不揮発性の液体現像剤においては、媒体への転写時にも分散剤であるキャリア成分が揮発しないためトナー画像中に残存しており、これが多量に残っていると、トナーの凝集力F2が弱められる。
【0060】
そのため、転写前にトナー画像中のキャリア剤を極力取り除くことが必要となり、従来の溶融転写方式では、図1(c)に示すように、液体現像剤中の固形成分であるトナーを完全に溶融させ、トナー同士が溶融結合して一体化することで、トナー粒子同士の隙間に入り込んだ電界力だけでは取り出すことができないキャリア剤を強制的にはき出させ、これを除去するようにしている。
【0061】
このように、トナーを溶融することで、媒体への転写時に転写の妨げとなるキャリア剤の除去が効率よく行えることは知られているが、従来の溶融転写方式では、このトナーを溶融結合して一体化するとき、トナーが完全に溶融することで、画像支持体に対しても粘着力が発生し、トナーが画像支持体へ固着することで画像支持体のトナー保持力F1が強まり、トナー画像の媒体への転写効率が下がることがあり、また、転写後に画像支持体上に残存したトナーのクリーニングが困難になることがあった。
【0062】
本装置では、トナーを溶融させるとき、図1(b)に示すように、必要以上にトナーを溶融させて液状化させてしまうことなく、上記の粘弾性動的測定値の条件を満たす範囲でトナーを溶融結合して一体化させて軟化することにより、従来の溶融転写と同様にトナー粒子の隙間に入り込んだキャリア剤を除去することができるとともに、トナーが必要以上に溶融していないので、画像支持体に固着することがなく、媒体への転写効率が下がることもない。
【0063】
このような粘弾性動的測定値の条件を満たすように、トナー画像の粘弾性制御手段として、あらかじめ上記の粘弾性動的測定値の条件を満たすトナーの温度を計測しておき、画像支持体上のトナー画像を媒体へ転写する前にこの温度となるように加熱する加熱手段を備えるように構成している。
【0064】
この加熱手段としては、図2に示すように、画像支持体である感光体や中間転写体にヒーターを内蔵し、このヒーターにより感光体や中間転写体自体を加熱することで、表面に形成されたトナー画像を加熱するようにしてもよい。
【0065】
図の例では、感光体2上に形成した静電潜像に、現像装置1により電界力を利用してトナーを付着させてトナー画像を形成し、このトナー画像を中間転写体3に転写し、転写されたトナー画像を中間転写体3に内蔵されたヒーター4により所定の温度に加熱することで、トナー画像を転写に最適な溶融状態に溶融させ、これをバックアップローラー5により押圧を加えることで、媒体6に転写するようにしている。
【0066】
なお、このときの加熱温度を、画像支持体(図の場合は中間転写体)温度がキャリア剤沸点以下で、さらに、100℃以下になるように制御してもよい。
【0067】
これは、常温では不揮発性のキャリア剤でも、画像支持体の温度がキャリア剤の沸点以上になるとキャリア剤が揮発し、人体への影響が及ぶのを防ぎ、また、あまりに高温に加熱することで、画像支持体が熱的損傷を受けて劣化してしまうのを防ぐためである。
【0068】
このように画像支持体を加熱し、画像支持体上のトナー画像を所定の温度にすることで上記の粘弾性動的測定値の条件を満たすように制御した上で、トナー画像を媒体へ転写する際に、トナーの帯電電荷と同極性のバイアス電圧を印加することで、トナーを画像支持体に押しつける方向に電界力をかけ、これによりトナーの上層に浮かび上がらせたキャリア剤を除去するように構成している。
【0069】
このように、トナーの帯電電荷と同極性のバイアス電圧を印加することで、図3(a)に示すように、トナーは画像支持体表面に押しつけられ、その上層にキャリア剤を浮かび上がらせることで、キャリア剤の除去を行いやすいようにしている。
【0070】
また、このキャリア除去は、図3(b)に示すように、感光体とは逆方向に回転する回転体で、回転速度を感光体上のトナー画像の移動速度と、その接触部において等速度以上で移動するように回転させた逆回転キャリア剤除去ローラー7により除去するように構成している。
【0071】
このような接触部分において、トナー画像の移動方向とは反対方向に等速度以上で移動する逆回転キャリア剤除去ローラー7によりキャリア剤を除去すると、トナー画像の上層に浮かび上がっているキャリア剤をほぼ完全に除去することができるようになる。
【0072】
トナー画像の上層に浮かび上がっているキャリア剤が完全に除去されると、溶融することで粘着力が発生しているトナー画像の表面に、媒体との接着力を弱めるキャリア剤が存在しない状態とすることができ、より強力な媒体への接着力F3を得られるようになり、安定した転写が可能となる。
【0073】
また、図4に示すように、この逆回転キャリア剤除去ローラー7によるキャリア剤の除去が行われてから、トナー画像の媒体6への転写を2000ms以内に行うように構成している。
【0074】
これは、図5に示すように、転写前にトナー画像の上層に浮かび上がらせたキャリア剤を逆回転キャリア剤除去ローラー7により除去した後、一定の時間が経過するとトナー画像の上層に、トナー画像中に残存していたキャリア剤が時間の経過とともに再び浮かび上がってくることで、トナー画像の媒体への接着力F3やトナーの凝集力F2が弱まり、安定した媒体への転写が阻害されることを防ぐためである。
【0075】
上記の粘弾性動的測定値の条件を保った状態で、上記のキャリア剤除去ローラーによりキャリア剤を除去するとき、トナー画像の媒体への転写時に画像支持体上のトナー画像に含まれる固形分比率を50%以上で95%以下になるようにキャリア剤を除去するように構成してもよい。
【0076】
トナー画像に含まれるキャリア剤は、媒体への転写時にトナーの凝集力F2を弱める働きをし、転写の妨げとなるので、極力除去することが望ましいのであるが、あまりに完全にキャリア剤を除去してしまうと、トナー画像が画像支持体に固着してしまい、転写効率が下がってしまうことがあり、また、転写後に画像支持体に残存しているトナーのクリーニングが困難になるという問題が発生することがある。
【0077】
そこで、安定的に転写を行える上記の範囲でトナー画像に含まれるキャリア剤を除去するようにすることで、媒体への確実な転写が行え、画像支持体に残存したトナーのクリーニングも容易に行えるようにしている。
【0078】
カラー印刷を行う場合は、画像支持体上に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックといった基本色ごとのトナー画像を重ね合わせてカラーのトナー画像とし、これを媒体に転写することで印刷を行っている。
【0079】
このとき、図6に示すように、各色のトナー画像を画像支持体上に転写するごとに、キャリア剤除去を画像支持体上のトナー画像の移動方向と同方向で、その接触部において同速度となる回転速度で回転する順回転キャリア剤除去ローラー8により除去するように構成してもよい。
【0080】
各色のトナー画像には、キャリア剤が含まれており、これを画像支持体上に転写された後も除去せずに次の色のトナー画像を重ね合わせると、図7(a)に示すように、各色のトナー画像の層の間にキャリア剤が挟み込まれ、最終的に重ね合わせてカラーとなったトナー画像を媒体に転写するとき、転写前に余分なキャリア剤の除去を行うのが困難となり、残存しているキャリア剤により各色のトナー画像が乱れ易くなり、画質の低下を招く原因ともなる。
【0081】
そこで、図6に示すように、各色のトナー画像を画像支持体に転写するごとに、余分なキャリア剤の除去を行うことで、最終的に重ね合わせてカラーとなったトナー画像は、図7(b)に示すように、余分なキャリア剤が残ることがなく、トナー画像が乱れて画質の低下を招くことを防ぐことができるようになる。
【0082】
また、このときキャリア剤を除去する方法として、図6に示すように、画像支持体上のトナー画像の移動方向と同方向で、等速度で接触回転する順回転キャリア剤除去ローラー8により余分なキャリア剤を除去するようにしているが、これは、余分なキャリア剤の除去を固定したブレードなどで行うと、トナー画像がキャリア剤の除去時に発生するせん断力により乱れて画質を低下させることがあり、これを上記のような順回転キャリア剤除去ローラー8により行うことで、キャリア剤除去時にせん断力が発生しないようにでき、トナー画像の乱れを発生させることなくキャリア剤の除去が行えるようになるからである。
【0083】
図8に示すように、トナー画像を媒体6へ転写する転写部において、バックアップローラー5により押圧を付加するように構成し、転写時の押圧を0.5MPa以上で、かつ、4.0MPa以下に設定するように制御してもよい。
【0084】
このようにトナー画像の転写時にバックアップローラーにより押圧を付加することで、不揮発性の液体現像剤を使用している場合に、キャリア剤によりトナーの凝集力F2が不足するのを補うことができ、安定した転写に必要なF2(トナーの凝集力)>F3(媒体への接着力)>F1(画像支持体のトナー保持力)の関係を保つことができるようになる。
【0085】
さらに、従来の溶融転写方式で付圧により転写を行う場合には、キャリア剤により弱められるF2(トナーの凝集力)及びF3(媒体への接着力)を補うために、バックアップローラーにより過大な押圧(4.0MPa以上)をかける必要があり、媒体が転写部に進入するときに振動が発生し画像ノイズの原因となっていたが、本装置では、トナー画像の粘弾性動的測定値の条件を転写に最適な状態に制御しているので、転写部での付圧を低く設定することができるため、このような画像ノイズの発生を防ぐことができる。
【0086】
図9に示すように、トナー画像を転写する媒体を転写前に、あらかじめ媒体加熱ローラー9により加熱し、媒体の温度が画像支持体温度以上で、かつ、トナー画像の粘弾性動的測定値の貯蔵弾性率が1.0E5Pa以下で、かつ、損失弾性率が1.0E5Pa以下になる最も低い温度+50℃以下になるように構成してもよい。
【0087】
トナー画像を媒体へ転写する前に、トナー画像は転写に最適な粘弾性動的測定値の条件を満たすように加熱されるが、このトナー画像の温度が媒体と接触するときに、媒体の温度により変化してしまい、転写に最適な粘弾性動的測定値の条件を満たす温度範囲からはずれてしまうことで、安定した転写を妨げることがある。
【0088】
そこで、上記の温度に媒体をあらかじめ加熱しておくことで、トナー画像が転写時に媒体に接触するときに転写に最適な粘弾性動的測定値の条件を満たす温度範囲からはずれないようにしている。
【0089】
図10に示すように、上記の転写に最適な粘弾性動的測定値の条件を保った溶融状態のトナー画像を媒体へ転写する際に、トナーが媒体へ移動する方向へバイアス電圧を印加するように構成してもよい。
【0090】
これにより、トナー画像を転写に最適な粘弾性動的測定値の条件を満たすようにすることで、転写に必要なトナーの凝集力や媒体への接着力を維持したまま、さらに、トナーを媒体へ移動する方向に電界力を加えることで、画像支持体のトナー保持力を弱め、トナー画像の完全な転写に必要なF2(トナーの凝集力)>F3(トナーの接着力)>F1(画像支持体の保持力)の関係を安定的に保つことができるようになる。
【0091】
上記のバイアス電圧を印加するに際して、画像支持体の電気抵抗を1.0E7Ωcm以上1.0E10Ωcm以下に設定するようにしてもよい。
【0092】
バイアス電圧を印加して、画像支持体上のトナー画像を媒体方向に移動する電界力を発生させるためには、画像支持体の電気抵抗が低すぎると、トナー画像以外の部分に電流が流れてしまい、トナー画像に電圧が加わらず、十分な電界力を発生できない場合があり、画像支持体の電気抵抗が高すぎると、画像支持体での電圧垂下によりトナー画像に十分に電圧が加わらず、十分な電界力が発生できない場合がある。
【0093】
そこで、上記の範囲で画像支持体の電気抵抗を設定しておくことで、効果的にトナー画像に電圧が加えられ、転写に十分な電界力が発生し、安定した転写を行うことができるようになる。
【0094】
図11(a)に示すように、上記の転写に最適な粘弾性動的測定値の条件を保った溶融状態のトナー画像を媒体へ転写する画像支持体として、その最外表がJIS−A10度以上80度以下のゴム材料で、かつ、トナー剥離性の高い材料を使用するようにしてもよい。
【0095】
トナー剥離性の高い部材の使用により画像支持体のトナー保持力を弱めることができ、また、転写時にバックアップローラーにより押圧を加えることで、図11(b)に示すように、転写部が変形し、媒体との接触面積が大きくなるゴム材を使用することでより転写しやすくすることができ、安定した転写を行うことができるようにしている。
【0096】
【発明の効果】
この発明により、以下に示すような効果が期待できる。
【0097】
不揮発性の液体現像剤を使用した電子写真装置において、トナー画像を加熱してトナーを溶融し、トナーの粘着力により媒体への転写を行う溶融転写方式を使用する場合、キャリア剤が転写時にも揮発せずに残っているため、これがトナーの凝集力を弱める働きをし、溶融したトナーの粘着力のみでは十分に転写することができないため、転写時にバックアップローラーにより過大な押圧を付加することで転写を行う方法が用いられてきた。
【0098】
しかし、このような転写時に過大な圧力を付加して転写する方式では、押圧を加える転写部に媒体が進入するときに装置に振動が発生し、ショック目と呼ばれる画像ノイズが発生し、画質を低下させるという問題があった。
【0099】
本発明を利用することにより、不揮発性の液体現像剤を用いて溶融転写を行う場合にも、トナーの溶融状態を媒体への転写に最適な状態とすることで、トナー画像が媒体へ100%転写可能となる条件である、F2(トナーの凝集力)>F3(媒体へのトナーの接着力)>F1(画像支持体のトナー保持力)の関係を安定的に保つことができ、転写時に過大な圧力をかける必要もないので、ショック目などの画像ノイズの発生しない、高画質な転写が可能な電子写真装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナー溶融状態の説明図である。
【図2】中間転写体に内蔵したヒーターを使用した場合の説明図である。
【図3】不要なキャリア剤の除去処理の説明図である。
【図4】キャリア剤除去処理と媒体転写位置との関係説明図である。
【図5】キャリア剤除去後のトナー固形成分の再分散の説明図である。
【図6】各色トナー画像を転写するごとにキャリア剤除去を行う処理の説明図である。
【図7】カラー印刷時のキャリア剤除去処理の効果説明図である。
【図8】媒体への転写時のバックアップローラーによる押圧付加の説明図である。
【図9】転写前に媒体を加熱する手段を備えた装置の構成図である。
【図10】バイアス電圧により媒体側にトナーを移動させる処理の説明図である。
【図11】画像支持体の最外表の材質の説明図である。
【図12】従来の溶融転写方式の説明図である。
【図13】溶融転写方式でのトナー画像の媒体への転写条件説明図である。
【符号の説明】
1:現像装置
2:感光体
3:中間転写体
4:ヒーター
5:バックアップローラー
6:媒体
7:逆回転キャリア剤除去ローラー
8:順回転キャリア剤除去ローラー
9:媒体加熱ローラー
Claims (11)
- 不揮発性の液体現像剤を使用して、溶融転写方式により媒体へのトナー画像の転写を行う液体電子写真装置において、
画像支持体に転写されたトナー画像の粘弾性動的測定値が、強制振動1Hz、振幅応力10Paで測定したときに、貯蔵弾性率が1.0E5Paから1.0E8Paの範囲で、かつ、損失弾性率が1.0E5Paから1.0E8Paとなるよう制御する粘弾性制御手段を、
備えることを特徴とする液体電子写真装置。 - 不揮発性の液体現像剤を使用して、溶融転写方式により媒体へのトナー画像の転写を行う液体電子写真装置において、
前記粘弾性制御手段として、あらかじめ使用する液体現像剤中のトナー成分の加熱温度による粘弾性動的測定値を計測し、この粘弾性動的測定値が前記の範囲となる温度に画像支持体上に形成されたトナー画像を加熱する手段を備える、
ことを特徴とする請求項1記載の液体電子写真装置。 - 不揮発性の液体現像剤を使用して、溶融転写方式により媒体へのトナー画像の転写を行う液体電子写真装置において、
前記粘弾性制御手段により軟化した画像支持体上のトナー画像のキャリア成分を、トナー成分の帯電電荷と同極性の電圧を印加することでトナー成分と分離し、画像支持体上のトナー画像の移動方向と逆方向で、トナー画像の移動速度と等速度以上の移動速度をもった移動体を当該キャリア成分に接触させることでキャリア成分を除去するキャリア成分除去手段を備え、
当該キャリア成分除去手段によるキャリア成分除去後2000ms以内に媒体へのトナー画像の転写を行う、
ことを特徴とする請求項1記載の液体電子写真装置。 - 不揮発性の液体現像剤を使用して、溶融転写方式により媒体へのトナー画像の転写を行う液体電子写真装置において、
前記トナー画像を加熱する手段により加熱する温度を、画像支持体の温度がキャリア剤の沸点温度以下で、さらに、100℃以下となるようにする、
ことを特徴とする請求項2記載の液体電子写真装置。 - 不揮発性の液体現像剤を使用して、溶融転写方式により媒体へのトナー画像の転写を行う液体電子写真装置において、
前記キャリア成分除去手段によりキャリア成分を除去することで、トナー画像を媒体へ転写するときに、トナー画像中の固形成分比率が50%以上で95%以下になるようにする、
ことを特徴とする請求項3記載の液体電子写真装置。 - 不揮発性の液体現像剤を使用して、溶融転写方式により媒体へのトナー画像の転写を行う液体電子写真装置において、
トナー画像を媒体へ転写する転写部において、画像支持体とバックアップローラー間の圧力を0.5MPa以上で、かつ、4.0MPa以下に設定した、
ことを特徴とする請求項1記載の液体電子写真装置。 - 不揮発性の液体現像剤を使用して、溶融転写方式により媒体へのトナー画像の転写を行う液体電子写真装置において、
カラー印刷を行う場合、前記キャリア成分除去手段として、各色トナー画像を画像支持体へ転写するごとに、画像支持体上のトナー画像の移動方向と同方向で、同速度の移動速度をもった移動体によりキャリア除去を行う、
ことを特徴とする請求項3記載の液体電子写真装置。 - 不揮発性の液体現像剤を使用して、溶融転写方式により媒体へのトナー画像の転写を行う液体電子写真装置において、
トナー画像の媒体への転写前に、媒体の温度を、画像支持体の温度以上で、粘弾性動的測定値が1.0E5Pa以下となる最低温度に50℃を加えた温度以下にあらかじめ加熱する媒体加熱手段を備える、
ことを特徴とする請求項1記載の液体電子写真装置。 - 不揮発性の液体現像剤を使用して、溶融転写方式により媒体へのトナー画像の転写を行う液体電子写真装置において、
トナー画像の媒体への転写時に、トナーが媒体へ移動する方向に電界力が働くようにバイアス電圧を印加する手段を備える、
ことを特徴とする請求項1記載の液体電子写真装置。 - 不揮発性の液体現像剤を使用して、溶融転写方式により媒体へのトナー画像の転写を行う液体電子写真装置において、
前記バイアス電圧を印加する手段として、画像支持体とバックアップローラー間にバイアス電圧を印加するようにし、このとき画像支持体の抵抗を1.0E7Ωcm以上で、かつ、1.0E10Ωcm以下に設定した、
ことを特徴とする請求項9記載の液体電子写真装置。 - 不揮発性の液体現像剤を使用して、溶融転写方式により媒体へのトナー画像の転写を行う液体電子写真装置において、
トナー画像を媒体へ転写する画像支持体の最外表がJIS−A10度以上で、かつ、JIS−A80度以下のゴム材料で、かつ、トナー剥離性が高い材料を使用する、
ことを特徴とする請求項1記載の液体電子写真装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003126432A JP2004333633A (ja) | 2003-05-01 | 2003-05-01 | 液体電子写真装置 |
EP04729252A EP1619561A4 (en) | 2003-05-01 | 2004-04-23 | ELECTROPHOTOGRAPHIC APPARATUS WITH LIQUID DEVELOPMENT |
PCT/JP2004/005949 WO2004097531A1 (ja) | 2003-05-01 | 2004-04-23 | 液体現像電子写真装置 |
US10/533,064 US20060045572A1 (en) | 2003-05-01 | 2004-04-23 | Liquid-developing electrophotographic apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003126432A JP2004333633A (ja) | 2003-05-01 | 2003-05-01 | 液体電子写真装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004333633A true JP2004333633A (ja) | 2004-11-25 |
Family
ID=33410293
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003126432A Pending JP2004333633A (ja) | 2003-05-01 | 2003-05-01 | 液体電子写真装置 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20060045572A1 (ja) |
EP (1) | EP1619561A4 (ja) |
JP (1) | JP2004333633A (ja) |
WO (1) | WO2004097531A1 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006264210A (ja) * | 2005-03-25 | 2006-10-05 | Pfu Ltd | 不揮発性液体現像剤を用いたデジタル印刷装置 |
JP2020529043A (ja) * | 2017-10-13 | 2020-10-01 | エイチピー・インディゴ・ビー・ブイHP Indigo B.V. | 布地上への液体電子写真印刷 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7821527B2 (en) * | 2007-08-09 | 2010-10-26 | Ricoh Company, Ltd. | Image forming apparatus |
JP5146209B2 (ja) * | 2008-09-11 | 2013-02-20 | 株式会社リコー | 画像形成装置 |
US8968974B2 (en) * | 2012-09-25 | 2015-03-03 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Techniques for coating print media |
Family Cites Families (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5559592A (en) * | 1995-06-30 | 1996-09-24 | Xerox Corporation | Sintered image transfer system |
US5717985A (en) * | 1996-09-27 | 1998-02-10 | Xerox Corporation | Sintered metal fiber core blotter roll and method of making same |
US5832352A (en) * | 1997-06-13 | 1998-11-03 | Xerox Corporation | Method and apparatus for increasing the mechanical strength of intermediate images for liquid development image conditioning |
JPH1124325A (ja) * | 1997-07-04 | 1999-01-29 | Fujitsu Ltd | 電子写真用液体現像剤 |
JPH11119556A (ja) * | 1997-10-17 | 1999-04-30 | Minolta Co Ltd | 画像形成装置 |
JP2000172066A (ja) * | 1998-12-09 | 2000-06-23 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
JP3810953B2 (ja) * | 1999-07-07 | 2006-08-16 | 株式会社Pfu | 液体トナー現像方式の電子写真装置 |
JP2001060046A (ja) * | 1999-08-23 | 2001-03-06 | Toshiba Corp | 画像形成方法および画像形成装置 |
US6324368B1 (en) * | 2000-02-29 | 2001-11-27 | Toshiba Tec Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus having a first squeeze roller rotated in an opposite direction to a photosensitive member |
JP2003021973A (ja) * | 2001-07-06 | 2003-01-24 | Ricoh Co Ltd | 湿式画像形成装置 |
US6738592B2 (en) * | 2001-07-06 | 2004-05-18 | Ricoh Company, Ltd. | Image forming apparatus using a developing liquid |
EP1420306A4 (en) * | 2001-08-21 | 2009-11-25 | Pfu Ltd | ELECTROPHOTOGRAPHIC DEVICE WITH LIQUID DEVELOPER |
US6996361B2 (en) * | 2002-01-30 | 2006-02-07 | Pfu Limited | Full-color electrophotographic apparatus using liquid toner containing resin |
-
2003
- 2003-05-01 JP JP2003126432A patent/JP2004333633A/ja active Pending
-
2004
- 2004-04-23 EP EP04729252A patent/EP1619561A4/en not_active Withdrawn
- 2004-04-23 WO PCT/JP2004/005949 patent/WO2004097531A1/ja active Application Filing
- 2004-04-23 US US10/533,064 patent/US20060045572A1/en not_active Abandoned
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006264210A (ja) * | 2005-03-25 | 2006-10-05 | Pfu Ltd | 不揮発性液体現像剤を用いたデジタル印刷装置 |
JP2020529043A (ja) * | 2017-10-13 | 2020-10-01 | エイチピー・インディゴ・ビー・ブイHP Indigo B.V. | 布地上への液体電子写真印刷 |
JP7043586B2 (ja) | 2017-10-13 | 2022-03-29 | エイチピー・インディゴ・ビー・ブイ | 布地上への液体電子写真印刷 |
US11487225B2 (en) | 2017-10-13 | 2022-11-01 | Hp Indigo B.V. | Liquid electrophotography printing on fabrics |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2004097531A1 (ja) | 2004-11-11 |
EP1619561A4 (en) | 2009-12-16 |
EP1619561A1 (en) | 2006-01-25 |
US20060045572A1 (en) | 2006-03-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6745002B2 (en) | Liquid-development electrophotographic apparatus | |
US6996361B2 (en) | Full-color electrophotographic apparatus using liquid toner containing resin | |
JP4153530B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JPS5938775A (ja) | ロ−ル定着装置 | |
JP3810953B2 (ja) | 液体トナー現像方式の電子写真装置 | |
JP2004333633A (ja) | 液体電子写真装置 | |
JP3871170B2 (ja) | 湿式電子写真装置 | |
JP3615461B2 (ja) | 液体現像電子写真装置 | |
CA1066349A (en) | High surface energy cleaning roll | |
JP4517796B2 (ja) | 画像形成装置及び定着装置 | |
JP2009098474A (ja) | 画像形成装置及び画像形成方法 | |
JP3567119B2 (ja) | 画像形成方法及び画像形成装置 | |
JP3981586B2 (ja) | 液体現像電子写真装置の印刷媒体への画像形成方法及び液体現像電子写真装置 | |
JP2001092268A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2002091205A (ja) | 画像形成装置 | |
JP3765537B2 (ja) | 液体現像電子写真装置 | |
JP2005308921A (ja) | 液体現像電子写真装置 | |
JP2000029319A (ja) | 湿式電子写真装置 | |
JP3631661B2 (ja) | 液体現像フルカラー電子写真装置 | |
JP2001305868A (ja) | 液体現像電子写真装置 | |
JP4387329B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2002091179A (ja) | 画像形成装置および定着装置 | |
JP4082563B2 (ja) | 不揮発性の高粘性、高濃度液体トナーを用いたフルカラー電子写真装置 | |
JP2003195643A (ja) | 液体現像電子写真装置 | |
JP2001305886A (ja) | 液体現像電子写真装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060403 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20060807 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070109 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070529 |