JP2004333424A - 溶融固化体吊下装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】融固化体を、容器壁面との間隙がごく僅かな収納容器内に、遠隔操作で収納する手段を提供する。
【解決手段】吊手8が設けられたフランジ1の周囲から、下部が曲げ可能な多数の等長の縦索2を吊り下げ、この縦索の下端に止め具3を取り付け、この止め具問を引綱5で環状に結んで、引綱の引手部分を巻上機6で巻き上げるように構成し、前記縦索を溶融固化体7の周囲に垂れ下げ、巻上機により引綱の環状部分を引き絞ることにより、溶融固化体を吊り下げる溶融固化体吊下装置。また、縦索下端の止め具間を環状に繋ぐばね4を配し、引綱5を弛めたときに、ばねの弾性力により環状部分の径が拡がるように構成する。さらに、このばねとしてコイルばねを用い、このコイルばねの内部に引綱を環状に挿通する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吊下げ対象の重量物を遠隔操作で吊り下げる吊下装置に関し、とくに低レベル放射性廃棄物の溶融固化体をドラム缶に収納するのに適した溶融固化体吊下装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電所や放射性物質取扱施設などで発生する放射能レベルの低い各種の固体廃棄物は、高周波溶解炉で溶解・固化させて減容した上、ドラム缶に詰めて埋設処分される。通常は、キャニスタと呼ばれるセラミックス製の柑堝型容器内で溶解し、そのまま固化させた溶融固化体を200リットルのドラム缶に収納し、溶融固化体とドラム缶との間隙にモルタルを充填して、所定の処分場所(例えば地下埋設設備)に埋設される。その際に、ドラム缶等の資材の利用効率を高めるという要請及び埋設場所の空間の利用効率を高めるという要請から、溶融固化体とドラム缶との間隙をできるだけ小さく、例えば10mm程度以下にすることが強く望まれている。
【0003】
通常、重量の大きな物体をドラム缶に収納するには、ワイヤロープやナイロンスリングで玉掛けして、クレーン等でドラム缶内に吊り下ろすような方法がとられる。しかし、ドラム缶内で玉掛けを解除するには、物体とドラム缶との間に数10mmの間隙が必要である。また、昇降可能なチャック機構で物体の胴部を把持して、ドラム缶内に収納する方法もあるが、物体とドラム缶との間にチャックの先端を挿入せねばならず、やはり大きな間隙が必要である。したがって、溶融固化体を上記の方法で処理することはできない。
また、溶融固化体は、強度や形状の点からフックや真空吸着機などを用いてキャニスタ上部を把持して支持することは困難である。さらに、溶融固化体を容器に収納する作業は、放射性物質を扱うため隔離された部屋で遠隔操作により行うので、できるだけ単純な作業で組み立てられることが要請される。
【0004】
特許文献1には、上記の問題を解決するために、あらかじめ溶融固化体の天地を逆さまにして置き、上部からドラム缶を被せた後、溶融固化体をドラム缶ごと反転させる円柱体のドラム缶収容方法が提案されている。また、特許文献2には、傾斜させたドラム缶の入口部に傾斜ガイドを挿入し、このガイドに溶融固化体を載置し、これをガイドとともに又はその上をスライドさせてドラム缶内に収納する円柱体のドラム詰め方法及び装置が提案されている。
しかし、これらの方法は装置が複雑で大きくなり、設備コストが高くなるという問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−248193号公報
【特許文献2】
特開平11−271496号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、大がかりな設備を用いることなく簡単な機構によって、吊下げ対象の重量物とくに放射性廃棄物の溶融固化体を、容器壁面との間隙がごく僅かな収納容器内に、遠隔操作で収納し得る手段を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の溶融固化体吊下装置は、吊手が設けられたフランジと、フランジの周方向にほぼ等間隔に吊り下げられ少なくともその下部を内側に曲げることができる榎数の等長の縦索と、それら縦索のそれぞれの下端を繋いで円環状に引き絞る引綱と、この引綱を引いたり緩めたりする駆動装置を備えて、溶融固化体の周囲に縦索を垂れ降ろして縦索の先端を円環状に引き絞り溶融固化体を支持して吊り上げるようにしたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の溶融固化体吊下装置は、さらに、縦索の下端を繋いで円環状に引き絞る引綱を支持する止め具をそれぞれの縦索下端に備える。この引綱は止め具を順次連絡して環状部分を形成し、さらに環状部分の径を拡大縮小するための引手部分を形成する。引手部分は巻上機が繋げられていて、環状部分の径を広げて縦索を吊下げ対象物である溶融固化体の周囲に垂れ下げ、巻上機により引綱の引手部分を引き上げて、その環状部分を引き絞って溶融固化体を底から支持して吊下げ可能にすることを特徴とする。
【0009】
上記の構成によれば、縦索とその下端を環状に引き絞る引綱が吊り具となり、巻上機による引綱の引手部分の上下動のみによって、溶融固化体を吊下げ可能な状態にしたり、引綱の環状部分を弛めて吊下げ状態の解除を行うことができる。したがって、本装置の下部、すなわち縦索、その先端の止め具及び引綱が、溶融固化体と収納容器との間隙に入りさえすれば、溶融固化体を容器底部に静置した後、本装置を引き上げることができ、この間隙が10mm程度以下であっても遠隔操作で容易に収納することができる。
【0010】
また、本発明の装置は、止め具を環状に繋ぐばねを備え、引綱を弛めたときに、このばねの弾性力により縦索の間隔が開き環状部分の径を広げるように構成したものであってもよい。この構成によれば、引綱を弛めた時に、ばねの弾性力で引綱の環状部分が確実に押し拡げられるため、縦索をほぼ垂直に垂下させることが容易になる。したがって、縦索を溶融固化体の周囲に垂れ下げる時や縦索を収納容器から引き上げる時に、縦索及びその先端の止め具が溶融固化体または容器内壁と接触するのを防止することができ、本装置をスムーズに昇降させることが可能になる。
【0011】
この装置は、上記のばねとして、その内径が引綱の径より大きいコイルばねを用い、該コイルばねの内部に引綱を環状に挿通してなるものであってもよい。この構成によれば、ばねと引綱が一つにまとめられ、縦索先端の止め具も小型になるため、本装置を溶融固化体に被せる時及び収納容器から引き上げる時に、下部の止め具等が溶融固化体又は容器内壁と接触しにくくなり、本装置をよりスムーズに昇降させることが可能になる。
【0012】
さらに、本発明の装置は、縦索の中間に、隣接する縦索相互を環状に連結する横索を配したものであってもよい。この横索は、縦索を溶融固化体の周囲に吊り下ろす時に、縦索が振れたり振れたりするのを防止するのに有用である。
本発明の装置は、キャニスタ内で溶融固化された低レベル放射性廃棄物の溶融固化体をドラム缶内に収納するのに、好適に用いることができる。
なお、縦索は強度さえあれば材質を選ばず、形状も棒状の索、帯状の板、鎖など各種のものが利用できる。また筒状に編んだ金属やプラスチックなどの網であってもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例である溶融固化体吊下装置の正面図で、溶融固化体を吊り下げた状態を示す。この装置は、フランジ1、多数の縦索2、その下端の止め具3、環状のばね4、引綱5及び巻上機6等から構成され、縦索2を吊下げ対象物である溶融固化体7の周囲に垂れ下げ、その下端を引綱5で引き絞って、図示していないクレーン等により溶融固化体7の吊上げ、吊下しを行うものである。
【0014】
フランジ1は円板状で、クレーン等により吊り下げる吊手8が設けられている。本実施例では、このフランジ1の外周付近から、その周方向に等間隔に8本の等長の縦索2が吊り下げられている。縦索はロープ状であるが、これが帯状であっても差し支えない。縦索2は溶融固化体の重量を複数で支えるので所定の強度を有していればよく、ワイヤロープの他、麻ロープ、ビニロンロープ、ナイロンロープ等の繊維ロープであってもよい。また、帯状のナイロンスリングやチェーン等であってもよい。ドラム缶などの収納容器の内壁と溶融固化体の外壁の間隙が小さい場合には、薄い帯索を用いることができる。
【0015】
縦索2は、互いの先端を円形に繋いで絞り込み溶融固化体が落ちないようにするので、少なくともその下部が曲げ可能である必要があるが、全長に亘って曲げ可能でも良く、あるいは下部の先端のみが曲げ可能であってもよい。したがって、縦索2に2種の材料を用い、上部に剛性材料を下部に可撓性(曲げ可能な)材料を用いて、両者を接合して構成してもよい。溶融固化体7とこれを収納する容器との間隙をなるべく狭くするという目的から、縦索2の太さ又は厚みはなるべく小さくすることが望ましい。多数の縦索で吊下げ対象物の重量を支えるため、縦索2の太さ又は厚みを10mm以下にすることができる。なお、縦索の太さや厚みをさらに小さくしたければ、縦索の数を増やせばよい。
【0016】
縦索2の下端には、止め具3がそれぞれ取り付けられている。本実施例では、角形の金属性の止め具3を用い、銅製のワイヤーロープからなる縦索2の下端に接合している。また、縦索2の中間に、それぞれの縦索2を横方向に環状に繋ぐ模索9が接合されており、この横索9は、縦索2の間隔を一定に保つ機能を有し、本装置を溶融固化体7に被せるときに、縦索2が振れたり、捩れたりするのを防止するのに有用である。
【0017】
止め具3の側面を繋ぐようにばね4が取り付けられていて、このばね4は、引綱5を弛めた時に縦索2を押し拡げ、縦索をほぼ垂直に垂下させる機能を有する。止め具3には、外側に開口する切欠き溝10が設けられ、この切欠き溝10内に引綱5を俵め込んで引綱が緩んでも外れないように係止している。なお、前記と同じく溶融固化体と容器の間隙を狭くするという目的から、止め具3の厚み(半径方向の寸法)、ばね4の径や構索9の太さも、縦索2の太さと同程度又はそれ以下にすることが好ましい。
【0018】
引綱5は、止め具3によって縦索2を環状に繋ぎ輪止め用の係止部材11によつて環状部分を形成し、係止部材11から引手部分が上方に延びて巻上機6で巻き上げられるようになっている。引綱5の環状部分は、縦索2に直角な方向に移動可能に止め具3に係止され、引綱5の引手部分を引いたり緩めたりして、その環状部分の径(縦索2の下端を横方向に繋ぐ輪の径)を拡大・縮小するようになつている。なお、輪止め用の係止部材11の側面にも、ばね4が取り付けられていて、ばね4は全周に亘って環状になっている。
【0019】
巻上機6は、正逆回転可能なモーター12と引綱を巻き込むドラム13からなり、溶融固化体7を吊り下げる時には、引綱5の引手部分を引き込んで引綱の環状部分の径を絞り、溶融固化体が引綱5端末の穴から落ちないようにして、吊手8で吊り上げる。このとき、複数の引綱5の張力で溶融固化体7の荷重を支持する。引綱5は、溶融固化体7を吊り下げた時に、環状部分にかかる張力に耐える強度を有することが必要で、本実施例ではワイヤーロープを用いているが、ナイロンロープ等であってもよい。
【0020】
図2は、本装置に用いられるばねの種類を示す概念図である。本実施例では、図2(a)に示すようなコイルばねを用いているが、図2(b)に示すような帯板状の板ばねであってもよく、あるいは図2(c)に示すような波形の板ばねであってもよい。コイルばねや波形板ばねでは、ばねのピッチの伸縮でばねの長さが変わるため、引綱5を引き絞ってもばねが外側に張り出すことはない。帯板バネの場合は、引綱5を引き絞るとばねが外側に撓むことになるが、溶融固化体7の下端部は丸みを帯びた形状で、円筒容器との間に空間があるため、帯板ばねが擦んで外側に張り出しても、とくに問題になることはない。ばねの材質はとくに限定を要しないが、通常は高弾性金属が用いられ、コイルばねの径や波形板ばねの波高又は幅は10mm以下のものを用いることが望ましい。
【0021】
図3は、本装置に用いられる引綱の輪止め用係止部材の形状の例を示す概念図である。図3(a)の例では、係止部材11の一方の側面に接続端子14が設けられ、他方の側面から上方に抜ける貫通孔15が設けられている。引綱5は、ドラムから引手部分として引き出されて、係止部材11の上面の貫通孔15から側面に通され、縦索下端の止め具に順次係止されて一巡して環状部分を形成し、その先端が係止部材11の側面の接続端子14に接合されて固定される。
【0022】
図3(b)の例では、止め具の内の1個を輪止め用係止部材を兼ねた止め具としたものである。すなわち、特定の縦索2の下端に取り付けられた止め具3が輪止めと兼用されるもので、止め具3の一方の側面には接続用フック16が設けられ、これと反対側の側面から外側の面に抜ける貫通孔15が設けられている。引綱5の先端にはリング17が取り付けられ、これが接続用フック16に係止されている。
引綱5は接続用フック16から貫通孔15までの環状部分を形成し、貫通孔15のフックと反対側の孔から外側の孔に抜けて引手部分を形成している。リング17は貫通孔15を通らないので、ドラムに固定する端部の方から貫通孔15に通すようにする。なお、引綱で環状部分を形成した後に引綱5をリング17に固定し接続用フック16に掛けるようにしてもよい。
【0023】
引綱5の引手部分は、縦索2に沿ってその外側を上方に延び、巻上機で上下動される。したがって、引綱5が溶融固化体の表面に接触しないため、引綱5の上下動で溶融固化体を痛めることがない。
なお、図3(a)及び(b)のいずれの場合も、係止部材11又は止め具3の両側面にばね4が接合されさらに全周を環状に繋いでいるので、引綱5を緩めたときに縦索2の先端が外側に広がって溶融固化体の周囲を上下に移動することができる。
【0024】
図4は、本実施例の別態様である溶融固化体吊下装置の図で、図4(a)は全体の正面図、図4(b)は図4(a)のA部の拡大図である。この装置も、フランジ1の形状、縦索2や横索9の配置や巻上機6の構成等は、図1の装置と同様である。しかし、この装置は、コイルばね4の内部に引綱5を引き回している点が図1の装置と相違する。すなわち、図4(b)に見られるように、縦索2の先端の止め具3の両側面にコイルばね4が接合されているが、このばね4の位置で、止め具3に貫通孔15が形成され、バネ4の中を通る引綱5が貫通孔15にも通されている。引綱5には、図3(a)に示したような係止部材11により環状部分が形成され、引手部分が上方に引き出されて、巻上機6に接続されている。
【0025】
このような構成では、ばね4と引綱5が一つにまとまっているので引綱の緊張と緩和に忠実に応答して縦索2の末端に形成される環状部分は確実に開閉し、また止め具3も小型になるため、本装置を溶融固化体に被せる時に、下部の止め具等が溶融固化体に接触ししにくくなり、本装置をよりスムーズに昇降させることが可能になる。
【0026】
図5は、本実施例のさらに別の態様である溶融固化体吊下装置の正面図である。この装置も、フランジ1の形状、縦索2の配置、止め具3の形状、引綱5や巻上機6の構成等は、図1の装置と同様である。しかし、この装置は、縦索2の構造が異なる点とばねの代わりに重力を用いる点が、図1の装置と相違する。
縦索2の上部には、剛性材料例えば銅製の丸棒や帯板が用いられ、その下側に曲げ可能な材料としてチェーン2’が接続されている。チェーン2’の下端には止め具3が接続されているが、本装置では止め具間を連結するばねは配されていない。引綱5は、図1の装置と同様に、縦索2に直角な方向に移動可能に止め具3に係止され、一巡して環状部分を形成した後、係止部材11により引手部分が上方に引き出されている。巻上機6により、引綱5の引手部分を上下動させて、その環状部分の径を拡大・縮小させるように構成されている点も、図1の装置と同様である。
【0027】
図5の構成によれば、チェーンおよび止め具の自重により、縦索2とチェーン2’は垂直に垂下する。したがって、引綱5を引き絞っていない状態では、格別な手段例えばばねの弾性力等により縦索2の間隔を押し拡げなくとも、縦索2の下端は十分に開いた状態になり、これを溶融固化体の周囲に引き下ろすことに特に支障は生じない。なお、図5の装置では、チェーンとしてリンクチェーンを用いているが、これがローラチェーンであっても差し支えない。また、必ずしもチェーンに限定する必要は無く、曲げ可能であり、かつ自重又は止め具の重量で垂直に垂下する材料であればよい。また、少なくとも縦索2の下部が曲げ可能であればよく、縦索2の全長に亘ってチェーン等の曲げ可能な材料を用いてもよい。
【0028】
図6は、本実施例の装置を利用して溶融固化体を円筒容器に収納する作業手順の説明図である。まず、図6(a)に示すように、本装置をクレーン等(図示していない)で吊り下ろし、縦索2を溶融固化体7の周囲に垂れ下げる。この際引綱5を弛めておけば、ばね4の弾性力により縦索2の間隔が開き、ほぼ垂直に垂下した状態になる(過剰に開かないように引綱5の引張り量を調整してもよい)ので、支障無く本装置を吊り下ろすことができる。なお、後述するように、溶融固化体7は、適当な径の置台18の上に載置しておくことが好ましい。
【0029】
縦索2の下端が溶融固化体7の底面より下に位置するまで吊り下ろした後、図6(b)に示すように、巻上機6で引綱5を引いて、ばね4(および引綱5)の環状部分の径を溶融固化体の径より小さくし、引綱5に張力がかかった状態で保定すれば、縦索2の下端が引き絞られて環状になる。したがって、この状態でクレーン等で吊り上げると環状に繋がった縦索2の末端部が溶融固化体7の底に当たつて、溶融固化体を持ち上げることができる。さらに吊り上げて溶融固化体を浮かせて、この状態で収納容器であるドラム缶の位置まで運搬すればよい。
【0030】
ついで、図6(c)に示すように、溶融固化体7がドラム缶19の底に着くまで吊り下ろした後、図6(d)に示すように、引綱5を弛めて、ばね4の弾性力により縦索2の下端の間隔を開かせ、本装置を吊り上げれば、溶融固化体7が取り残されてドラム缶19内に収納された状態になる。この際、縦索2及びその下端の止め具3は、溶融固化体7の底の湾曲部に沿って動くから、本装置を容易に引き上げることができる。
【0031】
本装置の吊下げ対象物である溶融固化体7は、所定の形状の容器(キャニスタ)内で放射性廃棄物を溶解・固化させたもので、円筒状の胴部の下部全周に一定曲率の湾曲部が形成されている。200リットルのドラム缶に収納する場合のキャニスタは、例えば、胴部外径が約550mmで、底部全周に90Rの湾曲部が形成され、底面中央の径約370mm程度の部分は平面になっている。
したがって、図6(b)に示したように、縦索2の下端を引き絞る場合には、止め具3がこの湾曲部に位置するようにすることが好ましい。この状態であれば、溶融固化体7をドラム缶19内に吊り下ろした時に、その底が先に着地するので、溶融固化体7を床面に置いて引綱5を弛めたときに落下の衝撃が生じることはない。また、引綱5を緩めたときに止め具3が溶融固化体と床面に制約されないで自由に動くので、簡単に溶融固化体を容器に収納することができる。
【0032】
止め具3を溶融固化体の湾曲部に正しく位置させるために、図6(a)に示すように、置台18を用いることが好ましい。置台18の径を、溶融固化体7の底面の平坦部の径(370mm程度)と同程度又はこれよりやや大きくしておけば、引綱5を引き絞った時に止め具3がこの置台18に当たるから、この状態で引綱を固定して吊り上げれば良い。
なお、容器の底に図6(b)の置台18と同様の置台を仕込んでおいて、この上に溶融固化体を載置するようにしてもよい。
【0033】
本発明の溶融固化体吊下装置は上記のように構成されているため、引綱の動作のみによって、縦索下端の環状部分の径の縮小と拡大を行うことができる。したがって、縦索、止め具やこれを繋ぐばね等が溶融固化体とドラム缶との間隙に入りさえすれば、溶融固化体を吊り下げたり、吊下げ状態を解除したりすることができる。縦索の本数を多くすれば、その1本にかかる荷重が小さくなり、縦索の径又は厚みを小さくすることができるから、縦索、止め具やこれを繋ぐばね等の径又は厚みを10mm程度以下にすることにはさほどの困難さはなく、溶融固化体とドラム缶との間隙を10mm程度以下にするという目標を十分達成する。
【0034】
本発明の装置は構造が非常に簡単であり、前述の特許文献に提案されている方法のように、溶融固化体やドラム缶を転倒又は傾斜させるための大がかりな設備を必要としない。また、その作業もクレーンと引綱の遠隔操作による吊上げと吊下しのみであり、前述の特許文献の方法よりも作業工程が簡単である。
本発明の装置の吊下げ対象物と収納容器を、溶融固化体とドラム缶に限定する必要はなく、各種の円柱体をこれに適合する容器に収納するのに用いることができる。また、必ずしも吊下げ対象物が円柱体である必要はなく、その断面形状や表面状態に適した構造や材質の縦索、止め具、ばね等を用いることにより、様々な対象物の吊上げ、吊下しを行うことが可能である。
【0035】
また、本発明の装置の、装置各部の構造、形状等は上記実施例のものに限られない。例えば、フランジ、止め具、ばね、引綱の係止部材等の形状は実施例のものに限定するを要しない。また、縦索や横索の材質、形状、配置、その吊下げ方法等も本実施例のものに限定するを要しない。縦索を全長に亘って同種の材料で形成する必要がないことは既に述べたとおりであるが、例えば、フランジの下側に縦索と横索を組み合わせた円筒形の籠状の構造体を取付け、その下側に多数の曲げ可能な縦索を吊り下げたような構造であってもよい。あるいは、縦索と横索が網状に形成されてるようなものであってもよい。さらに、巻上機は必ずしもモーターとドラムの組み合わせでなくともよい。引綱を所定距離上下動させかつ張力がかかった状態を保持できるものであれば良く、例えば油圧等の流体圧駆動のものでもよい。
【0036】
また、縦索を溶融固化体の周りに沿って降ろし易くするために、縦索を吊り下げたフランジの周縁部を径方向に拡大縮小できるようにして、縦索を降ろすときには径を大きくしてもよい。
なお、溶融固化体を定位置に載置した後で縦索を緩めて吊下装置を吊り上げるときに、溶融固化体の底の周縁に形成した丸みを利用して装置の構成を簡約化しコストを削減するようにしてもよい。縦索の先端部を緩めて装置を引き上げれば、先端部を繋いだ円環の径が溶融固化体の丸み部でこじられて自然に拡がるので、バネの代わりにこの作用を利用することにより、装置が簡単になる。
【0037】
【発明の効果】
本発明の溶融固化体吊下装置は、縦索とその先端を環状に引き絞る引綱で口をすぼめて溶融固化体を支持し吊り下げ吊り上げを行うため、容器壁面との間隙がごく僅かな収納容器を使うときにも遠隔操作で容易に溶融固化体を収納することができる。この装置の構成は簡単かつコンパクトであり、従来の方式に見られるような、溶融固化体や収納容器を転倒又は傾斜させるための大がかりな設備を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である溶融固化体吊下装置の正面図である。
【図2】本実施例の装置に用いられるばねの種類の例を示す概念図である。
【図3】本実施例の装置における輪止め用係止部材の形状の例を示す概念図である。
【図4】本実施例の別の態様である溶融固化体吊下装置の図である。
【図5】本実施例のさらに別の態様である溶融固化体吊下装置の正面図である。
【図6】本実施例の装置により溶融固化体を円筒容器に収納する作業手順の説明図である。
【符号の説明】
1 フランジ
2 縦索
2’ チェーン
3 止め具
4 ばね
5 引綱
6 巻上機
7 溶融固化体
8 吊手
9 横索
10 切欠き溝
11 係止部材
12 モーター
13 ドラム
14 接続端子
15 貫通孔
16 接続用フック
17 リング
18 置台
19 ドラム缶

Claims (6)

  1. 吊手が設けられたフランジと、該フランジの周方向にほぼ等間隔に吊り下げられ少なくともその下部を内側に曲げることができる複数の等長の縦索と、該縦索のそれぞれの下端を繋いで円環状に引き絞る引綱と、該引綱を引いたり緩めたりする駆動装置を備えて、溶融固化体の周囲に前記縦索を垂れ降ろして縦索の先端を円環状に引き絞り該溶融固化体を支持して吊り上げるようにした溶融固化体吊下装置。
  2. 吊手が設けられたフランジと、該フランジの周方向にほぼ等間隔に吊り下げられ少なくともその下部を内側に曲げることができる複数の等長の縦索と、該縦索のそれぞれの下端に取り付けられた止め具と、該止め具に係止された引綱でその先端部に前記縦索の先端を環状に繋ぐ環状部分を形成し該環状部分の径を拡大・縮小せしめる引手部分を有する引綱と、該引綱の引手部分を上下動させる巻上機を備え、前記縦索を吊下げ対象物である溶融固化体の周囲に垂れ下げ、前記巻上機により前記引綱の引手部分を引き上げて、その環状部分を引き絞ることにより、前記溶融固化体を吊下げ可能にすることを特徴とする溶融固化体吊下装置。
  3. 前記止め具を環状に繋ぐばねを配し、前記引綱を弛めたときに、前記ばねの弾性力により前記縦索の環状部分の径が拡がるようにしたことを特徴とする請求項2記載の溶融固化体吊下装置。
  4. 前記ばねとして、その内径が前記引綱の径より大きいコイルばねを用い、該コイルばねの内部に前記引綱を環状に挿通してなることを特徴とする請求項3記載の溶融固化体吊下装置。
  5. 前記縦索の中間において、隣接する縦索相互を環状に連結する横索を配したことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の溶融固化体吊下装置。
  6. 前記溶融固化体がキャニスタ内で溶融固化された低レベル放射性廃棄物であって、これをドラム缶に収納するのに用いられることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の溶融固化体吊下装置。
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