JP2004331858A - 熱硬化型エポキシ組成物を用いた接着方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被着体の一方が金属であっても接着剤の内部欠陥やスパークが生じることなく、接着層の厚みを容易かつ自由に制御することができる接着方法を提供する。
【解決手段】エポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂を主成分とし、1液または2液以上からなり、硬化剤および熱により硬化するエポキシ組成物を用い、一方または両方が金属である被着体1,2を誘電加熱法により接着する方法において、熱硬化型エポキシ組成物の接着剤層3にガラスビーズを含む。
【選択図】 図1
【解決手段】エポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂を主成分とし、1液または2液以上からなり、硬化剤および熱により硬化するエポキシ組成物を用い、一方または両方が金属である被着体1,2を誘電加熱法により接着する方法において、熱硬化型エポキシ組成物の接着剤層3にガラスビーズを含む。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、少なくとも一方が金属からなる被着体を誘電加熱法により接着する方法に関する。
【0002】
【背景技術】
この種のエポキシ組成物はエポキシ基を2個以上有するため反応性に富み、主剤に可塑剤や顔料等を配合することで、目地材、シーリング材、接着剤および被覆材等に使用されている。従来のエポキシ組成物の多くは主剤と硬化剤にわかれた二液硬化型が大半をしめているが、作業性の悪さやポットライフ(可使時間)等により、熱により硬化を促進させる一液熱硬化型エポキシ組成物の研究が盛んである。
【0003】
ところで、エポキシ組成物を接着剤として使用する場合、接着層の厚みを制御することは、接着能力の標準化、安定的な製造、品質管理といった種々の観点からも重要な因子である。例えば、プラスチックなどを被着体として用いた場合、接着面にエンボス加工のような突起物を成型加工時の金型に組み込み、成型し、厚みを制御することが提案されている。
【0004】
一方、これら熱硬化型エポキシ接着剤の加熱方法も研究が盛んに行なわれ、誘導加熱、超音波エゥルダー、赤外線加熱、誘電加熱などが挙げられる。なかでも、誘電加熱は家庭用電子レンジに見られるように、容易かつ短時間で硬化物が得られるため、種々の生産ラインで導入されている。
【0005】
しかしながら、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属などを被着体として、接着剤の厚みを制御する場合、上述したプラスチックなどによるエンボス技法では、誘導体間の電気力線の距離がエンボスにより不均一になり、電荷の偏りによる接着剤の内部欠陥が生じたり、エンボスが被着体のエッジ部分にある場合にはスパークが発生したりする。なお、両面テープなどの絶縁性物質などを金属被着体の接着部に貼り付ける方法も可能ではあるが、両面テープを貼り付ける作業性の悪さや接着層に両面テープが残ってしまうため、接着力の低下などを招くおそれがある。
【0006】
【発明の開示】
本発明は、被着体の一方が金属であっても接着剤の内部欠陥やスパークが生じることなく、接着層の厚みを容易かつ自由に制御することができる接着方法を提供することを目的とする。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明によれば、エポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂を主成分とし、1液または2液以上からなり、硬化剤および熱により硬化するエポキシ組成物を用い、一方または両方が金属である被着体を誘電加熱法により接着する方法において、前記熱硬化型エポキシ組成物の接着剤層にガラスビーズを含むことを特徴とする接着方法が提供される。
【0008】
本発明では、エポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂を主成分とした熱硬化型エポキシ組成物を用いて被着体を接着するに際し、接着層にガラスビーズが含まれているので、誘電加熱する際に、被着体の一方もしくは両方が、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属であっても接着剤の内部欠陥やスパークが発生せず、接着層の厚みを容易かつ自由に制御しつつ安定的に製造することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
本実施形態の接着方法は、図1に示すように2つの被着体1,2を接着剤を用いて接着するものであり、接着剤としてエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂を主成分とし、1液または2液以上からなり、硬化剤および熱により硬化するエポキシ組成物を用いる。また、熱硬化させるに際し誘電加熱法を用いる。
【0011】
本例で用いられるエポキシ樹脂は、平均して1分子当り2個以上のエポキシ基を有するものであればよい。例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、カテコール、レゾルシノール等の多価フェノール、グリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル:p−ヒドロキシ安息香酸、β−ヒドロキシナフトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル:フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル:さらにはエポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂、エポキシ化ポリオレフィン、環式脂肪族エポキシ樹脂、その他ウレタン変性エポキシ樹脂等が挙げられるが、本発明に係るエポキシ樹脂はこれらに限定されるものではない。
【0012】
本例で用いられる硬化剤は、加熱硬化型硬化剤として公知のものが使用でき、特に限定されない。具体例としては、メタフェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、ジアミノジフェニルスルフォン(DDS)などの芳香族アミン、特開平4―314724に開示されたアミンおよびイミダゾールとイソシアネート化合物を反応させてなる硬化剤、BF3−アミン錯体、有機酸ジヒドラジド、イミダゾールおよびイミダゾール類の金属錯体、アミンイミド、芳香族アミンの有機リン酸塩や四級ホスホニウム化合物、フッ素イミドリン、マイクロカプセルアミン、イミダゾールブロックイソシアネート、フェノール樹脂などが挙げられる。
【0013】
また、固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤等も使用することができる。固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤とは、室温ではエポキシ樹脂に不溶性の固体で、加熱することにより可溶化し促進剤として機能する、アミン化合物とエポキシ化合物の反応生成物であり、これらの反応生成物の表面をイソシアネート化合物や酸性化合物で処理したもの等が含まれる。
【0014】
潜在性硬化促進剤の製造原料として用いられるエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、カテコール、レゾルシノール等の多価フェノール又はグリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル:p−ヒドロキシ安息香酸、β−ヒドロキシナフトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル、フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル、4,4’−ジアミノジフェニルメタンやm−アミノフェノールなどとエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルアミン化合物、さらにはエポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂、エポキシ化ポリオレフィン等の多官能性エポキシ化合物やブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルその他ウレタン変性エポキシ樹脂等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0015】
潜在性硬化促進剤の製造原料として用いられるアミン化合物はエポキシ基と付加反応しうる活性水素を分子内に1個以上有し、かつ1級アミン基、2級アミン基、3級アミン基の中から選ばれた置換基を少なくとも分子内に1個以上有するものであれば良い。このような、アミン化合物の例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0016】
例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、n−プロピルアミン、2−ヒドロキシエチルアミンプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタンのような脂肪族アミン類、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2−メチルアニリン等の芳香族アミン化合物、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、ピペリジン、ピペラジンのような窒素含有複素環化合物等が挙げられる。
【0017】
また、これらの中で特に分子内に3級アミン基を有する化合物は、優れた硬化促進剤を有する潜在性硬化促進剤を与える原料であり、そのような化合物の例としては、例えば、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジ−n−プロピルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、N−メチルピペラジン等のようなアミン化合物や2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物等のような、分子内に3級アミノ基を有する1級もしくは2級アミン類や、2−ジメチルアミノエタノール、1−メチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−フェノキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−ブトキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−フェニルイミダゾリン、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾリン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−β−ヒドロキシエチルホルモリン、2−ジメチルアミノエタンチオール、2−メルカプトピリジン、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メルカプトピリジン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸、N,N−ジメチルグリシン、ニコチン酸、イソニコチン酸、ピコリン酸、N,N−ジメチルグリシンヒドラジド、N,N−ジメチルプロピオン酸ヒドラジド、ニコチン酸ヒドラジド、イソニコチン酸ヒドラジドのような、分子内に3級アミノ基を有するアルコール類、フェノール類、チオール類、カルボン酸類、ヒドラジド類等が挙げられる。
【0018】
エポキシ樹脂組成物の保存安定性を更に向上させるために、上記エポキシ化合物とアミン化合物を付加反応せしめ本例に用いられる潜在性硬化促進を製造する際に、第三成分として分子内に活性水素を2個以上有する活性水素を添加することもできる。このような活性水素化合物の例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】
例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、フェノールノボラック樹脂等の多価フェノール類、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、アジピン酸、フタル酸等の多価カルボン酸類、1,2−ジメルカプトエタン、2−メルカプトエタノール、1−メルカプト−3−フェノキシ−2−プロパノール、メルカプト酢酸、アントラニル酸、乳酸等が挙げられる。
【0020】
本例のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて充填剤、可塑剤、酸化防止剤、顔料、カップリング剤、分散剤、溶剤等の各種添加剤を加えることができる。
【0021】
充填剤としては炭酸カルシウム、シリカ等が挙げられる。
【0022】
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジラウリルフタレート(DLP)、ジブチルベンジルフタレート(BBP)、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、トリオクチルフォスフェート、トリス(クロロエチル)フォスフェート、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル、エポキシステアリン酸アルキル、エポキシ化大豆油が挙げられ、これらは単独あるいは混合して使用することができる。
【0023】
酸化防止剤は種々の自動酸化性物質に対し、光や熱などの条件下における酸素の作用を防止ないし抑制する性質をもつ有機化合物をいい、ラジカル連鎖禁止剤としては、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等のフェノール誘導体、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン等の芳香族アミン、亜リン酸トリフェニル等の亜リン酸エステルなどを挙げることができる。
【0024】
顔料には、無機顔料と有機顔料とがあり、無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ等の金属酸化物、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム等の硫黄物、塩酸塩、硫酸塩等を挙げることができる。有機顔料としては、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等を挙げることができる。
【0025】
シランカップリング剤としては、一般に、相互になじみの悪いガラス、シリカ、金属、粘土等の無機材料と高分子等の有機材料とを化学結合できる官能基を有する下記式(1)で表される有機ケイ素化合物を挙げることができる。
【0026】
【数1】
Y〜CH2SiX3 …(1)
なお、式(1)中のXはアルコキシ基やアセトキシ基、イソプロペノキシ基、アミノ基、ハロゲン等の加水分解性の置換基であって無機と反応するもので、Yは有機質と反応しやすいビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基などである。
【0027】
分散剤は、固体を微細な粒子にして液中に分散させる物質をいい、ヘキサメタリン酸ナトリウム、縮合ナフタレンスルホン酸ナトリウム、界面活性剤を挙げることができる。
【0028】
本例のエポキシ樹脂組成物は溶剤を用いてもよく、好ましくは芳香族系炭化水素溶媒を用いる。芳香族系溶剤としてはキシレン、トルエン等が挙げられる。
【0029】
本例のエポキシ樹脂組成物の製造方法としては、特に限定されないが、好ましくは各成分を減圧下または不活性雰囲気下に十分混練、均一に分散させて組成物とする。
【0030】
次に本例に係るガラスビーズについて説明する。
【0031】
本例のガラスビーズは、屈折率およびガラス組成等、特に大きな制限はない。接着層の厚みを制御するために、任意の粒径が選択できる。ただし、本例のガラスビーズの使用量は、接着面の大きさによって任意に選択できるものの、あまり添加量を多くすると接着剤の性能を悪化させてしまう。
【0032】
本例のガラスビーズの接着層3への添加方法としては、接着面にシアノアクリレート系瞬間接着剤を用いて、直接接着面につける方法や、エポキシ樹脂を塗布した後、埋め込む方法等考えられるが、作業性の観点からはエポキシ樹脂組成物にあらかじめ添加するのが好ましい。
【0033】
エポキシ樹脂組成物に予めガラスビーズを添加する調製方法としては、所定量のエポキシ樹脂を、十分な剪断力をもつ高速攪拌機、例えばホモミキサー、インペラー等で攪拌しながら、ガラスビーズを少量ずつ添加して分散する方法が好ましい。分散液を調整する際に、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどの多リン酸塩、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメチロールメタンなどの多価アルコール、ポリエチレングリコールアルキルエステルなどの非イオン性重合体などの分散剤を適宜加えることができる。
【0034】
次に本例の誘導加熱法について説明する。
【0035】
一般に木材、セラミックス、紙、繊維、ゴム、水、PVC、エポキシ、メラミン、ナイロン、ABS、BMC、SMC等の物質は誘導体と称され、誘導体の中には、その分子が双極子と呼ばれるプラスとマイナスの極性がある。こうした誘導体を2枚の電極板で挟みこれに高周波電圧を加えると、各分子の双極子が、高周波電圧の向きに従った電気力線の方向に並ぼうとする。その結果、回転運動が生じ、隣の分子との摩擦熱によって、急速に発熱する。これが誘導加熱法である。本例では、2つの被着体の間に上述したガラスビーズを含有するエポキシ樹脂組成物からなる接着剤を塗布したのち、この誘導加熱法により接着剤層3を加熱する。
【0036】
このとき、本例の接着剤層3にはガラスビーズが含まれているので、被着体1,2の一方もしくは両方が、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属であっても、接着剤の内部欠陥やスパークが発生せず、接着剤層3の厚みを容易かつ自由に制御しつつ安定的に製造することができる。
【0037】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0038】
【実施例】
実施例1
本発明の実施例に係るガラスビーズを内含する熱硬化型エポキシ樹脂を調液した。すなわち、セメダイン(株)社製EP−106(1液熱硬化型エポキシ樹脂)100重量部に対して、(株)ユニオン社製高精度ユニビーズSP−500(平均粒径が520μm)2重量部を高速攪拌機(ディゾルバー)で2,000rpmにて、30分間攪拌し、真空脱泡機において脱泡を十分に行い、実施例1のガラスビーズ含有熱硬化型エポキシ樹脂を調液した。
【0039】
上記で作成したガラスビーズ内含熱硬化型エポキシ樹脂を用いて、図1に示す被着体同士の接着面積が25×30mmになるように2枚の被着体1,2を接着し、(株)日立製作所社製の家庭用電子レンジ(MR−M200)で30秒間加熱した。被着体1,2は、ステンレス板(SUS304:25×100×1mm)を使用した。なお、被着体1,2の材質を鉄、アルミニウムに変更した場合も確認した。
【0040】
比較例1〜3
セメダイン(株)社製EP−106(1液熱硬化型エポキシ樹脂)を用いて、接着剤層3の厚さが実施例1の試料と同じになるように表1に示す材料(ステンレス、厚紙、両面テープ)で堰4を作り、それぞれを表1に示すよう材料を変更して同等の比較例1〜3の試料を作成した。
【0041】
【表1】
考察
実施例1および比較例1〜3について、誘電加熱時のスパークの発生の有無を目視観察したところ、実施例1および比較例3については発生しなかったが、比較例1についてはスパークの発生が観察され、また比較例2についてはスパークの発生はなかったが堰4を構成する厚紙が焦げた。
【0042】
実施例1および比較例2および3について作業性を評価したところ、比較例2および3は接着部に厚紙や両面テープを取り付ける作業が必要となり、作業性の点で問題があった。
【0043】
実施例1および比較例1〜3について、接着後の外観(見栄え)を観察したところ、実施例1は全く問題なかったが、比較例2および3については厚紙や両面テープが現れて見栄え上問題があった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る接着方法を用いた被着体の構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の比較例1〜3に係る被着体を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,2…被着体
3…接着剤層
4…堰
【技術分野】
本発明は、少なくとも一方が金属からなる被着体を誘電加熱法により接着する方法に関する。
【0002】
【背景技術】
この種のエポキシ組成物はエポキシ基を2個以上有するため反応性に富み、主剤に可塑剤や顔料等を配合することで、目地材、シーリング材、接着剤および被覆材等に使用されている。従来のエポキシ組成物の多くは主剤と硬化剤にわかれた二液硬化型が大半をしめているが、作業性の悪さやポットライフ(可使時間)等により、熱により硬化を促進させる一液熱硬化型エポキシ組成物の研究が盛んである。
【0003】
ところで、エポキシ組成物を接着剤として使用する場合、接着層の厚みを制御することは、接着能力の標準化、安定的な製造、品質管理といった種々の観点からも重要な因子である。例えば、プラスチックなどを被着体として用いた場合、接着面にエンボス加工のような突起物を成型加工時の金型に組み込み、成型し、厚みを制御することが提案されている。
【0004】
一方、これら熱硬化型エポキシ接着剤の加熱方法も研究が盛んに行なわれ、誘導加熱、超音波エゥルダー、赤外線加熱、誘電加熱などが挙げられる。なかでも、誘電加熱は家庭用電子レンジに見られるように、容易かつ短時間で硬化物が得られるため、種々の生産ラインで導入されている。
【0005】
しかしながら、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属などを被着体として、接着剤の厚みを制御する場合、上述したプラスチックなどによるエンボス技法では、誘導体間の電気力線の距離がエンボスにより不均一になり、電荷の偏りによる接着剤の内部欠陥が生じたり、エンボスが被着体のエッジ部分にある場合にはスパークが発生したりする。なお、両面テープなどの絶縁性物質などを金属被着体の接着部に貼り付ける方法も可能ではあるが、両面テープを貼り付ける作業性の悪さや接着層に両面テープが残ってしまうため、接着力の低下などを招くおそれがある。
【0006】
【発明の開示】
本発明は、被着体の一方が金属であっても接着剤の内部欠陥やスパークが生じることなく、接着層の厚みを容易かつ自由に制御することができる接着方法を提供することを目的とする。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明によれば、エポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂を主成分とし、1液または2液以上からなり、硬化剤および熱により硬化するエポキシ組成物を用い、一方または両方が金属である被着体を誘電加熱法により接着する方法において、前記熱硬化型エポキシ組成物の接着剤層にガラスビーズを含むことを特徴とする接着方法が提供される。
【0008】
本発明では、エポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂を主成分とした熱硬化型エポキシ組成物を用いて被着体を接着するに際し、接着層にガラスビーズが含まれているので、誘電加熱する際に、被着体の一方もしくは両方が、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属であっても接着剤の内部欠陥やスパークが発生せず、接着層の厚みを容易かつ自由に制御しつつ安定的に製造することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
本実施形態の接着方法は、図1に示すように2つの被着体1,2を接着剤を用いて接着するものであり、接着剤としてエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂を主成分とし、1液または2液以上からなり、硬化剤および熱により硬化するエポキシ組成物を用いる。また、熱硬化させるに際し誘電加熱法を用いる。
【0011】
本例で用いられるエポキシ樹脂は、平均して1分子当り2個以上のエポキシ基を有するものであればよい。例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、カテコール、レゾルシノール等の多価フェノール、グリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル:p−ヒドロキシ安息香酸、β−ヒドロキシナフトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル:フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル:さらにはエポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂、エポキシ化ポリオレフィン、環式脂肪族エポキシ樹脂、その他ウレタン変性エポキシ樹脂等が挙げられるが、本発明に係るエポキシ樹脂はこれらに限定されるものではない。
【0012】
本例で用いられる硬化剤は、加熱硬化型硬化剤として公知のものが使用でき、特に限定されない。具体例としては、メタフェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、ジアミノジフェニルスルフォン(DDS)などの芳香族アミン、特開平4―314724に開示されたアミンおよびイミダゾールとイソシアネート化合物を反応させてなる硬化剤、BF3−アミン錯体、有機酸ジヒドラジド、イミダゾールおよびイミダゾール類の金属錯体、アミンイミド、芳香族アミンの有機リン酸塩や四級ホスホニウム化合物、フッ素イミドリン、マイクロカプセルアミン、イミダゾールブロックイソシアネート、フェノール樹脂などが挙げられる。
【0013】
また、固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤等も使用することができる。固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤とは、室温ではエポキシ樹脂に不溶性の固体で、加熱することにより可溶化し促進剤として機能する、アミン化合物とエポキシ化合物の反応生成物であり、これらの反応生成物の表面をイソシアネート化合物や酸性化合物で処理したもの等が含まれる。
【0014】
潜在性硬化促進剤の製造原料として用いられるエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、カテコール、レゾルシノール等の多価フェノール又はグリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル:p−ヒドロキシ安息香酸、β−ヒドロキシナフトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル、フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル、4,4’−ジアミノジフェニルメタンやm−アミノフェノールなどとエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルアミン化合物、さらにはエポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂、エポキシ化ポリオレフィン等の多官能性エポキシ化合物やブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルその他ウレタン変性エポキシ樹脂等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0015】
潜在性硬化促進剤の製造原料として用いられるアミン化合物はエポキシ基と付加反応しうる活性水素を分子内に1個以上有し、かつ1級アミン基、2級アミン基、3級アミン基の中から選ばれた置換基を少なくとも分子内に1個以上有するものであれば良い。このような、アミン化合物の例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0016】
例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、n−プロピルアミン、2−ヒドロキシエチルアミンプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタンのような脂肪族アミン類、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2−メチルアニリン等の芳香族アミン化合物、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、ピペリジン、ピペラジンのような窒素含有複素環化合物等が挙げられる。
【0017】
また、これらの中で特に分子内に3級アミン基を有する化合物は、優れた硬化促進剤を有する潜在性硬化促進剤を与える原料であり、そのような化合物の例としては、例えば、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジ−n−プロピルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、N−メチルピペラジン等のようなアミン化合物や2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物等のような、分子内に3級アミノ基を有する1級もしくは2級アミン類や、2−ジメチルアミノエタノール、1−メチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−フェノキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−ブトキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−フェニルイミダゾリン、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾリン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−β−ヒドロキシエチルホルモリン、2−ジメチルアミノエタンチオール、2−メルカプトピリジン、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メルカプトピリジン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸、N,N−ジメチルグリシン、ニコチン酸、イソニコチン酸、ピコリン酸、N,N−ジメチルグリシンヒドラジド、N,N−ジメチルプロピオン酸ヒドラジド、ニコチン酸ヒドラジド、イソニコチン酸ヒドラジドのような、分子内に3級アミノ基を有するアルコール類、フェノール類、チオール類、カルボン酸類、ヒドラジド類等が挙げられる。
【0018】
エポキシ樹脂組成物の保存安定性を更に向上させるために、上記エポキシ化合物とアミン化合物を付加反応せしめ本例に用いられる潜在性硬化促進を製造する際に、第三成分として分子内に活性水素を2個以上有する活性水素を添加することもできる。このような活性水素化合物の例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】
例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、フェノールノボラック樹脂等の多価フェノール類、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、アジピン酸、フタル酸等の多価カルボン酸類、1,2−ジメルカプトエタン、2−メルカプトエタノール、1−メルカプト−3−フェノキシ−2−プロパノール、メルカプト酢酸、アントラニル酸、乳酸等が挙げられる。
【0020】
本例のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて充填剤、可塑剤、酸化防止剤、顔料、カップリング剤、分散剤、溶剤等の各種添加剤を加えることができる。
【0021】
充填剤としては炭酸カルシウム、シリカ等が挙げられる。
【0022】
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジラウリルフタレート(DLP)、ジブチルベンジルフタレート(BBP)、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、トリオクチルフォスフェート、トリス(クロロエチル)フォスフェート、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル、エポキシステアリン酸アルキル、エポキシ化大豆油が挙げられ、これらは単独あるいは混合して使用することができる。
【0023】
酸化防止剤は種々の自動酸化性物質に対し、光や熱などの条件下における酸素の作用を防止ないし抑制する性質をもつ有機化合物をいい、ラジカル連鎖禁止剤としては、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等のフェノール誘導体、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン等の芳香族アミン、亜リン酸トリフェニル等の亜リン酸エステルなどを挙げることができる。
【0024】
顔料には、無機顔料と有機顔料とがあり、無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ等の金属酸化物、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム等の硫黄物、塩酸塩、硫酸塩等を挙げることができる。有機顔料としては、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等を挙げることができる。
【0025】
シランカップリング剤としては、一般に、相互になじみの悪いガラス、シリカ、金属、粘土等の無機材料と高分子等の有機材料とを化学結合できる官能基を有する下記式(1)で表される有機ケイ素化合物を挙げることができる。
【0026】
【数1】
Y〜CH2SiX3 …(1)
なお、式(1)中のXはアルコキシ基やアセトキシ基、イソプロペノキシ基、アミノ基、ハロゲン等の加水分解性の置換基であって無機と反応するもので、Yは有機質と反応しやすいビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基などである。
【0027】
分散剤は、固体を微細な粒子にして液中に分散させる物質をいい、ヘキサメタリン酸ナトリウム、縮合ナフタレンスルホン酸ナトリウム、界面活性剤を挙げることができる。
【0028】
本例のエポキシ樹脂組成物は溶剤を用いてもよく、好ましくは芳香族系炭化水素溶媒を用いる。芳香族系溶剤としてはキシレン、トルエン等が挙げられる。
【0029】
本例のエポキシ樹脂組成物の製造方法としては、特に限定されないが、好ましくは各成分を減圧下または不活性雰囲気下に十分混練、均一に分散させて組成物とする。
【0030】
次に本例に係るガラスビーズについて説明する。
【0031】
本例のガラスビーズは、屈折率およびガラス組成等、特に大きな制限はない。接着層の厚みを制御するために、任意の粒径が選択できる。ただし、本例のガラスビーズの使用量は、接着面の大きさによって任意に選択できるものの、あまり添加量を多くすると接着剤の性能を悪化させてしまう。
【0032】
本例のガラスビーズの接着層3への添加方法としては、接着面にシアノアクリレート系瞬間接着剤を用いて、直接接着面につける方法や、エポキシ樹脂を塗布した後、埋め込む方法等考えられるが、作業性の観点からはエポキシ樹脂組成物にあらかじめ添加するのが好ましい。
【0033】
エポキシ樹脂組成物に予めガラスビーズを添加する調製方法としては、所定量のエポキシ樹脂を、十分な剪断力をもつ高速攪拌機、例えばホモミキサー、インペラー等で攪拌しながら、ガラスビーズを少量ずつ添加して分散する方法が好ましい。分散液を調整する際に、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどの多リン酸塩、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメチロールメタンなどの多価アルコール、ポリエチレングリコールアルキルエステルなどの非イオン性重合体などの分散剤を適宜加えることができる。
【0034】
次に本例の誘導加熱法について説明する。
【0035】
一般に木材、セラミックス、紙、繊維、ゴム、水、PVC、エポキシ、メラミン、ナイロン、ABS、BMC、SMC等の物質は誘導体と称され、誘導体の中には、その分子が双極子と呼ばれるプラスとマイナスの極性がある。こうした誘導体を2枚の電極板で挟みこれに高周波電圧を加えると、各分子の双極子が、高周波電圧の向きに従った電気力線の方向に並ぼうとする。その結果、回転運動が生じ、隣の分子との摩擦熱によって、急速に発熱する。これが誘導加熱法である。本例では、2つの被着体の間に上述したガラスビーズを含有するエポキシ樹脂組成物からなる接着剤を塗布したのち、この誘導加熱法により接着剤層3を加熱する。
【0036】
このとき、本例の接着剤層3にはガラスビーズが含まれているので、被着体1,2の一方もしくは両方が、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属であっても、接着剤の内部欠陥やスパークが発生せず、接着剤層3の厚みを容易かつ自由に制御しつつ安定的に製造することができる。
【0037】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0038】
【実施例】
実施例1
本発明の実施例に係るガラスビーズを内含する熱硬化型エポキシ樹脂を調液した。すなわち、セメダイン(株)社製EP−106(1液熱硬化型エポキシ樹脂)100重量部に対して、(株)ユニオン社製高精度ユニビーズSP−500(平均粒径が520μm)2重量部を高速攪拌機(ディゾルバー)で2,000rpmにて、30分間攪拌し、真空脱泡機において脱泡を十分に行い、実施例1のガラスビーズ含有熱硬化型エポキシ樹脂を調液した。
【0039】
上記で作成したガラスビーズ内含熱硬化型エポキシ樹脂を用いて、図1に示す被着体同士の接着面積が25×30mmになるように2枚の被着体1,2を接着し、(株)日立製作所社製の家庭用電子レンジ(MR−M200)で30秒間加熱した。被着体1,2は、ステンレス板(SUS304:25×100×1mm)を使用した。なお、被着体1,2の材質を鉄、アルミニウムに変更した場合も確認した。
【0040】
比較例1〜3
セメダイン(株)社製EP−106(1液熱硬化型エポキシ樹脂)を用いて、接着剤層3の厚さが実施例1の試料と同じになるように表1に示す材料(ステンレス、厚紙、両面テープ)で堰4を作り、それぞれを表1に示すよう材料を変更して同等の比較例1〜3の試料を作成した。
【0041】
【表1】
考察
実施例1および比較例1〜3について、誘電加熱時のスパークの発生の有無を目視観察したところ、実施例1および比較例3については発生しなかったが、比較例1についてはスパークの発生が観察され、また比較例2についてはスパークの発生はなかったが堰4を構成する厚紙が焦げた。
【0042】
実施例1および比較例2および3について作業性を評価したところ、比較例2および3は接着部に厚紙や両面テープを取り付ける作業が必要となり、作業性の点で問題があった。
【0043】
実施例1および比較例1〜3について、接着後の外観(見栄え)を観察したところ、実施例1は全く問題なかったが、比較例2および3については厚紙や両面テープが現れて見栄え上問題があった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る接着方法を用いた被着体の構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の比較例1〜3に係る被着体を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,2…被着体
3…接着剤層
4…堰
Claims (2)
- エポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂を主成分とし、1液または2液以上からなり、硬化剤および熱により硬化するエポキシ組成物を用い、一方または両方が金属である被着体を誘電加熱法により接着する方法において、
前記熱硬化型エポキシ組成物の接着剤層にガラスビーズを含むことを特徴とする接着方法。 - 前記ガラスビーズは前記熱硬化型エポキシ組成物に添加されていることを特徴とする請求項1記載の接着方法。
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JP2003131208A JP2004331858A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 熱硬化型エポキシ組成物を用いた接着方法 |
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US20100119836A1 (en) * | 2007-04-24 | 2010-05-13 | Taisei Plas Co., Ltd. | Stainless steel composite and manufacturing method thereof |
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WO2012136736A1 (en) * | 2011-04-05 | 2012-10-11 | Zephyros Inc | Adhesive activation by a skin effect of an alternate current at low frequencies |
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2003
- 2003-05-09 JP JP2003131208A patent/JP2004331858A/ja active Pending
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