JP2005179459A - ガラスと金属の接着方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】黒色セラミックプリント付きガラス製部材に金属製ルームミラーベースを、エポキシ接着剤を用いて誘電加熱処理により接着する場合、スパークの発生を防止する接着方法を提供する。
【解決手段】
エポキシ接着剤3を用意する工程と、金属製ルームミラーベース1の接着面の周囲に形成された隆起部11の内部に、エポキシ接着剤3を注入して溜める工程と、隆起部11の自動車ガラス2との接触面13にワックス4を塗布する工程と、ワックス4が介在した状態で金属製ルームミラーベース1の隆起部11を自動車ガラス2に押し当て、この状態で誘電加熱法によりエポキシ接着剤3を加熱して硬化させる工程とを有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、黒色セラミックプリント付きガラス製部材と金属製部材との、熱硬化型エポキシ組成物を用いた接着方法に関し、特に、誘電加熱処理におけるスパークの発生を防止する接着方法に関する。
デザイン等の観点から、フロントガラスの内面にルームミラーを直接固定するタイプの自動車が開発されている。
フロントガラスとルームミラーを直接接着する場合には、予め鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属製ミラーベースをガラスに接着し、ルームミラー本体を金属製ミラーベースにワンタッチ操作で填め込む構造が採用される。
このような金属製ミラーベースをフロントガラスに接着する場合には、金属製ミラーベースの接着面の周囲に堰状の隆起部を設け、この隆起部に囲まれた部分に接着剤を注入することにより、接着層の厚さを均一にし、接着剤のはみ出しを防止するとともに、フロントガラス側には黒色のセラミックプリントを施して接着部分を隠し、見栄えを向上させる方策が考えられる。セラミックプリントを黒色とするための顔料としては、カーボンが用いられる。
ところが、顔料として添加されたカーボンが導電性を有することから、熱硬化型接着剤をミラーベースの堰状隆起部内部に注入し、これを黒色セラミックプリント付きフロントガラスに押し当てて誘電加熱法にて加熱すると、堰状隆起部の凸部分と黒色セラミックプリント付きガラスとが接触し、誘電加熱時の電荷の偏りによるスパークが発生し、接着剤の内部欠陥、ガラスの破損等の不具合が生じるという問題があった。
本発明は、黒色セラミックプリント付きガラス製部材と金属製部材とを熱硬化型エポキシ組成物を用いて接着する場合、誘電加熱処理においてスパークを発生させない接着方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、黒色セラミックプリント付きガラス製部材の黒色セラミックプリントの表面に、接着剤を用いて金属製部材を接着する方法であって、エポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂を主成分とし、1液又は2液以上からなり、硬化剤および熱により硬化するエポキシ接着剤を用意する工程と、前記金属製部材の接着面の周囲形成された隆起部の内部に、前記エポキシ接着剤を注入して溜める工程と、前記隆起部の前記ガラス製部材との接触面にワックスを塗布する工程と、前記ワックスが介在した状態で前記金属製部材の隆起部を前記ガラス製部材に押し当て、この状態で誘電加熱法により前記エポキシ接着剤を加熱して硬化させる工程とを有するガラス製部材と金属製部材との接着方法が提供される。
本発明では、黒色セラミックプリント付きガラス製部材に金属製部材を接着する際に、金属製部材の接触面にワックスを塗布するため、誘電加熱処理においてスパークの発生を防止し、接着剤の内部欠陥やガラス製部材の破損を防ぎ、見栄えを損なうことなく安定した歩留まりでガラス製部材と金属製部材とを接着することができる。
また、本発明によれば、黒色セラミックプリント付き自動車ガラスの黒色セラミックプリントの表面に、接着剤を用いて金属製ルームミラーベースを接着する方法であって、エポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂を主成分とし、1液又は2液以上からなり、硬化剤および熱により硬化するエポキシ接着剤を用意する工程と、前記ルームミラーベースの接着面の周囲に形成された隆起部の内部に、前記エポキシ接着剤を注入して溜める工程と、前記隆起部の前記自動車ガラスとの接触面にワックスを塗布する工程と、前記ワックスが介在した状態で前記ルームミラーベースの隆起部を前記自動車ガラスに押し当て、この状態で誘電加熱法により前記エポキシ接着剤を加熱して硬化させる工程とを有する自動車ガラスとルームミラーベースとの接着方法が提供される。
本発明では、黒色セラミックプリント付き自動車ガラスに金属製ルームミラーベースを接着する際に、金属製ルームミラーベースの接触面にワックスを塗布するため、誘電加熱処理においてスパークの発生を防止し、接着剤の内部欠陥や自動車ガラスの破損を防ぎ、特に外観が重視される自動車ガラスの見栄えを損なうことなく、安定した歩留まりで、自動車ガラスと金属製部材とを接着することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態に係る接着方法は、黒色セラミックプリント付きガラス製部材の黒色セラミックプリントの表面に、接着剤を用いて金属製部材を接着する方法である。ここでは、具体的な説明のために、ガラス製部材として自動車ガラスを用い、金属製部材として金属製ルームミラーベースを用いた接着方法を説明する。
図1(a)は本発明の実施形態に係る接着方法を用いて接着される金属製ルームミラーベースを示す図、
図1(b)は本発明の実施形態に係る接着方法を用いて接着される自動車ガラスを示す図、
図2(a)は本発明の実施形態に係る接着方法を用いて接着された、自動車ガラスと金属製ルームミラーベースを示す側面図、
図2(b)は図2(a)に示すX−X断面を示す図、
図3(a)は金属製ルームミラーベースの隆起部の内部にエポキシ接着剤を注入する工程を示す模式図、
図3(b)は金属製ルームミラーベースの隆起部にワックスを塗布する工程を示す模式図、
図3(c)は金属製ルームミラーベースと自動車ガラスとを接触させる工程を示す模式図、
図3(d)は誘電加熱処理を行う工程を示す模式図である。
まず、本実施形態に係る接着方法を用いて接着される、金属製部材とガラス製部材について説明する。
金属製部材である本例の金属製ルームミラーベース1は、図1に示すように、ガラス製部材との接着面の周囲に形成された隆起部11と、この隆起部11の内部であって、接着剤が注入される注入部12とを有している。この隆起部11は、その上端面に、ガラス製部材と接触する接触面13を有する。金属製ルームミラーベース1の材質は、特に限定されず、鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属、またはこれらの何れか1種以上を含む金属のいずれでもよいが、本例の金属製ルームミラーベース1はアルミニウム含有金属製である。
接着面の周囲に形成された隆起部11、注入部1の形状、金属製部材1の厚さ等は、特に限定されないが、本実施形態の隆起部11は、注入部12を形成する隆起部11の高さは、0.1mm〜1.0mmとした。また、接触面13は、隆起部11の上端面に形成され、その幅を0.1mm〜1.0mmとすることが好ましい。
ガラス製部材である本例の自動車ガラス2は、黒色セラミックプリント付きガラスである。自動車ガラス2の表面には、図1(b)に示すように、黒色セラミックプリント層21が形成されている。黒色セラミックプリント付き自動車ガラス2は、ボディーに接着した際の接着剤が見えないよう外観を良くするため、または太陽光による紫外線や熱などによる接着剤の経時劣化を防ぐために、CrやCuの金属酸化物を焼き付けたガラスである。黒色のプリントとするために、顔料としてカーボンが添加されている。黒色セラミックプリント付き自動車ガラス2は、強化ガラスに黒色セラミックプリントが施されたガラスであってもよいし、又は合わせガラスに黒色セラミックプリントが施されたものであってもよい。
金属製ルームミラーベース1を自動車ガラス2に接着させた状態を、図2(a)および(b)に示した。図2(a)に示すように、ルームミラーベース1は、自動車ガラス2の表面に黒色セラミックプリントが施され、黒色セラミックプリント層21が形成されている。図2(b)に示すように、ルームミラーベース1の隆起部11の上端面となる接触面13が自動車ガラス2の表面に接触し、隆起部11により形成されたルームミラーベース1の注入部12には接着剤3が充填されている。この接着剤3により、ルームミラーベース1は自動車ガラス2に接着される。
次に、図3に基づいて、本実施形態の接着方法を説明する。
第1に、エポキシ接着剤を用意する。本実施形態では、エポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂を主成分とし、1液又は2液以上からなり、硬化剤および熱により硬化するエポキシ接着剤を用意する。
本実施形態で用いるエポキシ接着剤を説明すると、主成分となる「エポキシ樹脂」は、平均して1分子当り2個以上のエポキシ基を有するものであればよい。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、カテコール、レゾルシノール等の多価フェノール、グリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル:p−ヒドロキシ安息香酸、β−ヒドロキシナフトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル:フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル:さらにはエポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂、エポキシ化ポリオレフィン、環式脂肪族エポキシ樹脂、その他ウレタン変性エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
「硬化剤」は、加熱硬化型硬化剤として公知のものが使用でき、特に限定されない。具体例としては、メタフェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、ジアミノジフェニルスルフォン(DDS)などの芳香族アミン、およびイミダゾールとイソシアネート化合物を反応させてなる硬化剤、BF3−アミン錯体、有機酸ジヒドラジド、イミダゾールおよびイミダゾール類の金属錯体、アミンイミド、芳香族アミンの有機リン酸塩や四級ホスホニウム化合物、フッ素イミドリン、マイクロカプセルアミン、イミダゾールブロックイソシアネート、フェノール樹脂などが挙げられる。
また、固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤等も使用することができる。固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤とは、室温ではエポキシ樹脂に不溶性の固体で、加熱することにより可溶化し促進剤として機能する、アミン化合物とエポキシ化合物の反応生成物であり、これらの反応生成物の表面をイソシアネート化合物や酸性化合物で処理したもの等が含まれる。潜在性硬化促進剤の製造原料として用いられるエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、カテコール、レゾルシノール等の多価フェノール又はグリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル:p−ヒドロキシ安息香酸、β−ヒドロキシナフトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル、フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル、4,4'−ジアミノジフェニルメタンやm−アミノフェノールなどとエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルアミン化合物、さらにはエポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂、エポキシ化ポリオレフィン等の多官能性エポキシ化合物やブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルその他ウレタン変性エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
潜在性硬化促進剤の製造原料として用いられるアミン化合物は、エポキシ基と付加反応しうる活性水素を分子内に1個以上有し、かつ1級アミン基、2級アミン基、3級アミン基の中から選ばれた置換基を少なくとも分子内に1個以上有するものであれば良い。このような、アミン化合物の例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、n−プロピルアミン、2−ヒドロキシエチルアミンプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、4,4'−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタンのような脂肪族アミン類、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、2−メチルアニリン等の芳香族アミン化合物、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、ピペリジン、ピペラジンのような窒素含有複素環化合物等が挙げられる。また、これらの中で特に分子内に3級アミン基を有する化合物は、優れた硬化促進剤を有する潜在性硬化促進剤を与える原料であり、そのような化合物の例としては、例えば、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジ−n−プロピルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、N−メチルピペラジン等のようなアミン化合物や2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物等のような、分子内に3級アミノ基を有する1級もしくは2級アミン類や、2−ジメチルアミノエタノール、1−メチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−フェノキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−ブトキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−フェニルイミダゾリン、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾリン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−β−ヒドロキシエチルホルモリン、2−ジメチルアミノエタンチオール、2−メルカプトピリジン、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メルカプトピリジン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸、N,N−ジメチルグリシン、ニコチン酸、イソニコチン酸、ピコリン酸、N,N−ジメチルグリシンヒドラジド、N,N−ジメチルプロピオン酸ヒドラジド、ニコチン酸ヒドラジド、イソニコチン酸ヒドラジドのような、分子内に3級アミノ基を有するアルコール類、フェノール類、チオール類、カルボン酸類、ヒドラジド類等が挙げられる。
エポキシ樹脂組成物の保存安定性を更に向上させるために、上記エポキシ化合物とアミン化合物を付加反応せしめ本発明に用いられる潜在性硬化促進剤を製造する際に、第三成分として分子内に活性水素を2個以上有する活性水素を添加することもできる。このような活性水素化合物の例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、フェノールノボラック樹脂等の多価フェノール類、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、アジピン酸、フタル酸等の多価カルボン酸類、1,2−ジメルカプトエタン、2−メルカプトエタノール、1−メルカプト−3−フェノキシ−2−プロパノール、メルカプト酢酸、アントラニル酸、乳酸等が挙げられる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて充填剤、可塑剤、酸化防止剤、顔料、カップリング剤、分散剤、溶剤等の各種添加剤を加えることができる。
充填剤としては炭酸カルシウム、シリカ等が挙げられる。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジラウリルフタレート(DLP)、ジブチルベンジルフタレート(BBP)、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、トリオクチルフォスフェート、トリス(クロロエチル)フォスフェート、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル、エポキシステアリン酸アルキル、エポキシ化大豆油が挙げられ、単独、あるいは混合して使用することができる。
酸化防止剤は種々の自動酸化性物質に対し、光や熱などの条件下における酸素の作用を防止ないし抑制する性質をもつ有機化合物をいい、ラジカル連鎖禁止剤としては、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等のフェノール誘導体、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン等の芳香族アミン、亜リン酸トリフェニル等の亜リン酸エステルなどを挙げることができる。
顔料は、無機顔料と有機顔料とがあり、無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ等の金属酸化物、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム等の硫黄物、塩酸塩、硫酸塩等を挙げることができる。有機顔料としては、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等を挙げることができる。
シランカップリング剤としては、一般に、相互になじみの悪いガラス、シリカ、金属、粘土等の無機材料と高分子等の有機材料とを化学結合できる官能基を有する下記式(1)で表される有機ケイ素化合物をいう。
(式) Y〜CHSiX・・・式(1)
ただし、式中のXは、アルコキシ基、アセトキシ基、イソプロペノキシ基、アミノ基、ハロゲン等の加水分解性の置換基で、無機と反応し、式中のYは、有機質と反応しやすいビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基などである。
分散剤は、固体を微細な粒子にして液中に分散させる物質をいい、ヘキサメタリン酸ナトリウム、縮合ナフタレンスルホン酸ナトリウム、界面活性剤を挙げることができる。
本実施形態では、溶剤を用いてもよく、好ましくは芳香族系炭化水素溶媒を用いる。芳香族系溶剤とはキシレン、トルエン等をいう。
エポキシ組成物の製造方法は、特に限定されないが、好ましくは各成分を減圧下または不活性雰囲気下に十分混練、均一に分散させて組成物とするのがよい。
次に、用意したエポキシ接着剤3を、金属製ルームミラーベース1の注入部12に注入して溜める。この工程を、図3(a)に模式的に示した。なお、接着剤層の厚さを均一とするため、注入したエポキシ接着剤3を注入部12の底面の全体に延ばす工程を行ってもよい。
続いて、接着面の周囲に形成された隆起部11の接触面13にワックス4を塗布する。塗布方法は特に限定されず、金属被着体の凸部に均一に塗布すればよい。接触面13にワックス4を塗布した状態を図3(b)に示した。
ここで、ワックス4について説明すると、ワックスは、天然ワックスと合成ワックスとに大別できる。更に、天然ワックスは、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物ワックスに区分でき、合成ワックスはフィッシャー・トロブッシュワックス、ポリエチレンワックスに区分できる。本実施形態において塗布されるワックスの種類は特に限定されず、例えば、やし油、カルナバワックス、ライスワックスなどの植物ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムなどの石油ワックスなどを用いることができる。固形のまま使用してもよいし、水分散体で使用してもよいが、作業性向上の観点から、固形ワックスを用いることが好ましい。また、純度の高いものが特に好ましい。作業性、コスト面からパラフィンワックスが特に好ましく、本実施形態ではローソクを用いた。なお、接触面13にワックス4を塗布する工程は、エポキシ樹脂を注入部12に注入する工程の前に行ってもよい。
次に、塗布したワックス4が介在した状態で金属製ルームミラーベース1の隆起部11を自動車ガラス2に押し当てる。押し当てた状態を図3(c)に示した。
最後に、金属製ルームミラーベース1の隆起部11を自動車ガラス2に押し当てた状態で、誘電加熱処理装置5を用いて誘電加熱する。誘電加熱する状態を図3(d)に示した。ここで本実施形態の誘電加熱法について説明すると、一般に木材、セラミックス、紙、繊維、ゴム、水、PVC、エポキシ、メラミン、ナイロン、ABS、BMC、SMC等の物質は誘導体であり、誘電体の分子は双極子と呼ばれるプラスとマイナスの極性を持っている。誘導体を2枚の電極板の間にはさみ、高周波電圧を加えると、各分子の双極子が高周波電圧の向きに従った電気力線の方向に並ぼうとして回転運動をするため、分子同士の摩擦熱によって発熱し、誘電体は加熱される。
誘電加熱法により加熱されたエポキシ接着剤は硬化し、金属製ルームミラーベース1は黒色セラミックプリントが施された自動車ガラス2の表面に接着する。
従来の誘電加熱処理では、2つの誘電体(金属製ルームミラーベース1と黒色セラミックプリント付きガラス製部材2)の電荷の偏り具合によって、スパークが発生する場合があったが、本実施形態では、金属製ルームミラーベース1の隆起部11にワックス4を塗布し、金属製ルームミラーベース1と黒色セラミックプリント付き自動車ガラス2との接触面13に絶縁層が形成されているため、誘電加熱時に金属製ルームミラーベース1に溜まった電子は自動車ガラス2の黒色セラミックプリント層21へ流れず、空気中へ放電させることができ、スパークの発生を防止することができる。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
実施例1、実施例2および比較例1の接着方法について、誘電加熱処理におけるスパークの発生、自動車ガラスのひびの発生、接着剤の硬化状態を観察し、これらを比較した。
<実施例1>
(1)金属製ルームミラーベースを成形した。アルミニウム製板材を用い、接着面の周囲に隆起部11を形成し、隆起部11の内部にエポキシ接着剤4を注入するための注入部12を形成した。具体的には、図4に示す寸法で、公知の成形法を用いてアルミニウム製ルームミラーベース10を作製した。
(2)エポキシ接着剤31として、低温硬化型エポキシ接着剤(商品名:EP−171/セメダイン(株)製)を用意し、アルミニウム製ルームミラーベース10の注入部120に注入し、厚みが均一になるように塗り延ばした。
(3)自動車用ガラス20として、自動車用フロントガラスと同等の黒色セラミックプリント付ガラスを用意した。
(4)図4に示すアルミニウム製ルームミラーベース10の接触面130に市販のローソクを満遍なく塗布した。
(5)塗布されたローソク41が介在した状態でアルミニウム製ルームミラーベース10の隆起部110を自動車ガラス20に押し当て、この状態で、誘電加熱処理装置5である、日立製作所製・家庭用電子レンジ(MR−M200)で1分間、誘電加熱した。
<実施例2>
エポキシ接着剤として低温硬化型エポキシ接着剤(商品名:AE−11:味の素ファインテクノ(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、アルミニウム製ルームミラーベース10を自動車ガラス20に接着した。
<比較例1>
アルミニウム製ルームミラーベース10の隆起部110に、ローソクを塗布しない以外は、実施例1と同様にして、アルミニウム製ルームミラーベース10を自動車ガラス20に接着した。
実施例1、実施例2および比較例1について、誘電加熱処理時のスパークの有無、誘電加熱処理後のガラスのひびの有無、誘電過熱処理後の接着剤の硬化状態を評価した。評価結果を表1にまとめた。
Figure 2005179459
表1に示すように、接触面13にローソクを塗布した実施例1および実施例2の接着方法において、スパークおよび自動車ガラスのひびは観察されなかった。また、エポキシ接着剤の硬化状態も良好であった。
一方、接触面13にローソクを塗布しなかった比較例1では、スパークが発生し、自動車ガラス20にひびが発生した。また、接着剤の内部欠陥が認められ、接着剤の硬化状態は不良であった。
このように、接触面13にローソクを塗布しない場合は、スパークの発生、自動車ガラス20のひび発生、接着剤の内部欠陥の発生が認められた。これは、導電性のあるアルミニウム製ルームミラーベース10と、黒色セラミックプリント付き自動車ガラス20とが接触しているため、ルームミラーベース10に集まった電荷が飽和し、電荷の偏りによって、電荷が、突然に黒色セラミックプリント付き自動車ガラス20の表面に向かって流れることにより、スパークが発生し、その結果カミナリ現象によるガラスの破損、接着剤の内部欠陥が起きたものと考えられる。
これに対し、実施例1および実施例2の接着方法によれば、アルミニウム製ルームミラーベース10の接触面13にローソクを塗り、黒色セラミックプリント付き自動車ガラス20との接触面13に絶縁層を形成したため、アルミニウム製ルームミラーベース10に溜まった電荷は自動車ガラス20に流れることなく、空気中に放電されたため、比較例1において見られたスパークは発生しなかった。
実施例1および実施例2の接着方法によれば、誘電加熱処理におけるスパークを防止し、スパークによるガラスの破損、接着剤の内部欠陥の発生を防止することができた。
以上のように、本発明の接着方法によれば、誘電加熱処理において、スパーク、ガラスの破損、接着剤の内部欠陥の発生を防止し、見栄えを損なわず、安定した歩留まりで黒色セラミックプリント付きのガラス製部材と金属製部材とを接着することができる。また、ローソクなどの安価な材料を用いることにより、製造コストを上昇させることなく、スパーク、ガラスの破損、接着剤の内部欠陥の発生を防止することができる。特に、外観が重要視される自動車の製造において、自動車のフロントの見栄えを損なわせることなく、また安定した歩留まりで黒色セラミックプリント付きの自動車ガラスと金属製ルームミラーベースとを接着することができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
(a)本実施形態の接着方法により接着される金属製ルームミラーベース1を示す図、(b)は金属製ミラーベース1に接着される自動車ガラス2を示す図である。 (a)は本実施形態の接着方法により接着された、金属製ルームミラーベース1と自動車ガラス2とを示す図、(b)は(a)に示すX−X断面図である。 (a)〜(d)は本実施形態の接着方法を説明するための図である。 実施例1の接着方法により接着されるアルミニウム製ルームミラーベース10を示す図である。
符号の説明
1…金属製部材、金属製ルームミラーベース
11…隆起部
12…注入部
13…接触部
2…ガラス製部材、自動車ガラス
21…黒色セラミックプリント層
3…接着剤
4…ワックス
5…誘電加熱装置

Claims (6)

  1. 黒色セラミックプリント付きガラス製部材の黒色セラミックプリントの表面に、接着剤を用いて金属製部材を接着する方法であって、
    エポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂を主成分とし、1液又は2液以上からなり、硬化剤および熱により硬化するエポキシ接着剤を用意する工程と、
    前記金属製部材の接着面の周囲に形成された隆起部の内部に、前記エポキシ接着剤を注入して溜める工程と、
    前記隆起部の前記ガラス製部材との接触面にワックスを塗布する工程と、
    前記ワックスが介在した状態で前記金属製部材の隆起部を前記ガラス製部材に押し当て、この状態で誘電加熱法により前記エポキシ接着剤を加熱して硬化させる工程とを有するガラス製部材と金属製部材との接着方法。
  2. 黒色セラミックプリント付き自動車ガラスの黒色セラミックプリントの表面に、接着剤を用いて金属製ルームミラーベースを接着する方法であって、
    エポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂を主成分とし、1液又は2液以上からなり、硬化剤および熱により硬化するエポキシ接着剤を用意する工程と、
    前記ルームミラーベースの接着面の周囲に形成された隆起部の内部に、前記エポキシ接着剤を注入して溜める工程と、
    前記隆起部の前記自動車ガラスとの接触面にワックスを塗布する工程と、
    前記ワックスが介在した状態で前記ルームミラーベースの隆起部を前記自動車ガラスに押し当て、この状態で誘電加熱法により前記エポキシ接着剤を加熱して硬化させる工程とを有する自動車ガラスとルームミラーベースとの接着方法。
  3. 前記隆起部の高さは、0.1mm〜1.0mmである請求項1又は2に記載の接着方法。
  4. 前記接触面は、前記接着面の周囲に形成された隆起部の上端面に形成され、幅が0.1mm〜1.0mmである請求項1〜3のいずれかに記載の接着方法。
  5. 前記ワックスは、固形ローソクである請求項1〜4のいずれかに記載の接着方法。
  6. 前記ルームミラーベースは、アルミニウム含有金属製である請求項2に記載の接着方法。

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