JP2004331843A - スチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】重量平均分子量が15万〜40万のスチレン系樹脂を押出発泡してなるスチレン系樹脂押出発泡体であって、発泡剤として、(a)水、(b)ジメチルエーテルおよび/または塩化アルキル、ならびに、(c)炭素数が3〜5の飽和炭化水素の少なくとも1種からなる混合発泡剤を使用し、アクリル系高分子共重合体、テトラフルオロエチレン系重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の加工助剤、ならびに、ベントナイト、ヘクトライト、無水シリカよりなる群から選ばれる少なくとも1種の水分散剤を含有してなることを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、断熱材などの用途に好適に使用されるスチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、環境適合性に優れ、建材用途に適する圧縮強度を有するスチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スチレン系樹脂押出発泡体は施工性、断熱特性の好適性から建屋の断熱材などとして汎用されてきた。しかし、近年、オゾン層問題、地球温暖化問題が注目されており、フロン類から炭化水素への発泡剤の代替が検討されている。炭化水素発泡剤を使用し、低密度のスチレン系樹脂押出発泡体を製造する方法として、押出機内でスチレン系ポリマーとアクリル系ポリマーを溶融混練し、炭化水素発泡剤を混入し、発泡製品を得る方法(特許文献1)が開示されている。しかしながら、JISA9511の燃焼性を満足させるには、炭化水素発泡剤の混入量を制限する必要があり、低密度のスチレン系樹脂押出発泡体を得るには未だ充分でない。
【0003】
また、水は環境適合性、難燃性の点から発泡剤として好ましいものであるが、発泡剤の一部に水を使用してスチレン系樹脂押出発泡体を製造する方法において、低分子ポリマー、オリゴマー、親水性ポリマーなどを混和する手段にてスチレン樹脂材料の水溶性を増大させる方法(特許文献2)が開示されている。しかし、建材用途に要求される断熱性能、機械的強度をうるには未だ充分でない。
【0004】
しかして、環境適合性、難燃性のよい水を発泡剤として有効活用した断熱性能、強度物性、難燃性に優れた、軽量のスチレン系樹脂押出発泡体が待ち望まれている。
【0005】
【特許文献1】
特表平10−502118号公報
【特許文献2】
特表平8−502786号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記従来技術に鑑みてなされたものであり、環境、難燃性に適合する水を含む発泡剤を使いこなし、断熱性能、強度物性、難燃性能に優れた、軽量のスチレン系樹脂押出発泡体と、その安定的な製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題の解決のため、鋭意研究の結果、発泡剤として、水、ジメチルエーテルおよび/または塩化アルキル、炭化水素からなる混合発泡剤を使用する際、水を発泡剤として有効に活用し、高発泡化を実現させるため、特定の加工助剤と水分散剤を併用することで目標とする発泡体が得られることを見出した。すなわち、本発明は、次のスチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法に関する。
【0008】
(1)重量平均分子量が15万〜40万のスチレン系樹脂を押出発泡してなるスチレン系樹脂押出発泡体であって、発泡剤として、(a)水、(b)ジメチルエーテルおよび/または塩化アルキル、ならびに、(c)炭素数が3〜5の飽和炭化水素の少なくとも1種からなる混合発泡剤を使用し、アクリル系高分子共重合体、テトラフルオロエチレン系重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の加工助剤、ならびに、ベントナイト、ヘクトライト、無水シリカよりなる群から選ばれる少なくとも1種の水分散剤を含有してなることを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体。
【0009】
(2)発泡体密度が20〜35kg/m3、発泡体厚さが10〜100mmである前記(1)に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
【0010】
(3)スチレン系樹脂100重量部に対し、混合発泡剤を5〜10重量部使用し、混合発泡剤が、発泡剤全量100重量%に対して、水5〜30重量%、ジメチルエーテルおよび/または塩化アルキル5〜50重量%、ならびに、炭素数が3〜5の飽和炭化水素の少なくとも1種20〜90重量%からなる前記(1)または(2)項に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
【0011】
(4)スチレン系樹脂100重量部に対して、加工助剤を0.01〜5重量部、水分散剤を0.1〜10重量部含有する前記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
【0012】
(5)炭素数が3〜5の飽和炭化水素が、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の飽和炭化水素である前記(1)〜(4)項のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
【0013】
(6)アクリル系高分子共重合体が、重量平均分子量50万以上のスチレンとアクリル酸ブチルの共重合体、メタクリル酸メチルとメタクリル酸ブチルの共重合体、メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルの共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、テトラフルオロエチレン系重合体が、ポリテトラフルオロエチレン重合体、アクリル系重合体変性テトラフルオロエチレン系重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種である前記(1)〜(5)項のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
【0014】
(7)スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を該スチレン系樹脂に添加し、ダイを通して押出発泡するスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、重量平均分子量が15万〜40万のスチレン系樹脂に、アクリル系高分子共重合体、テトラフルオロエチレン系重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の加工助剤、ならびに、ベントナイト、ヘクトライト、無水シリカよりなる群から選ばれる少なくとも1種の水分散剤、さらに、発泡剤として、(a)水、(b)ジメチルエーテルおよび/または塩化アルキル、ならびに、(c)炭素数が3〜5の飽和炭化水素の少なくとも1種からなる混合発泡剤を共存させて押出発泡することを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明者は、水を含む混合発泡剤を使用してスチレン系樹脂押出発泡体を製造するに際し、特定の加工助剤と水分散剤を併用することでスチレン系樹脂に水分散剤を効率的に分散させることを可能とし、高発泡化と難燃性を両立するための補填発泡剤となる水を有効に活用できることを見出した。さらに特定の加工助剤の使用によりスチレン系樹脂の溶融特性、すなわち、発泡に適正な粘度を保持し、溶融張力の上昇、ダイスウエルの拡大などの溶融特性が向上されることで、発泡体を構成するセル形状が球状化し、得られる発泡体は軽量かつ強度特性に優れたものになることを見出し、本発明に至った。
【0016】
すなわち本発明は、重量平均分子量が15万〜40万のスチレン系樹脂を押出発泡してなるスチレン系樹脂押出発泡体であって、発泡剤として、(a)水、(b)ジメチルエーテルおよび/または塩化アルキル、ならびに、(c)炭素数が3〜5の飽和炭化水素の少なくとも1種からなる混合発泡剤を使用し、アクリル系高分子共重合体、テトラフルオロエチレン系重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の加工助剤、ならびに、ベントナイト、ヘクトライト、無水シリカよりなる群から選ばれる少なくとも1種の水分散剤を含有してなることを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体に関する。
【0017】
本発明のスチレン系樹脂押出発泡体の密度は20〜35kg/m3であるのが好ましい。本発明においては、このような高発泡倍率で軽量なスチレン系樹脂押出発泡体であって、かつ強度特性に優れたものが容易に得られる。
【0018】
本発明のスチレン系樹脂押出発泡体の厚さは10〜100mmであるのが好ましい。このような厚さ範囲の発泡体は建材用途に好適である。
【0019】
本発明で用いられるスチレン系樹脂は、特に限定されるものではなく、スチレン単量体のみから得られるスチレンホモポリマー、スチレン単量体とスチレンと共重合可能な単量体あるいはその誘導体から得られるランダム、ブロックあるいはグラフト共重合体、後臭素化ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレンなどの変性ポリスチレンなどがあげられる。前記スチレンと共重合可能な単量体あるいはその誘導体としては、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのスチレン誘導体、ジビニルベンゼンなどの多官能性ビニル化合物、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリルニトリルなどの(メタ)アクリル系化合物、ブタジエンなどのジエン系化合物あるいはその誘導体、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸無水物などがあげられる。これら単量体あるいはその誘導体は単独または2種以上を混合して使用することができる。前記スチレン系樹脂は単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。スチレン系樹脂におけるスチレン単量体の含有量は通常50重量%以上であり、特に経済性の点でスチレンホモポリマーを使用することが好ましい。さらに、本発明におけるスチレン系樹脂としては、スチレン樹脂、スチレン樹脂発泡体を再生処理した再生ポリスチレン樹脂を使用してもよい。これらスチレン系樹脂の重量平均分子量は15万〜40万であり、より好ましくは18万〜35万である。
【0020】
本発明における混合発泡剤は、(a)水、(b)ジメチルエーテルおよび/または塩化アルキル、ならびに、(c)炭素数が3〜5の飽和炭化水素の少なくとも1種から構成される。
【0021】
前記炭素数3〜5の飽和炭化水素としては、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタンなどがあげられる。炭素数3〜5の飽和炭化水素の中では、発泡性能、難燃性能および断熱性能の点から、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、またはこれらの2種以上の混合物が好ましい。特に好ましくは、プロパン、イソブタン、またはそれらの混合物である。
【0022】
前記塩化アルキルとしては、塩化メチル、塩化エチルが好ましい。
【0023】
本発明における混合発泡剤の中では、環境適合性の点から、水、ジメチルエーテル、イソブタンからなる混合発泡剤が特に望ましい。
【0024】
混合発泡剤の使用量は、スチレン系樹脂100重量部に対し、混合発泡剤全量として5〜10重量部の範囲が好ましい。混合発泡剤中における各発泡剤の比率は、混合発泡剤全量100重量%に対して、発泡性能、断熱性能、難燃性の点から、水5〜30重量%、ジメチルエーテルおよび/または塩化アルキル5〜50重量%、ならびに、炭素数が3〜5の飽和炭化水素の少なくとも1種20〜90重量%であるのが好ましく、より好ましくは、水5〜25重量%、ジメチルエーテルおよび/または塩化アルキル20〜45重量%、ならびに、炭素数が3〜5の飽和炭化水素の少なくとも1種25〜75重量%である。
【0025】
本発明における加工助剤は、アクリル系高分子共重合体、テトラフルオロエチレン系重合体である。
【0026】
前記アクリル系高分子共重合体としては、たとえば、スチレン単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体の共重合体、メタクリル酸メチルとメタクリル酸ブチルの共重合体、メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルの共重合体などがあげられる。これら共重合体は単独でまたは2種以上を混合して使用できる。前記スチレン単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体の共重合体における(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソボルニルなどのアルキル基(シクロアルキル基を含む)の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体、メタクリル酸フェニルなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル系単量体、メタクリル酸ベンジルなどの(メタ)アクリル酸アラルキルエステル系単量体などがあげられ、これら単量体は単独でまたは2種以上混合して使用できる。これら単量体のなかでもスチレン系樹脂の溶融特性を改善する点でアクリル酸ブチルが好ましい。
【0027】
スチレン系樹脂の溶融特性を改善する効果が大きい点から、前記スチレン単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体の共重合体としてはスチレン単量体50〜99重量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体1〜50重量%からなるものが好ましく、前記メタクリル酸メチルとメタクリル酸ブチルの共重合体としてはメタクリル酸メチル50〜99重量%、メタクリル酸ブチル1〜50重量%からなるものが好ましく、前記メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルの共重合体としてはメタクリル酸メチル50〜99重量%、アククリル酸ブチル1〜50重量%からなるものが好ましい。
【0028】
前記テトラフルオロエチレン系重合体としては、ポリテトラフルオロエチレン重合体、アクリル系重合体変性テトラフルオロエチレン系重合体などがあげられる。
【0029】
前記アクリル系重合体変性テトラフルオロエチレン系重合体は、テトラフルオロエチレン系重合体をアクリル系重合体で変性したものであり、変性方法としては各種の方法が可能であり、たとえば(メタ)アクリル酸エステル系重合体とポリテトラフルオロエチレン重合体とをブレンドする方法、ポリテトラフルオロエチレン粒子の水性分散液の存在下に(メタ)アクリル酸エステル系単量体を重合する方法、ポリテトラフルオロエチレン粒子の水性分散液と(メタ)アクリル酸エステル系重合体の水性分散液の混合液中でエチレン性不飽和結合を有する単量体を重合する方法などがあげられる。アクリル系重合体変性テトラフルオロエチレン系重合体としては、市販のものが使用でき、たとえば三菱レイヨン(株)製メタブレンA3000などがあげられる。
【0030】
前記テトラフルオロエチレン系重合体は、粒子状、フィブリル状のいずれの形態であってもよい。粒子状のものとしては、平均粒子径が0.05〜40μmで、40μm以上の凝集体が実質的に存在しないものが好ましい。前記テトラフルオロエチレン系重合体をせん断下でフィブリル状にしたものを使用してもよい。
【0031】
本発明における加工助剤であるアクリル系高分子共重合体、テトラフルオロエチレン系重合体は、スチレン系樹脂の溶融特性を改良する点で、重量平均分子量が50万以上のものが好ましく、さらに100万以上のものがより好ましい。加工助剤の分子量の上限はとくに限定されず、製造可能であれば使用できる。
【0032】
本発明における加工助剤であるアクリル系高分子共重合体、テトラフルオロエチレン系重合体は単独で使用しても、あるいは組み合わせて使用してもよい。本発明における加工助剤の中では、溶融特性改善効果がより優れ、断熱性能、強度物性がより優れる点から、テトラフルオロエチレン系重合体がより好ましい。
【0033】
本発明における加工助剤の添加量は、スチレン系樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましく、経済性とより充分な溶融特性改善効果を得る点から0.01〜3重量部がより好ましい。
【0034】
本発明において水分散剤として使用される化合物としては、ベントナイト、ヘクトライトなどの粘土鉱物、無水シリカがあげられ、これら化合物は単独で、または2種以上を混合して使用できる。ベントナイトとしては、天然ベントナイト、精製ベントナイト、変性ベントナイトなどがあげられる。ヘクトライトとしては、天然ヘクトライト、精製ヘクトライト、変性ヘクトライト、合成ヘクトライトなどがあげられ、その中でも合成ヘクトライトが好ましい。
【0035】
本発明で用いられる水分散剤の含有量は、水の添加量などによって適宜調整されるものであるが、スチレン系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.2〜5重量部である。
【0036】
本発明においては、必要に応じて、熱可塑性樹脂に通常使用される難燃剤を特別に限定することなく使用することができる。例えば、臭素系難燃剤として、ヘキサブロモシクロドデカン、ヘキサブロモシクロオクタンなどの脂肪族あるいは脂環式炭化水素の臭素化物、ヘキサブロモベンゼン、エチレンビスペンタブロモジフェニル、デカブロモジフェニルエタン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、2,3−ジブロモプロピルペンタブロモフェニルエーテルなどの芳香族化合物の臭素化物、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA(2−ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルとトリブロモフェノールとの付加物などの臭素化ビスフェノール類およびその誘導体、テトラブロモビスフェノールAポリカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルとブロモ化ビスフェノールとの付加物のエポキシオリゴマーなどの臭素化ビスフェノール類誘導体オリゴマー、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ビス(2,4,6ートリブロモフェノキシ)エタンなどの臭素系芳香族化合物、エチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミドなどがあげられる。塩素系難燃剤として、塩素化パラフィン、塩素化ナフタレン、パークロロペンタデカンなどの塩素化脂肪族化合物、塩素化芳香族化合物、塩素化脂環式化合物などがあげられる。これら化合物は単独または2種以上を混合して使用できる。
【0037】
また上記難燃剤と共に、分子中に窒素原子を有するリン系化合物(たとえばリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウムなど)、テトラゾール化合物(たとえば5,5’−ビステトラゾール2グアニジン塩など)、シアヌル酸、イソシアヌル酸、シアヌル酸の誘導体、イソシアヌル酸の誘導体(たとえばビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレートなど)、ホウ酸金属塩(たとえばホウ酸亜鉛など)、酸化ホウ素(たとえば三酸化二ホウ素など)、リン酸エステル系化合物(たとえばトリフェニルホスフェートなど)などの難燃助剤も適宜使用することができる。
【0038】
本発明においては、必要に応じて本発明の効果を阻害しない範囲内で、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの無機化合物、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリルアミド系化合物などの滑剤、フェノール系抗酸化剤、リン系安定剤、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類などの耐光性安定剤、他の難燃剤、帯電防止剤、顔料などの着色剤などの添加剤を適宜含有させることができる。
【0039】
本発明のスチレン系樹脂押出発泡体は、▲1▼スチレン系樹脂に、加工助剤、水分散剤、および必要に応じて他の添加剤を混合した後、加熱溶融する、▲2▼スチレン系樹脂を加熱溶融した後に、加工助剤、水分散剤、および必要に応じて他の添加剤を添加混合する、▲3▼あらかじめスチレン系樹脂に、加工助剤、水分散剤、および必要に応じて他の添加剤を混合した後、加熱溶融した組成物を準備し、あらためて押出機に供給し加熱溶融するなどの各種方法で、スチレン系樹脂、加工助剤、水分散剤、および必要に応じて他の添加剤を押出機などの加熱溶融混練手段に供給し、任意の段階で高圧条件下で、発泡剤をスチレン系樹脂に添加し、流動ゲルとなし、押出発泡に適する温度に冷却し、該流動ゲルをダイを通して低圧領域に押出発泡して、発泡体を形成することにより製造される。
【0040】
スチレン系樹脂と発泡剤などの添加剤を加熱溶融混練する際の加熱温度、溶融混練時間および溶融混練手段については特に制限するものではない。加熱温度は、使用するスチレン系樹脂が溶融する温度以上であればよいが、難燃剤などの影響による樹脂の分子劣化ができる限り抑制される温度、たとえば150〜220℃程度が好ましい。溶融混練時間は、単位時間あたりの押出量、溶融混練手段などによって異なるので一概には決定することができないが、スチレン系樹脂と発泡剤が均一に分散混合するのに要する時間が適宜選ばれる。また溶融混練手段としては、例えばスクリュー型の押出機などがあげられるが、通常の押出発泡に用いられているものであれば特に限定はない。ただし、樹脂の分子劣化をできる限り抑えるため、スクリュー形状については、低剪断タイプのスクリューを用いる方が好ましい。
【0041】
また、発泡成形方法も特に制限されないが、例えば、スリットダイより圧力開放して得られた発泡体をスリットダイと密着または接して設置した成形金型および成形ロールなどを用いて、断面積の大きい板状発泡体を成形する一般的な方法を用いることができる。
【0042】
上記のようにして得られる本発明のスチレン系樹脂押出発泡体は、断熱性能、強度物性、難燃性に優れた、軽量のスチレン系樹脂押出発泡体である。特に、本発明の特定の加工助剤の使用によるスチレン系樹脂の溶融特性の向上により、発泡体中のセル形状が球状化するため、発泡体の厚さ方向、巾方向、押出方向の圧縮強度のバラツキが小さいという特徴を有する。
【0043】
ここで、発泡体の厚さ方向、横方向、押出方向の圧縮強度のバラツキは、圧縮強度異方化率で表すことができ、発泡体の厚さ方向の圧縮強度を平面圧縮強度、巾方向の圧縮強度を側面圧縮強度、押出方向の圧縮強度を断面圧縮強度とすると、圧縮強度異方化率は、下式で示されるように、平面圧縮強度を3方向の圧縮強度の積の3乗根で除した値として求めることができる。
圧縮強度異方化率
=平面圧縮強度/(平面圧縮強度×側面圧縮強度×断面圧縮強度)1/3
【0044】
圧縮強度異方化率が「1.0」に近いほど、発泡体の平面圧縮強度、側面圧縮強度、断面圧縮強度のバラツキが小さいことを示す。
【0045】
本発明の発泡体の圧縮強度異方化率は、好ましくは2.0以下であり、より好ましくは1.5以下である。
【0046】
本発明のスチレン系樹脂押出発泡体は、水を発泡剤として有効に活用した断熱性能、強度物性、難燃性に優れた、軽量のスチレン系樹脂押出発泡体であって、断熱材、構造材としてきわめて有用な物である。
【0047】
【実施例】
次に本発明のスチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法を実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0048】
得られた発泡体の特性として、発泡体密度、発泡体断面積、発泡体熱伝導率、発泡体圧縮強度、圧縮強度異方化率、発泡体燃焼性を下記の方法にしたがって調べた。各特性の測定は、とくに断らない限り、製造直後の発泡体について行なった。
【0049】
(1)発泡体密度(kg/m3)
発泡体密度は、次の式に基づいて求め、単位をkg/m3に換算して示した。
発泡体密度(g/cm3)=発泡体重量(g)/発泡体体積(cm3)
【0050】
(2)発泡体断面積(cm2)
発泡体の断面積を紙に平行に投影し、投影部分を切り抜き、投影部分の紙の重量を秤量し、投影部分の紙の重量を紙の単位面積当たりの重量で除して発泡体の断面積を算出した。
発泡体の断面積(cm2)
=投影部分の紙の重量(g)÷ 紙の単位面積当たりの重量(g/cm2)
【0051】
(3)発泡体熱伝導率(W/mK)
JIS A 9511に準じて測定した。測定は製造後30日経過した発泡体について行なった。
なお、JIS A 9511に規定される押出法ポリスチレンフォーム保温板の熱伝導率の規格は、押出法ポリスチレンフォーム保温板2aまたは2b種については0.034W/mK以下、押出法ポリスチレンフォーム保温板3aまたは3b種については0.028W/mK以下である。
【0052】
(4)発泡体圧縮強度(N/cm2)
JIS A 9511に準じて測定した。
発泡体の厚さ方向の圧縮強度を平面圧縮強度、巾方向の圧縮強度を側面圧縮強度、押出方向の圧縮強度を断面圧縮強度とした。
【0053】
(5)圧縮強度異方化率
圧縮強度異方化率を下式にしたがって算出した。
圧縮強度異方化率
=平面圧縮強度/(平面圧縮強度×側面圧縮強度×断面圧縮強度)1/3
【0054】
(6)発泡体燃焼性
JIS A 9511に規定される測定方法Aに準じて測定した。測定は製造後7日経過した発泡体について行なった。
「3秒以内に炎が消えて、残じんがなく燃焼限界指示線を超えて燃焼しないこと」という基準を満たしておれば、○(合格)とし、この基準に達しない場合は、×(不合格)とした。
【0055】
実施例1
ポリスチレン樹脂(エー・アンド・エム スチレン(株)製、商品名:スタイロンG9401、重量平均分子量30万、以下同様)100重量部に対して、ハロゲン系難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカン(以下「HBCD」と略称する)3.0重量部、トリフェニルホスフェート(以下「TPP」と略称する)0.2重量部、加工助剤としてメタクリル酸メチル−アクリル酸ブチル共重合体(イギリス国ロックウッド社製ラポナイトXLG、メタクリル酸メチル98重量%、アクリル酸ブチル2重量%からなり、重量平均分子量が150万のもの、以下「MMA−BA共重合体」と略称する)1.0重量部、造核剤としてタルク0.05重量部、滑剤としてステアリン酸金属塩0.3重量部、水分散剤として合成ヘクトライト0.3重量部、無水シリカ0.2重量部、フェノール系安定剤0.2重量部をドライブレンドし、得られた樹脂混合物を口径65mmのものと、口径90mmのものを直列に連結した二軸押出機へ約50kg/hrの割合で供給した。
【0056】
前記口径65mmの押出機に供給した樹脂混合物を、200℃に加熱して溶融ないし可塑化、混練し、これに連結された口径90mmの押出機で樹脂温度を120℃に冷却し、口径90mmの押出機の先端に設けた厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形断面の口金より大気中へ押し出し発泡体を得た。
【0057】
このとき発泡剤として、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、イソブタン3.0重量部、ジメチルエーテル2.0重量部、水0.5重量部(発泡剤全量100重量%に対し、イソブタン55重量%,ジメチルエーテル36重量%,水9重量%)の発泡剤をそれぞれ別のラインにて、前記口径65mmの押出機の先端付近(口径90mmの押出機の口金と反対側の端部側に接続される側の側部)から前記樹脂中に圧入した。
【0058】
得られた発泡体は、発泡体密度が31kg/m3、発泡体の断面積が75cm2、平面圧縮強度が45N/cm2、圧縮強度異方化率が1.4であり、発泡体の断面積が大きく、かつ圧縮強度異方化率が小さく、発泡性能、強度特性に優れるものであった。さらに該発泡体の熱伝導率は0.032W/mKであり、燃焼性についてもJIS A 9511に規定される押出法ポリスチレンフォーム保温板についての基準(測定方法A)を満たしており、断熱性および難燃性のいずれも、JIS A 9511に規定される押出法ポリスチレンフォーム保温板2aまたは2b種の規格を満たす発泡体であった。
【0059】
実施例2
実施例1において、加工助剤をメタクリル酸メチル−メタクリル酸ブチル共重合体(メタクリル酸メチル80重量%、メタクリル酸ブチル20重量%からなり、重量平均分子量が160万のもの、以下「MMA−MBA共重合体」と略称する)に変更した他は実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
【0060】
得られた発泡体は、発泡体密度が31kg/m3、発泡体の断面積が70cm2、平面圧縮強度が45N/cm2、圧縮強度異方化率が1.4であり、発泡体の断面積が大きく、かつ圧縮強度異方化率が小さく、発泡性、強度特性に優れるものであった。さらに該発泡体の熱伝導率は0.032W/mKであり、燃焼性についてもJIS A 9511に規定される押出法ポリスチレンフォーム保温板についての基準(測定方法A)を満たしており、断熱性および難燃性のいずれも、JIS A 9511に規定される押出法ポリスチレンフォーム保温板2aまたは2b種の規格を満たす発泡体であった。
【0061】
実施例3
実施例1において、加工助剤をスチレン−アクリル酸ブチル共重合体(スチレン80重量%、アクリル酸ブチル20重量%からなり、重量平均分子量が150万のもの、以下「S−BA共重合体」と略称する)に変更した他は実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
【0062】
得られた発泡体は、発泡体密度が30kg/m3、発泡体の断面積が72cm2、平面圧縮強度が44N/cm2、圧縮強度異方化率が1.4であり、発泡体の断面積が大きく、かつ圧縮強度異方化率が小さく、発泡性、強度特性に優れるものであった。さらに該発泡体の熱伝導率は0.033W/mKであり、燃焼性についてもJIS A 9511に規定される押出法ポリスチレンフォーム保温板についての基準(測定方法A)を満たしており、断熱性および難燃性のいずれも、JIS A 9511に規定される押出法ポリスチレンフォーム保温板2aまたは2b種の規格を満たす発泡体であった。
【0063】
実施例4
実施例1において、ポリスチレン樹脂100重量部に対し、発泡剤としてイソブタン3.5重量部、ジメチルエーテル2.0重量部、水1.0重量部(発泡剤全量100重量%に対し、イソブタン54重量%,ジメチルエーテル31重量%,水15重量%)を使用し、加工助剤としてポリテトラフルオロエチレン重合体粒子(ダイキン工業(株)製ルブロンL15、以下「PTFE」と略称する)0.05重量部、滑剤としてステアリン酸金属塩0.3重量部、水分散剤として精製ベントナイト(ホージュン(株)製ベンゲル23、以下同様)1.0重量部、無水シリカ0.1重量部、難燃剤としてHBCD3.5重量部、TPP0.5重量部、フェノール系安定剤0.2重量部を使用した他は実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
【0064】
得られた発泡体は、発泡体密度が29kg/m3、発泡体の断面積が75cm2、平面圧縮強度が52N/cm2、圧縮強度異方化率が1.3であり、発泡体の断面積が大きく、かつ圧縮強度異方化率が小さく、発泡性、強度特性に優れるものであった。さらに該発泡体の熱伝導率は0.027W/mKであり、燃焼性についてもJIS A 9511に規定される押出法ポリスチレンフォーム保温板についての基準(測定方法A)を満たしており、断熱性および難燃性のいずれも、JIS A 9511に規定される押出法ポリスチレンフォーム保温板3aまたは3b種の規格を満たす発泡体であった。
【0065】
実施例5
実施例1において、ポリスチレン樹脂100重量部に対し、発泡剤としてイソブタン3.5重量部、ジメチルエーテル2重量部、水1重量部(発泡剤全量100重量%に対し、イソブタン54重量%,ジメチルエーテル31重量%,水15重量%)を使用し、加工助剤としてアクリル系重合体変性ポリテトラフルオロエチレン重合体粒子(三菱レイヨン(株)製メタブレンA3000、以下「アクリル変性PTFE」という)0.05重量部、滑剤としてステアリン酸金属塩0.3重量部、水分散剤としてベントナイト1.0重量部、無水シリカ0.1重量部、難燃剤としてHBCD3.5重量部、TPP0.5重量部、フェノール系安定剤0.2重量部を使用した他は実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
【0066】
得られた発泡体は、発泡体密度が29kg/m3、発泡体の断面積が80cm2、平面圧縮強度が51N/cm2、圧縮強度異方化率が1.3であり、発泡体の断面積が大きく、かつ圧縮強度異方化率が小さく、発泡性、強度特性に優れるものであった。さらに該発泡体の熱伝導率は0.027W/mKであり、燃焼性についてもJIS A 9511に規定される押出法ポリスチレンフォーム保温板についての基準(測定方法A)を満たしており、断熱性および難燃性のいずれも、JIS A 9511に規定される押出法ポリスチレンフォーム保温板3aまたは3b種の規格を満たす発泡体であった。
【0067】
実施例6
実施例1において、ポリスチレン樹脂100重量部に対し、イソブタン3.5重量部、塩化メチル3.0重量部、水1.0重量部(発泡剤全量100重量%に対し、イソブタン47重量%,塩化メチル40重量%,水13重量%)を使用し、加工助剤としてアクリル変性PTFE0.05重量部、滑剤としてステアリン酸金属塩0.3重量部、水分散剤として合成ヘクトライト0.3重量部、無水シリカ0.2重量部、難燃剤としてHBCD3.5重量部、TPP0.5重量部、フェノール系安定剤0.2重量部を使用した他は実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
【0068】
得られた発泡体は、発泡体密度が29kg/m3、発泡体の断面積が80cm2、平面圧縮強度が50N/cm2、圧縮強度異方化率が1.2であり、発泡体の断面積が大きく、かつ圧縮強度異方化率が小さく、発泡性、強度特性に優れるものであった。さらに該発泡体の熱伝導率は0.026W/mKであり、燃焼性についてもJIS A 9511に規定される押出法ポリスチレンフォーム保温板についての基準(測定方法A)を満たしており、断熱性および難燃性のいずれも、JIS A 9511に規定される押出法ポリスチレンフォーム保温板3aまたは3b種の規格を満たす発泡体であった。
【0069】
比較例1
実施例1において水分散剤の合成ヘクトライト、無水シリカを使用しない他は実施例1と同様の条件で押出発泡成形を行ったところ、押出状態が不安定であり、得られた発泡体の内部に気孔が見られ、商品価値の低いものであった。
【0070】
比較例2
実施例1において加工助剤を使用しない他は実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。得られた発泡体は、押出法ポリスチレンフォーム保温板2aまたは2b種の規格を満たす断熱性、難燃性を有するものであったが、実施例1〜6で得られた発泡体と比較すると発泡体の断面積が小さく、圧縮強度異方化率も大きく、発泡性能、強度物性に劣るものであった。
【0071】
【表1】
【0072】
【発明の効果】
本発明のスチレン系樹脂押出発泡体は、水を発泡剤として有効に活用した断熱性能、強度物性、難燃性能に優れた、軽量のスチレン系樹脂押出発泡体であって、断熱材、構造材としてきわめて有用な物である。
Claims (7)
- 重量平均分子量が15万〜40万のスチレン系樹脂を押出発泡してなるスチレン系樹脂押出発泡体であって、発泡剤として、(a)水、(b)ジメチルエーテルおよび/または塩化アルキル、ならびに、(c)炭素数が3〜5の飽和炭化水素の少なくとも1種からなる混合発泡剤を使用し、アクリル系高分子共重合体、テトラフルオロエチレン系重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の加工助剤、ならびに、ベントナイト、ヘクトライト、無水シリカよりなる群から選ばれる少なくとも1種の水分散剤を含有してなることを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体。
- 発泡体密度が20〜35kg/m3、発泡体厚さが10〜100mmである請求項1に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
- スチレン系樹脂100重量部に対し、混合発泡剤を5〜10重量部使用し、混合発泡剤が、発泡剤全量100重量%に対して、水5〜30重量%、ジメチルエーテルおよび/または塩化アルキル5〜50重量%、ならびに、炭素数が3〜5の飽和炭化水素の少なくとも1種20〜90重量%からなる請求項1または2に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
- スチレン系樹脂100重量部に対して、加工助剤を0.01〜5重量部、水分散剤を0.1〜10重量部含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
- 炭素数が3〜5の飽和炭化水素が、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の飽和炭化水素である請求項1〜4のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
- アクリル系高分子共重合体が、重量平均分子量50万以上のスチレンとアクリル酸ブチルの共重合体、メタクリル酸メチルとメタクリル酸ブチルの共重合体、メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルの共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、テトラフルオロエチレン系重合体が、ポリテトラフルオロエチレン重合体、アクリル系重合体変性テトラフルオロエチレン系重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
- スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を該スチレン系樹脂に添加し、ダイを通して押出発泡するスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、重量平均分子量が15万〜40万のスチレン系樹脂に、アクリル系高分子共重合体、テトラフルオロエチレン系重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の加工助剤、ならびに、ベントナイト、ヘクトライト、無水シリカよりなる群から選ばれる少なくとも1種の水分散剤、さらに、発泡剤として、(a)水、(b)ジメチルエーテルおよび/または塩化アルキル、ならびに、(c)炭素数が3〜5の飽和炭化水素の少なくとも1種からなる混合発泡剤を共存させて押出発泡することを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
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