JP2004331512A - 化粧料組成物 - Google Patents

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JP2004331512A JP2003125195A JP2003125195A JP2004331512A JP 2004331512 A JP2004331512 A JP 2004331512A JP 2003125195 A JP2003125195 A JP 2003125195A JP 2003125195 A JP2003125195 A JP 2003125195A JP 2004331512 A JP2004331512 A JP 2004331512A
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Akimi Kadota
暁美 門田
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RASHERU SEIYAKU KK
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Abstract

【課題】優れた抗炎症作用、抗酸化作用及びメラニン生成抑制作用などを有し、シワ、シミ、にきび、皮膚炎などの皮膚に生じる様々なトラブルを未然に防止又は抑制することができる化粧料組成物を提供すること。
【解決手段】ヘマトコッカス属(Haematococcus)に属する緑藻の抽出物と粗黒糖抽出物とを含有してなることを特徴とする化粧料組成物とする。前記ヘマトコッカス属(Haematococcus)に属する緑藻の抽出物としては、アスタキサンチン及び/又はアスタキサンチンのエステル誘導体が好ましく、前記粗黒糖抽出物としては、メトキシフェニル−O−D−グルコースが好ましい。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は化粧料組成物に関し、その目的は、優れた抗炎症作用、抗酸化作用及びメラニン生成抑制作用などによる美肌効果を有し、シワ、シミ、にきび、皮膚炎などの皮膚に生じる様々なトラブルを未然に防止又は抑制することができる化粧料組成物を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】
脂漏性皮膚疾患の一種であるニキビは、程度の差こそあれ思春期男女の約80%に発生がみられる。ニキビの発生原因は男性ホルモンの一種であるテストステロンの分泌量の増加による活発な皮脂分泌にあるとされる。そして、皮脂中に存在するアクネ桿菌の作用により炎症が発生し、また黄色ブドウ球菌の作用により化膿が発生して症状は悪化する。
【0003】
ニキビの予防には、原因となる皮脂や汚れを除去するために入念な洗顔が求められる。また、ニキビ専用の外用剤も市販されており、このような外用剤には、毛孔の狭くなった角質を除去するための角質溶解・剥離剤、或いはアクネ桿菌や黄色ブドウ球菌等に対する殺菌剤等が配合されている。
【0004】
また、近年、アトピー性皮膚炎を発症する患者の数が急増している。アトピー性皮膚炎は、アレルギー反応の一種であり、顕著な痒感を伴う。
アトピー性皮膚炎の治療には抗ヒスタミン剤の内服、或いは皮膚に対する副腎皮質ホルモン軟膏の塗布等が行われているが、いずれも副作用が伴い、また十分な効果を示さない場合がる。
【0005】
上記したような様々な皮膚のトラブルの解消又はその症状の緩和には粗黒糖の天然黒色色素成分が有効であることが知られている。
粗黒糖の天然黒色色素成分を含有する化粧料としては、例えば、ショ糖から抽出した黒色色素成分と化粧料用基剤とからなる化粧料(特許文献1参照)や、ショ糖の黒色色素成分を含有する皮膚炎症用外用剤(特許文献2参照)などが知られている。
【0006】
【特許文献1】
特公昭59−48809号公報
【特許文献2】
特公平4−69613号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した粗黒糖の色素成分を含有する化粧料には、以下のような問題が存在した。即ち、上記した粗黒糖の色素成分は、抗炎症抑制作用などを有するものであるが、その効果は依然として満足することができるものではなかった。
【0008】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、粗黒糖抽出物にヘマトコッカス属に属する緑藻を加えることにより、それぞれ単独で用いた場合と比較して、抗炎症作用、抗酸化作用及びメラニン生成抑制作用などが大幅に上昇することを見出し、本発明の完成に至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、ヘマトコッカス属(Haematococcus)に属する緑藻と粗黒糖抽出物とを含有してなることを特徴とする化粧料組成物に関する。
請求項2に係る発明は、ヘマトコッカス属(Haematococcus)に属する緑藻の抽出物と粗黒糖抽出物とを含有してなることを特徴とする化粧料組成物に関する。
請求項3に係る発明は、前記ヘマトコッカス属(Haematococcus)に属する緑藻の抽出物が、一般式3(化3)で示されるアスタキサンチン及び/又はアスタキサンチンのエステル誘導体であることを特徴とする請求項2に記載の化粧料組成物に関する。
【化3】
Figure 2004331512
(但し、R及びRは水素原子又は炭素数1〜20のアシル基である。)
請求項4に係る発明は、前記粗黒糖抽出物が一般式4(化4)で示されるメトキシフェニル−O−D−グルコースであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の化粧料組成物に関する。
【化4】
Figure 2004331512
(但し、R〜Rはメトキシ基又は水素原子であり、R〜Rのうちの少なくとも一つはメトキシ基である。)
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る化粧料組成物について詳述する。本発明に係る化粧料組成物は、ヘマトコッカス属に属する緑藻と粗黒糖抽出物とを必須成分として含有する。
本発明に係る化粧料組成物は、ヘマトコッカス属に属する緑藻と粗黒糖抽出物とを必須成分として含有することにより、優れた抗炎症作用、抗酸化作用及びメラニン生成抑制作用等を示すことができる。従って、本発明に係る化粧料組成物は、シワ、シミ、にきび、皮膚炎などの皮膚に生じる様々なトラブルを未然に防止又は抑制することができる。
【0011】
本発明に係る化粧料組成物の第一の必須成分は、ヘマトコッカス属(Haematococcus)に属する緑藻である。ヘマトコッカス属に属する緑藻は、クラミドモナス目(Chlamydomonadales)に属する緑藻である。2本または4本の等長鞭毛をもち、葉緑体はクロロフィルやβ−カロチンを含む。
ヘマトコッカス属に属する緑藻としては、ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)を例示することができる。
【0012】
本発明では、ヘマトコッカス属に属する緑藻を含有すればよく、好ましくは、全藻の乾燥粉砕物が用いられる。
さらに、本発明では、ヘマトコッカス属に属する緑藻の抽出物を用いることもできる。ヘマトコッカス属に属する緑藻の抽出物(以下、ヘマトコッカス藻抽出物という場合がある。)を得る方法は特に限定されず、例えば、以下のような方法を例示することができる。
【0013】
まず、ヘマトコッカス属に属する緑藻の乾燥粉砕物に、抽出溶媒を加えて、所要温度で所要時間抽出する。用いられる抽出溶媒は特に限定されず、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブタノール、n−オクタノール等のアルコール類、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレンブリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等の多価アルコール又はその誘導体、アセトン、メチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−プロピルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等エステル類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル等のエーテル類、石油エーテル、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−ブタン、n−オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類などを例示することができる。
特に本発明では、水、エタノール、アセトン、ヘキサンのうちの二種以上の混合溶媒が好ましい。
【0014】
抽出温度は特に限定されないが、室温から溶媒の沸点程度の温度域を例示することができ、室温程度の温度帯が好ましい。
また抽出時間も特に限定されるものではなく、抽出温度と抽出方法の態様によって適宜任意に設定すればよい。例えば、室温程度の温度域で攪拌抽出する場合、抽出時間は1時間から24時間程度とされ、室温程度の温度域で浸漬抽出する場合、抽出時間は5時間から30日程度とされる。
【0015】
次に、濾過などによって抽出液を回収した後に、抽出溶媒を除去することによって、ヘマトコッカス藻抽出物を得ることができる。
抽出溶媒を除去する方法は、特に限定されず、例えば凍結乾燥、噴霧乾燥、減圧留去等を例示することができる。
【0016】
特に本発明では、ヘマトコッカス藻抽出物として、一般式5(化5)に示されるアスタキサンチン及び/又はアスタキサンチンのエステル誘導体が含有されている抽出物を用いることが好ましい。
アスタキサンチンは、キサントフィル類に属するカロチノイドである。サケ、イクラ、スジコ、マス、エビ、カニなどの魚介類に含まれている赤色色素である。アスタキサンチンは抗酸化作用、活性酸素除去作用、抗炎症作用、色素沈着防止作用、メラニン生成抑制作用などを有しており、特にアスタキサンチンの抗酸化作用は、ビタミンEの約100〜1000倍、β−カロチンの約3〜40倍といわれている。
【化5】
Figure 2004331512
(但し、R及びRは水素原子又は炭素数2〜20のアシル基である。)
【0017】
ヘマトコッカス属に属する緑藻の含有量は特に限定されないが、化粧料組成物全量中、0.001〜0.5重量%、より好ましくは0.01〜0.1重量%とされる。0.001重量%未満の含有量では、ヘマトコッカス属に属する緑藻の含有による効果が得られない場合がある。0.5重量%を超えて含有しても、それ以上の効果が得られない場合がある。
【0018】
本発明に係る化粧料組成物の第二の必須成分は粗黒糖抽出物である。本発明では粗黒糖抽出物として、粗黒糖の色素成分を使用することが好ましい。
粗黒糖抽出物を調製する方法は特に限定されず、以下のような方法を例示することができる。
まず、原料である粗黒糖(ショ糖の未精製品(黒砂糖))を適当量の水に溶解して、これを吸着剤に接触させて色素成分を吸着させる。吸着剤を水洗して糖分を除去した後に、吸着した色素成分を溶離させることによって、粗黒糖の色素成分を抽出することができる。
【0019】
粗黒糖抽出物を抽出する際に用いられる吸着剤は特に限定されず、非極性のポリスチレン系吸着剤を例示することができ、具体的には、アンバーライトXAD−1、アンバーライトXAD−2(いずれも商品名、ロームアンドハース社製)、セルバクロムXAD−2(商品名、セルバ社製)、ダイヤイオンHP20、ダイヤイオンHP21、セパビーズSP825、セパビーズSP850、セパビーズSP70、セパビーズSP700(いずれも商品名、三菱化学社製)等を例示することができる。
吸着剤の使用量は特に限定されず、色素成分の30〜300重量倍、より好ましくは50〜200重量倍程度とされる。
【0020】
色素成分を溶離させる際に使用される溶媒としては、メタノール、エタノールなどの低級アルコール又は含水低級アルコールが好ましく用いられる。色素成分を溶離するには、まず、20〜30%程度の低濃度の低級アルコールで溶離を行い、溶離液の着色が殆ど認められなくなってから、95〜99%程度の高濃度の低級アルコールで溶離させることが好ましい。
回収した溶離液から溶媒を除去することで、粗黒糖抽出物を得ることができる。
【0021】
色素成分を調製する別の方法について例示すると、まず粗黒糖を抽出液としてメタノール、エタノール等の低級アルコールに懸濁させて、不溶の糖分を濾過等によって除去する。次いで、抽出溶媒を除去することによって、色素成分を回収することができる。
【0022】
特に本発明では、粗黒糖抽出物として、一般式6(化6)で示されるメトキシフェニル−O−D−グルコースを用いることが好ましい。
【化6】
Figure 2004331512
(但し、式中、R〜Rはメトキシ基又は水素原子であり、R〜Rのうちの少なくとも一つはメトキシ基である。)
【0023】
メトキシフェニル−O−D−グルコースとしては、以下のようなメトキシフェニル−O−D−グルコースを例示することができる。
【0024】
【化7】
Figure 2004331512
2,5−ジメトキシフェニル−O−D−グルコース
【0025】
【化8】
Figure 2004331512
3,4−ジメトキシフェニル−O−D−グルコース
【0026】
【化9】
Figure 2004331512
2,4,5−トリメトキシフェニル−O−D−グルコース
【0027】
本発明において、粗黒糖抽出物として、上記したメトキシフェニル−O−D−グルコースの一種又は二種以上を含有することが好ましいが、2,5−ジメトキシフェニル−O−D−グルコースと3,4−ジメトキシフェニル−O−D−グルコースを含有することがより好ましく、三種類のメトキシフェニル−O−D−グルコースを含有することがさらに好ましい。
この理由は、二種又は三種のメトキシフェニル−O−D−グルコースを含有することにより、より高い抗炎症作用、抗酸化作用及びメラニン生成抑制作用を有するからである。
【0028】
粗黒糖抽出物の含有量は特に限定されないが、化粧料組成物全量中、0.0001〜0.5重量%、より好ましくは0.001〜0.01重量%とされる。0.0001重量%未満の含有量では、粗黒糖抽出物の配合による効果が得られない場合がある。0.5重量%を超えて含有しても、それ以上の効果が得られない場合がある。
【0029】
さらに、本発明に係る化粧料組成物では前記必須成分以外に、この発明の効果を損なわない範囲内で、ビタミン類、ヒアルロン酸ナトリウム等の保湿剤、増粘剤、界面活性剤、湿潤剤、香料、色素、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、アミノ酸類、各種動植物抽出物、胎盤抽出物などを適宜任意に組み合わせて配合することもできる。
【0030】
本発明に係る化粧料組成物の剤型は特に限定されず、皮膚用化粧料や頭髪用化粧料などを例示することができる。具体的には、ローション、乳液、クレンジングクリーム、マッサージクリーム、エモリエントクリーム等のクリーム類、パック類等の基礎化粧品、或いはファンデーション、口紅、頬紅、アイシャドー、おしろい等のメークアップ化粧品等を例示することができる。また石鹸、洗顔クリーム、ボディローション、ボディーシャンプー、シャンプー、入浴剤等を例示することもできる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(試料の調製)
ポリスチレン系樹脂(アンバーライトXAD,2500g)を水1リットルに分散させて充填した内径8cmのカラムに、黒砂糖5kgを水25リットルに溶解した溶液を注入して、20mL/分の速度で流下させ黒砂糖の天然黒色成分を吸着させた。
次に、水を流下させ甘味の全くなくなるまで水洗した後、20%メタノールを10mL/分の速度で流下させ吸着剤から色素を溶離させた。流下液に着色がなくなるまで流下を続け展開液を混合し、60℃以下で減圧蒸発乾固して、甘味の全くない褐色残留物約20gを得た。
これを2リットルの純エタノールに加熱して溶解し、冷却後、析出した沈殿物を濾別し、濾液を60℃以下で減圧濃縮し、その残留物を60℃以下で乾燥することにより甘味の全くない黒砂糖の天然黒色成分からなる褐色粉末を得た。これを試料1とした。
得られた褐色粉末をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製、分離して2,5−ジメトキシフェニル−4’−O−D−グルコース、2,4,5−トリメトキシフェニル−4’−O−D−グルコース、3,4−ジメトキシフェニル−4’−O−D−グルコースを得た。2,5−ジメトキシフェニル−4’−O−D−グルコースを試料2とし、2,4,5−トリメトキシフェニル−4’−O−D−グルコースを試料3とし、3,4−ジメトキシフェニル−4’−O−D−グルコースを試料4とした。
また市販のヘマトコッカス藻抽出物を試料5とした。
【0032】
試料1乃至5を表1に記載の割合で混合することにより、実施例1乃至7の試料を調製した。また試料1乃至5をそれぞれ比較例1乃至5の試料とした。
【表1】
Figure 2004331512
【0033】
(試験例1;メラニン生成抑制試験)
以下に記載の方法に従って、メラニン生成抑制試験を行った。
試験方法は、まず、B16メラノーマ細胞を24時間培養し、この培養液を、各試料を添加した培養液(試料濃度;0.025%となるように調整)に交換した。尚、ブランクとしては、精製水を添加した。
3日間培養した後、この細胞をトリプシンで処理し、10%DMSOを含む1N−NaOH溶液で加熱溶解して420nmにおける吸光度を測定した。同時にMTT還元法にて細胞数を測定し、ブランク群と試料添加群の生存細胞数に差がないことを確認した上で、ブランク細胞のメラニン生成量に対する抑制率(%)を数1により求めた。結果を表2に記載する。
【0034】
【数1】
Figure 2004331512
【0035】
【表2】
Figure 2004331512
【0036】
表2に示される通り、粗黒糖抽出物とヘマトコッカス藻抽出物を含有する各実施例の試料はいずれも、粗黒糖抽出物又はヘマトコッカス藻抽出物のみを含有する各比較例の試料に比べて、高いメラニン生成抑制能を有することが確認された。
【0037】
(試験例2;抗炎症作用確認試験)
以下の試験方法によって、抗炎症作用確認試験を行った。尚、この試験は、血小板中に存在するシクロオキシゲナーゼ及びリポキシゲナーゼの作用を指標とした試験方法である。即ち、シクロオキシゲナーゼはアラキドン酸をTXB及びHHTに代謝し、リポキシゲナーゼはアラキドン酸を12−HETEに代謝する。皮膚炎症が起きると、シクロオキシゲナーゼによるアラキドン酸の代謝産物であるTXB及びHHTの産生量が増加することが知られており、TXB及びHHTの生成量によって、抗炎症作用の有無及びその程度を評価することができる。
【0038】
試験方法は、Wister−King系ラット(250〜350g)から血液を採取し、抗凝固剤としてEDTA(5.8mM)を添加した。この血液を220gで10分間遠心分離し、その上澄みをさらに1500gで10分間遠心分離した。沈殿した血小板を2mMのEGTAを含むHEPES−生食緩衝液(HEPES−25mM,NaCl−135mM,pH7.4)で二回洗浄した。この洗浄血小板液に対して実施例1乃至7及び比較例1乃至5の各試料を表3乃至8に記載の濃度(μg/ml)で加えたものを37℃、5分間プレインキュベートした。その後、1−C14−アラキドン酸を加えて5分間インキュベートした。ギ酸で反応を止めて酢酸エチルによりアラキドン酸代謝物を抽出した。抽出液を窒素ガスで乾固した。これに少量の酢酸エチルを加えてシリカゲル薄層クロマトグラフィーで分離して定量した。(展開液;クロロホルム:メタノール:酢酸:水=90:8:1:0.8)
放射活性物質はオートラジオグラフィーで検出しそのスポットを切り取り、放射活性を液体シンチレーションカウンターで定量した。実施例1乃至7及び比較例1乃至5の試料を添加しない場合を対照例として、対照例に対する各実施例及び比較例の試料を添加した場合の生成物の割合(%)を算出した。結果を表3乃至8に記載する。
【0039】
【表3】
Figure 2004331512
【0040】
【表4】
Figure 2004331512
【0041】
【表5】
Figure 2004331512
【0042】
【表6】
Figure 2004331512
【0043】
【表7】
Figure 2004331512
【0044】
【表8】
Figure 2004331512
【0045】
表3乃至8に示される通り、各実施例の試料は、いずれもTXB及びHHTの生成を抑制しており、粗黒糖抽出物とヘマトコッカス藻抽出物を含有する各実施例の試料はいずれも、粗黒糖抽出物又はヘマトコッカス藻抽出物のみを含有する各比較例の試料に比べて、高い抗炎症作用を有することが確認された。
【0046】
(試験例3;過酸化脂質生成抑制試験)
上記調製した実施例1〜7及び比較例1〜5の試料を用いて、以下の試験方法により過酸化脂質生成抑制試験を行った。以下の評価方法は、抗腫瘍薬の一種であるアドリアマイシンの副作用を利用した評価方法であり、具体的にはアドリアマイシンが心臓における脂質代謝を阻害して過酸化脂質を蓄積させるという副作用を利用した評価方法である。
まず実施例1〜7及び比較例1〜5の各試料を表9又は表10に示す濃度となるように0.9%生理食塩水又は1%ツゥイーン80含有0.9%生理食塩水に懸濁させたそれぞれの各試料溶液をCOF系雄性マウス(5週齢、体重20〜25g)5匹づつに、体重10g当たり0.10mlの割合で5日間連続、毎日正午に腹腔内投与した。各試料溶液投与2日目から、アドリアマイシン(協和醗酵工業社製)を体重10g当たり0.15mlの割合で腹腔内投与した。
尚、アドリアマイシンは各試料溶液投与3時間後に投与した。また、対照例のマウスには各試料溶液の代わりに0.9%生理食塩水を投与した。過酸化脂質の測定は、各マウスを6日目に頸椎脱臼により屠殺した後に速やかに心臓及び肝臓を摘出し、湿重量を測定した。次に氷冷下ポッター型ホモジナイザーにより、0.9%生理食塩水を用いて2%ホモジネート液を調製した。この2%ホモジネート液0.2mlに3%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液0.5mlを加え、約30秒間振盪混合した。これに、酢酸緩衝液(pH3.6)1.5ml、0.8%チオバルビツウル酸溶液1.5mlを加え、蒸留水を用いて全量を4.0mlとした。約30秒間よく振盪して混合した後、オイルバスを用いて95℃、60分間加熱し、5分間流水により冷却した。次に、0.2N塩酸1.0ml、n−ブタノール:ピリジン(15:1)混合溶液5.0mlを加え、激しく振盪した後、15分間、3000rpmで遠心分離を行った。上層のn−ブタノール層を分取した後、蛍光分光光度計(Ex515nm,Em553nm)を用いて蛍光度を測定した。前もってマロンアルデヒド標準液を用いて作成した検量線を用いて、過酸化脂質含有量を求め、次式2(数2)に基づいて過酸化脂質生成抑制率を算出した。結果を表9及び10に記載する。
【数2】
Figure 2004331512
A:何も投与しないグループの過酸化脂質濃度
B:対照例の過酸化脂質濃度
C:アドリアマイシン及び実施例の試料溶液を投与したグループの過酸化脂質濃度
【0047】
【表9】
Figure 2004331512
【0048】
【表10】
Figure 2004331512
【0049】
表9及び10に示されるとおり、実施例1〜7の試料を投与したマウスは比較例1〜5の各試料を投与したマウスと比較して、大幅に過酸化脂質の生成量が低下しており、粗黒糖抽出物とヘマトコッカス藻抽出物を含有する各実施例の試料はいずれも、粗黒糖抽出物又はヘマトコッカス藻抽出物のみを含有する各比較例の試料に比べて、高い過酸化脂質の生成を抑制する作用を有することが分かる。
【0050】
以下、本発明に係る化粧料組成物の処方例を示す。
(処方例1;乳液)
自己乳化型グリセロールモノステアレート 1.11
ポリオキシエチレンセチールエーテル 1.89
MCステアリン酸 2.00
セタノール 1.00
イソプロピルミリステイト 2.00
パラオキシ安息香酸メチルエステル 0.20
粗黒砂糖の色素成分 0.01
アスタキサンチン 0.01
香料 適 量
防腐剤 適 量
精製水 残 部
合計 100.0重量%
【0051】
(処方例2;栄養クリーム)
スクワラン 4.00
セチルイソオクタノレート 2.50
セチルアルコール 1.00
ステアリン酸 1.00
ソルビタンモノオレート 0.50
ポリオキシエチレンステアリン酸エステル 2.50
プロピレングリコール 8.00
ソルビノール 2.00
水酸化カリウム 0.10
アスタキサンチン 0.01
粗黒砂糖の色素成分 0.01
香料 適 量
防腐剤 適 量
精製水 残 部
合計 100.0重量%
【0052】
(処方例3;乳化性パック)
流動パラフィン 5.00
ソルビタンモノオレエート 1.00
ポリオキシエチレンモノオレーエート 1.50
セタノール 1.00
エタノール 1.00
ポリビニルアルコール 14.00
ピロリドンカルボン酸ナトリウム塩 5.00
アスタキサンチン 0.01
粗黒砂糖の色素成分 0.01
香料 適 量
防腐剤 適 量
精製水 残 部
合計 100.0重量%
【0053】
(処方例4;ボディシャンプー)
Figure 2004331512
【0054】
(処方例5;薬用クレンジングクリーム)
軽質流動パラフィン 35.00
ミツロウ 8.00
パルミチン酸セチル 3.00
ラノリン 1.00
セスキオレイン酸ソルビタン 2.00
ポリオキシエチレン(20)ソルビットミツロウ 4.50
70%ソルビトール 4.00
アスタキサンチン 0.01
2,5−ジメトキシフェニル−4’−O−D−グルコース 0.008
香料 適 量
防腐剤・酸化防止剤 適 量
精製水 残 部
合計 100.00重量%
【0055】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明に係る化粧料組成物は、必須成分としてヘマトコッカス属に属する緑藻と粗黒糖抽出物とを含有するから、優れた抗炎症作用、抗酸化作用及びメラニン生成抑制作用などによる美肌効果を有し、シワ、シミ、にきび、皮膚炎などの皮膚に生じる様々なトラブルを未然に防止又は抑制することができる。

Claims (4)

  1. ヘマトコッカス属(Haematococcus)に属する緑藻と粗黒糖抽出物とを含有してなることを特徴とする化粧料組成物。
  2. ヘマトコッカス属(Haematococcus)に属する緑藻の抽出物と粗黒糖抽出物とを含有してなることを特徴とする化粧料組成物。
  3. 前記ヘマトコッカス属(Haematococcus)に属する緑藻の抽出物が、一般式1(化1)で示されるアスタキサンチン及び/又はアスタキサンチンのエステル誘導体であることを特徴とする請求項2に記載の化粧料組成物。
    Figure 2004331512
    (但し、R及びRは水素原子又は炭素数1〜20のアシル基である。)
  4. 前記粗黒糖抽出物が一般式2(化2)で示されるメトキシフェニル−O−D−グルコースであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の化粧料組成物。
    Figure 2004331512
    (但し、R〜Rはメトキシ基又は水素原子であり、R〜Rのうちの少なくとも一つはメトキシ基である。)
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