JP4226228B2 - ガノデロールbからなるメラニン生成抑制剤及び美白剤、並びにガノデロールbを含有する組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガノデロールBからなるメラニン生成抑制剤及び美白剤、並びにガノデロールBを含有する組成物、特に化粧料、医薬、皮膚外用剤、食品に関する。さらに詳細には、メラノサイトにおけるメラニン生成を抑制し、紫外線照射後の日焼け皮膚の美白、また、日焼け等によるしみ、そばかす、肝班等の皮膚の色素沈着を予防、改善及び治療することができるメラニン生成抑制剤及び美白剤、並びに組成物、特に化粧料、医薬、皮膚外用剤、食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
日焼け等によるしみ、そばかす、肝班等の皮膚の色素沈着は加齢に伴って発生し、加齢に伴って増加、あるいは消失しにくくなるため、中高年齢層にとって悩みとなっている。これらの色素沈着の発症機構は未だ明確にされていないが、太陽光線(特に紫外線)による日焼け等によって、表皮細胞に存在するメラノサイト内のメラノソームとよばれるメラニン生成顆粒においてメラニン色素が産生され、生成したメラニン色素が隣接細胞へ拡散することによって生じると考えられている。
【0003】
このような色素沈着を正常皮膚色にまで回復することが可能な物質の開発が強く望まれており、これまでに多くの物質が商品化されてきている。例えば、L−アスコルビン酸、コウジ酸、あるいはハイドロキノンなどが知られている。
【0004】
しかし、L−アスコルビン酸は安定性に難があり、コウジ酸は一応効果が認められているものの、その効果は弱い。一方、ハイドロキノンも一応効果が認められているが、刺激性およびアレルギー性を有し、安全性に問題があり、薬剤として配合することには問題がある。したがって、充分な色素沈着予防および改善効果を有する物質は未だ知られていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、紫外線照射後の日焼け皮膚の美白、また日焼け等によるしみ、そばかす、肝斑等の皮膚の色素沈着の予防、改善及び治療に有効な物質及びこれを含有する組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、霊芝の抽出物がメラニン生成抑制作用を有していることを見出し、さらにその抽出物を分離精製手段を用いて分画して得られた特定構造を有するガノデロールBが強いメラニン生成抑制作用及び美白作用を有し、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、下記の式(1)
【化2】
で表されるガノデロールBからなるメラニン生成抑制剤及び美白剤である。
【0008】
また、本発明は、前記化2で表されるガノデロールBを含有するメラニン生成抑制剤、美白剤である。
【0009】
また、本発明は、前記化2で表されるガノデロールBを含有するメラニン生成抑制用組成物、美白用組成物である。
【0010】
また、本発明は、前記化2で表されるガノデロールBを含有する化粧料であり、この化粧料はメラニン生成抑制用及び美白用であることができる。
【0011】
また、本発明は、前記化2で表されるガノデロールBを含有する医薬であり、この医薬はメラニン生成抑制用及び美白用であることができる。
【0012】
また、本発明は、前記化2で表されるガノデロールBを含有する皮膚外用剤であり、この皮膚外用剤はメラニン生成抑制用及び美白用であることができる。
【0013】
また、本発明は、前記化2で表されるガノデロールBを含有するメラニン生成抑制用食品及び美白用食品である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳述する。
【0015】
本発明において用いられる下記の式(1)
【化3】
で表されるガノデロールBは既知の物質である。しかし、化3で表されるガノデロールB(以下、単にガノデロールBという。)がメラニン生成を抑制する効果を有し、皮膚美白効果を持つことは知られていない。
【0016】
ガノデロールBは菌類から単離することができ、ガノデロールBの生成にはガノデロールBを含むあらゆる菌類を用いることができるが、例えば霊芝を用いるのが好都合である。また、化学合成によって調製することも可能である。ガノデロールBを含む菌類からのガノデロールBの単離は次のようにして行うことができる。すなわち、菌類の子実体または菌糸、胞子等の部分的個所を好ましくは粉砕した後、抽出溶媒中に浸漬するかまたは抽出溶媒中で加熱還流し、次いでろ過、遠心分離等により不溶物を除去して得られる抽出溶液を場合によって濃縮した後、公知の分離精製手段によって単離する。
【0017】
抽出に用いる溶媒は、通常菌類、植物等の抽出に用いられる溶媒でよく、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール、アセトン、酢酸エチル等の有機溶媒、水を単独であるいは組み合わせて用いることができる。抽出方法は通常の方法でよく、一般的には、抽出温度は、0〜100℃、好ましくは40〜70℃の範囲であり、抽出時間は、1〜168時間、好ましくは24〜72時間である。抽出溶液からの単離は、例えば、逆相クロマトグラフィー、ゲルろ過カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー等のクロマトグラフィーによって行うことができる。
【0018】
以下に、菌類の抽出及びガノデロールBの単離の具体例を挙げる。
[精製例]
栽培した霊芝の子実体を粉砕した後、メタノールに浸漬し、40℃で72時間抽出を行った。次いで、ろ過により不溶物を除去し、得られた抽出溶液を濃縮した後、逆相クロマトグラフィーにより精製した。精製物の構造は、質量分析ガスクロマトグラフィーとNMRにより決定した。その化合物は、前記式(1)に示す、ガノデロールB(Ganoderol B)であり、エルゴステロールの誘導体であった。
【0019】
本発明の前記ガノデロールBは、後述するようにメラニン生成抑制作用及び美白作用を有する。したがって、メラニン生成抑制剤及び美白剤として用いることができる。さらに、ガノデロールBを含有する組成物として、メラニン生成抑制用組成物及び美白用組成物、すなわちメラニン生成抑制及び美白に関連する症状等の予防、処置のための組成物、具体的には化粧品、医薬品、食品分野における各種化粧料、医薬、食品類等に応用することができる。
【0020】
本発明の組成物は、経口用(内用)又は非経口用(外用)の両形態をとることができる。経口用の場合は、本発明の組成物を、例えば医薬品または食品などの形態に調製する。また、非経口用の場合には、化粧料、医薬部外品、医薬、皮膚外用剤等の形態に調製することができる。
【0021】
ガノデロールBの本発明の組成物への配合に際しては、ガノデロールBの純品が配合されるが、ガノデロールBを含有する植物、菌類等の抽出物または抽出エキスの形で配合しても構わない。
【0022】
以下、ガノデロールBを含有した本発明の具体的な組成物を用途別にさらに詳述する。
本発明の第一の用途である化粧料は、例えば、軟膏剤、溶液、クリーム、乳液、化粧水、ローション、ジェル、エッセンス(美容液)、ファンデーション、パック・マスク、口紅、スティック、入浴剤等の皮膚外用剤等として医薬部外品を含む広い範囲で適用可能である。
【0023】
また、化粧料の剤型も、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末系、粉末分散系、油液系、ゲル系、軟膏系、エアゾール系、水−油2層系、水−油−粉末3層系等、幅広い剤型を採り得る。
【0024】
本発明の化粧料へのガノデロールBの配合量は、化粧料全量中0.001〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜16重量%、さらに好ましくは0.1〜12重量%である。1〜10重量%が最も好ましい。本発明の化粧料は、メラニン生成抑制作用及び美白作用を有するので、メラニン生成抑制用化粧料及び美白用化粧料として使用される。また、本発明の化粧料は、特に皮膚外用剤としての用途に好ましく応用できるので、メラニン生成抑制用皮膚外用剤及び美白用皮膚外用剤として使用される。
【0025】
本発明の第二の用途である医薬は、経口投与、非経口投与いずれの投与方法をも採用することができ、それぞれに適した医薬製剤の形態とすることができる。医薬製剤としては、例えば、液剤、シロップ剤、注射剤、吸入剤、乳剤等の液状剤、錠剤、粉剤、顆粒剤、カプセル剤、吸入剤等の固形剤、軟膏等の皮膚外用剤、座剤等の外用剤等を挙げることができる。
【0026】
医薬製剤へのガノデロールBの配合量は医薬製剤全量中0.001〜30重量%が好ましい。さらに好ましくは、0.01〜20重量%、最も好ましくは0.1〜10重量%である。投与量は、患者の年齢及び体重、適用経路、疾病の進行度及び並行して行われている処置に基づいて適宜変えられるものであり、特定されるものではないが、一般的には1日当たり4〜10ml程度で、1日に1回又は2〜3回に分けて投与することができるが、これに限られるものではない。本発明の医薬は、メラニン生成抑制作用及び美白作用を有するので、メラニン生成抑制用医薬及び美白用医薬として使用される。また、本発明の医薬は、特に皮膚外用剤としての用途に好ましく応用できるので、メラニン生成抑制用皮膚外用剤及び美白用皮膚外用剤として使用される。
【0027】
本発明の第三の用途である食品は、いわゆる健康食品への用途として有用であり、例えば、菓子、清涼飲料等の飲料、野菜又は果実加工品、畜肉製品、調味料等として広く適用可能である。その形態としては、粉末、固形製品、溶液等である。食品へのガノデロールBの配合量は、目的や製品形態等に応じて適宜変更することができる。一般的には、ドリンク剤等溶液の場合、例えば30ml中、0.001〜10mgであり、好ましくは0.01〜5mg、さらに好ましくは0.15〜1mgである。また、タブレット等粉末固形製品の場合は、例えば300mg中、0.001〜10mgであり、好ましくは0.01〜5mg、さらに好ましくは0.1〜1mgである。本発明の食品は、メラニン生成抑制作用及び美白作用を有するので、メラニン生成抑制用食品及び美白用食品として使用される。
【0028】
本発明の化粧料、医薬、食品等の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で上記したガノデロールBの他に通常化粧料、医薬、食品等に用いられる他の成分を配合することができる。
【0029】
例えば、化粧料としては、油性成分、粉末、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、低級アルコール、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、有機アミン類、pH調整剤、薬効成分、糖類、防腐剤、ビタミン類、他の美白剤、酸化防止剤、香料、水等が挙げられる。
【0030】
油性成分の例としては、ホホバ油、オリーブ油、アボガド油 ヒマシ油、ヤシ油 牛脂、硬化油、液状ラノリン等の天然油脂及びその誘導体、カルナバロウ、ミツロウ、ラノリン等のロウ類、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン、ワセリン等の炭化水素類、ステアリン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類、グリセリンモノステアリン酸エステル、トリオクタン酸グリセリル、グリセリンモノオレート、ミリスチン酸イソプロピル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル等のエステル類、ハッカ油、、ローズ油、シトロネラール等の精油類、ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン油類等が挙げられる。これら油性成分の化粧料中の配合量は、化粧料の形態、剤型等に応じて適宜選定されるが、通常、化粧料全量中0.1〜95%とすることができる。
【0031】
粉体の例としては、タルク、マイカ、カオリン、シリカ、亜鉛華、雲母チタン、酸化チタン、酸化鉄、ナイロン粉末等が挙げられる。
【0032】
界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン変性ポリシロキサン等の非イオン界面活性剤、パルミチン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のカチオン界面活性剤、スルホベタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。
【0033】
保湿剤の例としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール等が挙げられる。
【0034】
増粘剤の例としては、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、ベントナイト等の粘土鉱物が挙げられる。
【0035】
紫外線吸収剤の例としては、パラアミノ安息香酸(以下PABAと略す)、グリセリルPABA、エチルジヒドロキシプロピルPABA、オクチルメトキシシンナメ―ト、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメ―ト、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4−メチルベンゾフェノンスルホン酸塩、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾ―ル、4−メトキシ−4−t―ブチルジベンゾイルメタン、パラメトキシケイ皮酸エチルヘキシル等が挙げられる。
【0036】
金属イオン封鎖剤の例としては、エデト酸四ナトリウム、クエン酸等が挙げられる。低級アルコールの例としては、エタノール等が挙げられる。有機アミン類の例としては、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。pH調整剤の例としては、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム等の緩衝剤が挙げられる。
【0037】
薬効成分の例としては、パントテニ―ルエチルエ―テル、グリチルリチン酸塩等が挙げられる。ビタミン類の例としては、ビタミンC又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体等が挙げられる。酸化防止剤の例としては、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル等が挙げられる。
【0038】
糖類の例としては、エリスリトール、ショ糖、ヒアルロン酸等が上げられる。防腐剤の例としては、エチルパラベン、ブチルパラベン、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。美白剤の例としては、アスコルビン酸又はその誘導体、コウジ酸又はその誘導体、甘草エキス、ハイドロキノン誘導体、グルタチオン等が挙げられる。
【0039】
次に、医薬としては、賦形剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、吸収促進剤、pH調整剤、界面活性剤、稀釈剤、担体等の種々の添加成分を配合することができる。これらの添加成分の具体例としては、例えば、でん粉、乳糖のような糖類、硫酸マグネシウム、タルク、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロースのようなセルロース誘導体、大豆油、ゴマ油のような植物油、動物油若しくは合成油、ゴム、生理食塩水等のような水、エタノール、1,3−ブチレングリコール、ポリアルキレングリコール等のようなアルコール類等を挙げることができる。その他、前記化粧料に配合し得る成分の中から選択され配合することもできる。
【0040】
次に、食品としては、甘味料、酸味料、保存料、香料、着色剤、賦形剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、吸収促進剤、pH調整剤、界面活性剤、稀釈剤、担体等の種々の添加成分を配合することができる。これらの添加成分の具体例としては、例えば、キノコ抽出液、人参抽出液、ショウガ抽出液、ハチミツのような各種食品抽出エキス溶液、液状食品、糖類として、環状オリゴ糖、還元麦芽糖、トレハロース、乳糖、ショ糖脂肪酸エステル等を挙げることができる。その他、前記化粧料、医薬に配合し得る成分の中から選択され配合することもできる。
【0041】
本発明の前記組成物は、本発明の必須成分と上記任意配合成分の1種または2種以上とを混合して、常法により任意の形態、剤型に調製することができる。
【0042】
【実施例】
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。組成物の配合量中、特に記載のないものは重量%である。
【0043】
[実施例1]メラニン生成抑制効果
[B16メラノーマ細胞におけるメラニン生成抑制作用]
メラニン生成抑制作用は、マウス由来のメラニン生成細胞であるB16 10F7メラノーマ細胞(入手先:秋田県総合食品研究所より移譲)を用い、前記精製例で精製したガノデロールBを培養液で稀釈した溶液を細胞に作用させメラニンの生成を観察し評価した。B−16細胞は70%コンフルエントの細胞をPBSにて洗いトリプシンを加え剥離し、トリプシンと同量の血清入り培地(E−MEM+10%FBS)を加え細胞を集め遠心した(800rpm,5min.)。細胞数をカウントし、約104cells/ml(E−MEM+10%FBS)に調整した。ガノデロールB溶液の稀釈は、細胞培養プレート(接着細胞用)に20μLの滅菌PBSを分注し、ガノデロールB溶液を20μL取り倍々稀釈した(培養液中の最終濃度100μg/mL〜0.0012μg/mL)。コントロールとしてアルブチン(培養液中の最終濃度140μg/mL〜0.22μg/mL)、メタノールも同様に稀釈した。
【0044】
この稀釈液の入ったプレートに細胞浮遊液を80μLずつ分注した。さらに、37℃、CO2インキュベーターにて72時間培養し、顕微鏡により、細胞におけるメラニン生成を観察した。さらに、メラニンが生成されている場合、培地を除き300μLの1N、NaOHで、メラニンを溶かし、470nmの紫外線吸収を測定することでメラニン生成量を評価した。溶媒であるメタノールを反応させた値を100%とし、ガノデロールB、アルブチンを用量変化させ、もっとも低濃度でメラニン合成阻害を示す濃度を求めた。この結果を表1に示す。なお、ガノデロールBの場合、顕微鏡写真によっても、アルブチンの場合と同程度B−16細胞の黒色が抑えられており、優れたメラニン生成抑制効果及び美白効果を有していることが確認された。
【0045】
【表1】
【0046】
表1から分かるように、ガノデロールBはメラノーマB16細胞に対し、メラニン生成抑制剤であるアルブチンと同程度のメラニン生成抑制作用を示しており、メラニン生成抑制剤、美白剤として有用であることが明らかである。
【0047】
(製法)上記組成物の処方中の、水相、アルコール相をそれぞれ調製後、両者を混合、可溶化し、組成物(ローション)を得た。
【0048】
(試験方法)
パネラー20名を夏期の午前11時から午後1時までの時間、2日間にわたり太陽光に計4時間さらした。さらされたパネラーの上腕内側部皮膚を対象とし、太陽光にさらされた日から5日後より、上記組成物(ローション)を朝夕1回ずつ5週間塗布した。
【0049】
(評価方法)
使用後の試験結果を以下の判定基準で評価した。
【0050】
(判定基準)
著効:色素沈着がほとんど目立たなくなった。
有効:色素沈着が非常にうすくなった。
やや有効:色素沈着がうすくなった。
無効:変化なし。
【0051】
(判定)
◎:パネラーのうち16人以上が有効以上の効果を示した。
○:パネラーのうち11〜15人が有効以上の効果を示した。
△:パネラーのうち6〜10人が有効以上の効果を示した。
×:パネラーのうち5人以下が有効以上の効果を示した。
【0052】
評価結果を表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
表2から明らかなように、ガノデロールBを含有する組成物(ローション)はメラニン色素の沈着を防ぎ、美白作用が見られた。一方、試験化合物が無添加の場合(比較例1)、ハイドロキノンを配合した場合(比較例2)は、いずれも効果が見られなかった。
【0055】
以下、種々の処方を常法により調製した本発明の実施例を示す。なお、いずれの実施例においても優れたメラニン生成抑制効果、美白効果が見られた。
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明によれば、新規なメラニン生成抑制剤、美白剤並びにメラニン生成抑制作用及び美白作用を有した組成物が得られる。さらに、メラニン生成抑制作用及び美白作用を有し、紫外線照射後の日焼け皮膚の美白、また日焼け等によるしみ、そばかす、肝斑等の皮膚の色素沈着の予防、改善及び治療に優れた効果を有する化粧料、医薬、皮膚外用剤、食品が得られる。
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