JP2004331328A - 小口断裁装置及び画像形成システム - Google Patents
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Abstract
【課題】切り屑収納箱内の切り屑の集積量を増加させる事により、装置の駆動停止の低減、切り屑収納箱の交換、廃棄等の操作を低減、回収置き場の縮小、運搬、廃棄処分の容易化を達成する。
【解決手段】中綴じ処理、中折り処理された冊子SAの小口を断裁して冊子SAを仕上げる断裁部300と、断裁処理時に発生する切り屑kを収納する切り屑収納箱320とを具備する小口断裁装置FS2において、切り屑収納箱320に収納された切り屑kを押圧する切り屑押圧手段330を設けた小口断裁装置。
【選択図】 図5
【解決手段】中綴じ処理、中折り処理された冊子SAの小口を断裁して冊子SAを仕上げる断裁部300と、断裁処理時に発生する切り屑kを収納する切り屑収納箱320とを具備する小口断裁装置FS2において、切り屑収納箱320に収納された切り屑kを押圧する切り屑押圧手段330を設けた小口断裁装置。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中綴じ処理、中折り処理された冊子の小口を断裁して冊子を仕上げる小口断裁装置、及び小口断裁装置を備えた画像形成システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複数枚で1セットになる用紙束に対して中綴じ処理、及び中折り処理を可能にする用紙後処理装置が知られている。
【0003】
近年、複写機、プリンタ、これらの複合機等の画像形成装置により画像が記録された用紙束に対して、用紙後処理装置により中綴じ処理、中折り処理を行い週刊誌のように製本化した後、用紙の小口を揃えて断裁する小口断裁装置が提供されている。
【0004】
特許文献1に記載のシート断裁装置は、中綴じ処理、中折り処理されたシート束の折り部近傍を押圧してシート束の膨らみを平坦化する第1押圧手段と、シート束の小口近傍を押圧する第2押圧手段とを有するものである。
【0005】
このような用紙断裁装置において、小口断裁時に発生した切り屑は、切り屑収納箱に収納した後、廃棄される。切り屑収納箱に収納された切り屑は、バラバラとなって投入されて、切り屑収納箱は直に満杯になってしまう。
【0006】
特に、用紙断裁装置の可動上刃は、固定下刃に対してシアー角を保持して摺動し、用紙束を一方の端部から他方の端部に向かって逐次断裁している。このため小口断裁処理して発生した切り屑は、長手方向の両端部がカールして捲り上がった湾曲形状となって落下して集積される。
【0007】
図15は、湾曲した切り屑を収納した切り屑収納箱の断面図である。
切り屑満杯検知センサを図示のように切り屑長手方向の両端部に配置した場合、切り屑収納箱が満杯状態でなくても、切り屑満杯検知センサが切り屑のカール部を検知して、装置が切り屑満杯と判断してしまう。
【0008】
また、切り屑満杯検知センサを図示と直交する方向の切り屑中心部に配置した場合は、切り屑満杯検知センサが切り屑のカール部を検知出来ず、切り屑のカール部に後続の切り屑が積載して、切り屑が切り屑収納箱から溢れ出して散乱する等の問題があった。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−198613号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題を解決して、切り屑収納箱に収納された切り屑の積載量を増加させ、切り屑収納箱を装置本体から引き出して交換する操作を低減する事を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、本発明の以下の小口断裁装置及び画像形成システムにより達成される。
【0012】
(1) 中綴じ処理、中折り処理された冊子の小口を断裁して冊子を仕上げる断裁手段と、断裁処理時に発生する切り屑を収納する切り屑収納箱とを具備する小口断裁装置において、前記切り屑収納箱に収納された切り屑を押圧する切り屑押圧手段を設けたことを特徴とする小口断裁装置。
【0013】
(2) 画像書き込み部、画像形成部、用紙搬送手段、定着装置から成る画像形成装置と、用紙搬送手段、綴じ処理部、折り処理部から成る用紙後処理装置と、前記(1)に記載の小口断裁装置と、を備えて成ることを特徴とする画像形成システム。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る画像形成装置A、用紙後処理装置(以下、後処理装置と称す)FS1、小口断裁装置(以下、断裁装置と称す)FS2から成る画像形成システムを図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は画像形成システムの全体構成図である。
[画像形成システム]
図示の画像形成装置Aは、画像読み取り部1、画像処理部2、画像書き込み部3、画像形成部4、給紙カセット5、給紙手段6、定着装置7、排紙部8、自動両面コピー給紙部(ADU)9を備えている。
【0016】
画像形成装置Aの上部には、自動原稿送り装置DFが搭載されている。画像形成装置Aの図示の左側面の排紙部8側には、断裁装置FS2を備えた後処理装置FS1が連結されている。
【0017】
自動原稿送り装置DFの原稿台上に載置された原稿dは矢印方向に搬送され画像読み取り部1の光学系により原稿の片面又は両面の画像が読みとられ、CCDイメージセンサ1Aに読み込まれる。
【0018】
CCDイメージセンサ1Aにより光電変換されたアナログ信号は、画像処理部2において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、画像書き込み部3に信号を送る。
【0019】
画像書き込み部3においては、半導体レーザからの出力光が画像形成部4の感光体ドラム4Aに照射され、潜像を形成する。画像形成部4においては、帯電、露光、現像、転写、分離、クリーニング等の処理が行われる。給紙カセット5から給紙手段6により給送された用紙Sは転写手段4Bにより画像が用紙Sに転写される。画像を担持した用紙Sは、定着装置7により定着され、排紙部8から後処理装置FS1に送り込まれる。或いは搬送路切り替え板8Aにより自動両面コピー給紙部9に送り込まれた片面画像処理済みの用紙Sは再び画像形成部4において、両面画像処理後、排紙部8から排出される。
【0020】
後処理装置FS1は、入口搬送部10、シフト処理搬送部20、綴じ処理部30、折り処理部50、表紙給紙部60及び排紙部から構成されている。排紙部は最上段の固定排紙皿71、図示左側方の昇降排紙皿72、底部近傍の下部排紙口73から成る。
【0021】
後処理装置FS1において、中綴じ処理、中折り処理された冊子SAは、断裁装置FS2に送り込まれる。
【0022】
断裁装置FS2は、第1搬送部100、第2搬送部200、断裁部(断裁手段)300、冊子収納部400から成り、後処理装置FS1により中綴じ処理、中折り処理された冊子SAの小口b近傍を、図3(d)に示すように、断裁して小口bを揃えるもので、図4以降において詳述する。
【0023】
[用紙後処理装置]
図2は、後処理装置FS1の用紙搬送経路を示す模式図である。
【0024】
〈入口搬送部〉
入口搬送部の入口部11を通過し、入口部ローラ12に挟持搬送される用紙Sは、上段の第1搬送路▲1▼、中段の第2搬送路▲2▼、下段の第3搬送路▲3▼の3系統に分岐されていて、切換手段G1,G2の占める角度の選択により用紙Sが何れかの搬送路に給送される。
【0025】
〈単純排紙〉(第1搬送路▲1▼)
この搬送モードに設定されると、切換手段G1は、第2搬送路▲2▼、第3搬送路▲3▼を遮断し、第1搬送路▲1▼のみを開放する。第1搬送路▲1▼を通過する用紙Sは、通路13に進入し、搬送ローラ14,15に挟持されて上昇搬送され、排出ローラ16に挟持されて固定排紙皿71上に排出される。
【0026】
〈シフト処理〉(第2搬送路▲2▼)
この搬送モードに設定されると、切換手段G1は通路13を閉止し、通路17を開放状態に保持し、用紙Sの通路17の通過を可能にする。
【0027】
用紙Sは、通路17を通過して、搬送ローラ18に挟持されて、切換手段G2の上方の第2搬送路▲2▼である通路21を通過して、搬送ローラ22に挟持され、通路23を経て、シフト手段24、シフトローラ25に挟持され、排出ローラ26により排出され、昇降可能な昇降排紙皿72上に積載される。
【0028】
〈平綴じ処理〉(第3搬送路▲3▼)
平綴じ処理又は中綴じ処理を施す用紙Sは、切換手段G1の下方の通路17を通過して、搬送ローラ18に挟持されて、第3搬送路▲3▼に搬送される。
【0029】
第3搬送路▲3▼において、用紙Sは、切換手段G2の下方の通路31を通過して、搬送ローラ32,33により挟持されて送り出され、綴じ処理部30の傾斜配置された中間スタッカ35の上方空間に排出され、中間スタッカ35または中間スタッカ35上に積載された用紙Sの上面に接し、滑走上昇したのち、搬送ローラ33から用紙Sの進行方向後端部が排出されたのちには、用紙Sの自重により下降に転じ、中間スタッカ35の傾斜面上を滑落し、綴じ手段40近傍の平綴じストッパ41の用紙突き当て面に用紙Sの進行方向先端部が当接して停止する。
【0030】
幅整合手段36は用紙搬送方向と直交する方向に移動可能であり、用紙Sの幅揃えを行う。
【0031】
この停止位置において、中間スタッカ35上に所定枚数の用紙Sが積載、整合されると、綴じ手段40により綴じ処理が行われ、用紙束が綴じ合わされる。
【0032】
中間スタッカ35の用紙積載面の下方には、排出ベルト38が回動可能に配置されている。綴じ処理された用紙束は、排出ベルト38の排出爪38aにより用紙Sの後端部を保持されて、排出ベルト38上に載せられ、中間スタッカ35の載置面上を滑走して斜め上方に押し上げられ、排出ローラ26に挟持、搬送され、昇降排紙皿72上に排出、積載される。
【0033】
〈表紙給紙〉(第4搬送路▲4▼)
表紙給紙部60の載置台61上に載置された表紙Kは、表紙送り手段62により給紙され、切換手段G1,G2を介して第2搬送路▲2▼又は第3搬送路▲3▼の搬送される。
【0034】
〈中綴じ処理〉(第5搬送路▲5▼)
綴じ手段40は、上部機構40Aと下部機構40Bとの2分割構造に構成され、その中間に、用紙Sが通過可能な通路42を形成している。
【0035】
綴じ手段40は、用紙搬送方向に直交する方向に2組配置され、図示しない駆動手段により、用紙搬送方向に直交する方向に移動可能である。この綴じ手段40により、用紙幅方向の中央振り分け2箇所に綴じ針SPを打つ。
【0036】
中綴じモードに設定され、表紙K及び用紙Sのサイズ(搬送方向の長さ)が設定又は検知されると、中綴じストッパ43は所定位置に移動して停止する。中綴じストッパ43の起動に連動して平綴じストッパ41が退避し、通路42を開放する。
【0037】
第3搬送路▲3▼を通過して、中間スタッカ35上に載置された用紙Sが順次積載され、用紙Sの端部が中綴じストッパ43に当接して位置決めされる。
【0038】
最終の用紙Sが中間スタッカ35上に位置決め載置された後、用紙Sの全頁から成る用紙束に綴じ手段40による中綴じ処理を行う。この中綴じ処理により、用紙Sの搬送方向の中央部に綴じ針SP(図3参照)が打ち込まれる。
【0039】
〈中折り処理〉(第6搬送路▲6▼)(図2参照)
中綴じ処理後、中綴じストッパ43が揺動して、通路42の下流の通路を開放する。中綴じ処理された用紙束は、湾曲した通路と中間搬送ローラ51を通過して斜め下方の搬送ベルト52により案内板53に案内されて搬送され、更に、スタック台54上を搬送されて、折り部可動ストッパ手段55に用紙束の搬送方向の先端部が当接して、所定位置に停止する。折り部可動ストッパ55は用紙サイズの設定又は検知と駆動手段により所定位置に移動可能である。
【0040】
停止状態の用紙束の搬送方向の中央部、即ち中綴じ位置の斜め下方には、用紙突出手段56が設置されている。中綴じ位置の斜め上方には、折りローラ57、搬送ベルト58、加圧ローラ59が設置されている。
【0041】
中折り開始信号により、用紙突出手段56の突出板56Aが斜め上方に直進して、突出板56Aの先端部は、用紙束の中央部を押し上げ、用紙束を介して折りローラ57のニップ部を押し広げて揺動、離間させる。
【0042】
突出板56Aの先端部が前記ニップ部を通過後、突出板56Aが後退して、用紙束の中央部は、折りローラ57により挟圧されて、折り目a(図3参照)が形成される。この折り目aは、前述の中綴じ処理による用紙束への綴じ針SPの打ち込み位置と一致する。
【0043】
折りローラ57により挟圧されて折り目aを形成された冊子SA(図3参照)の中央部は、一対の搬送ベルト58に挟持されて搬送され、一対の加圧ローラ59のニップ位置に送り込まれ、この位置で折り目aが更にしっかり付けられ、下部排紙口73に送り込まれ、断裁装置FS2に排出される。
【0044】
図3(a)は用紙Sの中折りする折り目aに沿って中央振り分け2箇所に綴じ針SPを打針する中綴じ処理を示す用紙の平面図、図3(b)は中綴じと中折りの後処理を施した冊子SAの斜視図、図3(c)は後処理済みの冊子SAを両開きした状態を示す斜視図、図3(d)は中綴じと中折りの後処理を施した冊子SAの断面図である。これらの図において、bは冊子SAの側端部の小口、cは小口揃えするための断裁線、kは断裁処理後に廃棄される切り屑である。
【0045】
画像形成装置Aの操作部において、冊子作成モードを選択、設定し、プリントを開始すると、画像形成装置Aの制御部により、画像プロセスが実行され、画像を担持した用紙Sは後処理装置FS1により、中綴じ処理と中折り処理とが行われて、連続して冊子SAが作製、排出される。
【0046】
[小口断裁装置]
図4は、本発明の断裁装置FS2の全体構成図である。図5は、断裁装置FS2の用紙搬送経路を示す断面図である。
【0047】
断裁装置FS2は、第1搬送部100、第2搬送部200、断裁部300、冊子収納部400から構成されている。
【0048】
後処理装置FS1の折り処理部50により中折り処理された冊子SAは、断裁装置FS2の入口部に配置された搬送ベルト101上に排出される。搬送ベルト101は、支持部材102に回動可能に支持され、駆動ローラ103により回動される。
【0049】
搬送ベルト101の用紙搬送方向下流側には、駆動ローラ112と従動ローラ113に巻回された下搬送ベルト111が回動可能に配置されている。下搬送ベルト111の上方には、上搬送ベルト114が圧接し、従動して回動される。ローラ115,116を巻回する上搬送ベルト114は、支持部材117に回動可能に支持されている。支持部材117は、バネ118により付勢され、上搬送ベルト114を下搬送ベルト111に圧接する。搬送ベルト101により搬送された冊子SAは、下搬送ベルト111と上搬送ベルト114により圧接、挟持されて搬送される。
【0050】
下搬送ベルト111の用紙搬送方向下流側には、駆動手段に接続する駆動ローラ121と、駆動ローラ121に圧接して回動する従動ローラ122が配置されている。下搬送ベルト111と上搬送ベルト114とに挟持されて搬送される冊子SAは、駆動ローラ121と従動ローラ122に挟持されて搬送される。
【0051】
下搬送ベルト111と駆動ローラ121との中間で用紙搬送路の下方には、ファン123が配置されている。ファン123による送風流は、断裁部300によって断裁されて切り屑収納箱320内に落下する切り屑kを分散して収納させる。
【0052】
駆動ローラ121の用紙搬送方向下流側には、断裁上刃301、断裁下刃302、可動板310、押圧ローラ311、切り屑収納箱320及び駆動手段から成る断裁部300が配置されている。断裁部300の詳細は後述する。
【0053】
断裁部300により小口bを断裁されて仕上げられた冊子SAは、第2搬送部200において、回動する下搬送ベルト201、従動して回動される上搬送ベルト206、及び駆動回転する上ローラ205に挟持されて搬送される。
【0054】
下搬送ベルト201は、駆動手段に接続する駆動ローラ202により回動される。203は、下搬送ベルト201により従動回転する従動ローラである。下搬送ベルト201内方で冊子搬送路近傍には、搬送支持板204が固設されている。
【0055】
上搬送ベルト206は、ローラ207,208を巻回して回動可能であり、支持部材209に支持されている。支持部材209は、バネ付勢され、上搬送ベルト206を下搬送ベルト201を介して搬送支持板204に圧接する。断裁処理された冊子SAは、第2搬送部200の下搬送ベルト201と上ローラ205との間隙を通過し、更に、下搬送ベルト201と上搬送ベルト206により圧接、挟持されて搬送される。
【0056】
下搬送ベルト201により水平方向に搬送される冊子SAは、回転する大径ローラ211と、固定配置された案内板212に案内されて、垂直上方に約90°偏向されて上昇搬送される。冊子SAは、更に大径ローラ211とピンチローラ213とに挟持されて、冊子排出口214を通過して排出され、冊子SAの折り目aを上に、小口bを下にして、冊子収納部400の冊子積載台401上に載置される。
【0057】
冊子収納部400は、冊子積載台401、可動壁部材410、仕切部材420、押圧壁部材430及び駆動手段とから構成されている。
【0058】
冊子積載台401は、断裁処理済みの複数の冊子SAを冊子排出口214から順次受容して、冊子SAの折り目aを上にして用紙面を重ね合わせて積載する。可動壁部材410は、冊子積載台401に直立して水平移動可能に支持され、冊子積載台401上に積載された冊子SAの用紙面を押圧し、冊子積載台401上と冊子排出口214との間を水平方向に往復動する。
【0059】
可動壁部材410は、通常は冊子排出口214よりも前進した停止位置で冊子積載台401上に積載された冊子SAを受け止め、断裁処理済みの冊子SAが冊子積載台401に搬入される都度、冊子排出口214を開放する位置まで待避し、冊子SAが冊子排出口214を通過完了後に、冊子SAの用紙面を押圧しながら停止位置に復帰して待機する。
【0060】
仕切部材420は、冊子積載台401に直交する垂直方向に昇降可能であり、可動壁部材410が次の冊子受入のため冊子排出口214が開放されるように待避を始めるとき、仕切部材420が可動壁部材410の代わりに積載済みの冊子SAの用紙面を受け止め、可動壁部材410が次の冊子SAの用紙面を押圧しながら停止位置に前進する動作に合わせて、仕切部材420が冊子積載台401の後端部に沿って下降を開始して待避し、冊子積載台401上に次の冊子SAを受け入れ可能にする。可動壁部材410が停止位置に移動完了するのに合わせて、仕切部材420が上昇開始する。
【0061】
押圧壁部材430は、冊子積載台401に水平移動可能に支持され、バネ付勢されている。押圧壁部材430の冊子接触面は、可動壁部材410又は仕切部材420に対向し、冊子積載台401上に積載された冊子SAの用紙面を押圧、保持する。
【0062】
図6は冊子搬送系の駆動手段を示す構成図である。
冊子搬送用モータM1は、第1搬送部100及び第2搬送部200を駆動する。冊子搬送用モータM1の駆動軸に設けた歯車g1は、歯車g2,g3,g4,g5を介して第1搬送部100の駆動ローラ121を回転させる。駆動ローラ121はベルトTB1を介して駆動ローラ112を回転させ、下搬送ベルト111を回動させる。
【0063】
歯車g4と同軸上のプーリTP1を巻回するベルトTB2は、プーリTP2,TP3,TP4を巻回して回動可能である。プーリTP2の回転軸上には、上ローラ205が固定されて回転可能である。プーリTP4の回転軸上に固定された歯車g6は、駆動ローラ202の回転軸上に固定された歯車g7を回転させる。駆動ローラ202は下搬送ベルト201を回動させる。
【0064】
駆動ローラ202の回転軸上に固定されたプーリTP5と、中間軸上のプーリTP6とを巻回するベルトTB3は、プーリTP6の回転軸上に固定された歯車g8,g9を介して、歯車g9の回転軸上に固定された大径ローラ211を回転させる。
【0065】
図7は、断裁部300の断面図である。
断裁部300は、断裁上刃301、断裁下刃302、断裁上刃301を昇降可能に駆動する駆動手段から成る。
【0066】
断裁用モータM2は、歯車g11,g12,g13を回転させ、歯車g13の偏心位置に植設された偏心ピン303を偏心回転させる。偏心ピン303の先端部は、可動部材304の内周面を摺動して、可動部材304を昇降させる。
【0067】
可動部材304と一体をなし昇降可能に支持された昇降シャフト305の上部には、上刃支持枠体306が固定されている。上刃支持枠体306には、断裁上刃301が固定されている。
【0068】
下降する断裁上刃301の刃先と、固定位置の断裁下刃302の刃先とにより、冊子SAの小口が断裁される。320は小口から断裁された屑を収容する切り屑収納箱である。
【0069】
上刃支持枠体306には、可動枠体307がバネ308に付勢されて支持されている。上刃支持枠体306の下部には、冊子SAの上面側を押圧する押圧板309と、可動板310を押圧する押圧ローラ311が支持されている。
【0070】
可動枠体307の下降工程では、押圧板309が下降して、断裁下刃302上に載置された冊子SAの上面を押圧し、次に、下降する押圧ローラ311が可動板310上の冊子SAの小口上面を押圧し、引き続き、断裁上刃301の刃先が下降して、小口を断裁する。
【0071】
図8は、断裁装置FS2により冊子SAの小口bを断裁する過程を示す模式図である。
【0072】
冊子SAの小口断裁過程を以下に示す。
(1) 後処理装置FS1により中綴じ処理及び中折り処理された冊子SAに対して小口断裁処理を行う設定信号を入力する。
【0073】
(2) 画像形成装置A又は後処理装置FS1による用紙サイズ検知信号、或いは画像形成装置Aの操作部に設定される用紙サイズ信号が断裁装置FS2に入力されると、可動ストッパ221を含むユニットが図示しない駆動手段により駆動されて移動し、設定された用紙サイズ位置に停止する。
【0074】
(3) 後処理装置FS1から排出された中綴じ、中折り処理された冊子SAは、断裁装置FS2の第1搬送部100に送り込まれ、更に、第2搬送部200に送り込まれる。
【0075】
(4) 第2搬送部200に搬入された冊子SAは、回動する下搬送ベルト201と、定位置で駆動回転する上ローラ205とが対向する所定間隔(例えば8mm)の空間を、冊子SAの折り部の膨らみを押さえるようにして搬送される。更に、回動する下搬送ベルト201面上を、従動する上搬送ベルト206に案内されて、折り部の膨らみを押さえるように搬送される。可動ストッパ221の近傍に配置された用紙先端検知センサPSが、冊子SAの先端部通過を検知すると、制御手段は冊子SAの先端部が可動ストッパ221に当接して停止するように、下搬送ベルト201の回動を制御して停止させる(図8(a)参照)。
【0076】
(5) 用紙先端検知センサPSによる冊子SAの先端部通過検知後、制御手段によりモータの駆動を開始し、押圧板240を下降させる。押圧板240は下降して冊子SAの先端部(折り目a)付近の上面を強く押圧する。また、バネ付勢された上搬送ベルト206も下降して冊子SAの先端部付近の上面を押圧する。これらの押圧力により、中綴じ中折り処理された冊子SAは、図8(a)に示す膨らみが圧縮されて、平坦化される(図8(b)参照)。
【0077】
(6) その後、制御手段は所定時間経過後、断裁用モータM2の駆動を開始し、先ず、押圧板309が冊子SAの上面を押圧して冊子SAの端部の反りを矯正して密着させ、引き続き断裁上刃301が下降して冊子SAの小口bを断裁する。断裁された切り屑kは落下して下方の切り屑収納箱320内に収容される(図8(c)参照)。
【0078】
(7) 小口断裁処理後、駆動を続けている断裁用モータM2により、断裁上刃301と押圧板309が上昇する。断裁用モータM2は駆動回転を続け、断裁上刃301の上限をセンサにより検知された時点で断裁用モータM2の駆動が停止する。
【0079】
断裁上刃301の上限検知信号により、制御手段は駆動源による駆動を開始させ、押圧板240と上搬送ベルト206を上昇させる。また、可動ストッパ221が倒されてその先端部は冊子SAの搬送面の下方に埋没され、排紙路が開放される。その後、下搬送ベルト201を回動させ、冊子SAを搬送し、冊子排出口214方向に排出する(図8(d)参照)。
【0080】
[切り屑収納箱と切り屑押圧手段]
図9は、断裁部300と切り屑収納箱320の断面図である。
【0081】
中綴じ処理、中折り処理された冊子の小口は、断裁部300の断裁上刃301と下刃302によって断裁され、冊子の小口bが仕上げられる。この断裁処理時に発生する切り屑kは、切り屑収納箱320に収納される。
【0082】
切り屑収納箱320に収納された切り屑kは、切り屑押圧手段330によって押圧されて圧縮される。切り屑押圧手段330は、切り屑kを押圧する押圧部材331と、押圧部材331を指示する支軸332と、押圧部材331を移動させる移動手段とから構成されている。
【0083】
移動手段は水平移動手段333と垂直移動手段334とから成る。水平移動手段333は切り屑押圧手段移動用モータM4(図11参照)により駆動され、押圧部材331を保持して初期位置(HP)と切り屑収納箱320の上方位置との間を水平方向Xに移動する。垂直移動手段334は切り屑押圧用モータM3(図11参照)により駆動され、押圧部材331を保持して上方の押圧開始位置と切り屑押圧位置との間を垂直方向Yに移動する。
【0084】
切り屑収納箱320の上部には、2組の切り屑満杯検知センサPS1,PS2が配置されている。切り屑満杯検知センサPS1,PS2は何れも発光部と受光部とから成る透過型のセンサにより形成されている。
【0085】
第1の切り屑満杯検知センサPS1は、断裁処理されて切り屑収納箱320に落下して集積される切り屑kの高さが所定高さに到達して満杯状態になった事を検知して第1の満杯状態を判断する。この第1の切り屑満杯検知信号により、制御手段は切り屑押圧手段330を駆動させて押圧を開始し切り屑kを圧縮収納する。
【0086】
第1の切り屑満杯検知センサPS1の上方に配置された第2の切り屑満杯検知センサPS2は、切り屑収納箱320内に収納された切り屑kが切り屑押圧手段330により押圧された状態で、押圧部材331の高さが所定高さに到達して満杯状態になった事を検知して第2の満杯状態を判断する。この第2の満杯状態と判断されると、制御手段は警告信号を発し、切り屑収納箱320内の切り屑kの廃棄、又は切り屑収納箱320の交換を促す。
【0087】
図10は、切り屑収納箱320と押圧部材331の部分破断斜視図である。
押圧部材331は、切り屑収納箱320に収納された切り屑kの断裁方向に平行する両端部近傍を押圧する。
【0088】
[切り屑押圧手段の制御]
図11は、切り屑押圧手段330の制御を示すブロック図、図12は、切り屑押圧手段330の作動工程を示す模式図、図13、図14は切り屑押圧手段330の作動工程を示すフローチャートである。
【0089】
〈ステップ1〉 切り屑収納箱320内に収容された切り屑kが満杯になっていない事を第2の切り屑満杯検知センサPS2が検知すると、制御手段90は第1搬送部100、第2搬送部200の冊子搬送モータM1の駆動を開始させ、後処理装置FS1から排出される冊子SAを断裁部300に向けて搬送させる。
【0090】
〈ステップ2〉 第1搬送部100に配置されたセンサPS3が冊子SAの先端部通過を検知し、切り屑押圧手段330の押圧部材331が初期位置に存在しない事を切り屑押圧手段初期位置検知センサ(以下、HPセンサと称す)PS4により検知されると、制御手段90は切り屑押圧用モータの逆転駆動を開始させて、押圧部材331を上方に駆動させる。
【0091】
〈ステップ3〉 押圧部材331が切り屑収納箱320の上方位置にいる事を押圧開始位置検知センサ(以下、押圧開始位置センサと称す)PS5により検知されると、制御手段90は切り屑押圧用モータM3の逆転駆動を停止させ、押圧部材331を切り屑収納箱320の上方位置に停止させる。
【0092】
〈ステップ4〉 押圧部材331が切り屑収納箱320の上方位置に停止した後、制御手段90は、切り屑押圧手段移動用モータM4の逆転駆動を開始させて、押圧部材331を水平方向の初期位置に移動させる。
【0093】
〈ステップ5〉 HPセンサPS4が押圧部材331の初期位置到達を検知すると、制御手段90は切り屑押圧手段移動用モータM4の駆動を停止させ、押圧部材331を初期位置に停止させる。
【0094】
〈ステップ6〉 第1搬送部100、第2搬送部200の搬送手段により搬送される冊子SAの先端部通過が、可動ストッパ221の近傍に配置されたセンサPSにより検知されると、制御手段90は冊子搬送用モータM1の駆動を停止させ、冊子SAの先端部は可動ストッパ221に当接して停止する。
【0095】
〈ステップ7〉 制御手段90は断裁用モータM2を駆動させ、断裁上刃301を下降させて断裁下刃302とともに、冊子SAの小口bを断裁し、切り屑kを落下させる。
【0096】
〈ステップ8〉 断裁処理後、断裁用モータM2は逆転駆動された後、停止し、断裁処理が完了する。
【0097】
〈ステップ9〉 ファン123による送風流は、断裁処理されて切り屑収納箱320内に落下する切り屑kを分散して収納させる。
【0098】
〈ステップ10〉 制御手段90は冊子搬送用モータM1を駆動再開させ、冊子SAを冊子収納部400に搬送させる。
【0099】
〈ステップ11〉 第2搬送部200の搬送路下流側に配置した排紙センサPS6が冊子SAの通過を検知した後、切り屑満杯検知センサPS1が切り屑収納箱320内に集積された切り屑kの満杯を検知すると、制御手段90は切り屑押圧手段移動用モータM4の駆動を開始させ、押圧部材331を初期位置から切り屑収納箱320の上方に水平移動させる。
【0100】
〈ステップ12〉 押圧部材331が切り屑収納箱320の上方の押圧開始位置に到達した事を、押圧開始位置センサPS5が検知すると、制御手段90は切り屑押圧手段移動用モータM4の駆動を停止させ、押圧部材331を押圧開始位置に停止させる。
【0101】
〈ステップ13〉 引き続き、制御手段90は切り屑押圧用モータM3の正転駆動を開始させ、押圧部材331を押圧開始位置から下降させて、切り屑収納箱320内に集積された切り屑kを押圧する。
【0102】
〈ステップ14〉 押圧部材331の押圧開始位置からの下降開始から短時間(例えば1秒)経過後、制御手段90は切り屑押圧用モータM3の駆動を停止させる。
【0103】
〈ステップ15〉 切り屑収納箱320内に集積された切り屑kが満杯に達していない事を切り屑満杯検知センサPS2により検知されると、ステップ2に戻り、切り屑押圧手段330を駆動して、切り屑収納箱320内の切り屑kを押圧する作動を繰り返し実行する。
【0104】
切り屑満杯検知センサPS2が切り屑収納箱320内に集積された切り屑kの満杯を検知すると、制御手段90は警告信号を発した後、断裁装置FS2、これに接続する後処理装置FS1、画像形成装置Aの駆動を停止させる。操作者は切り屑収納箱320内の切り屑kの廃棄、又は切り屑収納箱320の交換を行い、駆動を再開させる。
【0105】
【発明の効果】
本発明の用紙断裁装置及び画像形成システムにより以下の効果が得られる。
【0106】
(1) 用紙断裁装置の断裁部において冊子の小口が断裁されて落下する切り屑を収納する切り屑収納箱内に、切り屑押圧手段によって切り屑を押圧、圧縮して収納する事により、切り屑収納箱内の切り屑の集積量を増加させる事が出来るから、用紙断裁装置及び画像形成システムの駆動停止が低減する。また、切り屑収納箱の交換、廃棄等の操作を低減する事が出来る。更に、切り屑の集積容量を低減する事により、回収置き場の縮小、運搬、廃棄処分が容易になる。
【0107】
(2) 複写機、プリンタ、これらの複合機等の画像形成装置による画像形成処理後、排出された用紙は、後処理装置において中綴じ、中折り処理され、本発明の用紙断裁装置により、小口断裁が行われ、製本化された冊子となり、連続して安定した冊子仕上げ処理が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置本体、用紙断裁装置、用紙後処理装置を備えた画像形成システムの全体構成図。
【図2】用紙後処理装置の用紙搬送経路を示す模式図。
【図3】中綴じ処理した用紙の平面図、中綴じと中折りの後処理を施した冊子の斜視図、冊子を両開きした状態を示す斜視図、冊子の断面図。
【図4】本発明の用紙断裁装置の全体構成図。
【図5】用紙断裁装置の用紙搬送経路を示す断面図。
【図6】冊子搬送系の駆動手段を示す構成図。
【図7】断裁部の断面図。
【図8】用紙断裁装置により冊子の小口を断裁する過程を示す模式図。
【図9】断裁部と切り屑収納箱の断面図。
【図10】切り屑収納箱と押圧部材の部分破断斜視図。
【図11】切り屑押圧手段の制御を示すブロック図。
【図12】切り屑押圧手段の作動工程を示す模式図。
【図13】切り屑押圧手段の作動工程を示すフローチャート。
【図14】切り屑押圧手段の作動工程を示すフローチャート。
【図15】湾曲した切り屑を収納した切り屑収納箱の断面図。
【符号の説明】
90 制御手段
100 第1搬送部
123 ファン
200 第2搬送部
300 断裁部(断裁手段)
301 断裁上刃
302 断裁下刃
320 切り屑収納箱
330 切り屑押圧手段
331 押圧部材
333 水平移動手段
334 垂直移動手段
400 冊子収納部
A 画像形成装置
FS2 小口断裁装置(断裁装置)
M3 切り屑押圧用モータ
M4 切り屑押圧手段移動用モータ
PS1,PS2 切り屑満杯検知センサ
PS4 切り屑押圧手段初期位置検知センサ(HPセンサ)
PS5 押圧開始位置検知センサ(押圧開始位置センサ)
SA 冊子
k 切り屑
【発明の属する技術分野】
本発明は、中綴じ処理、中折り処理された冊子の小口を断裁して冊子を仕上げる小口断裁装置、及び小口断裁装置を備えた画像形成システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複数枚で1セットになる用紙束に対して中綴じ処理、及び中折り処理を可能にする用紙後処理装置が知られている。
【0003】
近年、複写機、プリンタ、これらの複合機等の画像形成装置により画像が記録された用紙束に対して、用紙後処理装置により中綴じ処理、中折り処理を行い週刊誌のように製本化した後、用紙の小口を揃えて断裁する小口断裁装置が提供されている。
【0004】
特許文献1に記載のシート断裁装置は、中綴じ処理、中折り処理されたシート束の折り部近傍を押圧してシート束の膨らみを平坦化する第1押圧手段と、シート束の小口近傍を押圧する第2押圧手段とを有するものである。
【0005】
このような用紙断裁装置において、小口断裁時に発生した切り屑は、切り屑収納箱に収納した後、廃棄される。切り屑収納箱に収納された切り屑は、バラバラとなって投入されて、切り屑収納箱は直に満杯になってしまう。
【0006】
特に、用紙断裁装置の可動上刃は、固定下刃に対してシアー角を保持して摺動し、用紙束を一方の端部から他方の端部に向かって逐次断裁している。このため小口断裁処理して発生した切り屑は、長手方向の両端部がカールして捲り上がった湾曲形状となって落下して集積される。
【0007】
図15は、湾曲した切り屑を収納した切り屑収納箱の断面図である。
切り屑満杯検知センサを図示のように切り屑長手方向の両端部に配置した場合、切り屑収納箱が満杯状態でなくても、切り屑満杯検知センサが切り屑のカール部を検知して、装置が切り屑満杯と判断してしまう。
【0008】
また、切り屑満杯検知センサを図示と直交する方向の切り屑中心部に配置した場合は、切り屑満杯検知センサが切り屑のカール部を検知出来ず、切り屑のカール部に後続の切り屑が積載して、切り屑が切り屑収納箱から溢れ出して散乱する等の問題があった。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−198613号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題を解決して、切り屑収納箱に収納された切り屑の積載量を増加させ、切り屑収納箱を装置本体から引き出して交換する操作を低減する事を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、本発明の以下の小口断裁装置及び画像形成システムにより達成される。
【0012】
(1) 中綴じ処理、中折り処理された冊子の小口を断裁して冊子を仕上げる断裁手段と、断裁処理時に発生する切り屑を収納する切り屑収納箱とを具備する小口断裁装置において、前記切り屑収納箱に収納された切り屑を押圧する切り屑押圧手段を設けたことを特徴とする小口断裁装置。
【0013】
(2) 画像書き込み部、画像形成部、用紙搬送手段、定着装置から成る画像形成装置と、用紙搬送手段、綴じ処理部、折り処理部から成る用紙後処理装置と、前記(1)に記載の小口断裁装置と、を備えて成ることを特徴とする画像形成システム。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る画像形成装置A、用紙後処理装置(以下、後処理装置と称す)FS1、小口断裁装置(以下、断裁装置と称す)FS2から成る画像形成システムを図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は画像形成システムの全体構成図である。
[画像形成システム]
図示の画像形成装置Aは、画像読み取り部1、画像処理部2、画像書き込み部3、画像形成部4、給紙カセット5、給紙手段6、定着装置7、排紙部8、自動両面コピー給紙部(ADU)9を備えている。
【0016】
画像形成装置Aの上部には、自動原稿送り装置DFが搭載されている。画像形成装置Aの図示の左側面の排紙部8側には、断裁装置FS2を備えた後処理装置FS1が連結されている。
【0017】
自動原稿送り装置DFの原稿台上に載置された原稿dは矢印方向に搬送され画像読み取り部1の光学系により原稿の片面又は両面の画像が読みとられ、CCDイメージセンサ1Aに読み込まれる。
【0018】
CCDイメージセンサ1Aにより光電変換されたアナログ信号は、画像処理部2において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、画像書き込み部3に信号を送る。
【0019】
画像書き込み部3においては、半導体レーザからの出力光が画像形成部4の感光体ドラム4Aに照射され、潜像を形成する。画像形成部4においては、帯電、露光、現像、転写、分離、クリーニング等の処理が行われる。給紙カセット5から給紙手段6により給送された用紙Sは転写手段4Bにより画像が用紙Sに転写される。画像を担持した用紙Sは、定着装置7により定着され、排紙部8から後処理装置FS1に送り込まれる。或いは搬送路切り替え板8Aにより自動両面コピー給紙部9に送り込まれた片面画像処理済みの用紙Sは再び画像形成部4において、両面画像処理後、排紙部8から排出される。
【0020】
後処理装置FS1は、入口搬送部10、シフト処理搬送部20、綴じ処理部30、折り処理部50、表紙給紙部60及び排紙部から構成されている。排紙部は最上段の固定排紙皿71、図示左側方の昇降排紙皿72、底部近傍の下部排紙口73から成る。
【0021】
後処理装置FS1において、中綴じ処理、中折り処理された冊子SAは、断裁装置FS2に送り込まれる。
【0022】
断裁装置FS2は、第1搬送部100、第2搬送部200、断裁部(断裁手段)300、冊子収納部400から成り、後処理装置FS1により中綴じ処理、中折り処理された冊子SAの小口b近傍を、図3(d)に示すように、断裁して小口bを揃えるもので、図4以降において詳述する。
【0023】
[用紙後処理装置]
図2は、後処理装置FS1の用紙搬送経路を示す模式図である。
【0024】
〈入口搬送部〉
入口搬送部の入口部11を通過し、入口部ローラ12に挟持搬送される用紙Sは、上段の第1搬送路▲1▼、中段の第2搬送路▲2▼、下段の第3搬送路▲3▼の3系統に分岐されていて、切換手段G1,G2の占める角度の選択により用紙Sが何れかの搬送路に給送される。
【0025】
〈単純排紙〉(第1搬送路▲1▼)
この搬送モードに設定されると、切換手段G1は、第2搬送路▲2▼、第3搬送路▲3▼を遮断し、第1搬送路▲1▼のみを開放する。第1搬送路▲1▼を通過する用紙Sは、通路13に進入し、搬送ローラ14,15に挟持されて上昇搬送され、排出ローラ16に挟持されて固定排紙皿71上に排出される。
【0026】
〈シフト処理〉(第2搬送路▲2▼)
この搬送モードに設定されると、切換手段G1は通路13を閉止し、通路17を開放状態に保持し、用紙Sの通路17の通過を可能にする。
【0027】
用紙Sは、通路17を通過して、搬送ローラ18に挟持されて、切換手段G2の上方の第2搬送路▲2▼である通路21を通過して、搬送ローラ22に挟持され、通路23を経て、シフト手段24、シフトローラ25に挟持され、排出ローラ26により排出され、昇降可能な昇降排紙皿72上に積載される。
【0028】
〈平綴じ処理〉(第3搬送路▲3▼)
平綴じ処理又は中綴じ処理を施す用紙Sは、切換手段G1の下方の通路17を通過して、搬送ローラ18に挟持されて、第3搬送路▲3▼に搬送される。
【0029】
第3搬送路▲3▼において、用紙Sは、切換手段G2の下方の通路31を通過して、搬送ローラ32,33により挟持されて送り出され、綴じ処理部30の傾斜配置された中間スタッカ35の上方空間に排出され、中間スタッカ35または中間スタッカ35上に積載された用紙Sの上面に接し、滑走上昇したのち、搬送ローラ33から用紙Sの進行方向後端部が排出されたのちには、用紙Sの自重により下降に転じ、中間スタッカ35の傾斜面上を滑落し、綴じ手段40近傍の平綴じストッパ41の用紙突き当て面に用紙Sの進行方向先端部が当接して停止する。
【0030】
幅整合手段36は用紙搬送方向と直交する方向に移動可能であり、用紙Sの幅揃えを行う。
【0031】
この停止位置において、中間スタッカ35上に所定枚数の用紙Sが積載、整合されると、綴じ手段40により綴じ処理が行われ、用紙束が綴じ合わされる。
【0032】
中間スタッカ35の用紙積載面の下方には、排出ベルト38が回動可能に配置されている。綴じ処理された用紙束は、排出ベルト38の排出爪38aにより用紙Sの後端部を保持されて、排出ベルト38上に載せられ、中間スタッカ35の載置面上を滑走して斜め上方に押し上げられ、排出ローラ26に挟持、搬送され、昇降排紙皿72上に排出、積載される。
【0033】
〈表紙給紙〉(第4搬送路▲4▼)
表紙給紙部60の載置台61上に載置された表紙Kは、表紙送り手段62により給紙され、切換手段G1,G2を介して第2搬送路▲2▼又は第3搬送路▲3▼の搬送される。
【0034】
〈中綴じ処理〉(第5搬送路▲5▼)
綴じ手段40は、上部機構40Aと下部機構40Bとの2分割構造に構成され、その中間に、用紙Sが通過可能な通路42を形成している。
【0035】
綴じ手段40は、用紙搬送方向に直交する方向に2組配置され、図示しない駆動手段により、用紙搬送方向に直交する方向に移動可能である。この綴じ手段40により、用紙幅方向の中央振り分け2箇所に綴じ針SPを打つ。
【0036】
中綴じモードに設定され、表紙K及び用紙Sのサイズ(搬送方向の長さ)が設定又は検知されると、中綴じストッパ43は所定位置に移動して停止する。中綴じストッパ43の起動に連動して平綴じストッパ41が退避し、通路42を開放する。
【0037】
第3搬送路▲3▼を通過して、中間スタッカ35上に載置された用紙Sが順次積載され、用紙Sの端部が中綴じストッパ43に当接して位置決めされる。
【0038】
最終の用紙Sが中間スタッカ35上に位置決め載置された後、用紙Sの全頁から成る用紙束に綴じ手段40による中綴じ処理を行う。この中綴じ処理により、用紙Sの搬送方向の中央部に綴じ針SP(図3参照)が打ち込まれる。
【0039】
〈中折り処理〉(第6搬送路▲6▼)(図2参照)
中綴じ処理後、中綴じストッパ43が揺動して、通路42の下流の通路を開放する。中綴じ処理された用紙束は、湾曲した通路と中間搬送ローラ51を通過して斜め下方の搬送ベルト52により案内板53に案内されて搬送され、更に、スタック台54上を搬送されて、折り部可動ストッパ手段55に用紙束の搬送方向の先端部が当接して、所定位置に停止する。折り部可動ストッパ55は用紙サイズの設定又は検知と駆動手段により所定位置に移動可能である。
【0040】
停止状態の用紙束の搬送方向の中央部、即ち中綴じ位置の斜め下方には、用紙突出手段56が設置されている。中綴じ位置の斜め上方には、折りローラ57、搬送ベルト58、加圧ローラ59が設置されている。
【0041】
中折り開始信号により、用紙突出手段56の突出板56Aが斜め上方に直進して、突出板56Aの先端部は、用紙束の中央部を押し上げ、用紙束を介して折りローラ57のニップ部を押し広げて揺動、離間させる。
【0042】
突出板56Aの先端部が前記ニップ部を通過後、突出板56Aが後退して、用紙束の中央部は、折りローラ57により挟圧されて、折り目a(図3参照)が形成される。この折り目aは、前述の中綴じ処理による用紙束への綴じ針SPの打ち込み位置と一致する。
【0043】
折りローラ57により挟圧されて折り目aを形成された冊子SA(図3参照)の中央部は、一対の搬送ベルト58に挟持されて搬送され、一対の加圧ローラ59のニップ位置に送り込まれ、この位置で折り目aが更にしっかり付けられ、下部排紙口73に送り込まれ、断裁装置FS2に排出される。
【0044】
図3(a)は用紙Sの中折りする折り目aに沿って中央振り分け2箇所に綴じ針SPを打針する中綴じ処理を示す用紙の平面図、図3(b)は中綴じと中折りの後処理を施した冊子SAの斜視図、図3(c)は後処理済みの冊子SAを両開きした状態を示す斜視図、図3(d)は中綴じと中折りの後処理を施した冊子SAの断面図である。これらの図において、bは冊子SAの側端部の小口、cは小口揃えするための断裁線、kは断裁処理後に廃棄される切り屑である。
【0045】
画像形成装置Aの操作部において、冊子作成モードを選択、設定し、プリントを開始すると、画像形成装置Aの制御部により、画像プロセスが実行され、画像を担持した用紙Sは後処理装置FS1により、中綴じ処理と中折り処理とが行われて、連続して冊子SAが作製、排出される。
【0046】
[小口断裁装置]
図4は、本発明の断裁装置FS2の全体構成図である。図5は、断裁装置FS2の用紙搬送経路を示す断面図である。
【0047】
断裁装置FS2は、第1搬送部100、第2搬送部200、断裁部300、冊子収納部400から構成されている。
【0048】
後処理装置FS1の折り処理部50により中折り処理された冊子SAは、断裁装置FS2の入口部に配置された搬送ベルト101上に排出される。搬送ベルト101は、支持部材102に回動可能に支持され、駆動ローラ103により回動される。
【0049】
搬送ベルト101の用紙搬送方向下流側には、駆動ローラ112と従動ローラ113に巻回された下搬送ベルト111が回動可能に配置されている。下搬送ベルト111の上方には、上搬送ベルト114が圧接し、従動して回動される。ローラ115,116を巻回する上搬送ベルト114は、支持部材117に回動可能に支持されている。支持部材117は、バネ118により付勢され、上搬送ベルト114を下搬送ベルト111に圧接する。搬送ベルト101により搬送された冊子SAは、下搬送ベルト111と上搬送ベルト114により圧接、挟持されて搬送される。
【0050】
下搬送ベルト111の用紙搬送方向下流側には、駆動手段に接続する駆動ローラ121と、駆動ローラ121に圧接して回動する従動ローラ122が配置されている。下搬送ベルト111と上搬送ベルト114とに挟持されて搬送される冊子SAは、駆動ローラ121と従動ローラ122に挟持されて搬送される。
【0051】
下搬送ベルト111と駆動ローラ121との中間で用紙搬送路の下方には、ファン123が配置されている。ファン123による送風流は、断裁部300によって断裁されて切り屑収納箱320内に落下する切り屑kを分散して収納させる。
【0052】
駆動ローラ121の用紙搬送方向下流側には、断裁上刃301、断裁下刃302、可動板310、押圧ローラ311、切り屑収納箱320及び駆動手段から成る断裁部300が配置されている。断裁部300の詳細は後述する。
【0053】
断裁部300により小口bを断裁されて仕上げられた冊子SAは、第2搬送部200において、回動する下搬送ベルト201、従動して回動される上搬送ベルト206、及び駆動回転する上ローラ205に挟持されて搬送される。
【0054】
下搬送ベルト201は、駆動手段に接続する駆動ローラ202により回動される。203は、下搬送ベルト201により従動回転する従動ローラである。下搬送ベルト201内方で冊子搬送路近傍には、搬送支持板204が固設されている。
【0055】
上搬送ベルト206は、ローラ207,208を巻回して回動可能であり、支持部材209に支持されている。支持部材209は、バネ付勢され、上搬送ベルト206を下搬送ベルト201を介して搬送支持板204に圧接する。断裁処理された冊子SAは、第2搬送部200の下搬送ベルト201と上ローラ205との間隙を通過し、更に、下搬送ベルト201と上搬送ベルト206により圧接、挟持されて搬送される。
【0056】
下搬送ベルト201により水平方向に搬送される冊子SAは、回転する大径ローラ211と、固定配置された案内板212に案内されて、垂直上方に約90°偏向されて上昇搬送される。冊子SAは、更に大径ローラ211とピンチローラ213とに挟持されて、冊子排出口214を通過して排出され、冊子SAの折り目aを上に、小口bを下にして、冊子収納部400の冊子積載台401上に載置される。
【0057】
冊子収納部400は、冊子積載台401、可動壁部材410、仕切部材420、押圧壁部材430及び駆動手段とから構成されている。
【0058】
冊子積載台401は、断裁処理済みの複数の冊子SAを冊子排出口214から順次受容して、冊子SAの折り目aを上にして用紙面を重ね合わせて積載する。可動壁部材410は、冊子積載台401に直立して水平移動可能に支持され、冊子積載台401上に積載された冊子SAの用紙面を押圧し、冊子積載台401上と冊子排出口214との間を水平方向に往復動する。
【0059】
可動壁部材410は、通常は冊子排出口214よりも前進した停止位置で冊子積載台401上に積載された冊子SAを受け止め、断裁処理済みの冊子SAが冊子積載台401に搬入される都度、冊子排出口214を開放する位置まで待避し、冊子SAが冊子排出口214を通過完了後に、冊子SAの用紙面を押圧しながら停止位置に復帰して待機する。
【0060】
仕切部材420は、冊子積載台401に直交する垂直方向に昇降可能であり、可動壁部材410が次の冊子受入のため冊子排出口214が開放されるように待避を始めるとき、仕切部材420が可動壁部材410の代わりに積載済みの冊子SAの用紙面を受け止め、可動壁部材410が次の冊子SAの用紙面を押圧しながら停止位置に前進する動作に合わせて、仕切部材420が冊子積載台401の後端部に沿って下降を開始して待避し、冊子積載台401上に次の冊子SAを受け入れ可能にする。可動壁部材410が停止位置に移動完了するのに合わせて、仕切部材420が上昇開始する。
【0061】
押圧壁部材430は、冊子積載台401に水平移動可能に支持され、バネ付勢されている。押圧壁部材430の冊子接触面は、可動壁部材410又は仕切部材420に対向し、冊子積載台401上に積載された冊子SAの用紙面を押圧、保持する。
【0062】
図6は冊子搬送系の駆動手段を示す構成図である。
冊子搬送用モータM1は、第1搬送部100及び第2搬送部200を駆動する。冊子搬送用モータM1の駆動軸に設けた歯車g1は、歯車g2,g3,g4,g5を介して第1搬送部100の駆動ローラ121を回転させる。駆動ローラ121はベルトTB1を介して駆動ローラ112を回転させ、下搬送ベルト111を回動させる。
【0063】
歯車g4と同軸上のプーリTP1を巻回するベルトTB2は、プーリTP2,TP3,TP4を巻回して回動可能である。プーリTP2の回転軸上には、上ローラ205が固定されて回転可能である。プーリTP4の回転軸上に固定された歯車g6は、駆動ローラ202の回転軸上に固定された歯車g7を回転させる。駆動ローラ202は下搬送ベルト201を回動させる。
【0064】
駆動ローラ202の回転軸上に固定されたプーリTP5と、中間軸上のプーリTP6とを巻回するベルトTB3は、プーリTP6の回転軸上に固定された歯車g8,g9を介して、歯車g9の回転軸上に固定された大径ローラ211を回転させる。
【0065】
図7は、断裁部300の断面図である。
断裁部300は、断裁上刃301、断裁下刃302、断裁上刃301を昇降可能に駆動する駆動手段から成る。
【0066】
断裁用モータM2は、歯車g11,g12,g13を回転させ、歯車g13の偏心位置に植設された偏心ピン303を偏心回転させる。偏心ピン303の先端部は、可動部材304の内周面を摺動して、可動部材304を昇降させる。
【0067】
可動部材304と一体をなし昇降可能に支持された昇降シャフト305の上部には、上刃支持枠体306が固定されている。上刃支持枠体306には、断裁上刃301が固定されている。
【0068】
下降する断裁上刃301の刃先と、固定位置の断裁下刃302の刃先とにより、冊子SAの小口が断裁される。320は小口から断裁された屑を収容する切り屑収納箱である。
【0069】
上刃支持枠体306には、可動枠体307がバネ308に付勢されて支持されている。上刃支持枠体306の下部には、冊子SAの上面側を押圧する押圧板309と、可動板310を押圧する押圧ローラ311が支持されている。
【0070】
可動枠体307の下降工程では、押圧板309が下降して、断裁下刃302上に載置された冊子SAの上面を押圧し、次に、下降する押圧ローラ311が可動板310上の冊子SAの小口上面を押圧し、引き続き、断裁上刃301の刃先が下降して、小口を断裁する。
【0071】
図8は、断裁装置FS2により冊子SAの小口bを断裁する過程を示す模式図である。
【0072】
冊子SAの小口断裁過程を以下に示す。
(1) 後処理装置FS1により中綴じ処理及び中折り処理された冊子SAに対して小口断裁処理を行う設定信号を入力する。
【0073】
(2) 画像形成装置A又は後処理装置FS1による用紙サイズ検知信号、或いは画像形成装置Aの操作部に設定される用紙サイズ信号が断裁装置FS2に入力されると、可動ストッパ221を含むユニットが図示しない駆動手段により駆動されて移動し、設定された用紙サイズ位置に停止する。
【0074】
(3) 後処理装置FS1から排出された中綴じ、中折り処理された冊子SAは、断裁装置FS2の第1搬送部100に送り込まれ、更に、第2搬送部200に送り込まれる。
【0075】
(4) 第2搬送部200に搬入された冊子SAは、回動する下搬送ベルト201と、定位置で駆動回転する上ローラ205とが対向する所定間隔(例えば8mm)の空間を、冊子SAの折り部の膨らみを押さえるようにして搬送される。更に、回動する下搬送ベルト201面上を、従動する上搬送ベルト206に案内されて、折り部の膨らみを押さえるように搬送される。可動ストッパ221の近傍に配置された用紙先端検知センサPSが、冊子SAの先端部通過を検知すると、制御手段は冊子SAの先端部が可動ストッパ221に当接して停止するように、下搬送ベルト201の回動を制御して停止させる(図8(a)参照)。
【0076】
(5) 用紙先端検知センサPSによる冊子SAの先端部通過検知後、制御手段によりモータの駆動を開始し、押圧板240を下降させる。押圧板240は下降して冊子SAの先端部(折り目a)付近の上面を強く押圧する。また、バネ付勢された上搬送ベルト206も下降して冊子SAの先端部付近の上面を押圧する。これらの押圧力により、中綴じ中折り処理された冊子SAは、図8(a)に示す膨らみが圧縮されて、平坦化される(図8(b)参照)。
【0077】
(6) その後、制御手段は所定時間経過後、断裁用モータM2の駆動を開始し、先ず、押圧板309が冊子SAの上面を押圧して冊子SAの端部の反りを矯正して密着させ、引き続き断裁上刃301が下降して冊子SAの小口bを断裁する。断裁された切り屑kは落下して下方の切り屑収納箱320内に収容される(図8(c)参照)。
【0078】
(7) 小口断裁処理後、駆動を続けている断裁用モータM2により、断裁上刃301と押圧板309が上昇する。断裁用モータM2は駆動回転を続け、断裁上刃301の上限をセンサにより検知された時点で断裁用モータM2の駆動が停止する。
【0079】
断裁上刃301の上限検知信号により、制御手段は駆動源による駆動を開始させ、押圧板240と上搬送ベルト206を上昇させる。また、可動ストッパ221が倒されてその先端部は冊子SAの搬送面の下方に埋没され、排紙路が開放される。その後、下搬送ベルト201を回動させ、冊子SAを搬送し、冊子排出口214方向に排出する(図8(d)参照)。
【0080】
[切り屑収納箱と切り屑押圧手段]
図9は、断裁部300と切り屑収納箱320の断面図である。
【0081】
中綴じ処理、中折り処理された冊子の小口は、断裁部300の断裁上刃301と下刃302によって断裁され、冊子の小口bが仕上げられる。この断裁処理時に発生する切り屑kは、切り屑収納箱320に収納される。
【0082】
切り屑収納箱320に収納された切り屑kは、切り屑押圧手段330によって押圧されて圧縮される。切り屑押圧手段330は、切り屑kを押圧する押圧部材331と、押圧部材331を指示する支軸332と、押圧部材331を移動させる移動手段とから構成されている。
【0083】
移動手段は水平移動手段333と垂直移動手段334とから成る。水平移動手段333は切り屑押圧手段移動用モータM4(図11参照)により駆動され、押圧部材331を保持して初期位置(HP)と切り屑収納箱320の上方位置との間を水平方向Xに移動する。垂直移動手段334は切り屑押圧用モータM3(図11参照)により駆動され、押圧部材331を保持して上方の押圧開始位置と切り屑押圧位置との間を垂直方向Yに移動する。
【0084】
切り屑収納箱320の上部には、2組の切り屑満杯検知センサPS1,PS2が配置されている。切り屑満杯検知センサPS1,PS2は何れも発光部と受光部とから成る透過型のセンサにより形成されている。
【0085】
第1の切り屑満杯検知センサPS1は、断裁処理されて切り屑収納箱320に落下して集積される切り屑kの高さが所定高さに到達して満杯状態になった事を検知して第1の満杯状態を判断する。この第1の切り屑満杯検知信号により、制御手段は切り屑押圧手段330を駆動させて押圧を開始し切り屑kを圧縮収納する。
【0086】
第1の切り屑満杯検知センサPS1の上方に配置された第2の切り屑満杯検知センサPS2は、切り屑収納箱320内に収納された切り屑kが切り屑押圧手段330により押圧された状態で、押圧部材331の高さが所定高さに到達して満杯状態になった事を検知して第2の満杯状態を判断する。この第2の満杯状態と判断されると、制御手段は警告信号を発し、切り屑収納箱320内の切り屑kの廃棄、又は切り屑収納箱320の交換を促す。
【0087】
図10は、切り屑収納箱320と押圧部材331の部分破断斜視図である。
押圧部材331は、切り屑収納箱320に収納された切り屑kの断裁方向に平行する両端部近傍を押圧する。
【0088】
[切り屑押圧手段の制御]
図11は、切り屑押圧手段330の制御を示すブロック図、図12は、切り屑押圧手段330の作動工程を示す模式図、図13、図14は切り屑押圧手段330の作動工程を示すフローチャートである。
【0089】
〈ステップ1〉 切り屑収納箱320内に収容された切り屑kが満杯になっていない事を第2の切り屑満杯検知センサPS2が検知すると、制御手段90は第1搬送部100、第2搬送部200の冊子搬送モータM1の駆動を開始させ、後処理装置FS1から排出される冊子SAを断裁部300に向けて搬送させる。
【0090】
〈ステップ2〉 第1搬送部100に配置されたセンサPS3が冊子SAの先端部通過を検知し、切り屑押圧手段330の押圧部材331が初期位置に存在しない事を切り屑押圧手段初期位置検知センサ(以下、HPセンサと称す)PS4により検知されると、制御手段90は切り屑押圧用モータの逆転駆動を開始させて、押圧部材331を上方に駆動させる。
【0091】
〈ステップ3〉 押圧部材331が切り屑収納箱320の上方位置にいる事を押圧開始位置検知センサ(以下、押圧開始位置センサと称す)PS5により検知されると、制御手段90は切り屑押圧用モータM3の逆転駆動を停止させ、押圧部材331を切り屑収納箱320の上方位置に停止させる。
【0092】
〈ステップ4〉 押圧部材331が切り屑収納箱320の上方位置に停止した後、制御手段90は、切り屑押圧手段移動用モータM4の逆転駆動を開始させて、押圧部材331を水平方向の初期位置に移動させる。
【0093】
〈ステップ5〉 HPセンサPS4が押圧部材331の初期位置到達を検知すると、制御手段90は切り屑押圧手段移動用モータM4の駆動を停止させ、押圧部材331を初期位置に停止させる。
【0094】
〈ステップ6〉 第1搬送部100、第2搬送部200の搬送手段により搬送される冊子SAの先端部通過が、可動ストッパ221の近傍に配置されたセンサPSにより検知されると、制御手段90は冊子搬送用モータM1の駆動を停止させ、冊子SAの先端部は可動ストッパ221に当接して停止する。
【0095】
〈ステップ7〉 制御手段90は断裁用モータM2を駆動させ、断裁上刃301を下降させて断裁下刃302とともに、冊子SAの小口bを断裁し、切り屑kを落下させる。
【0096】
〈ステップ8〉 断裁処理後、断裁用モータM2は逆転駆動された後、停止し、断裁処理が完了する。
【0097】
〈ステップ9〉 ファン123による送風流は、断裁処理されて切り屑収納箱320内に落下する切り屑kを分散して収納させる。
【0098】
〈ステップ10〉 制御手段90は冊子搬送用モータM1を駆動再開させ、冊子SAを冊子収納部400に搬送させる。
【0099】
〈ステップ11〉 第2搬送部200の搬送路下流側に配置した排紙センサPS6が冊子SAの通過を検知した後、切り屑満杯検知センサPS1が切り屑収納箱320内に集積された切り屑kの満杯を検知すると、制御手段90は切り屑押圧手段移動用モータM4の駆動を開始させ、押圧部材331を初期位置から切り屑収納箱320の上方に水平移動させる。
【0100】
〈ステップ12〉 押圧部材331が切り屑収納箱320の上方の押圧開始位置に到達した事を、押圧開始位置センサPS5が検知すると、制御手段90は切り屑押圧手段移動用モータM4の駆動を停止させ、押圧部材331を押圧開始位置に停止させる。
【0101】
〈ステップ13〉 引き続き、制御手段90は切り屑押圧用モータM3の正転駆動を開始させ、押圧部材331を押圧開始位置から下降させて、切り屑収納箱320内に集積された切り屑kを押圧する。
【0102】
〈ステップ14〉 押圧部材331の押圧開始位置からの下降開始から短時間(例えば1秒)経過後、制御手段90は切り屑押圧用モータM3の駆動を停止させる。
【0103】
〈ステップ15〉 切り屑収納箱320内に集積された切り屑kが満杯に達していない事を切り屑満杯検知センサPS2により検知されると、ステップ2に戻り、切り屑押圧手段330を駆動して、切り屑収納箱320内の切り屑kを押圧する作動を繰り返し実行する。
【0104】
切り屑満杯検知センサPS2が切り屑収納箱320内に集積された切り屑kの満杯を検知すると、制御手段90は警告信号を発した後、断裁装置FS2、これに接続する後処理装置FS1、画像形成装置Aの駆動を停止させる。操作者は切り屑収納箱320内の切り屑kの廃棄、又は切り屑収納箱320の交換を行い、駆動を再開させる。
【0105】
【発明の効果】
本発明の用紙断裁装置及び画像形成システムにより以下の効果が得られる。
【0106】
(1) 用紙断裁装置の断裁部において冊子の小口が断裁されて落下する切り屑を収納する切り屑収納箱内に、切り屑押圧手段によって切り屑を押圧、圧縮して収納する事により、切り屑収納箱内の切り屑の集積量を増加させる事が出来るから、用紙断裁装置及び画像形成システムの駆動停止が低減する。また、切り屑収納箱の交換、廃棄等の操作を低減する事が出来る。更に、切り屑の集積容量を低減する事により、回収置き場の縮小、運搬、廃棄処分が容易になる。
【0107】
(2) 複写機、プリンタ、これらの複合機等の画像形成装置による画像形成処理後、排出された用紙は、後処理装置において中綴じ、中折り処理され、本発明の用紙断裁装置により、小口断裁が行われ、製本化された冊子となり、連続して安定した冊子仕上げ処理が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置本体、用紙断裁装置、用紙後処理装置を備えた画像形成システムの全体構成図。
【図2】用紙後処理装置の用紙搬送経路を示す模式図。
【図3】中綴じ処理した用紙の平面図、中綴じと中折りの後処理を施した冊子の斜視図、冊子を両開きした状態を示す斜視図、冊子の断面図。
【図4】本発明の用紙断裁装置の全体構成図。
【図5】用紙断裁装置の用紙搬送経路を示す断面図。
【図6】冊子搬送系の駆動手段を示す構成図。
【図7】断裁部の断面図。
【図8】用紙断裁装置により冊子の小口を断裁する過程を示す模式図。
【図9】断裁部と切り屑収納箱の断面図。
【図10】切り屑収納箱と押圧部材の部分破断斜視図。
【図11】切り屑押圧手段の制御を示すブロック図。
【図12】切り屑押圧手段の作動工程を示す模式図。
【図13】切り屑押圧手段の作動工程を示すフローチャート。
【図14】切り屑押圧手段の作動工程を示すフローチャート。
【図15】湾曲した切り屑を収納した切り屑収納箱の断面図。
【符号の説明】
90 制御手段
100 第1搬送部
123 ファン
200 第2搬送部
300 断裁部(断裁手段)
301 断裁上刃
302 断裁下刃
320 切り屑収納箱
330 切り屑押圧手段
331 押圧部材
333 水平移動手段
334 垂直移動手段
400 冊子収納部
A 画像形成装置
FS2 小口断裁装置(断裁装置)
M3 切り屑押圧用モータ
M4 切り屑押圧手段移動用モータ
PS1,PS2 切り屑満杯検知センサ
PS4 切り屑押圧手段初期位置検知センサ(HPセンサ)
PS5 押圧開始位置検知センサ(押圧開始位置センサ)
SA 冊子
k 切り屑
Claims (10)
- 中綴じ処理、中折り処理された冊子の小口を断裁して冊子を仕上げる断裁手段と、断裁処理時に発生する切り屑を収納する切り屑収納箱とを具備する小口断裁装置において、
前記切り屑収納箱に収納された切り屑を押圧する切り屑押圧手段を設けたことを特徴とする小口断裁装置。 - 前記切り屑押圧手段は、前記切り屑収納箱に収納された前記切り屑の断裁方向に平行する両端部近傍を押圧することを特徴とする請求項1に記載の小口断裁装置。
- 前記切り屑押圧手段は、冊子断裁部下流側に配置した冊子検知手段が搬送されてくる冊子を検知した後に、押圧を開始することを特徴とする請求項1又は2に記載の小口断裁装置。
- 前記切り屑押圧手段は、前記断裁手段が冊子断裁を完了した後に、押圧を開始することを特徴とする請求項1又は2に記載の小口断裁装置。
- 前記切り屑押圧手段は、冊子断裁部上流側に配置した冊子検知手段が搬送されてくる冊子を検知した後に、押圧を解除することを特徴とする請求項1又は2に記載の小口断裁装置。
- 前記切り屑押圧手段が前記切り屑を押圧した状態で、前記切り屑収納箱が満杯状態になった事を検知する検知手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の小口断裁装置。
- 前記切り屑収納箱内に収納された切り屑が満杯になった事を判別する判別手段を配置し、該判別手段が切り屑の満杯を判別した時に、前記切り屑押圧手段の押圧を解除することを特徴とする請求項1又は2に記載の小口断裁装置。
- 前記切り屑押圧手段は、押圧解除指示を入力した時に、押圧が解除されることを特徴とする請求項1又は2に記載の小口断裁装置。
- 前記切り屑押圧手段は、押圧開始指示を入力した時に、押圧が開始されることを特徴とする請求項1又は2に記載の小口断裁装置。
- 画像書き込み部、画像形成部、用紙搬送手段、定着装置から成る画像形成装置と、用紙搬送手段、綴じ処理部、折り処理部から成る用紙後処理装置と、前記請求項1〜9の何れか1項に記載の小口断裁装置と、を備えて成ることを特徴とする画像形成システム。
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JP2008013367A (ja) * | 2006-06-07 | 2008-01-24 | Canon Inc | シート処理装置及び画像形成装置 |
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2003
- 2003-05-08 JP JP2003129974A patent/JP2004331328A/ja active Pending
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