JP2004330916A - 乗用田植機 - Google Patents

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Toshio Yagisawa
俊夫 八木澤
Makoto Kubotsu
誠 窪津
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Abstract

【課題】前輪と後輪を備えた四輪駆動型の走行機体の後部に苗植付け装置を連結した乗用田植機において、後輪懸架構造の簡素化および軽量化を図りながら、左右の後輪によるサスペンション機能を高めてめて、円滑に圃場内を高速走行できるようにする。
【解決手段】左右後輪2への動力分岐点b、および、後輪軸心よりも前方に離れた位置に設定した支点aを中心に後輪2を同時に上下揺動変位可能、かつ、左右高さに差をもって上下変位可能に支持する後輪懸架構造を備えてある。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、前輪と後輪を備えた四輪駆動型の走行機体の後部に苗植付け装置を連結した乗用田植機に係り、特には、その後輪懸架構造に特徴を有する乗用田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】
乗用田植機の代表的な車輪懸架構造としては、機体前部に固定されたミッションケースに左右の前輪を装着支持するとともに、機体後部にローリング可能に支持した後部伝動ケースに左右の後輪を支持したもの(特許文献1参照)、あるいは、機体前部に固定されたミッションケースに左右の前輪を装着支持する一方、ミッションケースから後方に向けて延出された左右のスイングケースの後端部に後輪をそれぞれ軸支して、左右の後輪を独立的に上下変位可能に弾性支持したもの(特許文献2参照)、などが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−102215号公報
【0004】
【特許文献2】
特開2003−81140号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
乗用田植機においては圃場内で高速走行すると、耕盤の凹凸に起因する機体動揺や振動が激しくなって乗り心地が悪化しやすくなるとともに、機体後部に連結した苗植付け装置の位置および姿勢も大きく変化しやすくなり、自動昇降制御をもってしても十分に対応しきれなくなって植付け深さ精度が低下するおそれがある。従って、実作業での植付け走行速度を速めるには限界があり、田植機の能力を十分に発揮させての能率的な植付け作業を行うことが困難なものとなる。
【0006】
特に、苗植付け装置の直前に位置する後輪が耕盤の凹凸に至ることによってもたらされる機体姿勢の変化は大きく、苗植付け装置の位置および姿勢変化への影響が大きいものであり、この後輪の懸架構造を改良することが望まれている。
【0007】
ここで、特許文献1で示されるように、機体前部に固定されたミッションケースに左右の前輪を装着支持するとともに、機体後部にローリング可能に支持した後部伝動ケースに左右の後輪を支持した仕様のものでは、後輪が走行する耕盤の左右高さの差については伝動ケースのローリングによるサスペンション機能が発揮されて機体が左右の大きく傾斜することが抑制されるが、左右後輪が同時に耕盤の凹部あるいは凸部にさしかかった際のサスペンション機能はなく、機体後部が大きく沈下したり持上げられる。
【0008】
これに対して、特許文献2で示されるように、機体前部に固定されたミッションケースに左右の前輪を装着支持する一方、ミッションケースから後方に向けて延出された左右のスイングケースの後端部に後輪をそれぞれ軸支して、左右の後輪を独立的に上下変位可能に弾性支持した仕様のものでは、後輪が走行する耕盤の左右高さの差については左右スイングケースの独立したサスペンション機能によって効果的に吸収されるとともに、左右後輪が同時に耕盤の凹部あるいは凸部にさしかかった際にもサスペンション機能が十分発揮されて走行機体の大きい前後揺動(ピッチング)を抑制することができるものであるが、構造上に以下のような問題点があった。
【0009】
つまり、スイングケースは、上方変位した際に後輪が極力後方に変位して苗植付け装置に近づくことがないようにそのスイング支点は後輪から前方に大きく離れた箇所に設置することが望ましく、スイングケースは前後に長いものに構成されている。また、スイングケースは、ミッションケースで左右に分岐された走行系動力を後輪に伝達する伝動ケースでもあるとともに、後輪に作用する機体荷重を支持する強度メンバーでもある。
【0010】
従って、この長いスイングケースは相当に剛性の高いものに構成する必要があり、重量的にも重いものとなる。さらに、スイングケースに収容される後輪駆動用の伝動機構も前後方向に長いものになって、これも重量増大の一因となるものであり、軽量化が特に望まれる田植機にとっては不具合となるものであった。
また、ミッションケースに貫通横架された動力分岐用の伝動軸がスイングケースの支点軸としても機能する構造が採用されているので、この伝動軸には後輪駆動トルクのみならず機体荷重も作用することになる。り、走行機体が衝撃的にバウンドしたような場合にはこの伝動軸には相当大きい負荷がかかって損傷するおそれがあり、耐久性を高めるために径の太いものにしておく必要があった。
【0011】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、後輪懸架構造の簡素化および軽量化を図りながら、左右の後輪によるサスペンション機能を高めてめて、円滑に圃場内を高速走行できるようにすること目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
【0013】
〔請求項1に係る発明の構成、および、作用・効果〕
【0014】
請求項1に係る発明は、前輪と後輪を備えた四輪駆動型の走行機体の後部に苗植付け装置を連結した乗用田植機において、
左右後輪への動力分岐点、および、後輪軸心よりも前方に離れた位置に設定した支点を中心に前記後輪を同時に上下揺動変位可能、かつ、左右に高さに差をもって上下揺動変位可能に支持する後輪懸架構造を備えてあることを特徴とする。
【0015】
上記構成によると、左右後輪が共通の耕盤における隆起部や凹部にさしかかると、左右後輪が同方向に上下に揺動移動し、走行機体の大きい前後傾動(ピッチング)が抑制され、また、片側の車輪が耕盤における隆起部や凹部にさしかかると、揺動差によって左右車輪に高低差がもたらされ、走行機体の左右傾動(ローリング)が抑制される。
【0016】
ここで、後輪を上下揺動変位可能に支持する支点を後輪から大きく前方に離れた位置に設置するとともに、左右後輪への動力分岐点を後輪軸心に近く設置することができ、これによると、動力分岐点に至る一系統の伝動径路長さは長くなるが、動力分岐点から左右後輪への各伝動径路長さは従来のスイングケース式のものに比べて短いものとなる。
【0017】
また、後輪は前方の支点を中心に大きい曲率半径で上下に揺動移動することになるので、後輪軸心の移動軌跡は鉛直線に近いものとなり、後輪が大きく上方に変位しても後方への移動成分がわずかなものとなる。従って、苗植付け装置に備えられた各種機構や部材への異常接近や接触を未然に回避できる。
【0018】
また、後輪にかかる機体荷重は前方の支点には作用するが動力分岐点には作用することがなく、動力分岐点に動力伝達に必要な強度以上の強度を持たせる必要はない。
【0019】
従って、請求項1の発明によると、基本的に上下揺動式の後輪懸架を行うことで、耕盤の凹凸を良好に吸収して圃場内での高速走行を実現することができるものでありながら、従来のスイング形式に比べて動力分岐点から左右後輪への伝動径路の短いものにして伝動系の軽量化を図ることができる。
【0020】
また、後輪揺動支点と動力分岐点とを別にして機能分離を図ることで、スイングケースの頑強化などの機体重量増大に関わる手段を要することなく、所期のサスペンション機能を後輪に発揮させることができるようになった。
【0021】
〔請求項2に係る発明の構成、および、作用・効果〕
【0022】
請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、
左右後輪への動力分岐点を、機体側面視で後輪外形の内部に設定し、前記後輪懸架構造の前記支点を、機体側面視で後輪外形よりも前方に外れた位置に設定してあるものである。
【0023】
上記構成によると、動力分岐点から左右後輪までの各伝動径路長さは短く、後輪の上下揺動軌跡の曲率半径は長いものとなり、請求項1の発明の上記効果を助長量する。
【0024】
〔請求項3に係る発明の構成、および、作用・効果〕
【0025】
請求項3に係る発明は、請求項1の発明において、
前記後輪懸架構造の前記支点を、機体側面視で前輪外形の内部に設定してあるものである。
【0026】
上記構成によると、後輪の上下揺動軌跡の曲率半径が特に長いものとなり、後輪軸心の上下移動軌跡が更に鉛直に近いものにすることができ、請求項1の発明の上記効果を発揮するのに有効となる。
【0027】
〔請求項4に係る発明の構成、および、作用・効果〕
【0028】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項の発明において、
左右の前記後輪を、前記ミッションケースから動力を受ける単一の伝動ケースの左右に軸支してあるものである。
【0029】
上記構成によると、左右後輪が共通の耕盤における隆起部や凹部にさしかかると、伝動ケースが平行に上下動して左右後輪が同時に動方向に上下移動し、走行機体の大きい前後傾動(ピッチング)が抑制され、また、片側の車輪が耕盤における隆起部や凹部にさしかかると、伝動ケースが左右方向に傾動して左右車輪に高低差がもたらされ、走行機体の左右傾動(ローリング)が抑制される。
【0030】
ここで、左右車輪は単一の伝動ケースの左右に軸支されたものであるので、互いの相対位置姿勢は常に一定であり、機体荷重がユニット状態の左右後輪によって確実かつ安定して接地支持される。
【0031】
従って、請求項4の発明によると、請求項1〜3のいずれか一項の発明の上記効果をもたらすとともに、走行時の安定性を向上することができる。
【0032】
〔請求項5に係る発明の構成、および、作用・効果〕
【0033】
請求項5に係る発明は、請求項1の発明において、
左右の後輪を独立して上下揺動変位可能に支持するよう前記後輪懸架構造を構成してあるものである。
【0034】
上記構成によると、左右後輪が共通の耕盤における隆起部や凹部にさしかかると、左右後輪が同時に動方向に上下移動し、走行機体の大きい前後傾動(ピッチング)が抑制され、また、片側の車輪が耕盤における隆起部や凹部にさしかかると、独立に上下動する左右車輪に高低差がもたらされ、走行機体の左右傾動(ローリング)が抑制される。
【0035】
従って、請求項5の発明によると、請求項1に係る発明の上記効果をもたらすとともに、耕盤に小さい凹凸が多い圃場でも左右後輪の耕盤への追従性が優れ、機体姿勢を安定させながらの高速走行が可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】
図1および図2に、本発明に係る乗用田植機の全体側面及び全体平面がそれぞれ示されている。この乗用田植機は、前輪1および後輪2を備えるとともに運転座席3を装備した四輪駆動型の走行機体4の後部に、油圧シリンダ5によって駆動される四連リンク機構6を介して6条植え仕様の苗植付け装置7が昇降自在に連結され、また、機体後部に施肥装置8が装備されるとともに、機体前部の左右に予備苗のせ台9が配備された構造となっている。
【0037】
走行機体4の前部には前輪1を操向自在に支持したミッションケース10が配備されるとともに、ミッションケース10から前方に延出された前フレーム11にエンジン12が防振搭載され、このエンジン12にベルト掛け連動された油圧式無段変速装置(HST)からなる主変速装置13がミッションケース10の左側面に連結されて、その変速出力がミッションケース10に入力されるようになっている。
【0038】
構造の図示および詳細な説明は省略するが、ミッションケース10に入力された変速動力は走行系と作業系に分岐され、走行系の分岐動力はギヤ式の副変速機構で高低2段に変速された後、デフ機構を介して左右の前輪1に伝達されるとともに、副変速機構を経た変速動力が伝動軸14を介して機体後部の伝動ケース15に伝達されて、この伝動ケース15の左右端に軸支された後輪2が駆動されるようになっている。また、作業系の分岐動力はギヤ式の株間変速機構および植付けクラッチを介してミッションケース後部から取り出され、その動力が苗植付け装置7に伝動軸16を介して伝達されるようになっている。
【0039】
前記苗植付け装置7は、6条分のマット状苗を搭載して一定ストロークで往復横移動する苗のせ台21、苗のせ台21の下端から1株分の苗を切り出して田面Tに植え付ける回転式の植付け機構22、田面Tの植付け箇所を均平整地する3個の整地フロート23、等から構成されており、左右に並列配備された3個の整地フロート23の内、中央の整地フロート23が自動昇降制御用のセンサフロートとして機能し、このセンサフロートの上下変位に基づいて前記油圧シリンダ5が作動制御されて、走行機体4の浮沈および前後傾斜にかかわらず苗植付け装置7が田面Tに対して設定高さに安定維持されるようになっている。
【0040】
前記施肥装置8は、運転座席3と苗植付け装置7の苗のせ台21との間に位置して走行機体後部に支持された肥料ホッパ25から粉粒状の肥料を繰出し機構26によって所定量づつ繰出し、繰出された肥料を電動ブロワ27からの風によって風力搬送し、各整地フロート23に装着した作溝器28にホース29を介して供給して植付け苗の横側に埋設してゆくよう構成されている。
【0041】
この乗用田植機は、前輪1および後輪2がそれぞれ上下変位可能に懸架されており、以下にその構造について説明する。
【0042】
図5に前輪懸架構造が示されている。図示のように、前記ミッションケース10から左右に延出された車軸ケース部10aの先端ボス部10bに、縦軸心P周りに回動可能かつ縦軸心P方向にスライド変位可能に回動ケース31が嵌合装着されており、ミッションケース10に内装された図外左方のデフ機構から延出された差動軸32と、前記回動ケース31に装着した前車軸33とが、先端ボス部10bに内装された縦伝動軸34および2組のべべルギヤ35a,35b,36a,36bを介して連動連結されて、前車軸32に連結した前輪1が駆動されるようになっている。なお、縦伝動軸34は回動ケース31側に属しており、回動ケース31の上下変位に伴う縦伝動軸34の上下変位が、ベベルギヤ35bと縦伝動軸4とのスプライン嵌合部位でのスライドによって吸収される。なお、前記縦軸心Pは若干後傾斜されて、いわゆるキャスタ角が与えられている。
【0043】
先端ボス部10bと回動ケース31との間には、前記縦伝動軸34に挿嵌されたサスペンションバネ37が介在されており、左右の前輪1に作用する機体荷重がそれぞれのサスペンションバネ37によって弾性的に支持されるようになっている。
【0044】
なお、図9に示すように、左右の回動ケース31にはナックルアーム40が連結され、各ナックルアーム40が機体中央部のピットマンアーム41にタイロッド42を介してそれぞれ連動連結され、ステアリングハンドル43の回動操作によって左右の前輪1がハンドル操作方向に操向されるようになっている。
【0045】
図3,図4,および図6〜図8に後輪懸架構造が示されている。図示のように、左右の後輪2を軸支した前記伝動ケース15は、ミッションケース10から取り出された変速動力が伝動軸14を介して入力される中央ケース部15aと、その左右両端に連結された減速ケース部15bとからなり、中央ケース部15aおよび左右の減速ケース部15bが丸パイプ製のステー17で互いに連結されてケース全体が補強されている。中央ケース部15aの左右前面に連結したブラケット50からそれぞれ支持アーム51が前方に向けて延出固定されるとともに、左右の減速ケース部15bの内向き側面には、帯板材をU形に折り曲げ加工してなる支持リンク52が支点ピン53を介して取り付けられて上方に延出されている。
【0046】
ミッションケース10からは後方に向けて角パイプ製の機体フレーム18が連結されており、この機体フレーム18の前部に連設された縦壁状の連結部18aに支軸54が左右水平に貫通固着され、この支軸54の両端に、伝動ケース15から前向きに延出された前記支持アーム51の前端ボス51aがゴムブッシュ55を介して連結支持されている。このように支持された伝動ケース15は、後輪2の外形よりも前方に大きく離れた位置にある支軸54の軸心aを支点として上下に揺動変位可能、かつ、ゴムブッシュ55の弾性融通によって伝動ケース15全体が左右にも傾動可能となっている。
【0047】
また、伝動ケース15における中央ケース部15aの右寄り箇所から前向きに支軸56が突設されるとともに、機体フレーム18の左下面に設けたブラケット57に支点ピン58が前向きに突設され、横向きに配備されたラテラルロッド59の両端ボス部59a,59bが、これら支軸56と支点ピン58とに亘ってゴムブッシュ60を介して連結されて、伝動ケース15の横振れが規制されている。また、機体フレーム18の後部左右にはゴム製のストッパ61が配備されており、前記ブラケット50の上面とストッパ61との接当によって伝動ケース15の傾動範囲が規制されている。
【0048】
また、機体フレーム18の後部には前記四連リンク機構6の前端を連結する左右一対の縦フレーム19が立設され、この縦フレーム19に左右水平に貫通固着された支軸62の両端と、伝動ケース15の左右から上向きに延出された前記支持リンク52の上部とが上下長孔63を介して連結されるとともに、各支持リンク52にはサスペンションバネ64が外嵌装着され、もって、左右の後輪2に作用する機体荷重が左右のサスペンションバネ64で弾性的に支持されるようになっている。
【0049】
この場合、伝動ケース15に軸支された後輪2が上下に揺動変位する際の支点aは、後輪2の外形よりも前方に大きく離れ、かつ、後輪軸心高さに近い高さ位置にあるので、後輪軸心の上下移動軌跡は鉛直線に近い大きい曲率の円弧軌跡となっている。従って、後輪2が大きく上方変位しても後方への変位成分は微少であり、上昇移動した後輪2が苗植付け装置7側に接近して、苗のせ台21の前側に配備された各種の機構や部品に接近して接触するようなことが未然に回避されている。
【0050】
図10,図11に前記伝動ケース15の内部構造が示されている。この伝動ケース15の中央ケース部15aには、ミッションケース10からの動力が伝達される入力軸70が前向きに装備されるとともに、入力軸70にベベルギヤ連動された横向き伝動軸71が横架され、この横向き伝動軸71に伝達された動力が左右に分岐されて、サイドクラッチ72、ギヤ減速機構73、および、後車軸74を介して左右の後輪2に伝達されるようになっている。つまり、横向き伝動軸71の軸心が左右後輪2に対する動力分岐点bとなっており、この動力分岐点bは機体側面視で後輪外形の内部に位置している。
【0051】
前記サイドクラッチ72は、横向き伝動軸71に遊嵌されたクラッチギヤ75と、横向き伝動軸71にスプライン外嵌装着したクラッチスリーブ76と、クラッチスリーブ76をケース中心側に向けてスライド付勢するよう横向き伝動軸71に挿嵌したクラッチ入り付勢用のバネ77とから構成されており、クラッチギヤ75の延長ボス部75aに設けた爪部75bとクラッチスリーブ76に設けた爪部76aとを咬合させることで、横向き伝動軸71の動力をクラッチギヤ75に伝達するクラッチ入り状態がもたらされ、クラッチスリーブ76をバネ77に抗して外方にシフトさせて爪部75b,76aの咬合を解除することで横向き伝動軸71からクラッチギヤ75への動力伝達を遮断するクラッチ切り状態がもたらされるようなっている。
【0052】
また、このサイドクラッチ72の伝動下手には、クラッチ切り作動に引き続くクラッチ操作によって減速状態での伝動が可能となっている。つまり、前記横向き伝動軸71には、クラッチギヤ75より小径の減速伝動ギヤ78が遊転自在に装着され、このギヤ78の延長ボス部78aに前記クラッチギヤ75が遊嵌され、延長ボス部78aの内端部に形成された爪部78bとクラッチスリーブ76の外端面に形成された爪部76bとが対向されている。従って、クラッチスリーブ76をクラッチ切り位置から更にバネ77に抗して外方にシフトさせると、爪部76b,78bが咬合して、横向き伝動軸71の動力が減速伝動ギヤ78に伝達する状態がもたらされ、後輪2は通常のクラッチ入り状態よりも減速されて駆動される。
【0053】
前記クラッチスリーブ76の内側端部は、中央ケース部15aに装備された操作軸79の回動によってシフト操作される中継スリーブ80に突き合わせ配備されており、操作軸79のケース外端に備えたクラッチ操作レバー81を前方に向けて回動操作することで、クラッチスリーブ76がバネ77に抗してシフトされ、図12(イ)に示す「クラッチ入り状態」,図12(ロ)に示す「クラッチ切り状態」、および、図12(ハ)に示す「減速伝動状態」が順次現出されるようになっている。
【0054】
また、前記クラッチ操作レバー81は、前輪操向作動に連動して自動操作されるようになっている。つまり、図9に示すように、前記ピットマンアーム41の左右から後方に延出された操作ロッド82の後端金具82aが長孔83および連結ピン84を介して左右のクラッチ操作レバー81に連動連結されている。従って、ピットマンアーム40が直進位置から設定角度以上に揺動操作されて前輪1が設定角度(例えば30°)以上に左方あるいは右方に操向されると、旋回内側となる後輪2に対するクラッチ操作レバー81が前方に引き作動する操作ロッド82によって前方に回動操作され、旋回内側のサイドクラッチ72が上記「クラッチ切り状態」に切換えられ、走行機体4は操向された左右の前輪1と旋回外側の後輪2との三輪駆動状態で小回り旋回し、前輪1が更に大きく操向されて限界近くに達すると、クラッチ操作レバー81が更に大きく前方に回動操作され、上記「減速伝動状態」がもたらされ、走行機体4は操向された左右の前輪1、旋回外側の後輪2、および、減速駆動される旋回内側の後輪2との四輪駆動状態で小回り旋回する。
【0055】
〔別実施形態〕
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0056】
(1)図13に示すように、支持アーム51の前端を枢支連結する前記支軸54を、側面視で前輪1の外形範囲内に位置するようにミッションケース10の車軸ケース部10aに設け、伝動ケース15から前方に延出した支持アーム51の前端ボス部51aを前記支軸54にゴムブッシュ55を介して連結することで、後輪2の軸心移動軌跡をより鉛直線に近いものにすることができる。
【0057】
(2)上記実施例では、左右の後輪2を、前方の支点aを中心に上下に揺動変位可能、かつ、左右方向に傾動可能に支持した単一の伝動ケース15に軸支下場合を例示しているが、左右の後輪2を左右独立した伝動ケース15に軸支してミッションケース10から分岐して取り出した動力を別伝動系を介して角伝動ケースに伝達するとともに、この左右の後輪2を動力分岐点より前方に外れた位置に設置した支点aを中心に左右独立して上下揺動変位可能、かつ、サスペンションバネ64で弾性支持する構造、つまり、前輪1および後輪2を完全に独立懸架する構造として実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用田植機の全体側面図
【図2】乗用田植機の全体平面図
【図3】前輪および後輪の懸架構造を示す側面図
【図4】前輪および後輪の懸架構造を示す平面図
【図5】前輪の懸架構造を示す縦断正面図
【図6】後輪の懸架構造を示す側面図
【図7】後輪の懸架構造を示す平面図
【図8】後輪の懸架構造を示す正面図
【図9】機体操向構造を示す全体平面図
【図10】後輪駆動用伝動ケースの内部構造を示す展開断面図
【図11】後輪駆動用伝動ケースの要部を示す断面図
【図12】サイドクラッチの作動を示す断面図
【図13】後輪の懸架構造の他の実施形態を示す側面図
【符号の説明】
1 前輪
2 後輪
4 走行機体
10 ミッションケース
15 伝動ケース
a 支点
b 動力分岐点

Claims (5)

  1. 前輪と後輪を備えた四輪駆動型の走行機体の後部に苗植付け装置を連結した乗用田植機において、
    左右後輪への動力分岐点、および、後輪軸心よりも前方に離れた位置に設定した支点を中心に前記後輪を同時に上下揺動変位可能、かつ、左右高さに差をもって上下揺動変位可能に支持する後輪懸架構造を備えてあることを特徴とする乗用田植機。
  2. 左右後輪への動力分岐点を、機体側面視で後輪外形の内部に設定し、前記後輪懸架構造の前記支点を、機体側面視で後輪外形よりも前方に外れた位置に設定してある請求項1記載の乗用田植機。
  3. 前記後輪懸架構造の前記支点を、機体側面視で前輪外形の内部に設定してある請求項1記載の乗用田植機。
  4. 左右の前記後輪を、前記ミッションケースから動力を受ける単一の伝動ケースの左右に軸支してある請求項1〜3のいずれか一項に記載の乗用田植機。
  5. 左右の後輪を独立して上下揺動変位可能に支持するよう前記後輪懸架構造を構成してある請求項1記載の乗用田植機。
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