JP2004330460A - プリフォーム口筒部の内径規制治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の技術的課題は、簡単な構造で、キャップによるシール性を確実に確保しながら、口筒部内周面におけるクレータ状の凹部等の凸凹の発生を防止するプリフォーム口筒部の内径規制治具を提供することにある。
【解決手段】熱可塑性ポリエステル樹脂製ボトル用のプリフォームの口筒部に嵌入して、加熱処理による結晶化における内径の変化を規制する筒状の規制コアを、上端部に外周面を平滑状にした平滑部を有し、この平滑部の下方に所定の高さ範囲に亘って、通気性の多孔質材料から形成される多孔質筒体を有する構成とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステル樹脂製ボトルのプリフォームの口筒部の加熱処理による結晶化における内径の変化を規制するための内径規制用治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル樹脂製、特にはポリエチレンテレフタレート樹脂製のボトル(以下PETボトルと記す。)は、機械的強度、ガスバリア性、透明性等の優れた特性を持つ容器として広く利用されている。
【0003】
PETボトルは主としてブロー成形法で成形され、なかでも2軸延伸ブロー成形法が多く用いられており、射出成形で試験管状の中間体としてのプリフォームを成形した後、これを2軸延伸ブロー成形して得られるが、内容液を熱充填する、或いは加熱滅菌する等の用途では、このプリフォームの口筒部の耐熱性を向上させる目的で口筒部を加熱処理して結晶化させることが行われている。なお、この結晶化により口筒部は白化した状態となる。
【0004】
しかしながら加熱処理により結晶化させることにより口筒部の剛性、硬度、耐熱性等の性質が向上する反面、結晶化に伴なって密度が増加し、その結果として収縮して口筒部の内径、外径等の寸法が縮小さらには不均一に変形し、たとえばキャップとの螺合性あるいはキャップによる口筒部のシール性に問題が生じる場合がある。
【0005】
加熱処理は多くの場合プリフォームを直立もしくは倒立状態に支持して、適宜搬送手段により回転を与えながら搬送し、この搬送中に熱風、赤外線ヒータ等で連続的に加熱処理を行なうが、特許文献1には、上記した口筒部の加熱処理による密度の増加、収縮に伴う寸法変化や変形等を防止する目的で、プリフォーム口筒部に内径規制用のコアを挿入し、口筒部の内周面をコアで支持した状態で加熱処理する方法についての記載がある。
【0006】
しかしながら、特許文献1に示されるような内径規制用のコアを用いると、口筒部の内周面にクレータ状の凹部等の凹凸が発生し、口筒部のキャップによるシール性が不良になると共に、見かけ上も不体裁になるという問題がある。
【0007】
上記クレータ状の凹部等の発生の主原因の一つは、口筒部内周面とコアの外周面との間隙に存在していた空気、あるいは口筒部の加熱によってPET等の樹脂から発生するガスが、加熱した状態で収縮(縮径)して口筒部内周に密着状に嵌合するコアにより逃げ場が失われ、コア外周面と口筒部内周面との間に閉じ込めらた状態となり、さらには加熱により膨張することにより、軟化状態にある樹脂が変形するためであると考えられる。(以下、上記の空気およびガスを総称して空気等と記す。)
【0008】
特許文献2は上記の口筒部内周面における凹部等の発生を抑制する手段についての記載があり、その要点はプリフォームの口筒部が嵌合する筒状の嵌合コア部をコア本体の芯筒部の外周にスリーブを有する構成として、嵌合コア部の外周に嵌合されるプリフォーム口筒部との間に空気等を逃すための通気手段(各種クリアランス)を形成したものである。
【0009】
また特許文献2には通気手段のひとつとして、心筒部あるいはスリーブを通気性を有する多孔質材料で形成する方法についての記載がある。
【0010】
しかしながら、コアに上記多孔質材料を用いる方法では、コアの外周面が多孔質であるがゆえに表面研磨処理したとしてもなお数10μm程度の粗面状となり、この粗面により、熱処理の際、口筒部の内周面がシボ状となり、キャップのシール性、特にはキャップ26’の頂壁下面から垂下設されたシール筒片27’と口筒部上端部内周面とのシール面27a’でのシール性が不十分になる問題が発生する。(図7参照)
【0011】
なお、図7は、PETボトル21’の口筒部22’にキャップ26’を螺合組付けした状態の一例を示すものであり、本図で示されるPETボトル21’は、口筒部22’の外周に、キャップ26’を螺合するためのネジ部23’、ピルファープルーフ機能を有したキャップ26’の封止リング30’を係止するためのビードリング24’およびボトルを保持するためのサポートリング25’を有するものであり、またキャップ26’は外装筒28’の下に破断片29’を介して不正開封を防止するための封止リング30’を設けた所謂ピルファープルーフ機能を有したキャップである。ここでキャップ26’によるPETボトル21’の密閉は口筒部22’の上端面とキャップ26’の頂壁の下面との当接、および口筒部22’の上端部内周面へのシール筒片27’の内接(シール面27a’)によるシールにより達成されている。
【0012】
【特許文献1】
特公昭61−24170号公報
【特許文献2】
特開2000−229347号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の技術的課題は、上記した従来技術における問題点を解消して、簡単な構造で、キャップによるシール性を確実に確保しながら、口筒部内周面におけるクレータ状の凹部等の凹凸の発生を防止するプリフォーム口筒部の内径規制治具を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明の内、請求項1記載の発明の手段は、
熱可塑性ポリエステル樹脂製ボトル用のプリフォームの口筒部に嵌入して、加熱処理による結晶化における内径の変化を規制する筒状の規制コアを有すること、この規制コアを、上端部に外周面を平滑状にした平滑部を有し、この平滑部の下方に所定の高さ範囲に亘って、通気性の多孔質材料から形成される多孔質筒体を有する構成とすること、にある。
【0015】
上記請求項1記載の構成により、内径規制治具の規制コアをプリフォームの口筒部に嵌入することにより、口筒部の加熱処理による結晶化における、特には不均一な収縮変形を抑制することができる。
【0016】
また、規制コアを所定の高さ範囲に亘って、通気性の多孔質材料から形成される多孔質筒体を有する構成としたので、加熱処理時にはPET樹脂は軟化状態であり、さらには結晶化により内径が収縮するので、口筒部の内周面と規制コアの外周面は密着した状態となるが、密閉状態となる空気等をこの多孔質筒体の筒壁を通して排出させることができ、口筒部内周面におけるクレータ状の凹部等の凹凸の発生を効果的に抑制することができる。
【0017】
また、規制コアの上端部に外周面を平滑状にした平滑部を有した構成であるので、口筒部の上端部内周面を平滑な状態とすることができ、特には口筒部の上端部内周面にキャップのシール筒片を密着させてシールを確保する場合において、シール性を確実に維持確保することができる。
【0018】
なお、多孔質筒体の高さ範囲は、ビードリング、サポートリング等の口筒部の形状を考慮して、またクレータ状の凹部等の発生状況を実験的に観察しながら適宜決めることができる。特にビードリングは幅広で厚肉であるのでより高温状態となり、口筒部内周面のこのビードリング位置に対応する高さ位置に周溝状の大きな凹みが発生するため、この多孔質筒体の高さ範囲を平滑部の直下からこのビードリングの下端の高さ位置までとするのが好ましい。また、平滑部直下から先端までを多孔質筒体とすることもできる。
【0019】
請求項2記載の発明の手段は、請求項1記載の発明において、平滑部を設ける範囲を、規制コアの上端面から1〜7mmの高さ範囲としたこと、にある。より好ましくはこの平滑部を設ける範囲を上端面から2〜5mmの高さ範囲とするのが良い。
【0020】
1mm未満ではキャップのシール筒片によるシール性の確保が不十分となる場合があり、7mmを超える場合にはこの平滑部からの空気等の排出が不十分になりクレータ状の凹部等の凹凸が発生してしまう。
【0021】
請求項3記載の発明の手段は、平滑部(6)の表面粗さを最大高さRyで10μm以下としたこと、にある。
【0022】
請求項3記載の上記構成により、プリフォームの口筒部上端部内周面は十分に平滑化してキャップのシール筒片によるシールを確実に保持することができる。ここで表面粗さの最大高さRyはJIS B0601−1994で定められるものである。
【0023】
請求項4記載の発明の手段は、請求項1、2または3の発明において、多孔質筒体の上端部の外径を縮径し、この縮径部の外周面をコーテイング状に被覆して、平滑部としたこと、にある。
【0024】
請求項4記載の上記構成により、縮径部の表面をコーテイングするので多孔質筒体の外表面を容易に平滑化することができ、平滑部を特に別部材とすることなく多孔質筒体の一部として構成することができ、規制コアを簡単な構造として治具のメンテナンス等を容易にすることができる。
【0025】
請求項5記載の発明の手段は、請求項1、2または3記載の発明において、平滑部を外周面が平滑状である短円筒体で形成すること、にある。
【0026】
請求項5記載の上記構成は、平滑部を別部材である短円筒体で構成するものであり、たとえば外周面を平滑に処理したステンレス製のリング等を使用して容易に平滑部を構成することができる。
【0027】
請求項6記載の発明の手段は、請求項1、2、3、4または5記載の発明において、規制コアの先端部分を耐熱性合成樹脂で形成すること、にある。
【0028】
請求項6記載の上記構成により、規制コアの先端部分を、たとえば高い耐熱性を有し、蓄熱性の高いPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の耐熱性合成樹脂で形成すると、内径規制治具を軽量化できると共に、特に口筒部の下端にあり肉厚部となるため熱処理が不十分になりやすいサポートリング部分の結晶化を十分に促進することができる。
【0029】
請求項7記載の発明の手段は、請求項1、2、3、4、5または6記載の発明において、多孔質筒体を燒結金属で形成することにある。
【0030】
請求項7記載の上記構成により、多孔質筒体を燒結金属で形成することにより、口筒部の加熱および冷却工程における熱的な追随性をよくして、加熱および冷却処理を効率良く実施することができる。
【0031】
請求項8記載の発明の手段は、請求項1、2、3、4、5、6または7記載の発明において、
肉厚筒状の基端筒部の下端面から同軸心状に外径を縮径した筒状の支持コアを垂下設した支持体を有すること、
この支持コアを規制コアに嵌入内接させ、規制コアの上端面を基端筒部の下端面に当接させて、支持コアと規制コアを組付き固定し、
支持コアの外周面と多孔質筒体の内周面が接触する部分に間隙を形成し、
支持コアの筒壁に間隙に連通する貫通項孔を形成し、
また規制コアを口筒部に嵌入した状態で、口筒部上端面が基端筒部の下端面に当接する構成とすること、
にある。
【0032】
請求項8記載の上記構成は、内径規制治具において筒状の規制コアの基盤となる比較的肉厚の筒状体である基端筒部に同軸心状に支持コアを垂下設したものであり、支持コアにより筒状の規制コアが支持され、プリフォーム内での規制コアの姿勢が安定的に確実に確保されると共に、規制コア強度を補うことができるので、規制コア自体の壁の厚さを薄くすることもでき、特に多孔質筒体の壁厚を薄くすることにより通気性をより大きくすることができる。
【0033】
また、支持コアの外周面と多孔質筒体の内周面が接触する部分に間隙を形成し、さらには支持コアの周壁に間隙に連通する貫通項孔を形成することにより、密閉状の空気等を、多孔質筒体、上記間隙そして貫通孔を経て効率良く排出することができる。
【0034】
また、支持コアを規制コア内に嵌入し、両者をたとえば螺合等の手段で組付け固定しした状態で規制コアの上端面が基盤筒体の下端面に当接し、さらに支持コアをプリフォームの口筒部に嵌入した状態で、口筒部の上端面が基端筒部の下端面に当接して規制コアの嵌入限界を明確に設定することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基いて説明する。図1〜図3は本発明の内径規制治具1の第1実施例に関するものであり、図1は全体の縦断面図であり、図2は(a)支持体2、(b)短円筒体6a、(c)多孔質筒体7および(d)先端筒9の4つの部材に分解して示したものであり、また図3はこの内径規制治具1の規制コア5をプリフォーム21の口筒部22に嵌入した状態を示すものである。
【0036】
図3に示されるPETボトルのプリフォーム21は、口筒部22の外周に、キャップ26を螺合するためのネジ部23、ピルファープルーフ用キャップの封止リングの係止のための機能を果たすビードリング24およびボトルを保持するためのサポートリング25を有するものである(図7も参照)。なお図3に示される口筒部22は所謂耐熱用口筒部である。
【0037】
この第1実施例の内径規治具1は、前述したように支持体2、短円筒体6a、多孔質筒体7および先端部9の4つの部材から構成されているが、支持体2は耐熱性合成樹脂製であり、比較的肉厚の短円筒体状である基端筒部3の下端面から、同軸心状に円筒状の支持コア4を垂下設した形状である。また、基端筒部3にたいして支持コア4は同じ内径を有し、外径は縮径したものである。
【0038】
また、基端筒部3の上部には加熱装置において内径規制治具1を運搬、あるいはプリフォーム21の口筒部22に挿入するための機構部分に連結するための連結治具Bが螺合するための部分が形成されている。(図3参照)また支持コア4の外周面には後述する多孔質筒体5の内周面との間に間隙11を形成するための、比較的幅広の周溝4aが形成されており、さらにこの周溝4aの高さ位置で、等中心角度の4箇所に貫通孔12が形成されている。
【0039】
本実施例では、短円筒体6a、多孔質筒体7および先端部となる先端筒9を組付け結合して、熱処理の際にプリフォーム21の口筒部22の内周面に内接して、内径を規制する円筒状の規制コア5を形成している。このうち短円筒体6aはたとえばステンレス製の短円筒体を使用することができ、本実施例においてその高さは3mmであり、外周面を平滑化処理して表面粗さを小さくして、規制コア5の上端部に平滑部6を配設する。
【0040】
また、多孔質筒体7は円筒状であり、燒結金属から形成されたものであり筒壁を横断する通気性を有する。(たとえば新東工業株式会社製のポーセラックスII等を使用することができる。)通気性を有する多孔質体としてはセラミック製あるいは耐熱樹脂製のものも使用すことが可能であるが、口筒部22の加熱あるいは冷却の際の熱的な追従性の点からは比較的熱伝導率の高い燒結金属製のものを用いるのが好ましい。
【0041】
また、規制コア5の先端部を形成する先端筒9は、本実施例ではたとえばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の耐熱性樹脂を用いることができ、先端に向けて緩やかに縮径した形状としており、口筒部22への規制コア5の嵌入操作を容易としている。
【0042】
本実施例のように先端部を、たとえば高い耐熱性を有し、蓄熱性の高いPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の耐熱性合成樹脂で形成すると、内径規制治具1を軽量化できると共に、特に口筒部22の下端にあり肉厚部となるため熱処理が不十分になりやすいサポートリング25部分の結晶化を十分に促進させることができる。
【0043】
上記説明した各部材の組み立ては、支持コア4に短円筒体6a、多孔質筒体7そして先端筒9の順に外嵌してはめ込んで、最後に先端筒9を支持コアの先端に螺合して(図1中のネジ部S1参照)支持体2と規制コア5を組付け結合する。このように組付け結合した状態で、規制コア5の上端面(すなわち短円筒体6aの上端面)は基端筒体3の下端面に当接した状態であり、また支持コア4は規制コア5に内接した状態であり、さらに規制コア5を口筒部22に嵌入する際には、口筒部22の上端面が基端筒体3の下端面に当接して、規制コア5の嵌入限界となる。
【0044】
このようにして、支持体2により円筒状の規制コア5が支持され、プリフォーム21内での規制コア5の姿勢が安定的に確実に確保されると共に、内接する支持コア4により規制コア5の強度を補うことができるので、規制コア5自体の壁の厚さを薄くすることもでき、特に多孔質筒体7の筒壁を薄くすることにより通気性をより大きくすることができる。
【0045】
また、口筒部22の内周面と規制コア5の外周面の接触部分に密閉状に存する空気等は、通気性を有した多孔質筒体7の筒壁、支持コア4に形成した周溝4aにより支持コア4の外周面と多孔質筒体7の内周面が接触する部分に形成された間隙11および周溝4aに形成した貫通項孔12を通して効率良く排出することができる。
【0046】
なお、短円筒体6a自体は通気性を有するものではないが、口筒部22の上端部に内接し、また下端部には通気性を有した多孔質筒体7が隣接した状態にあるので、この短円筒体6aの高さを必要最小限の高さに適切に設定することにより、空気等を上下方向に排出させることができ、この接触部分でのクレータ状凹等の凹凸の発生を抑制することができる。
【0047】
また、本実施例では口筒部22の内周面のビードリング24位置に対応する高さ位置での周溝状の大きな凹みの発生を抑制するため、多孔質筒体7を配置する高さ範囲を、ビードリング24の略下端部までとしているが、この範囲はこのビードリング24、サポートリング23等の口筒部22の形状を考慮して、またクレータ状の凹部等の発生状況を実験的に観察しながら適宜決めることができる。
【0048】
図4は本発明の内径規制治具の第2実施例の多孔質筒体7を示す、縦断面図である。本実施例は他の形状、構成は第1実施例と同様とし、円筒状の多孔質筒体7の外周面の上端部に段部を設けて縮径部8を周状に形成し、この縮径部8をコーテイング状に耐熱性塗料等で被覆してコーテイング層6bを形成して外表面を平滑にしたものであり、このコーテイングした部分が平滑部6の機能を発揮する。
【0049】
第2実施例の構成によって平滑部5を特に別部材とすることなく多孔質筒体7の一部として構成することができ、治具のメンテナンス等を容易にすることができる。
【0050】
図5は本発明の内径規制治具の第3実施例を示すものであり、第1実施例の支持体2の支持コア4の部分を無くした構成であり、基端筒部3、短円筒体6、多孔質筒体7および先端筒9の4つの部材を3つのネジ結合部S2、S3、S4で結合した構成であり、規制コア5を構成する短円筒体6、多孔質筒体7および先端筒9の組み合わせにより口筒部2の形状あるいは熱処理条件に応じて制治具を対応させることができる。
【0051】
図6は本発明の内径規制治具の第4実施例を示すものであり、第3実施例と同様に支持体2の支持コア4の部分を無くし、規制コア5を、第2実施例のように上端部を縮径部8として、コーテイング層6bを形成した多孔質筒体7の1部材で構成したものであり、規制コア5を一部材で構成することができ、メンテナンス等も容易とすることができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明にあっては、規制コアを、所定の高さ範囲に亘って、通気性の多孔質材料から形成される多孔質筒体を有する構成とすることにより、加熱処理によって密閉状態となり、膨張した空気等をこの多孔質筒体の筒壁を貫通して排出させることができ、密封された発生ガス等が主要因と考えられる口筒部内部におけるクレータ状の凹部等の凹凸の発生を効果的に抑制することができると共に、規制コアの上端部に外周面を平滑状にした平滑部を有した構成とすることにより、口筒部の上端部内周面を平滑な状態とすることができ、キャップのシール筒片を密着させて口筒部をシールする際におけるシール性を確実に維持確保することができる。
【0053】
請求項2記載の発明にあっては、平滑部を設ける範囲を、規制コアの上端面から1〜7mmの高さ範囲、より好ましくは2〜5mmの高さ範囲とすることにより、キャップ体のシール筒片によるシール性を十分に確保すると共に、口筒部の上端部でのクレータ状の凹部等の発生を確実に抑制することができる。
【0054】
請求項3記載の発明にあっては、平滑部の表面粗度をRmaxで10μm以下とすることにより、キャップのシール筒片によるシール性を確実に保持することができる。
【0055】
請求項4記載の発明にあっては、多孔質筒体の上端部の外径を縮径し、コーテイング状に被覆して平滑部とすることにより平滑部を特に別部材とすることなく多孔質筒体の一部として構成することができ、治具のメンテナンス等を容易にすることができる。
【0056】
請求項5記載の発明にあっては、平滑部を外周面が平滑状である短円筒体で形成することにより外周面を平滑に処理したステンレス製のリング等を使用して容易に平滑部を構成することができる。
【0057】
請求項6記載の発明にあっては、高い耐熱性を有し、蓄熱性の高いPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の耐熱性合成樹脂で形成することにより、内径規制治具を軽量化できると共に、サポートリング部分の結晶化を十分に促進させることができる。
【0058】
請求項7記載の発明にあっては、多孔質筒体を燒結金属で形成することにより、口筒部の加熱および冷却工程における熱的な追随性をよくして、加熱および冷却処理を効率良く実施することができる。
【0059】
請求項8記載の発明にあっては、支持コアを有する支持体を使用することにより、支持コアにより筒状の規制コアが支持され、プリフォーム内での規制コアの姿勢が安定的に確実に確保されると共に、規制コア強度を補うことができるので、規制コア自体の壁の厚さを薄くすることもでき、特に多孔質筒体の壁厚を薄くすることにより通気性をより大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内径規制用治具の第1実施例を示す、縦断面図。
【図2】図1の治具を分解して示す、縦断面図。
【図3】図1の治具を、規制コアをプリフォームの口筒部に嵌入した状態で示す、縦断面図。
【図4】本発明の内径規制用治具の第2実施例中の多孔質筒体を示す、縦断面図。
【図5】本発明の内径規制用治具の第3実施例を示す、縦断面図。
【図6】本発明の内径規制用治具の第4実施例を示す、縦断面図。
【図7】PETボトルにキャップを螺合させた状態を縦断面図で示す、説明図。
【符号の説明】
1 ; 内径規制治具
2 ; 支持体
3 ; 基端筒部
4 ; 支持コア
4a; 周溝
5 ; 規制コア
6 ; 平滑部
6a; 短円筒体
6b; コーテイング層
7 ; 多孔質筒体
8 ; 縮径部
9 ; 先端筒
11; 間隙
12; 貫通孔
21; プリフォーム
21’;PETボトル
22、22’; 口筒部
23、23’; ネジ部
24、24’; ビードリング
25、25’; サポートリング
26’; キャップ
27’; シール筒片
27a’;シール面
28’; 外装筒
29’; 破断片
30’; 封止リング
S1、S2、S3、S4; ネジ結合部
B ; 連結治具

Claims (8)

  1. 熱可塑性ポリエステル樹脂製ボトル用のプリフォーム(21)の口筒部(22)に嵌入して、加熱処理による結晶化における内径の変化を規制する筒状の規制コア(5)を有し、該規制コア(5)を、上端部に外周面を平滑状にした平滑部(6)を有し、該平滑部(6)の下方に所定の高さ範囲に亘って、通気性の多孔質材料から形成される多孔質筒体(7)を有する構成としたプリフォーム口筒部の内径規制治具。
  2. 平滑部(6)を設ける範囲を、規制コア(5)の上端面から1〜7mmの高さ範囲とした、請求項1記載のプリフォーム口筒部の内径規制治具。
  3. 平滑部(6)の表面粗さを最大高さRyで10μm以下とした請求項1または2記載のプリフォーム口筒部の内径規制治具。
  4. 多孔質筒体(7)の上端部外径を縮径し、該縮径部(8)の外周面をコーテイング状に被覆して、平滑部(6)とした請求項1、2または3記載のプリフォーム口筒部の内径規制治具。
  5. 平滑部(6)を外周面が平滑状である短円筒体(6a)で形成した、請求項1、2または3記載のプリフォーム口筒部の内径規制治具。
  6. 規制コア(5)の先端部分を耐熱性合成樹脂で形成した、請求項1、2、3、4または5記載のプリフォーム口筒部の内径規制治具。
  7. 多孔質筒体(7)を燒結金属で形成した、請求項1、2、3、4、5または6記載のプリフォーム口筒部の内径規制治具。
  8. 肉厚筒状の基端筒部(3)の下端面から同軸心状に外径を縮径した筒状の支持コア(4)を垂下設した支持体(2)を有し、
    前記支持コア(4)を規制コア(5)に嵌入内接させ、規制コア(5)の上端面を前記基端筒部(3)の下端面に当接させて、支持コア(4)と規制コア(5)を組付き固定し、前記支持コア(4)の外周面と多孔質筒体(7)の内周面が接触する部分に間隙(11)を形成し、該支持コア(4)の筒壁に前記間隙(11)に連通する貫通項孔(12)を形成し、
    また前記規制コア(5)を口筒部(22)に嵌入した状態で、口筒部(22)上端面が前記基端筒部(3)の下端面に当接する構成とした、請求項1、2、3、4、5、6または7記載のプリフォーム口筒部の内径規制治具。
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