JP2004330234A - 真空誘導溶解−真空鋳造設備の真空排気装置および真空排気・復圧方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】特殊鋼の製造に使用する真空誘導溶解のための溶解室と真空鋳造のためのモールド室とを組み合わせた設備の真空形成手段として、潤滑油を用いたロータリーポンプに代えて水封式真空ポンプを使用することにより、ダストが引き起こす問題を解消したものにおいて、封水の逆流を実質上完全に防止した安全な真空排気装置を提供すること。
【解決手段】溶解室とモールド室とにそれぞれ、真空計およびリークバルブを備えた上段ライン・第一バルブ・メカニカルブースターを有し真空計およびリークバルブを備えた中段ライン・第二バルブ・水封式真空ポンプを有し真空計およびリークバルブを備えた下段ラインからなる真空排気系統を設け、バルブの開動作を、各部に所定の差圧関係が充足されたときに行なうよう、シーケンサーのような制御手段でコントロールする。
【選択図】 図1
【解決手段】溶解室とモールド室とにそれぞれ、真空計およびリークバルブを備えた上段ライン・第一バルブ・メカニカルブースターを有し真空計およびリークバルブを備えた中段ライン・第二バルブ・水封式真空ポンプを有し真空計およびリークバルブを備えた下段ラインからなる真空排気系統を設け、バルブの開動作を、各部に所定の差圧関係が充足されたときに行なうよう、シーケンサーのような制御手段でコントロールする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空誘導溶解を行なう溶解室と真空鋳造を行なうモールド室とからなる設備に付帯する真空排気装置に関し、その装置を使用して実施する真空排気・復圧方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】
ある種の特殊鋼や合金は、製造に当たって、真空下に溶解し、かつ真空下に鋳造しなければならない。この目的のために、真空誘導溶解を行なう溶解室と真空鋳造を行なうモールド室とからなる設備が使用されている。いうまでもないが、これら二つの室は、別々に真空排気することができないと操業に不便であり、実用的でないから、両室の間に「キャスティングバルブ」と呼ばれるバルブを置いて分離し、個別に真空条件下に置くことができるようにしている。
【0003】
真空排気は、これまで「ロータリーポンプ」と呼ばれるタイプのポンプにより行なっていた。この種のポンプは潤滑油を使用するが、この潤滑油がダストによって汚染されやすい、という欠点がある。つまり、使用中に真空誘導溶解炉から発生するダストが排気に伴って真空ポンプに至り、それを油が吸収して汚れ、油の粘度が上昇したり、各部の摩耗が進んだりして、ポンプの真空形成能力が低下するという問題である。真空ポンプの能力が低下すれば、必要な真空度に到達するまでの時間が長くかかったり、はなはだしい場合には所要の真空度が得られなくなったりするから、早めにオーバーホールしなければならない。これは、もちろん労力とコストを必要とする。
【0004】
真空排気装置には、水封式のポンプもあり、到達真空度はあまり高くないが、真空誘導溶解−真空鋳造には十分である。一般に、溶解室の真空度としては、最大0.02Torr程度が必要であり、モールド室の真空度は、それより低い0.50Torr程度を達成できればよい。いずれにしても水封式の真空ポンプは、排気する気体中にダストが含まれていて封水がそれに汚染されても、油とちがって粘度が極端に上昇するということはないし、水を更新しさえすれば問題は容易に解決できるから、メンテナンスはきわめて容易である。つまり水封式真空ポンプは、真空誘導溶解−真空鋳造設備に使用する真空ポンプとしては、ダスト対策上うってつけのものである。
【0005】
ところが、高温の金属溶湯の存在する系においては、水は避けるべき存在であって、金属溶湯と水とは絶対に接触させてはならない。真空排気と大気圧への復圧とを繰り返し、しかも到達真空度が異なる溶解室とモールド室とが共存する真空誘導溶解−真空鋳造の設備においては、封水が逆流して高温の金属溶湯に接触する危険が、原理的に避けがたい。従来は、この逆流の完全防止という課題が解決していなかったので、真空誘導溶解−真空鋳造設備に水封式真空ポンプを使用することにはためらいがあって、実現していなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した課題を解決し、真空誘導溶解−真空鋳造設備において、真空排気手段として水封式真空ポンプを使用し、封水の逆流を実質上完全に防止した真空排気装置と、その装置を使用して実施する真空排気・復圧方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成する本発明の真空誘導溶解−真空鋳造設備の真空排気装置は、図1に示すように、真空誘導溶解を行なう溶解室(1)と真空鋳造を行なうモールド室(2)とからなる設備の真空排気装置であって、溶解室およびモールド室のそれぞれに対して、各室に接続された上段ライン(LH1,LH2)、第一バルブ(VF1,VF2)を介して上段ラインに連なり、それぞれ少なくとも1個のメカニカルブースター(MB1,MB2)を有する中段ライン(LM1,LM2)、ならびに、第二バルブ(VS1,VS2)を介して中段ラインに連なり、それぞれの末端に水封式真空ポンプ(WP1,WP2)を有する下段ライン(LL1,LL2)からなる溶解室排気系統およびモールド室排気系統を設け、2本の中段ライン(LM1,LM2)を第三バルブ(VT)を有する連結ライン(LC)で接続し、両排気系統の上中下各段ラインに、上段真空計(GH1,GH2)、中段真空計(GM1;GM2)および下段真空計(GL1,GL2)を接続するともに、復圧のための上段リークバルブ(KH1,KH2)、中段リークバルブ(KM1;KM2)および下段リークバルブ(KL1,KL2)を接続し、かつ、バルブの開閉をコントロールする制御手段を設けた構成を有し、この制御手段を、
水封式真空ポンプ(WP1,WP2)の真空度<400Torr
となったときに第二バルブ(VS1,VS2)の開放が可能になり、
排気対象ポンプの真空度<排気対象の真空度、かつ、
排気ポンプの真空度<5Torr
となったときに第一バルブ(VF1,VF2)および第三バルブ(VT)の開放が可能になるように設定したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施形態】
図1に示した装置において、各バルブの開動作時に、動作するバルブの前後の圧力差によって発生し得る現象を考えると、つぎのようになる。(以下の記述においては、ことわらない限り、メカニカルブースターも「排気ポンプ」に含めて論じる。)
【0009】
【0010】
上記のような現象を防止する対策としては、つぎの事項が考えられる。
【0011】
第二バルブ(VS1,VS2)に関して、水封式真空ポンプ(WP1,WP2)の封水の逆流を防止するには、原理的にいって、差圧すなわち[排気ポンプ側の圧力−排気対象の圧力]が一定の値以下であればよい。この値は、通常の水封式真空ポンプにおいては、400Torrみておけば十分である。そこで、[水封式真空ポンプ(WP1,WP2)の真空度<400Torr]となったときに第二バルブ(VS1,VS2)の開放が可能になるようにする。装置としては、水封式真空ポンプのある下段ライン(LL1,LL2)に、400Torrを検知する真空計(GL1,GL2)を設けて、以下の真空度を検知したら第二バルブ(VS1,VS2)が開かれるように、制御手段を設定する。
【0012】
第一バルブ(VF1,VF2)に関して、水封式真空ポンプ(WP1,WP2)の封水の逆流を防止するには、差圧が[排気ポンプ側の圧力<排気対象側の圧力]であり、かつ、[排気ポンプの真空度<5Torr]となったときに第一バルブ(VF1,VF2)および第三バルブ(VT)の開放が可能になるように、制御手段、たとえばシーケンサーを設定しておけばよい。
【0013】
同様に、第三バルブ(VT)に関しても、連結ライン(LC)の両側にある溶解室排気系統内の圧力と、モールド室排気系統内の圧力との間に実質上の差がなくなったときに、このバルブを開くようにシーケンサーを設定すればよいわけである。
【0014】
このような真空装置を使用して実施する本発明の真空誘導溶解−真空鋳造設備の真空排気・復圧方法は、真空誘導溶解を行なう溶解室と真空鋳造を行なうモールド室とからなる設備の真空排気方法であって、上述した真空排気装置を使用し、バルブの動作を、シーケンサーにより、つぎの順序で実施するように構成したことを特徴とする。
1)真空排気対象の決定
2)使用可能な排気系統の検索
3)排気経路の確定および必要なバルブ動作の指令
4)圧力差を確認してバルブ動作を許可
5)各バルブの動作
【0015】
封水が逆流する危険が生じるのは、主として真空排気された設備を復圧するときであるから、復圧について説明を補足すれば、復圧は、いうまでもなく、各段のラインに設けたリークバルブを開くことによって行なう。いま、溶解室排気系統(すなわちLH1−LM1−LL1)を復圧させ水封式真空ポンプ(WP1)を停止する場合を考えると、つぎの段階を踏むことになる。
1)第一バルブ(VF1)を閉じる。
2)上段リークバルブ(KH1)を開く。
3)[上段真空計(GH1)の読み−下段真空計(GL1)の読み]>5Torr
となったとき、水封式真空ポンプ(WP1)およびメカニカルブースター(MB1)を停止する。
4)第二バルブ(VS1)を閉じる。
5)続いて、中段リークバルブ(KM1)および下段リークバルブ(KL1)を開く。
【0016】
【発明の効果】
本発明の真空排気装置は、真空誘導溶解を行なう溶解室と真空鋳造を行なうモールド室とからなる設備の真空排気を行なう装置において、排気手段として、従来の潤滑油を用いたロータリー式の真空ポンプに代えて水封式の真空ポンプを採用し、それによって、溶解室で発生するダストが引き起こす潤滑油の汚染という問題を根本的に解決し、排気能力の低下を防いで、短いインターバルで真空ポンプをオーバーホールする必要を省いた。本発明にしたがう真空排気・復圧方法は、真空ポンプの封水が排気系統へ逆流して最悪の場合は高温の金属溶湯と接触するという危険を、実質上完全に防止して操業することを可能にした。このようにして本発明の真空排気技術は、真空誘導溶解−真空鋳造の操作を、安全で低コストのものにした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空排気装置のライン系統を示す概念的な図。
【符号の説明】
1 溶解室 2 モールド室 3 キャスティングバルブ
LH1,LH2 上段ライン LM1,LM2 中段ライン
LL1,LL2 下段ライン LC 連結ライン
VF1,VF2 第一バルブ
VS1,VS2 第二バルブ
VT 第三バルブ
MB1,MB2 メカニカルブースター
WP1,WP2 水封式真空ポンプ
GH1,GH2 上段真空計 GM1,GM2 中段真空計
GL1,GL2 下段真空計
KH1,KH2 上段リークバルブ KM1,KM2 中段リークバルブ
KL1,KL2 下段リークバルブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空誘導溶解を行なう溶解室と真空鋳造を行なうモールド室とからなる設備に付帯する真空排気装置に関し、その装置を使用して実施する真空排気・復圧方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】
ある種の特殊鋼や合金は、製造に当たって、真空下に溶解し、かつ真空下に鋳造しなければならない。この目的のために、真空誘導溶解を行なう溶解室と真空鋳造を行なうモールド室とからなる設備が使用されている。いうまでもないが、これら二つの室は、別々に真空排気することができないと操業に不便であり、実用的でないから、両室の間に「キャスティングバルブ」と呼ばれるバルブを置いて分離し、個別に真空条件下に置くことができるようにしている。
【0003】
真空排気は、これまで「ロータリーポンプ」と呼ばれるタイプのポンプにより行なっていた。この種のポンプは潤滑油を使用するが、この潤滑油がダストによって汚染されやすい、という欠点がある。つまり、使用中に真空誘導溶解炉から発生するダストが排気に伴って真空ポンプに至り、それを油が吸収して汚れ、油の粘度が上昇したり、各部の摩耗が進んだりして、ポンプの真空形成能力が低下するという問題である。真空ポンプの能力が低下すれば、必要な真空度に到達するまでの時間が長くかかったり、はなはだしい場合には所要の真空度が得られなくなったりするから、早めにオーバーホールしなければならない。これは、もちろん労力とコストを必要とする。
【0004】
真空排気装置には、水封式のポンプもあり、到達真空度はあまり高くないが、真空誘導溶解−真空鋳造には十分である。一般に、溶解室の真空度としては、最大0.02Torr程度が必要であり、モールド室の真空度は、それより低い0.50Torr程度を達成できればよい。いずれにしても水封式の真空ポンプは、排気する気体中にダストが含まれていて封水がそれに汚染されても、油とちがって粘度が極端に上昇するということはないし、水を更新しさえすれば問題は容易に解決できるから、メンテナンスはきわめて容易である。つまり水封式真空ポンプは、真空誘導溶解−真空鋳造設備に使用する真空ポンプとしては、ダスト対策上うってつけのものである。
【0005】
ところが、高温の金属溶湯の存在する系においては、水は避けるべき存在であって、金属溶湯と水とは絶対に接触させてはならない。真空排気と大気圧への復圧とを繰り返し、しかも到達真空度が異なる溶解室とモールド室とが共存する真空誘導溶解−真空鋳造の設備においては、封水が逆流して高温の金属溶湯に接触する危険が、原理的に避けがたい。従来は、この逆流の完全防止という課題が解決していなかったので、真空誘導溶解−真空鋳造設備に水封式真空ポンプを使用することにはためらいがあって、実現していなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した課題を解決し、真空誘導溶解−真空鋳造設備において、真空排気手段として水封式真空ポンプを使用し、封水の逆流を実質上完全に防止した真空排気装置と、その装置を使用して実施する真空排気・復圧方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成する本発明の真空誘導溶解−真空鋳造設備の真空排気装置は、図1に示すように、真空誘導溶解を行なう溶解室(1)と真空鋳造を行なうモールド室(2)とからなる設備の真空排気装置であって、溶解室およびモールド室のそれぞれに対して、各室に接続された上段ライン(LH1,LH2)、第一バルブ(VF1,VF2)を介して上段ラインに連なり、それぞれ少なくとも1個のメカニカルブースター(MB1,MB2)を有する中段ライン(LM1,LM2)、ならびに、第二バルブ(VS1,VS2)を介して中段ラインに連なり、それぞれの末端に水封式真空ポンプ(WP1,WP2)を有する下段ライン(LL1,LL2)からなる溶解室排気系統およびモールド室排気系統を設け、2本の中段ライン(LM1,LM2)を第三バルブ(VT)を有する連結ライン(LC)で接続し、両排気系統の上中下各段ラインに、上段真空計(GH1,GH2)、中段真空計(GM1;GM2)および下段真空計(GL1,GL2)を接続するともに、復圧のための上段リークバルブ(KH1,KH2)、中段リークバルブ(KM1;KM2)および下段リークバルブ(KL1,KL2)を接続し、かつ、バルブの開閉をコントロールする制御手段を設けた構成を有し、この制御手段を、
水封式真空ポンプ(WP1,WP2)の真空度<400Torr
となったときに第二バルブ(VS1,VS2)の開放が可能になり、
排気対象ポンプの真空度<排気対象の真空度、かつ、
排気ポンプの真空度<5Torr
となったときに第一バルブ(VF1,VF2)および第三バルブ(VT)の開放が可能になるように設定したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施形態】
図1に示した装置において、各バルブの開動作時に、動作するバルブの前後の圧力差によって発生し得る現象を考えると、つぎのようになる。(以下の記述においては、ことわらない限り、メカニカルブースターも「排気ポンプ」に含めて論じる。)
【0009】
【0010】
上記のような現象を防止する対策としては、つぎの事項が考えられる。
【0011】
第二バルブ(VS1,VS2)に関して、水封式真空ポンプ(WP1,WP2)の封水の逆流を防止するには、原理的にいって、差圧すなわち[排気ポンプ側の圧力−排気対象の圧力]が一定の値以下であればよい。この値は、通常の水封式真空ポンプにおいては、400Torrみておけば十分である。そこで、[水封式真空ポンプ(WP1,WP2)の真空度<400Torr]となったときに第二バルブ(VS1,VS2)の開放が可能になるようにする。装置としては、水封式真空ポンプのある下段ライン(LL1,LL2)に、400Torrを検知する真空計(GL1,GL2)を設けて、以下の真空度を検知したら第二バルブ(VS1,VS2)が開かれるように、制御手段を設定する。
【0012】
第一バルブ(VF1,VF2)に関して、水封式真空ポンプ(WP1,WP2)の封水の逆流を防止するには、差圧が[排気ポンプ側の圧力<排気対象側の圧力]であり、かつ、[排気ポンプの真空度<5Torr]となったときに第一バルブ(VF1,VF2)および第三バルブ(VT)の開放が可能になるように、制御手段、たとえばシーケンサーを設定しておけばよい。
【0013】
同様に、第三バルブ(VT)に関しても、連結ライン(LC)の両側にある溶解室排気系統内の圧力と、モールド室排気系統内の圧力との間に実質上の差がなくなったときに、このバルブを開くようにシーケンサーを設定すればよいわけである。
【0014】
このような真空装置を使用して実施する本発明の真空誘導溶解−真空鋳造設備の真空排気・復圧方法は、真空誘導溶解を行なう溶解室と真空鋳造を行なうモールド室とからなる設備の真空排気方法であって、上述した真空排気装置を使用し、バルブの動作を、シーケンサーにより、つぎの順序で実施するように構成したことを特徴とする。
1)真空排気対象の決定
2)使用可能な排気系統の検索
3)排気経路の確定および必要なバルブ動作の指令
4)圧力差を確認してバルブ動作を許可
5)各バルブの動作
【0015】
封水が逆流する危険が生じるのは、主として真空排気された設備を復圧するときであるから、復圧について説明を補足すれば、復圧は、いうまでもなく、各段のラインに設けたリークバルブを開くことによって行なう。いま、溶解室排気系統(すなわちLH1−LM1−LL1)を復圧させ水封式真空ポンプ(WP1)を停止する場合を考えると、つぎの段階を踏むことになる。
1)第一バルブ(VF1)を閉じる。
2)上段リークバルブ(KH1)を開く。
3)[上段真空計(GH1)の読み−下段真空計(GL1)の読み]>5Torr
となったとき、水封式真空ポンプ(WP1)およびメカニカルブースター(MB1)を停止する。
4)第二バルブ(VS1)を閉じる。
5)続いて、中段リークバルブ(KM1)および下段リークバルブ(KL1)を開く。
【0016】
【発明の効果】
本発明の真空排気装置は、真空誘導溶解を行なう溶解室と真空鋳造を行なうモールド室とからなる設備の真空排気を行なう装置において、排気手段として、従来の潤滑油を用いたロータリー式の真空ポンプに代えて水封式の真空ポンプを採用し、それによって、溶解室で発生するダストが引き起こす潤滑油の汚染という問題を根本的に解決し、排気能力の低下を防いで、短いインターバルで真空ポンプをオーバーホールする必要を省いた。本発明にしたがう真空排気・復圧方法は、真空ポンプの封水が排気系統へ逆流して最悪の場合は高温の金属溶湯と接触するという危険を、実質上完全に防止して操業することを可能にした。このようにして本発明の真空排気技術は、真空誘導溶解−真空鋳造の操作を、安全で低コストのものにした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空排気装置のライン系統を示す概念的な図。
【符号の説明】
1 溶解室 2 モールド室 3 キャスティングバルブ
LH1,LH2 上段ライン LM1,LM2 中段ライン
LL1,LL2 下段ライン LC 連結ライン
VF1,VF2 第一バルブ
VS1,VS2 第二バルブ
VT 第三バルブ
MB1,MB2 メカニカルブースター
WP1,WP2 水封式真空ポンプ
GH1,GH2 上段真空計 GM1,GM2 中段真空計
GL1,GL2 下段真空計
KH1,KH2 上段リークバルブ KM1,KM2 中段リークバルブ
KL1,KL2 下段リークバルブ
Claims (2)
- 真空誘導溶解を行なう溶解室と真空鋳造を行なうモールド室とからなる設備の真空排気装置であって、溶解室およびモールド室のそれぞれに対して、各室に接続された上段ライン(LH1,LH2)、第一バルブ(VF1,VF2)を介して上段ラインに連なり、それぞれ少なくとも1個のメカニカルブースター(MB1,MB2)を有する中段ライン(LM1,LM2)、ならびに、第二バルブ(VS1,VS2)を介して中段ラインに連なり、それぞれの末端に水封式真空ポンプ(WP1,WP2)を有する下段ライン(LL1,LL2)からなる溶解室排気系統およびモールド室排気系統を設け、2本の中段ライン(LM1,LM2)を第三バルブ(VT)を有する連結ライン(LC)で接続し、両排気系統の上中下各段ラインに、上段真空計(GH1,GH2)、中段真空計(GM1;GM2)および下段真空計(GL1,GL2)を接続するともに、復圧のための上段リークバルブ(KH1,KH2)、中段リークバルブ(KM1;KM2)および下段リークバルブ(KL1,KL2)を接続し、かつ、バルブの開閉をコントロールする制御手段を設けた構成を有し、この制御手段を、
水封式真空ポンプ(WP1,WP2)の真空度<400Torr
となったときに第二バルブ(VS1,VS2)の開放が可能になり、
排気対象ポンプの真空度<排気対象の真空度、かつ、
排気ポンプの真空度<5Torr
となったときに第一バルブ(VF1,VF2)および第三バルブ(VT)の開放が可能になるように設定したことを特徴とする真空誘導溶解−真空鋳造設備の真空排気装置。 - 真空誘導溶解を行なう溶解室と真空鋳造を行なうモールド室とからなる設備の真空排気・復圧方法であって、請求項1に記載した真空排気装置を使用し、バルブの動作を、制御手段により、つぎの順序に従って実施するように構成したことを特徴とする真空誘導溶解−真空鋳造設備の真空排気方法。
1)真空排気対象の決定
2)使用可能な排気系統の検索
3)排気経路の確定および必要なバルブ動作の指令
4)圧力差を確認してバルブ動作を許可
5)各バルブの動作
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003128201A JP2004330234A (ja) | 2003-05-06 | 2003-05-06 | 真空誘導溶解−真空鋳造設備の真空排気装置および真空排気・復圧方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003128201A JP2004330234A (ja) | 2003-05-06 | 2003-05-06 | 真空誘導溶解−真空鋳造設備の真空排気装置および真空排気・復圧方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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---|---|
JP (1) | JP2004330234A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107685144A (zh) * | 2016-08-03 | 2018-02-13 | 科华控股股份有限公司 | 一种用于真空吸铸密封装置控制的真空气动和电气回路 |
-
2003
- 2003-05-06 JP JP2003128201A patent/JP2004330234A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107685144A (zh) * | 2016-08-03 | 2018-02-13 | 科华控股股份有限公司 | 一种用于真空吸铸密封装置控制的真空气动和电气回路 |
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