JP2004330159A - パドル攪拌式粉体加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】要求処理能力が大きい、あるいは流動性に乏しい性質を示す飛灰に適用した場合においても、飛灰を必要な温度に安定的に均一に加熱処理し高いダイオキシン類分解性能を維持する。
【解決手段】攪拌式粉体加熱装置は、一端に供給口21を、他端に排出口22をそれぞれ有する横置円筒状ドラム11と、ドラム11の軸線上に配置されている回転パドル軸13と、パドル軸13の外面長さ方向複数か所に取付られている攪拌パドル14とを備えており、攪拌パドル14が、パドル軸13からその半径方向にのびているアーム31と、アーム31の先端に揺動自在に取付られかつパドル軸13の軸線と平行な揺動中心Cおよび揺動中心Cに対して偏心させられた重心Gをそれぞれ有しているスクレーパ32と、パドル軸13外面の長さ方向所要か所に設けられている粉体推進用スクリュー15とを備えている。
【選択図】 図2
【解決手段】攪拌式粉体加熱装置は、一端に供給口21を、他端に排出口22をそれぞれ有する横置円筒状ドラム11と、ドラム11の軸線上に配置されている回転パドル軸13と、パドル軸13の外面長さ方向複数か所に取付られている攪拌パドル14とを備えており、攪拌パドル14が、パドル軸13からその半径方向にのびているアーム31と、アーム31の先端に揺動自在に取付られかつパドル軸13の軸線と平行な揺動中心Cおよび揺動中心Cに対して偏心させられた重心Gをそれぞれ有しているスクレーパ32と、パドル軸13外面の長さ方向所要か所に設けられている粉体推進用スクリュー15とを備えている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、粉体の加熱処理、とりわけ都市ごみや産業廃棄物などの焼却炉排ガスの処理装置から排出される捕集灰、たとえば電気集塵機(EP)で捕集されたEP灰や、バグフィルタで捕集されたバグフィルタ灰など(以後「飛灰」と称する)のように、一般的に熱伝導性に乏しくまたはときに流動性に乏しい性質を示す粉体のパドル攪拌式加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の加熱装置としては、一端に供給口を、他端に排出口をそれぞれ有する横置円筒状ドラムと、ドラムの軸線上に配置されている回転パドル軸と、パドル軸の外面長さ方向複数か所に取付られている攪拌パドルとを備えており、攪拌パドルが、パドル軸からその半径方向にのびているアームと、アームの先端に揺動自在に取付られかつパドル軸の軸線と平行な揺動中心および揺動中心に対して偏心させられた重心をそれぞれ有しているスクレーパとを備えており、スクレーパの揺動中心からその揺動端までの距離が、スクレーパの揺動中心からドラム内面までの最短距離よりも大であるものが知られている(特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−219346号公報
【0004】
【発明が解決すべき課題】
この種の粉体(飛灰)は、熱伝導性が断熱材なみに乏しいこと(熱伝導率0.1〜1W/m0K)に加えて、重金属類の塩化物を多量に含みこれを加熱すると焼結しやすい傾向にある。廃棄物処理では色々な形式の焼却炉が用いられており、またその排ガス処理プロセスも色々である。したがって、この排ガス処理プロセスで捕集・排出される飛灰が様々に異なった性状を示し、概念的には表1および表2記すように区分できる。
【0005】
【表1】
【表2】
また、よく知られた事実であるが、粉体はその粒子径の分布や粒子自体の形状によってかなり異なった物理的性状を示す。このように物理的性状の異なる飛灰どうしをランダムに混合する場合その混合状態によっては流動性に乏しい性質を示す。図3に、平均粒子径と内部摩擦係数の関係を示すグラフを示す。ときに流動性の乏しい飛灰が混入する様子が窺える。
【0006】
上記従来の加熱装置では、飛灰を焼結させることなく必要な温度に安定的に加熱処理し、高いダイオキシン類分解性能を維持して、よくその機能を発揮した。これは、ドラムが運転中には複雑に変形するが、スクレーパはこの変形にうまく追随して飛灰を加熱面にとどめることなく効果的に攪拌することによるものである。
【0007】
近年資源リサイクルの観点から廃棄物焼却灰に、たとえばセメント原料化などのための集中処理と雑多需要がでてきたことにともない、この飛灰ダイオキシン類熱分解装置にも、より大きな処理能力と雑多な性状の飛灰を処理対象とする、需要がでてきた。このような需要の中で、上記従来の加熱装置はときにその弱点を露呈した。その弱点とは、ドラム内での飛灰の渋滞や造粒、さらにはパドル軸の過負荷という問題である。
【0008】
すなわち、ドラムは50%程度の充満率で運転するのが本来の設計であるが、飛灰の性状によっては(流動性に乏しい飛灰を供給した場合には)、ドラム内で軸方向への飛灰の移動が円滑でない現象が発生する。このような状態になると、スクレーパが思惑通りに機能せず、飛灰を造粒したり(結果として加熱不十分になる)、ドラム壁面付近で飛灰に含まれる塩類が過熱により融解状態になったり(焼結)、これらの現象がパドル軸の過負荷をもたらす結果となった。
【0009】
この発明の目的は、要求処理能力が大きい、あるいは流動性に乏しい性質を示す飛灰に適用した場合においても、上記のような問題を引き起こすことなく、飛灰を必要な温度に安定的に均一に加熱処理し高いダイオキシン類分解性能を維持できるパドル攪拌式粉体加熱装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明によるパドル攪拌式粉体加熱装置は、一端に供給口を、他端に排出口をそれぞれ有する横置円筒状ドラムと、ドラムの軸線上に配置されている回転パドル軸と、パドル軸の外面長さ方向複数か所に取付られている攪拌パドルとを備えており、攪拌パドルが、パドル軸からその半径方向にのびているアームと、アームの先端に揺動自在に取付られかつパドル軸の軸線と平行な揺動中心および揺動中心に対して偏心させられた重心をそれぞれ有しているスクレーパとを備えており、スクレーパの揺動中心からその揺動端までの距離が、スクレーパの揺動中心からドラム内面までの最短距離よりも大であるパドル攪拌式粉体加熱装置において、パドル軸外面の長さ方向所要か所に粉体推進用スクリューが設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
この発明によるパドル攪拌式粉体加熱装置では、パドル軸外面の長さ方向所要か所に粉体推進用スクリューが設けられているから、スクリューは、たとえ流動性に乏しい飛灰であってもこれを強制的に送る作用をする。この強制的送りは、飛灰がその粒子群のもつ力学的性質によってドラム軸方向への移動が渋滞したり、あるいはその結果飛灰がパドルから受ける圧力によって造粒したり、さらにはこの渋滞によって引き起こされるパドル軸の過負荷、といった諸問題の発生を防止する。
【0012】
さらに、スクリューの回転半径が、ドラム内面半径の50〜70%であることが好ましい。その比率が小さいと軸方向への移動補佐が十分でなく、逆に大き過ぎると、軸方向への移動が過剰となり、均一に効率良く加熱しようとする本来の目的を損なう結果となる。
【0013】
また、スクリューの設けられたか所が、パドル軸外面の長さ方向に断続する複数か所であると、スクリューの推進機能は飛灰をあくまでも軸方向への移動の補佐に留めることができる。
【0014】
また、排出口の側から数えて少なくとも1か所に、スクリューの設けられていないか所があることが好ましい。加熱による温度上昇にともない飛灰粒子群のもつ力学的性質が変化するので、軸方向への送りをドラム軸の全長にわたって補佐し続ける必要は無い。あるいは、軸方向への送りをドラム軸の全長にわたって補佐し続けると、逆効果が予想される。
【0015】
また、スクリューが、パドル軸外面を挟んで反対方向に突出させられた2つのブレードよりなり、2つのブレードの間を、2つの攪拌パドルのアームがそれぞれのびていると、攪拌パドルおよびスクリューが相互に干渉し合うことなく、ドラム内のスペースの有効利用を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図面を参照してつぎに説明する。
【0017】
以下の説明において、前後とは、図1を基準として、図1の右側を前、これと反対側を後といい、左右とは、後方より見て、その左右の側を左右というものとする。
【0018】
粉体加熱装置は、前後方向にのびている両端閉鎖水平円筒状ドラム11と、ドラム11周壁外面に外装されている電気ヒータ12と、ドラム11の軸線上に配置されている回転パドル軸13と、パドル軸13の外面長さ方向9か所に2つずつ取付られている18の攪拌パドル14と、攪拌パドル14の9か所の取付か所のうち、後から数えて5か所の取付か所にのみ取付られ、その前側の4か所には取付られていない5つのスクリュー15とを備えている。
【0019】
ドラム11周壁後端部には上向き粉体供給口21が、ドラム11周壁後端部には上向きベントガス排出口23がそれぞれ設けられている。さらに、ドラム11周壁後端部には粉体排出口22が設けられている。粉体排出口22は、図示は下向きであるが、実際は、ほぼ開き角90度をもつ長孔状のもので、斜め下を向いている。また、粉体排出口22には可動蓋が備えられており、可動蓋をドラム周方向に移動させることにより、運転状態に合わせて、粉体排出レベルが調整されるようになされている。
【0020】
バドル軸13は、ドラム11両端壁に回転自在に支持されかつ図示しない手段によって、後方より見て、反時計方向に回転駆動される。
【0021】
全ての攪拌パドル14は、取付位置および向きは異にするが、同一構造のものである。同じように、全てのスクリュー15は、取付位置および向きは異にするが、同一構造のものである。
【0022】
図2は、ドラム11内を後方より見たものである。図2を参照すると、隣り合う2つの取付位置に2つずつ取付られた4つの攪拌パドル14および2つのスクリュー15が示されている。後側の2つの攪拌パドル14は、上および下を向いており、前側の2つの攪拌パドル14は、左および右を向いている。すなわち、隣り合う2つの取付位置に取付られた2つずつの攪拌パドル14は、位相が90度ずれている。
【0023】
各攪拌パドル14は、パドル軸13からその半径方向にのびているアーム31と、アーム31の先端に揺動自在に取付られているスクレーパ32とを備えている。 アーム31は、パドル軸13の長さ方向に間隔をおいて互いに平行にのびかつスクレーパ32を渡した一対のアーム部材41よりなる。
【0024】
スクレーパ32は、前後方向に長い略方形板状のものである。スクレーパ32には、両アーム部材41の先端部をそれぞれ挿通させたスリット42が形成されている。各スリット42の一縁部には耳43が設けられ、これに、前後方向水平ピン44によってアーム部材41の先端部が枢着されている。スクレーパ32の回転方向下流側の揺動端縁部には錘45が取付られている。
【0025】
スクレーパ32の揺動中心Cは、水平ピン44の軸心にある。図2において、右向きの攪拌パドル14のスクレーパ32の揺動中心Cの上方鉛直線上にスクレーパ32の重心Gがあり、左向きの攪拌パドル14のスクレーパ32の揺動中心Cの下方鉛直線上にスクレーパ32の重心Gがある。スクレーパ32の揺動中心Cに対して、重心Gは偏心させられている。また、スクレーパ32の揺動中心Cからスクレーパ32の揺動端までの距離をL1、スクレーパ32の揺動中心Cからドラム11内面までの最短距離をL2としてときにL1>L2である。
【0026】
パドル軸13が1回転する間において、スクレーパ32は、その自重によってアーム31に対する姿勢を変更する。攪拌パドル14が左向きになったときに、スクレーパ32の揺動端がドラム11内面との接触が始まり、これは攪拌パドル14が右向きになるまで持続される。この後、攪拌パドル14が再び左向きになるまで、スクレーパ32の揺動端はドラム11内面から離隔させられる。
【0027】
スクリュー15は、パドル軸13外面を挟んで反対方向に突出させられた2つの略扇形状ブレード51よりなる。2つのブレード51の間を、スクリュー15と同じところに取付られた2つの攪拌パドル14のアーム31がそれぞれのびている。 ドラム11内面の半径をR1、ブレード51の回転半径をR2とすると、R2/R1=50〜70%である。
【0028】
粉体は、供給口21からドラム11内に供給される。粉体が流動性に富んでいる場合、仮に、スクリュー15が無くても、ドラム11内において攪拌パドル14によって粉体が攪拌されると、供給口21から排出口22に向かって粉体は移動させられる。スクレーパ32は粉体をドラム11内面に留めることなく効果的に攪拌する。ところが、粉体が流動性に乏しい場合、ドラム11内での粉体の軸方向への移動が円滑でなくなる可能性がある。そこで、スクリュー15が粉体をドラム11軸方向へ強制的に断続的に送る機能を発揮し、粉体がドラム内で滞留することを防止する。排出口22まで送られた粉体は、そこから排出される。
【0029】
攪拌パドル14およびスクリュー15の数は、上記例示の数に限定されることなく、任意であってよい。
【0030】
【発明の効果】
この発明によれば、要求処理能力が大きい、あるいは流動性に乏しい性質を示す飛灰に適用した場合においても、飛灰を必要な温度に安定的に均一に加熱処理し高いダイオキシン類分解性能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による加熱装置の垂直縦断面図である。
【図2】図1のII−II線にそう拡大垂直横断面図である。
【図3】粉体の平均粒径とドラム11内面摩擦係数との相関を示すグラフである。
【符号の説明】
11 ドラム
13 パドル軸
14 攪拌パドル
15 スクリュー
21 供給口
22 排出口
31 アーム
32 スクレーパ
C スクレーパ揺動中心
G スクレーパ重心
【産業上の利用分野】
この発明は、粉体の加熱処理、とりわけ都市ごみや産業廃棄物などの焼却炉排ガスの処理装置から排出される捕集灰、たとえば電気集塵機(EP)で捕集されたEP灰や、バグフィルタで捕集されたバグフィルタ灰など(以後「飛灰」と称する)のように、一般的に熱伝導性に乏しくまたはときに流動性に乏しい性質を示す粉体のパドル攪拌式加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の加熱装置としては、一端に供給口を、他端に排出口をそれぞれ有する横置円筒状ドラムと、ドラムの軸線上に配置されている回転パドル軸と、パドル軸の外面長さ方向複数か所に取付られている攪拌パドルとを備えており、攪拌パドルが、パドル軸からその半径方向にのびているアームと、アームの先端に揺動自在に取付られかつパドル軸の軸線と平行な揺動中心および揺動中心に対して偏心させられた重心をそれぞれ有しているスクレーパとを備えており、スクレーパの揺動中心からその揺動端までの距離が、スクレーパの揺動中心からドラム内面までの最短距離よりも大であるものが知られている(特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−219346号公報
【0004】
【発明が解決すべき課題】
この種の粉体(飛灰)は、熱伝導性が断熱材なみに乏しいこと(熱伝導率0.1〜1W/m0K)に加えて、重金属類の塩化物を多量に含みこれを加熱すると焼結しやすい傾向にある。廃棄物処理では色々な形式の焼却炉が用いられており、またその排ガス処理プロセスも色々である。したがって、この排ガス処理プロセスで捕集・排出される飛灰が様々に異なった性状を示し、概念的には表1および表2記すように区分できる。
【0005】
【表1】
【表2】
また、よく知られた事実であるが、粉体はその粒子径の分布や粒子自体の形状によってかなり異なった物理的性状を示す。このように物理的性状の異なる飛灰どうしをランダムに混合する場合その混合状態によっては流動性に乏しい性質を示す。図3に、平均粒子径と内部摩擦係数の関係を示すグラフを示す。ときに流動性の乏しい飛灰が混入する様子が窺える。
【0006】
上記従来の加熱装置では、飛灰を焼結させることなく必要な温度に安定的に加熱処理し、高いダイオキシン類分解性能を維持して、よくその機能を発揮した。これは、ドラムが運転中には複雑に変形するが、スクレーパはこの変形にうまく追随して飛灰を加熱面にとどめることなく効果的に攪拌することによるものである。
【0007】
近年資源リサイクルの観点から廃棄物焼却灰に、たとえばセメント原料化などのための集中処理と雑多需要がでてきたことにともない、この飛灰ダイオキシン類熱分解装置にも、より大きな処理能力と雑多な性状の飛灰を処理対象とする、需要がでてきた。このような需要の中で、上記従来の加熱装置はときにその弱点を露呈した。その弱点とは、ドラム内での飛灰の渋滞や造粒、さらにはパドル軸の過負荷という問題である。
【0008】
すなわち、ドラムは50%程度の充満率で運転するのが本来の設計であるが、飛灰の性状によっては(流動性に乏しい飛灰を供給した場合には)、ドラム内で軸方向への飛灰の移動が円滑でない現象が発生する。このような状態になると、スクレーパが思惑通りに機能せず、飛灰を造粒したり(結果として加熱不十分になる)、ドラム壁面付近で飛灰に含まれる塩類が過熱により融解状態になったり(焼結)、これらの現象がパドル軸の過負荷をもたらす結果となった。
【0009】
この発明の目的は、要求処理能力が大きい、あるいは流動性に乏しい性質を示す飛灰に適用した場合においても、上記のような問題を引き起こすことなく、飛灰を必要な温度に安定的に均一に加熱処理し高いダイオキシン類分解性能を維持できるパドル攪拌式粉体加熱装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明によるパドル攪拌式粉体加熱装置は、一端に供給口を、他端に排出口をそれぞれ有する横置円筒状ドラムと、ドラムの軸線上に配置されている回転パドル軸と、パドル軸の外面長さ方向複数か所に取付られている攪拌パドルとを備えており、攪拌パドルが、パドル軸からその半径方向にのびているアームと、アームの先端に揺動自在に取付られかつパドル軸の軸線と平行な揺動中心および揺動中心に対して偏心させられた重心をそれぞれ有しているスクレーパとを備えており、スクレーパの揺動中心からその揺動端までの距離が、スクレーパの揺動中心からドラム内面までの最短距離よりも大であるパドル攪拌式粉体加熱装置において、パドル軸外面の長さ方向所要か所に粉体推進用スクリューが設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
この発明によるパドル攪拌式粉体加熱装置では、パドル軸外面の長さ方向所要か所に粉体推進用スクリューが設けられているから、スクリューは、たとえ流動性に乏しい飛灰であってもこれを強制的に送る作用をする。この強制的送りは、飛灰がその粒子群のもつ力学的性質によってドラム軸方向への移動が渋滞したり、あるいはその結果飛灰がパドルから受ける圧力によって造粒したり、さらにはこの渋滞によって引き起こされるパドル軸の過負荷、といった諸問題の発生を防止する。
【0012】
さらに、スクリューの回転半径が、ドラム内面半径の50〜70%であることが好ましい。その比率が小さいと軸方向への移動補佐が十分でなく、逆に大き過ぎると、軸方向への移動が過剰となり、均一に効率良く加熱しようとする本来の目的を損なう結果となる。
【0013】
また、スクリューの設けられたか所が、パドル軸外面の長さ方向に断続する複数か所であると、スクリューの推進機能は飛灰をあくまでも軸方向への移動の補佐に留めることができる。
【0014】
また、排出口の側から数えて少なくとも1か所に、スクリューの設けられていないか所があることが好ましい。加熱による温度上昇にともない飛灰粒子群のもつ力学的性質が変化するので、軸方向への送りをドラム軸の全長にわたって補佐し続ける必要は無い。あるいは、軸方向への送りをドラム軸の全長にわたって補佐し続けると、逆効果が予想される。
【0015】
また、スクリューが、パドル軸外面を挟んで反対方向に突出させられた2つのブレードよりなり、2つのブレードの間を、2つの攪拌パドルのアームがそれぞれのびていると、攪拌パドルおよびスクリューが相互に干渉し合うことなく、ドラム内のスペースの有効利用を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図面を参照してつぎに説明する。
【0017】
以下の説明において、前後とは、図1を基準として、図1の右側を前、これと反対側を後といい、左右とは、後方より見て、その左右の側を左右というものとする。
【0018】
粉体加熱装置は、前後方向にのびている両端閉鎖水平円筒状ドラム11と、ドラム11周壁外面に外装されている電気ヒータ12と、ドラム11の軸線上に配置されている回転パドル軸13と、パドル軸13の外面長さ方向9か所に2つずつ取付られている18の攪拌パドル14と、攪拌パドル14の9か所の取付か所のうち、後から数えて5か所の取付か所にのみ取付られ、その前側の4か所には取付られていない5つのスクリュー15とを備えている。
【0019】
ドラム11周壁後端部には上向き粉体供給口21が、ドラム11周壁後端部には上向きベントガス排出口23がそれぞれ設けられている。さらに、ドラム11周壁後端部には粉体排出口22が設けられている。粉体排出口22は、図示は下向きであるが、実際は、ほぼ開き角90度をもつ長孔状のもので、斜め下を向いている。また、粉体排出口22には可動蓋が備えられており、可動蓋をドラム周方向に移動させることにより、運転状態に合わせて、粉体排出レベルが調整されるようになされている。
【0020】
バドル軸13は、ドラム11両端壁に回転自在に支持されかつ図示しない手段によって、後方より見て、反時計方向に回転駆動される。
【0021】
全ての攪拌パドル14は、取付位置および向きは異にするが、同一構造のものである。同じように、全てのスクリュー15は、取付位置および向きは異にするが、同一構造のものである。
【0022】
図2は、ドラム11内を後方より見たものである。図2を参照すると、隣り合う2つの取付位置に2つずつ取付られた4つの攪拌パドル14および2つのスクリュー15が示されている。後側の2つの攪拌パドル14は、上および下を向いており、前側の2つの攪拌パドル14は、左および右を向いている。すなわち、隣り合う2つの取付位置に取付られた2つずつの攪拌パドル14は、位相が90度ずれている。
【0023】
各攪拌パドル14は、パドル軸13からその半径方向にのびているアーム31と、アーム31の先端に揺動自在に取付られているスクレーパ32とを備えている。 アーム31は、パドル軸13の長さ方向に間隔をおいて互いに平行にのびかつスクレーパ32を渡した一対のアーム部材41よりなる。
【0024】
スクレーパ32は、前後方向に長い略方形板状のものである。スクレーパ32には、両アーム部材41の先端部をそれぞれ挿通させたスリット42が形成されている。各スリット42の一縁部には耳43が設けられ、これに、前後方向水平ピン44によってアーム部材41の先端部が枢着されている。スクレーパ32の回転方向下流側の揺動端縁部には錘45が取付られている。
【0025】
スクレーパ32の揺動中心Cは、水平ピン44の軸心にある。図2において、右向きの攪拌パドル14のスクレーパ32の揺動中心Cの上方鉛直線上にスクレーパ32の重心Gがあり、左向きの攪拌パドル14のスクレーパ32の揺動中心Cの下方鉛直線上にスクレーパ32の重心Gがある。スクレーパ32の揺動中心Cに対して、重心Gは偏心させられている。また、スクレーパ32の揺動中心Cからスクレーパ32の揺動端までの距離をL1、スクレーパ32の揺動中心Cからドラム11内面までの最短距離をL2としてときにL1>L2である。
【0026】
パドル軸13が1回転する間において、スクレーパ32は、その自重によってアーム31に対する姿勢を変更する。攪拌パドル14が左向きになったときに、スクレーパ32の揺動端がドラム11内面との接触が始まり、これは攪拌パドル14が右向きになるまで持続される。この後、攪拌パドル14が再び左向きになるまで、スクレーパ32の揺動端はドラム11内面から離隔させられる。
【0027】
スクリュー15は、パドル軸13外面を挟んで反対方向に突出させられた2つの略扇形状ブレード51よりなる。2つのブレード51の間を、スクリュー15と同じところに取付られた2つの攪拌パドル14のアーム31がそれぞれのびている。 ドラム11内面の半径をR1、ブレード51の回転半径をR2とすると、R2/R1=50〜70%である。
【0028】
粉体は、供給口21からドラム11内に供給される。粉体が流動性に富んでいる場合、仮に、スクリュー15が無くても、ドラム11内において攪拌パドル14によって粉体が攪拌されると、供給口21から排出口22に向かって粉体は移動させられる。スクレーパ32は粉体をドラム11内面に留めることなく効果的に攪拌する。ところが、粉体が流動性に乏しい場合、ドラム11内での粉体の軸方向への移動が円滑でなくなる可能性がある。そこで、スクリュー15が粉体をドラム11軸方向へ強制的に断続的に送る機能を発揮し、粉体がドラム内で滞留することを防止する。排出口22まで送られた粉体は、そこから排出される。
【0029】
攪拌パドル14およびスクリュー15の数は、上記例示の数に限定されることなく、任意であってよい。
【0030】
【発明の効果】
この発明によれば、要求処理能力が大きい、あるいは流動性に乏しい性質を示す飛灰に適用した場合においても、飛灰を必要な温度に安定的に均一に加熱処理し高いダイオキシン類分解性能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による加熱装置の垂直縦断面図である。
【図2】図1のII−II線にそう拡大垂直横断面図である。
【図3】粉体の平均粒径とドラム11内面摩擦係数との相関を示すグラフである。
【符号の説明】
11 ドラム
13 パドル軸
14 攪拌パドル
15 スクリュー
21 供給口
22 排出口
31 アーム
32 スクレーパ
C スクレーパ揺動中心
G スクレーパ重心
Claims (5)
- 一端に供給口21を、他端に排出口22をそれぞれ有する横置円筒状ドラム11と、ドラム11の軸線上に配置されている回転パドル軸13と、パドル軸13の外面長さ方向複数か所に取付られている攪拌パドル14とを備えており、攪拌パドル14が、パドル軸13からその半径方向にのびているアーム31と、アーム31の先端に揺動自在に取付られかつパドル軸13の軸線と平行な揺動中心Cおよび揺動中心Cに対して偏心させられた重心Gをそれぞれ有しているスクレーパ32とを備えており、スクレーパ32の揺動中心Cからその揺動端までの距離L1が、スクレーパ32の揺動中心Cからドラム11内面までの最短距離L2よりも大であるパドル攪拌式粉体加熱装置において、
パドル軸13外面の長さ方向所要か所に粉体推進用スクリュー15が設けられていることを特徴とするパドル攪拌式粉体加熱装置。 - スクリュー15の回転半径R2が、ドラム11内面半径R1の50〜70%である請求項1に記載のパドル攪拌式粉体加熱装置。
- スクリュー15の設けられたか所が、パドル軸13外面の長さ方向に断続する複数か所である請求項1または2に記載のパドル攪拌式粉体加熱装置。
- 排出口22の側から数えて少なくとも1か所に、スクリュー15の設けられていないか所がある請求項3に記載のパドル攪拌式粉体加熱装置。
- スクリュー15が、パドル軸13外面を挟んで反対方向に突出させられた2つのブレード51よりなり、2つのブレード51の間を、2つの攪拌パドル15のアーム31がそれぞれのびている請求項3または4に記載のパドル攪拌式粉体加熱装置。
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