JP2004328913A - 電流検出回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】一周期中の各相の電流を確実に検知できる電流検出回路を提供することを課題とする。
【解決手段】各相にスイッチング素子を備えた三相のインバータ装置に設けられた電流検出部8は、各相の合成電流を検出する電流センサからの信号を増幅する増幅部9、増幅部9で増幅された電流センサからの信号を保持するサンプルホールド回路11〜13、エラー電圧源14、サンプルホールド回路で保持される信号を切り換える切換スイッチ15〜17、インバータ装置の相状態から電流センサにどの相の電流が流れているかを特定し、サンプルホールド回路で相電流に対応する電圧をサンプリングして保持させるデコーダ10aおよび相状態の不変時間を計測するタイマ10bを有する。相状態の不変時間が所定時間を超えた場合にのみ、サンプルホールド回路で電流センサからの電圧が保持され、それ以外はエラー電圧が保持される。
【選択図】 図2
【解決手段】各相にスイッチング素子を備えた三相のインバータ装置に設けられた電流検出部8は、各相の合成電流を検出する電流センサからの信号を増幅する増幅部9、増幅部9で増幅された電流センサからの信号を保持するサンプルホールド回路11〜13、エラー電圧源14、サンプルホールド回路で保持される信号を切り換える切換スイッチ15〜17、インバータ装置の相状態から電流センサにどの相の電流が流れているかを特定し、サンプルホールド回路で相電流に対応する電圧をサンプリングして保持させるデコーダ10aおよび相状態の不変時間を計測するタイマ10bを有する。相状態の不変時間が所定時間を超えた場合にのみ、サンプルホールド回路で電流センサからの電圧が保持され、それ以外はエラー電圧が保持される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電流検出回路に係り、特に多相モータを駆動する多相インバータ装置に対応可能な電流検出回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、モータを駆動する三相インバータ装置では、各相のモータ電流を検出してフィードバック制御を行っている。各相のモータ電流を検出するために、例えば特許文献1に示される電流検出回路では、直流電源とインバータ主回路との間に設けられた電流検出手段によりPWM信号の1キャリア周期中に、2回の瞬時電流を検出して、2相分の相電流を演算するように構成されている。
また、特許文献2に示される三相モータの駆動回路では、各相の共通の電源ラインにひとつの電流センサを設け、各相の合成電流と三相駆動信号から各相の電流値を分離する方法が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−95263号公報
【特許文献2】
特開平10−323077号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に示される電流検出回路では、各相のうち、電流計測できない相を避けて瞬時電流を検出しているため、すべての相の電流を検出することができない。
また、特許文献2に示される駆動回路では、120度ずつ位相をずらした矩形波電圧によりモータを回転させる120度通電方式であり、各アームのスイッチング素子は、モータ一回転あたり、1回しかオンオフしない。このような120度通電方式の駆動回路では、モータ電流に含まれる低次高調波のために、騒音が大きく、またトルク変動も大きいので、スイッチング素子をモータ周波数よりも高い周波数でデューティ駆動して、モータに流れる電流を等価的に正弦波にする正弦波駆動方式が望ましい。しかしながら、正弦波駆動方式においては、この駆動回路を適用して、一周期中に、すべての相の電流を検出することは困難である。
【0005】
さらに、正弦波駆動方式においては、モータ回転数よりもかなり高い周波数で各アームをスイッチングし、モータ電流が正弦波になるようなPWM制御をおこなうため、PWM信号の組み合わせによっては、一周期中に電流値を検出できない相が現れることがある。また、相の状態が短時間で切り替わり、正しい電流値を検出するには時間が十分取れない場合がある。このような場合、一周期前の電流値データを用いて補正等の処理を行う必要があるが、限られた時間内に、電流検出状態の確認、ADコンバータでの読み込みタイミング制御等の処理が要求される。そのため、モータ制御のソフトウエアの負荷が大きくなってしまう。とくに、インバータキャリア周波数が高い場合は、なおさらであり、高速なプロセッサを利用してこのような課題に対応するのではコストアップの要因となる。
【0006】
この発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、一周期中の各相の電流を確実に検知できる電流検出回路を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電流検出回路は、各相にスイッチング素子を備えた多相のインバータ装置に用いられる電流検出回路であって、インバータ装置の各相を流れる相電流を合成した合成電流を検知する電流センサと、電流センサにどの相の電流が流れているかを特定する相電流特定手段と、電流センサの出力に基づいて、電流センサを流れる電流に対応したセンサ電圧を、相電流判定手段が特定した相のサンプルホールド電圧として、一周期ごとに検出するとともに、各相に対応してそれぞれ設けられたサンプルホールド手段とを備えることを特徴とするものである。相電流特定手段により電流センサに流れる合成電流がどの相の電流であるかを特定して、各相の電流が一周期ごとに電圧に換算して検出される。
【0008】
相電流特定手段は、インバータ装置の各相のスイッチング素子への駆動信号を検出して相状態を判定し、その結果に基づいて、電流センサにどの相の電流が流れているかを特定することができる。
相電流特定手段は、所定時間内に相状態の変化がなかった場合、サンプルホールド電圧として、センサ電圧をサンプルホールド手段に検出させることができる。
【0009】
センサ電圧と異なる値を有するエラー電圧を設定するエラー電圧設定手段をさらに備え、相電流特定手段は、所定時間内に相状態の変化があった場合、サンプルホールド電圧として、エラー電圧をサンプルホールド手段に検出させることができる。正常に電流検出できたか否かおよび正常に検出した電流値を、サンプルホールド電圧の値の違いで知ることができ、その後の処理を容易にする。
また、センサ電圧およびエラー電圧と異なる値を有する初期電圧を設定する初期電圧設定手段をさらに備え、相電流特定手段は、一周期ごとに、サンプルホールド電圧を初期電圧に初期化することができる。サンプルホールド手段が相電流を全くサンプリングできなかった場合も含め、正常に電流検出できなかった要因を細分化して把握することができる。
また、インバータ装置は正弦波駆動であってもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に、この発明の実施の形態に係る電流検出回路を用いたインバータ装置が直流三相モータを駆動する場合の構成を示す。
インバータ装置1は、直流電源2に接続されたインバータ主回路3と、電流センサ5、ゲートドライバ6、制御プロセッサ7および電流検出部8とから構成される。また、インバータ主回路3には三相モータ4が接続される。
ここで、電流センサ5および電流検出部8は電流検出回路を構成し、電流検出部8は相電流特定手段、サンプルホールド手段およびエラー電圧設定手段を構成する。
【0011】
インバータ主回路3は、U相上アーム用スイッチング素子3a、V相上アーム用スイッチング素子3b、W相上アーム用スイッチング素子3c、U相下アーム用スイッチング素子3d、V相下アーム用スイッチング素子3e、W相下アーム用スイッチング素子3fを有する。
制御プロセッサ7は、スイッチング素子3a〜3fをオン・オフ制御するためのPWM信号を生成し、U相のスイッチング素子3a,3dをオン・オフ制御するU相のスイッチング信号U1、V相のスイッチング素子3b,3eをオン・オフ制御するV相のスイッチング信号V1、W相のスイッチング素子3c,3fをオン・オフ制御するW相のスイッチング信号W1を、ゲートドライバ6を介して各スイッチング素子に送る。また、これらのスイッチング信号U1,V1,W1は、電流検出部8にも入力される。
【0012】
電流センサ5は、インバータ主回路3の各相の下アーム用スイッチング素子3d〜3fと、直流電源2の(−)側との間に設けられたシャント抵抗である。各相の相電流を合成した合成電流を検知する。電流センサ5には、各相の電流が合流して流れ、この合成電流によってシャント抵抗の両端にシャント両端電圧が発生する。この電圧が電流検出部8に入力される。
【0013】
電流検出部8には、図2に詳細に示されるように、電流センサ5のシャント両端電圧を増幅する増幅部9が設けられている。増幅部9は、正出力と負出力の2つの電圧を出力する。
正出力は、電流センサ5を流れる電流が0アンペア(A)の場合は2.5Vを出力し、電流の向きが正の場合は電流の大きさに応じて大きくなる2.5〜4.5Vの範囲の値を出力し、電流の向きが負の場合は電流の大きさに応じて小さくなる0.5〜2.5Vの範囲の値を出力する。
負出力は、電流センサ5を流れる電流が0アンペア(A)の場合は2.5Vを出力し、電流の向きが正の場合は電流の大きさに応じて小さくなる0.5〜2.5Vの範囲の値を出力し、電流の向きが負の場合は電流の大きさに応じて大きくなる2.5〜4.5Vの範囲の値を出力する。なお図2において正出力、負出力は図の理解を容易にする為わけて記載していない。
また、電流検出部8には、デコーダ10aおよびタイマ10bからなるホールドタイミング制御部10が設けられ、制御プロセッサ7からデコーダ10aに、U、V、W相のスイッチング信号U1,V1,W1が入力される。
【0014】
ここで、U、V、W相のスイッチング信号U1,V1,W1は、図4に示されるように、ともに、対応する相の上アーム用スイッチング素子をオフしかつ下アーム用スイッチング素子をオンする信号(図4に符号1で示される)、上アーム用スイッチング素子をオンしかつ下アーム用スイッチング素子をオフする信号(図4に符号0で示される)から構成される。
インバータ主回路3のU、V、W相のスイッチング素子の駆動状況を表す相状態は、図3に示される8つのうちのいずれか状態になる。
このうち、状態No.1および8の場合は、電流センサ5に電流が流れないが、残りの状態の場合は、U、V、W相のいずれかの電流が流れている。図中、電流センサ5に流れる電流として、例えば−Wのように、負の符号が添えてあるものは、電流方向がWと逆になっていることを表す。
【0015】
図2に戻って、デコーダ10aではスイッチング信号U1,V1,W1の組み合わせから、電流センサ5にどの相の電流が流れているか、および相電流の方向を特定する。
また、デコーダ10aは、U、V、W相の電流に対応した電圧検出のための3つのサンプルホールド回路11,12,13に接続される。サンプルホールド回路11,12,13は、それぞれ図示しないホールドコンデンサを有し、これらに入力された電圧を、デコーダ10aの指示によりサンプリング(ホールドコンデンサに充電)あるいはホールド(保持)して各相の電圧検出を行う。また、サンプルホールド回路11,12,13は制御プロセッサ7に接続される。制御プロセッサ7には図示しないADコンバータが設けられ、サンプルホールド回路11,12,13で保持したサンプルホールド電圧をU相電圧UVout、V相電圧VVout、W相電圧WVoutとして任意のタイミングで読み込む。
【0016】
また、デコーダ10aは、切換スイッチ15,16,17に接続される。切換スイッチ15,16,17は、エラー電圧源14および増幅部9に接続される。エラー電圧源14の電圧は本実施例では5Vである。
ここで、切換スイッチ15,16,17は、ともに同一の構造であり、切換スイッチ15を例に説明する。切換スイッチ15はU相電流がU(図4において状態No.2)の場合に作動するスイッチSW(+)と、U相電流が−U(図4において状態No.7)の場合に作動するスイッチSW(−)と、エラー時に作動するスイッチSW(e)の3つのスイッチから構成されている。スイッチSW(+)の一方は、増幅器9の正出力に接続されている。スイッチSW(−)の一方は増幅器9の負出力に接続されている。また、スイッチSW(e)の一方は、エラー電圧源14に接続されている。そしてスイッチSW(+),SW(−),SW(e)の他方はサンプルホールド回路11に接続されている。
また、デコーダ10aからの指示により、相状態に応じてスイッチSW(+),SW(−),SW(e)のいずれかを作動させることで、増幅部9からの電圧信号とエラー電圧源14の電圧信号のいずれかがサンプルホールド回路11に入力されるように構成されている。
タイマ10bはデコーダ10aに接続され、デコーダ10aからの指示により例えば2μ秒の時間計測を行うタイマ機能を有する。
【0017】
次に、この実施の形態に係る電流検出回路の動作について図5および6に基づいて説明する。
図5に示されるように、デコーダ10aに入力されたU,V,W相スイッチング信号U1,V1,W1が、時刻t1において変化すると、すなわち、相状態が変化すると、デコーダ10aはタイマ10bを起動する。また、デコーダ10aは、スイッチング信号U1,V1,W1の組み合わせから、電流センサ5にU相の相電流が流れていることを特定する。また、デコーダ10aは、サンプルホールド回路11における電圧のサンプリングあるいはホールドを指示するU相サンプルホールド指示信号UHをサンプリング状態にし、サンプルホールド回路11でU相の相電流に対応する電圧がサンプリングされる。このとき切換スイッチ15のスイッチSW(+)がオンする。
タイマ起動後、所定時間、例えば2μ秒以内に相状態が変化しない場合、デコーダ10aは正常に相電流を検出したと判断して、その後、相状態が変化した時刻t2において、U相サンプルホールド指示信号UHをホールド状態に切り換えて、サンプルホールド回路11ではサンプリングしたセンサ電圧をサンプルホールド電圧として保持する。つまり、切換スイッチ15のスイッチSW(+)がオフする。すなわち、このセンサ電圧は正常に相電流を検出したサンプルホールド電圧となる。
【0018】
また、時刻t2において、タイマ10bが再起動し、デコーダ10aは、スイッチング信号U1,V1,W1の組み合わせから、電流センサ5にW相の相電流が流れていることを特定し、W相サンプルホールド指示信号WHをサンプリング状態にし、サンプルホールド回路13でW相の相電流に対応する電圧がサンプリングされる。このとき切換スイッチ17のスイッチSW(−)がオンする。
タイマ起動後2μ秒に満たない時刻t3において、相状態が変化すると、デコーダ10aは、相状態が不変のまま継続した時間が短いため、十分なサンプリング時間をとれていないとみなして、切換スイッチ17のスイッチSW(−)をオフして、スイッチSW(e)をオンする。したがって、サンプルホールド回路13では、エラー電圧源14のエラー電圧が入力され保持される。これにより、W相の相電流は適切にサンプリングされなかったことを表すエラー電圧がW相のサンプルホールド電圧として保持される。
【0019】
次に、図6に移って、時刻t4において、相状態が変化するとデコーダ10aはタイマ10bに指示し、タイマ10bが起動する。また、デコーダ10aは、スイッチング信号U1,V1,W1の組み合わせから、電流センサ5にV相の相電流が流れていると特定し、V相サンプルホールド指示信号VHをサンプリング状態にし、サンプルホールド回路12でV相の相電流に対応する電圧がサンプリングされる。このとき切換スイッチ16のスイッチSW(+)がオンする。
タイマ起動後、所定時間、例えば2μ秒以内に相状態が変化しない場合、デコーダ10aは正常に相電流を検出したと判断して、V相サンプルホールド指示信号VHをホールド状態に切り換えて、サンプルホールド回路12ではサンプリングしたセンサ電圧をサンプルホールド電圧として保持する。つまり、切換スイッチ16のスイッチSW(+)がオフする。すなわち、このセンサ電圧は正常に相電流を検出したサンプルホールド電圧となる。
【0020】
次に、時刻t5において、制御プロセッサ7は、サンプルホールド回路11,12,13に保持されたサンプルホールド電圧をU相、V相、W相の電圧UVout、VVout、WVoutとして読み込んだ後、時刻t6において、リセット信号Resetをデコーダ10aに送る。デコーダ10aはこの信号を受けてサンプルホールド回路11,12,13のサンプルホールド電圧をリセットし、その代わりにエラー電圧を、サンプルホールド電圧の初期電圧Viniとして保持させる。
【0021】
以上のように、デコーダ10aは、各相のスイッチング素子3a〜3fへの駆動信号を検出して相状態を判定し、その結果に基づいて、電流センサ5にどの相の電流が流れているかを特定することができる。さらに、サンプルホールド回路11,12,13により各相の電流が一周期ごとに電圧に換算して検出される。したがって、モータ回転数よりも高い周波数で各アームをスイッチングしても、一周期中の各相の電流を確実に検知できる。
また、所定時間内に相状態の変化がなかった場合にのみ、センサ電圧が正常サンプルホールド電圧として保持されるので、相電流を正確に検知することができる。さらに、所定時間内に相状態の変化があった場合、サンプルホールド回路11,12,13におけるサンプリング時間が短時間であるため、正確な相電流を検出できないと判定して、正常サンプルホールド電圧と異なる値をもつエラー電圧が、サンプルホールド電圧として保持されるようにしたので、相電流を正常に検出できたか否かおよび正常に検出した電流値を、サンプルホールド電圧の値の違いで知ることができる。
【0022】
なお、上述の実施の形態において、サンプルホールド回路11,12,13のサンプルホールド電圧を初期化する場合に、初期電圧Viniをエラー電圧と同じ電圧に設定したが、エラー電圧源14とは別個に初期電圧設定手段として、初期電圧源を設けてもよい。初期電圧源の電圧値を、正常サンプルホールド電圧およびエラー電圧と異なる値に設定すれば、一周期経過後、各相のサンプルホールド電圧が初期電圧のままであれば、サンプルホールド回路11,12,13が一周期中に相電流を全くサンプリングできなかったことを知ることができる。これにより、相電流を検出できなかった要因について、電流センサ5が全く電流検出できていないのか、あるいは、サンプルホールド回路11,12,13がセンサ電圧のサンプリング中に相状態が変化してしまったのかを区別して把握することができる。
【0023】
また、電流センサは、シャント抵抗に限定されるものではなく、ホール素子やカレントトランスを用いてもよい。また、電流検出部8に入力される電流センサの出力は、電圧出力に限定されるものではなく、電流の一部を分岐するものであってもよい。
さらに、電流センサ5は、インバータ主回路3の各相の下アーム用スイッチング素子3d〜3fと、直流電源2の(−)側との間に設けられたが、電流センサの取り付け位置は、これに限定されるものではなく、上アーム用スイッチング素子3a〜3cと、直流電源2の(+)側との間に設けてもよい。
本実施例は、正弦波駆動のインバータ装置の電流検出回路として説明したが、矩形波駆動のインバータ装置に適用しても良い。矩形波駆動でも非常に高速にモータを回転させる場合はスイッチング周波数が高くなり、同様に短時間で制御する必要があるためCPU負荷が重くなるが、本発明を適用することで一周期中の各相の電流を確実に検知できる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、インバータ装置の各相を流れる相電流を合成した合成電流を検知する電流センサにどの相の電流が流れているかを、相電流特定手段が特定し、サンプルホールド手段が、電流センサの出力に基づいて電流センサを流れる電流に対応したセンサ電圧を、特定の相のサンプルホールド電圧として一周期ごとに検出するので、一周期中の各相の電流を確実に検知できる電流検出回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る電流検出回路を用いたインバータ装置が三相モータを駆動する場合の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態の電流検出回路の電流検出部の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態の電流検出回路の電流検出部の構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態の電流検出回路の電流検出部における切換スイッチの構成を示す図である。
【図5】実施の形態の電流検出回路のサンプル、ホールドのタイミングを示すタイムチャートである。
【図6】実施の形態の電流検出回路のサンプル、ホールドのタイミングを示すタイムチャートである。
【符号の説明】
3a〜3f…スイッチング素子、5…電流センサ、8…電流検出部、10a…デコーダ、10b…タイマ、11〜13…サンプルホールド回路、15〜17…切換スイッチ、14…エラー電圧源。
【発明の属する技術分野】
この発明は、電流検出回路に係り、特に多相モータを駆動する多相インバータ装置に対応可能な電流検出回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、モータを駆動する三相インバータ装置では、各相のモータ電流を検出してフィードバック制御を行っている。各相のモータ電流を検出するために、例えば特許文献1に示される電流検出回路では、直流電源とインバータ主回路との間に設けられた電流検出手段によりPWM信号の1キャリア周期中に、2回の瞬時電流を検出して、2相分の相電流を演算するように構成されている。
また、特許文献2に示される三相モータの駆動回路では、各相の共通の電源ラインにひとつの電流センサを設け、各相の合成電流と三相駆動信号から各相の電流値を分離する方法が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−95263号公報
【特許文献2】
特開平10−323077号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に示される電流検出回路では、各相のうち、電流計測できない相を避けて瞬時電流を検出しているため、すべての相の電流を検出することができない。
また、特許文献2に示される駆動回路では、120度ずつ位相をずらした矩形波電圧によりモータを回転させる120度通電方式であり、各アームのスイッチング素子は、モータ一回転あたり、1回しかオンオフしない。このような120度通電方式の駆動回路では、モータ電流に含まれる低次高調波のために、騒音が大きく、またトルク変動も大きいので、スイッチング素子をモータ周波数よりも高い周波数でデューティ駆動して、モータに流れる電流を等価的に正弦波にする正弦波駆動方式が望ましい。しかしながら、正弦波駆動方式においては、この駆動回路を適用して、一周期中に、すべての相の電流を検出することは困難である。
【0005】
さらに、正弦波駆動方式においては、モータ回転数よりもかなり高い周波数で各アームをスイッチングし、モータ電流が正弦波になるようなPWM制御をおこなうため、PWM信号の組み合わせによっては、一周期中に電流値を検出できない相が現れることがある。また、相の状態が短時間で切り替わり、正しい電流値を検出するには時間が十分取れない場合がある。このような場合、一周期前の電流値データを用いて補正等の処理を行う必要があるが、限られた時間内に、電流検出状態の確認、ADコンバータでの読み込みタイミング制御等の処理が要求される。そのため、モータ制御のソフトウエアの負荷が大きくなってしまう。とくに、インバータキャリア周波数が高い場合は、なおさらであり、高速なプロセッサを利用してこのような課題に対応するのではコストアップの要因となる。
【0006】
この発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、一周期中の各相の電流を確実に検知できる電流検出回路を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電流検出回路は、各相にスイッチング素子を備えた多相のインバータ装置に用いられる電流検出回路であって、インバータ装置の各相を流れる相電流を合成した合成電流を検知する電流センサと、電流センサにどの相の電流が流れているかを特定する相電流特定手段と、電流センサの出力に基づいて、電流センサを流れる電流に対応したセンサ電圧を、相電流判定手段が特定した相のサンプルホールド電圧として、一周期ごとに検出するとともに、各相に対応してそれぞれ設けられたサンプルホールド手段とを備えることを特徴とするものである。相電流特定手段により電流センサに流れる合成電流がどの相の電流であるかを特定して、各相の電流が一周期ごとに電圧に換算して検出される。
【0008】
相電流特定手段は、インバータ装置の各相のスイッチング素子への駆動信号を検出して相状態を判定し、その結果に基づいて、電流センサにどの相の電流が流れているかを特定することができる。
相電流特定手段は、所定時間内に相状態の変化がなかった場合、サンプルホールド電圧として、センサ電圧をサンプルホールド手段に検出させることができる。
【0009】
センサ電圧と異なる値を有するエラー電圧を設定するエラー電圧設定手段をさらに備え、相電流特定手段は、所定時間内に相状態の変化があった場合、サンプルホールド電圧として、エラー電圧をサンプルホールド手段に検出させることができる。正常に電流検出できたか否かおよび正常に検出した電流値を、サンプルホールド電圧の値の違いで知ることができ、その後の処理を容易にする。
また、センサ電圧およびエラー電圧と異なる値を有する初期電圧を設定する初期電圧設定手段をさらに備え、相電流特定手段は、一周期ごとに、サンプルホールド電圧を初期電圧に初期化することができる。サンプルホールド手段が相電流を全くサンプリングできなかった場合も含め、正常に電流検出できなかった要因を細分化して把握することができる。
また、インバータ装置は正弦波駆動であってもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に、この発明の実施の形態に係る電流検出回路を用いたインバータ装置が直流三相モータを駆動する場合の構成を示す。
インバータ装置1は、直流電源2に接続されたインバータ主回路3と、電流センサ5、ゲートドライバ6、制御プロセッサ7および電流検出部8とから構成される。また、インバータ主回路3には三相モータ4が接続される。
ここで、電流センサ5および電流検出部8は電流検出回路を構成し、電流検出部8は相電流特定手段、サンプルホールド手段およびエラー電圧設定手段を構成する。
【0011】
インバータ主回路3は、U相上アーム用スイッチング素子3a、V相上アーム用スイッチング素子3b、W相上アーム用スイッチング素子3c、U相下アーム用スイッチング素子3d、V相下アーム用スイッチング素子3e、W相下アーム用スイッチング素子3fを有する。
制御プロセッサ7は、スイッチング素子3a〜3fをオン・オフ制御するためのPWM信号を生成し、U相のスイッチング素子3a,3dをオン・オフ制御するU相のスイッチング信号U1、V相のスイッチング素子3b,3eをオン・オフ制御するV相のスイッチング信号V1、W相のスイッチング素子3c,3fをオン・オフ制御するW相のスイッチング信号W1を、ゲートドライバ6を介して各スイッチング素子に送る。また、これらのスイッチング信号U1,V1,W1は、電流検出部8にも入力される。
【0012】
電流センサ5は、インバータ主回路3の各相の下アーム用スイッチング素子3d〜3fと、直流電源2の(−)側との間に設けられたシャント抵抗である。各相の相電流を合成した合成電流を検知する。電流センサ5には、各相の電流が合流して流れ、この合成電流によってシャント抵抗の両端にシャント両端電圧が発生する。この電圧が電流検出部8に入力される。
【0013】
電流検出部8には、図2に詳細に示されるように、電流センサ5のシャント両端電圧を増幅する増幅部9が設けられている。増幅部9は、正出力と負出力の2つの電圧を出力する。
正出力は、電流センサ5を流れる電流が0アンペア(A)の場合は2.5Vを出力し、電流の向きが正の場合は電流の大きさに応じて大きくなる2.5〜4.5Vの範囲の値を出力し、電流の向きが負の場合は電流の大きさに応じて小さくなる0.5〜2.5Vの範囲の値を出力する。
負出力は、電流センサ5を流れる電流が0アンペア(A)の場合は2.5Vを出力し、電流の向きが正の場合は電流の大きさに応じて小さくなる0.5〜2.5Vの範囲の値を出力し、電流の向きが負の場合は電流の大きさに応じて大きくなる2.5〜4.5Vの範囲の値を出力する。なお図2において正出力、負出力は図の理解を容易にする為わけて記載していない。
また、電流検出部8には、デコーダ10aおよびタイマ10bからなるホールドタイミング制御部10が設けられ、制御プロセッサ7からデコーダ10aに、U、V、W相のスイッチング信号U1,V1,W1が入力される。
【0014】
ここで、U、V、W相のスイッチング信号U1,V1,W1は、図4に示されるように、ともに、対応する相の上アーム用スイッチング素子をオフしかつ下アーム用スイッチング素子をオンする信号(図4に符号1で示される)、上アーム用スイッチング素子をオンしかつ下アーム用スイッチング素子をオフする信号(図4に符号0で示される)から構成される。
インバータ主回路3のU、V、W相のスイッチング素子の駆動状況を表す相状態は、図3に示される8つのうちのいずれか状態になる。
このうち、状態No.1および8の場合は、電流センサ5に電流が流れないが、残りの状態の場合は、U、V、W相のいずれかの電流が流れている。図中、電流センサ5に流れる電流として、例えば−Wのように、負の符号が添えてあるものは、電流方向がWと逆になっていることを表す。
【0015】
図2に戻って、デコーダ10aではスイッチング信号U1,V1,W1の組み合わせから、電流センサ5にどの相の電流が流れているか、および相電流の方向を特定する。
また、デコーダ10aは、U、V、W相の電流に対応した電圧検出のための3つのサンプルホールド回路11,12,13に接続される。サンプルホールド回路11,12,13は、それぞれ図示しないホールドコンデンサを有し、これらに入力された電圧を、デコーダ10aの指示によりサンプリング(ホールドコンデンサに充電)あるいはホールド(保持)して各相の電圧検出を行う。また、サンプルホールド回路11,12,13は制御プロセッサ7に接続される。制御プロセッサ7には図示しないADコンバータが設けられ、サンプルホールド回路11,12,13で保持したサンプルホールド電圧をU相電圧UVout、V相電圧VVout、W相電圧WVoutとして任意のタイミングで読み込む。
【0016】
また、デコーダ10aは、切換スイッチ15,16,17に接続される。切換スイッチ15,16,17は、エラー電圧源14および増幅部9に接続される。エラー電圧源14の電圧は本実施例では5Vである。
ここで、切換スイッチ15,16,17は、ともに同一の構造であり、切換スイッチ15を例に説明する。切換スイッチ15はU相電流がU(図4において状態No.2)の場合に作動するスイッチSW(+)と、U相電流が−U(図4において状態No.7)の場合に作動するスイッチSW(−)と、エラー時に作動するスイッチSW(e)の3つのスイッチから構成されている。スイッチSW(+)の一方は、増幅器9の正出力に接続されている。スイッチSW(−)の一方は増幅器9の負出力に接続されている。また、スイッチSW(e)の一方は、エラー電圧源14に接続されている。そしてスイッチSW(+),SW(−),SW(e)の他方はサンプルホールド回路11に接続されている。
また、デコーダ10aからの指示により、相状態に応じてスイッチSW(+),SW(−),SW(e)のいずれかを作動させることで、増幅部9からの電圧信号とエラー電圧源14の電圧信号のいずれかがサンプルホールド回路11に入力されるように構成されている。
タイマ10bはデコーダ10aに接続され、デコーダ10aからの指示により例えば2μ秒の時間計測を行うタイマ機能を有する。
【0017】
次に、この実施の形態に係る電流検出回路の動作について図5および6に基づいて説明する。
図5に示されるように、デコーダ10aに入力されたU,V,W相スイッチング信号U1,V1,W1が、時刻t1において変化すると、すなわち、相状態が変化すると、デコーダ10aはタイマ10bを起動する。また、デコーダ10aは、スイッチング信号U1,V1,W1の組み合わせから、電流センサ5にU相の相電流が流れていることを特定する。また、デコーダ10aは、サンプルホールド回路11における電圧のサンプリングあるいはホールドを指示するU相サンプルホールド指示信号UHをサンプリング状態にし、サンプルホールド回路11でU相の相電流に対応する電圧がサンプリングされる。このとき切換スイッチ15のスイッチSW(+)がオンする。
タイマ起動後、所定時間、例えば2μ秒以内に相状態が変化しない場合、デコーダ10aは正常に相電流を検出したと判断して、その後、相状態が変化した時刻t2において、U相サンプルホールド指示信号UHをホールド状態に切り換えて、サンプルホールド回路11ではサンプリングしたセンサ電圧をサンプルホールド電圧として保持する。つまり、切換スイッチ15のスイッチSW(+)がオフする。すなわち、このセンサ電圧は正常に相電流を検出したサンプルホールド電圧となる。
【0018】
また、時刻t2において、タイマ10bが再起動し、デコーダ10aは、スイッチング信号U1,V1,W1の組み合わせから、電流センサ5にW相の相電流が流れていることを特定し、W相サンプルホールド指示信号WHをサンプリング状態にし、サンプルホールド回路13でW相の相電流に対応する電圧がサンプリングされる。このとき切換スイッチ17のスイッチSW(−)がオンする。
タイマ起動後2μ秒に満たない時刻t3において、相状態が変化すると、デコーダ10aは、相状態が不変のまま継続した時間が短いため、十分なサンプリング時間をとれていないとみなして、切換スイッチ17のスイッチSW(−)をオフして、スイッチSW(e)をオンする。したがって、サンプルホールド回路13では、エラー電圧源14のエラー電圧が入力され保持される。これにより、W相の相電流は適切にサンプリングされなかったことを表すエラー電圧がW相のサンプルホールド電圧として保持される。
【0019】
次に、図6に移って、時刻t4において、相状態が変化するとデコーダ10aはタイマ10bに指示し、タイマ10bが起動する。また、デコーダ10aは、スイッチング信号U1,V1,W1の組み合わせから、電流センサ5にV相の相電流が流れていると特定し、V相サンプルホールド指示信号VHをサンプリング状態にし、サンプルホールド回路12でV相の相電流に対応する電圧がサンプリングされる。このとき切換スイッチ16のスイッチSW(+)がオンする。
タイマ起動後、所定時間、例えば2μ秒以内に相状態が変化しない場合、デコーダ10aは正常に相電流を検出したと判断して、V相サンプルホールド指示信号VHをホールド状態に切り換えて、サンプルホールド回路12ではサンプリングしたセンサ電圧をサンプルホールド電圧として保持する。つまり、切換スイッチ16のスイッチSW(+)がオフする。すなわち、このセンサ電圧は正常に相電流を検出したサンプルホールド電圧となる。
【0020】
次に、時刻t5において、制御プロセッサ7は、サンプルホールド回路11,12,13に保持されたサンプルホールド電圧をU相、V相、W相の電圧UVout、VVout、WVoutとして読み込んだ後、時刻t6において、リセット信号Resetをデコーダ10aに送る。デコーダ10aはこの信号を受けてサンプルホールド回路11,12,13のサンプルホールド電圧をリセットし、その代わりにエラー電圧を、サンプルホールド電圧の初期電圧Viniとして保持させる。
【0021】
以上のように、デコーダ10aは、各相のスイッチング素子3a〜3fへの駆動信号を検出して相状態を判定し、その結果に基づいて、電流センサ5にどの相の電流が流れているかを特定することができる。さらに、サンプルホールド回路11,12,13により各相の電流が一周期ごとに電圧に換算して検出される。したがって、モータ回転数よりも高い周波数で各アームをスイッチングしても、一周期中の各相の電流を確実に検知できる。
また、所定時間内に相状態の変化がなかった場合にのみ、センサ電圧が正常サンプルホールド電圧として保持されるので、相電流を正確に検知することができる。さらに、所定時間内に相状態の変化があった場合、サンプルホールド回路11,12,13におけるサンプリング時間が短時間であるため、正確な相電流を検出できないと判定して、正常サンプルホールド電圧と異なる値をもつエラー電圧が、サンプルホールド電圧として保持されるようにしたので、相電流を正常に検出できたか否かおよび正常に検出した電流値を、サンプルホールド電圧の値の違いで知ることができる。
【0022】
なお、上述の実施の形態において、サンプルホールド回路11,12,13のサンプルホールド電圧を初期化する場合に、初期電圧Viniをエラー電圧と同じ電圧に設定したが、エラー電圧源14とは別個に初期電圧設定手段として、初期電圧源を設けてもよい。初期電圧源の電圧値を、正常サンプルホールド電圧およびエラー電圧と異なる値に設定すれば、一周期経過後、各相のサンプルホールド電圧が初期電圧のままであれば、サンプルホールド回路11,12,13が一周期中に相電流を全くサンプリングできなかったことを知ることができる。これにより、相電流を検出できなかった要因について、電流センサ5が全く電流検出できていないのか、あるいは、サンプルホールド回路11,12,13がセンサ電圧のサンプリング中に相状態が変化してしまったのかを区別して把握することができる。
【0023】
また、電流センサは、シャント抵抗に限定されるものではなく、ホール素子やカレントトランスを用いてもよい。また、電流検出部8に入力される電流センサの出力は、電圧出力に限定されるものではなく、電流の一部を分岐するものであってもよい。
さらに、電流センサ5は、インバータ主回路3の各相の下アーム用スイッチング素子3d〜3fと、直流電源2の(−)側との間に設けられたが、電流センサの取り付け位置は、これに限定されるものではなく、上アーム用スイッチング素子3a〜3cと、直流電源2の(+)側との間に設けてもよい。
本実施例は、正弦波駆動のインバータ装置の電流検出回路として説明したが、矩形波駆動のインバータ装置に適用しても良い。矩形波駆動でも非常に高速にモータを回転させる場合はスイッチング周波数が高くなり、同様に短時間で制御する必要があるためCPU負荷が重くなるが、本発明を適用することで一周期中の各相の電流を確実に検知できる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、インバータ装置の各相を流れる相電流を合成した合成電流を検知する電流センサにどの相の電流が流れているかを、相電流特定手段が特定し、サンプルホールド手段が、電流センサの出力に基づいて電流センサを流れる電流に対応したセンサ電圧を、特定の相のサンプルホールド電圧として一周期ごとに検出するので、一周期中の各相の電流を確実に検知できる電流検出回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る電流検出回路を用いたインバータ装置が三相モータを駆動する場合の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態の電流検出回路の電流検出部の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態の電流検出回路の電流検出部の構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態の電流検出回路の電流検出部における切換スイッチの構成を示す図である。
【図5】実施の形態の電流検出回路のサンプル、ホールドのタイミングを示すタイムチャートである。
【図6】実施の形態の電流検出回路のサンプル、ホールドのタイミングを示すタイムチャートである。
【符号の説明】
3a〜3f…スイッチング素子、5…電流センサ、8…電流検出部、10a…デコーダ、10b…タイマ、11〜13…サンプルホールド回路、15〜17…切換スイッチ、14…エラー電圧源。
Claims (6)
- 各相にスイッチング素子を備えた多相のインバータ装置に用いられる電流検出回路であって、
前記インバータ装置の各相を流れる相電流を合成した合成電流を検知する電流センサと、
前記電流センサにどの相の電流が流れているかを特定する相電流特定手段と、
前記電流センサの出力に基づいて、前記電流センサを流れる電流に対応したセンサ電圧を、前記相電流判定手段が特定した相のサンプルホールド電圧として、一周期ごとに検出するとともに、各相に対応してそれぞれ設けられたサンプルホールド手段と
を備えることを特徴とする電流検出回路。 - 前記相電流特定手段は、前記インバータ装置の各相の前記スイッチング素子への駆動信号を検出して相状態を特定し、その結果に基づいて、前記電流センサにどの相の電流が流れているかを特定する請求項1に記載の電流検出回路。
- 前記相電流特定手段は、所定時間内に前記相状態の変化がなかった場合、前記サンプルホールド電圧として、前記センサ電圧を前記サンプルホールド手段に検出させる請求項2に記載の電流検出回路。
- 前記センサ電圧と異なる値を有するエラー電圧を設定するエラー電圧設定手段を備え、
前記相電流特定手段は、所定時間内に相状態の変化があった場合、前記サンプルホールド電圧として、前記エラー電圧を前記サンプルホールド手段に検出させる請求項3に記載の電流検出回路。 - 前記センサ電圧および前記エラー電圧と異なる値を有する初期電圧を設定する初期電圧設定手段を備え、
前記相電流特定手段は、一周期ごとに、前記サンプルホールド電圧を前記初期電圧に初期化する請求項4に記載の電流検出回路。 - 前記インバータ装置は正弦波駆動である請求項1〜5のいずれか一項に記載の電流検出回路。
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