JP2004328614A - 不平衡信号補正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ペア電線3の長さの変化や構造状態の変化に順応して平衡信号に重畳したコモンモード信号を除去することができる不平衡信号補正方法を提供する。
【解決手段】端末1、2間を結合するペア電線3を通して平衡データ信号を伝送する信号伝送系に用いられ、端末1、2間で平衡データ信号を伝送するのに先立ち、端末1の検知信号送受信部6からペア電線3に端末2に同位相の2つの単発検知信号を送信し、端末2の検知信号送受信部13がペア電線3を通して2つの単発検知信号を受信すると、それらの単発検知信号に基づいてペア電線3の信号不平衡状態を示す差分検知信号を形成し、形成した差分検知信号を端末1にペア電線3に同位相で送信し、端末1の検知信号送受信部6がペア電線3から差分検知信号を受信すると、受信した差分検知信号に基づきペア電線3に伝送する平衡データ信号の不平衡補正を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不平衡信号補正方法に係り、特に、2つ以上の端末間をペア電線で結合し、そのペア電線を通して平衡データ信号を伝送する際に、ペア電線を通して伝送される平衡データ信号がペア電線の信号不平衡状態により伝送される平衡データ信号にノイズが重畳するのを未然に防ぐようにした不平衡信号補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ペア電線を用いた信号伝送系としては、交流電力が伝送される電力線等のペア電線に2つ以上の情報端末を結合し、2つ以上の情報端末のいずれか2つの情報端末間においてこのペア電線を用い、交流電力周波数よりもかなり高い周波数の平衡データ信号を交流電力に重畳して伝送させるものが知られている。このような信号伝送系を用いれば、データ信号伝送系として既存の電力伝送系を用いることができるので、別途、新たなデータ信号伝送系を設ける必要がなく、安価に信号伝送系を構成することが可能になる。
【0003】
ところで、このような信号伝送系においては、ペア電線を通して平衡データ信号を伝送する際に、本来、ペア電線が必ずしも高い周波数の平衡データ信号を伝送するのに適した構造のものになっていないため、高い周波数の平衡データ信号がペア電線を通して伝送される際に、平衡データ信号にノイズ成分が重畳するようになり、その結果、平衡データ信号に歪が付与されることがある。この場合、平衡データ信号に付与される歪としては、この種の信号伝送系における代表的なものとして、ペア電線の高周波不平衡状態によって生じるコモンモードノイズである。
【0004】
このようなコモンモードノイズの発生を抑え、ペア電線の高周波不平衡を補正する手段としては、従来、ペア電線と情報端末との結合部分にコモンチョークを配置する手段(第1の手段)またはYコン回路を配置する手段(第2の手段)が知られている。
【0005】
図3は、既知の第1の手段に用いられるペア電線と情報端末との結合部分に配置されるコモンモードチョークの構成の一例を示す回路図である。
【0006】
図3に示されるように、このコモンモードチョーク30は、ペア電線31と情報端末接続端子32、32との間に結合されるもので、結合コア30と、結合コア30に極性が同方向になるように巻回された一対のチョークコイル30、30とからなっている。そして、一対のチョークコイル30、30は、各一端3011、3012がペア電線31の対応する一端31、31にそれぞれ接続され、各他端3021、3022が情報端末接続端子32、32にそれぞれ接続されている。
【0007】
前記構成によるコモンモードチョーク30は、ペア電線31から一対のチョークコイル30、30を通り情報端末接続端子32、32に信号が流れる際に、一対のチョークコイル30、30内を互いに逆方向に流れる平衡(通常)モード信号に対して低いインピーダンス特性を示すが、一対のチョークコイル30、30内を同方向に流れるコモンモード信号に対して高いインピーダンス特性を示すようになるので、信号がペア電線31を通して伝送されてきたとき、平衡モード信号は、コモンモードチョーク30の低いインピーダンス特性により、コモンモードチョーク30で殆ど減衰せずに情報端末接続端子32、32に伝送されるが、平衡モード信号に重畳されているコモンモード信号は、コモンモードチョーク30の高いインピーダンス特性により、コモンモードチョーク30で大きく減衰し、情報端末接続端子32、32に伝送されなくなり、コモンモードチョーク30によってコモンモード信号のみを除去することが可能になる。
【0008】
また、図4は、既知の第2の手段に用いられるペア電線と情報端末との結合部分に配置されるYコン回路の構成の一例を示す回路図である。
【0009】
図4に示されるように、このYコン回路40は、ペア電線41と情報端末接続端子42、42との間に結合されるもので、一対の線路40、40間に直列接続された2つのコンデンサ40、40と、2つのコンデンサ40、40の接続点(中点)を接地接続する手段とを備えている。そして、一対の線路40、40は、その各一端4013、4014がペア電線41の対応する一端41、41にそれぞれ接続され、その各他端4023、4024が情報端末接続端子42、42にそれぞれ接続されている。
【0010】
前記構成によるYコン回路40は、ペア電線41から一対の線路40、40を通り情報端末接続端子42、42に信号が流れる際に、一対の線路40、40間に直列接続された2つのコンデンサ40、40の接続点(中点)を接地接続したいわゆるYコン回路により、一対の線路40、40に対する基準電位の変動を抑えているので、信号がペア電線41を通してYコン回路40に伝送されてきたとき、平衡モード信号は、2つのコンデンサ40、40からなるYコン回路の基準電位変動抑圧機能の影響を受けず、殆ど減衰することなく情報端末接続端子42、42に伝送されるが、平衡モード信号に重畳されているコモンモード信号は、2つのコンデンサ40、40からなるYコン回路の基準電位変動抑圧機能の影響を大きく受けるので、大きく減衰して情報端末接続端子42、42に伝送されなくなり、Yコン回路40によってコモンモード信号のみを除去することが可能になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前記コモンモードチョーク30は、ペア電線31の各一端31、31と情報端末接続端子32、32との間に接続され、ペア電線31から出力される平衡モード信号にコモンモード信号が重畳されているとき、コモンモード信号のみを減衰させ、コモンモード信号を含まない平衡モード信号を得ることができるものである。
【0012】
しかるに、ペア電線31により生じる平衡モード信号に対する不平衡の度合いは、平衡モード信号を伝送するペア電線31の長さが変化したとき、すなわち、通信すべき相手側情報端末が替わり、ペア電線31を介した相手側情報端末までの距離(長さ)が変化したときや、平衡モード信号を伝送するペア電線31の長さが変化しなくても、周囲環境の変化等によってペア電線31の構造状態が変化したとき等においても変わるようになる。
【0013】
ところで、前記既知のコモンモードチョーク30は、その構成が固定的なものであるため、ある使用時点にコモンモード信号の除去に好適な状態に設定すると、前述のようにコモンモード信号の除去に好適な状態が変化したとき、コモンモード信号の除去をその状態の変化に追従して変化させることができない。すなわち、ある使用時点において、コモンモードチョーク30をコモンモード信号の除去に好適な状態に設定できたとしても、その使用時点が変わったとき、常時同じようにコモンモード信号の除去に好適な状態に設定されているとは限らず、有効なコモンモード信号の除去をすることができない場合を生じることになる。
【0014】
これに対して、前記既知のYコン回路40は、直列接続した2つのコンデンサ40、40の接続点(中点)を接地したいわゆるYコン回路によって一対の線路40、40に対する基準電位の変動を抑えているものであるので、ペア電線41の長さの変化やペア電線41の構造状態の変化に対しても、ある程度の範囲内において対応することができるものであるが、平衡モード信号を伝送が開始される時点等には、2つのコンデンサ40、40の電荷が未充電状態にあるため、2つのコンデンサ40、40への充電が行われる一時的な期間、一対の線路40、40の平衡状態が崩れ、その時点にコモンモード信号の除去ができなくなってしまう。
【0015】
本発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたもので、その目的は、ペア電線の長さの変化やペア電線の構造状態の変化に順応して平衡モード信号に重畳したコモンモード信号を除去できる不平衡信号補正方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明による不平衡信号補正方法は、2つ以上の端末間を結合するペア電線を通し、2つ以上の端末間で平衡データ信号を伝送する信号伝送系に用いられ、2つ以上の端末の少なくとも2つの端末が検知信号を送受信する検知信号送受信部を備え、検知信号送受信部を備えた1つの端末と他の1つの端末との間で平衡データ信号を伝送するのに先立って、1つの端末の検知信号送受信部からペア電線に前記他の1つの端末に宛てた同位相の2つの単発検知信号を送信し、他の1つの端末の検知信号送受信部が前記ペア電線を通して2つの単発検知信号を受信すると、受信した2つの単発検知信号に基づいてペア電線の信号不平衡状態を示す差分検知信号を形成し、形成した差分検知信号を1つの端末に宛ててペア電線に同位相で送信し、1つの端末の検知信号送受信部がペア電線を通して差分検知信号を受信すると、受信した差分検知信号に基づいてペア電線に伝送される平衡データ信号に対して不平衡補正を行う手段を備える。
【0017】
前記手段によれば、2つの端末間においてペア電線を通して平衡データ信号を伝送するのに際して、始めに、平衡データ信号の伝送を行う直前に2つの端末の中の一方の端末から他方の端末に対し、ペア電線を通して他方の端末に宛てて同位相の2つの単発検知信号を送信し、次に、他方の端末がペア電線を通して2つの単発検知信号を受信すると、受信した2つの単発検知信号の状態、すなわち信号不平衡の状態を示す差分検知信号を形成し、形成した差分検知信号をペア電線を通して一方の端末に宛てて送信し、次いで、一方の端末がペア電線を通して差分検知信号を受信すると、受信した差分検知信号の状態を解析し、ペア電線を通して送信する平衡データ信号の送信状態をその解析結果に対応した状態、すなわち平衡データ信号がペア電線を通して他方の端末に伝送されたとき、コモンモード信号が除去された状態になるように設定している。
【0018】
このため、一方の端末から他方の端末にペア電線を通して平衡データ信号を伝送する際に、前回の平衡データ信号の伝送時と今回の平衡データ信号の伝送時において、何等かの原因でペア電線に構造状態の変化等が発生していても、そのペア電線の構造状態の変化等をいち早く感知し、ペア電線の構造状態の変化等に対応した平衡データ信号の伝送を行うことが可能になり、常時、コモンモード信号が除去された状態で平衡データ信号の伝送を行うことができる。
【0019】
また、前記手段における検知信号送受信部から送信する同位相の2つの単発検知信号は、同位相の2つの単発パルス信号からなるものである。
【0020】
このような構成にすれば、受信側端末における単発検知信号の処理が簡単になるとともに、正確な信号不平衡状態を表す差分検知信号を得ることができる。
【0021】
さらに、前記手段における検知信号送受信部で形成する差分検知信号は、受信した同位相の2つの単発検知信号の位相差及び振幅差に基づいて形成されるものである。
【0022】
このような構成にすれば、簡単な検知手段を用いるだけで、2つの単発検知信号に基づいたコモンモード成分の検出を正確に行うことができ、正確なコモンモード成分が検出されれば、その検出を用いて正確な差分検知信号を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0024】
図1は、本発明による不平衡信号補正方法が実施される伝送信号系の1つの実施の形態を示すもので、その要部構成を示すブロック図である。
【0025】
図1に示されるように、この実施の形態に係わる伝送信号系は、一方の情報端末(平衡データ送信側情報端末)1と、他方の情報端末(平衡データ受信側情報端末)2と、一方の情報端末1と他方の情報端末2との間に結合配置されたペア電線3とからなっている。
【0026】
この場合、一方の情報端末1は、変調器4と、単発パルス発生器5と、送信部及び受信部を備えた平衡データ兼検知信号送受信部6と、復調器7と、差分検知器8と、2つの結合トランス(図番なし)と2つの直列接続コンデンサ(図番なし)と2つの終端コンデンサ(図番なし)と2つの結合コンデンサ(図番なし)からなる平衡型結合回路9と、第1及び第2信号入出力端子10、10とを備えている。また、他方の情報端末2は、第1及び第2信号入出力端子11、11と、2つの結合トランス(図番なし)と2つの直列接続コンデンサ(図番なし)と2つの終端コンデンサ(図番なし)と2つの結合コンデンサ(図番なし)からなる平衡型結合回路12と、受信部と送信部を備えた平衡データ兼検知信号送受信部13と、復調器14と、差分検知器15と、変調器16とを備えている。さらに、ペア電線3は、1組以上の対の導電線3、3を備えている。
【0027】
そして、一方の情報端末1において、変調器4は、第1制御端が単発パルス発生器5の出力端に、第1及び第2出力端が送受信部6の第1及び第2入力端に、第2制御端が差分検知器8の出力端にそれぞれ接続される。送受信部6は、第1及び第2入出力端が平衡型結合回路9の第1及び第2内部入出力端に接続され、第1及び第2出力端が復調器7の第1及び第2入力端及び差分検知器8の第1及び第2入力端にそれぞれ接続される。平衡型結合回路9は、第1及び第2外部入出力端が信号入出力端子10、10を通してペア電線3の対の導電線3、3の各一端部にそれぞれ接続される。
【0028】
また、他方の情報端末2において、平衡型結合回路12は、第1及び第2外部入出力端が信号入出力端子11、11を通してペア電線3の対の導電線3、3の各他端部にそれぞれ接続され、第1及び第2内部入出力端が送受信部13の第1及び第2入出力端にそれぞれ接続される。送受信部13は、第1及び第2出力端が復調器14の第1及び第2入力端及び差分検知器15の第1及び第2入力端にそれぞれ接続され、第1及び第2入力端が変調器16の第1及び第2出力端にそれぞれ接続される。差分検知器15は、出力端が変調器16の入力端に接続される。
【0029】
前記構成による伝送信号系は、次のように動作する。
【0030】
始めに、一方の情報端末1から他方の情報端末2にペア電線3を通して平衡データ信号を送信するのに先立って、一方の情報端末1は、単発パルス発生器5が単発パルスを発生すると、変調器4がこの単発パルスを所定送信周波数で変調するとともに、同位相の2つの単発パルス型検知信号として平衡データ兼検知信号送受信部6に供給される。このとき、平衡データ兼検知信号送受信部6は、同位相の2つの単発パルス型検知信号が供給されると、送信部がこれら2つの単発パルス型検知信号を平衡信号の形で平衡型結合回路9を通して信号入出力端子10、10に供給し、ペア電線3の対の導電線3、3を通して他方の情報端末2側に伝送する。
【0031】
次に、他方の情報端末2は、ペア電線3の対の導電線3、3を通して同位相の2つの単発パルス型検知信号が信号入出力端子11、11に供給されると、平衡データ兼検知信号送受信部13は、受信部がこれら2つの単発パルス型検知信号を平衡型結合回路12を通して受信し、受信した2つの単発パルス型検知信号を差分検知器15に供給する。このとき、差分検知器15は、供給された2つの単発パルス型検知信号、すなわち平衡信号としてペア電線3の対の導電線3、3に伝送された2つの単発パルス型検知信号がペア電線3の対の導電線3、3を伝送中に、どれだけのコモンモード信号成分が付与されたかを、2つの単発パルス型検知信号に含まれるコモンモード信号成分として抽出し、抽出したコモンモード信号成分を差分検知信号として変調器16に供給し、変調器16が供給された差分検知信号を所定送信周波数で変調するとともに、同位相の2つの差分検知信号を平衡データ兼検知信号送受信部13に供給する。平衡データ兼検知信号送受信部13は、同位相の2つの差分検知信号が供給されると、送信部がこれら2つの差分検知信号を平衡信号の形で平衡型結合回路12を通して信号入出力端子11、11に供給し、ペア電線3の対の導電線3、3を通して一方の情報端末1側に伝送する。
【0032】
その後、一方の情報端末1は、ペア電線3の対の導電線3、3を通して同位相の2つの差分検知信号が信号入出力端子10、10に供給されると、平衡データ兼検知信号送受信部6は、受信部がこれら2つの差分検知信号を平衡型結合回路9を通して受信し、受信した2つの差分検知信号を差分検知器8に供給する。差分検知器15は、供給された2つの差分検知信号を分析することにより、2つの差分検知信号が表わす位相差や振幅変動等に対応した補正信号を形成し、その補正信号を変調器4に供給する。変調器4は、補正信号が供給されると、その補正信号に対応し、以後発生する平衡データ信号の相互位相や相互振幅値を調整する。かかる調整を行うことにより、平衡データ信号が平衡データ兼検知信号送受信部6からペア電線3の対の導電線3、3を通して他方の情報端末2の平衡データ兼検知信号送受信部13に伝送されたとき、伝送された平衡データ信号中にコモンモード信号成分が殆んど含まれないように制御することが可能になる。
【0033】
次に、図2は、図1に図示された伝送信号系の他方の情報端末2に用いられる差分検出器15の具体的構成の一例を示すブロック図である。
【0034】
図2に示されるように、差分検出器15は、第1及び第2入力端子15(1)、14(2)と、第1乃至第3出力端子15(3)、15(4)、15(5)と、第1及び第2レベル比較器17(1)、17(2)と、極性反転器18と、位相差分検出器19と、カウンター20と、パラレル/シリアル変換器21と、信号到着順序検出器22と、第1及び第2切替スイッチ23(1)、23(2)と、アナログ/デジタル変換器24と、第1及び第2データラッチ回路25(1)、25(2)と、極性反転器26と、振幅レベル差分検出器27と、パラレル/シリアル変換器28とからなっている。
【0035】
この場合、第1及び第2レベル比較器17(1)、17(2)、極性反転器18、位相差分検出器19、カウンター20、パラレル/シリアル変換器21、信号到着順序検出器22からなる構成部分は、位相差検出部を構成しており、第1及び第2切替スイッチ23(1)、23(2)、アナログ/デジタル変換器24、第1及び第2データラッチ回路25(1)、25(2)、極性反転器26、振幅レベル差分検出器27、パラレル/シリアル変換器28からなる構成部分は、振幅差検出部を構成している。
【0036】
なお、図2において、図1に示された構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付けている。
【0037】
そして、第1レベル比較器17(1)は、入力端が第1入力端子15(1)に接続され、出力端が位相差分検出器19の一方の入力端と信号到着順序検出器22の一方の入力端にそれぞれ接続される。第2レベル比較器17(2)は、入力端が第2入力端子15(2)に接続され、出力端が極性反転器18の入力端と信号到着順序検出器22の他方の入力端にそれぞれ接続される。極性反転器18は、出力端が位相差分検出器19の他方の入力端に接続される。位相差分検出器19は、出力端がカウンター20の入力端に接続され、カウンター20は、出力端がパラレル/シリアル変換器21の入力端に接続される。パラレル/シリアル変換器21は、出力端が第1出力端子15(3)に接続され、信号到着順序検出器22は、出力端が第2出力端子15(4)に接続される。
【0038】
また、第1切替スイッチ23(1)は、一方の固定接点が第1入力端子15(1)に、他方の固定接点が第2入力端子15(2)にそれぞれ接続され、可動接点がアナログ/デジタル変換器24の入力端に接続される。第2切替スイッチ23(2)は、可動接点がアナログ/デジタル変換器24の出力端に接続され、一方の固定接点が第1データラッチ回路25(1)の入力端に、他方の固定接点が第2データラッチ回路25(2)の入力端にそれぞれ接続される。第1データラッチ回路25(1)は、出力端が振幅レベル差分検出器27の一方の入力端に接続され、第2データラッチ回路25(2)は、出力端が極性反転器26の入力端に接続される。極性反転器26は、出力端が振幅レベル差分検出器27の他方の入力端に接続される。振幅レベル差分検出器27は、出力端がパラレル/シリアル変換器28の入力端に接続され、パラレル/シリアル変換器28は、出力端が第3出力端子15(5)に接続される。
【0039】
前記構成による差分検出器15は、次のように動作する。始めに、位相差検出部の動作について述べる。
【0040】
第1入力端子15(1)及び第2入力端子15(2)にペア電線3の対の導電線3、3を通って伝送された同位相の第1及び第2の単発パルス型検知信号が供給されると、第1の単発パルス型検知信号は第1レベル比較器17(1)に、第2の単発パルス型検知信号は第2レベル比較器17(2)にそれぞれ供給され、予め決められた基準信号レベルの基準信号とレベル比較される。このレベル比較により、第1及び第2の単発パルス型検知信号がいずれも基準信号レベルよりも大きいと、第1レベル比較器17(1)及び第2レベル比較器17(2)は、基準信号レベルより大きい期間にそれぞれ正極信号を発生する。第1レベル比較器17(1)から発生した正極信号はそのまま、第2レベル比較器17(2)から発生した正極信号は、極性反転器18で極性反転されて負極信号になり、ともに位相差分検出器19に供給され、位相差分検出器19で加算される。このとき、位相差分検出器19は、第1及び第2の単発パルス型検知信号にコモンモード信号が重畳されておらず、供給された正極信号と負極信号の加算期間が完全に一致していれば、ゼロ出力が発生するだけであるが、コモンモード信号が重畳されて正極信号と負極信号の加算期間が完全に一致していないと、不一致になる短期間だけ正極信号または負極信号が出力される。位相差分検出器19から出力された正極信号または負極信号は、持続する期間だけカウンター20でカウントされ、カウント結果がパラレル/シリアル変換器21に供給され、そこでシリアル信号に変換された後、位相差検知信号として第1出力端子15(3)を通して変調器16に供給される。
【0041】
また、第1レベル比較器17(1)から出力された正極信号と、第2レベル比較器17(2)から出力された正極信号は、ともに信号到着順序検出器22に供給され、どちらの正極信号が先に供給されたかが検出される。この場合、信号到着順序検出器22は、第1レベル比較器17(1)側からの正極信号が先であったときと第2レベル比較器17(2)側からの正極信号が先であったときとで異なる出力、例えば異なる極性の信号または異なるレベルの信号を発生し、得られた出力は、同じ位相差検知信号として第2出力端子15(4)を通して変調器16に供給される。
【0042】
次に、振幅差検出部の動作について述べる。
【0043】
第1入力端子15(1)に供給された第1単発パルス型検知信号は、第1切替スイッチ23(1)及び第2切替スイッチ23(2)の可動接点が同期して一方の固定接点側に切替られているとき、アナログ/デジタル変換器24においてデジタル信号に変換され、得られたデジタル信号は第1データラッチ回路25(1)に供給される。また、第2入力端子15(2)に供給された第2単発パルス型検知信号は、第1切替スイッチ23(1)及び第2切替スイッチ23(2)の可動接点が同期して他方の固定接点側に切替られているとき、アナログ/デジタル変換器24においてデジタル信号に変換され、得られたデジタル信号は第2データラッチ回路25(2)に供給される。第1データラッチ回路25(1)は、供給されたデジタル信号を一定期間ラッチし、ラッチ出力を振幅レベル差分検出器27に供給する。第2データラッチ回路25(2)は、供給されたデジタル信号を一定期間ラッチし、ラッチ出力を極性反転器26に供給してラッチ出力極性を反転し、反転ラッチ出力を振幅レベル差分検出器27に供給する。振幅レベル差分検出器27は、供給されたラッチ出力と反転ラッチ出力を加算する。このとき、振幅レベル差分検出器27は、第1及び第2の単発パルス型検知信号にコモンモード信号が重畳されておらず、供給されたラッチ出力と反転ラッチ出力の加算期間が完全に一致していれば、ゼロ出力が発生するだけであるが、コモンモード信号が重畳されてラッチ出力と反転ラッチ出力の加算期間が完全に一致していないと、不一致になる短期間だけラッチ出力と反転ラッチ出力が出力される。振幅レベル差分検出器27から出力されたラッチ出力または反転ラッチ出力は、パラレル/シリアル変換器28に供給され、そこでシリアル信号に変換された後、振幅差検知信号として第3出力端子15(5)を通して変調器16に供給される。
【0044】
このとき、変調器16は、第1及び第2出力端子15(3)、15(4)からそれぞれ供給された位相差検知信号と、第3出力端子15(5)から供給された振幅差検知信号とをそれぞれ含んだ差分検知信号を形成し、その差分検知信号をペア電線3の対の導電線3、3を通して一方の情報端末1側に伝送させ、前述のように一方の情報端末1から送信する平衡データ信号の補正を行う。
【0045】
このように、この実施の形態による不平衡信号補正方法によれば、一方の情報端末1から他方の情報端末2にペア電線3を通して平衡データ信号を伝送する際に、前回の平衡データ信号の伝送時と今回の平衡データ信号の伝送時において、何等かの原因でペア電線3に構造状態の変化等が発生したとしても、そのペア電線3の構造状態の変化等をいち早く感知し、ペア電線3の構造状態の変化等に対応した平衡データ信号の伝送を行うことが可能になり、常時、コモンモード信号が除去された状態にして平衡データ信号の伝送を行うことができる。
【0046】
なお、前記実施の形態においては、一方の情報端末1と他方の情報端末2の内部構成が異なっている構成例であって、一方の情報端末1から同位相の2つの単発検知信号を送信し、その送信に応答して他方の情報端末2から差分検知信号を送信する例を挙げて説明したが、本発明による不平衡信号補正方法が適用可能な信号伝送系は、このような構成例のものに限られるものではなく、一方の情報端末1と他方の情報端末2の内部構成を実質的に同じ構成にしたものであってもよい。この場合には、一方の情報端末1から同位相の2つの単発検知信号を送信し、その送信に応答して他方の情報端末2から差分検知信号を送信したり、または、他方の情報端末2から同位相の2つの単発検知信号を送信し、その送信に応答して一方の情報端末1から差分検知信号を送信したりすることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、一方の端末から他方の端末にペア電線を通して平衡データ信号を伝送する際に、前回の平衡データ信号の伝送時と今回の平衡データ信号の伝送時において、何等かの原因でペア電線に構造状態の変化等が発生していても、そのペア電線の構造状態の変化等をいち早く感知し、ペア電線の構造状態の変化等に対応した平衡データ信号の伝送を行うことが可能になり、常時、コモンモード信号が除去された状態で平衡データ信号の伝送を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による不平衡信号補正方法が実施される伝送信号系の1つの実施の形態を示すもので、その要部構成を示すブロック図である。
【図2】図1に図示された伝送信号系の他方の情報端末に用いられる差分検出器の具体的構成の一例を示すブロック図である。
【図3】ペア電線と情報端末との結合部分に配置されるコモンモードチョークの構成の一例を示す回路図である。
【図4】ペア電線と情報端末との結合部分に配置されるYコン回路の構成の一例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 一方の情報端末
2 他方の情報端末
3 ペア電線
、3 対の導電線
4、16 変調器
5 単発パルス発生器
6、13 平衡データ兼検知信号送受信部
7、14 復調器
8、15 差分検知器
9、12 平衡型結合回路
10 第1入出力端子
10 第2入出力端子
15(1) 第1入力端子
15(2) 第2入力端子
15(3) 第1出力端子
15(4) 第2出力端子
15(5) 第3出力端子
17(1) 第1レベル比較器
17(2) 第2レベル比較器
18、26 極性反転器
19 位相差分検出器
20 カウンター
21、28 パラレル/シリアル変換器
22 信号到着順序検出器
23(1) 第1切替スイッチ
23(2) 第2切替スイッチ
24 アナログ/デジタル変換器
25(1) 第1データラッチ回路
25(2) 第2データラッチ回路
27 振幅レベル差分検出器

Claims (3)

  1. 2つ以上の端末間を相互結合するペア電線を通し、前記2つ以上の端末間で平衡データ信号を伝送する信号伝送系に用いられ、前記2つ以上の端末の少なくとも2つの端末が検知信号を送受信する検知信号送受信部を備え、前記検知信号送受信部を備えた1つの端末と他の1つの端末との間で前記平衡データ信号を伝送するのに先立って、前記1つの端末の前記検知信号送受信部から前記ペア電線に前記他の1つの端末に宛てた同位相の2つの単発検知信号を送信し、前記他の1つの端末の前記検知信号送受信部が前記ペア電線を通して前記2つの単発検知信号を受信すると、受信した前記2つの単発検知信号に基づいて前記ペア電線の信号不平衡状態を示す差分検知信号を形成し、形成した差分検知信号を前記1つの端末に宛てて前記ペア電線に同位相で送信し、前記1つの端末の前記検知信号送受信部が前記ペア電線を通して前記差分検知信号を受信すると、受信した差分検知信号に基づいて前記ペア電線に伝送される平衡データ信号に対して不平衡補正を行うことを特徴とする不平衡信号補正方法。
  2. 前記検知信号送受信部から送信する前記同位相の2つの単発検知信号は、同位相の2つの単発パルス信号であることを特徴とする請求項1に記載の不平衡信号補正方法。
  3. 前記検知信号送受信部で形成する差分検知信号は、受信した同位相の2つの単発検知信号の位相差及び振幅差に基づいて形成されることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の不平衡信号補正方法。
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