WO2017009891A1 - 内部抵抗導出装置、蓄電池装置、および内部抵抗値導出方法 - Google Patents

内部抵抗導出装置、蓄電池装置、および内部抵抗値導出方法 Download PDF

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Abstract

実施形態の内部抵抗導出装置は、供給部と、検出部と、抽出部と、導出部とを持つ。前記供給部は、蓄電池が接続された電力線に対して交流信号を供給する。前記検出部は、前記電力線および前記蓄電池を介して前記供給部により供給された交流信号を検出する。前記抽出部は、前記検出部により検出された交流信号の周波数成分うち前記供給部により供給された交流信号の周波数と等しい周波数成分の信号を抽出する。前記導出部は、前記抽出部により抽出された信号に基づいて、前記蓄電池の内部抵抗値を導出する。

Description

内部抵抗導出装置、蓄電池装置、および内部抵抗値導出方法
 本発明の実施形態は、内部抵抗導出装置、蓄電池装置、および内部抵抗値導出方法に関する。
 従来、多数の蓄電池を有する蓄電システムにおいて、蓄電池の経時的劣化を診断するために蓄電池の内部抵抗を測定する技術が提案されている。しかしながら、従来の蓄電システムでは、電力線に接続される蓄電池の数が多くなるほど電力線に重畳されるノイズが増加するため、蓄電池の内部抵抗を高い精度で測定することができない場合があった。
特開平07-72225号公報 特開2010-164441号公報 特開2013-29412号公報 特開平07-312233号公報 特開平11-318033号公報 特開2013-037859号公報 特開2014-160592号公報
 本発明が解決しようとする課題は、蓄電池の内部抵抗を高い精度で測定することができる内部抵抗導出装置、蓄電池装置、および内部抵抗値導出方法を提供することである。
 実施形態の内部抵抗導出装置は、供給部と、検出部と、抽出部と、導出部とを持つ。前記供給部は、蓄電池が接続された電力線に対して交流信号を供給する。前記検出部は、前記電力線および前記蓄電池を介して前記供給部により供給された交流信号を検出する。前記抽出部は、前記検出部により検出された交流信号の周波数成分うち前記供給部により供給された交流信号の周波数と等しい周波数成分の信号を抽出する。前記導出部は、前記抽出部により抽出された信号に基づいて、前記蓄電池の内部抵抗値を導出する。
第1の実施形態における内部抵抗導出装置を含む蓄電システム1の構成を示すブロック図。 第1の実施形態における組電池ユニット12および内部抵抗導出装置60の構成を示すブロック図。 第1の実施形態における磁気結合部の構造を示す図。 第1の実施形態における抽出部76の構成を示すブロック図。 第1の実施形態において、供給交流信号および検出交流信号を示す図。 第1の実施形態の内部抵抗導出装置60が組電池ユニット12に接続されてない状態を示す組電池ユニット12のブロック図。 第1の実施形態の内部抵抗導出装置60における磁気結合部が組電池ユニット12に接続されていない状態を示す図。 第1の実施形態の内部抵抗導出装置60における磁気結合部が組電池ユニット12に接続された状態を示す図。 第1の実施形態における閉ループ線路80に供給交流信号を供給したときに検出される検出直流信号の信号値と周波数との関係のシミュレーション結果を示す図。 第1の実施形態において、閉ループ線路80における合計抵抗値Rtと、検出直流信号の信号値との関係を示す図。 第2の実施形態の内部抵抗導出装置60により主回路51の抵抗値Rmを導出する動作手順を示すフローチャート。 第3の実施形態の内部抵抗導出装置60において閉ループ線路80の共振周波数frを求める処理の処理手順を示すフローチャート。 供給交流信号の周波数に対する、供給交流信号と検出交流信号との振幅比(β)および主回路51の抵抗値Rmの推定値のシミュレーションの結果を示す図。 第3の実施形態の内部抵抗導出装置60において閉ループ線路80の共振周波数frを求める他の処理の処理手順を示すフローチャート。 第6の実施形態における検出直流信号の信号値の変化率βと主回路51の抵抗値Rmとの関係を示す図。 第7の実施形態の組電池ユニット12の構成を示すブロック図。 第7の実施形態の共振回路部90の構成を示すブロック図。 第8の実施形態の内部抵抗測定ユニット60Aの構成を示すブロック図。 実施形態の変形例の蓄電システム1の構成を示すブロック図。
 以下、実施形態の内部抵抗導出装置、蓄電池装置、および内部抵抗値導出方法を、図面を参照して説明する。
 (第1の実施形態)
 図1は、第1の実施形態における内部抵抗導出装置を含む蓄電システム1の構成を示すブロック図である。図2は、第1の実施形態における組電池ユニット12および内部抵抗導出装置60の構成を示すブロック図である。図1において電力線は実線で描かれ、通信線は破線により描かれている。また、図2において、電力線は太線で描かれ、通信線は細線により描かれている。蓄電池ユニット10は、蓄電池装置11-1~11-n(以下、総称する場合には単に「蓄電池装置11」と呼ぶ。)を備える。nは、任意の自然数であり、例えば16である。
 蓄電池装置11-1~11-nは、それぞれ同じ構成を有する。蓄電池装置11は、組電池ユニット12-1~12-m(以下、総称する場合には単に「組電池ユニット12」と呼ぶ。)を備える。mは、任意の自然数であり、例えば16である。組電池ユニット12は、並列に接続されている。
 組電池ユニット12は、例えば、それぞれが同じ構成を有する組電池ユニットである。
組電池ユニット12は、図2に示すように、電池モジュール13-1~13-k(以下、総称する場合には単に「電池モジュール13」と呼ぶ。)と、電流センサ部16と、電池管理装置(BMU:Battery Management Unit)17とを備える。kは、任意の自然数であり、例えば22である。
 電池モジュール13-1~13-kは、それぞれ、電池セル部15-1~15-k(以下、総称する場合には単に「電池セル部15」と呼ぶ。)と、電池セル部15-1~15-kの温度及び電圧を監視する電池監視ユニット(CMU:Cell Monitoring Unit)14-1~14-k(以下、総称する場合には単に「CMU14」と呼ぶ。)とを備える。電池セル部15は、例えばリチウムイオン電池である。なお、以下の説明において、電池モジュール13-1~13-kおよび当該電池モジュール13-1~13-kを接続する電力線50を含む回路を「主回路51」とも呼ぶ。
 電池モジュール13における電池セル部15は、それぞれ、電力線50と接続されている。同様に、電流センサ部16は、電力線50に接続されている。電池セル部15は、電力線50を介して供給された電力を充電し、電力線50を介して電力を放電させる。電池モジュール13における電池セル部15は、複数の電池セルを有し、複数の電池セルを並列及び又は直列に接続させる。
 CMU14は、信号線50aに接続されている。同様に、BMU17は、信号線50aに接続されている。これによって、CMU14とBMU17とは、それぞれ、信号線50aを介した通信を行うことができる。
 CMU14は、電池モジュール13の電池セル部15の端子間の電圧と、電池セル部15の温度と、電池モジュール13の内部空間の温度とを監視する。CMU14は、監視の結果を表すデータを、信号線50aを介してBMU17に送信する。なお、CMU14は、他の電池モジュール13のCMU14にデータを送信してもよい。
 また、CMU14は、信号線50aを介して、BMU17から送信されたデータを受信する。また、CMU14は、他の電池モジュール13のCMU14から送信されたデータを受信してもよい。
 電流センサ部16は、電池モジュール13-1~13-kと直列して、電力線50に設けられる。電流センサ部16は、電力線50に流れる充放電電流の値を測定し、測定した充放電電流値を表すデータを、信号線50aを介してBMU17に送信する。
 スイッチ回路18(コンタクタ)は、電力線50に接続されると共に、信号線50aを介してBMU17に接続される。スイッチ回路18は、自回路を有する組電池ユニット12を、他の組電池ユニット12に接続することができる。また、スイッチ回路18は、自回路を有する組電池ユニット12を、他の組電池ユニット12から切り離すことができる。スイッチ回路18は、BMU17から供給された制御信号に応じて開閉動作する。なお、スイッチ回路18は、手動で開閉操作が可能であってもよい。
 第1の充放電端子22は、蓄電池装置11の正極側の端子である。第1の充放電端子22は、スイッチ回路18を介して、電池モジュール13の正極側端子に接続される。また、第1の充放電端子22は、電池端子盤30の遮断機31-1の正極側端子に接続される。
 第2の充放電端子23は、蓄電池装置11の負極側端子である。第2の充放電端子23は、電池モジュール13の負極側端子に接続される。また、第2の充放電端子23は、電池端子盤30の遮断機31-1の負極側端子に接続される。
 電力線50には、分岐電力線52が接続される。分岐電力線52の一方端は、電池モジュール13-1の正極側端子に接続され、分岐電力線52の他方端は、電池モジュール13-kの負極側端子に接続される。分岐電力線52には、コンデンサ82と、スイッチ部(抵抗値変更部)84と、抵抗部86とが設けられる。分岐電力線52は、電池モジュール13の一方端と他方端とを接続する閉ループ線路80を形成する。閉ループ線路80には、電力線50、電池モジュール13、分岐電力線52、コンデンサ82、スイッチ部84および抵抗部86が含まれる。
 コンデンサ82、スイッチ部84および抵抗部86は、電池モジュール13と閉ループ線路80に沿って直列に接続される。コンデンサ82に対してスイッチ部84および抵抗部86は直列に接続される。抵抗部86は、スイッチ部84に対して並列に接続される。スイッチ部84は、内部抵抗導出装置60により開閉状態が制御される。スイッチ部84は、閉状態(導通状態)において抵抗部86の両端を短絡させ、開状態(遮断状態)において抵抗部86の両端を開放させる。
 BMU17は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが、記憶部(不図示)に記憶されたプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。
 BMU17は、スイッチ回路18の開閉状態を制御するための制御信号を出力する。BMU17は、例えばCAN(Control Area Network)通信線などの多重通信線を介して、他の組電池ユニット12と、関門制御装置19(ゲートウェイ装置)と、計測コンピュータ20との通信を実行する。
 関門制御装置19は、BMU17から受信したデータを、多重通信線を介して、電池端子盤30の制御コンピュータ32に転送する。また、関門制御装置19は、制御コンピュータ32から受信したデータを、多重通信線を介して、BMU17などに転送する。
 計測コンピュータ20は、電池モジュール13の電池セル部15の端子間の電圧と、温度と、電流センサ部16が測定した値と、CMU14又はBMU17によって測定された電池セル部15の充電率(SOC:State Of Charge)などのデータを、BMU17から受信する。
 直流電源装置21は、PCS40(Power Conditioning System)から供給される電力を、BMU17とCMU14-1~14-kとに供給する。
 電池端子盤30は、蓄電池ユニット10をPCS40に接続する。電池端子盤30は、蓄電池装置11-1~11-nを備える。蓄電池装置11-1は、遮断機31-1に対応する。蓄電池装置11-nは、遮断機31-nに対応する。遮断機31-1~31-nは、例えば手動で開閉操作される。
 遮断機31-1~31-nの正極側の端子に接続された複数の電力線は、一つに纏められてPCS40に接続される。PCS40に接続された電力線の直流電圧は、例えば、490~778(V)程度である。遮断機31は、スイッチ回路18が溶着した場合でも、蓄電池装置11-1~11-nを、蓄電システム1から安全に切り離すことができる。
 制御コンピュータ32は、CPU等のプロセッサを備える。制御コンピュータ32は、遮断機31-1~31-nの状態を監視する。制御コンピュータ32は、PCS40から受信したデータを、蓄電池ユニット10に転送する。制御コンピュータ32は、蓄電池ユニット10から受信したデータを、PCS40に転送する。
 PCS40は、CPU等のプロセッサと、通信インターフェースとを備える。PCS40は、この通信インターフェースを介して、外部の制御コントローラ(不図示)と通信する。PCS40は、蓄電池ユニット10から電池端子盤30を介して入力された直流電圧から、交流電圧を生成する。また、PCS40は、発電装置(不図示)から入力される交流電圧を直流電圧に変換し、蓄電池ユニット10の電池モジュール13-1~13-kに充電する。なお、PCS40によって生成された交流電圧は、トランスによって昇圧されてもよい。
 内部抵抗導出装置60は、閉ループ線路80の一部を形成する分岐電力線52に接続される。内部抵抗導出装置60は、円環部62、68と、配線64、70とを有する。また、内部抵抗導出装置60は、配線64が接続された送信部66と、配線70が接続された受信部72と、制御部74と、抽出部76とを有する。
 円環部62と配線64、および円環部68と配線70は、それぞれ、分岐電力線52と磁気的に結合する磁気結合部を構成する。この磁気結合部は、分岐電力線52に電気的に非接触である。この磁気結合部は、直流的に絶縁した状態で分岐電力線52に交流信号を供給し、分岐電力線52に重畳されている交流信号を検出する。
 図3は、第1の実施形態における磁気結合部の構造を示す図である。円環部62、68は、フェライトなどの磁性材料からなる円環部材である。円環部62、68の穴部には、分岐電力線52が通される。また、円環部62、68には、予め定められた回数だけ配線64、70が巻きつけられる。この巻きつけの回数は、交流信号を分岐電力線52に供給又は検出する際に後述の内部抵抗導出性能を考慮して定められる。
 送信部66は、円環部62および配線64を介して、交流信号を分岐電力線52に重畳させる(供給部)。受信部72は、円環部68および配線70を介して、分岐電力線52に重畳された交流信号を検出する(検出部)。以下、内部抵抗導出装置60により分岐電力線52に供給する交流信号を「供給交流信号」と呼び、内部抵抗導出装置60により分岐電力線52から検出した交流信号を「検出交流信号」と呼ぶ。
 この供給交流信号は、主回路51の抵抗を導出して電池セル部15の状態を診断するために送受信される信号である。供給交流信号は、例えば、キロヘルツオーダー以上の高周波信号である。交流信号は、閉ループ線路80における充放電電流信号に重畳し、充放電電流信号から分離して取り出すことができる信号であればよい。
 抽出部76は、送信部66により閉ループ線路80に供給された供給交流信号および受信部72により受信された検出交流信号を入力する。抽出部76は、受信部72により検出された検出交流信号の周波数成分うち送信部66により供給された交流信号の周波数と等しい周波数成分の信号を抽出する。「交流信号の周波数と等しい」とは、例えば、交流信号の周波数を中心として微小な周波数範囲(例えば±1%程度)内にあることをいう。交流信号の周波数が10kHzである場合、交流信号の周波数と等しい範囲は、例えば±100Hzとなる。
 図4は、第1の実施形態における抽出部76の構成を示すブロック図である。抽出部76は、乗算器76aと、ローパスフィルタ76bと、移相器76cとを備える。抽出部76は、例えば、ロックインアンプである。移相器76cには、送信部66から供給交流信号が供給される。移相器76cは、供給交流信号の位相を、受信部72により受信された検出交流信号と同位相に揃えた信号を、乗算器76aに出力する。制御部74は、検出交流信号と供給交流信号との位相差を検出し、乗算器76aの2つの入力信号の位相差が0となるように移相器76cの移相量を調整する。なお、移相器76cにより位相差を検出する機能、および移相器76cの移相量を調整する機能は、制御部74とは別個の構成により実現されてもよい。
 乗算器76aには、受信部72により受信された検出交流信号、および移相器76cにより位相が調整された供給交流信号が入力される。図5は、第1の実施形態において、供給交流信号および検出交流信号を示す図である。検出交流信号は、供給交流信号が閉ループ線路80に重畳され、閉ループ線路80におけるインピーダンスによって変形される。また、検出交流信号は、閉ループ線路80に重畳された、電力のスイッチング動作等に起因する高周波ノイズが重畳される。また、ノイズ成分は、閉ループ線路80における充放電電流または充放電電流が高くなるほどレベルが高くなる。乗算器76aは、検出交流信号と位相が調整された供給交流信号とを乗算して、乗算結果をローパスフィルタ76bに出力する。乗算器76aの乗算結果は、検出交流信号のうち供給交流信号と周波数が等しい信号が直流信号(以下、検出直流信号)に変換された信号である。検出直流信号は、検出交流信号に含まれる信号のうち供給交流信号と等しい周波数の成分の信号の振幅が高いほど、高い信号値となる。
 ローパスフィルタ76bには、乗算器76aの検出直流信号が供給される。ローパスフィルタ76bは、乗算器76aにより乗算して得られた信号のうち直流信号を減衰させずに通過させるように設計される。ローパスフィルタ76bは、交流信号を低減させることにより、検出直流信号から、検出交流信号に含まれ、供給交流信号よりも高いまたは低いようなノイズ成分を除去する。ローパスフィルタ76bは、検出直流信号のうち少なくとも直流成分の信号を通過させて、制御部74に供給する。
 制御部74は、CPUなどのプロセッサが記憶部(不図示)に記憶されているプログラムを実行することによって機能するソフトウェア機能部である。また、制御部74は、LSIやASIC等のハードウェア機能部であってよい。
 制御部74は、送信部66により分岐電力線52に対して供給交流信号を送信させる。また、制御部74は、抽出部76により出力された検出直流信号の信号値に基づいて、電池モジュール13の内部抵抗を導出する導出部74aを備える。制御部74は、導出部74aにより導出された電池モジュール13の内部抵抗値に基づいて、電池モジュール13の劣化を診断する。
 第1の実施形態の内部抵抗導出装置60は、組電池ユニット12に対して着脱可能な構成を有する。
 図6は、第1の実施形態の内部抵抗導出装置60が組電池ユニット12に接続されてない状態を示す組電池ユニット12のブロック図である。図7は、第1の実施形態の内部抵抗導出装置60における磁気結合部が組電池ユニット12に接続されていない状態を示す図である。図8は、第1の実施形態の内部抵抗導出装置60における磁気結合部が組電池ユニット12に接続された状態を示す図である。
 内部抵抗導出装置60は、図6に示すように組電池ユニット12における閉ループ線路80に接続されていない状態から、図2に示したように閉ループ線路80に接続される。内部抵抗導出装置60は、制御部74とスイッチ部84との間が信号線60aにより接続される。制御部74とスイッチ部84とは、例えば信号線60aの先端に設けられたコネクタとスイッチ部84におけるコネクタとにより接続される。
 また、内部抵抗導出装置60は、図7に示すように、円環部62、68における間隙部Dを開状態とし、クランプ動作により分岐電力線52に対して円環部62、68を挟み込む。これにより円環部62、68の内部に分岐電力線52を配置させる。そして、図8に示すように、間隙部Dを閉状態とすることにより非接触で円環部62、68と分岐電力線52とを位置決めする。さらに、内部抵抗導出装置60は、間隙部Dを開状態とすることにより、組電池ユニット12から切り離される。これにより、内部抵抗導出装置60は組電池ユニット12に対して着脱可能となる。
 図7および図8に示した円環部62、68は、例えばエアギャップ付の分割型トロイダルコアを採用することができる。
 以下、制御部74の導出部74aにより実行される主回路51の抵抗の導出処理について説明する。
 上述した第1の実施形態において、閉ループ線路80には、円環部62、68が接続された状態において、円環部62、68によって生じるインダクタンスLと、コンデンサ82のキャパシタンスCとが直列に接続されたLC共振回路が形成される。このLC共振回路は、所定の周波数領域において共振を発生させる。このLC共振回路の共振周波数をfrとすると、frは式(1)により表される。
 fr=1/[2π×(LC)0.5]…式(1)
 このLC共振回路における共振の程度を表すQ値は、式(2)により表される。
 Q=(1/R)×(L/C)0.5…式(2)
 LC共振回路における抵抗値Rは、式(1)には含まれないが、式(2)には含まれる。したがって、LC共振回路における抵抗値Rは、共振周波数frには影響せず、Q値にのみ影響する。
 図9は、第1の実施形態における閉ループ線路80に供給交流信号を供給したときに検出される検出直流信号の信号値と周波数との関係のシミュレーション結果を示す図である。この図9に示す検出直流信号の特性は、閉ループ線路80の構成を条件設定し、所定振幅の正弦波信号を閉ループ線路80に供給したときに検出される電圧波形をシミュレーションした結果である。また、このシミュレーションは、スイッチ部84を常時閉状態と設定し(すなわち、抵抗部86の抵抗値=0)、主回路51の抵抗値をr1、r2、r3、r4(r1<r2<r3<r4)にそれぞれ変化させたときの電圧波形の周波数に対する振幅値をそれぞれ計算した。r1、r2、r3、r4は、例えば1×10-1[Ω]のオーダーである。
 なお、主回路51の他の抵抗値が閉ループ線路80の全体の抵抗値に対して十分に小さいとみなせる場合には、閉ループ線路80の抵抗値は、主回路51の抵抗値とみなすことができる。閉ループ線路80の抵抗値は、さらには電池モジュール13の内部抵抗とみなすことができる。したがって、主回路51を含む閉ループ線路の抵抗値を導出部74aが導出した場合、この導出された抵抗値は、主回路51の抵抗値と等しいとみなすことができる。主回路51の他の抵抗値が閉ループ線路80の全体の抵抗値に対して十分に小さいとみなせない場合には、予め主回路51の配線抵抗等の他の抵抗値を実測しておいて、導出された抵抗値から減ずるように補正してもよい。以下、主回路51の抵抗値を導出することによって、電池モジュール13の内部抵抗を導出する実施形態について説明する。
 図9によれば、主回路51の抵抗値が変化しても単一の周波数frにおいて検出直流信号の信号値のピークが存在し、主回路51の抵抗値が低いほど検出直流信号の信号値のピーク値は高くなることが分かる。すなわち、共振周波数frが含まれる周波数領域においては、主回路51の抵抗値の相違により、検出直流信号の信号値に顕著な相違が現れることが分かる。このような主回路51の抵抗値と検出直流信号の信号値との関係を利用して、第1の実施形態の制御部74は、後述するように、主回路51の共振周波数frを特定する。
 図10は、第1の実施形態において、閉ループ線路80における合計抵抗値Rtと、検出直流信号の信号値との関係を示す図である。共振周波数fr付近における検出直流信号の信号値Vrは、式(3)に示すように、閉ループ線路80の合計抵抗値Rtに反比例する。
 Vr=α/Rt…(3)
 式(3)におけるαの値は、円環部62、68のインダクタンスL、およびコンデンサ82のコンデンサ容量Cに依存する。これらのインダクタンスLおよびコンデンサ容量Cは、長期的には変動するが、例えば主回路51の抵抗値を測定する数秒程度の短期間では一定値とみなせる。したがって、式(3)より、閉ループ線路80の合計抵抗値Rtと、検出直流信号の信号値Vrとの関係は、閉ループ線路80の合計抵抗値Rtが低いほど検出直流信号の信号値は高くなり、閉ループ線路80の合計抵抗値Rtが高いほど検出直流信号の信号値は低くなる。
 上述したように、閉ループ線路80の合計抵抗値Rtは、スイッチ部84を閉状態にした場合において、主回路51の抵抗値Rmとなる。閉ループ線路80の合計抵抗値RtがRmの状態において、閉ループ線路80に所定振幅の共振周波数frの交流信号を供給した場合における検出直流信号の信号値をVr1とする。
 一方、スイッチ部84を開状態にした場合において、閉ループ線路80の合計抵抗値Rtは、主回路51の抵抗値Rmに加えて、抵抗部86の抵抗値Rrefを加えたRm+Rrefとなる。閉ループ線路80の合計抵抗値RtがRm+Rrefの状態において、閉ループ線路80に所定振幅の共振周波数frの交流信号を供給した場合における検出直流信号の信号値をVr2とする。
 Vr1およびVr2は、式(3)より、式(4)および式(5)で表される。
 Vr1=α/Rm…式(4)
 Vr2=α/(Rm+Rref)…式(5)
 Vr1とVr2との比は、閉ループ線路80の抵抗値が変化する前後における検出直流信号の信号値の変化率βを表している。従って、式(4)および式(5)より、式(6)が成立する。
 β=(Rm+Rref)/Rm
  =1+(Rref/Rm)…式(6)
 この式(6)より、主回路51の抵抗値Rmは、下記の式(7)のようになる。
 Rm=Rref/(β-1)…式(7)
 この式(7)より、主回路51の抵抗値Rmは、抵抗部86の抵抗値Rrefと、検出直流信号の信号値の変化率βとから導出されることが分かる。すなわち、主回路51の抵抗値Rmは、抵抗部86の抵抗値Rrefと、閉ループ線路80の合計抵抗値Rtを変更した前後における検出直流信号の信号値の比に基づいて導出される。
 以上の説明のように、内部抵抗導出装置60は、閉ループ線路80の合計抵抗値RtをRmとRm+Rrefとの間で変更させ、変更させた前後における検出直流信号の信号値の変化率βを算出する。そして、内部抵抗導出装置60は、算出した検出直流信号の信号値の変化率βと抵抗部86の抵抗値Rrefとを式(7)に代入して、主回路51の抵抗値Rmを導出することができる。
 なお、主回路51の抵抗値Rmは、測定時の電池セル部15のSOC、電池モジュール13の温度によって変動する。このため、導出部74aは、式(7)により導出した主回路51の抵抗値Rm_MOL(Middle of Life)(SOC:x%、摂氏y度)を、標準条件(例えばSOC:50%、摂氏25度)に換算してもよい。
 また、制御部74は、測定精度を高くするため、電池セル部15の充放電電流がゼロである期間において主回路51の抵抗値Rmの測定を実施してもよい。分岐電力線52に充放電電流値が高いほど円環部68が受ける磁束密度が高くなり、検出交流信号に影響を与える。なお、分岐電力線52に最大充放電電流が流れても円環部68において磁気飽和しないように円環部68を設計すれば、内部抵抗導出装置60は検出交流信号を検出することができる。
 以上説明したように、第1の実施形態の内部抵抗導出装置60によれば、受信部72により検出された交流信号の周波数成分うち送信部66により供給された交流信号の周波数と等しい周波数成分の信号を抽出する抽出部76を備え、抽出部76により抽出された信号に基づいて蓄電池の内部抵抗値を導出する。これにより、第1の実施形態の内部抵抗導出装置60によれば、閉ループ線路80にノイズが重畳していて検出交流信号にノイズが多く含まれていても、蓄電池の内部抵抗値を高い精度で導出することができる。
 また、第1の実施形態の内部抵抗導出装置60によれば、閉ループ線路80の抵抗値を変更するように指示した前後における検出直流信号の信号値の値そのものではなくの変化の比に基づいて、主回路51の抵抗値Rmを導出するので、円環部62および68のインダクタンスLやコンデンサCの特性の緩やかな変化の影響を受けることなく、主回路51の抵抗を高い精度で測定することができる。
 ここで、式(7)のβにVr1/Vr2を代入すると式(8)のようになる。
 Rm=Rref/((Vr1/Vr2)-1))…式(8)
 Vr1にノイズが重畳した検出交流信号の電圧をVr1+n1、Vr2にノイズが重畳した検出交流信号の電圧をVr2+n2とすると、Vr1/Vr2は、以下のようになる。
 (Vr1+n1)/(Vr2+n2)
 n1およびn2は共に閉ループ線路80に重畳するノイズであるため、同程度の値である。このため、(Vr1+n1)/(Vr2+n2)の値は、Vr1/Vr2よりも小さい値となる。この結果、式(8)により求められる抵抗値Rmは、検出交流信号にノイズが重畳されていない場合の値よりも大きな値として測定される。さらに、例えば電池モジュール13の劣化などにより主回路51の抵抗値Rmが抵抗部86の抵抗値Rrefよりも高くなると、抵抗部86の抵抗値Rrefを閉ループ線路80に接続した際の検出交流信号と抵抗部86の抵抗値Rrefを閉ループ線路80に接続させていない際の検出交流信号との差が小さくなるため、Vr1/Vr2が1に近い値になる。このため、式(8)においてVr1/Vr2から1を減ずるため、式(8)の右辺の分母の値はさらに小さくなり、ノイズn1およびn2が検出交流信号に加算されることによる影響はさらに増幅される。これに対し、第1の実施形態の内部抵抗導出装置60は、抽出部76により検出交流信号のうち共振周波数frの成分のみを検出直流信号の信号値に変換するので、ノイズn1およびn2の影響を抑制することができる。
 また、第1の実施形態によれば、組電池ユニット12に対して内部抵抗導出装置60を着脱可能に構成しているので、複数の組電池ユニット12に対して単一の内部抵抗導出装置60を順次着脱して各組電池ユニット12における主回路51の抵抗値Rmを測定することができる。これにより、第1の実施形態によれば、蓄電システム1が複数の組電池ユニット12を有していても、単一の内部抵抗導出装置60で各組電池ユニット12における抵抗値Rmの測定を実現することができ、蓄電システム1全体としての劣化診断に必要な回路構成およびコストを削減することができる。
 さらに、第1の実施形態によれば、第1の抵抗値(略0)と第2の抵抗値(Rref)との間で抵抗値を変更するよう指示し、検出直流信号の信号値の差と第2の抵抗値とに基づいて主回路51の抵抗値Rmを導出することができ、受動部品であるコンデンサ82、スイッチ部84、および抵抗部86という簡単な構成を組電池ユニット12に有するだけで、高い精度で主回路51の抵抗を測定することができる。
 さらに、第1の実施形態によれば、閉ループ線路80に流れる充放電電流に検出交流信号を重畳させて主回路51の抵抗を測定するので、電池モジュール13の動作を停止させる必要が無く、電池モジュール13の充放電動作と独立して主回路51の抵抗を測定することができる。
 さらに、第1の実施形態によれば、測定対象である主回路51に接続された閉ループ線路80に交流信号を供給して主回路51の抵抗を測定するので、組電池ユニット12の劣化度合いがばらついていて、特定の組電池ユニット12の内部抵抗が高くなっている状態であっても当該組電池ユニット12の劣化を検出することができる。
 (第2の実施形態)
 以下、第2の実施形態について説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。図11は、第2の実施形態の内部抵抗導出装置60により主回路51の抵抗値Rmを導出する動作手順を示すフローチャートである。
 内部抵抗導出装置60は、円環部62、68が分岐電力線52に磁気結合が可能な状態であり、制御部74が信号線60aによりスイッチ部84に接続された状態において、ステップS100以降の処理を開始する。先ず、内部抵抗導出装置60の制御部74は、閉ループ線路80に供給する供給交流信号の周波数fを所定のスイープ下限周波数fLに設定し(ステップS100)、送信部66および円環部62により閉ループ線路80に周波数fLの供給交流信号を供給させる(ステップS102)。
 次に制御部74は、スイッチ部84を閉状態(オン(導通状態))に切り替え(ステップS104)、閉ループ線路80の合計抵抗値Rtを、主回路51の抵抗値Rmに切り替え、円環部68および受信部72により閉ループ線路80に重畳されている検出交流信号を検出させる。抽出部76は、受信部72により検出された検出交流信号に基づいて検出直流信号の信号値を制御部74に出力する。制御部74は、検出直流信号の信号値(Von(fL))を記憶する(ステップS106)。
 次に、制御部74は、スイッチ部84を開状態(オフ)に切り替え(ステップS108)、閉ループ線路80の合計抵抗値Rtを、主回路51の抵抗値Rm+Rrefに切り替え、円環部68および受信部72により閉ループ線路80に重畳されている検出交流信号を検出させる。抽出部76は、受信部72により検出された検出交流信号に基づいて検出直流信号の信号値を制御部74に出力する。制御部74は、検出直流信号の信号値(Voff(fL))を記憶する(ステップS110)。
 次に、制御部74は、交流信号の周波数fに所定の微小な周波数Δfを加算し(ステップS112)、加算した周波数(f+Δf)が、所定のスイープ上限周波数fHを超えているか否かを判定する(ステップS114)。加算した周波数がスイープ上限周波数fHを超えていない場合には(ステップS114:NO)、制御部74は、加算した周波数を供給交流信号の周波数fに設定してステップS102以降の処理を繰り返す。
 これにより、制御部74は、スイープ下限周波数fLからスイープ上限周波数fHまで供給交流信号の周波数fをスイープして、Von(fL)~Von(fH)およびVoff(fL)~Voff(fH)を記憶する。
 一方、加算した周波数がスイープ上限周波数fHを超えた場合には(ステップS114:YES)、制御部74は、記憶したVon(fL)~Von(fH)のうちの最大値Von_max、およびその時の周波数(共振周波数)frを求める(ステップS116)。最大値Von_maxは、閉ループ線路80における共振周波数frに近い周波数の供給交流信号を閉ループ線路80に供給したときに検出された検出直流信号の信号値(Von(fr))となる。
 次に、制御部74は、求められた最大値Von(fr)と共振周波数frに対応したVoff(fr)との比(Von(fr)/Voff(fr))を、検出直流信号の信号値の変化率βとして算出する(ステップS118)。
 次に、制御部74の導出部74aは、算出された検出直流信号の信号値の変化率βと、抵抗部86の抵抗値Rrefとを用いて式(7)の(Rref/(β-1))の演算を行って、主回路51の抵抗値Rmを導出する(ステップS120)。
 上述した主回路51の抵抗値Rmを導出する動作において、スイープ下限周波数fLおよびスイープ上限周波数fHは、下記の原理に基づいて予め設定可能な値である。閉ループ線路80における回路要素の特性パラメータが既知であれば、検出交流信号の周波数特性は、図9に示した供給交流信号の周波数に対する検出直流信号の信号値の関係を利用して演算することができる。また、閉ループ線路80における共振周波数frは、主回路51の抵抗値Rmには依存しない。
 そこで、第2の実施形態の内部抵抗導出装置60は、閉ループ線路80における回路要素の特性(インダクタンスおよびキャパシタンス)、および円環部62、68のインダクタンスに基づいて共振周波数frを含む周波数範囲をスイープ下限周波数fLおよびスイープ上限周波数fHに設定する。この設定されたスイープ下限周波数fLおよびスイープ上限周波数fHは、制御部74の記憶部に記憶される。スイープ下限周波数fLおよびスイープ上限周波数fHは、組電池ユニット12の設計時において組電池ユニット12の構成に基づいて予め設計者により設定されて、制御部74の記憶部に記憶される。
 以上説明したように、第2の実施形態によれば、スイープ下限周波数fLおよびスイープ上限周波数fHの範囲で次第に供給交流信号の周波数を変更させることにより、供給交流信号の周波数を閉ループ線路80の共振周波数frに近づけるよう変更するので、閉ループ線路80における合計抵抗値Rtを変化させた前後における検出直流信号の信号値の差を高くすることができ、高い精度で主回路51の抵抗値Rmを測定することができる。
 また、第2の実施形態によれば、供給交流信号の周波数を次第に変更させると共に検出直流信号の信号値を検出させ、検出直流信号の信号値のうち最大の信号値を用いて主回路51の抵抗値Rmを導出するので、閉ループ線路80における共振周波数frが不明であっても、閉ループ線路80の共振周波数frに近い供給交流信号を重畳させたときの検出直流信号の信号値を用いて主回路51の抵抗値Rmを導出でき、高い精度で主回路51の抵抗値Rmを測定することができる。
 なお、制御部74は、主回路51の抵抗値Rmを導出する動作を行った後、最大値Von(fr)と最大値Voff(fr)を得たときに閉ループ線路80に供給する交流信号の周波数を閉ループ線路80の共振周波数frの情報として記憶しておいてもよい。
 これにより、制御部74は、記憶された閉ループ線路80の共振周波数情報に基づいて閉ループ線路80に重畳させる供給交流信号の周波数を制御することができる。これにより、制御部74は、短時間の動作で、検出直流信号の信号値の変化率βを高くすることができ、主回路51の抵抗値Rmの精度をさらに高くすることができる。
 また、制御部74は、記憶された閉ループ線路80の共振周波数情報に基づいてスイープ下限周波数fLおよびスイープ上限周波数fHの範囲を狭く変更することができ、閉ループ線路80の共振周波数に近い周波数を探索する期間を短くすることができる。
 さらに、制御部74は、複数の組電池ユニット12の劣化状態を診断するため、組電池ユニット12ごとに閉ループ線路80の共振周波数情報を記憶してもよい。制御部74は、組電池ユニット12の識別情報と共振周波数情報とを対応づけて記憶しておき、内部抵抗導出装置60が組電池ユニット12に接続された状態で手動または自動で組電池ユニット12に対応した閉ループ線路80の共振周波数情報を読み出して、閉ループ線路80に重畳させる供給交流信号の周波数を制御することができる。
 (第3の実施形態)
 以下、第3の実施形態について説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。上述した第2の実施形態はスイープ下限周波数fLおよびスイープ上限周波数fHの範囲で次第に供給交流信号の周波数をスイープして共振周波数rfの抵抗値Rmを求めたが、閉ループ線路80の共振周波数frを予め求めておいてもよい。第3の実施形態の内部抵抗導出装置60は、制御部74によって閉ループ線路80の共振周波数frを求めておき、閉ループ線路80の抵抗値Rmを測定する際に、予め求めておいた共振周波数frの供給交流信号を供給する。
 図12は、第3の実施形態の内部抵抗導出装置60において閉ループ線路80の共振周波数frを求める処理の処理手順を示すフローチャートである。内部抵抗導出装置60は、円環部62、68が分岐電力線52に磁気結合が可能な状態であり、制御部74が信号線60aによりスイッチ部84に接続された状態において、ステップS130以降の処理を開始する。先ず、制御部74は、閉ループ線路80に供給する供給交流信号の周波数fを所定のスイープ下限周波数fLに設定し(ステップS130)、送信部66および円環部62により閉ループ線路80に周波数fLの供給交流信号を供給させる(ステップS132)。
 制御部74は、受信部72により閉ループ線路80に重畳された検出交流信号を検出させ、移相器76cにより供給交流信号の移相を検出直流信号の移相に同期させるために供給交流信号の移相と検出直流信号の移相との移相差を検出する(ステップS134)。制御部74は、検出した供給交流信号と検出交流信号との移相差が90度であるか否かを判定する(ステップS136)。制御部74は、供給交流信号と検出交流信号との移相差が90度ではない場合には、供給交流信号の周波数fに所定の微小な周波数Δfを加算し(ステップS138)、ステップS132に処理を戻す。制御部74は、供給交流信号と検出交流信号との移相差が90度である場合には、ステップS132において閉ループ線路80に供給した供給交流信号の周波数を閉ループ線路80の共振周波数frとして特定する(ステップS140)。
 さらに、第3の実施形態の内部抵抗導出装置60は、他の手法により共振周波数frを特定してもよい。上述したように、制御部74は、移相器76cを制御して、供給交流信号の移相と検出交流信号の移相とを同期させるために、供給交流信号の移相量を検出する(移相差検出部)。これを利用し、制御部74は、供給交流信号と検出交流信号との位相差が90度となった時に閉ループ線路80に供給させた供給交流信号の周波数を、閉ループ線路80の共振周波数frとして特定することができる。この結果、第3の実施形態の内部抵抗導出装置60によれば、第2の実施形態のように、共振周波数frを含む周波数範囲をスイープ下限周波数fLおよびスイープ上限周波数fHに亘り供給交流信号の周波数をスイープしながらスイッチのオンまたはオフや、交流信号の振幅(Von(f)およびVoff(f))の検出をすることなく、共振周波数frを特定することができる。
 図13は、供給交流信号の周波数に対する、供給交流信号と検出交流信号との振幅比(β)および主回路51の抵抗値Rmの推定値のシミュレーションの結果を示す図である。図13において、抵抗の推定値Rm1および振幅比β1は主回路51に劣化がないことを条件としたシミュレーションの結果であり、抵抗の推定値Rm3および振幅比β3は、主回路51の抵抗が、劣化がない時の抵抗の2倍であることを条件としたシミュレーションの結果であり、抵抗の推定値Rm2および振幅比β2は、主回路51の抵抗が、劣化がない時の抵抗の1.5倍であることを条件としたシミュレーションの結果である。図13を参照すると、閉ループ線路80の共振周波数fr付近において振幅比β1、β2、およびβ3の極大値が表れると共に、主回路51の抵抗値Rmの極小値が表れていることが分かる。
 図14は、第3の実施形態の内部抵抗導出装置60において閉ループ線路80の共振周波数frを求める他の処理の処理手順を示すフローチャートである。第3の実施形態の内部抵抗導出装置60は、スイッチ部84を閉状態(オン)に切り替えた状態で(ステップS104)、閉ループ線路80に重畳されている検出交流信号を検出させる。制御部74は、抽出部76により出力された検出直流信号の信号値に基づいて交流信号の振幅Von(f)を求めて記憶する(ステップS106)。また、内部抵抗導出装置60は、スイッチ部84を開状態(オフ)に切り替えた状態で(ステップS108)、閉ループ線路80に重畳されている検出交流信号を検出させる。制御部74は、抽出部76により出力された検出直流信号の信号値に基づいて交流信号の振幅Voff(f)を求めて記憶する(ステップS108)。制御部74は、周波数がスイープ上限周波数fHを超えた場合には(ステップS114)、ステップS150に処理を進める。
 制御部74は、ステップS106およびステップS101において検出された交流信号の振幅Vonおよび交流信号の振幅Voffに基づいて、交流信号の周波数ごとに抵抗値Rmを求める。このとき、制御部74は、式(7)に従って、抵抗部86の抵抗値Rref、およびVonとVoffとの比に基づいて抵抗値Rmを導出する。制御部74は、交流信号の周波数ごとの抵抗値Rmのうち、最小の抵抗値Rmを検出する。制御部74は、最小の抵抗値Rmを求めるために用いられた交流信号の振幅Vonおよび交流信号の振幅Voffに対応した交流信号の周波数を共振周波数frとして特定する(ステップS150)。
 (第4の実施形態)
 以下、第4の実施形態について説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
 第4の実施形態の内部抵抗導出装置60は、電池モジュール13における充放電電流値、電池セル部15の温度、電池セル部15の充電率のうち少なくとも一つ、または何れか二つ、または全てが所定の範囲内である場合に、主回路51の抵抗値Rmを測定する。すなわち、第4の実施形態の内部抵抗導出装置60は、閉ループ線路80に供給交流信号を重畳させる際の電池モジュール13の充放電電流値、温度、充電率の条件に制約を加える点で、上述した実施形態と相違する。
 電池モジュール13の充放電電流値、電池セル部15の温度、および電池セル部15の充電率は、検出交流信号の振幅に影響する。このため、第4の実施形態の内部抵抗導出装置60は、電池モジュール13の充放電電流値、電池セル部15の温度、電池セル部15の充電率の何れもが所定の範囲内である場合に、交流信号を供給する。所定の範囲とは、温度に関しては、例えば、摂氏15~50度の範囲である。また、所定の範囲とは、充電率に関しては、例えば、20~80(%)である。さらに、所定の範囲とは、充放電電流に関しては、例えば、±10(A)の範囲である。
 第4の実施形態において、内部抵抗導出装置60は、BMU17と通信を行うために、BMU17との間が信号線で接続される。内部抵抗導出装置60は、組電池ユニット12に接続された場合において、制御部74により、BMU17から充放電電流値、電池セル部15の充電率、または電池セル部15の温度を受信する。
 制御部74は、受信したBMU17から充放電電流値、電池セル部15の充電率、および電池セル部15の温度が所定の範囲内である場合に、閉ループ線路80に供給交流信号を重畳させて、検出交流信号を検出する。
 ここで、電池セル部15の内部抵抗値は、電池セル部15の温度の変化に対して非直線性が強い。また、電池セル部15の内部抵抗値は、電池セル部15の充電率の変化に対しても非直線性が強い。このため、閉ループ線路80に供給交流信号を重畳させる際の電池セル部15の充電率および電池セル部15の温度に制約を設ける。これにより、より正確に電池モジュール13の劣化程度を診断することができる。
 さらに、内部抵抗導出装置60は、閉ループ線路80に供給交流信号を重畳する際の充放電電流の値の条件に制約を設ける。充放電電流値に制約を設けることにより、円環部68における磁界が高くなることによる磁気飽和を抑制することができる。
 以上説明した第4の実施形態によれば、電池モジュール13の充放電電流値、電池セル部15の温度、電池セル部15の充電率の何れか一つ、または何れか二つ、または全てが所定の範囲内である場合に、主回路51の抵抗値Rmを測定する。これにより、第4の実施形態によれば、電池モジュール13の充放電電流値が高い場合や、電池セル部15の温度または電池セル部15の充電率が異常な場合に主回路51の抵抗値Rmを計測することを抑制でき、さらに高い精度で電池モジュール13の劣化程度を診断することができる。
 (第5の実施形態)
 以下、第5の実施形態について説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
 第5の実施形態の内部抵抗導出装置60は、検出直流信号の信号値が所定の範囲となるように閉ループ線路80に重畳させる供給交流信号の振幅を変更させる。すなわち、上述した実施形態においては閉ループ線路80に重畳させる供給交流信号の振幅を一定値に設定して主回路51の抵抗値Rmを測定したが、第5の実施形態の内部抵抗導出装置60は、閉ループ線路80に重畳させる供給交流信号の振幅を制御する点で、上述した実施形態と相違する。
 第1の実施形態において説明したように、主回路51の抵抗値Rmは、検出直流信号の信号値の変化率βに基づいて導出される(式(7)を参照)。したがって、閉ループ線路80に重畳させる供給交流信号の振幅は一定である必要はなく、制御部74は、スイッチ部84が閉状態である場合において検出直流信号の信号値が所定の範囲内となるように供給交流信号の振幅を調整する。なお、制御部74は、スイッチ部84に対して閉ループ線路80の抵抗値を変更させる前後において閉ループ線路80に重畳させる供給交流信号の振幅を一定にすればよい。
 以上説明した第5の実施形態によれば、所定の範囲内の振幅の検出交流信号を用いて検出直流信号の信号値の変化率βを算出することができるので、閉ループ線路80における抵抗値を変更する前後における検出直流信号の信号値の値を一定レベル以上に確保することができ、主回路51の抵抗値Rmをさらに高い精度で導出することができる。
 (第6の実施形態)
 以下、第6の実施形態について説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
 第6の実施形態の内部抵抗導出装置60は、主回路51の抵抗値Rmの変化に対する式(7)の導出値の感度を高めるように抵抗部86の抵抗値が設定される点で、上述した実施形態と相違する。
 第1の実施形態において説明したように、主回路51の抵抗値Rmは、検出直流信号の信号値の変化率βに基づいて導出される(式(7)を参照)。以下、式(7)における検出直流信号の信号値の変化率βを変化させたときの主回路51の抵抗値Rmを試算する。
 β=5の場合、Rm=0.25×Rref
 β=4の場合、Rm=0.333×Rref
 β=3の場合、Rm=0.5×Rref
 β=2.5の場合、Rm=0.667×Rref
 β=2の場合、Rm=1×Rref
 β=1.5の場合、Rm=2×Rref
 β=1.333の場合、Rm=3×Rref
 β=1.25の場合、Rm=4×Rref
 上記の試算結果から(β-1)とRmとは反比例の関係にあることがわかる。図15は、第6の実施形態における検出直流信号の信号値の変化率βと主回路51の抵抗値Rmとの関係を示す図である。主回路51の抵抗値Rmに対する導出精度が最大となるように、抵抗部86の抵抗値Rrefを決定することについて検討する。
(1)Rm(BOL)<<Rrefの場合
 主回路51に劣化がない時の抵抗値Rm(BOL)に対して抵抗部86の抵抗値Rrefが大きすぎると、検出直流信号の信号値の変化率βが高くなるため主回路51の劣化に対する検出直流信号の信号値の変化率βの変化は検出しやすくなるが、主回路51の抵抗値Rmに対する抵抗部86の抵抗値Rrefの誤差の比率が高くなる。
(2)Rm(BOL)>>Rrefの場合
 抵抗値Rm(BOL)に対して抵抗部86の抵抗値Rrefが小さすぎると、検出直流信号の信号値の変化率βが1に近づくので、式(7)における分母である(β-1)の有効桁数が減り、主回路51の抵抗値Rmの推定誤差が大きくなる。
 以上より、抵抗部86の抵抗値Rrefは主回路51の抵抗値Rm(BOL)に対して大きすぎる場合および小さすぎる場合の双方において主回路51の抵抗値Rmの測定精度が低下する。このため、抵抗部86の抵抗値Rrefは適切な範囲がある。すなわち、検出直流信号の信号値の変化率βは、1に近過ぎず、且つ大きくなり過ぎない範囲が望ましく、2~3の範囲が望ましい。
 Rm(EOL)=2×Rm(BOL)、すなわち、主回路51の抵抗値Rmが使用初期の2倍になった時点が寿命であるとすると、
 Rref=2×Rm(BOL)、すなわち主回路51の使用初期においてはβ=3
とすると、
 Rref=Rm(EOL、)、すなわち主回路51の劣化状態においてはβ=2
となり、主回路51の使用初期から劣化するまでにおいて検出直流信号の信号値の変化率βは2~3の範囲となる。すなわち、抵抗部86の抵抗値Rrefは、主回路51の初期状態における抵抗値Rmの2倍程度、或いは主回路51の劣化状態における抵抗値Rmの1倍程度が望ましい。また、抵抗部86の抵抗値Rrefは、主回路51の抵抗値Rmに対して概ね0.5倍~4倍の範囲内であればよい。
 以上説明したように、第6の実施形態によれば、抵抗部86の抵抗値Rrefを主回路51の抵抗値Rmに対して0.5倍から4倍の範囲内にしたので、主回路51の抵抗値Rmの変化に対する式(7)の導出値の感度を高めることができ、さらに高い精度で主回路51の抵抗値Rmを測定することができる。
 (第7の実施形態)
 以下、第7の実施形態について説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
 第7の実施形態の内部抵抗導出装置60は、閉ループ線路80の共振周波数frを変更させ、変更された共振周波数frの供給交流信号を閉ループ線路80に重畳させる点で、上述した実施形態と相違する。
 図16は、第7の実施形態の組電池ユニット12の構成を示すブロック図である。この組電池ユニット12は、コンデンサ82に代えて、閉ループ線路80の共振周波数frを変更させる共振回路部90を設ける。この共振回路部90は、スイッチ部84および抵抗部86に対して直列して接続される。共振回路部90は、閉ループ線路80における共振周波数frを変更させる構成として、コンデンサまたはインダクタ、コンデンサおよびインダクタの双方を含む。共振回路部90は、制御部74からの制御信号に基づいて、キャパシタンスまたはインダクタンスが調整される。
 図17は、第7の実施形態の共振回路部90の構成を示す回路図である。
共振回路部90は、例えば、閉ループ線路80に接続されたスイッチ部92と、スイッチ部92に対して並列接続されたコンデンサ94、96とを有する。コンデンサ94とコンデンサ96とは異なるキャパシタンスを有する。スイッチ部92は、制御部74からの制御信号に基づいて、閉ループ線路80に対してコンデンサ94またはコンデンサ96の一方を選択的に分岐電力線52に接続させる。これにより、制御部74は、式(1)におけるC成分を変更させて、閉ループ線路80の共振周波数frを変更させる。
 制御部74は、共振回路部90を制御したときの閉ループ線路80における共振周波数frを予め記憶する。制御部74は、コンデンサ94が閉ループ線路80に接続された状態における閉ループ線路80の共振周波数fr1およびコンデンサ94が閉ループ線路80に接続された状態における閉ループ線路80の共振周波数fr2を記憶する。
 制御部74は、閉ループ線路80の共振周波数をfr1に変更するように指示すると共に、周波数がfr1の供給交流信号を閉ループ線路80に重畳させるように送信部66を制御し、受信部72により検出交流信号を得るように制御する。これにより、制御部74は、共振周波数fr1における主回路51の抵抗値Rmを計測することができる。同様に、制御部74は、閉ループ線路80の共振周波数をfr2に変更するように指示すると共に、周波数がfr2の供給交流信号を閉ループ線路80に重畳させるように送信部66を制御し、受信部72により検出交流信号を得るように制御する。これにより、制御部74は、共振周波数fr2における主回路51の抵抗値Rmを計測することができる。
 共振回路部90は、図17に示した構成に限らず、複数のインダクタンス間で切り替え可能な構成を有していてもよい。例えば、共振回路部90は、スイッチ部92により巻き線数が変更可能な可変コイルを有する。これにより、制御部74は、スイッチ部92によって選択的に閉ループ線路80のインダクタンスを切り替えさせ、式(1)に従って閉ループ線路80の共振周波数frを変更することができる。
 以上説明したように、第7の実施形態によれば、閉ループ線路80の共振周波数frを変更させ、当該変更された共振周波数frの供給交流信号を重畳させるので、変更された共振周波数frに対する主回路51の抵抗値Rmを測定することができる。これにより、第7の実施形態によれば、主回路51の抵抗が周波数特性を有する複素インピーダンスであり周波数に対するインピーダンスが異なる場合であっても、周波数毎のインピーダンスを測定して、電池セル部15の劣化状態をより詳しく測定することができる。
 (第8の実施形態)
 以下、第8の実施形態について説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。図18は、第8の実施形態の内部抵抗測定ユニット60Aの構成を示すブロック図である。
 第8の実施形態は、分岐電力線52に内部抵抗導出装置60、コンデンサ82、スイッチ部84、および抵抗部86を含む内部抵抗測定ユニット60Aが、電力線50に対して着脱可能に構成される。
 第8の実施形態において、分岐電力線52の両端には、コネクタ部52a-1および52a-2が設けられる。一方、電力線50には、コネクタ部52a-1および52a-2に対して着脱可能なコネクタ部50a-1および50a-2が設けられる。主回路51の抵抗値Rmの測定時において、コネクタ部52a-1はコネクタ部50a-1と接続され、コネクタ部52a-2はコネクタ部50a-2と接続される。これにより、分岐電力線52と電力線50とは、電気的に接続される。第8の実施形態において、分岐電力線52には、突入電流の抑制用の抵抗88aおよびスイッチ88bが設けられることが望ましい。抵抗88aは、内部抵抗測定ユニット60Aの接続時にコンデンサ82を充電する突入電流を抑制する。抵抗88aの抵抗値は、例えば10k[Ω]である。スイッチ88bは、内部抵抗測定ユニット60Aの接続時にオフ(遮断)状態とされる。これにより、内部抵抗測定ユニット60Aの接続時に発生する突入電流は抵抗88aに流れる。スイッチ88bは、内部抵抗測定ユニット60Aを接続した後にオン(導通)状態とされる。
 なお、分岐電力線52における両端および電力線50には、上述した図7および図8に示した円環部62、68および配線64、70と同様の構成を有する磁気結合部152、154が設けられてもよい。この場合、電力線50と分岐電力線52とは、磁気的結合を介して電力および信号を送信する。
 以上説明したように、第8の実施形態の内部抵抗測定ユニット60Aによれば、閉ループ線路80における抵抗値を変更する抵抗値変更部(134、136)と、閉ループ線路80の合計抵抗値Rtを変更するように指示した前後における検出直流信号の信号値の差に基づいて主回路51の抵抗値Rmを導出する導出部74aとを持つので、主回路51の抵抗値Rmの変化が検出直流信号の信号値比の変化に表れることを利用して、主回路51の抵抗値Rmを高い精度で測定することができる。
 また、第8の実施形態によれば、主回路51に対して内部抵抗測定ユニット60Aを着脱可能に構成しているので、複数の組電池ユニット12に対して単一の内部抵抗測定ユニット60Aを順次着脱して主回路51の抵抗値Rmを測定することができる。これにより、蓄電システム1が複数の組電池ユニット12を有していても、単一の内部抵抗測定ユニット60Aで主回路51の抵抗値Rmの測定を実現することができ、蓄電システム1全体としての劣化診断に必要な回路構成およびコストを削減することができる。
 (第9の実施形態)
 以下、第9の実施形態について説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。なお、第9の実施形態は、その構成が図1と同様であるので、図示を省略する。
 第9の実施形態は、分岐電力線52に内部抵抗導出装置60、コンデンサ82、スイッチ部84、および抵抗部86を含む内部抵抗測定ユニットが、電力線50に対して固定的に接続される。
 この第9の実施形態によれば、閉ループ線路80の合計抵抗値Rtを変更するように指示した前後における検出直流信号の信号値の差に基づいて主回路51の抵抗値Rmを導出する導出部74aを持つので、主回路51の抵抗を高い精度で測定することができる。
 (変形例)
 以下、上述した実施形態の変形例について説明する。図19は、実施形態の変形例の蓄電システム1の構成を示すブロック図である。変形例の蓄電システム1は、電池モジュール13が接続された電力線50に分岐電力線52を介して内部抵抗導出装置60が接続されると共に、電池モジュール13、電流センサ部16およびBMU17が電力線50に接続される点で、上述した実施形態と異なる。
 各電池モジュール13-1~13-k、電流センサ部16、およびBMU17は、それぞれ、磁気結合部MCT、MCRを備え、電力線50と磁気的に結合されている。なお、MCTは送信側の磁気結合部を、MCRは受信側の磁気結合部を、それぞれ示している。これによって、CMU14、電流センサ部16、およびBMU17は、電力線50および電池セル部15を介した電力線通信を行うことができる。各磁気結合部MCT、MCRは、例えば、上述した円環部62、68、配線64、70と同じ構造を有している。
 この変形例の蓄電システム1は、内部抵抗導出装置60における制御部74が、電力線50および分岐電力線52に流れる充放電電流に供給交流信号を重畳させ、電力線50および分岐電力線52に流れる充放電電流に重畳された交流信号の信号値を検出する。これにより、蓄電システム1は、主回路51における抵抗値Rmの測定のための交流信号、および電力線通信(PLC通信)のための信号用を電力線50および分岐電力線52を介して送受信でき、電力線50、分岐電力線52をデータ通信と劣化診断の両者で兼用することができる。
 以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、電力線から検出された交流信号の周波数成分うち、電力線に供給された交流信号の周波数と等しい周波数成分の信号を抽出する抽出部を持つので、蓄電池が接続された電力線にノイズが重畳していて、検出した交流信号にノイズが多く含まれていても、ノイズの影響を低減して蓄電池の内部抵抗を高い精度で測定することができる。
 本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (18)

  1.  蓄電池が接続された電力線に対して交流信号を供給する供給部と、
     前記電力線および前記蓄電池を介して前記供給部により供給された交流信号を検出する検出部と、
     前記検出部により検出された交流信号の周波数成分のうち前記供給部により供給された交流信号の周波数と等しい周波数成分の信号を抽出する抽出部と、
     前記抽出部により抽出された信号に基づいて、前記蓄電池の内部抵抗値を導出する導出部と、
     を備える、内部抵抗導出装置。
  2.  前記抽出部は、前記検出部により検出された交流信号を、直流信号に変換し、
     前記導出部は、前記抽出部により変換された直流信号に基づいて前記蓄電池の内部抵抗値を導出する、
     請求項1に記載の内部抵抗導出装置。
  3.  前記抽出部は、前記検出部により検出された交流信号に前記供給部により供給された交流信号を乗算し、乗算して得られた信号のうち直流信号を減衰させずに通過させるように遮断周波数が設計されたローパスフィルタを通過した信号を、前記直流信号とする、
     請求項2に記載の内部抵抗導出装置。
  4.  前記供給部は、前記蓄電池の一方端と他方端との間にコンデンサが接続された閉ループ線路に交流信号を供給し、
     前記検出部は、前記閉ループ線路における交流信号を検出し、
     前記閉ループ線路の抵抗値を変更する抵抗値変更部に対して抵抗値を変更させる制御部を備え、
     前記導出部は、前記閉ループ線路の抵抗値を変更する抵抗値変更部に対して抵抗値を変更するように指示した前後において前記抽出部により抽出された信号の信号値の比に基づいて、前記蓄電池の内部抵抗値を導出する、
     請求項1に記載の内部抵抗導出装置。
  5.  前記制御部は、第1の抵抗値と前記第1の抵抗値よりも高い第2の抵抗値との間で抵抗値を変更するよう指示し、
     前記導出部は、前記抽出部により抽出された信号の信号値の比と前記第2の抵抗値とに基づいて前記蓄電池の内部抵抗値を導出する、
     請求項4に記載の内部抵抗導出装置。
  6.  前記導出部は、前記抽出部により抽出された信号の信号値の比と、前記第2の抵抗値と前記第1の抵抗値の差とに基づいて前記蓄電池の内部抵抗値を導出する、
     請求項5に記載の内部抵抗導出装置。
  7.  前記制御部は、前記蓄電池の充放電電流値、温度、充電率のうち少なくとも一つが所定の範囲内である場合に、前記抵抗値を変更させて前記検出部により信号値を検出させる、
     請求項4に記載の内部抵抗導出装置。
  8.  前記制御部は、前記検出部により検出された信号値が所定の範囲となるように前記供給部により前記交流信号の振幅を変更させる、
     請求項4に記載の内部抵抗導出装置。
  9.  前記抵抗値は、前記蓄電池の内部抵抗値の変化に対する導出値の感度を高める値に設定される、
     請求項4に記載の内部抵抗導出装置。
  10.  前記制御部は、前記供給部により供給される前記交流信号の周波数を次第に変更させながら前記抽出部に信号を抽出させ、
     前記導出部は、前記抽出部により抽出された信号の信号値のうち最大の信号値を用いて前記蓄電池の内部抵抗値を導出する、
     請求項4に記載の内部抵抗導出装置。
  11.  前記制御部は、前記閉ループ線路の共振周波数の前記交流信号を前記供給部に供給させる、
     請求項4に記載の内部抵抗導出装置。
  12.  前記抽出部は、前記供給部により供給された交流信号の位相と、前記検出部により検出された交流信号の位相との位相差を検出する位相差検出部を備え、
     前記制御部は、前記供給部により前記交流信号の周波数を次第に変更させる過程で前記位相差検出部により検出された位相差に基づいて、前記電力線を含む線路の共振周波数を特定する、
     請求項11に記載の内部抵抗導出装置。
  13.  前記制御部は、前記供給部により前記交流信号の周波数を次第に変更させながら前記検出部により前記交流信号を検出させ、変更された前記交流信号の周波数ごとに前記抽出部により抽出された信号の信号値を用いて内部抵抗値を導出し、導出された内部抵抗値のうち最小の内部抵抗値が導出された際の前記交流信号の周波数を、前記電力線を含む線路の共振周波数として特定する、
     請求項11に記載の内部抵抗導出装置。
  14.  前記制御部は、前記閉ループ線路の共振周波数を変更させる共振回路部に対して共振周波数を変更するよう指示すると共に、前記共振回路部によって変更された共振周波数の交流信号を供給するように前記供給部を制御する、
     請求項11に記載の内部抵抗導出装置。
  15.  前記供給部、前記検出部、前記抽出部、および前記導出部は、前記閉ループ線路に対して着脱可能である、
     請求項4に記載の内部抵抗導出装置。
  16.  前記供給部、前記検出部、前記抽出部、および前記導出部は、前記蓄電池が接続された電力線に接続され、
     前記供給部は、前記電力線に流れる電流に前記交流信号を重畳させ、
     前記検出部は、前記電力線に流れる電流に重畳された交流信号の信号値を検出する、
     請求項1に記載の内部抵抗導出装置。
  17.  蓄電池と、
     前記蓄電池が接続された電力線に対して交流信号を供給する供給部と、
     前記電力線および前記蓄電池を介して前記供給部により供給された交流信号を検出する検出部と、
     前記検出部により検出された交流信号の周波数成分のうち前記供給部により供給された交流信号の周波数と等しい周波数成分の信号を抽出する抽出部と、
     前記抽出部により抽出された信号に基づいて、前記蓄電池の内部抵抗値を導出する導出部と、
     を有する蓄電池装置。
  18.  蓄電池が接続された電力線に対して交流信号を供給し、
     前記電力線および前記蓄電池を介して前記供給された交流信号を検出し、
     前記検出された交流信号の周波数成分のうち前記供給された交流信号の周波数と等しい周波数成分の信号を抽出し、
     前記抽出された信号に基づいて、前記蓄電池の内部抵抗値を導出する、
     内部抵抗値導出方法。
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