JP2004328400A - アンテナアンプおよび共用アンテナアンプ - Google Patents

アンテナアンプおよび共用アンテナアンプ Download PDF

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Hirokazu Matsunaga
裕数 松長
Kazuo Takayama
一男 高山
Nobuyoshi Tateishi
信好 立石
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Abstract

【課題】微弱な信号を高感度で受信し、強い妨害信号が存在するときには、歪みや信号抑圧を低減することである。
【解決手段】アンテナ10が受信する高周波信号を、アンテナアンプ11で増幅する際に、強電界強度の妨害波などが存在すれば、出力切換回路15でスイッチ回路16をアンプ12の出力側からスルー回路14側に切換える。スルー回路14は、高周波信号をアンプ12を通さないで直接出力側に導く。スイッチ回路16の切換えを、相互変調による歪み成分と相関性が高い低域成分に基づいて行えば、より適切な切換えを行うことができる。切換えのスムージング処理でノイズを低減し、反転アンプの使用で発振を防止することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンテナに受信される微弱な信号を、アンテナに近い位置で増幅するアンテナアンプおよび共用アンテナアンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
図20は、従来からのアンテナアンプ1の概略的な電気的構成を示す。アンテナアンプ1は、アンテナに電波が受信されて誘起される微弱な高周波信号を、アンテナに近い位置で増幅し、信号対雑音(SN)比を高めるために使用される。微弱な高周波信号は、ローノイズのアンプ2で増幅され、アンプ2の入力側には、周波数帯域を制限するバンドパスフィルタ(以下、「BPF」と略称する)3およびアッテネータ(以下、「ATT」と略称する)回路4が設けられている。ATT回路4は、アンプ2の出力が大きくなると、自動利得制御(以下、「AGC」と略称する)回路5がATT回路4の信号減衰率を低下させ、アンテナアンプ1全体としての利得を低下させる。アンテナアンプ1は、アンプ2の出力とチューナなどの受信装置との間を接続する信号ケーブルの影響がアンテナに及ばないようにする効果もある。
【0003】
また、RF前置増幅器を内蔵した無線受信アンテナ装置において、バイパス回路手段を設け、RF前置増幅器とは別系統でもRF信号を検出し、アンテナに強力な信号が受信されるときには、RF前置増幅器をバイパスして、増幅器の過負荷をなくすようにしているものもある。ただし、バイパス回路は常に接続されており、RF前置増幅器をバイパスするときは、RF前置増幅器で増幅を行うトランジスタのベースとコレクタとへの入出力信号経路を遮断するようにしている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
アンテナとチューナとの間に増幅回路を設けることに関して、アンテナとチューナとの間に、広帯域増幅器と減衰回路との並列回路を接続し、広帯域増幅器に供給する電源を制御して、広帯域増幅器を動作させるときは増幅器で信号を増幅し、広帯域増幅器を動作させないときは減衰回路で信号を減衰させるようにしているものもある(たとえば、特許文献2参照)。また、チューナのフロントエンドで高周波から変換される中間周波の増幅回路でアンプとアッテネータとを切換えて、強電界強度時にアンプが飽和する影響を避けて、電界強度を正確に検出しようとするものもある(たとえば、特許文献3参照)。
【0005】
図20のAGC回路5を設ける理由は、強電界強度時にアンプ2が歪むのを避けることにもある。相互変調妨害による感度劣化が起きているときのみ、利得を低下させるためにAGCを用いるものもある(たとえば、特許文献4参照)。また、電界強度に応じてAGCの時定数を変え、通常はフェージングに追従しやすいように時定数を小さくしておき、強電界環境下では時定数を大きくして安定性を改善しようとするものもある(たとえば、特許文献5参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−102874号公報(図2)
【特許文献2】
特開平11−41127号公報
【特許文献3】
特開平7−321685号公報
【特許文献4】
特開平11−145858号公報
【特許文献5】
特開平11−312938号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図20に示すようなアンテナアンプ1では、目的の受信信号に近い周波数に過大な他の信号が存在するような場合、ATT回路4を切換えて信号を減衰させても、アンプ2に対する入力が過大となって、アンプ2の非直線性で目的の受信信号が歪んだり、抑圧されたりするおそれがある。ATT回路4の減衰率を大きくすると、目的の信号も大きく減衰されてしまい、SN比が低下してしまう。
【0008】
特許文献1記載の先行技術は、バイパス時に、RF前置増幅器は完全に動作を停止してしまう。
【0009】
特許文献2記載の先行技術は、増幅回路を設置する位置については必ずしも明確ではない。発明の実施の形態での説明で、広帯域増幅器、減衰回路およびチューナの全体をチューナ回路としているので、アンテナの近傍ではなく、チューナ側に設置するものと考えられる。もしアンテナアンプとしてチューナから離れたアンテナの近傍に配置するとすれば、ON/OFF制御される電源ケーブルを、信号ケーブルとともにアンテナアンプとチューナとの間に接続しなければならない。また、電源の制御は、後段側のチューナ以降の信号レベルに基づいて行われている。この信号レベルには、広帯域増幅器のON/OFF制御が影響する。すなわち、広帯域増幅器のON状態で過大な信号レベルと判断されてOFF状態になると、信号レベルが低下し、過大ではないと判断されて、再び広帯域増幅器がONになることを繰返すおそれがある。
【0010】
また、アンテナアンプにAGC動作を行わせる場合、受信を希望する周波数の近くに妨害信号がある場合の相互変調や混変調による歪みや信号抑圧が問題となる。このような場合の対策について、特許文献4や特許文献5には何も示されていない。特に、アンテナエレメントを広帯域で使用しようとすると、相互変調や混変調の対象となる信号の範囲も広がるので、広い周波数帯域でアンテナエレメントを共用するための共用アンテナアンプでは、適切な対策が必要となる。
【0011】
本発明の目的は、微弱な信号を高感度で受信し、強い妨害信号が存在するときには、歪みや信号抑圧を低減することができるアンテナアンプおよび共用アンテナアンプを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アンテナに近接して設置され、アンテナが受信する微弱な高周波信号を増幅するアンテナアンプにおいて、
高周波信号の増幅を行うアンプと、
アンプに入力される高周波信号を、該アンプを通さずに導くスルー回路と、
アンプから出力される高周波信号、およびスルー回路を通して導かれる高周波信号を切換えるスイッチ回路と、
アンプからの出力に応答して、該出力の予め定める切換基準に対する大小関係に従い、スイッチ回路を、出力が小さいときはアンプの出力側に、出力が大きいときはスルー回路側に、それぞれ切換える出力切換回路を含むアンテナアンプにおいて、
切換えのレベル検出を出力側で行い、アンプ部を負帰還構成とし、大入力時アンプの出力をオープンとすることにより、アンプ自体の歪みを小さくして、入力部に発生する歪みを無くすることを特徴とするアンテナアンプである。
【0013】
本発明に従えば、アンテナに近接して設置され、アンテナが受信する微弱な高周波信号を増幅するアンテナアンプは、アンプと、スルー回路と、スイッチ回路と、出力切換回路とを含む。スイッチ回路は、高周波信号を増幅するアンプの出力と、アンプを通さずにスルー回路から導かれるアンプの入力とを、出力切換回路によって切換える。出力切換回路は、アンプからの出力に応答して、予め定める切換基準に対する大小関係に従い、スイッチ回路を、出力が小さいときはアンプの出力側に、出力が大きいときはスルー回路側に、それぞれ切換えるように制御する。アンテナに誘起される微小な高周波信号をアンプで増幅すれば、高感度で受信することができる。相互変調などの妨害信号が存在しているときには、高周波信号をアンプを通さずにスルー回路から後段側に導くので、歪みや信号抑圧などを避けることができる。スイッチ回路を切換える出力切換回路には、常にアンプから信号が与えられるので、スイッチ回路の切換を適切に行うことができる。さらに切換えのレベル検出を負帰還構成とするアンプの出力側で行い、大入力時アンプの出力をオープンとすることにより、アンプ自体の歪みを小さくして、入力部に発生する歪みを無くすることができる。
【0014】
なお、スルー回路は、導線等、信号を変化させることなく通過させる回路だけでなく、必要により信号を減衰させる回路により構成することも考えられる。
【0015】
また本発明で、前記出力切換回路にヒステリシスを持たせることで、電界変動によるスイッチ回路の頻繁な切換えを回避することを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、出力切換回路にヒステリシスを持たせることで、電界変動によるスイッチ回路の頻繁な切換えを回避することができ、安定に動作させることができる。
【0017】
また本発明で、前記出力切換回路は、スムージング処理することにより、切換え時のノイズの発生を防ぐとともに、
前記アンプを反転アンプ構成にすることで、切換え時、アンプの出力側と前記スルー回路との両回路同時ONのタイミングでの発振を防ぐことを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、出力切換回路は、スムージング処理することにより、アンプの出力とスルー回路との切換え時のノイズの発生を防ぐことができる。アンプを反転アンプ構成とするので、切換え時に両回路同時ONのタイミングでアンプの出力側から入力側に帰還が生じても正帰還とはならず、発振を防ぐことができる。
【0019】
また本発明で、AMアンテナアンプを構成するときには、前記スルー回路に代えて入力側にアッテネータ回路が設けられ、
前記スイッチ回路および出力切換回路に代えて、大入力時に前記スルー回路側への切換えではなく、入力をアッテネータ回路によって減衰させるように切換えるスイッチ回路および入力切換回路をそれぞれ含むことを特徴とする。 本発明に従えば、アンテナのインピーダンスが大きくなるAMアンテナアンプを構成するときには、大入力時に、スルー回路を通る信号スルーへの切換ではなく、アンプへの入力をアッテネートしてからアンプで増幅するので、アンテナアンプからの信号を受信する受信機等の入力インピーダンスが低くても、過度に信号が減衰しないようにすることができる。
【0020】
さらに本発明は、前述のアンテナアンプを複数含む共用アンテナアンプであって、
各アンテナアンプは、異なる周波数帯域の高周波信号を増幅し、
各アンテナアンプの前記切換基準は、周波数帯域に応じて異なる値に設定されることを特徴とする共用アンテナアンプである。
【0021】
本発明に従えば、アンプから出力される高周波信号の強度が過大になると、高周波信号がアンプを通らずにスルー回路を通って後段側に至るように切換えるアンテナアンプを、異なる周波数帯域に分けて複数用い、アンテナアンプの切換基準を、各アンテナアンプが受持つ周波数帯域に応じて異ならせて、それぞれ適切な動作を行わせることができる。
【0022】
また本発明で、前記複数のアンテナアンプは、VHF周波数帯域のFMラジオ放送受信用およびテレビジョン放送受信用と、UHF周波数帯域のテレビジョン放送受信用とにそれぞれ設けておき、
前記切換基準は、VHF周波数帯域側の方を小さくしておくことを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、VHF周波数帯域のFMラジオ放送およびテレビジョン放送と、UHF周波数帯域のテレビジョン放送とを、アンプを通すか否かの切換基準を異ならせて、VHF周波数帯域側では強入力時の歪み特性を重視し、UHF周波数帯域側では感度を重視するように、それぞれ適切に使い分けることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の第1形態として、アンテナ10に近接して設置され、アンテナ10が受信する微弱な高周波信号を増幅するアンテナアンプ11の概略的な電気的構成を示す。アンテナアンプ11には、アンプ12と、BPF13と、スルー回路14と、出力切換回路15と、スイッチ回路16とが含まれる。アンプ12は、信号増幅率が絶対値で「A」であるので「−A」で表示する反転アンプ12aと、帰還率βの負帰還回路12bとを含み、高周波信号の増幅を行う。BPF13は、アンテナ10からアンプ12に入力される高周波信号の周波数帯域を選択する。BPF13によって選択される周波数帯域は、広帯域化され、受信目標の信号ばかりではなく、妨害を与えるよう信号も通過させてしまう。アンテナアンプ11の後段側では、たとえば中間周波数に変換した後で、フィルタなどを用いて目標信号のみを選択する。アンテナアンプ11の段階では、周波数が高いので、目標信号のみを選択するように選択度を高めることは不可能に近く、また選択度を高めると、広帯域をカバーするために中心周波数を受信周波数に応じて変化させなければならなくなる。
【0025】
図2は、図1のアンテナアンプ11の利得の周波数特性を示す。実線はスイッチ回路16をアンプ12の出力側に切換えている状態を示し、2点鎖線はスイッチ回路16をスルー回路14側に切換えている状態を示す。スルー回路14は、高周波信号をアンプ12の入力側からアンプ12を通さずにスイッチ回路16に導く。出力切換回路15は、アンプ12からの出力に応答して、予め定める切換基準に対する出力の大小関係に従い、スイッチ回路16を、出力が小さいときはアンプ12の出力側に、出力が大きいときはスルー回路14側に、それぞれ切換える。スイッチ回路16をスルー回路14側に切換えると、アンプ12の利得分だけ、アンテナアンプ11としての利得が低下する。しかしながら、高周波信号は、アンプ12を通さないで後段側に導かれる。
【0026】
アンプ12の利得は、たとえば10dBとする。アンプ12の入力側でのSN比と、出力側でのSN比との比であるノイズ・フィギュアNFは、3dB以下である。アンプ12は一定の直流電圧が電源電圧として供給され、その電圧範囲内で動作する。電源電圧を完全に利用することができる理想的な場合でも、電源電圧を最大振幅として、それを利得で除算して得られる最大入力電圧を超える入力電圧に対しては出力が飽和してしまう。実際のアンプ12では、入力電圧が高くなると利得も変化し、また入力側でも歪みを発生するような非直線性を、理想的な場合に比べて有している。このため、受信目標の信号自体は微小な信号レベルでも、近接して受信する信号が大きな信号レベルであれば、後段側ではフィルタなどで信号を分離することができても、アンテナアンプ11の段階で、微小な目標信号が歪んだり、抑圧されてしまう相互変調や混変調などの影響を受ける。本実施形態では、VHF帯域でFM放送やTV放送を受信する場合を想定し、たとえば受信目標の周波数を約100MHz程度とし、その受信強度が30dBμV以下のときにスイッチ回路16をスルー回路14側に切換えることによって、電界強度が110dBμVの4MHz程度づつ低い信号が相互変調を生じさせないようにすることができる。
【0027】
すなわち、図1の出力切換回路15は、アンプ12からの出力が大きく、相互変調などの妨害信号が存在しているときには、高周波信号をアンプを12通さずにスルー回路14から後段側に導くので、歪みや信号抑圧などを避けることができる。スイッチ回路16を切換える出力切換回路15には、常にアンプ12から信号が与えられるので、スイッチ回路16の切換を行う条件の変動を少なくして、切換えを適切に行うことができる。なお、スルー回路14は、単なる導線で実現するだけではなく、減衰回路などで実現することもできる。
【0028】
図3は、アンプ12として反転アンプ12aと負帰還回路12bとを組合せている等価回路を示す。反転アンプ12aの出力インピーダンスをZAとし、アンテナアンプ11の負荷、すなわちアンテナアンプ11からの信号を受信する受信機セットなどの入力インピーダンスをZXとする。反転アンプ12aとしての出力電圧をV1とし、アンテナアンプ11としての出力電圧をV2とすると、負帰還によって、次の(1)式が成立する。
【0029】
【数1】
Figure 2004328400
【0030】
変形して、
【数2】
Figure 2004328400
が得られる。
【0031】
負荷インピーダンスZXが反転アンプ12aの出力インピーダンスZAと同等、すなわちZX=ZAのときには、(2)式から、
【0032】
【数3】
Figure 2004328400
【0033】
となる。負荷インピーダンスZXが非常に大きく、無限大とみなせるとき、すなわちZX=∞のときには、(2)式でZAを無視することができ、
V2=V1 …(4)
となる。よって、アンテナアンプ11は出力負荷によって帰還量が変化し、出力負荷を無くすことで負帰還が大きくなり、反転アンプ12aの歪みを小さくすることができる。
【0034】
図4は、本発明の実施の第2形態であるアンテナアンプ21の概略的な電気的構成を示す。本実施形態で、図1の実施形態に対応する部分には同一の参照符を付し、重複する説明を省略する。本実施形態ではアンプ12の入力側にATT回路22を挿入して信号を減衰させ、ATT回路22およびアンプ12を組合わせた全体の利得を減少させることができる。ATT回路22は、たとえば抵抗23および抵抗24との分圧比に基づいて信号を減衰させる。入力信号レベルが小さいときは、入力切換回路25がスイッチ回路26をアンプ12の入力側に切換え、抵抗23は短絡される状態となる。この状態で、入力信号は減衰されずにアンプ12に入力される。入力切換回路25がスイッチ回路26をアンプ12の入力側から切離すように切換えると、入力信号はATT回路22で減衰されてからアンプ12に入力するようになる。入力切換回路25がスイッチ回路26の切換えを行う閾値Vthyは、出力切換回路15がスイッチ回路16を切換える閾値Vthxよりも大きくしておく。すなわち、Vthy>Vthxとする。また、これらの閾値Vthx,Vthyにはそれぞれヒステリシスを持たせておく。
【0035】
図5は、図4の実施形態での入出力特性を、アンテナ10からの入力信号レベルが上昇するときをAで、下降するときをBでそれぞれ示す。図4のアンプ12の入力側で、スイッチ回路26の個別接点のアンプ側をA点とし、アンプ12の出力側でスイッチ回路16の共通接点側をB点とする。アンプ12の利得を10dBとし、ATT回路22の減衰度を−20dBとする。A点での信号レベルは破線で示し、B点での信号レベルは実線で示す。
【0036】
図5(a)で示すように、入力信号レベルが小入力状態から上昇して70dBを超えると、出力切換回路15によってスイッチ回路16がアンプ12の出力側からスルー回路14側に切換えられ、B点での信号レベルは10dB低下する。さらに入力信号レベルが上昇して100dBを超えると、入力切換回路25によってスイッチ回路26がアンプ12の入力側に接続する状態から無接続の状態に切換えられ、B点の信号レベルはATT回路22による減衰を受けて20dB低下する。
【0037】
図5(b)で示すように、入力信号レベルが大入力状態から下降して80dB以下になると、入力切換回路25がスイッチ回路26を無接続の状態からアンプ12の入力側に接続する状態に切換えるので、A点の信号レベルはATT回路22の減衰度20dBだけ上昇する。さらに入力信号レベルが低下して、40dB以下になると、出力切換回路15がスイッチ回路16をスルー回路14側からアンプ12の出力側に切換えるので、B点の信号レベルは、アンプ12の利得の10dBだけ上昇する。
【0038】
図5の動作では、出力切換回路15がスイッチ回路16の切換えを行う検出開始点は、入力信号レベルが70dBのときであり、一旦スルー回路14側に切換えられると、30dBのヒステリシスが付加されて、40dBまで低下しないとアンプ12の出力側への切換えは起らなくなる。入力切換回路25がスイッチ回路26の切換えを行う検出開始点は、入力信号レベルが100dBのときであり、一旦無接続側に切換えられると、20dBのヒステリシスが付加されて、80dBまで低下しないとアンプ12の入力側への切換えは起らなくなる。外部からの制御信号に応じて、利得を少なくとも2段階に切換えることができる。
【0039】
図6は、図4のアンテナアンプ21の回路構成を示す。出力切換回路15および入力切換回路25には、図5に示すようなヒステリシス特性を有するヒステリシス付レベル検出回路27からの出力が与えられる。ヒステリシス付レベル検出回路27は、アンプ12の出力レベルを検出する。ヒステリシス付レベル検出回路27の動作特性は、外付けの抵抗28およびコンデンサ29で調整することができる。抵抗28は、閾値Vthx,Vthyを決定する。コンデンサ29は、レベル検出の時定数を決定する。レベル検出の過度特性は、アタックが速く、リリースが遅くなるようにする。アンプ12の利得は、外付けの抵抗30によって、たとえ3〜15dBの範囲で調整することができる。出力切換回路15は、PINドライバ31,32を有する。PINドライバ31は、出力論理が正論理であるバッファであり、PINドライバ32は出力論理が負論理であるインバータである。入力切換回路25もインバータとしてのPINドライバを含む。
【0040】
スイッチ回路16は、スイッチング素子として、PINダイオード33,34を含む。PINダイオード33,34のカソード側は共通に、出力端子OUTに接続される。PINダイオード33のアノード側にはスルー回路14が接続される。PINダイオード34のアノード側には、直流カット用のコンデンサ35を介してアンプ12の出力が接続される。PINダイオード33のアノードには、抵抗36を介してPINドライバ31の出力が与えられる。PINドライバ31の出力には、切換ショック防止用のコンデンサ37も接地との間に接続される。PINダイオード34のアノードには、抵抗38を介してPINドライバ32の出力が与えられる。PINドライバ32の出力には、切換ショック防止用のコンデンサ39も接地との間に接続される。PINダイオード33,34のカソード側には、直流電流の経路となるコイル40が接地との間に接続されている。
【0041】
スイッチ回路26は、スイッチング素子として、PINダイオード41を含む。PINダイオード41のカソードは、BPF13の出力から直流カット用のコンデンサ42を介してスルー回路14に分岐する点に接続される。PINダイオード41のアノード側は、直流カット用のコンデンサ43を介して、アンプ12の入力側に接続される。アンプ12の入力側は、直流カット用のコンデンサ44を介して、抵抗23と抵抗24との接続点にも接続される。PINダイオード41のカソードには、直流電流の経路となるコイル45が接地との間に接続される。PINダイオード41のアノードには、切換ショック防止用のコンデンサ46が接地との間に接続される入力切換回路25の出力が、抵抗47を介して接続される。PINダイオード33,34,41は、直流電流を流すとインピーダンスが低くなり、スイッチの接点を閉じた状態になる。PINダイオード33,34,41に直流電流を流さないと、インピーダンスが高くなり、スイッチの接点を開いた状態になる。なお、本実施形態では、アンプ12、出力切換回路15、入力切換回路25およびヒステリシス付レベル検出回路27は、IC50として集積される。
【0042】
図7は、本発明の実施の第3形態であるアンテナアンプ51の概略的な電気的構成を示す。本実施形態で、図1または図4の実施形態に対応する部分には同一の参照符を付し、重複する説明を省略する。本実施形態のアンプ52は、外部からの制御信号に応じて、利得を少なくとも2段階に切換えることができる。利得の切換えは、アンプ52自体のゲインを段階的あるいは連続的に変化させてもよく、アンプ52のゲインは一定として、図4の実施形態と同様に入力側のATT回路などで信号減衰度を変化させてもよい。
【0043】
前述のように、アンプ52の出力には相互変調や混変調による歪み成分が含まれる。歪み成分は、アンプ52からの出力のうちの低域成分に反映される。低域成分は、ローパスフィルタ(以下、「LPF」と略称する)53で低域濾波され、歪アンプ54で増幅される。歪アンプ54の出力レベルは、レベル検出回路55で絶対値として検出され、ヒステリシスコンパレータ56およびコンパレータ57で予め設定される閾値Vtha,Vthbとそれぞれ比較される。閾値相互間の関係は、Vthb≫Vthaとなるように設定する。
【0044】
ヒステリシスコンパレータ56は、レベル検出回路55が検出する歪み成分の信号レベルがVthaを超えると、スイッチ回路16をスルー回路14側に切換える。このような機能に関して、LPF53、歪アンプ54、レベル検出回路55およびヒステリシスコンパレータ56は、図1の出力切換回路15と同等である。LPF53によって低域の歪み成分を選択し、相互変調や混変調を与える妨害信号が存在するときに、高周波信号がアンプ52を通らないでスルー回路14を通るように切換えることができるので、妨害信号が存在しないときは高周波信号がアンプ52を通り、妨害信号が存在するときのみアンプ52を通さないような適切な切換えを行うことができる。
【0045】
なお、ヒステリシスコンパレータ56では、スイッチ回路16をスルー回路14側に切換えた後では、レベル検出回路55からの出力電圧がVtha以下になるだけではスイッチ回路16の切換えを行わない。スイッチ回路16の切換えを行う閾値はVthaからΔVだけ低く変化し、レベル検出回路25からの出力電圧が低く変化した閾値Vtha−ΔV以下になってからスイッチ回路16をアンプ52の出力側に切換える。この切換えが行われると、閾値はVthaに戻る。このようなヒステリシスを閾値に持たせているので、レベル検出回路55からの出力電圧がVtha付近で変動しても、スイッチ回路16の切換えが頻繁に行われないようにすることができる。本実施形態でのスイッチ回路16の切換えに関連する部分は、図1や図4の実施形態にも同様に適用することができる。
【0046】
本実施形態では、レベル検出回路55からの出力電圧がコンパレータ57の閾値Vthbを超えると、アンプ52の利得を低下させる。このような過大入力時にアンプ52の利得を低下させることによって、アンプ52で発生する歪みを抑制することができる。アンプ22で発生する歪みが大きくなると、歪み成分が入力側からスルー回路14側に漏れ出し、スイッチ回路16をスルー回路14側に切換えても、相互変調や混変調の影響を受けてしまうのを防ぐことができる。この影響を防ぐためにアンプ52の入力側に単にスイッチなどを設けると、アンプ52への入力が遮断され、切換えのための信号が得られなくなってしまう。本実施形態によれば、アンプ52からの出力が過大になると、スイッチ回路16の切換えを行うヒステリシスコンパレータ56の閾値Vthaである切換基準よりも高く設定されるコンパレータ57の閾値Vthbを超えるようになる。減衰基準である閾値Vthbを超えると、利得制御回路としてのコンパレータ57によってアンプ52の利得を減少させるので、アンプ52の飽和や入力側での歪みがスイッチ回路16の切換えに影響しないようにすることもできる。
【0047】
図8は、図7の実施形態による入力歪み低減の考え方を示す。BPF13の通過周波数帯域は広帯域であるので、帯域ないで電界強度が大きい妨害信号も通過させてしまったり、帯域外でもあまり大きな減衰を与えることができない。強電界強度の妨害信号が2波あれば、その差の周波数成分が歪み成分となり、アンプ52の非直線性に基づく相互変調を引き起す。また強電界強度の妨害信号がスペクトラム拡散(SS)変調方式などの広帯域信号であるときは、1波でも低域の歪み成分を発生させる。妨害2波や広帯域1波の妨害信号は、混変調(Inter
Modulation)による歪みとしてIM成分も発生する。IM成分でも、受信目的の信号レベルに比較して信号レベルがかなり大きい可能性がある。また、IM成分の周波数は、受信目的の周波数に近く、後段側のフィルタを通過し、AGC回路などを動作させ、受信目的の信号を抑圧してしまうおそれがある。本実施形態では、BPF13の低域側カットオフ周波数よりも低い範囲の歪み成分をLPF53で抽出し、相互変調の発生を相関性が高い状態で検出し、適切な切換えを行って、入力歪みを低減することができる。
【0048】
図9は、本発明の実施の第4形態として、図1、図4または図7のようなアンテナアンプを自動車に複数個搭載するアンテナに適用する例を示す。ガラスアンテナ60は、複数のアンテナエレメント61,62,63,64,65,66,67,68がフィルムベース69上の導体パターンとして形成され、車両70のたとえばリアガラス71の内側から貼付けられる。ガラスアンテナ60を貼付ける位置は、たとえばリアガラス71で屋根72に近い上縁部分とし、屋根72側にはアンテナアンプを搭載するアンプモジュール80を設置する。
【0049】
図10は、図9のアンプモジュール80の概略的な電気的構成を示す。アンプモジュール80には、図1、図4または図7のアンテナアンプ11,21,51と同等なAGCアンプ81,82,83と、広帯域で低雑音なアンプ84,85とがアンテナエレメント61〜68に受信される信号を増幅するアンテナアンプとして搭載される。アンテナエレメント61,62に受信される信号は、アンプ84,85でそれぞれ増幅され、デジタルテレビジョン(DTV)信号として後段側に出力される。アンテナエレメント63,64,65,66に受信される信号は、セレクタ86で選択され、AGCアンプ83で増幅されてアナログテレビジョン(ATV)信号として後段側に出力される。セレクタ86の切換えは、後段側からデコーダ87に与えられる制御信号に基づいて行われ、ダイバシティ方式による受信感度の向上などが図られる。アンテナエレメント67,68で受信される信号は、AGCアンプ81,82でそれぞれ増幅されて、FMのメインおよびサブ信号として後段側に出力される。後段側では、メイン信号とサブ信号とを切換えて、ダイバシティ方式などによる音質改善などを図ることができる。
【0050】
図11は、本発明の実施の第5形態として、共用アンテナアンプ90の概略的な電気的構成を示す。本実施形態の共用アンテナアンプ90は、図1、図4または図7のアンテナアンプ11,21,51をAGCアンプ91,92として複数含む。AGCアンプ91には、UHF帯のうち、たとえば470MHzの周波数帯域を選択的に通過させるBPF93からの高周波信号が入力される。AGCアンプ92には、VHF帯のうち、たとえば76MHz〜222MHzの周波数帯域を選択的に通過させるBPF94からの高周波信号が入力される。
【0051】
図12は、図11のBPF93,94による通過帯域特性を概略的に示す。BPF94によるVHF帯の通過帯域には、FMラジオ放送などのFM信号とテレビジョン放送などのTV信号とが含まれる。BPF93によるUHF帯の通過帯域にはテレビジョン放送などのTV信号が主として含まれる。AGCアンプ92に入力される高周波信号には、FM信号とTV信号とが含まれるので、図11では分波回路95で分離する。図11に示すように、分波回路95で高域側として分波されるTV信号は、FMトラップ回路96を経てアンプ97に入力される。FMトラップ回路96は、FM信号の周波数帯域を減衰させ、アンプ97は、TV信号の出力レベルを、AGCアンプ91からのTV信号の出力レベルに合わせるための増幅を行う。AGCアンプ91から出力されるTV信号と、アンプ97から出力されるTV信号とは、合成回路98で合成され、後段側のテレビジョン受像装置に出力される。
【0052】
本実施形態の共用アンテナアンプ90では、アンテナアンプであるAGCアンプ91,92は、UHF帯とVHF帯との異なる周波数帯域の高周波信号を増幅する。各AGCアンプ91,92での切換基準は、周波数帯域に応じて異なる値に設定される。AGCアンプ91は、UHF周波数帯域のテレビジョン放送受信用に設定される。AGCアンプ92は、VHF周波数帯域のFMラジオ放送受信用およびテレビジョン放送受信用に設定される。切換基準を、VHF周波数帯域用のAGCアンプ92側を小さくしておくことによって、VHF周波数帯域側では強入力時の歪み特性を重視し、UHF周波数帯域側では感度を重視するように、それぞれ適切に使い分けることができる。
【0053】
すなわち本実施形態では、アンプから出力される高周波信号の強度が過大になると、高周波信号がアンプを通らずにスルー回路を通って後段側に至るように切換えるアンテナアンプを、異なる周波数帯域に分けて複数用る。アンプを通すか否かの切換基準を、各アンテナアンプが受持つ周波数帯域に応じて異ならせて、それぞれ適切な動作を行わせることができる。
【0054】
図13は、本発明の実施の第1形態に対する比較形態としてのアンテナアンプ101の概略的な構成を示す。本比較形態で先行して説明している本発明の実施形態に対応する部分には同一の参照符を付し、重複する説明を省略する。本比較形態のアンプ102は、反転アンプではなく、非反転アンプを使用する。出力切換回路15によって切換えられるスイッチ回路16には、電子的なスイッチング素子としてPINダイオード110a,110bが含まれる。出力切換回路15からは、抵抗111a,111bを介して、PINダイオード110a,110bを切換えるための信号が与えられる。PINダイオード110a,110bに順方向電流を流すと、インピーダンスが低くなり、高周波信号に対するスイッチング素子として導通状態となる。順方向電流を流さないと、インピーダンスが高くなり、高周波信号に対するスイッチング素子として遮断状態となる。
【0055】
出力切換回路15からの切換え出力は、抵抗111a,111bの入力側で、高周波信号に対して接地へのバイパスコンデンサとして作用するコンデンサ112a,112bに接続される。このコンデンサ112a,112bなどが接続されるので、出力信号切換回路15の出力は比較的大きい時定数を有する。PINダイオード110a,110bとスルー回路14側およびアンプ102の出力側との間には、直流をカットするコンデンサ113a,113bがそれぞれ設けられる。PINダイオード110a,110bによる切換え出力は、コンデンサ114を介して負荷側に導出される。PINダイオード110a,110bに対する順方向電流の帰路として、コイル115が設けられる。なお、後述するような波形の観測用のチェックポイントCHa,CHb,CHcとなるように、抵抗117a,117b,117cをそれぞれPINダイオード110a,110bの個別の入力側と共通出力側に接続している。アンプ102の出力側と出力切換回路15の入力側との間には、直流カット用のコンデンサ118が接続される。
【0056】
高周波信号に対しては、コンデンサ113a,113bのインピーダンスは小さくなる。したがって、前述の時定数のためにPINダイオード110a,110bが両方とも導通する期間が生じると、アンプ102の出力側から入力側への接続が行われてしまい、正帰還によって発振するおそれがある。
【0057】
図14、図15、図16および図17は、図13の抵抗117a,117b,117cを介してPINダイオード110a,110bの個別の入力側のチェックポイントCHa,CHbおよび共通出力側のチェックポイントCHcと、アンテナアンプ101からの高周波信号を受信して再生する受信機のスピーカからの音響出力のチェックポイントCHdとで、それぞれ観測する過度的な波形を示す。
【0058】
図14はPINダイオード110aをOFFからONに、PINダイオード110bをONからOFFに切換える際の変化を示す。図15はPINダイオード110aをONからOFFに、PINダイオード110bをOFFからONに切換える際の変化を示す。チェックポイントCHcの波形から、アンプ102が切換時に発振していることが判る。特に図15に示すようなアンプ側への切換時点では、図14に示すスルー回路14側への切換時点よりも発振しやすく、チェックポイントCHdでのスピーカ出力も大きくなる。このように、アンプ102が反転アンプでない場合、出力切換回路回路15の時定数が大きいと、発振してしまう。
【0059】
図16および図17はPINダイオード110aをOFFからONに、PINダイオード110bをONからOFFに切換える際の変化を、出力切換回路15の時定数が大きい場合と小さい場合とで比較して示す。時定数が小さい図17の法がノイズのレベルが大きくなることが判る。したがって、信号切換回路15の時定数はある程度大きい方がノイズが少なくなって好ましいけれども、非反転アンプを使用すると発振してしまう。実施の他の形態のアンプ52としてもアンプ12と同様な反転アンプを使用すれば、信号切換回路15の時定数を比較的大きくして、切換えをスムージング処理で行っても発振しにくくなり、ノイズを低減することができる。
【0060】
図18は、本発明の実施の第6形態として、AMのアンテナ200用に設けるアンテナアンプ201の概略的な構成を示す。本実施形態で、先行して説明している実施形態に対応する部分には同一の参照符を付し、重複する説明を省略する。本実施形態では、AMアンテナアンプを構成するために、図1のスルー回路14に代えて入力側にアッテネータ(ATT)回路22が設けられ、入力切換回路25およびスイッチ回路26は、大入力時にスルー回路側への切換えではなく、アンテナ200からの入力をアッテネータ回路22によって減衰させるように切換える。
【0061】
図19は、AMアンテナアンプとして図1のアンテナアンプ11を用いる場合の等価回路を示す。AMは、電波の波長が長い中波帯域を使用して放送されるので、アンテナ200のインピーダンスZYが大きくなる。AMのアンテナ200からの受信出力電圧をV1、アンプ12からの出力電圧をV2、負荷への入力電圧をV3とする。アンテナアンプ11の使用時には、次の関係が成立つ。
【0062】
【数4】
Figure 2004328400
【0063】
したがって、ZA≪ZXであれば、V3≒V2となる。一方、スイッチ回路16をスルー回路14側に切換えるスルー時には、次の関係が成立つ。
【0064】
【数5】
Figure 2004328400
【0065】
したがって、ZY≫ZXであれば、V3≒0となり、AMの放送を受信する中波帯域などの比較的低い周波数帯域では、回路をスルーにすれば、負荷の入力電圧V3がほとんど0になってしまい、放送を受信することができなくなってしまう。
【0066】
本実施形態では、アンテナ200のインピーダンスZYが大きくなるAMアンテナアンプを構成するときには、大入力時に、スルー回路を通る信号スルーへの切換ではなく、アンプ12への入力をアッテネートしてからアンプ12で増幅するので、アンテナアンプ201からの信号を受信する際のインピーダンスが低くても、過度に信号が減衰しないようにすることができる。
【0067】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、アンテナが受信する微弱な高周波信号を増幅するアンプからの出力について、予め定める切換基準に対する大小関係に従い、スイッチ回路を、出力が小さいときはアンプの出力側に、出力が大きいときはスルー回路側に、それぞれ切換えるように制御する。アンテナに誘起される微小な高周波信号をアンプで増幅すれば、高感度で受信することができ、相互変調などの妨害信号が存在しているときには、歪みや信号抑圧などを避けることができる。さらに切換えのレベル検出を負帰還構成とするアンプの出力側で行い、大入力時アンプの出力をオープンとすることにより、アンプ自体の歪みを小さくして、入力部に発生する歪みを無くすることができる。
【0068】
また本発明によれば、出力切換回路にヒステリシスを持たせて、電界変動によるスイッチ回路の頻繁な切換えを回避するができる。
【0069】
また本発明によれば、出力切換回路は、スムージング処理で切換え時のノイズの発生を防ぐことができ、反転アンプを使用して、切換え時の発振を防ぐことができる。
【0070】
また本発明によれば、AMアンテナアンプを構成するときには、大入力時に、アンプへの入力をアッテネートしてからアンプで増幅するので、アンテナアンプからの信号を受信する受信機等の入力インピーダンスが低くても、アンテナと受信機等との間にアンテナアンプを介在させて、過度に信号が減衰しないようにすることができる。
【0071】
さらに本発明によれば、アンプの出力が過大になると、高周波信号がアンプを通らずに後段側に至るように切換えるアンテナアンプを、異なる周波数帯域に分けて複数用い、各アンテナアンプの受持つ周波数帯域に応じて切換基準を異ならせるので、周波数帯域毎に適切な動作を行わせることができる。
【0072】
また本発明によれば、VHF周波数帯域のFMラジオ放送およびテレビジョン放送では強入力時の歪み特性を重視し、UHF周波数帯域側では感度を重視するように、それぞれ適切に使い分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態であるアンテナアンプ11の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1の実施形態でスイッチ回路16を切換えに伴う利得の周波数特性の変化を示すグラフである。
【図3】図1のアンプ12を、反転アンプ12aと負帰還回路12bとの組合せで構成する等価回路図である。
【図4】本発明の実施の第2形態であるアンテナアンプ21の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図5】図4のアンテナアンプ21の動作のヒステリシス特性を示すグラフである。
【図6】図4のアンテナアンプの電気回路図である。
【図7】本発明の実施の第3形態であるアンテナアンプ51の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図8】図7の実施形態での入力歪み低減の考え方を示すグラフである。
【図9】本発明の実施の第4形態として、複数のアンテナアンプを含むアンプモジュール80を自動車に搭載する状態を概略的に示す斜視図である。
【図10】図9のアンプモジュール80の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の第5形態である共用アンテナアンプ90の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図12】図11の実施形態での周波数帯域の組合わせを示すグラフである。
【図13】図1の実施形態に対する比較形態としてのアンテナアンプ101の概略的な構成を示すブロック図である。
【図14】図13のアンテナアンプ101で、切換時の過度特性を示すグラフである。
【図15】図13のアンテナアンプ101で、切換時の過度特性を示すグラフである。
【図16】図13のアンテナアンプ101で、切換時の過度特性を示すグラフである。
【図17】図13のアンテナアンプ101で、切換時の過度特性を示すグラフである。
【図18】本発明の実施の第6形態であるアンテナアンプ201の概略的な構成を示すブロック図である。
【図19】AMアンテナアンプとして図1のアンテナアンプ11を用いる場合の等価回路である。
【図20】従来技術によるアンテナアンプの概略的な構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10,200 アンテナ
11,21,51,201 アンテナアンプ
12,52,84,85,97 アンプ
12a 反転アンプ
12b 負帰還回路
13,93,94 BPF
14 スルー回路
15 出力切換回路
16,26 スイッチ回路
22 ATT回路
25 入力切換回路
27 ヒステリシス付レベル検出回路
33,34,41,110a,110b PINダイオード
53 LPF
54 歪アンプ
55 レベル検出回路
56 ヒステリシスコンパレータ
57 コンパレータ
60 ガラスアンテナ
61〜68 アンテナエレメント
80 アンプモジュール
81,82,83,91,92 AGCアンプ
90 共用アンテナアンプ
95 分波回路
98 合成回路

Claims (6)

  1. アンテナに近接して設置され、アンテナが受信する微弱な高周波信号を増幅するアンテナアンプにおいて、
    高周波信号の増幅を行うアンプと、
    アンプに入力される高周波信号を、該アンプを通さずに導くスルー回路と、
    アンプから出力される高周波信号、およびスルー回路を通して導かれる高周波信号を切換えるスイッチ回路と、
    アンプからの出力に応答して、該出力の予め定める切換基準に対する大小関係に従い、スイッチ回路を、出力が小さいときはアンプの出力側に、出力が大きいときはスルー回路側に、それぞれ切換える出力切換回路を含むアンテナアンプにおいて、
    切換えのレベル検出を出力側で行い、アンプ部を負帰還構成とし、大入力時アンプの出力をオープンとすることにより、アンプ自体の歪みを小さくして、入力部に発生する歪みを無くすることを特徴とするアンテナアンプ。
  2. 前記出力切換回路にヒステリシスを持たせることで、電界変動によるスイッチ回路の頻繁な切換えを回避することを特徴とする請求項1記載のアンテナアンプ。
  3. 前記出力切換回路は、スムージング処理することにより、切換え時のノイズの発生を防ぐとともに、
    前記アンプを反転アンプ構成にすることで、切換え時、アンプの出力側と前記スルー回路との両回路同時ONのタイミングでの発振を防ぐことを特徴とする請求項1記載のアンテナアンプ。
  4. AMアンテナアンプを構成するときには、前記スルー回路に代えて入力側にアッテネータ回路が設けられ、
    前記スイッチ回路および出力切換回路に代えて、大入力時に前記スルー回路側への切換えではなく、入力をアッテネータ回路によって減衰させるように切換えるスイッチ回路および入力切換回路をそれぞれ含むことを特徴とする請求項1記載のアンテナアンプ。
  5. 請求項1記載のアンテナアンプを複数含む共用アンテナアンプであって、
    各アンテナアンプは、異なる周波数帯域の高周波信号を増幅し、
    各アンテナアンプの前記切換基準は、周波数帯域に応じて異なる値に設定されることを特徴とする共用アンテナアンプ。
  6. 前記複数のアンテナアンプは、VHF周波数帯域のFMラジオ放送受信用およびテレビジョン放送受信用と、UHF周波数帯域のテレビジョン放送受信用とにそれぞれ設けておき、
    前記切換基準は、VHF周波数帯域側の方を小さくしておくことを特徴とする請求項5記載の共用アンテナアンプ。
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