JP2006345288A - アンテナアンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】安定した信号レベルを保ちつつ、省部品化及び省スペース化を実現できるアンテナアンプを提供する。
【解決手段】複数のアンテナが受信する信号を増幅する車載用アンテナアンプについて、当該アンテナが受信する信号を増幅するアンプと、このアンプから出力される信号の信号レベルに基づき、アンプの信号利得を制御するための制御信号を出力する利得制御部とを、上記複数のアンテナのそれぞれについて有しており、上記アンプと上記利得制御部との複数の組み合わせを1枚の基板上に構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アンテナアンプに関する。
車載用ラジオシステムでは、リアガラス等に組み込まれたアンテナで受信された信号を座席前方に位置するラジオ機器まで送信するために、アンテナアンプが利用されている。このアンテナアンプは、アンテナで受信される高周波信号が雑音の影響を受けやすいことから、アンテナに近い位置に設けられ、当該高周波信号の増幅を行う回路である。
上記アンテナアンプは、アンプ回路(例えば、ローノイズアンプ回路(以降、LNA(Low Noise Amplifier)と表記する)及び自動利得制御(以降、AGC(Automatic Gain Control)と表記する)回路等により構成される。アンテナで受信された高周波信号は、
アンテナアンプのLNA回路で増幅される。このとき、AGC回路は、LNA回路からの出力信号レベルが一定となるように制御する。例えば、AGC回路は、LNA回路からの出力信号に基づき、同アンテナアンプを構成するアッテネータ(以降、ATTと表記する)回路の信号減衰量を制御することにより、LNA回路からの出力信号レベルを一定にし、アンテナアンプ全体として、出力信号レベルの一定化を図っている。
このようなアンテナアンプを利用して微弱な信号を高感度で受信する手法が、以下に示す文献において開示されている。
特開2003−133983号公報
上記アンテナアンプを利用した従来の車載用ラジオシステムでは、通常、1つのアンテナに対して、1つのアンテナアンプが1枚の基板上に設けられる。これにより、FM放送用、AM放送用等、複数のアンテナを用いて構成されるシステムでは、1つのアンテナと1つのアンテナアンプの組み合わせで構成される基板を複数枚、設置する必要がある。
このような構成では、設置スペースに制限のある車載用としては適しておらず、また、部品数等も多くなる。
本発明の目的は、安定した信号レベルを保ちつつ、省部品化及び省スペース化を実現できるアンテナアンプを提供することにある。
本発明は、上述した課題を解決するために以下の構成を採用する。即ち、本発明は、複数のアンテナが受信する信号を増幅する車載用アンテナアンプについてのものであり、これは、当該アンテナが受信する信号を増幅するアンプと、このアンプから出力される信号の信号レベルに基づき、アンプの信号利得を制御するための制御信号を出力する利得制御部とを、上記複数のアンテナのそれぞれについて有しており、上記アンプと上記利得制御部との複数の組み合わせを1枚の基板上に構成する。
従って、本発明によれば、アンテナ毎の信号レベルに応じて、それぞれの利得制御部がアンプの利得制御を行うため、アンテナアンプ全体として一定の信号レベルの信号を出力することができる。
さらに、アンテナ毎に設けられた、アンプと利得制御部との複数の組み合わせを、1つの基板上で構成することにより、省スペース化を実現することができる。また、基板が複数枚存在することによる管理の煩雑さを解消することができる。
また、本発明に係る車載用アンテナアンプは、上記利得制御部から出力される制御信号を受信し、受信された複数の制御信号それぞれについて、所定の信号レベルを満たすか否かを判断する比較部と、この比較部の判断結果を論理判断することにより、所定の制御信号を出力する論理演算部とを更に有する。
本発明では、アンテナ毎に設けられた利得制御部から受信される複数の制御信号について、信号レベルによる論理判断の結果として出力される制御信号により、複数のアンプの利得制御が行われる。
従って、本発明によれば、複数のアンテナから受信された信号によって、アンプの利得制御をするか否かが論理判断されるため、厳密な利得制御を行うことができる。
また、本発明に係る車載用アンテナアンプは、上記比較部の判断結果において、受信された複数の制御信号のいずれか1つでも所定の信号レベルを満たすものがあると、上記論理演算部が判断している場合に、上記所定の制御信号を出力する。
これにより、本発明によれば、アンプの利得制御が掛かり易くなり、確実な信号利得の制御を行うことができる。
また、本発明に係る車載用アンテナアンプは、上記比較部の判断結果において、受信された複数の制御信号のうち、全ての信号が所定の信号レベルを満たすと、上記論理演算部が判断している場合に、上記所定の制御信号を出力する。
これにより、本発明によれば、アンプの利得制御が掛かり難くなり、慎重な信号利得の制御を行うことができる。
また、本発明に係る車載用アンテナアンプは、上記比較部の判断結果において、受信された複数の制御信号のうち、所定の信号レベルを満たすと判断されている信号の方が多いと、上記論理演算部が判断した場合に、上記所定の制御信号を出力する。
これにより、本発明によれば、複数の利得制御部からの制御信号の多数決により、信号利得制御の要否を決定することができる。
また、本発明に係る車載用アンテナアンプは、上記利得制御部が、上記複数のアンテナに対し少なくとも1つ設けられ、アンテナ毎に設けられた上記アンプの少なくとも1つから出力される信号の信号レベルに基づき、複数のアンプの信号利得を制御するための制御信号を出力する。
また、本発明は、複数のアンテナが受信する信号を増幅するアンテナアンプにおいて、当該複数のアンテナのそれぞれについて設けられ、当該アンテナが受信する信号を増幅するアンプと、当該複数のアンプのうちのいずれかから出力される信号の信号レベルに基づき、当該複数のアンプの信号利得を制御するための制御信号を出力する利得制御部とを有するアンテナアンプについてのものである。
本発明では、複数のアンテナに対して、少なくとも1つの利得制御部から構成される。そして、この利得制御部は、いずれか1つのアンプから出力される信号の信号レベルを検
知することにより、複数のアンプの信号利得を制御するための制御信号を出力する。
従って、本発明によれば、1つの利得制御部により、複数のアンテナから受信される信号の利得をそれぞれ制御することができるため、部品点数を削減することができ、さらに、省スペース化を実現することができる。
また、アンプから出力される信号のための信号線を少なくとも1つの利得制御部に接続すればよく、以降、利得制御部から出力される制御信号のための信号線を引き回すことにより、雑音の影響を受けにくい回路を構成することができる。
また、本発明に係るアンテナアンプは、上記複数のアンプから出力される信号をそれぞれ受信し、受信された複数の信号それぞれについて、所定の信号レベルを満たすか否かを判断するレベル比較部と、このレベル比較部の判断結果に基づき、論理判断することにより、所定の信号レベルを有する信号を出力するレベル論理演算部とを更に有し、上記利得制御部は、上記レベル論理演算部から出力される信号に基づき、上記制御信号を出力する。
本発明では、複数のアンテナに対してそれぞれ設けられる各アンプから出力される信号がそれぞれ、レベル比較部に入力される。入力される信号毎に所定の信号レベルを満たすか否かが判断され、その結果についての論理判断により、所定の信号レベルを有する信号が出力される。以降、この信号を受けた利得制御部が、この信号に基づき、複数のアンプの利得を制御するための制御信号を出力する。
従って、本発明によれば、少なくとも1つの利得制御部により利得制御がなされるため、部品点数を削減することができる他、この利得制御部で、複数のアンテナからの信号の信号レベルについての論理判断により、利得制御の要否が判断されるため、厳密な利得制御が可能となる。
また、本発明に係るアンテナアンプは、上記レベル論理演算部は、上記レベル比較部の判断結果において、受信された複数の信号のいずれか1つでも所定の信号レベルを満たすものがあると判断されている場合に、上記所定の信号レベルを有する信号を出力する。
従って、本発明によれば、複数のアンテナからの信号のうち、1つでも所定の信号レベルを有する信号があるか否かにより、利得制御の要否が判断されるため、利得制御が掛かりやすくなり、確実な利得制御が可能となる。
また、本発明に係るアンテナアンプは、上記レベル論理演算部は、上記レベル比較部の判断結果において、受信された複数の信号のうち、全ての信号が所定の信号レベルを満たすと判断されている場合に、上記所定の信号レベルを有する信号を出力する。
従って、本発明によれば、複数のアンテナからの信号の全てが、所定の信号レベルを有しているか否かにより、利得制御の要否が判断されるため、利得制御が掛かり難くなり、確実な利得制御が可能となる。
また、本発明に係るアンテナアンプは、上記レベル論理演算部は、上記レベル比較部の判断結果において、受信された複数の信号のうち、所定の信号レベルを満たすと判断されている信号の方が多い場合に、上記所定の信号レベルを有する信号を出力する。
なお、本発明は、以上の何れかの機能を実現させるプログラムであってもよい。また、本発明は、そのようなプログラムをコンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録しても
よい。
本発明によれば、安定した信号レベルを保ちつつ、省部品化及び省スペース化を実現するアンテナアンプを提供することができる。
以下、図面を参照して、それぞれ本発明の実施形態に係るアンテナアンプ回路(以降、単に、アンテナアンプと表記する)について説明する。以下に述べる実施形態の構成は例示であり、本発明は以下の実施形態の構成に限定されない。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係るアンテナアンプについて、以下に説明する。
〔回路構成〕
まず、第一実施形態に係るアンテナアンプの回路構成について、図1を用いて説明する。図1は、第一実施形態に係るアンテナアンプの回路構成を示すブロック図である。
第一実施形態に係るアンテナアンプは、アンプ11、21及び31、自動利得制御回路(以降、AGC(Automatic Gain Control)と表記する)12、22及び32が、1枚の基板1の上に構成されている。本アンテナアンプは、複数のアンテナ素子10、20及び30、ヘッドユニット(以降、H/Uと表記する)100に接続される。例えば、本アンテナアンプが車載用システムとして利用される場合には、本アンテナアンプの基板1は、複数のアンテナ素子の近傍のどこかに設置される。なお、本実施形態では、3本のアンテナ素子に接続されるアンテナアンプの構成例を示しているが、アンテナ素子の数はこれに限定されるものではない。
アンプ11は、アンテナ素子10で受信される高周波信号の増幅を行い、増幅された信号をH/U100方向へ出力する。
AGC12は、信号レベルの検知機能を有し、アンプ11から出力された信号を一定の信号レベルとなるよう、アンプ11の利得を制御する。ここでいうAGC回路については、例えば、アンプからの出力信号に基づき、アンプの上流(図1に示すアンテナ素子10方向(左方向))に配置されるアッテネータ回路(以降、ATTと表記する)(図示せず)の信号減衰量を制御(フィードバック)することにより、アンプからの出力信号レベルを一定にするような回路であってもよい。なお、AGC回路は、上記回路に限定されるものではなく、アンプからの出力信号の信号レベルを一定にするようにアンプを制御するものであればどのような回路であってもよい。
H/U100は、チューナ等を含んだオーディオ機器本体である。AGC12により信号レベルが一定となるよう制御され、アンプ11から出力される信号は、H/U100に入力される。本実施形態におけるアンテナアンプは、H/U100の構成を限定するものではない。
このように、本実施形態におけるアンテナアンプでは、複数のアンテナそれぞれについて、アンプ及びAGCが設けられている。すなわち、アンテナ素子20については、アンプ21、AGC22が設けられ、アンテナ素子30については、アンプ31、AGC32が設けられている。
〈第一実施形態における作用/効果〉
上述のように第一実施形態におけるアンテナアンプでは、複数のアンテナのそれぞれについて、アンプ及びAGCが設けられ、1つの基板上で構成される。そして、各アンテナからの高周波信号の出力信号レベルが一定になるよう制御され、制御された信号がH/U100方向へ出力される。
これにより、複数のアンテナそれぞれの受信信号レベルに応じて、AGCが制御することにより、アンテナアンプとして一定の信号レベルの信号を出力することができる。また、それらを1つの基板上で構成することにより、車載の場合などのように設置スペースが制限されている場合においても、省スペース化を実現することができる。また、基板が複数存在するような場合の管理の煩雑さを解消することができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係るアンテナアンプについて、以下に説明する。
〔回路構成〕
第二実施形態に係るアンテナアンプの回路構成について、図2を用いて説明する。図2は、第二実施形態に係るアンテナアンプの回路構成を示すブロック図である。先に説明した第一実施形態に係るアンテナアンプと同一の構成については、同一番号を付している。第二実施形態に係るアンテナアンプでは、第一実施形態のアンテナアンプに、OR回路40が付加されている。
OR回路40は、AGC12、22及び32からのそれぞれの出力に基づき、論理和演算を行い、所定の出力を全アンプ11、21及び31にフィードバックする回路である。
更に詳しく説明すると、OR回路40は、更に、コンパレータ(図示せず)を有しており、AGC12、22及び32から出力される直流電圧を受けると、それらをそれぞれコンパレータに入力する。コンパレータは、入力された電圧が所定の基準電圧を満たす(HI)か、否か(LO)を検出する。OR回路40は、それぞれの入力電圧についてのコンパレータによる検出結果を元に、HIと検出された入力電圧がいずれか1つでもあった場合には、当該基準電圧を全てのアンプにフィードバックする。この結果、全てのアンプの利得が低下する。なお、OR回路40は、コンパレータによる検出結果を元に、LOと検出された入力電圧がいずれか1つでもあった場合に、フィードバックするようにしてもよい。
このように、OR回路40から出力される基準電圧により、アンプ11、21及び31の利得がそれぞれ制御される。
〈第二実施形態における作用/効果〉
上述のように第二実施形態におけるアンテナアンプでは、第一実施形態におけるアンテナアンプにOR回路40が付加され、1つの基板上で構成される。各AGCから出力される電圧はそれぞれ、OR回路40に入力され、入力された電圧がOR回路40によって論理和演算される。OR回路40は、各AGCからそれぞれ入力された電圧のうち、1つでも所定の基準電圧に対し、所定の条件を満たす電圧がある場合に、当該基準電圧を、全てのアンプにフィードバックする。
これにより、フィードバックされた基準電圧を元に、全てのアンプは利得制御を行う。
従って、上記所定の基準電圧は、利得制御要否の判断をするための値であると言える。すなわち、本アンテナアンプでは、全てのアンテナからの受信信号レベルから、1つでも利得制御が必要であると判断された信号があった場合に、利得制御が掛かるため、利得制
御が掛かりやすくなり、より確実な利得制御の有無を判断することができる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態に係るアンテナアンプについて、以下に説明する。
〔回路構成〕
第三実施形態に係るアンテナアンプの回路構成について、図3を用いて説明する。図3は、第三実施形態に係るアンテナアンプの回路構成を示すブロック図である。先に説明した第一実施形態に係るアンテナアンプと同一の構成については、同一番号を付している。第三実施形態に係るアンテナアンプでは、第一実施形態のアンテナアンプに、AND回路50が付加されている。
AND回路50は、AGC12、22及び32からのそれぞれの出力に基づき、論理積演算を行い、所定の出力を全アンプ11、21及び31にフィードバックする回路である。
更に詳しく説明すると、AND回路50は、更に、コンパレータ(図示せず)を有しており、AGC12、22及び32から直流電圧を受けると、それらをそれぞれコンパレータに入力する。コンパレータは、入力された電圧が所定の基準電圧を満たす(HI)か、否か(LO)を検出する。AND回路50は、それぞれの入力電圧についてのコンパレータによる検出結果を元に、全ての入力電圧についてHIと検出された場合に、当該基準電圧を全てのアンプにフィードバックする。この結果、全てのアンプの利得が低下する。なお、AND回路50は、コンパレータによる検出結果を元に、全ての入力電圧についてLOと検出された場合に、フィードバックするようにしてもよい。
このように、AND回路50から出力される基準電圧により、アンプ11、21及び31の利得がそれぞれ制御される。
〈第三実施形態における作用/効果〉
上述のように第三実施形態におけるアンテナアンプでは、第一実施形態におけるアンテナアンプにAND回路50が付加され、1つの基板上で構成される。各AGCから出力される電圧はそれぞれ、AND回路50に入力され、入力された電圧がAND回路50によって論理積演算される。AND回路50は、各AGCからそれぞれ入力された全ての電圧が、所定の基準電圧に対し、所定の条件を満たす場合に、当該基準電圧を、全てのアンプにフィードバックする。
これにより、フィードバックされた基準電圧を元に、全てのアンプは、利得制御を行う。
従って、本アンテナアンプでは、全てのアンテナからの受信信号レベルに基づき、それら全ての信号について利得制御が必要であると判断された場合に、利得制御が掛かる。よって、本アンテナアンプの構成では、利得制御が掛かりにくくなり、より確実な判断により利得制御を行うことができる。
〈第三実施形態の変形例〉
上述の第三実施形態では、各AGCから出力される直流電圧をAND回路50に入力することにより、所定の基準電圧に対し、それら全ての電圧が所定の条件を満たす場合に、当該基準電圧をフィードバックするとしているが、入力される電圧のうち、所定の条件を満たすものが満たさないものより多くなった場合に、当該基準電圧をフィードバックするようにしてもよい。また、上記判断を所定の論理演算に応じて行うようにしてもよい。
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態に係るアンテナアンプについて、以下に説明する。
〔回路構成〕
第四実施形態に係るアンテナアンプの回路構成について、図4を用いて説明する。図4は、第四実施形態に係るアンテナアンプの回路構成を示すブロック図である。先に説明した第一実施形態に係るアンテナアンプと同一の構成については、同一番号を付している。
第四実施形態に係るアンテナアンプは、第一実施形態のアンテナアンプと異なり、複数のアンテナ素子に対して、1つのAGC55により構成される。AGC55は、アンプ11から出力される信号レベルを検知し、その結果に応じた直流電圧を、全てのアンプ11、21及び31にフィードバックする。この結果、全てのアンプの利得が低下する。
〈第四実施形態における作用/効果〉
上述のように、第四実施形態におけるアンテナアンプでは、複数のアンテナ素子に対して、1つのAGC55により構成される。すなわち、AGC55は、アンプ11からの出力信号レベルを検知することにより、その結果に基づき、全てのアンプ11、21及び31の信号利得を制御する。
これにより、1つのAGCにより、複数のアンテナから受信される信号の利得をそれぞれ制御することができるため、部品点数を削減することができ、さらに、省スペース化を実現することができる。
また、アンプから出力される無線周波数信号(以降、RF信号と表記する)は、RF信号線が長くなればなるほど、雑音の影響を受けやすくなる。従って、アンプの直近に位置するAGCにより、当該RF信号が直流電圧に変換され、変換された直流電圧を流す電圧線を引き回すことにより、雑音の影響が受けにくい回路を構成することができる。
なお、このような1つのAGCで全てのアンテナの利得制御を行う構成は、例えば、車載システムにおいて複数のアンテナがリアウィンドウに設置されるような構成の場合、すなわち、各アンテナが接近して設置されており、各アンテナでそれぞれ受信される信号レベルの差があまり大きくならないような場合などに有効である。
[第五実施形態]
次に、本発明の第五実施形態に係るアンテナアンプについて、以下に説明する。
〔回路構成〕
第五実施形態に係るアンテナアンプの回路構成について、図5を用いて説明する。図5は、第五実施形態に係るアンテナアンプの回路構成を示すブロック図である。先に説明した第一実施形態に係るアンテナアンプと同一の構成については、同一番号を付している。第五実施形態に係るアンテナアンプでは、第一実施形態のアンテナアンプと異なり、複数のアンテナに対し、1つのAGC61と、OR回路60により構成される。
OR回路60は、アンプ11、21及び31から出力される信号に基づき、論理和演算を行い、その結果に基づき、所定の信号をAGC61に入力する回路である。
更に詳しく説明すると、OR回路60は、更に、レベル検出回路(図示せず)を有しており、アンプ11、21及び31から増幅された信号を受けると、それらをそれぞれレベル検出回路に入力する。レベル検出回路は、入力された信号が所定の基準信号レベルを満
たす(HI)か、否か(LO)を検出する。OR回路60は、それぞれのレベル検出回路による検出結果を元に、HIと検出された信号がいずれか1つでもあった場合には、当該基準信号レベルを有する信号をAGC61に入力する。なお、OR回路60は、レベル検出回路による検出結果を元に、LOと検出された信号がいずれか1つでもあった場合に、AGC61に入力するようにしてもよい。
このように、OR回路60から出力される、基準信号レベルを有する信号により、AGC61は、アンプ11、21及び31の利得を制御する。この結果、全てのアンプの利得が低下する。
〈第五実施形態における作用/効果〉
上述のように第五実施形態におけるアンテナアンプでは、複数のアンテナ素子にそれぞれ接続される各アンプから出力される信号はそれぞれ、OR回路60で論理和演算され、その結果が、AGC61に入力される。
AGC61では、入力信号のうち1つでも基準信号レベルを有する信号があると判断された場合に、当該基準信号レベルを有する信号に基づき、全てのアンプの利得が制御される。
これにより、1つのAGCにより利得制御ができるため、部品点数を削減することができる他、1つのAGCで、全てのアンテナからの信号のうち、1つでも基準信号レベルを有する信号があるか否かにより、利得制御の要否が判断されるため、利得制御が掛かりやすくなり、確実な利得制御が可能となる。
[第六実施形態]
次に、本発明の第六実施形態に係るアンテナアンプについて、以下に説明する。
〔回路構成〕
第六実施形態に係るアンテナアンプの回路構成について、図6を用いて説明する。図6は、第六実施形態に係るアンテナアンプの回路構成を示すブロック図である。先に説明した第五実施形態に係るアンテナアンプと同一の構成については、同一番号を付している。第六実施形態に係るアンテナアンプでは、第五実施形態のアンテナアンプのOR回路60の代わりに、AND回路70が用いられる。
AND回路70は、アンプ11、21及び31から出力される信号に基づき、論理積演算を行い、その結果に基づき、所定の信号をAGC61に入力する回路である。
更に詳しく説明すると、AND回路70は、更に、レベル検出回路(図示せず)を有しており、アンプ11、21及び31から増幅された信号を受けると、それらをそれぞれレベル検出回路に入力する。レベル検出回路は、入力された信号が所定の基準信号レベルを満たす(HI)か、否か(LO)を検出する。AND回路70は、それぞれのレベル検出回路による検出結果を元に、全ての信号がHIと検出された場合には、当該基準信号レベルを有する信号をAGC61に入力する。なお、AND回路70は、レベル検出回路による検出結果を元に、全ての信号がLOと検出された場合に、AGC61に入力するようにしてもよい。
このように、AND回路70から出力される、基準信号レベルを有する信号により、AGC61は、アンプ11、21及び31の利得を制御する。この結果、全てのアンプの利得が低下する。
〈第六実施形態における作用/効果〉
上述のように第六実施形態におけるアンテナアンプでは、複数のアンテナ素子にそれぞれ接続される各アンプから出力される信号はそれぞれ、AND回路70で論理積演算され、その結果が、AGC61に入力される。
AGC61では、全ての入力信号が基準信号レベルを満たすと判断された場合に、当該基準信号レベルを有する信号に基づき、全てのアンプの利得が制御される。
これにより、1つのAGCにより利得制御ができるため、部品点数を削減することができる他、1つのAGCで、全てのアンテナからの信号が、全て、基準信号レベルを満たしているか否かにより、利得制御の要否が判断されるため、利得制御が掛かりにくくなる一方で、慎重な利得制御が可能となる。
〈第六実施形態の変形例〉
上述の第六実施形態では、各アンプから出力される信号をAND回路70に入力することにより、それら全ての信号が、所定の基準信号レベルを満たすと判断された場合に、当該基準信号レベルを有する信号をAGC61に入力するとしているが、入力される信号のうち、所定の基準信号レベルを満たすものが満たさないものより多くなった場合に、当該基準信号レベルをAGC61に入力するようにしてもよい。また、上記判断を所定の論理演算に応じて行うようにしてもよい。
第一実施形態におけるアンテナアンプの回路構成を示す図である。 第二実施形態におけるアンテナアンプの回路構成を示す図である。 第三実施形態におけるアンテナアンプの回路構成を示す図である。 第四実施形態におけるアンテナアンプの回路構成を示す図である。 第五実施形態におけるアンテナアンプの回路構成を示す図である。 第六実施形態におけるアンテナアンプの回路構成を示す図である。
符号の説明
1 アンテナアンプ基板
10、20、30 アンテナ素子
11、21、31 アンプ
12、22、32、55、61 自動利得制御回路(AGC)
100 ヘッドユニット(H/U)
40、60 OR回路
50、70 AND回路

Claims (11)

  1. 複数のアンテナが受信する信号を増幅する車載用アンテナアンプにおいて、
    前記アンテナが受信する信号を増幅するアンプと、前記アンプから出力される信号の信号レベルに基づき、前記アンプの信号利得を制御するための制御信号を出力する利得制御部とを、前記複数のアンテナのそれぞれについて有し、
    前記アンプと前記利得制御部との複数の組み合わせを1枚の基板上に構成する車載用アンテナアンプ。
  2. 前記利得制御部から出力される前記制御信号を受信し、受信された複数の制御信号それぞれについて、所定の信号レベルを満たすか否かを判断する比較部と、
    前記比較部の判断結果を論理判断することにより、所定の制御信号を出力する論理演算部と、
    を更に有する請求項1に記載の車載用アンテナアンプ。
  3. 前記論理演算部は、前記比較部の判断結果において、受信された複数の制御信号のいずれか1つでも所定の信号レベルを満たすものがあると判断されている場合に、前記所定の制御信号を出力する、
    請求項2に記載の車載用アンテナアンプ。
  4. 前記論理演算部は、前記比較部の判断結果において、受信された複数の制御信号のうち、全ての信号が所定の信号レベルを満たすと判断されている場合に、前記所定の制御信号を出力する、
    請求項2に記載の車載用アンテナアンプ。
  5. 前記論理演算部は、前記比較部の判断結果において、受信された複数の制御信号のうち、所定の信号レベルを満たすと判断されている信号の方が多いと判断されている場合に、前記所定の制御信号を出力する、
    請求項2に記載の車載用アンテナアンプ。
  6. 前記利得制御部は、前記複数のアンテナに対し少なくとも1つ設けられ、アンテナ毎に設けられた前記アンプの少なくとも1つから出力される信号の信号レベルに基づき、複数の前記アンプの信号利得を制御するための制御信号を出力する、
    請求項1に記載の車載用アンテナアンプ。
  7. 複数のアンテナが受信する信号を増幅するアンテナアンプにおいて、
    前記複数のアンテナのそれぞれについて設けられ、当該アンテナが受信する信号を増幅するアンプと、
    アンテナ毎に設けられた前記アンプの少なくとも1つから出力される信号の信号レベルに基づき、複数の前記アンプの信号利得を制御するための制御信号を出力する利得制御部と、
    を有するアンテナアンプ。
  8. アンテナ毎に設けられた前記アンプから出力される信号をそれぞれ受信し、受信された複数の信号それぞれについて、所定の信号レベルを満たすか否かを判断するレベル比較部と、
    前記レベル比較部の判断結果を論理判断することにより、所定の信号レベルを有する信号を出力するレベル論理演算部と、
    を更に有し、
    前記利得制御部は、前記レベル論理演算部から出力される信号に基づき、前記制御信号
    を出力する、
    請求項7に記載のアンテナアンプ。
  9. 前記レベル論理演算部は、前記レベル比較部の判断結果において、受信された複数の信号のいずれか1つでも所定の信号レベルを満たすものがあると判断されている場合に、前記所定の信号レベルを有する信号を出力する、
    請求項8に記載のアンテナアンプ。
  10. 前記レベル論理演算部は、前記レベル比較部の判断結果において、受信された複数の信号のうち、全ての信号が所定の信号レベルを満たすと判断されている場合に、前記所定の信号レベルを有する信号を出力する、
    請求項8に記載のアンテナアンプ。
  11. 前記レベル論理演算部は、前記レベル比較部の判断結果において、受信された複数の信号のうち、所定の信号レベルを満たすと判断されている信号の方が多いと判断されている場合に、前記所定の信号レベルを有する信号を出力する、
    請求項8に記載のアンテナアンプ。
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