JP2004326922A - 情報処理装置、情報処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンテンツデータを連続して再生出力させるべき場合には、現在再生対象である現コンテンツデータの次に再生対象となる次コンテンツデータについてのフリンジ復調処理を、現コンテンツデータについての暗号化復号/復調処理の終了後となるタイミングで開始させる。そのうえで、フリンジ復調処理が通常範囲を越える時間長となる場合には、このフリンジ復調処理の対象となる暗号化コンテンツの1つ前のコンテンツが再生出力される期間内において、バッファ容量を通常よりも大きくなるように変更設定する。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばコンテンツ単位として扱われる単位データについて処理を実行する情報処理装置、及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年においては、例えばオーディオデータ又はビデオデータなどのAV(Audio,Video)コンテンツデータについて、さらに何らかの符号化を施して記録することが行われる。このような符号化の1つとして、所定方式による圧縮形式とするための圧縮符号化が広く知られている。コンテンツデータを圧縮符号化すれば、コンテンツ単位のデータサイズも小さくなるから、有限の記録媒体の記録容量を有効に使用することができる。また、ネットワークを介してのコンテンツデータのダウンロードも、より短時間で行うことができる。
また、符号化としては、暗号化を施すことも行われるようになってきている。このような暗号化は、一般に著作権保護を目的として行われる。つまり、暗号符号化されたコンテンツデータを再生するのにあたっては、このコンテンツデータの再生が許可される場合に応じてのみ、暗号解読のための鍵が与えられるようにされる。そして、この鍵を利用して暗号化についての復号処理を行うことで、再生出力することができるようになる。
【0003】
このようにして符号化されたコンテンツデータとしては、例えば複数のコンテンツデータ間で内容が連続性を有している場合がある。このような場合において、単に、連続するコンテンツを順次再生したのでは、それぞれコンテンツデータごとに完結した再生出力となってしまい、コンテンツデータの前後において再生出力の連続性を与えることができない。そこで、再生順的に前後となるコンテンツデータについて、再生出力の連続性が維持されるように符号化を施すようにされた技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−112341号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにして、複数のコンテンツデータの間での再生出力の連続性が与えられるようにした符号化技術の構成を採ったとしても、例えば、以下のような状況の場合には、再生出力の連続性を維持できなくなる場合がある。
【0006】
例えば、近年においては、上記したような暗号化及び圧縮符号化についての復号処理を、ソフトウェア処理として実行するように実行させる構成を採る場合がある。つまり、CPUなどが、復号処理のためのプログラムに従って処理を実行するものである。
【0007】
このような構成においては、例えば現在再生出力すべきコンテンツデータについての復号化処理を実行しているときに、CPUが、この複合化処理と併行して異なる他の処理を実行しなければならない場合がある。
ここで一般に、AVコンテンツデータの復号化処理は、CPUの占有率が高いとされる、重い処理である。そして、この復号化処理と併行して実行しなければならなくなった処理としても、相当にCPUの占有率が高い、重たい処理であったとする。
このような場合、例えばCPUに相当の負荷がかかり、再生出力の連続性を維持できない程度に復号化処理が遅くなってしまうようなことがある。このような状態では、例えばコンテンツデータ内であっても、再生出力が途切れてしまう状態が発生する可能性がある。
このような不都合に対応して、1つには、より高性能で処理能力の高いCPUを採用すればよいこととなるが、現状としては、例えばコストの問題から、システムに見合った処理能力のCPUを選定することが一般には行われる。従って、例えば上記したような再生出力の連続性を完全に保証できるレベルの処理能力が、実際のシステムに対応しては過剰であるような場合には、性能保証とコスト的なバランスが崩れるので、必ずしも好ましいことではない。
つまり、或る一定の処理能力のCPUを使用している条件の下では、復号化処理を実行している際において、例えばCPUの占有率が一定以下となるような構成を与えることが好ましいということになる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は上記した課題を考慮して、情報処理装置として次のように構成する。
つまり、1つの単位データを再生出力する場合に実行すべき処理として、所定の符号化方式によって符号化された単位データを復号する復号処理と、復号処理の開始以前のタイミングで実行すべきものとされ、単位データの再生に関連して必要となる所定の処理である復号前処理とを、少なくとも実行する単位データ対応処理手段と、復号処理によって得られた復号データが書き込まれて一時蓄積される蓄積手段と、この蓄積手段に蓄積されている復号データを連続的に読み出して、再生出力用データとして出力する出力手段と、蓄積手段のデータ容量を変更するデータ容量変更手段とを備える。
そして、単位データ対応処理手段は、単位データを連続して再生出力させるべき場合には、現在再生出力対象とされている単位データの次に再生出力対象となる単位データについての復号前処理を、現在再生出力対象とされている単位データについての復号処理の終了後となるタイミングで開始するようにされる。
また、データ容量変更手段は、現在再生出力対象とされている単位データについての復号データが蓄積手段に蓄積される動作が終了する時点を含む所定期間内において、次に再生出力対象となる単位データについての復号前処理に要するとされる処理時間長に応じて蓄積手段のデータ容量を変更するように構成することとした。
【0009】
また、情報処理方法としては次のように構成することとした。
つまり、1つの単位データを再生出力する場合に実行すべき処理であり、所定の符号化方式によって符号化された上記単位データを復号する復号処理と、1つの単位データを再生出力する場合に実行すべき処理であり、復号処理の開始以前のタイミングで実行すべきものとされ、単位データの再生に関連して必要となる所定の処理である復号前処理と、復号処理によって得られた復号データが書き込まれて一時蓄積される蓄積領域から、蓄積されている復号データを連続的に読み出して、再生出力用データとして出力する出力処理と、蓄積領域のデータ容量を変更するデータ容量変更処理とを実行するものとされる。
そして、単位データを連続して再生出力させるべき場合には、現在再生出力対象とされている単位データの次に再生出力対象となる単位データについての復号前処理を、現在再生出力対象とされている単位データについての復号処理の終了後となるタイミングで開始するようにされる。
また、これと共に、データ容量変更処理は、現在再生出力対象とされている単位データについての復号データが蓄積領域に蓄積される動作が終了する時点を含む所定期間内において、次に再生出力対象となる単位データについての復号前処理に要するとされる処理時間長に応じて蓄積領域のデータ容量を変更するようにされる。
【0010】
上記各構成によると、単位データを再生出力させるのにあたり、少なくとも、符号化された単位データを復号する復号処理と、この復号処理の実行開始前において、その単位データの再生に関連して必要とされる復号前処理とを実行するようにされている。そして、復号処理後の単位データは一時蓄積された後に再生出力されるようになっている。
そして、このような単位データの再生出力のための処理が行われることを前提として、複数の単位データを連続して再生出力させる場合においては、先ず、現在再生出力対象とされている単位データの次に再生対象となっている単位データのための復号前処理を、現在再生出力されている単位データのための復号処理の終了後のタイミングで開始するようにされている。
これは即ち、現在再生出力対象とされている単位データの復号処理と、その次に再生出力対象とされている単位データの復号前処理とを、同時に併行して実行させないようにしていることを意味する。
【0011】
そして、上記した構成を採ることによっては、次に再生出力対象とされている単位データの復号前処理は、現在再生出力対象とされている単位データの復号処理の終了後において、蓄積手段(蓄積領域)に蓄積されている復号処理後の単位データを再生出力用データとして出力する処理と共に実行されることになる。
そこで、本発明では、現在再生出力対象とされている単位データについての復号データが蓄積手段(蓄積領域)に蓄積される動作が終了する時点を含む所定期間内において、次に再生出力対象となる単位データについての復号前処理に要するとされる処理時間長に応じて、上記蓄積手段(蓄積領域)のデータ容量を変更するようにしている。これは、次に再生出力対象となる単位データについての復号前処理に要する処理時間に応じて、蓄積手段(蓄積領域)に蓄積される復号処理後の単位データの蓄積量、つまり、再生出力を継続可能な時間長をコントロールしていることを意味する。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1のブロック図は、本発明の実施の形態としての情報処理装置が適用される記録再生装置1の構成例を示している。
CPU(Central Processing Unit)11は、起動されたプログラムに基づいて記録再生装置1の全体の制御、演算処理を行う。例えばネットワークを介した通信動作、ユーザーに対する入出力動作、メディアからのコンテンツ再生やリッピング、HDD21へのコンテンツ記憶やそのための管理などを行う。
CPU11はバス12を介して各回路部との間で制御信号やデータのやりとりを行う。
【0013】
ROM13は、CPU11が実行すべき動作プログラム、プログラムローダーや、各種演算係数、プログラムで用いるパラメータ等が記憶される。
また、RAM20には、CPU11が実行すべきプログラムが展開される。また、CPU11が各種処理を実行する際において必要となるデータ領域、タスク領域としても用いられる。そして、本実施の形態では、このようなデータ領域、タスク領域の1つとして、バッファエリア20aとしての領域が確保される場合がある。このバッファエリア20aは、例えば、メディアドライブ19に装填されたメディア又はHDD21などから読み出したコンテンツデータを再生出力させる際において、デコード処理後のコンテンツデータが一時蓄積される領域とされる。
なお、以降の説明を単純なものとするために、本実施の形態の記録再生装置1が対応して記録再生可能なコンテンツデータとしては、オーディオのコンテンツデータであることとする。
【0014】
操作入力部15は、記録再生装置1の筐体に設けられた操作キーやジョグダイヤル、タッチパネルなどの各種操作子などから成る部位である。なお、GUI(Graphical User Interface)操作のためのキーボードやマウスが操作入力部15として設けられてもよい。また、操作入力部15としては、リモートコントローラとされてもよい。
操作入力部15で入力された情報は入力処理部14において所定の処理が施され、CPU11に対して操作コマンドとして伝送される。CPU11は入力された操作コマンドに応答した機器としての動作が得られるように、所要の演算や制御を行う。
【0015】
ディスプレイモニタ17としては、例えば液晶ディスプレイなどの表示デバイスが接続され、各種情報表示が行われる。
CPU11が各種動作状態や入力状態、通信状態に応じて表示情報を表示処理部16に供給すると、表示処理部16は供給された表示データに基づいてディスプレイモニタ17に表示動作を実行させる。
例えば本実施の形態の場合であれば、リッピングされたオーディオファイルを再生管理するプログラムに従っては、オーディオファイルを管理、再生するためのGUI画面が表示される。
【0016】
この場合のメディアドライブ19は、所定のメディアに対応して少なくとも再生が可能なドライブとされる。もちろんのこと、所定メディアに対応して、再生だけではなく、記録が可能なドライブとされても良い。
また、この場合のメディアドライブ19が対応するメディアとしては、特に限定されるべきものではないが、例えばCD、DVD、ミニディスクなどの各種光学ディスク状記録媒体とされても良い。あるいは、フラッシュメモリなどのメモリ素子により構成されたメディアとされてもよい。また、メディアドライブとしては、例えばこれらの各種メディアに対応した各種のドライブが個々に設けられてバス12と接続される構成とされてもよいものである。
【0017】
例えばユーザーが操作入力部15に対する操作によって、メディアドライブ19による再生指示を行った場合は、CPU11は、メディアドライブ19に対してメディアに対する再生を指示する。これに応じて、メディアドライブ19は、装填されているメディアから、指定されたデータにアクセスして読み出しを実行する。
【0018】
このようにして読み出されたデータが、オーディオコンテンツである場合には、必要に応じてCPU11の処理によってデコード処理等が施された後、オーディオ入出力処理部24に転送される。オーディオ入出力処理部24においては、イコライジング等の音場処理や音量調整、D/A変換、増幅等の処理が施され、スピーカ部25から出力される。
【0019】
またメディアドライブ19にて再生されたデータは、CPU11の制御によって、HDD21にオーディオデータファイルとして蓄積することもできる。つまり、いわゆるリッピングにより得たオーディオデータファイルをコンテンツとして記憶させることができる。
なお、このオーディオデータファイルの形式としては、CDフォーマットにおけるサンプリング周波数44.1KHzで16ビット量子化のデジタルオーディオデータとされてもよいし、HDD21の容量を節約するために、所定方式にしたがって圧縮処理が施された形式の圧縮オーディオデータとされてもよい。また、圧縮方式としても限定されるものではないが、ATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding)方式やMP3(MPEG Audio Layer III)方式などを採用することができる。
【0020】
チューナ部27は、例えばAM・FMラジオチューナとされ、CPU11の制御に基づいて、アンテナ26で受信された放送信号を復調する。もちろんテレビチューナや衛星放送チューナ、デジタル放送チューナなどとしてのチューナでもよい。
復調された放送音声信号は、オーディオデータ処理部24において所要の処理が施され、スピーカ部25から放送音声として出力される。
【0021】
通信処理部22は、CPU11の制御に基づいて送信データのエンコード処理、受信データのデコード処理を行う。
ネットワークインターフェイス23は、通信処理部22でエンコードされた送信データをネットワークを介して所定の外部ネットワーク対応機器に送信する。またネットワークを介して外部ネットワーク対応機器から送信されてきた信号を通信処理部22に受け渡す。
通信処理部22は受信した情報をCPU11に転送する。
【0022】
なお、記録再生装置1の構成は、この図1の構成に限られるものではなく、更に多様に考えられる。
例えばUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、Bluetoothなどの通信方式による周辺機器とのインターフェースが設けられるようにしてもよい。そして、上記ネットワークインターフェイス23によりネットワークを介してダウンロードしたオーディオのコンテンツデータや、上記USB、IEEE1394などのインターフェイスを経由して転送されてきたオーディオのコンテンツデータについても、HDD21に対して記憶させることができる。
またマイクロホンや外部のヘッドホンの接続に用いられる端子や、DVD再生時に対応するビデオ出力端子、ライン接続端子、光デジタル接続端子等が設けられてもよい。
またPCMCIAスロット、メモリカードスロットなどが形成され、外部の情報処理装置やオーディオ機器とデータのやりとりが可能とされてもよい。
【0023】
上記図1による説明から理解されるように、本実施の形態の記録再生装置1は、オーディオのコンテンツデータについて、音声として再生出力することが可能とされる。例えば、メディアドライブ19に装填されたメディアにコンテンツデータが記録されていれば、このメディアから読み出したコンテンツデータについての再生出力を行うことができる。また、HDD21に記憶されているコンテンツデータについての読み出しを行って再生出力させることができる。
【0024】
そのうえで、本実施の形態としては、所定の圧縮符号化方式により圧縮符号化されたうえで、さらに所定の暗号化方式により暗号化が施されたオーディオのコンテンツデータ(以下、単に「暗号化コンテンツ」ともいう)について、音声として再生出力することが可能に構成されている。
【0025】
ここで、本実施の形態においては、オーディオデータである暗号化コンテンツごとに対して、フリンジデータといわれる、オーディオデータ以外の関連データが付随される。このようなフリンジデータとしては、例えば、対応する暗号化コンテンツについてのアルバムジャケットとしての画像データ、アーティストのプロフィール、ライナーノーツ、歌詞等を表示するための画像データ、若しくはテキストデータなどを挙げることができる。
そして、このようなフリンジデータは、オーディオデータである暗号化コンテンツと対応付けが行われて管理されたうえで、これらオーディオデータである暗号化コンテンツのファイルとは個別のファイルとして記憶されているものである。また、これらのフリンジデータは、例えば1つの暗号化コンテンツに対して、アルバムジャケットのデータ、歌詞のデータなどのようにして、複数が対応付けられてもよいものである。
さらに、これらのフリンジデータとしても、例えば画像データであれば、所定の画像圧縮方式によって圧縮された形式とされており、さらに暗号符号化もほどこされているものとする。
【0026】
暗号化コンテンツを再生するのに伴い、フリンジデータをデコードしておけば、暗号化コンテンツが音声として再生出力されるときに、アルバムジャケットの画像や、歌詞などの画像を、ディスプレイモニタ17に表示出力させることが可能になる。
【0027】
このような、フリンジデータが付随する暗号化コンテンツを、音声として再生出力するための処理シーケンスについて、図2を参照して説明する。図2には、1つの暗号化コンテンツを再生出力する場合が示されている。また、ここでは説明を簡単にするために、再生対象の暗号化コンテンツが記憶されているのはHDD21であることとする。
但し、以降説明する本実施の形態としての暗号化コンテンツの再生処理は、例えばメディアに記録された暗号化コンテンツをメディアドライブ19により読み出して再生する場合や、ネットワークを介して取得した暗号化コンテンツを再生する場合など、本実施の形態の記録再生装置1により暗号化コンテンツを再生する場合全般に適用できるものである。
【0028】
HDD21に記憶された再生対象の暗号化コンテンツをデコードするのに先立っては、フリンジデータについての暗号化の復号、及び圧縮符号化についての復調(伸長)処理(以降、フリンジ復調処理という)を実行する。
このフリンジ復調処理は、暗号化コンテンツ再生のためのプログラムに従って、CPU11が実行する。つまり、フリンジ復調処理は、ハードウェアによるのではなく、ソフトウェアにより実行される。なお、暗号化コンテンツ再生のためのプログラムは、HDD21にインストールされるようにして記憶されており、このプログラムを実行すべきときには、HDD21から読み出されてRAM20に展開されることになる。
【0029】
この際の処理としては、HDD21に対して、目的のフリンジデータの読み出しを指示する。これに応じて、HDD21からは、フリンジデータが読み出されてバス12を介してCPU12に対して転送されてくることになる。CPU12は、先ず、転送されてきたデータについて、RAM20を作業領域として利用して、暗号化復号のための処理を実行する。暗号化が解かれたフリンジデータは、例えば圧縮符号化された画像形式となっているので、この圧縮符号化に対応した伸長処理を実行する。そして、このようにして復調された状態のフリンジデータを例えばRAM20に保持させておくようにされる。
【0030】
フリンジデータの表示出力は、本実施の形態では、例えば暗号化コンテンツの音声再生の開始と同時に行われるべきものとされる。しかしながら、フリンジデータのデコード処理は、CPU11にとっては比較的重い処理であることから、暗号化コンテンツの暗号化復号/復調処理と同時に実行したとしても、この復号化された暗号化コンテンツの音声再生出力の開始タイミングに間に合わせることが難しい。
このために、本実施の形態では、暗号化コンテンツのデコードに先立ってフリンジデータをデコードしておくようにされる。フリンジデータがデコード処理後のものである場合、これを表示させるためには、例えば、表示処理部16に対してフリンジデータを転送するだけでよい。従って、暗号化コンテンツの音声再生出力タイミングに同期させて、デコード後のフリンジデータを表示処理部16に転送すれば、暗号化コンテンツの音声再生出力の開始と同時にフリンジデータを表示出力させることが可能になる。
【0031】
そして、上記したフリンジ復調処理が完了したとされると、続いては、HDD21から読み出されて逐次転送されてくる暗号化コンテンツについて、暗号化復号/復調処理を実行していくようにされる。
暗号化復号/復調処理も、暗号化コンテンツ再生のためのプログラムに従って、CPU11が実行するもので、転送されてきた暗号化コンテンツのデータについて、所定の処理データ単位ごとに暗号化についての復号処理を実行する。そして、この暗号の復号処理によって得られた、暗号化の解かれたコンテンツデータについて、圧縮符号化方式に従った復調処理(伸長処理)を実行する。これにより、伸長処理後のデジタルオーディオデータが得られることになる。
このようにして、暗号化復号/復調処理により得られたデジタルオーディオデータとしてのデータ列は、バッファ書き込み処理によって、順次、バッファエリア20aを分割して形成されるバッファに対して書き込みが行われていく。
【0032】
ここで、暗号化復号/復調処理は、暗号化コンテンツについて、実際に暗号化を解き、伸長処理を施すことで、デジタルオーディオデータを復調する処理である。つまり、暗号符号化及び圧縮符号化についての復号を行う処理である。これに対して、フリンジ復調処理は、これ自体は、オーディオとしてのコンテンツデータではないが、コンテンツデータを再生出力させるのにあたって付随して必要となる情報を復調するための処理であるということになる。
【0033】
ここで、本実施の形態としては、バッファエリア20aにおいて複数のバッファを設けることとしている。ここでは、3つのバッファ1,2,3を備えた例を示している。また、ここでは、これら複数のバッファの各々は同じデータ容量が割り与えられているものとする。また、実際においては、これらの各バッファは、リングバッファとして構成される。
【0034】
このような場合におけるバッファ書き込み処理としては次のようにして実行するものとなる。
暗号化復号/復調処理が開始される以前の段階では、バッファ1,2,3は全て空きの状態にあるが、暗号化復号/復調処理が開始されて、バッファにデータを書き込むべきタイミングとなると、例えば、先ずバッファ1に対してデータを書き込んでいくようにされる。そして、バッファ1におけるデータ蓄積量が一杯になったとされると、続いては、バッファ2にデータを書き込んでいくようにされ、さらにバッファ2におけるデータ蓄積量が一杯になったのであれば、バッファ3にデータを書き込んでいくようにされる。なお、確認のために述べておくと、バッファへのデータの書き込みは、バッファに対する読み出しよりも高速なデータレートによって行われる。また、このようにして、バッファ1,2,3に書き込まれて蓄積されていったデータは、通常であれば、時間軸的に連続性を有していることになる。つまり、再生出力音としては連続性が得られているものである。
【0035】
上記のようにして、バッファ1から書き込みが開始され、次のバッファ2,3への書き込みが順次実行されている過程において、例えばバッファ1に対して一定以上のデータが蓄積される状態となると、バッファエリア20aに対するメモリ読み出しとして、このバッファ1に最初に蓄積されたデータから、所定のデータレートによる読み出しが開始される。
【0036】
そして、バッファ読出処理としては、バッファ1に蓄積されたデータを全て読み出したとされると、続いては、バッファ2に蓄積されたデータの読み出しを実行し、さらにバッファ2に蓄積されたデータを全て読み出したのであれば、バッファ3からのデータ読み出しを行う。
一方、バッファ書き込み処理として、バッファ3までの書き込みが完了した後は、上記のようにしてデータの読み出しが完了して空きとなったバッファ1に戻って、書き込みを行っていくようにされる。以降においては、同様にして、順次、読み出しが完了して空きとなったバッファ2、バッファ3に対してデータの書き込みを実行していくようにされる。
【0037】
つまり、バッファ1,2,3に対する書き込み処理としては、バッファ1,2,3の順で繰り返すようにして、空き状態のバッファにデータの書き込みを所定のデータレートによって行うようにされる。
そして、バッファ1,2,3に対する読み出し処理としては、バッファ書き込み処理によって一定量以上のデータが蓄積されるのに対応した時間分遅延するようにして、バッファ1,2,3の順で、書き込みよりも低速なデータレートによって読み出しを行っていくようにされる。
このようなバッファ1,2,3に対する書き込み/読み出しの処理によると、いわゆるメモリのアンダーフローが生じない限りは、バッファ1,2,3の少なくともいずれかにおいて、データが蓄積されている状態にあるようにされる。これにより、再生データの連続性が得られるようにしている。また、このような読み出し動作である場合、バッファ書き込み処理としては、全てのバッファにおいてデータが蓄積されている状態ではデータ書き込みを待機し、書き込み順的に書き込みを行うべきバッファが空になったら、データ書き込みを開始するようにされる。つまり、少なくともバッファ書き込み処理については、間欠的な動作となる場合がある。
【0038】
上記したようなバッファに対する書き込み/読み出しの処理に対応して、バッファからのデータの読み出しの開始に同期しては、再生出力系転送処理が開始されることになる。
この再生出力系転送処理も、暗号化コンテンツ再生のためのプログラムに従って、CPU11が実行するものであり、バッファから読み出したデータを、再生出力のために、再生信号処理系(再生出力系)に対して転送するための処理となる。
この場合の再生信号処理系(再生出力系)は、図1においてはオーディオデータ処理部24となる。再生出力系転送処理としては、オーディオデータ処理部24において再生出力すべきオーディオデータの連続性が保証されるように、所要のデータレートによって、バッファから読み出したデータをバス12を介して転送していくことになる。
ここで、バッファ書き込み処理は、暗号化復号/復調処理により得られるデジタルオーディオデータをバッファに書き込む処理であり、バッファ読出処理により読み出されたデータは、再生出力系転送処理によってオーディオデータ処理部24に転送される。従って、暗号化復号/復調処理と再生出力系転送処理とは同時に併行して実行されている期間が存在する。
【0039】
オーディオデータ処理部24では、上記のようにしてバッファから読み出されたデジタルオーディオデータが連続的に入力されてくることになる。そして、このようにして入力されてくるデジタルオーディオデータについて、D/A変換処理を含む所定の信号処理を実行することで、最終的にスピーカ25から音声として出力するようにされる。ここで、オーディオデータ処理部24に入力されるデジタルオーディオデータが連続性を保っている限り、スピーカ25から出力されるコンテンツの音声としても連続性が得られることになる。
【0040】
なお、図2には示していないが、フリンジ復調処理によって復調されたフリンジデータを再生出力(表示出力)するための表示処理部16に対するデータ転送処理は、上記したオーディオデータのための再生出力系転送処理とほぼ同時となる開始タイミングにより実行されればよい。
【0041】
上記図2による説明から理解されるように、1つの暗号化コンテンツを再生出力するのにあたって、CPU11が暗号化コンテンツ再生のためのプログラムに従って実行すべき基本的な処理(暗号化コンテンツ対応再生処理)としては、
フリンジ復調処理(ここでは表示出力のための転送処理を含む)
暗号化復号/復調処理
再生出力系転送処理
の3つであるということがいえる。そして、フリンジ復調処理は、例えばコンテンツに対応するアルバムジャケットの画像などに代表されるフリンジデータを復調する処理であるが、この場合の仕様としては、コンテンツとしての音声の再生出力が開始されるまでには、フリンジデータについて、表示などの再生出力が可能な状態にデコードしておくこととしている。従って、この場合のフリンジ復調処理は、必然的に暗号化復号/復調処理の前段階において実行されるべきものとなる。つまり、1コンテンツを対象とした場合において、フリンジ復調処理と暗号化復号/復調処理とは同時に実行されることはなく、フリンジ復調処理→暗号化復号/復調処理の実行順が守られるべきものとなる。ただし、暗号化復号/復調処理と再生出力系転送処理については、前述もしたように同時に併行して実行される場合がある。
なお、ここではバッファエリア20aのバッファに対する書き込み処理は、暗号化復号/復調処理に付随するものであることとし、また、読み出し処理は再生出力系転送処理に付随するものであることとする。
【0042】
上記図2に示した1つの暗号化コンテンツについての暗号化コンテンツ対応再生処理のシーケンスを前提として、暗号化コンテンツを連続して再生する場合における、暗号化コンテンツ対応再生処理について、図3のタイミングチャートを参照して説明する。
ここでは暗号化コンテンツとして、コンテンツAからコンテンツ再生を開始して、続いてコンテンツBを連続的に再生する場合を例に挙げる。
【0043】
例えばコンテンツAの再生を開始すべき指示が得られたとされると、先ず、時点t1において、コンテンツAを対象としたフリンジ復調処理を実行することになる。
ここで、フリンジ復調処理に要する時間は、復調対象となるフリンジデータに応じて異なってくるものとされる。例えば、本実施の形態におけるフリンジデータについての画像サイズ、解像度は、特に統一化されていない。このため、個々のフリンジデータについては、その画像サイズ、解像度等に応じて復調処理に要する時間は異なってくる。
また、1つの暗号化コンテンツに対応して付随されるフリンジデータの数は、複数の場合もあると先に述べたが、1コンテンツに対応させるべきフリンジデータの数も特に規定されてはいないから、付随するフリンジデータとしてのファイル数も暗号化コンテンツごとに異なる。従って、復調処理すべきフリンジデータの数によっても、フリンジ復調処理に要する時間長は異なってくるものである。
【0044】
この場合においては、時点t1から或る時間経過した時点t2においてコンテンツA対象のフリンジ復調処理が終了したとされる。この時点t2からコンテンツA対象の暗号化復号/復調処理を開始するようにされる。
コンテンツA対象の暗号化復号/復調処理が実行開始されるのに応じては、復調処理によって得られたデジタルオーディオデータをバッファエリア20aのバッファに蓄積させていく動作も開始され、或る時間を経過すると、バッファにおける蓄積容量が一定以上となって、読み出し可能な状態となる。このタイミングが時点t3として示されている。
これにより、時点t3から、コンテンツA対象の再生出力系転送処理が開始される。つまり、バッファから読み出したデジタルオーディオデータを再生出力系であるオーディオデータ処理部24に対して転送する処理である。
コンテンツAとしての再生音の出力は、この時点t3に対応して開始されるものとなる。
【0045】
例えば、コンテンツAとしての符号化データについての暗号化復号/復調処理は、時点t4にて完了する。この時点t4において、暗号化復号/復調処理により得られたコンテンツAのデジタルオーディオデータのバッファへの書き込みも終了するが、このとき、バッファには、未だ読み出しが行われていないデジタルオーディオデータが蓄積されている状態にある。
このため、時点t4以降においても、バッファに蓄積されているデータが全て読み出されるまでは、コンテンツA対象の再生出力系転送処理は継続される。そして、この場合には、時点t6において、コンテンツA対象の再生出力系転送処理が終了しており、これに対応して、時点t6においてコンテンツAとしての再生出力音も終了するものとされる。このことから、コンテンツAが再生出力される再生出力期間としては、時点t3〜時点t6の期間ということになる。
【0046】
また、コンテンツAに連続して次に再生されるべきコンテンツBを対象とする暗号化コンテンツ対応再生処理は、次のようにして実行する。
コンテンツA,Bの順で連続再生するには、コンテンツB対象の再生出力系転送処理の開始タイミングを、コンテンツA対象の再生出力系転送処理の終了タイミングと連続させる必要がある。つまり、この場合には、図示もしているように、時点t6からコンテンツB対象の再生出力系転送処理を開始させる必要がある。
このため、コンテンツB対象の暗号化復号/復調処理は、時点t6からのバッファからの読み出し処理が開始されることを保証するために、時点t6を基点として、所定量のデジタルオーディオデータの蓄積に要する時間分前のタイミングの時点t5から開始すべきものとなる。
従って、コンテンツB対象のフリンジ復調処理は、この時点t5よりも前の段階において実行する必要がある。
【0047】
そこで、この図3に示す場合には、このような場合の処理シーケンスとして、コンテンツB対象のフリンジ復調処理について、コンテンツAの暗号化復号/復調処理が終了するのに続けて実行するようにしている。つまり、図においては、コンテンツAの暗号化復号/復調処理が時点t4において終了しているが、コンテンツB対象のフリンジ復調処理については、この時点t4から開始させることとしているものである。
このコンテンツBのフリンジ復調処理は、コンテンツB対象の暗号化復号/復調処理が開始される時点t4までに終了されるべきものとなる。
【0048】
ところで、コンテンツB対象のフリンジ復調処理を実行開始するタイミングとしては、例えば、コンテンツA対象のフリンジ復調処理の終了直後とすることも考えられる。つまり、図3において破線で括ったフリンジ復調処理として示すように、時点t2から開始させるものである。
これは、フリンジ復調処理については、現在再生対象となっている暗号化コンテンツのフリンジ復調処理に続けて、次に再生対象となる暗号化コンテンツのフリンジ復調処理を実行することを意味している。このようなフリンジ復調処理の処理タイミングであっても、フリンジ復調処理としては、その暗号化コンテンツの暗号化復号/復調処理の前段階で完了させておくことができる。
【0049】
しかしながら、ここで留意すべきことは、暗号化コンテンツ対応再生処理の実際として、フリンジ復調処理、暗号化復号/復調処理、及び再生出力系転送処理のうち、フリンジ復調処理及び暗号化復号/復調処理については、それぞれ、比較的CPU11の占有率が高い重い処理となることである。これに対して、再生出力系転送処理は、バッファから読み出されたデジタルオーディオデータを、バス12を介して転送させる指示を行うだけであるので、CPU11の占有率が低い軽い処理となる。
【0050】
例えば上記したように、現在再生対象となっている暗号化コンテンツのフリンジ復調処理に続けて、次に再生対象となる暗号化コンテンツのフリンジ復調処理を実行すべきこととした場合、時点t2以降において、コンテンツA対象の暗号化復号/復調処理と、コンテンツB対象のフリンジ復調処理とが同時に併行して実行される期間が生じてしまう。この期間では、CPU11としては、共にCPU占有率が高いとされる2つの処理を同時に実行していることになり、実際のCPU占有率としても相当に高くなっていることになる。
このようなCPU11の処理状況となるときには、例えば、CPU11の性能にも依るが、同時実行される処理について遅れが生じるような可能性もでてくる。これにより、例えば、コンテンツA対象の暗号化復号/復調処理が必要とされる処理速度を維持できずに、バッファにアンダーフローを生じさせ、結果として再生出力の音声が途切れるなどの、不都合を生じる可能性が出てくる。
【0051】
また、本実施の形態の記録再生装置1としては、例えば暗号化コンテンツ再生以外にも、他のアプリケーションのプログラムが実行される場合がある。例えば、本実施の形態の記録再生装置1としてはネットワーク接続機能を有しているから、この機能を利用した、例えばWebブラウザであったり、電子メール送受信のためのメーラーなどのアプリケーションをHDD21にインストールしておくことで、これらのアプリケーションを必要に応じて起動させて実行させることが可能とされる。
そして、例えば暗号化コンテンツの再生処理プログラムと、上記したような他のアプリケーションプログラムを実行させているようなときに、図3の期間t2〜t4に示すようなCPU占有率の高い状態が生じたとすると、この場合には、さらに上記したような再生出力音声の途切れが生じる可能性が高くなる。あるいは、逆に他のアプリケーションプログラムの動作が重くなって緩慢な状態となることも考えられる。
【0052】
このようにして、例えば暗号化コンテンツ対応再生処理のための処理シーケンスについて、CPU占有率が高いとされる重い処理が併行して実行されることは、結果的に機器の動作に好ましくない影響を及ぼしてしまうという不都合を招く。
【0053】
そこで、本実施の形態では、コンテンツB対象のフリンジ復調処理については、コンテンツAを対象とする暗号化復号/復調処理の終了時点である時点t4から開始されるようにしているものである。
つまり、本実施の形態では、次に再生されるべきコンテンツを対象とするフリンジ復調処理については、現在再生出力中のコンテンツを対象とする暗号化復号/復調処理に続けて実行させるように、プログラムのアルゴリズムを構成するものである。
【0054】
このような処理シーケンスによるコンテンツBを対象とするフリンジ復調処理は、コンテンツAを対象とする暗号化復号/復調処理が完了した後において、同じコンテンツAを対象とする再生出力系転送処理により、バッファに蓄積されているデジタルオーディオデータを読み出して再生出力している期間を利用して実行されることになる。
なお、この図では、コンテンツB対象のフリンジ復調処理は、コンテンツB対象の暗号化復号/復調処理が開始される時点t5において完了していることになっているが、これは、コンテンツB対象のフリンジ復調処理が、遅くとも時点t5に終了すればよいことを示している。例えば実際においては、このコンテンツB対象の暗号化復号/復調処理の開始時点よりも前の時点で終了されて良い。
【0055】
そして、このような処理シーケンスであれば、暗号化コンテンツを連続して再生出力する場合において、CPU占有率の高い暗号化復号/復調処理とフリンジ復調処理とが同時に実行される期間をなくすことができる。これにより、暗号化コンテンツの再生に対応したCPUの最大占有率を、これまでよりも大幅に低くすることができる。
これによって、例えばCPU占有率が高くなって、再生出力の連続性が維持できなくなるような不都合な動作を回避できる。また、例えば他のアプリケーションを同時に実行するときにも、CPUの能力に余裕を与えることが可能となる。
【0056】
ところで、上記したことから理解されるように、図3に示した本実施の形態としての、次に再生されるべき次コンテンツを対象とするフリンジ復調処理の実行タイミングの設定は、暗号化復号/復調処理されたデジタルオーディオデータをバッファに一時蓄積するという動作が実行されることを前提として可能とされているものである。
つまり、現在再生中の現コンテンツの暗号化復号/復調処理の終了時から、次のコンテンツのための暗号化復号/復調処理が開始されるまでの期間は、即ち、バッファに蓄積されているデジタルオーディオデータを読み出して再生出力する期間となる。この期間は、現コンテンツについての暗号化コンテンツ対応再生処理として、現コンテンツを対象とする再生出力系転送処理のみが実行され、暗号化復号/復調処理が実行されない期間であるから、この期間において、次のコンテンツを対象とするフリンジ復調処理を実行させることとしているものである。
【0057】
従って、この次コンテンツを対象とするフリンジ復調処理の終了と、次のコンテンツの連続再生が適正に行われるようにするには、現コンテンツの暗号化復号/復調処理が終了した時点以降において、バッファに蓄積されているデジタルオーディオデータを読み出して再生出力を終了させるまでの時間長として、フリンジ復調処理に要するとされる時間よりも長くなるようにされていればよいことになる。
本実施の形態としても、通常考えられるフリンジデータの復調に要する時間長を前提とすれば、次コンテンツを対象とするフリンジ復調処理の終了と、次のコンテンツの連続再生とが保証されることを考慮して、バッファエリア20aにおける各バッファの容量が設定されているものである。
【0058】
また、これまでの説明から理解されるように、暗号化コンテンツの音声再生は、フリンジ復調処理の後において暗号化復号/復調処理が開始され、バッファに一定量以上のデータが蓄積された後に、バッファ読出処理を含む再生出力系転送処理が開始されるのに応じて開始される。つまり、バッファに所定以上のデータが蓄積されるまでの期間は、再生が開始されない待機期間が生じる。
【0059】
本実施の形態では、コンテンツ再生の開始に対応したバッファからのデータ読み出しの開始は、例えばバッファ1,2,3の3つのバッファが備えられている場合であれば、最初のバッファ1の全容量にデータを書き込んだことを以て、一定以上のデータが蓄積されたとみなし、バッファからの読み出しを開始することとしている。従って、バッファ1,2,3の容量を多くすれば、それだけ蓄積量も多くなるのではあるが、再生開始までの待機時間も長くなるので、この点で好ましいことではない。
そこで、本実施の形態としては、上記したように、
1.通常考えられるフリンジ復調処理の処理時間長を前提として、次コンテンツを対象とするフリンジ復調処理の終了と、次のコンテンツの連続再生とが保証されること、
2.再生開始までの待機時間が、実使用上問題とならない程度に収まるようにすること、
という、これらの2つの条件を考慮して、通常のバッファ1,2,3の容量を設定している。
【0060】
しかしながら、フリンジデータの内容、数によっては、フリンジ復調処理に要する時間長が、通常とされる範囲を越えてしまう場合がある。このような場合、通常のバッファ1,2,3の容量では、前者の条件を保証することができなくなり、現コンテンツと次のコンテンツとの間での再生出力の連続性が維持できなくなる可能性がある。
この点について、図4及び図5を参照して説明する。
【0061】
先ず、図4には、暗号化コンテンツA,Bを連続再生する場合に、少なくとも、コンテンツAの次に再生されるべきコンテンツBのフリンジデータについては、処理時間が通常として考えられる長さとされており、適正にコンテンツA,Bが連続再生される場合を示している。なお、この図において、読み出し処理として、バッファ1,2,3において白抜きのバーで示す部分が、読み出しが実行されている期間を示す。また、書き込み処理として、バッファ1,2,3において黒色のバーとして示す部分が、書き込みが実行されている期間を示す。
【0062】
この場合において、先ず、時点t1〜時点t2の期間によりコンテンツAを対象とするフリンジ復調処理が実行され、時点t2以降からコンテンツAを対象とする暗号化復号/復調処理が実行開始されている。このコンテンツAを対象とする暗号化復号/復調処理の開始に応じては、バッファ1に対して書き込みが行われる。そして、このバッファ1に対する書き込みが時点t3において完了している。以降の暗号化復号/復調処理に伴っては、順次バッファ2,3に対して書き込みを実行していき、またバッファ1に戻って書き込みを繰り返していくという、バッファ書き込み処理のシーケンスとなる。
また、バッファ1に対する書き込みが時点t3において完了したのに応じて、この時点t3から、コンテンツを対象とする再生出力系転送処理が開始されており、同じ時点t3からバッファ1に対する読み出し処理が実行される。バッファ読み出し処理としても、既にデータが蓄積されているバッファ2,3に対して順次読み出しを実行し、バッファ1に戻って読み出しを実行していくようにされる。
【0063】
ただし、前述もしているように、バッファに対する書き込み速度は、読み出し速度よりも高速とされている。従って、バッファに対する書き込み/読み出しが正常に実行されていくことによっては、例えば、或るバッファに対する読み出しが実行されているときには、他のバッファにデータがほぼ定常的に蓄積されているような状態が得られることになる。
【0064】
そしてここで、例えば時点t4に示すタイミングで、コンテンツAを対象とする暗号化復号/復調処理が終了して、コンテンツAとしてのデジタルオーディオデータのバッファへの書き込みも、例えばバッファ3への書き込みを以て終了したとする。
この場合、時点t4に至るまでにおいてバッファ1に対するデータ読み出しが実行されていたとすると、時点t4を経過した後においては、バッファ2とバッファ3にデータが蓄積されている状態が得られていることになる。従って、時点t4以降における再生出力系転送処理によっては、先ず、バッファ2から読み出したデータを転送して再生出力させ、続いてバッファ3から読み出したデータを転送して再生出力させることになる。
ここで、例えば通常のバッファ2の記憶容量に対応する単位再生時間が、図示しているようにしてTsに相当するものであるとすると、時点t4にてコンテンツAの暗号化復号/復調処理が終了した後において、この単位再生時間Ts×2で表される時間分、再生出力系転送処理によってコンテンツAの読み出しが可能とされていることになる。
【0065】
そして、時点t4においては、コンテンツを対象とする暗号化復号/復調処理が終了したのであるから、この時点t4から、コンテンツBを対象とするフリンジ復調処理が開始されることになる。
この場合のコンテンツB対応のフリンジ復調処理に要する時間は、概ね1つのバッファ蓄積容量に対応する単位再生時間Tsよりは長いが、単位再生時間Ts×2よりも短いとされる処理時間であったとする。
このため、上記コンテンツBを対象とするフリンジ復調処理は、上記単位再生時間Ts×2に相当する時点t4〜時点t6の期間内における時点t5において終了されることになる。
そして、この場合には、時点t5からコンテンツBの暗号化復号/復調処理を開始させることで、コンテンツAの再生期間が終了する時点t6から、コンテンツBを対象とする再生出力系転送処理を開始させている。つまり、時点t6からコンテンツBの音声再生を開始させており、これによりコンテンツA,Bの連続再生動作が得られていることが分かる。
【0066】
これに対して、通常のバッファ容量を設定してコンテンツA,Bを連続再生するのにあたり、コンテンツB対象のフリンジ復調処理に要する処理時間が通常範囲を越えて長くなったような場合には、図5のような再生処理となる場合がある。
この場合においても、先ず、期間t1〜t2によりコンテンツAを対象とするフリンジ復調処理が実行されている。そして、これに続けて、時点t2からコンテンツAを対象とする暗号化復号/復調処理が開始されており、図4の場合と同様にして時点t4にて完了している。
【0067】
この場合にも、時点t4に至った時点では、バッファ2とバッファ3にデータが蓄積されている状態が得られている。そして、時点t4以降における再生出力系転送処理によっては、先ず、バッファ2から読み出したデータを転送して再生出力させ、続いてバッファ3から読み出したデータを転送して再生出力させることになる。従って、この場合の時点t4以降におけるコンテンツA対象の再生出力系転送処理は、時点t4から単位再生時間Ts×2だけの時間が経過した、時点t6において終了する。そして、この時点に応じて、コンテンツAの再生音出力も停止されることになる。この点については、図4の場合と同様である。
【0068】
しかしながら、この場合においては、コンテンツBに対応するフリンジデータの復調処理は、通常範囲を越える処理時間を要するものとされている。このため、時点t4から開始されるコンテンツB対象のフリンジ復調処理の終了時点である時点t5は、この場合には、コンテンツA対象の再生出力系転送処理が終了する時点t5よりも後となっている。
【0069】
コンテンツB対象の暗号化復号/復調処理は、コンテンツB対象のフリンジ復調処理の終了後でなければ実行開始できない。このため、コンテンツB対象の暗号化復号/復調処理は、コンテンツB対象のフリンジ復調処理が終了する時点t5から開始されることになり、コンテンツB対象の再生出力系転送処理は、さらに、この時点t5から一定時間経過した時点t6aから開始されることになる。つまり、コンテンツBの再生音の出力は、時点t6aから開始されることになる。
【0070】
このような動作となる結果、コンテンツA対象の再生出力系転送処理が終了する時点t6から、コンテンツB対象の再生出力系転送処理が開始される時点t6aまでの期間において、非再生期間が生じることになる。つまり、コンテンツA,Bを連続再生することができなくなっている。
【0071】
このようにして、フリンジ復調処理に要する時間が通常範囲を越えて長くなった場合には、バッファに蓄積されている前のコンテンツデータの読み出しが終了して音声再生出力が停止しても、フリンジ復調処理を実行するような状況となって、コンテンツの連続再生が行えなくなるという不都合が生じる場合がある。
【0072】
そこで、本実施の形態としては、上記のようにして、暗号化コンテンツを連続再生する場合において、次に再生対象となる暗号化コンテンツを対象とするフリンジ復調処理の処理時間が通常範囲を越えて長いことで、通常のバッファ容量設定では連続再生が保証できないとされる場合においては、通常よりも大きいとされる所要のバッファ容量(以降、「長時間処理対応バッファ容量」ともいう)を設定することとする。
このようなバッファ容量の設定変更は、CPU11の制御によって、RAM20内のバッファエリア20aにおけるバッファ1,2,3の各領域設定を変更することで実現できる。つまり、通常のバッファ容量として、バッファ1,2,3の各々について、容量A分の領域割当を行うとすれば、長時間処理対応バッファ容量を設定する際には、バッファ1,2,3の各々について、容量Aよりも大きい所定の容量B分の領域割当を行うようにするものである。
【0073】
図6のタイミングチャートは長時間処理対応バッファ容量を設定して、図5の場合と同様に、再生時間が短いコンテンツAに続けてコンテンツBを再生した場合の動作を示している。
この場合においても、期間t1〜t2によるコンテンツA対象のフリンジ復調処理に続けて、時点t2から暗号化復号/復調処理が開始される。そして、この暗号化復号/復調処理に伴って、同じ時点t2以降において、バッファ1から書き込みが開始されている。ここでバッファ1,2,3の各々は、通常よりも大きな容量が設定されているので、バッファ1への書き込み終了に要する時間も長くなっていることが分かる。これにより、実際に、時点t2から、コンテンツA対象の再生出力系転送処理が開始される時点t3までの時間長としても、図6に示す期間t2〜t3よりも長いものとされている。つまり、再生開始時において実際に音声が再生出力開始されるまでの待機時間は長くなる。
【0074】
この場合においては、例えばコンテンツA対象の暗号化復号/復調処理が終了した時点t4の段階では、バッファ1,2,3のうち、バッファ3にのみデータが蓄積されている状態が示されている。従って、時点t4以降においては、コンテンツA対象の再生出力系転送処理に伴い、バッファ3に蓄積されたデータを読み出して再生出力させる動作が実行されることになる。そして、この動作は、バッファ3の容量に応じた再生時間TLの期間長によって実行されることになる。ここで、単位再生時間TLは、長時間処理対応バッファ容量に対応しているから、通常のバッファ容量に対応する単位再生時間Tsよりも長くなっている。
【0075】
つまり、長時間処理対応バッファ容量が設定されることによっては、暗号化復号/復調処理が終了した時点から、さらに再生出力系転送処理が終了するまでの期間が、延長されることになる。つまり、図6における期間t4〜t6としての時間幅は、図5における期間t4〜t6よりも長いものとなっている。
この場合においても、時点t4から実行されるコンテンツB対象のフリンジ復調処理は、図5の場合とほぼ同様の時間長を経過した時点t5にて終了することとなるが、上記のようにして、期間t4〜t6が延長されていることで、コンテンツB対象のフリンジ復調処理の終了する時点t5は、コンテンツA対象の再生出力系転送処理が終了する時点t6よりも前となっている。
そして、この場合にはコンテンツB対象のフリンジ復調処理が終了した時点t5から、コンテンツB対象の暗号化復号/復調処理が開始されており、この時点t5から一定時間経過した時点t6において、コンテンツB対象の再生出力系転送処理が開始されている。つまり、コンテンツA対象の再生出力系転送処理の終了直後にコンテンツB対象の再生出力系転送処理が開始されており、これによって、コンテンツA,Bの連続再生が可能となっているものである。
このようにして、通常よりも大きな所要のバッファ容量が設定されることで、フリンジ復調処理に通常以上の時間を要するような場合にも、再生音声の連続性が保たれることが理解される。
【0076】
これまでの説明のようにして、本実施の形態では、通常のバッファ容量と、長時間処理対応バッファ容量との2つのバッファ容量の間での切り換えが行われることになる。そして、このようなバッファ容量の切り換えは、例えば暗号化コンテンツ再生プログラムに従ってCPU11が実行すべきものとなる。
つまり、CPU11が、現在再生対象であるとされる暗号化コンテンツの次に再生対象となっているコンテンツデータのフリンジデータに対する復調処理に要する処理時間が通常範囲内であると認識した場合には、通常のバッファ容量を設定することとしている。このときには、例えば図4により説明したようにして連続再生される暗号化コンテンツについての再生音の連続性を保つことができる。
これに対して、次に再生対象となる暗号化コンテンツのフリンジデータの処理に要する時間が通常範囲を越える程度に長いと認識した場合においては、長時間処理対応バッファ容量に切り換えるようにされる。これにより、図6に示したように、再生時間の短い暗号化コンテンツを再生するときにも、連続性が確保できる。
【0077】
なお、フリンジデータの処理時間が通常範囲内であるか、あるいは通常範囲を越えるものであるのかの判定にあたっては、例えば、フリンジデータに付加されたヘッダなどに格納される情報から、フリンジデータの内容、データサイズ、圧縮符号化などの形式などを認識し、これらの認識結果から、そのフリンジデータについての処理時間を推定する処理を実行させればよい。
【0078】
また、フリンジデータの処理時間に応じたバッファ容量の変更は、図6に示した例では、そのフリンジデータが対応する暗号化コンテンツに対して再生順が1つ前となる暗号化コンテンツのデータをバッファリング開始するタイミングで行われるべきものとしているが、これはあくまでも一例である。
フリンジデータの処理時間が通常範囲を越える場合にも対応して、コンテンツの連続再生を可能とするには、遅くとも、例えば前の暗号化コンテンツを再生中であっても、このフリンジデータの処理を開始する一定時間前から、長時間処理対応バッファ容量に切り換えられていればよいということがいえる。
そこで、フリンジデータが対応する暗号化コンテンツに対して再生順が1つ前となる暗号化コンテンツのデータを再生出力している途中であっても、フリンジデータの処理が開始される所定時間前なるしかるべきタイミングで、記憶容量が空きとなったバッファから、順次、容量切り換えを行っていくようにすることも考えられる。
また、フリンジデータの処理時間について判定を行うタイミングについては、バッファ容量を変更すべきタイミングより以前における所定のタイミングで実行されさえすれば、特に限定されるべきものではないということがいえる。
【0079】
また、本発明としては上記実施の形態としての構成に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態としての説明では、バッファ容量の切り換えを2段階で行っていることになるが、例えば、フリンジデータの処理に要する時間に応じて、3段階以上のバッファ容量の切り換えが行われるように構成してもよいものである。
【0080】
また、例えば、上記実施の形態では、バッファは、RAM20におけるバッファエリア20aとしての領域において、バッファ1,2,3の各領域サイズの割り当てを行うことで形成されるようにしている。
しかしながら、例えば、RAM20とは別に、バッファとして機能するメモリ素子を設ける構成とされても構わない。そして、このような場合においては、通常のバッファ容量に対応するバッファ1,2,3としての容量を有するメモリ素子と、長時間処理対応バッファ容量に対応するバッファ1,2,3としての容量を有するメモリ素子とを個別に設けるようにすることも考えられる。そして、バッファ書き込み/読み出し処理として、通常のバッファ容量を設定する場合には、前者のメモリ素子に対する書き込み/読み出しを実行し、長時間処理対応バッファ容量を設定する場合には、後者のメモリ素子に対する書き込み/読み出しを実行するように構成してもよい。このような構成であっても、本発明としてのデータ蓄積手段の容量を変更する動作が得られているものである。
【0081】
また、上記実施の形態では、再生対象となるコンテンツに対して行われる符号化としても、圧縮符号化及び暗号符号化に限定される必要はない。これに伴って、コンテンツの復号処理と、この復号処理に対応する復号前処理の実際としては、適宜変更されて良い。
また、符号化されるコンテンツとしては、オーディオデータ以外にも、例えばビデオデータなどとされてよい。
【0082】
また、上記実施の形態における本発明としての動作を実現するのは、CPU11が実行すべきプログラムであるとして説明した。このようなプログラムは、例えばHDD21、又はROM13にインストールされるようにして格納されるものである。
あるいは、プログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magnet Optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
例えば、本実施の形態であれば、メディアドライブ19が対応するメディアなどにプログラムを記録し、パッケージソフトウェアとして提供することができる。これにより、記録再生装置1では、メディアドライブ19によりメディアからプログラムを読み出し、HDD21やROM13に記憶させることでインストールできる。また、このようなパッケージソフトウェアとすることで、例えば汎用のパーソナルコンピュータにも、本発明が適用されたシステムのプログラムをインストールすることは可能になる。
また、プログラムは、上記のようなリムーバブルな記録媒体からインストールする他、プログラムを記憶しているサーバなどから、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードすることもできる。
【0083】
さらには、例えば本発明が適用された機能を後から追加するためのアップデートプログラムを構成し、このアップデートプログラムをパッケージメディアとして配布したり、ネットワーク上で配布するようにすることも考えられる。ユーザは、このアップデートプログラムを入手して、既存のシステムがインストールされている環境に対して、このアップデートプログラムをインストールすればよい。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、情報処理として、単位データ(コンテンツデータ)についての復号処理(暗号化復号/復調処理)と、この復号処理の開始以前のタイミングで実行すべき処理であり、その単位データの再生に関して必要となる復号前処理とを実行することとしている。
そして、単位データを連続して再生出力させるべき場合には、現在再生出力対象とされている単位データの次に再生対象となる単位データについての復号前処理を、現在再生出力対象とされている単位データについての復号処理の終了後となるタイミングで開始させることとしている。上記次に再生対象となる単位データについての復号前処理は、蓄積手段に蓄積されたデータの読み出しによって、この現在再生出力対象とされる単位データの再生出力が継続される間に実行されることになる。
この構成によっては、先ず、現在再生対象とされる単位データについての復号処理と、次に再生対象となる単位データについての復号前処理が同時併行して実行される期間は存在しないことになる。これにより、復号前処理と復号処理が同時実行されることに依る処理負担の増加は無いこととなって、例えば復号処理が適正な速度で実行されることを保証できる。
そのうえで、現在再生出力対象とされている単位データについての復号データが蓄積手段に蓄積される期間内において、次に再生出力対象となる単位データについての復号前処理に要するとされる処理時間長に応じて、蓄積手段のデータ容量を変更するようにしている。
これによって、復号前処理に要するとされる処理時間長に応じて、復号処理終了後における単位データの再生出力継続時間も変更することができる。つまり、例えば復号前処理に要する処理時間が相当に長いような場合でも、蓄積手段のデータ容量の変更によって、上記処理時間に応じた単位データの再生出力継続時間が得られるものであり、これにより、単位データの連続再生を維持することが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としての記録再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態における暗号化コンテンツの再生処理を概要的に示す説明図である。
【図3】実施の形態としての暗号化コンテンツを連続再生する場合の処理シーケンスを示すタイミングチャートである。
【図4】通常のバッファ容量設定により、通常範囲内の処理時間によるフリンジ復調処理を含んで暗号化コンテンツを連続再生する場合の再生処理動作例を示すタイミングチャートである。
【図5】通常のバッファ容量設定により、通常範囲外の処理時間によるフリンジ復調処理を含んで暗号化コンテンツを連続再生する場合の再生処理動作例を示すタイミングチャートである。
【図6】長時間処理対応バッファ容量の設定により、通常範囲外の処理時間によるフリンジ復調処理を含んで暗号化コンテンツを連続再生する場合の再生処理動作例を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 記録再生装置、11 CPU、12 バス、13 ROM、14 操作入力部、15 入力処理部、16 表示処理部、17 ディスプレイモニタ、18CDドライブ制御部、19 メディアドライブ、20 RAM、21 HDD、22 通信処理部、23 ネットワークインターフェイス、24 オーディオデータ処理部、25 スピーカ、26 アンテナ、27 チューナ
Claims (2)
- 1つの単位データを再生出力する場合に実行すべき処理として、所定の符号化方式によって符号化された上記単位データを復号する復号処理と、上記復号処理の開始以前のタイミングで実行すべきものとされ、単位データの再生に関連して必要となる所定の処理である復号前処理とを、少なくとも実行する単位データ対応処理手段と、
上記復号処理によって得られた復号データが書き込まれて一時蓄積される蓄積手段と、
上記蓄積手段に蓄積されている復号データを連続的に読み出して、再生出力用データとして出力する出力手段と、
上記蓄積手段のデータ容量を変更するデータ容量変更手段とを備え、
上記単位データ対応処理手段は、
上記単位データを連続して再生出力させるべき場合には、現在再生出力対象とされている単位データの次に再生出力対象となる単位データについての上記復号前処理を、現在再生出力対象とされている単位データについての復号処理の終了後となるタイミングで開始すると共に、
上記データ容量変更手段は、
上記現在再生出力対象とされている単位データについての復号データが上記蓄積手段に蓄積される動作が終了する時点を含む所定期間内において、上記次に再生出力対象となる単位データについての上記復号前処理に要するとされる処理時間長に応じて、上記蓄積手段のデータ容量を変更するようにされている、
ことを特徴とする情報処理装置。 - 1つの単位データを再生出力する場合に実行すべき処理であり、所定の符号化方式によって符号化された上記単位データを復号する復号処理と、
1つの単位データを再生出力する場合に実行すべき処理であり、上記復号処理の開始以前のタイミングで実行すべきものとされ、単位データの再生に関連して必要となる所定の処理である復号前処理と、
上記復号処理によって得られた復号データが書き込まれて一時蓄積される蓄積領域から、蓄積されている復号データを連続的に読み出して、再生出力用データとして出力する出力処理と、
上記蓄積領域のデータ容量を変更するデータ容量変更処理と、を実行するものとされ、
上記単位データを連続して再生出力させるべき場合には、現在再生出力対象とされている単位データの次に再生出力対象となる単位データについての上記復号前処理を、現在再生出力対象とされている単位データについての上記復号処理の終了後となるタイミングで開始するようにされていると共に、
上記データ容量変更処理は、
上記現在再生出力対象とされている単位データについての復号データが上記蓄積領域に蓄積される動作が終了する時点を含む所定期間内において、上記次に再生出力対象となる単位データについての上記復号前処理に要するとされる処理時間長に応じて、上記蓄積領域のデータ容量を変更する、
ことを特徴とする情報処理方法。
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