JP2004326351A - Icカード及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ICモジュールを構成する補強板の変形を抑止して、良好なカード表面品質を維持できるICカード及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】アンテナ基板19上のICチップ14が封止樹脂15,17を介して一対の補強板16,18で挟持された構造のICモジュール11において、補強板16とアンテナ基板19との間に、ICチップ14の周囲を囲むスペーサ28を配置することにより、ICチップ14の周囲における封止樹脂15の層厚差を軽減し、これによって封止樹脂15の硬化反応の進行の一様化を図り、熱収縮の寸法ムラの発生を抑えて、補強板の変形を抑止する。
【選択図】 図3
【解決手段】アンテナ基板19上のICチップ14が封止樹脂15,17を介して一対の補強板16,18で挟持された構造のICモジュール11において、補強板16とアンテナ基板19との間に、ICチップ14の周囲を囲むスペーサ28を配置することにより、ICチップ14の周囲における封止樹脂15の層厚差を軽減し、これによって封止樹脂15の硬化反応の進行の一様化を図り、熱収縮の寸法ムラの発生を抑えて、補強板の変形を抑止する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICカード及びその製造方法に関し、更に詳しくは、ICチップが封止樹脂を介して一対の補強板で挟持された構造のICモジュールを有するICカード及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
非接触ICカードは、非接触でリーダーライタとICカード間のデータの交換を行うシステムである。両者の通信は電磁誘導の原理に基づいているものが代表的で、その構成部品は、データ演算、記憶、蓄積を行うためのICチップ(半導体チップ)と、データをやり取りするのに必要となるアンテナの働きをするコイルとからなっている。
【0003】
また一般に、ICカードはメンテナンスを行わなくても済むようにするため、ICカード内部に電池を設けておらず、受信した電磁波から駆動に必要な電力を得るように構成されている。したがって、ICカードは、電磁波をできるだけ効率良く受信する必要がある。
【0004】
さて、上述した非接触ICカードの構成部品であるICチップとアンテナとの接合には様々な方法があるが、なかでも一般的に行われているのがフリップチップボンディングと呼ばれる方法で、半導体ベアチップを直接アンテナ基板上に実装するものである。このアンテナ基板は、絶縁性フィルム材でなるフレキシブル基板上にアンテナを平面内でコイル状に巻回して構成されている。
【0005】
フリップチップボンディング法は、ワイヤレスボンディング法のひとつの形態で、ICチップ表面のバンプと呼ばれる突起電極がアンテナ基板上の電極パターンに直接接するように実装することで、最短の配線と、極めて薄い実装厚を実現することができる。
【0006】
また、使用時にはカード本体への曲げ等の応力や衝撃が加わることとなるため、実使用において機能不全を起こさぬようにICチップ実装部をエポキシ等の樹脂を用いて封止し、その上から補強板を配置して強度を確保した構造のICモジュールを形成するのが一般的である(例えば下記特許文献1参照)。
【0007】
図16〜図18は、従来の非接触ICカードのICモジュール7の概略構成を示している。従来のICモジュール7は、アンテナ基板1上に実装されたICチップ2の上に、封止樹脂層3を介して補強板5が貼着され、また、アンテナ基板1のIC非実装面側も同様に、封止樹脂層4を介して補強板6が貼着されて構成されている。
【0008】
このような構成の従来のICモジュール7の製造工程は、先ず、アンテナ基板1上にICチップ2がフリップチップボンディングの形態で実装される。次いで、ICチップ2の表面側及び裏面側にエポキシ等の熱硬化性樹脂でなる封止樹脂3,4を適量塗布した後、補強板5,6を貼着する。そして、アンテナ基板1を熱硬化炉へ装填し、封止樹脂3,4を加熱硬化させることによって、ICモジュール7の製造工程完了とされる。その後、製造したICモジュールを複数枚のカード構成用プラスチックシートで挟み込むことによってICカード化される。
【0009】
補強板5,6としては、例えばステンレス等の金属板が用いられ、カード完成後、ICモジュール7の搭載部位に加わる曲げ応力に対して実用上充分な強度が確保される。また、IC実装部が補強板5,6により平坦化されることにより、チップ搭載部位の薄厚化が図られ、規定のカード厚(例えば0.76mm±0.08mm)を満足させることが可能となる。
【0010】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献としては、以下のものがある。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−366922号公報
【特許文献2】
特開2001−34727号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のICモジュール7の構成においては、封止樹脂3,4の加熱硬化の際、補強板5,6の表面にICチップ2の輪郭が浮かび上がるほどの補強板5,6の変形が生じる場合があった。この補強板5,6の変形は、封止樹脂3,4の熱収縮によるものと考えられるものの、熱硬化の温度、時間などの条件変更では解決できず、また、カード厚み規格を考慮すると、補強板5,6自体を厚くすることも困難であった。
【0013】
上述のような補強板5,6の変形は、カード化された後においても、カード表面に視認できる状態で存在し、カード外観を損ねる要因の1つとされている。
【0014】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、ICモジュールを構成する補強板の変形を抑止して、良好なカード表面品質を維持できるICカード及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するに当たり、本発明者による鋭意検討の結果、封止樹脂の熱硬化時における補強板の変形は、ICチップの周囲における封止樹脂層の層厚の変化を原因とする熱収縮の寸法ムラによって発生するとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0016】
すなわち本発明のICカードは、補強板とアンテナ基板との間に、ICチップの周囲を囲むスペーサを配置したことを特徴としている。上記補強板は、ICチップの周囲における封止樹脂層の層厚差を軽減する役割を果たし、これによって封止樹脂の硬化反応の進行の一様化を図り、熱収縮の寸法ムラの発生を抑えて、補強板の変形を防止する。
【0017】
スペーサは、上述のように、補強板に変形を生じさせるような封止樹脂層の熱収縮の寸法ムラを軽減する目的で配置されるので、このような目的が達成される限り、その形状や大きさ、厚さ等は特に限定されず、補強板の形状や大きさ、厚さ等に応じて適宜選定される。
【0018】
スペーサは、ICチップの周囲に形成される補強板とアンテナ基板との間の隙間に介装されるものであるので、補強板の外形に対して過度に大きく構成されると、補強板とアンテナ基板との間の樹脂量が減少し接着強度等の信頼性に影響を及ぼすことになるので、スペーサは、例えば、ICチップと共に封止樹脂層により封止される程度の大きさで構成される。
【0019】
また、スペーサは、ICチップの周囲に存在する封止樹脂材料の層厚差に起因する熱収縮の寸法ムラを軽減する目的で配置されるものであるので、当該封止樹脂材料の熱硬化工程において軟化しない、すなわち、封止樹脂材料の熱硬化温度でも形状保持できる程度の耐熱性を有する材料で構成されるのが好ましい。
【0020】
一方、本発明のICカードの製造方法は、ICチップをアンテナ基板上にフリップチップ実装する工程と、ICチップの周囲を囲むスペーサをアンテナ基板上に配置する工程と、ICチップ及びスペーサの上に封止樹脂を介して補強板を貼着する工程と、封止樹脂を加熱硬化させる工程とを経て製造されるICモジュールを具備したことを特徴とする。
【0021】
これにより、ICモジュールを構成する補強板の変形を抑止して、カード表面の外観品質を損ねずにICカードを製造することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
(第1の実施の形態)
図1〜図6は本発明の第1の実施の形態を示している。
ここで、図1は本実施の形態における非接触ICカード(以下「ICカード」という。)10の側断面図、図2はICカード10の内部に介装されているICモジュール11のチップ封止前の状態を示す平面図、図3はICモジュール11の構成を説明する断面図、図4はICモジュール11の構成を説明する分解斜視図、図5は同側断面図、図6は本発明に係るスペーサ28の全体斜視図である。
【0024】
図1を参照して、複数枚の熱可塑性プラスチックシートを溶着してなるコア層12には、ICモジュール11が介装されている。図1においてコア層12の上面には、例えば印刷シートとしての外装シート22と、可逆性感熱記録層23および保護層24からなるリライトシート25が順に積層されている。また、コア層12の下面には、例えば印刷シートとしての外装シート21が積層されている。
【0025】
ICモジュール11は、アンテナ基板19と、このアンテナ基板19を構成するアンテナコイル26に接続されるICチップ14と、ICチップ14を封止する封止樹脂15と、封止樹脂15を介してICチップ14の直上に設けられる補強板16とを備えている。また、アンテナ基板19のIC非実装面側(図1において上面側)のIC実装部にも、封止樹脂(接着剤)17を介して補強板18が設けられている。
【0026】
アンテナ基板19は、絶縁性フィルム20の上にアンテナコイル26を平面内で巻回して構成される(図2)。絶縁性フィルム20の構成材料としては、例えば、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類などが適用可能である。アンテナコイル26は、銅、アルミニウム、金、銀等の電気的導通を示す全ての金属箔や線状体、あるいは上記金属を蒸着やめっきなどの手法を用いて絶縁性フィルム20上に形成された導体層をパターンエッチング処理することによって形成される。
【0027】
図3は、図1に示すICモジュール11の上下を反転して示す拡大図である。ICチップ14とアンテナ基板19との間の接続方法は、フリップチップボンディング法が採用されている。フリップチップボンディング法は、ICチップ14の能動面(図3において下面側)に設けられた図示しない突起電極(バンプ)とアンテナ基板19とを、これまた図示しない異方性導電接着フィルム(ACF)又は異方性導電接着剤(ACP)を介してフェイスダウン方式に接続されるボンディング法である。
なお、異方性導電接着層は、接着剤樹脂中に導電性粒子を分散させてなるもので、厚み方向にのみ導電性を有するものである。
【0028】
封止樹脂15,17としては、1液性又は2液性エポキシ系、ウレタン系、フェノール系などの熱硬化性の樹脂が使用できる。特に本実施の形態では公知慣用のエポキシ樹脂が用いられている。
【0029】
なお、これら封止樹脂15,17中には、熱硬化時の体積収縮を緩和するためのフィラーや中空粒子、薄片を単体あるいは複合化させたものを適量分散させてもよい。
【0030】
補強板16,18は、例えば、ICチップ14の最も長尺寸法値を直径とした円以上の大きさの円形または略円形としたものが用いられる。補強板16,18の構成材料としては、ステンレス鋼や炭素鋼等の鉄合金系材料が用いられるが、銅系合金やニッケル系合金、アルミニウム系合金等の非鉄金属材料も適用することができる。
【0031】
なお、補強板16,18の厚さとしては、用いられる材料等に応じて適宜選定され、目的とする強度が得られ且つカード厚を規格範囲に収めるために、例えば30μm以上100μm以下とされる。
【0032】
次に、コア層12は、図3に示すICモジュール11を上下に挟み込むことによって当該ICモジュール11を内部に介装した複数枚のプラスチックシート材の積層体で構成されている。これらのプラスチックシート材としては、例えば、テレフタル酸とシクロヘキサンジメタノール及びエチレングリコールとの共重合体(PETG)、又はその共重合体とポリカーボネート(PC)とのアロイ等の熱可塑性樹脂からなるものを用いることができる。
【0033】
一方、外装シート21,22に用いることができる樹脂としては、例えば、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類等を用いることができる。また、熱溶融による接着性を向上させるために、これらの外装シート21,22に接着層を付加することも可能である。
【0034】
ICカード10の一表面(図1において上面側)に設けられているリライトシート25は可逆性表示層として構成され、リライトシート25上で印字ヘッドを走査させることによって印画操作が行われるものであり、例えば可逆性感熱記録層で構成される。
【0035】
なお、この感熱記録層は、樹脂母材(マトリクス)に分散された有機低分子物質の結晶状態の変化によって白濁・透明が可逆的に変化する高分子/低分子タイプと、樹脂母材に分散された電子供与呈色性化合物と電子受容性化合物との間の可逆的な発色反応を利用した熱発色性組成物であるロイコ化合物タイプの何れかを選択し使用することができる。感熱記録層は印刷法、コーティング法等により膜厚4μm〜20μm程度に設けることができる。
【0036】
上記のように構成されるリライトシート25の印画性は、当該リライトシート25が形成されるICカード10の表面の平坦性に大きく左右される。つまり、カード表面の凹凸が可逆表示層と印字ヘッドとの間にスペーシングロスを発生させ、これが原因で印字抜けや文字カスレ等の印刷不良が引き起こされることになる。特に、ICチップ14の搭載部に対応するカード表面領域はモジュール表面形状の影響を受けやすくなっており、したがって補強板16,18の変形を抑制してカード表面の平坦性を確保する必要がある。
【0037】
そこで、本実施の形態では、図3に示すように、ICモジュール11の内部にスペーサ28を設けている。スペーサ28は、アンテナ基板19のIC実装面側に配置され、補強板16とアンテナ基板19との間に、ICチップ14の周囲を囲むようにして設けられている。
【0038】
本実施の形態のスペーサ28は図6に示すように構成され、円形の板状部材29の中央に、ICチップ14を収容する四角形状の開口30を設けた構成となっている。スペーサ28は、ICチップ14と共に、封止樹脂層15によって封止されている(図3)。
【0039】
なお、板状部材29の大きさとしては、本実施の形態では補強板16,18より若干小径としているが、補強板16,18の材質、厚さ及び封止樹脂の種類に応じて適宜変更可能であり、補強板16,18と同等又はそれよりも大きく構成することも可能である。また、板状部材29の形状も円形だけに限らない。
【0040】
更に、開口30の大きさとしては、ICチップ14とスペーサ28との間に形成される環状の隙間が小さいほど望ましいとされるが、スペーサ28の装着性、補強板16,18の材質、厚さ、及び封止樹脂の種類等に応じて設定可能である。
【0041】
スペーサ28の構成材料としては、封止樹脂(ここではエポキシ樹脂)15との被接着性や、封止樹脂15の熱硬化工程において軟化しない、すなわち封止樹脂15の熱硬化温度で形状保持できる程度の耐熱性を有する材料で構成され、更に取扱い性(例えば帯電しにくい)等の必要に応じた特性を確保できる範囲で、合成樹脂材料、セラミック材料あるいは金属材料等を用いることができる。本実施の形態では、スペーサ28を例えばポリイミドで構成している。
【0042】
なお、スペーサ28を金属材料で構成する場合には、アンテナ基板19上のアンテナコイルとのショートを防ぐために、スペーサ表面に電気的絶縁処理を施したり、当該スペーサとアンテナコイルとの間に絶縁層を別途設ける必要がある。
【0043】
スペーサ28の厚さは、補強板16,18の厚さやICチップ14の厚さに応じて適宜設定される。例えば、175μm厚のICチップ14に対して50μm厚の補強板16,18が用いられる場合には、スペーサ28の厚さをICチップ14の厚さの±25μm程度の範囲に設定するのが好ましい。スペーサ28がICチップ14に比べて厚すぎたり薄すぎると、封止樹脂材料15の層厚差低減効果が小さくなるからである。
【0044】
次に、以上のように構成される本実施の形態のICモジュール11の製造方法について説明する。
【0045】
先ず、アンテナ基板19上にICチップ14を実装し、ICチップ14の突起電極とアンテナコイルとをフリップチップボンディング法によって電気的に接続する(図4,図5)。アンテナ基板19とICチップ14との間には例えば異方性導電フィルムが介在されており、ICチップ14の加熱加圧実装によって当該異方性導電フィルムが硬化し、ICチップ14とアンテナ基板19との間の機械的な接続作用が得られる。
【0046】
続いて、スペーサ28を、その開口30内にICチップ14を収容するようにしてアンテナ基板19上に配置する。これにより、ICチップ14の周囲がスペーサ28によって囲まれる(図5)。このとき、ICチップ14とスペーサ28との間に形成される環状の隙間は、ICチップ14の周囲で均等になるのが好ましい。
【0047】
次に、図5に示すように、アンテナ基板19のIC実装面及びIC非実装面にそれぞれ封止樹脂15,17を適量塗布した後、ICチップ14を挟持するように一対の補強板16,18を貼着する。
【0048】
なお、ICチップ14とスペーサ28との間に形成される環状の隙間での封止樹脂15の未充填を防ぐため、スペーサ28の装着前に、あらかじめアンテナ基板19上のICチップ14の周囲に沿って封止樹脂15を塗布する工程を別途設けるようにしてもよい。
【0049】
続いて、ICモジュール11を熱硬化炉等へ装填し、封止樹脂15,17を加熱硬化させる。この熱硬化工程を経て、図3に示すようにICチップ14を封止する封止樹脂15,17の樹脂層が形成される。
【0050】
このとき、本実施の形態によれば、補強板16とアンテナ基板19との間に、ICチップ14の周囲を囲むスペーサ28が配置されているので、当該スペーサ28がICチップ14の周囲における封止樹脂層15の層厚差を軽減する役割を果たし、これによって封止樹脂15の硬化反応の進行の一様化が図られる。その結果、熱収縮の寸法ムラの発生が抑えられ、補強板16,18の変形が抑止される。
【0051】
また、本実施の形態によれば、スペーサ28の大きさが、ICチップ14と共に封止樹脂15によって封止される程度の大きさに形成されているので、補強板16とアンテナ基板19との間の樹脂量の減少を抑えて接着強度等の信頼性低下を回避することができる。
【0052】
更に、スペーサ28が封止樹脂15,17の熱硬化温度における耐熱性を具備した材料で構成されているので、封止樹脂15,17の硬化前後において安定した形状保持作用を果たし、ICチップ14の周囲の樹脂層の層厚差の変動を有効に阻止することができる。
【0053】
以上のように製造されるICモジュール11に対して、コア層12を構成する複数枚のプラスチックシート及び外装シート21,22をラミネート処理した後、その外装シート22側表面にリライトシート層を形成することによって、本実施の形態のICカード10が製造される。
【0054】
本実施の形態によれば、補強板16,18の変形が抑止されたICモジュール11を得ることができるので、カード化後におけるカード表面の平坦性を確保でき、外装シート21,22に施される印刷層のインク流れ等を防止して良好なカード外観品質を維持することができる。
【0055】
また、リライトシート25に対する印字抜けやカスレといった印字不良の発生を回避して、印字特性の向上を図ることができる。
【0056】
(第2の実施の形態)
図7〜図9は本発明の第2の実施の形態を示している。なお、図において上述の第1の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
ここで、図7は本実施の形態に適用されるスペーサ32の構成を示す斜視図、図8は本実施の形態におけるICモジュール31の構成を説明する分解斜視図、図9は同側断面図である。
【0057】
本実施の形態では、図7に示す構成のスペーサ32を用いてICモジュール31を構成している。スペーサ32は例えばポリイミドで構成され、円形の板状部材33の中央に、ICチップ14を収容する四角形状の開口34を設けた構成となっている。スペーサ32は、ICチップ14と共に、封止樹脂層15によって封止されている(図9)。
【0058】
特に本実施の形態においては、図7に示すように、スペーサ32を構成する板状部材33には、その開口34の周縁に沿って複数の貫通孔35が設けられている。
なお、貫通孔35の形成形態は図示する単列に限らず、多列としてもよい。また開口34の4辺全てではなく、任意の領域に設けても良い。貫通孔35の大きさは特に制限されず、その形成個数や配置形態によって適宜変更可能である。本実施の形態では図示する配置形態で孔径を例えば0.5mmとしている。
【0059】
本実施の形態におけるICモジュール31は、上述の第1の実施の形態と同様な工程を経て製造される。特に、スペーサ32の貫通孔35に対する封止樹脂15の未充填を防止するために、例えば図8に示すように、あらかじめアンテナ基板19上において貫通孔35が配置される位置に封止樹脂15を適量塗布する工程を別途設けるようにしてもよい。
【0060】
本実施の形態によれば、上述の第1の実施の形態と同様な効果を得ることができると同時に、スペーサ32に貫通孔35を設けた構成としたことにより、補強板16とアンテナ基板19との間の接着力を向上させることが可能となり、これにより、外力に対するICモジュール31の強度を高めることができる。
【0061】
(第3の実施の形態)
図10及び図11は本発明の第3の実施の形態を示している。なお、図において上述の第1の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
ここで、図10は本実施の形態に適用されるスペーサ37の構成を示す斜視図、図11は本実施の形態におけるICモジュール36の構成を説明する分解斜視図である。
【0062】
本実施の形態では、図10に示す構成のスペーサ37を用いてICモジュール36を構成している。スペーサ37は例えばポリイミドで構成され、円形のリング状に形成されている。ICモジュール36は、上述の第1の実施の形態と同様な工程を経て製造される。
【0063】
本実施の形態によれば、上述の第1の実施の形態と同様な効果を得ることができると同時に、スペーサ37がリング状に構成されているので、ICチップ14に対する装着方向の制限を無くすことができ、これによりスペーサ37の装着作業の簡便化を図ることができる。
【0064】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。なお、以下の実施例では具体的な数値を挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0065】
本実施例においては、第1の実施の形態で説明したICモジュール11(図3参照)を実際に作製して、アンテナ基板19のIC非実装面側に設けた補強板18の表面形状の変形量を測定した。
【0066】
(実施例1)
スペーサ28は、直径6mm前後、厚さ200μm(チップ厚プラス25μm)のポリイミド製とし、ICチップ14の厚さは175μmで、補強板は直径7mm、厚さ50μmのステンレス製とした。また、封止樹脂15,17は1液性エポキシ系熱硬化樹脂で、塗布量は約10mg、硬化条件は120℃×30分とした。測定結果を図12に示す。
【0067】
(実施例2)
スペーサ28は、直径6mm前後、厚さ150μm(チップ厚マイナス25μm)のポリイミド製とし、ICチップ14の厚さは175μmで、補強板は直径7mm、厚さ50μmのステンレス製とした。また、封止樹脂15,17は1液性エポキシ系熱硬化樹脂で、塗布量は約10mg、硬化条件は120℃×30分とした。測定結果を図13に示す。
【0068】
(比較例1)
スペーサが装着されない、図16に示した従来のICモジュールを作製した。ICチップ2の厚さは175μmで、補強板5,6は直径7mm、厚さ50μmのステンレス製とした。また、封止樹脂3,4は1液性エポキシ系熱硬化樹脂で、塗布量は約10mg、硬化条件は120℃×30分とした。測定結果を図14に示す。
【0069】
(比較例2)
スペーサ28は、直径6mm前後、厚さ175μmのPETG製(東レ社製トレパロイ(GW))とし、ICチップ14の厚さは175μmで、補強板は直径7mm、厚さ50μmのステンレス製とした。また、封止樹脂15,17は1液性エポキシ系熱硬化樹脂で、塗布量は約10mg、硬化条件は120℃×30分とした。測定結果を図15に示す。
【0070】
なお、図12〜図15において横軸は補強板の径方向における測定点を示し、縦軸は補強板表面の変形量を示している。実験では補強板表面の径方向約6μmを測定範囲とした。
なお、測定には、東京精密社製の接触型表面測定器「サーフコム1800A−2」を使用した。
【0071】
図14に示すように、本発明に係るスペーサを装着しない従来タイプのICモジュール(比較例1)においては、補強板表面の変形量は最大約16μmに達し、当該補強板の表面にICチップの輪郭の浮き出しが認められた。
【0072】
これに対して、図12及び図13に示す本発明のICモジュール(実施例1,2)においては、補強板表面の変形量は最大約5μmにまで低減され、当該補強板の表面にICチップの輪郭の浮き出しは認められなかった。これにより、本発明に係るスペーサの有効性を確認できた。
【0073】
一方、図15に示すように、スペーサとしてPETG製のものを用いて製作したICモジュール(比較例2)においては、補強板表面の変形量は最大約15μmにまで達し、図14に示したスペーサ無しの場合と大きな違いは認められなかった。
これは、スペーサが封止樹脂の熱硬化温度における充分な耐熱性を有していないからであると考えられ、封止樹脂の熱硬化工程において当該スペーサの形状が保持されず、スペーサとしての機能を果たせなかったものと推察できる。
【0074】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0075】
例えば以上の第1の実施の形態では、ICカード10として、その一表面にリライトシート25が設けられた形態のICカードを例に挙げて説明したが、勿論これに限らず、カード両面にリライトシートが設けられた形態のものや、リライトシートが設けられていない形態のICカードにも本発明は適用可能である。
【0076】
また、以上の第1の実施の形態では、ICカード10として、ICモジュール11が複数枚のプラスチックシートの積層体でなるコア層12の内部に介装される形態を例に挙げて説明したが、これに代えて、当該ICモジュールが、一対の外装シートの間に形成されたエポキシ系接着材料層の内部に介装される形態のものにも本発明は適用可能である。
【0077】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のICカードによれば、補強板とアンテナ基板との間にICチップの周囲を囲むスペーサを配置したので、封止樹脂層の硬化収縮による補強板の変形を抑止することができ、カード表面の平坦性を維持することができる。
【0078】
また、本発明のICカードの製造方法によれば、ICチップの周囲にスペーサを配置し、当該スペーサ及びICチップの上に封止樹脂を介して補強板を貼着するようにしたので、封止樹脂の硬化収縮による補強板の変形を効果的に抑えることができ、カード表面の外観品質を損ねずにICカードを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるICカード10の構成を説明する側断面図である。
【図2】ICカード10の内部に介装されているICモジュール11のチップ封止前の状態を示す平面図である。
【図3】ICモジュール11の構成を説明する側断面図である。
【図4】ICモジュール11の構成を説明する分解斜視図である。
【図5】同側断面図である。
【図6】スペーサ28の全体斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に適用されるスペーサ32の全体斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるICモジュール31の構成を説明する分解斜視図である。
【図9】同側断面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に適用されるスペーサ37の全体斜視図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態におけるICモジュール36の構成を説明する分解斜視図である。
【図12】本発明の実施例1におけるICモジュールの補強板の表面形状を示す図である。
【図13】本発明の実施例2におけるICモジュールの補強板の表面形状を示す図である。
【図14】本発明の比較例1におけるICモジュールの補強板の表面形状を示す図である。
【図15】本発明の比較例2におけるICモジュールの補強板の表面形状を示す図である。
【図16】従来のICモジュールの構成を説明する側断面図である。
【図17】従来のICモジュールの構成を説明する斜視図である。
【図18】従来のICモジュールの製造方法を説明する断面模式図である。
【符号の説明】
10…ICカード、11,31,36…ICモジュール、12…コア層、14…ICチップ、15,17…封止樹脂、16,18…補強板、19…アンテナ基板、21,22…外装シート、25…リライトシート、26…アンテナコイル、28,32,37…スペーサ、29,33…板状部材、30,34…開口、35…貫通孔。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICカード及びその製造方法に関し、更に詳しくは、ICチップが封止樹脂を介して一対の補強板で挟持された構造のICモジュールを有するICカード及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
非接触ICカードは、非接触でリーダーライタとICカード間のデータの交換を行うシステムである。両者の通信は電磁誘導の原理に基づいているものが代表的で、その構成部品は、データ演算、記憶、蓄積を行うためのICチップ(半導体チップ)と、データをやり取りするのに必要となるアンテナの働きをするコイルとからなっている。
【0003】
また一般に、ICカードはメンテナンスを行わなくても済むようにするため、ICカード内部に電池を設けておらず、受信した電磁波から駆動に必要な電力を得るように構成されている。したがって、ICカードは、電磁波をできるだけ効率良く受信する必要がある。
【0004】
さて、上述した非接触ICカードの構成部品であるICチップとアンテナとの接合には様々な方法があるが、なかでも一般的に行われているのがフリップチップボンディングと呼ばれる方法で、半導体ベアチップを直接アンテナ基板上に実装するものである。このアンテナ基板は、絶縁性フィルム材でなるフレキシブル基板上にアンテナを平面内でコイル状に巻回して構成されている。
【0005】
フリップチップボンディング法は、ワイヤレスボンディング法のひとつの形態で、ICチップ表面のバンプと呼ばれる突起電極がアンテナ基板上の電極パターンに直接接するように実装することで、最短の配線と、極めて薄い実装厚を実現することができる。
【0006】
また、使用時にはカード本体への曲げ等の応力や衝撃が加わることとなるため、実使用において機能不全を起こさぬようにICチップ実装部をエポキシ等の樹脂を用いて封止し、その上から補強板を配置して強度を確保した構造のICモジュールを形成するのが一般的である(例えば下記特許文献1参照)。
【0007】
図16〜図18は、従来の非接触ICカードのICモジュール7の概略構成を示している。従来のICモジュール7は、アンテナ基板1上に実装されたICチップ2の上に、封止樹脂層3を介して補強板5が貼着され、また、アンテナ基板1のIC非実装面側も同様に、封止樹脂層4を介して補強板6が貼着されて構成されている。
【0008】
このような構成の従来のICモジュール7の製造工程は、先ず、アンテナ基板1上にICチップ2がフリップチップボンディングの形態で実装される。次いで、ICチップ2の表面側及び裏面側にエポキシ等の熱硬化性樹脂でなる封止樹脂3,4を適量塗布した後、補強板5,6を貼着する。そして、アンテナ基板1を熱硬化炉へ装填し、封止樹脂3,4を加熱硬化させることによって、ICモジュール7の製造工程完了とされる。その後、製造したICモジュールを複数枚のカード構成用プラスチックシートで挟み込むことによってICカード化される。
【0009】
補強板5,6としては、例えばステンレス等の金属板が用いられ、カード完成後、ICモジュール7の搭載部位に加わる曲げ応力に対して実用上充分な強度が確保される。また、IC実装部が補強板5,6により平坦化されることにより、チップ搭載部位の薄厚化が図られ、規定のカード厚(例えば0.76mm±0.08mm)を満足させることが可能となる。
【0010】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献としては、以下のものがある。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−366922号公報
【特許文献2】
特開2001−34727号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のICモジュール7の構成においては、封止樹脂3,4の加熱硬化の際、補強板5,6の表面にICチップ2の輪郭が浮かび上がるほどの補強板5,6の変形が生じる場合があった。この補強板5,6の変形は、封止樹脂3,4の熱収縮によるものと考えられるものの、熱硬化の温度、時間などの条件変更では解決できず、また、カード厚み規格を考慮すると、補強板5,6自体を厚くすることも困難であった。
【0013】
上述のような補強板5,6の変形は、カード化された後においても、カード表面に視認できる状態で存在し、カード外観を損ねる要因の1つとされている。
【0014】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、ICモジュールを構成する補強板の変形を抑止して、良好なカード表面品質を維持できるICカード及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するに当たり、本発明者による鋭意検討の結果、封止樹脂の熱硬化時における補強板の変形は、ICチップの周囲における封止樹脂層の層厚の変化を原因とする熱収縮の寸法ムラによって発生するとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0016】
すなわち本発明のICカードは、補強板とアンテナ基板との間に、ICチップの周囲を囲むスペーサを配置したことを特徴としている。上記補強板は、ICチップの周囲における封止樹脂層の層厚差を軽減する役割を果たし、これによって封止樹脂の硬化反応の進行の一様化を図り、熱収縮の寸法ムラの発生を抑えて、補強板の変形を防止する。
【0017】
スペーサは、上述のように、補強板に変形を生じさせるような封止樹脂層の熱収縮の寸法ムラを軽減する目的で配置されるので、このような目的が達成される限り、その形状や大きさ、厚さ等は特に限定されず、補強板の形状や大きさ、厚さ等に応じて適宜選定される。
【0018】
スペーサは、ICチップの周囲に形成される補強板とアンテナ基板との間の隙間に介装されるものであるので、補強板の外形に対して過度に大きく構成されると、補強板とアンテナ基板との間の樹脂量が減少し接着強度等の信頼性に影響を及ぼすことになるので、スペーサは、例えば、ICチップと共に封止樹脂層により封止される程度の大きさで構成される。
【0019】
また、スペーサは、ICチップの周囲に存在する封止樹脂材料の層厚差に起因する熱収縮の寸法ムラを軽減する目的で配置されるものであるので、当該封止樹脂材料の熱硬化工程において軟化しない、すなわち、封止樹脂材料の熱硬化温度でも形状保持できる程度の耐熱性を有する材料で構成されるのが好ましい。
【0020】
一方、本発明のICカードの製造方法は、ICチップをアンテナ基板上にフリップチップ実装する工程と、ICチップの周囲を囲むスペーサをアンテナ基板上に配置する工程と、ICチップ及びスペーサの上に封止樹脂を介して補強板を貼着する工程と、封止樹脂を加熱硬化させる工程とを経て製造されるICモジュールを具備したことを特徴とする。
【0021】
これにより、ICモジュールを構成する補強板の変形を抑止して、カード表面の外観品質を損ねずにICカードを製造することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
(第1の実施の形態)
図1〜図6は本発明の第1の実施の形態を示している。
ここで、図1は本実施の形態における非接触ICカード(以下「ICカード」という。)10の側断面図、図2はICカード10の内部に介装されているICモジュール11のチップ封止前の状態を示す平面図、図3はICモジュール11の構成を説明する断面図、図4はICモジュール11の構成を説明する分解斜視図、図5は同側断面図、図6は本発明に係るスペーサ28の全体斜視図である。
【0024】
図1を参照して、複数枚の熱可塑性プラスチックシートを溶着してなるコア層12には、ICモジュール11が介装されている。図1においてコア層12の上面には、例えば印刷シートとしての外装シート22と、可逆性感熱記録層23および保護層24からなるリライトシート25が順に積層されている。また、コア層12の下面には、例えば印刷シートとしての外装シート21が積層されている。
【0025】
ICモジュール11は、アンテナ基板19と、このアンテナ基板19を構成するアンテナコイル26に接続されるICチップ14と、ICチップ14を封止する封止樹脂15と、封止樹脂15を介してICチップ14の直上に設けられる補強板16とを備えている。また、アンテナ基板19のIC非実装面側(図1において上面側)のIC実装部にも、封止樹脂(接着剤)17を介して補強板18が設けられている。
【0026】
アンテナ基板19は、絶縁性フィルム20の上にアンテナコイル26を平面内で巻回して構成される(図2)。絶縁性フィルム20の構成材料としては、例えば、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類などが適用可能である。アンテナコイル26は、銅、アルミニウム、金、銀等の電気的導通を示す全ての金属箔や線状体、あるいは上記金属を蒸着やめっきなどの手法を用いて絶縁性フィルム20上に形成された導体層をパターンエッチング処理することによって形成される。
【0027】
図3は、図1に示すICモジュール11の上下を反転して示す拡大図である。ICチップ14とアンテナ基板19との間の接続方法は、フリップチップボンディング法が採用されている。フリップチップボンディング法は、ICチップ14の能動面(図3において下面側)に設けられた図示しない突起電極(バンプ)とアンテナ基板19とを、これまた図示しない異方性導電接着フィルム(ACF)又は異方性導電接着剤(ACP)を介してフェイスダウン方式に接続されるボンディング法である。
なお、異方性導電接着層は、接着剤樹脂中に導電性粒子を分散させてなるもので、厚み方向にのみ導電性を有するものである。
【0028】
封止樹脂15,17としては、1液性又は2液性エポキシ系、ウレタン系、フェノール系などの熱硬化性の樹脂が使用できる。特に本実施の形態では公知慣用のエポキシ樹脂が用いられている。
【0029】
なお、これら封止樹脂15,17中には、熱硬化時の体積収縮を緩和するためのフィラーや中空粒子、薄片を単体あるいは複合化させたものを適量分散させてもよい。
【0030】
補強板16,18は、例えば、ICチップ14の最も長尺寸法値を直径とした円以上の大きさの円形または略円形としたものが用いられる。補強板16,18の構成材料としては、ステンレス鋼や炭素鋼等の鉄合金系材料が用いられるが、銅系合金やニッケル系合金、アルミニウム系合金等の非鉄金属材料も適用することができる。
【0031】
なお、補強板16,18の厚さとしては、用いられる材料等に応じて適宜選定され、目的とする強度が得られ且つカード厚を規格範囲に収めるために、例えば30μm以上100μm以下とされる。
【0032】
次に、コア層12は、図3に示すICモジュール11を上下に挟み込むことによって当該ICモジュール11を内部に介装した複数枚のプラスチックシート材の積層体で構成されている。これらのプラスチックシート材としては、例えば、テレフタル酸とシクロヘキサンジメタノール及びエチレングリコールとの共重合体(PETG)、又はその共重合体とポリカーボネート(PC)とのアロイ等の熱可塑性樹脂からなるものを用いることができる。
【0033】
一方、外装シート21,22に用いることができる樹脂としては、例えば、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類等を用いることができる。また、熱溶融による接着性を向上させるために、これらの外装シート21,22に接着層を付加することも可能である。
【0034】
ICカード10の一表面(図1において上面側)に設けられているリライトシート25は可逆性表示層として構成され、リライトシート25上で印字ヘッドを走査させることによって印画操作が行われるものであり、例えば可逆性感熱記録層で構成される。
【0035】
なお、この感熱記録層は、樹脂母材(マトリクス)に分散された有機低分子物質の結晶状態の変化によって白濁・透明が可逆的に変化する高分子/低分子タイプと、樹脂母材に分散された電子供与呈色性化合物と電子受容性化合物との間の可逆的な発色反応を利用した熱発色性組成物であるロイコ化合物タイプの何れかを選択し使用することができる。感熱記録層は印刷法、コーティング法等により膜厚4μm〜20μm程度に設けることができる。
【0036】
上記のように構成されるリライトシート25の印画性は、当該リライトシート25が形成されるICカード10の表面の平坦性に大きく左右される。つまり、カード表面の凹凸が可逆表示層と印字ヘッドとの間にスペーシングロスを発生させ、これが原因で印字抜けや文字カスレ等の印刷不良が引き起こされることになる。特に、ICチップ14の搭載部に対応するカード表面領域はモジュール表面形状の影響を受けやすくなっており、したがって補強板16,18の変形を抑制してカード表面の平坦性を確保する必要がある。
【0037】
そこで、本実施の形態では、図3に示すように、ICモジュール11の内部にスペーサ28を設けている。スペーサ28は、アンテナ基板19のIC実装面側に配置され、補強板16とアンテナ基板19との間に、ICチップ14の周囲を囲むようにして設けられている。
【0038】
本実施の形態のスペーサ28は図6に示すように構成され、円形の板状部材29の中央に、ICチップ14を収容する四角形状の開口30を設けた構成となっている。スペーサ28は、ICチップ14と共に、封止樹脂層15によって封止されている(図3)。
【0039】
なお、板状部材29の大きさとしては、本実施の形態では補強板16,18より若干小径としているが、補強板16,18の材質、厚さ及び封止樹脂の種類に応じて適宜変更可能であり、補強板16,18と同等又はそれよりも大きく構成することも可能である。また、板状部材29の形状も円形だけに限らない。
【0040】
更に、開口30の大きさとしては、ICチップ14とスペーサ28との間に形成される環状の隙間が小さいほど望ましいとされるが、スペーサ28の装着性、補強板16,18の材質、厚さ、及び封止樹脂の種類等に応じて設定可能である。
【0041】
スペーサ28の構成材料としては、封止樹脂(ここではエポキシ樹脂)15との被接着性や、封止樹脂15の熱硬化工程において軟化しない、すなわち封止樹脂15の熱硬化温度で形状保持できる程度の耐熱性を有する材料で構成され、更に取扱い性(例えば帯電しにくい)等の必要に応じた特性を確保できる範囲で、合成樹脂材料、セラミック材料あるいは金属材料等を用いることができる。本実施の形態では、スペーサ28を例えばポリイミドで構成している。
【0042】
なお、スペーサ28を金属材料で構成する場合には、アンテナ基板19上のアンテナコイルとのショートを防ぐために、スペーサ表面に電気的絶縁処理を施したり、当該スペーサとアンテナコイルとの間に絶縁層を別途設ける必要がある。
【0043】
スペーサ28の厚さは、補強板16,18の厚さやICチップ14の厚さに応じて適宜設定される。例えば、175μm厚のICチップ14に対して50μm厚の補強板16,18が用いられる場合には、スペーサ28の厚さをICチップ14の厚さの±25μm程度の範囲に設定するのが好ましい。スペーサ28がICチップ14に比べて厚すぎたり薄すぎると、封止樹脂材料15の層厚差低減効果が小さくなるからである。
【0044】
次に、以上のように構成される本実施の形態のICモジュール11の製造方法について説明する。
【0045】
先ず、アンテナ基板19上にICチップ14を実装し、ICチップ14の突起電極とアンテナコイルとをフリップチップボンディング法によって電気的に接続する(図4,図5)。アンテナ基板19とICチップ14との間には例えば異方性導電フィルムが介在されており、ICチップ14の加熱加圧実装によって当該異方性導電フィルムが硬化し、ICチップ14とアンテナ基板19との間の機械的な接続作用が得られる。
【0046】
続いて、スペーサ28を、その開口30内にICチップ14を収容するようにしてアンテナ基板19上に配置する。これにより、ICチップ14の周囲がスペーサ28によって囲まれる(図5)。このとき、ICチップ14とスペーサ28との間に形成される環状の隙間は、ICチップ14の周囲で均等になるのが好ましい。
【0047】
次に、図5に示すように、アンテナ基板19のIC実装面及びIC非実装面にそれぞれ封止樹脂15,17を適量塗布した後、ICチップ14を挟持するように一対の補強板16,18を貼着する。
【0048】
なお、ICチップ14とスペーサ28との間に形成される環状の隙間での封止樹脂15の未充填を防ぐため、スペーサ28の装着前に、あらかじめアンテナ基板19上のICチップ14の周囲に沿って封止樹脂15を塗布する工程を別途設けるようにしてもよい。
【0049】
続いて、ICモジュール11を熱硬化炉等へ装填し、封止樹脂15,17を加熱硬化させる。この熱硬化工程を経て、図3に示すようにICチップ14を封止する封止樹脂15,17の樹脂層が形成される。
【0050】
このとき、本実施の形態によれば、補強板16とアンテナ基板19との間に、ICチップ14の周囲を囲むスペーサ28が配置されているので、当該スペーサ28がICチップ14の周囲における封止樹脂層15の層厚差を軽減する役割を果たし、これによって封止樹脂15の硬化反応の進行の一様化が図られる。その結果、熱収縮の寸法ムラの発生が抑えられ、補強板16,18の変形が抑止される。
【0051】
また、本実施の形態によれば、スペーサ28の大きさが、ICチップ14と共に封止樹脂15によって封止される程度の大きさに形成されているので、補強板16とアンテナ基板19との間の樹脂量の減少を抑えて接着強度等の信頼性低下を回避することができる。
【0052】
更に、スペーサ28が封止樹脂15,17の熱硬化温度における耐熱性を具備した材料で構成されているので、封止樹脂15,17の硬化前後において安定した形状保持作用を果たし、ICチップ14の周囲の樹脂層の層厚差の変動を有効に阻止することができる。
【0053】
以上のように製造されるICモジュール11に対して、コア層12を構成する複数枚のプラスチックシート及び外装シート21,22をラミネート処理した後、その外装シート22側表面にリライトシート層を形成することによって、本実施の形態のICカード10が製造される。
【0054】
本実施の形態によれば、補強板16,18の変形が抑止されたICモジュール11を得ることができるので、カード化後におけるカード表面の平坦性を確保でき、外装シート21,22に施される印刷層のインク流れ等を防止して良好なカード外観品質を維持することができる。
【0055】
また、リライトシート25に対する印字抜けやカスレといった印字不良の発生を回避して、印字特性の向上を図ることができる。
【0056】
(第2の実施の形態)
図7〜図9は本発明の第2の実施の形態を示している。なお、図において上述の第1の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
ここで、図7は本実施の形態に適用されるスペーサ32の構成を示す斜視図、図8は本実施の形態におけるICモジュール31の構成を説明する分解斜視図、図9は同側断面図である。
【0057】
本実施の形態では、図7に示す構成のスペーサ32を用いてICモジュール31を構成している。スペーサ32は例えばポリイミドで構成され、円形の板状部材33の中央に、ICチップ14を収容する四角形状の開口34を設けた構成となっている。スペーサ32は、ICチップ14と共に、封止樹脂層15によって封止されている(図9)。
【0058】
特に本実施の形態においては、図7に示すように、スペーサ32を構成する板状部材33には、その開口34の周縁に沿って複数の貫通孔35が設けられている。
なお、貫通孔35の形成形態は図示する単列に限らず、多列としてもよい。また開口34の4辺全てではなく、任意の領域に設けても良い。貫通孔35の大きさは特に制限されず、その形成個数や配置形態によって適宜変更可能である。本実施の形態では図示する配置形態で孔径を例えば0.5mmとしている。
【0059】
本実施の形態におけるICモジュール31は、上述の第1の実施の形態と同様な工程を経て製造される。特に、スペーサ32の貫通孔35に対する封止樹脂15の未充填を防止するために、例えば図8に示すように、あらかじめアンテナ基板19上において貫通孔35が配置される位置に封止樹脂15を適量塗布する工程を別途設けるようにしてもよい。
【0060】
本実施の形態によれば、上述の第1の実施の形態と同様な効果を得ることができると同時に、スペーサ32に貫通孔35を設けた構成としたことにより、補強板16とアンテナ基板19との間の接着力を向上させることが可能となり、これにより、外力に対するICモジュール31の強度を高めることができる。
【0061】
(第3の実施の形態)
図10及び図11は本発明の第3の実施の形態を示している。なお、図において上述の第1の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
ここで、図10は本実施の形態に適用されるスペーサ37の構成を示す斜視図、図11は本実施の形態におけるICモジュール36の構成を説明する分解斜視図である。
【0062】
本実施の形態では、図10に示す構成のスペーサ37を用いてICモジュール36を構成している。スペーサ37は例えばポリイミドで構成され、円形のリング状に形成されている。ICモジュール36は、上述の第1の実施の形態と同様な工程を経て製造される。
【0063】
本実施の形態によれば、上述の第1の実施の形態と同様な効果を得ることができると同時に、スペーサ37がリング状に構成されているので、ICチップ14に対する装着方向の制限を無くすことができ、これによりスペーサ37の装着作業の簡便化を図ることができる。
【0064】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。なお、以下の実施例では具体的な数値を挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0065】
本実施例においては、第1の実施の形態で説明したICモジュール11(図3参照)を実際に作製して、アンテナ基板19のIC非実装面側に設けた補強板18の表面形状の変形量を測定した。
【0066】
(実施例1)
スペーサ28は、直径6mm前後、厚さ200μm(チップ厚プラス25μm)のポリイミド製とし、ICチップ14の厚さは175μmで、補強板は直径7mm、厚さ50μmのステンレス製とした。また、封止樹脂15,17は1液性エポキシ系熱硬化樹脂で、塗布量は約10mg、硬化条件は120℃×30分とした。測定結果を図12に示す。
【0067】
(実施例2)
スペーサ28は、直径6mm前後、厚さ150μm(チップ厚マイナス25μm)のポリイミド製とし、ICチップ14の厚さは175μmで、補強板は直径7mm、厚さ50μmのステンレス製とした。また、封止樹脂15,17は1液性エポキシ系熱硬化樹脂で、塗布量は約10mg、硬化条件は120℃×30分とした。測定結果を図13に示す。
【0068】
(比較例1)
スペーサが装着されない、図16に示した従来のICモジュールを作製した。ICチップ2の厚さは175μmで、補強板5,6は直径7mm、厚さ50μmのステンレス製とした。また、封止樹脂3,4は1液性エポキシ系熱硬化樹脂で、塗布量は約10mg、硬化条件は120℃×30分とした。測定結果を図14に示す。
【0069】
(比較例2)
スペーサ28は、直径6mm前後、厚さ175μmのPETG製(東レ社製トレパロイ(GW))とし、ICチップ14の厚さは175μmで、補強板は直径7mm、厚さ50μmのステンレス製とした。また、封止樹脂15,17は1液性エポキシ系熱硬化樹脂で、塗布量は約10mg、硬化条件は120℃×30分とした。測定結果を図15に示す。
【0070】
なお、図12〜図15において横軸は補強板の径方向における測定点を示し、縦軸は補強板表面の変形量を示している。実験では補強板表面の径方向約6μmを測定範囲とした。
なお、測定には、東京精密社製の接触型表面測定器「サーフコム1800A−2」を使用した。
【0071】
図14に示すように、本発明に係るスペーサを装着しない従来タイプのICモジュール(比較例1)においては、補強板表面の変形量は最大約16μmに達し、当該補強板の表面にICチップの輪郭の浮き出しが認められた。
【0072】
これに対して、図12及び図13に示す本発明のICモジュール(実施例1,2)においては、補強板表面の変形量は最大約5μmにまで低減され、当該補強板の表面にICチップの輪郭の浮き出しは認められなかった。これにより、本発明に係るスペーサの有効性を確認できた。
【0073】
一方、図15に示すように、スペーサとしてPETG製のものを用いて製作したICモジュール(比較例2)においては、補強板表面の変形量は最大約15μmにまで達し、図14に示したスペーサ無しの場合と大きな違いは認められなかった。
これは、スペーサが封止樹脂の熱硬化温度における充分な耐熱性を有していないからであると考えられ、封止樹脂の熱硬化工程において当該スペーサの形状が保持されず、スペーサとしての機能を果たせなかったものと推察できる。
【0074】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0075】
例えば以上の第1の実施の形態では、ICカード10として、その一表面にリライトシート25が設けられた形態のICカードを例に挙げて説明したが、勿論これに限らず、カード両面にリライトシートが設けられた形態のものや、リライトシートが設けられていない形態のICカードにも本発明は適用可能である。
【0076】
また、以上の第1の実施の形態では、ICカード10として、ICモジュール11が複数枚のプラスチックシートの積層体でなるコア層12の内部に介装される形態を例に挙げて説明したが、これに代えて、当該ICモジュールが、一対の外装シートの間に形成されたエポキシ系接着材料層の内部に介装される形態のものにも本発明は適用可能である。
【0077】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のICカードによれば、補強板とアンテナ基板との間にICチップの周囲を囲むスペーサを配置したので、封止樹脂層の硬化収縮による補強板の変形を抑止することができ、カード表面の平坦性を維持することができる。
【0078】
また、本発明のICカードの製造方法によれば、ICチップの周囲にスペーサを配置し、当該スペーサ及びICチップの上に封止樹脂を介して補強板を貼着するようにしたので、封止樹脂の硬化収縮による補強板の変形を効果的に抑えることができ、カード表面の外観品質を損ねずにICカードを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるICカード10の構成を説明する側断面図である。
【図2】ICカード10の内部に介装されているICモジュール11のチップ封止前の状態を示す平面図である。
【図3】ICモジュール11の構成を説明する側断面図である。
【図4】ICモジュール11の構成を説明する分解斜視図である。
【図5】同側断面図である。
【図6】スペーサ28の全体斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に適用されるスペーサ32の全体斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるICモジュール31の構成を説明する分解斜視図である。
【図9】同側断面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に適用されるスペーサ37の全体斜視図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態におけるICモジュール36の構成を説明する分解斜視図である。
【図12】本発明の実施例1におけるICモジュールの補強板の表面形状を示す図である。
【図13】本発明の実施例2におけるICモジュールの補強板の表面形状を示す図である。
【図14】本発明の比較例1におけるICモジュールの補強板の表面形状を示す図である。
【図15】本発明の比較例2におけるICモジュールの補強板の表面形状を示す図である。
【図16】従来のICモジュールの構成を説明する側断面図である。
【図17】従来のICモジュールの構成を説明する斜視図である。
【図18】従来のICモジュールの製造方法を説明する断面模式図である。
【符号の説明】
10…ICカード、11,31,36…ICモジュール、12…コア層、14…ICチップ、15,17…封止樹脂、16,18…補強板、19…アンテナ基板、21,22…外装シート、25…リライトシート、26…アンテナコイル、28,32,37…スペーサ、29,33…板状部材、30,34…開口、35…貫通孔。
Claims (6)
- アンテナコイルが形成されたアンテナ基板と、前記アンテナコイルに実装されるICチップと、前記ICチップを封止する封止樹脂層と、前記ICチップを前記アンテナ基板を介して挟持する一対の補強板とを備えたICモジュールが、プラスチックシートで挟み込まれてなるICカードにおいて、
前記補強板と前記アンテナ基板との間に、前記ICチップの周囲を囲むスペーサを配置した
ことを特徴とするICカード。 - 前記スペーサが、前記ICチップと共に、前記封止樹脂層により封止されている
ことを特徴とする請求項1に記載のICカード。 - 前記スペーサが、前記封止樹脂層の熱硬化温度における耐熱性を具備した材料でなる
ことを特徴とする請求項1に記載のICカード。 - 前記スペーサが、前記ICチップを収容する開口を備えた板状部材でなる
ことを特徴とする請求項1に記載のICカード。 - 前記板状部材には、前記開口の周縁に沿って複数の貫通孔が設けられている
ことを特徴とする請求項4に記載のICカード。 - アンテナ基板上に実装されたICチップが封止樹脂層を介して一対の補強板で挟持されてなるICモジュールを内部に有するICカードの製造方法において、
前記ICモジュールが、
前記ICチップを前記アンテナ基板上にフリップチップ実装する工程と、
前記ICチップの周囲を囲むスペーサを前記アンテナ基板上に配置する工程と、
前記ICチップ及び前記スペーサの上に封止樹脂を介して補強板を貼着する工程と、
前記封止樹脂を加熱硬化させる工程とを経て製造される
ことを特徴とするICカードの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003118851A JP2004326351A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | Icカード及びその製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007058817A (ja) * | 2005-08-26 | 2007-03-08 | Sony Corp | Icカード |
JP2013206122A (ja) * | 2012-03-28 | 2013-10-07 | Toppan Printing Co Ltd | Icモジュールとこれを搭載したicカード |
-
2003
- 2003-04-23 JP JP2003118851A patent/JP2004326351A/ja active Pending
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