JP2004324927A - 空調機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】排出空気を好ましい方向に向ける一方で、イオンを効率良く放出させる。
【解決手段】空調部からの空気とマイナスイオン発生部14からのイオンが、それぞれ別々の排出口5,15から外部に排出される。そのため、第2送風路12に繋がる排出口15を本体1の例えば正面側に設け、第1送風路1に繋がる排出口5を本体1の例えば上面側若しくは他の方向に設ければ、マイナスイオン発生部14からのマイナスイオンを、本体1の正面方向から少量の排気風により不快感を与えず、効率良く運搬することができ、且つ空調部からの多量の空気を、望ましい本体1の上面方向またはその他の方向に排出できる。
【選択図】 図2
【解決手段】空調部からの空気とマイナスイオン発生部14からのイオンが、それぞれ別々の排出口5,15から外部に排出される。そのため、第2送風路12に繋がる排出口15を本体1の例えば正面側に設け、第1送風路1に繋がる排出口5を本体1の例えば上面側若しくは他の方向に設ければ、マイナスイオン発生部14からのマイナスイオンを、本体1の正面方向から少量の排気風により不快感を与えず、効率良く運搬することができ、且つ空調部からの多量の空気を、望ましい本体1の上面方向またはその他の方向に排出できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、除湿機などの空調機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の空調機器として、例えば特許文献1には、ケーシング内にマイナスイオン発生器を設けるとともに、空調部として加湿空気を送り出す加湿機と、除湿した乾燥空気を送り出す除湿機とをそれぞれ備え、加湿機および除湿機の下流側にマイナスイオン発生器を配置することで、湿度が調節された空気中にマイナスイオンを発生させるものが開示されている。
【0003】
このように、近年の健康指向と快適・自然志向の高まりからマイナスイオンが注目され、特許文献1にあるようなマイナスイオン応用機器の商品化が進んでいる。イオン発生部であるマイナスイオン発生器は、電極に高電圧を印加して電子間の反発力を利用してマイナスイオンの生成を行なわせる放電利用方式と、ノズルなどから高速噴射した水分子が分裂微細化するときに、近傍にある空気分子がマイナスイオンに電離する水滴噴射方式などが知られているが、構造が比較的簡単な放電利用方式が一般に搭載されている。
【0004】
マイナスイオンの必要生成量は、一般的に一立方センチメートル当り10000個以上と云われている。これは森林や渓流,滝の周辺などのマイナスイオンの生成量に匹敵することから、一応の目安となっている。因みに、渓流や滝の周辺は上記水滴噴射方式と同様な作用が発生している。
【0005】
また別の特許文献2には、コンプレッサを運転することで、熱交換器に相当するエバポレータとコンデンサに、高圧に圧縮したフロンガスからなる冷媒を循環させる冷凍サイクルを本体内に配設し、送風モータの運転に伴い空気吸込口から取り込んだ室内空気を、エバポレータに触れさせて空気中の水分を凝縮させ、このエバポレータに触れて冷却した空気をコンデンサで加温して、乾燥空気を室内に戻すと共に、エバポレータの結露した水をドレンパンに一時的に集め、ドレンパンの下部に設けられたホース接続口から、水の貯溜部である貯水タンクに滴下させて、結露水を貯水タンクに貯溜する除湿機が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−81227号公報
【特許文献2】
特開2001−50569号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に開示されるような空調機器に搭載されるマイナスイオン発生器は、その発生部電極を空調部である加湿器や除湿器の排出側送風経路に配置しているが、特に除湿機から排出する乾燥空気は、ファンを作動させる電動機(送風モータ)からの放熱と、空気から除湿した水分の潜熱が含まれるため、吸気する室内空気に対して排出空気の温度が上昇する。また、マイナスイオン自体が天井や壁などの障害物に衝突すると、直ぐに減少してしまうのに対して、除湿機の排出口は本体の上面側に配置されている。
【0008】
すなわち、本体の上面側に排出口を設けると、本体の正面側からマイナスイオンを放出できないため、排出口から放出されるマイナスイオンは天井や壁などの障害物に衝突して直ぐに減少し、マイナスイオンによる十分な効能が得られない。また、こうした事態を避けるために本体の正面側に排出口を設けると、多量の乾燥空気が人体に向けて直接排出され、排出空気の温度や湿度によっては不快感を与えてしまう。
【0009】
また、特許文献2に開示されるような除湿機においては、除湿運転を停止した後、貯溜部である貯水タンクの水は排出されないまま放置されることが多く、特に長時間放置された場合には、貯水タンク内に雑菌が増殖するなどして水が腐り、臭いの発生源や貯水タンクの汚れの原因となっていた。さらに、こうした除湿機にあっては、通常貯水タンク内の水が満杯になると、センサにより満水が検知され、除湿機としての運転が停止することから、ユーザは満水に気づいて貯水タンクの水を廃棄するが、満水になる前に運転を停止した場合は、貯水タンク内の水を排水しないまま放置することが非常に多く、上述のような水の腐敗を誘発して、その改善が望まれていた。
【0010】
また、マイナスイオンの寿命は最長で数十秒と云われているが、拡散作用で空中伝播する過程で電気的な影響を受けて加速度的に中和され、その濃度が低下する。つまり、空気中の微細粉塵などに帯電したプラスイオンと中和したり、静電気の影響を受けて寿命が短くなる。とりわけマイナスイオン発生器の近傍では、必要なマイナスイオン量以上の生成量があるが、移住空間全体では前記中和作用や反発作用によりマイナスイオン量が減少することになる。そのため、マイナスイオン発生器から放出するマイナスイオンの中和作用や反発作用を極力押える構造が、空調装置に望まれていた。
【0011】
本発明は、上記した諸事情を考慮してなされたものであり、排出空気を好ましい方向に向ける一方で、イオンを効率良く放出させることができる空調機器を提供することを第1の目的とする。
【0012】
また本発明は、運転停止後に液体が長期間放置されたままになる弊害を防止できる空調機器を提供することを第2の目的とする。
【0013】
また本発明は、イオン部から放出するイオンの中和作用や反発作用を極力押え、安定したイオン量を供給できる空調機器を提供することを第3の目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の空調機器では、空気とイオンがそれぞれ第1送風路と第2送風路を通過して、別々の排出部から外部に排出される。そのため、第2送風路に繋がる排出部を本体の例えば正面側に設け、第1送風路に繋がる排出部を本体の例えば上面側若しくは他の方向に設ければ、本体の正面方向から少量の排気風により不快感を与えず、イオンを効率良く運搬することができ、且つ多量の空気を望ましい本体の上面方向またはその他の方向に排出できる。
【0015】
本発明の請求項2の空調機器では、所定時間が経過しても排液されない場合に、排液を促す表示が行なわれるので、ユーザは定期的に液体を廃棄するようになる。そのため、液体内における雑菌の増殖や臭いの発生を抑え、長期間清潔に使用することができ、液体が長期間放置されたままになる弊害を防止できる。
【0016】
本発明の請求項3の空調機器では、イオン部近傍が電気的に絶縁されていれば、構造体はプラスまたはマイナスに帯電しない。また、イオン部近傍が電気的に接地されていれば、ここに帯電した静電気をアースで逃がすことができる。そのため、いずれの場合においても、イオン部から発生したイオンはイオン部近傍の影響による中和作用や反発作用がなく、安定したイオン量を供給できる。
【0017】
【発明の実施形態】
以下、本発明における空調機器の一実施例を、添付図面を参照しながら説明する。なお、本実施例における空調機器は除湿機である。
【0018】
除湿機全体の外観図を示す図1において、1は縦長箱状の除湿機の本体であって、この本体1の下部に形成した前方開口部2には、透明樹脂製の貯水タンク3が着脱自在に設けられる。また、本体1の上面傾斜部には、例えば複数のLEDや各種スイッチなどにより構成される表示・操作部4が配設される。この表示・操作部4の後方に位置する本体の上部には排気口5が設けられる一方で、本体1の正面には室内の空気を取り込むための吸気口6が設けられている。
【0019】
図2に示すように、本体1の内部には送風機7が設けられており、この送風機7により吸気口6から取り込んだ室内空気を、後述する空調部41に通過させて乾燥させ、排気口5から再度室内へ乾燥空気を排出する循環気流の送風路が形成されている。
【0020】
ここで、送風機7の構成をさらに詳しく説明すると、8は駆動源であるファンモータ56(図6参照)の回転軸9に軸支されたファンブレードで、本実施例では、回転軸9の延びる方向に吸気口6から取り込んだ空気を、回転軸9の放射方向に送り出すシロッコファンが用いられている。また10は、羽根部であるファンブレード8を取り囲むようにして設けられたケーシングで、空調部41からの空気を乾燥空気用の大部分を排気口5に排出する第1の送風路11が、ケーシング10の内部に形成されている。特にこの図2に示す構成では、本体1の内部にあってケーシング10に形成され、ファンブレード8から排気口5側に延びるノーズ部12の上方に、分流板13が設けられる。分流板13は、イオン発生部であるマイナスイオン発生部14に乾燥空気の一部を導入するもので、この分流板13によって、乾燥空気を排気口5に直接送り出す第1の送風路11とは別に、ファンブレード8から送り出される空気の一部を利用して、マイナスイオン発生部14から発生するマイナスイオンを、本体1の正面側にある別のマイナスイオン用の排気口15に排出する第2の送風路16が形成される。
【0021】
次に、本実施例におけるマイナスイオン発生部14の好適な例を、図3および図4に基づきそれぞれ説明する。図3は、第1の好適な例を示しているが、ここで21は電源、22は電源21からの電力供給を受けて二次側に直流高圧電圧を発生させる高圧発生装置であり、二次側のマイナス側高圧電圧ライン23Aには針電極24が結線接続されると共に、プラス側高圧電圧ライン23Bには対極25が結線接続される。これらの針電極24および対極25は、ベース26の一部に適度な間隔を保ちつつ、互いに向かい合うように固定されている。また、27は針電極24および対極25からなる高電圧の電極部を手で触れないように覆う電極ケースで、これは実質的なイオン発生部である針電極24近傍の構造体に相当する。
【0022】
なお、30はプリズムであって、これはその下方にある発光素子たるLED31の光を拡散して、運転状態を使用者に知らしめるものである。また32は、LED31からのプリズム30以外の方向の光を遮断するケースである。マイナスイオンEは使用者が目視できないことから、表示・操作部4にある運転スイッチの入/切に連動して、マイナスイオン発生部14が動作しているときにLED31を点灯するように構成すれば、使用者はマイナスイオンの発生をプリズム30からの拡散光によって確認できるばかりでなく、拡散光の色をマイナスイオンEのイメージとマッチしたものにすれば、目視上でもマイナスイオンEが発生する印象を使用者に有効にアピールすることができる。
【0023】
そして、高圧発生装置22からの直流高圧電圧を、マイナス側およびプラス側の高圧電圧ライン23A,23Bを介して針電極24および対極25間に印加すると、針電極24の先端にマイナスイオンEが生成・放出されると共に、電極ケース27の正面側に開口形成されたイオン発生口28から、拡散作用によって大気中にマイナスイオンEが放出され、前記送風機7などにより生成された風に乗って室内にマイナスイオンEが運搬される。
【0024】
ところで、従来の電極ケース27は製造性などの理由から、プラスチック材料の成形加工品で形成されることが多く、その場合は電極ケース27が静電気の影響を受けやすくなって、マイナスまたはプラスに帯電される。すなわち、電極ケース27に電気的配慮が成されておらず、電極ケース27がマイナスに帯電すると、マイナスイオンEはイオン発生口28を通過する際に反発して、イオン発生口28を通過するマイナスイオン量は僅かなものになってしまう。またプラスに帯電した場合は、マイナスイオンEを吸着して電気的に中和してしまう。そのため、いずれに帯電した場合でも、居住空間に安定してマイナスイオン量を供給することができなかった。
【0025】
そこでこの第1の好適な例では、電極ケース27を絶縁体で形成するか、あるいは絶縁性を有する塗料を表面全体にコーティング形成している。具体的には、帯電防止効果のある物質を添加した材料で、ABS樹脂やPS樹脂などからなる電極ケース27とするのが好ましい。電極ケース27に絶縁性を持たせておけば、マイナスイオンEがイオン発生口28を通過する際に反発したり中和することはなく、安定したマイナスイオン量を居住空間に運搬できる。また、僅かなイオン発生口28の面積で、居住空間に安定したマイナスイオン量を供給できるため、必要以上にイオン発生口28を大きくする必要がない。そのため、針電極24および対極25からなる高電圧部を外部から隔離することができ、電気的な安全性を高めることができる。
【0026】
次に、第2の好適な例を図4に基づき説明すると、この例では、電極ケース27を導電体で形成するか、あるいは導電性を有する塗料をその表面全体にコーティングして形成すると共に、電極ケース27を電気的に接地させるために、電極ケース27と大地との間をアース線33で連結している。
【0027】
すなわち、電極ケース27を導電体で形成し対地アースを取ることにより、電極ケース27の静電気をアース線33から大地に逃がすことができる。そのため、マイナスイオンEがイオン発生口28を通過する際に反発したり中和することはなく、安定したマイナスイオン量を居住空間に運搬できる。また、僅かなイオン発生口28の面積で、居住空間に安定したマイナスイオン量を供給できるため、必要以上にイオン発生口28を大きくする必要がない。したがって、針電極24および対極25からなる高電圧部を外部から隔離することができ、電気的な安全性を高めることができる。
【0028】
次に、除湿機の冷凍サイクルを模式的に示す図5を参照しながら、本実施例における空調部41の構成を詳しく説明する。
【0029】
前記空調部41は、冷媒を循環するコンプレッサ42と、冷媒中の熱を放出するコンデンサ43と、ドライヤ44と、キャピラリチューブ45と、空気中の水分を凝縮する熱交換器としてのエバポレータ46とをパイプ47により順次連結して構成すると共に、エバポレータ46からコンプレッサ42に至る経路と並列に、冷凍サイクル切換部としての除霜用の二方弁48が設けられている。また、エバポレータ46には後述する着霜検出手段としての熱交換センサ64が設けられ、この熱交換センサ64によりエバポレータ46の着霜を検出すると、前記二方弁48を開くように構成している。そして、二方弁47が閉じた状態では、コンプレッサ42→コンデンサ43→ドライヤ44→キャピラリチューブ45→エバポレータ46→コンプレッサ42の経路で冷媒が循環する冷却用循環路が形成される。また、二方弁48が開くと、コンプレッサ42→二方弁48→エバポレータ46→コンプレッサ42に至る加熱用循環路が形成される。
【0030】
次に、電気的な構成を図6に基づき説明する。51は除湿機の各部を制御するための制御部、52は商用電源を供給するコンセント(図示せず)に着脱可能な電源プラグで、制御部51は商用電源からコンプレッサ42への電力を供給または遮断する第1リレー接点53と、コンプレッサ42の運転中に二方弁48の開閉を切換える第2リレー接点54と、前記送風機7を構成するファンモータ56の正転・反転を切換える第3リレー接点55をそれぞれ備えている。なお、58はオーバーロードリレー,59はランニングキャパシタで、これらはいずれもコンプレッサ42に関連して接続される。
【0031】
61は、貯水タンク3内の水量を検出するフロートスイッチで、フロートスイッチ61により貯水タンク3内の満水を検知すると、制御部51は除湿機としての運転を停止するように構成している。また62は湿度検知手段としての湿度センサ,63は室温検知手段としての室温センサ,64は熱交換センサ,65はマイクロスイッチで、これらのセンサ出力やスイッチ出力に基づき、制御部51内の第1リレー接点53,第2リレー接点54および第3リレー接点55のオン・オフが独自に制御される。
【0032】
71は、貯水タンク3の着脱を検知する着脱検知手段としてのタンクセンサである。制御部51は電源プラグ52からの給電がない状態でも、タンクセンサ71による貯水タンク3の着脱を監視できるように、電気回路にて一定時間(約1週間分)のタイマをカウント可能なバッテリ手段としての蓄電池72と、この蓄電池72の充電回路(図示せず)を備えている。また制御部51には、除湿機としての運転を停止後、一定時間が経過しても貯溜部である貯水タンク3が排水されない場合に、排水を促す表示部としての発光素子すなわちLED73と、報知部としてのブザー74をそれぞれ備えている。
【0033】
そして、上記構成において表示・操作部4の運転スイッチを投入すると、除湿機の除湿運転が開始し、制御部51は二方弁48を閉じた状態でコンプレッサ42とファンモータ56を作動させる。この場合、コンプレッサ42が圧縮した冷媒は、二方弁48を通らずコンデンサ43に入り、ここで冷媒中の熱を放出した後、ドライヤ44からキャピラリチューブ45に入って膨張される。その後、エバポレータ46において熱を奪って、このエバポレータ46の温度を低下させ、コンプレッサ42に再び戻る。そして、上記冷却用循環路内で冷媒の循環を繰り返すことで、冷凍サイクルが構成される。また、使用者は必要に応じて表示・操作部4の別のスイッチを押し、マイナスイオン発生部14を作動させる。マイナスイオン発生部14からは必要量以上のマイナスイオンがその近傍で発生する。
【0034】
マイナスイオンの発生量は環境湿度に関係し、湿度が高くなると少なくなるため、空調部41により適度な湿度に環境を調節することで、マイナスイオンの発生量を増加することができる。よって、特に除湿機、すなわち除湿機能を備えた空調部41にマイナスイオン発生部14を設けることで、マイナスイオンの発生量を減少させることなく、室内環境を適度な湿度に保つことができる。
【0035】
そして、送風機7によって本体1内に吸い込まれた室内の空気がエバポレータ46に触れて冷却除湿され、この冷却した空気がコンデンサ43で加温される。また、エバポレータ46に付着した結露水は、ドレンパン(図示せず)を経由して貯水タンク3に滴下し、貯水タンクに貯溜される。
【0036】
この場合の除湿機の送風経路は、送風機7の下流側において第1の送風路11と第2の送風路12とに分流され、第1の送風路11の排気口5は本体1の上面側に設けられる一方で、第2の送風路12の排気口15は本体1の正面側に設けている。しかも、本体1の上面側にある排気口5から排出する風量が、本体1の正面側にある排気口15から排出する風量よりも多くなるように、第1の送風路11と第2の送風路12を各々形成されている。そのため、マイナスイオン発生部14を設けていない第1の送風路11の排気口5は、洗濯物などを乾燥するための除湿乾燥空気を多く排出して、乾燥効果を高める用途に使用できると共に、マイナスイオン発生部14を配置した第2の送風路12の排気口15は、本体1の正面側にいる使用者に対し、不快感を与えずにマイナスイオンを運搬する用途に使用できる。したがって、本体1の正面側にいる使用者に対しては、多量の乾燥空気が当たらない快適な状況でマイナスイオンを運搬でき、同時に本体1の上面側にある洗濯物などに、多量の乾燥空気を直接当てて速やかに乾燥することが可能になる。
【0037】
一方、室温が低く、エバポレータ46に霜が付着した場合は、熱交換センサ64により検出されるエバポレータ46の温度が低下する。制御部51は、エバポレータ46の温度が所定温度である例えば0℃以下を一定時間以上継続したときに、エバポレータ46の着霜を検出し、それまでの除湿運転から除霜運転に空調部40の制御を切換える。具体的には、第2リレー接点54により二方弁48を開き、コンプレッサ42からの冷媒をコンデンサ43に通さずに、二方弁48を介してエバポレータ46に直接送り込む。これによりエバポレータ46は、冷媒の熱を放出して温度を上昇させるように作用し、エバポレータ46に付着した霜を融かす。エバポレータ46を通過した冷媒は、再びコンプレッサ42に戻り、エバポレータ46の温度が上昇するまで除霜運転を継続する。
【0038】
また、除湿機が除湿運転を開始して除湿を行なっている時に、表示・操作部4の運転スイッチを再度操作するか、あるいはフロートスイッチ61が貯水タンク3内の満水を検知すると、制御部51は除湿機としての運転が停止する。制御部51は除湿運転が停止すると、内蔵するタイマ手段のカウントを開始し、タンクセンサ71により貯水タンク3が着脱されたか否かを監視する。この制御部51によるカウント蓄電池72を電源として、貯水タンク3が着脱されない限り継続する。そSちえ、所定時間(例えば24時間)が経過しても、貯水タンク3が着脱されないと判断した場合は、使用者に対し排水を促すために、LED73を点滅表示すると共に、ブザー74による報知を行なう。こうして、貯水タンク3の排水を促すことで、貯水タンク3内の水をなくすことができ、雑菌の増殖や臭いの発生を抑えて除湿機を清潔に使用できる。
【0039】
以上のように本実施例によれば、空調部41と送風部である送風機7とイオン発生部であるマイナスイオン発生部14とを備えた空調機器において、送風機7による送風路を、空調部41からの空気を排出する第1送風路11と、マイナスイオン発生部14からのイオンを排出する第2送風路12とで分岐形成し、第1送風路11および第2送風路12にそれぞれ別の方向の排出部たる排出口5,15を設けている。
【0040】
このようにすると、空調部41からの空気とマイナスイオン発生部14からのイオンが、それぞれ第1送風路11と第2送風路12を通過して、別々の排出口5,15から外部に排出される。そのため、第2送風路12に繋がる排出口15を本体1の例えば正面側に設け、第1送風路1に繋がる排出口5を本体1の例えば上面側若しくは他の方向に設ければ、マイナスイオン発生部14からのマイナスイオンを、本体1の正面方向から少量の排気風により不快感を与えず、効率良く運搬することができ、且つ空調部41からの多量の空気を、望ましい本体1の上面方向またはその他の方向に排出できる。したがって、空調部41からの排出空気を好ましい方向に向ける一方で、マイナスイオン発生部14からのマイナスイオンを効率良く放出させることができる。
【0041】
また本実施例では、空気を冷却して除湿する空調部41と、空調部41にて結露させた水の貯溜部である貯水タンク3とを備えた空調機器において、運転停止後一定時間が経過しても貯水タンク3が排液すなわち排水されない場合に、排水を促す表示部としてのLED73を設けている。
【0042】
この場合、運転停止後一定時間が経過しても貯水タンク3が排水されない場合に、排水を促す表示が行なわれるので、使用者であるユーザは定期的に貯水タンク3の液体である水を廃棄するようになる。そのため、貯水タンク3内における雑菌の増殖や臭いの発生を抑え、貯水タンク3内を長期間清潔に使用することができ、貯水タンク3に水が長期間放置されたままになる弊害を防止できる。
【0043】
また本実施例では、循環気流を生成する空調部41と、循環気流中にイオンを放出するイオン部たるマイナスイオン発生部14とを備えた空調機器において、マイナスイオン発生部14近傍の構造体である電極ケース27を、電気的に絶縁若しくは接地するように構成している。
【0044】
この場合、マイナスイオン発生部14近傍の電極ケース27が電気的に絶縁されていれば、電極ケース27はプラスまたはマイナスに帯電しない。また、マイナスイオン発生部14近傍の電極ケース27が電気的に接地されていれば、電極ケース27に帯電した静電気をアースで逃がすことができる。そのため、いずれの場合においても、マイナスイオン発生部14から発生したマイナスイオンは構造体の影響による中和作用や反発作用がなく、安定したマイナスイオン量を供給できる。
【0045】
なお本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で適宜変更が可能である。例えば、各排出口5,15の位置は、実施例中のものに限定されない。
【0046】
【発明の効果】
本発明における請求項1の空調機器によれば、排出空気を好ましい方向に向ける一方で、イオンを効率良く放出させることができる。
【0047】
本発明における請求項2の空調機器によれば、運転停止後に液体が長期間放置されたままになる弊害を防止できる。
【0048】
本発明における請求項3の空調機器によれば、イオン部から放出するイオンの中和作用や反発作用を極力押え、安定したイオン量を供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における空調機器である除湿機の全体斜視図である。
【図2】同上、要部の概略斜視図である。
【図3】同上、イオン発生部の好ましい一例を示す要部の概略説明図である。
【図4】同上、イオン発生部の別の好ましい一例を示す要部の概略説明図である。
【図5】同上、冷凍サイクルの構成を示す概略説明図である
【図6】同上、電気的構成を示す回路図である
【符号の説明】
5 排出口(排出部)
7 送風機(送風部)
11 第1送風路
12 第2送風路
14 マイナスイオン発生部(イオン発生部)
15 排出口(排出部)
73 LED(表示部)
【発明の属する技術分野】
本発明は、除湿機などの空調機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の空調機器として、例えば特許文献1には、ケーシング内にマイナスイオン発生器を設けるとともに、空調部として加湿空気を送り出す加湿機と、除湿した乾燥空気を送り出す除湿機とをそれぞれ備え、加湿機および除湿機の下流側にマイナスイオン発生器を配置することで、湿度が調節された空気中にマイナスイオンを発生させるものが開示されている。
【0003】
このように、近年の健康指向と快適・自然志向の高まりからマイナスイオンが注目され、特許文献1にあるようなマイナスイオン応用機器の商品化が進んでいる。イオン発生部であるマイナスイオン発生器は、電極に高電圧を印加して電子間の反発力を利用してマイナスイオンの生成を行なわせる放電利用方式と、ノズルなどから高速噴射した水分子が分裂微細化するときに、近傍にある空気分子がマイナスイオンに電離する水滴噴射方式などが知られているが、構造が比較的簡単な放電利用方式が一般に搭載されている。
【0004】
マイナスイオンの必要生成量は、一般的に一立方センチメートル当り10000個以上と云われている。これは森林や渓流,滝の周辺などのマイナスイオンの生成量に匹敵することから、一応の目安となっている。因みに、渓流や滝の周辺は上記水滴噴射方式と同様な作用が発生している。
【0005】
また別の特許文献2には、コンプレッサを運転することで、熱交換器に相当するエバポレータとコンデンサに、高圧に圧縮したフロンガスからなる冷媒を循環させる冷凍サイクルを本体内に配設し、送風モータの運転に伴い空気吸込口から取り込んだ室内空気を、エバポレータに触れさせて空気中の水分を凝縮させ、このエバポレータに触れて冷却した空気をコンデンサで加温して、乾燥空気を室内に戻すと共に、エバポレータの結露した水をドレンパンに一時的に集め、ドレンパンの下部に設けられたホース接続口から、水の貯溜部である貯水タンクに滴下させて、結露水を貯水タンクに貯溜する除湿機が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−81227号公報
【特許文献2】
特開2001−50569号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に開示されるような空調機器に搭載されるマイナスイオン発生器は、その発生部電極を空調部である加湿器や除湿器の排出側送風経路に配置しているが、特に除湿機から排出する乾燥空気は、ファンを作動させる電動機(送風モータ)からの放熱と、空気から除湿した水分の潜熱が含まれるため、吸気する室内空気に対して排出空気の温度が上昇する。また、マイナスイオン自体が天井や壁などの障害物に衝突すると、直ぐに減少してしまうのに対して、除湿機の排出口は本体の上面側に配置されている。
【0008】
すなわち、本体の上面側に排出口を設けると、本体の正面側からマイナスイオンを放出できないため、排出口から放出されるマイナスイオンは天井や壁などの障害物に衝突して直ぐに減少し、マイナスイオンによる十分な効能が得られない。また、こうした事態を避けるために本体の正面側に排出口を設けると、多量の乾燥空気が人体に向けて直接排出され、排出空気の温度や湿度によっては不快感を与えてしまう。
【0009】
また、特許文献2に開示されるような除湿機においては、除湿運転を停止した後、貯溜部である貯水タンクの水は排出されないまま放置されることが多く、特に長時間放置された場合には、貯水タンク内に雑菌が増殖するなどして水が腐り、臭いの発生源や貯水タンクの汚れの原因となっていた。さらに、こうした除湿機にあっては、通常貯水タンク内の水が満杯になると、センサにより満水が検知され、除湿機としての運転が停止することから、ユーザは満水に気づいて貯水タンクの水を廃棄するが、満水になる前に運転を停止した場合は、貯水タンク内の水を排水しないまま放置することが非常に多く、上述のような水の腐敗を誘発して、その改善が望まれていた。
【0010】
また、マイナスイオンの寿命は最長で数十秒と云われているが、拡散作用で空中伝播する過程で電気的な影響を受けて加速度的に中和され、その濃度が低下する。つまり、空気中の微細粉塵などに帯電したプラスイオンと中和したり、静電気の影響を受けて寿命が短くなる。とりわけマイナスイオン発生器の近傍では、必要なマイナスイオン量以上の生成量があるが、移住空間全体では前記中和作用や反発作用によりマイナスイオン量が減少することになる。そのため、マイナスイオン発生器から放出するマイナスイオンの中和作用や反発作用を極力押える構造が、空調装置に望まれていた。
【0011】
本発明は、上記した諸事情を考慮してなされたものであり、排出空気を好ましい方向に向ける一方で、イオンを効率良く放出させることができる空調機器を提供することを第1の目的とする。
【0012】
また本発明は、運転停止後に液体が長期間放置されたままになる弊害を防止できる空調機器を提供することを第2の目的とする。
【0013】
また本発明は、イオン部から放出するイオンの中和作用や反発作用を極力押え、安定したイオン量を供給できる空調機器を提供することを第3の目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の空調機器では、空気とイオンがそれぞれ第1送風路と第2送風路を通過して、別々の排出部から外部に排出される。そのため、第2送風路に繋がる排出部を本体の例えば正面側に設け、第1送風路に繋がる排出部を本体の例えば上面側若しくは他の方向に設ければ、本体の正面方向から少量の排気風により不快感を与えず、イオンを効率良く運搬することができ、且つ多量の空気を望ましい本体の上面方向またはその他の方向に排出できる。
【0015】
本発明の請求項2の空調機器では、所定時間が経過しても排液されない場合に、排液を促す表示が行なわれるので、ユーザは定期的に液体を廃棄するようになる。そのため、液体内における雑菌の増殖や臭いの発生を抑え、長期間清潔に使用することができ、液体が長期間放置されたままになる弊害を防止できる。
【0016】
本発明の請求項3の空調機器では、イオン部近傍が電気的に絶縁されていれば、構造体はプラスまたはマイナスに帯電しない。また、イオン部近傍が電気的に接地されていれば、ここに帯電した静電気をアースで逃がすことができる。そのため、いずれの場合においても、イオン部から発生したイオンはイオン部近傍の影響による中和作用や反発作用がなく、安定したイオン量を供給できる。
【0017】
【発明の実施形態】
以下、本発明における空調機器の一実施例を、添付図面を参照しながら説明する。なお、本実施例における空調機器は除湿機である。
【0018】
除湿機全体の外観図を示す図1において、1は縦長箱状の除湿機の本体であって、この本体1の下部に形成した前方開口部2には、透明樹脂製の貯水タンク3が着脱自在に設けられる。また、本体1の上面傾斜部には、例えば複数のLEDや各種スイッチなどにより構成される表示・操作部4が配設される。この表示・操作部4の後方に位置する本体の上部には排気口5が設けられる一方で、本体1の正面には室内の空気を取り込むための吸気口6が設けられている。
【0019】
図2に示すように、本体1の内部には送風機7が設けられており、この送風機7により吸気口6から取り込んだ室内空気を、後述する空調部41に通過させて乾燥させ、排気口5から再度室内へ乾燥空気を排出する循環気流の送風路が形成されている。
【0020】
ここで、送風機7の構成をさらに詳しく説明すると、8は駆動源であるファンモータ56(図6参照)の回転軸9に軸支されたファンブレードで、本実施例では、回転軸9の延びる方向に吸気口6から取り込んだ空気を、回転軸9の放射方向に送り出すシロッコファンが用いられている。また10は、羽根部であるファンブレード8を取り囲むようにして設けられたケーシングで、空調部41からの空気を乾燥空気用の大部分を排気口5に排出する第1の送風路11が、ケーシング10の内部に形成されている。特にこの図2に示す構成では、本体1の内部にあってケーシング10に形成され、ファンブレード8から排気口5側に延びるノーズ部12の上方に、分流板13が設けられる。分流板13は、イオン発生部であるマイナスイオン発生部14に乾燥空気の一部を導入するもので、この分流板13によって、乾燥空気を排気口5に直接送り出す第1の送風路11とは別に、ファンブレード8から送り出される空気の一部を利用して、マイナスイオン発生部14から発生するマイナスイオンを、本体1の正面側にある別のマイナスイオン用の排気口15に排出する第2の送風路16が形成される。
【0021】
次に、本実施例におけるマイナスイオン発生部14の好適な例を、図3および図4に基づきそれぞれ説明する。図3は、第1の好適な例を示しているが、ここで21は電源、22は電源21からの電力供給を受けて二次側に直流高圧電圧を発生させる高圧発生装置であり、二次側のマイナス側高圧電圧ライン23Aには針電極24が結線接続されると共に、プラス側高圧電圧ライン23Bには対極25が結線接続される。これらの針電極24および対極25は、ベース26の一部に適度な間隔を保ちつつ、互いに向かい合うように固定されている。また、27は針電極24および対極25からなる高電圧の電極部を手で触れないように覆う電極ケースで、これは実質的なイオン発生部である針電極24近傍の構造体に相当する。
【0022】
なお、30はプリズムであって、これはその下方にある発光素子たるLED31の光を拡散して、運転状態を使用者に知らしめるものである。また32は、LED31からのプリズム30以外の方向の光を遮断するケースである。マイナスイオンEは使用者が目視できないことから、表示・操作部4にある運転スイッチの入/切に連動して、マイナスイオン発生部14が動作しているときにLED31を点灯するように構成すれば、使用者はマイナスイオンの発生をプリズム30からの拡散光によって確認できるばかりでなく、拡散光の色をマイナスイオンEのイメージとマッチしたものにすれば、目視上でもマイナスイオンEが発生する印象を使用者に有効にアピールすることができる。
【0023】
そして、高圧発生装置22からの直流高圧電圧を、マイナス側およびプラス側の高圧電圧ライン23A,23Bを介して針電極24および対極25間に印加すると、針電極24の先端にマイナスイオンEが生成・放出されると共に、電極ケース27の正面側に開口形成されたイオン発生口28から、拡散作用によって大気中にマイナスイオンEが放出され、前記送風機7などにより生成された風に乗って室内にマイナスイオンEが運搬される。
【0024】
ところで、従来の電極ケース27は製造性などの理由から、プラスチック材料の成形加工品で形成されることが多く、その場合は電極ケース27が静電気の影響を受けやすくなって、マイナスまたはプラスに帯電される。すなわち、電極ケース27に電気的配慮が成されておらず、電極ケース27がマイナスに帯電すると、マイナスイオンEはイオン発生口28を通過する際に反発して、イオン発生口28を通過するマイナスイオン量は僅かなものになってしまう。またプラスに帯電した場合は、マイナスイオンEを吸着して電気的に中和してしまう。そのため、いずれに帯電した場合でも、居住空間に安定してマイナスイオン量を供給することができなかった。
【0025】
そこでこの第1の好適な例では、電極ケース27を絶縁体で形成するか、あるいは絶縁性を有する塗料を表面全体にコーティング形成している。具体的には、帯電防止効果のある物質を添加した材料で、ABS樹脂やPS樹脂などからなる電極ケース27とするのが好ましい。電極ケース27に絶縁性を持たせておけば、マイナスイオンEがイオン発生口28を通過する際に反発したり中和することはなく、安定したマイナスイオン量を居住空間に運搬できる。また、僅かなイオン発生口28の面積で、居住空間に安定したマイナスイオン量を供給できるため、必要以上にイオン発生口28を大きくする必要がない。そのため、針電極24および対極25からなる高電圧部を外部から隔離することができ、電気的な安全性を高めることができる。
【0026】
次に、第2の好適な例を図4に基づき説明すると、この例では、電極ケース27を導電体で形成するか、あるいは導電性を有する塗料をその表面全体にコーティングして形成すると共に、電極ケース27を電気的に接地させるために、電極ケース27と大地との間をアース線33で連結している。
【0027】
すなわち、電極ケース27を導電体で形成し対地アースを取ることにより、電極ケース27の静電気をアース線33から大地に逃がすことができる。そのため、マイナスイオンEがイオン発生口28を通過する際に反発したり中和することはなく、安定したマイナスイオン量を居住空間に運搬できる。また、僅かなイオン発生口28の面積で、居住空間に安定したマイナスイオン量を供給できるため、必要以上にイオン発生口28を大きくする必要がない。したがって、針電極24および対極25からなる高電圧部を外部から隔離することができ、電気的な安全性を高めることができる。
【0028】
次に、除湿機の冷凍サイクルを模式的に示す図5を参照しながら、本実施例における空調部41の構成を詳しく説明する。
【0029】
前記空調部41は、冷媒を循環するコンプレッサ42と、冷媒中の熱を放出するコンデンサ43と、ドライヤ44と、キャピラリチューブ45と、空気中の水分を凝縮する熱交換器としてのエバポレータ46とをパイプ47により順次連結して構成すると共に、エバポレータ46からコンプレッサ42に至る経路と並列に、冷凍サイクル切換部としての除霜用の二方弁48が設けられている。また、エバポレータ46には後述する着霜検出手段としての熱交換センサ64が設けられ、この熱交換センサ64によりエバポレータ46の着霜を検出すると、前記二方弁48を開くように構成している。そして、二方弁47が閉じた状態では、コンプレッサ42→コンデンサ43→ドライヤ44→キャピラリチューブ45→エバポレータ46→コンプレッサ42の経路で冷媒が循環する冷却用循環路が形成される。また、二方弁48が開くと、コンプレッサ42→二方弁48→エバポレータ46→コンプレッサ42に至る加熱用循環路が形成される。
【0030】
次に、電気的な構成を図6に基づき説明する。51は除湿機の各部を制御するための制御部、52は商用電源を供給するコンセント(図示せず)に着脱可能な電源プラグで、制御部51は商用電源からコンプレッサ42への電力を供給または遮断する第1リレー接点53と、コンプレッサ42の運転中に二方弁48の開閉を切換える第2リレー接点54と、前記送風機7を構成するファンモータ56の正転・反転を切換える第3リレー接点55をそれぞれ備えている。なお、58はオーバーロードリレー,59はランニングキャパシタで、これらはいずれもコンプレッサ42に関連して接続される。
【0031】
61は、貯水タンク3内の水量を検出するフロートスイッチで、フロートスイッチ61により貯水タンク3内の満水を検知すると、制御部51は除湿機としての運転を停止するように構成している。また62は湿度検知手段としての湿度センサ,63は室温検知手段としての室温センサ,64は熱交換センサ,65はマイクロスイッチで、これらのセンサ出力やスイッチ出力に基づき、制御部51内の第1リレー接点53,第2リレー接点54および第3リレー接点55のオン・オフが独自に制御される。
【0032】
71は、貯水タンク3の着脱を検知する着脱検知手段としてのタンクセンサである。制御部51は電源プラグ52からの給電がない状態でも、タンクセンサ71による貯水タンク3の着脱を監視できるように、電気回路にて一定時間(約1週間分)のタイマをカウント可能なバッテリ手段としての蓄電池72と、この蓄電池72の充電回路(図示せず)を備えている。また制御部51には、除湿機としての運転を停止後、一定時間が経過しても貯溜部である貯水タンク3が排水されない場合に、排水を促す表示部としての発光素子すなわちLED73と、報知部としてのブザー74をそれぞれ備えている。
【0033】
そして、上記構成において表示・操作部4の運転スイッチを投入すると、除湿機の除湿運転が開始し、制御部51は二方弁48を閉じた状態でコンプレッサ42とファンモータ56を作動させる。この場合、コンプレッサ42が圧縮した冷媒は、二方弁48を通らずコンデンサ43に入り、ここで冷媒中の熱を放出した後、ドライヤ44からキャピラリチューブ45に入って膨張される。その後、エバポレータ46において熱を奪って、このエバポレータ46の温度を低下させ、コンプレッサ42に再び戻る。そして、上記冷却用循環路内で冷媒の循環を繰り返すことで、冷凍サイクルが構成される。また、使用者は必要に応じて表示・操作部4の別のスイッチを押し、マイナスイオン発生部14を作動させる。マイナスイオン発生部14からは必要量以上のマイナスイオンがその近傍で発生する。
【0034】
マイナスイオンの発生量は環境湿度に関係し、湿度が高くなると少なくなるため、空調部41により適度な湿度に環境を調節することで、マイナスイオンの発生量を増加することができる。よって、特に除湿機、すなわち除湿機能を備えた空調部41にマイナスイオン発生部14を設けることで、マイナスイオンの発生量を減少させることなく、室内環境を適度な湿度に保つことができる。
【0035】
そして、送風機7によって本体1内に吸い込まれた室内の空気がエバポレータ46に触れて冷却除湿され、この冷却した空気がコンデンサ43で加温される。また、エバポレータ46に付着した結露水は、ドレンパン(図示せず)を経由して貯水タンク3に滴下し、貯水タンクに貯溜される。
【0036】
この場合の除湿機の送風経路は、送風機7の下流側において第1の送風路11と第2の送風路12とに分流され、第1の送風路11の排気口5は本体1の上面側に設けられる一方で、第2の送風路12の排気口15は本体1の正面側に設けている。しかも、本体1の上面側にある排気口5から排出する風量が、本体1の正面側にある排気口15から排出する風量よりも多くなるように、第1の送風路11と第2の送風路12を各々形成されている。そのため、マイナスイオン発生部14を設けていない第1の送風路11の排気口5は、洗濯物などを乾燥するための除湿乾燥空気を多く排出して、乾燥効果を高める用途に使用できると共に、マイナスイオン発生部14を配置した第2の送風路12の排気口15は、本体1の正面側にいる使用者に対し、不快感を与えずにマイナスイオンを運搬する用途に使用できる。したがって、本体1の正面側にいる使用者に対しては、多量の乾燥空気が当たらない快適な状況でマイナスイオンを運搬でき、同時に本体1の上面側にある洗濯物などに、多量の乾燥空気を直接当てて速やかに乾燥することが可能になる。
【0037】
一方、室温が低く、エバポレータ46に霜が付着した場合は、熱交換センサ64により検出されるエバポレータ46の温度が低下する。制御部51は、エバポレータ46の温度が所定温度である例えば0℃以下を一定時間以上継続したときに、エバポレータ46の着霜を検出し、それまでの除湿運転から除霜運転に空調部40の制御を切換える。具体的には、第2リレー接点54により二方弁48を開き、コンプレッサ42からの冷媒をコンデンサ43に通さずに、二方弁48を介してエバポレータ46に直接送り込む。これによりエバポレータ46は、冷媒の熱を放出して温度を上昇させるように作用し、エバポレータ46に付着した霜を融かす。エバポレータ46を通過した冷媒は、再びコンプレッサ42に戻り、エバポレータ46の温度が上昇するまで除霜運転を継続する。
【0038】
また、除湿機が除湿運転を開始して除湿を行なっている時に、表示・操作部4の運転スイッチを再度操作するか、あるいはフロートスイッチ61が貯水タンク3内の満水を検知すると、制御部51は除湿機としての運転が停止する。制御部51は除湿運転が停止すると、内蔵するタイマ手段のカウントを開始し、タンクセンサ71により貯水タンク3が着脱されたか否かを監視する。この制御部51によるカウント蓄電池72を電源として、貯水タンク3が着脱されない限り継続する。そSちえ、所定時間(例えば24時間)が経過しても、貯水タンク3が着脱されないと判断した場合は、使用者に対し排水を促すために、LED73を点滅表示すると共に、ブザー74による報知を行なう。こうして、貯水タンク3の排水を促すことで、貯水タンク3内の水をなくすことができ、雑菌の増殖や臭いの発生を抑えて除湿機を清潔に使用できる。
【0039】
以上のように本実施例によれば、空調部41と送風部である送風機7とイオン発生部であるマイナスイオン発生部14とを備えた空調機器において、送風機7による送風路を、空調部41からの空気を排出する第1送風路11と、マイナスイオン発生部14からのイオンを排出する第2送風路12とで分岐形成し、第1送風路11および第2送風路12にそれぞれ別の方向の排出部たる排出口5,15を設けている。
【0040】
このようにすると、空調部41からの空気とマイナスイオン発生部14からのイオンが、それぞれ第1送風路11と第2送風路12を通過して、別々の排出口5,15から外部に排出される。そのため、第2送風路12に繋がる排出口15を本体1の例えば正面側に設け、第1送風路1に繋がる排出口5を本体1の例えば上面側若しくは他の方向に設ければ、マイナスイオン発生部14からのマイナスイオンを、本体1の正面方向から少量の排気風により不快感を与えず、効率良く運搬することができ、且つ空調部41からの多量の空気を、望ましい本体1の上面方向またはその他の方向に排出できる。したがって、空調部41からの排出空気を好ましい方向に向ける一方で、マイナスイオン発生部14からのマイナスイオンを効率良く放出させることができる。
【0041】
また本実施例では、空気を冷却して除湿する空調部41と、空調部41にて結露させた水の貯溜部である貯水タンク3とを備えた空調機器において、運転停止後一定時間が経過しても貯水タンク3が排液すなわち排水されない場合に、排水を促す表示部としてのLED73を設けている。
【0042】
この場合、運転停止後一定時間が経過しても貯水タンク3が排水されない場合に、排水を促す表示が行なわれるので、使用者であるユーザは定期的に貯水タンク3の液体である水を廃棄するようになる。そのため、貯水タンク3内における雑菌の増殖や臭いの発生を抑え、貯水タンク3内を長期間清潔に使用することができ、貯水タンク3に水が長期間放置されたままになる弊害を防止できる。
【0043】
また本実施例では、循環気流を生成する空調部41と、循環気流中にイオンを放出するイオン部たるマイナスイオン発生部14とを備えた空調機器において、マイナスイオン発生部14近傍の構造体である電極ケース27を、電気的に絶縁若しくは接地するように構成している。
【0044】
この場合、マイナスイオン発生部14近傍の電極ケース27が電気的に絶縁されていれば、電極ケース27はプラスまたはマイナスに帯電しない。また、マイナスイオン発生部14近傍の電極ケース27が電気的に接地されていれば、電極ケース27に帯電した静電気をアースで逃がすことができる。そのため、いずれの場合においても、マイナスイオン発生部14から発生したマイナスイオンは構造体の影響による中和作用や反発作用がなく、安定したマイナスイオン量を供給できる。
【0045】
なお本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で適宜変更が可能である。例えば、各排出口5,15の位置は、実施例中のものに限定されない。
【0046】
【発明の効果】
本発明における請求項1の空調機器によれば、排出空気を好ましい方向に向ける一方で、イオンを効率良く放出させることができる。
【0047】
本発明における請求項2の空調機器によれば、運転停止後に液体が長期間放置されたままになる弊害を防止できる。
【0048】
本発明における請求項3の空調機器によれば、イオン部から放出するイオンの中和作用や反発作用を極力押え、安定したイオン量を供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における空調機器である除湿機の全体斜視図である。
【図2】同上、要部の概略斜視図である。
【図3】同上、イオン発生部の好ましい一例を示す要部の概略説明図である。
【図4】同上、イオン発生部の別の好ましい一例を示す要部の概略説明図である。
【図5】同上、冷凍サイクルの構成を示す概略説明図である
【図6】同上、電気的構成を示す回路図である
【符号の説明】
5 排出口(排出部)
7 送風機(送風部)
11 第1送風路
12 第2送風路
14 マイナスイオン発生部(イオン発生部)
15 排出口(排出部)
73 LED(表示部)
Claims (3)
- 空調部を備えた空調機器において、送風部による送風路を、空気を排出する第1送風路とイオンを排出する第2送風路とで形成し、前記第1送風路および前記第2送風路にそれぞれ排出部を設けたことを特徴とする空調機器。
- 除湿する空調部と、貯溜部とを備えた空調機器において、所定時間が経過しても排液されない場合に排液を促す表示部を設けたことを特徴とする空調機器。
- 気流を生成する空調部と、イオン部とを備えた空調機器において、前記イオン部近傍を絶縁若しくは接地するように構成したことを特徴とする空調機器。
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Legal Events
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A521 | Request for written amendment filed |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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A02 | Decision of refusal |
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