JP2004324870A - 耐逆トルク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワンウエイクラッチを二個使用することによって、入力側の回転はそのまま伝達され、出力側の回転は入力側には伝達されない耐逆トルク装置を提供する。
【解決手段】ケーシングに形成された凹部内に、中心から離れる方向に向かって延びる長孔を形成した入力板と一体の入力軸と、長孔と逃げ孔を形成した出力板と一体の出力軸を収納し、出力板の長孔に貫通するピンを入力軸の一部に固定させ、出力板にはそれぞれピンにて一端が枢支されるアームを設け、アームの他端は入力板の長孔と出力板の逃げ孔に共通して貫通するピンにて枢支し、前記ピンの先端には左回転不能のワンウエイクラッチを介して回転する遊星ギヤを、前記ピンの先端には右回転不能のワンウエイクラッチを介して回転する遊星ギヤをそれぞれ装着したことを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】ケーシングに形成された凹部内に、中心から離れる方向に向かって延びる長孔を形成した入力板と一体の入力軸と、長孔と逃げ孔を形成した出力板と一体の出力軸を収納し、出力板の長孔に貫通するピンを入力軸の一部に固定させ、出力板にはそれぞれピンにて一端が枢支されるアームを設け、アームの他端は入力板の長孔と出力板の逃げ孔に共通して貫通するピンにて枢支し、前記ピンの先端には左回転不能のワンウエイクラッチを介して回転する遊星ギヤを、前記ピンの先端には右回転不能のワンウエイクラッチを介して回転する遊星ギヤをそれぞれ装着したことを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力側の回転は正逆回転にかかわらず出力側にそのまま伝達され、出力側のどの方向の回転であっても入力側には伝達されない耐逆トルク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、入力側の一方向の回転が出力側にそのまま伝達され、出力側の回転は入力側には伝達されないような装置として、所謂ワンウエイクラッチなるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のワンウエイクラッチにあっては、文字通り入力側の一方向の回転が出力側にそのまま伝達され、出力側の回転は入力側には伝達されないのであるが、入力側の回転が前記と逆方向になった場合には出力側には伝達されないため、バルブのアクチュエータのようにバルブを開閉するための駆動源である正逆回転モータの制御用には使用できないという問題点があった。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記従来技術であるワンウエイクラッチを二個使用することによって、入力側の回転は正逆回転にかかわらず出力側にそのまま伝達され、出力側のどの方向の回転であっても入力側には伝達されない耐逆トルク装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る耐逆トルク装置は、ケーシングに形成された円柱状の凹部内に、中心から離れる方向に向かって延びる第一長孔、第二長孔を形成した入力板と一体の入力軸と、長孔と第一逃げ孔、第二逃げ孔を形成した出力板と一体の出力軸を収納し、出力板の長孔に貫通するピンを入力軸の一部に固定することによって入力軸と出力軸をピンを介して関連させ、出力板にはそれぞれピンにて一端が枢支される第一アーム、第二アームを設け、第一アームの他端は入力板の第一長孔と出力板の第一逃げ孔に共通して貫通する第一ピンにて枢支し、第二アームの他端は出力板の第二長孔と出力板の第二逃げ孔に共通して貫通する第二ピンにて枢支すると共に、前記第一ピンの先端には左回転不能のワンウエイクラッチを介して回転する遊星ギヤを、前記第二ピンの先端には右回転不能のワンウエイクラッチを介して回転する遊星ギヤをそれぞれ装着し、前記ケーシングには前記二個の遊星ギヤが選択的に噛合する太陽ギヤを取り付けたことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の作用】
入力軸が回転するときには正逆回転にかかわらず出力軸は入力軸の回転に追随して回転するが、出力軸が回転するときには出力軸にロックがかかり出力軸は回転不能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明装置の実施の形態を図面について具体的に説明する。
【0008】
図1は、本発明装置の一部切裁斜視図、図2は、本発明装置の入力軸と入力軸の関係を表わす斜視図、図3は、本発明装置の全部品の分解斜視図、図4は、太陽ギヤをインターナルギヤとした場合のケーシングの平面図である。
【0009】
1は、円柱状の凹部1−1を形成したケーシング、2は、中心から離れる方向に向かって延びる第一長孔2−1、第二長孔2−2を形成した入力板2aと一体の入力軸、3は、長孔3−1と第一逃げ孔3−2、第二逃げ孔3−3を形成した出力板3aと一体の円盤状の出力軸で、凹部1−1の底壁の孔1−2から突出するように嵌挿されている。
【0010】
具体的には、第一長孔2−1は入力板2aが左回転するときには回転に伴って入力板2aの中心から離れる方向に向かって傾斜し、第二長孔2−2は入力板2aが右回転するときには回転に伴って入力板2aの中心から離れる方向に向かって傾斜するようにそれぞれ形成されている。
【0011】
入力軸2と出力軸3は、出力板3aの長孔3−1に貫通するピン4を入力軸2の一部に固定することによって関連させられており、出力板3aにはそれぞれピン5a、5bにて一端が枢支される第一アーム5−1、第二アーム5−2が設けられ、第一アーム5−1の他端は回転板2aの第一長孔2−1と出力板3aの第一逃げ孔3−2に共通して貫通する第一ピン6−1にて枢支し、第二アーム5−2の他端は回転板2aの第二長孔2−2と回転板3aの第二逃げ孔3−3に共通して貫通する第二ピン6−2にて枢支されている。
【0012】
尚、第一アーム5−1、第二アーム5−2は、ピン6−1、6−2を円滑に作動させる作用をするもので、作動説明は省略してある。
【0013】
また、前記ピン6−1の先端には左回転不能のワンウエイクラッチ7−1を介して回転する遊星ギヤ8−1が、前記ピン6−2の先端には右回転不能のワンウエイクラッチ7−2を介して回転する遊星ギヤ8−2がそれぞれ装着され、前記ケーシング1には前記遊星ギヤ8−1、8−2が選択的に噛合する太陽ギヤ9がケーシング1の底壁に固着されている。
【0014】
図中、10は、ケーシング1の蓋である。
【0015】
次に、本発明の上記構成に従い、図示する実施例について本発明装置の作動を説明する。
【0016】
図において、入力板2aと一体のピン4、4が出力板3aの長孔3−1、3−1の中央にあるときには遊星ギヤ8−1、8−2は共に太陽ギヤ9に噛合しない中立位置にある状態から説明する。
【0017】
この状態において、入力軸2に連結されたモータ(図示せず)のローターを回転させると、入力軸2と一体の入力板2aが旋回し始める。
【0018】
入力板2aが旋回を始めると、入力板2aと一体のピン4、4が出力板3aの長孔3−1、3−1の端縁を押して出力板3aが旋回する。
【0019】
入力板2aが右旋回のときは出力板3aは同じく右旋回しようとするが、このとき、入力板2aの第二長孔2−2に嵌合するピン6−2は第二長孔2−2に沿って移動するため、遊星ギヤ8−2は太陽ギヤ9から離れる方向に移動し、逆に入力板2aの第一長孔2−1に嵌合するピン6−1は第一長孔2−1に沿って中心方向に移動するため、同ピン5aにワンウエイクラッチ7−1を介して枢支される遊星ギヤ8−1は太陽ギヤ9に噛合し、図2、図3の状態になる。
【0020】
遊星ギヤ8−1のワンウエイクラッチ7−1は右回転は可能であるから、遊星ギヤ8−1は太陽ギヤ9に噛合した儘太陽ギヤ9の周囲を回転することになる。
【0021】
従って、出力板3aは入力板2aのピン4、4に押されて入力軸2の左回転方向に回転することになって、入力軸2の回転が出力軸3に伝達される。
【0022】
入力板2aが左旋回のときは出力板3aは同じく左旋回しようとするが、このとき、入力板2aの第一長孔2−1に嵌合するピン6−1は第一長孔2−1に沿って移動するため、遊星ギヤ8−1は太陽ギヤ9から離れる方向に移動し、逆に入力板2aの第二長孔2−2に嵌合するピン6−2は第一長孔2−2に沿って中心方向に移動するため、同ピン6−2にワンウエイクラッチ7−2を介して枢支される遊星ギヤ8−2は太陽ギヤ9に噛合する。
【0023】
遊星ギヤ8−2のワンウエイクラッチ7−2は左回転は可能であるから、遊星ギヤ8−2は太陽ギヤ9に噛合した儘太陽ギヤ9の周囲を回転することになる。
【0024】
従って、出力板3aは入力板2aのピン4、4に押されて入力軸2の左回転方向に回転することになって、入力軸2の回転が出力軸3に伝達される。
【0025】
つまり、モータが正回転の場合であっても逆回転の場合であっても回転可能なワンウエイクラッチが選択され、入力軸2のどちらの方向への回転であっても入力軸2の回転が正確に出力軸3に伝達される。
【0026】
而して、図2、3の遊星ギヤ8−1が太陽ギヤ9に噛合している状態において、出力軸3を左回転させようとすときには、遊星ギヤ8−1のワンウエイクラッチ7−1は左回転は不能であるから、遊星ギヤ8−1は太陽ギヤ9に噛合した儘ロックされて出力軸3の左回転の力は入力軸2には伝達されない。
【0027】
図2、3の遊星ギヤ8−1が太陽ギヤ9に噛合している状態において、出力軸3を右回転させようとすときには、前述したように入力板2aの第一長孔2−1に嵌合するピン6−1は第一長孔2−1に沿って移動し、遊星ギヤ8−1は太陽ギヤ9から離れる方向に移動し、逆に入力板2aの第二長孔2−2に嵌合するピン6−2は第一長孔2−2に沿って中心方向に移動して、同ピン6−2にワンウエイクラッチ7−2を介して枢支される遊星ギヤ8−2は太陽ギヤ9に噛合する。
【0028】
遊星ギヤ8−2のワンウエイクラッチ7−2は右回転は不能であるから、遊星ギヤ8−1は太陽ギヤ9に噛合した儘ロックされて出力軸3の右回転の力は入力軸2には伝達されない。
【0029】
つまり、出力軸3が正回転の場合であっても逆回転の場合であっても回転不能なワンウエイクラッチが選択され、出力軸3のどちらの方向への回転であっても出力軸3の回転は入力軸2には伝達されないのであって、入力軸2が正逆回転するときには出力軸3は入力軸2に追従して正逆回転するが、出力軸3が回転する場合には入力軸2は回転できない耐逆トルク作用を行うものである。
【0030】
図1乃至図3の実施例にあっては、太陽ギヤ9を平歯車としてあるが、図4のようにケーシング1の周壁に歯を切ってインターナルギヤとし、遊星ギヤ8−1、8−2が中心から離れるときに太陽ギヤ9と噛合するようにすれば前述した作用と同じ作用をするものであるが、この場合にはワンウエイクラッチ7−1、7−2の回転不能方向をそれぞれ前述の場合と逆にしておく必要がある。
【0031】
【発明の効果】
本発明に係る耐逆トルク装置によれば、ケーシングに形成された円柱状の凹部内に、中心から離れる方向に向かって延びる第一長孔、第二長孔を形成した入力板と一体の入力軸と、長孔と第一逃げ孔、第二逃げ孔を形成した出力板と一体の出力軸を収納し、出力板の長孔に貫通するピンを入力軸の一部に固定することによって入力軸と出力軸をピンを介して関連させ、出力板にはそれぞれピンにて一端が枢支される第一アーム、第二アームを設け、第一アームの他端は入力板の第一長孔と出力板の第一逃げ孔に共通して貫通する第一ピンにて枢支し、第二アームの他端は入力板の第二長孔と出力板の第二逃げ孔に共通して貫通する第二ピンにて枢支すると共に、前記第一ピンの先端には左回転不能のワンウエイクラッチを介して回転する遊星ギヤを、前記第二ピンの先端には右回転不能のワンウエイクラッチを介して回転する遊星ギヤをそれぞれ装着し、前記ケーシングには前記二個の遊星ギヤが選択的に噛合する太陽ギヤを取り付けたもので、入力軸が回転するときには正逆回転にかかわらず出力軸は入力軸の回転に追随して回転するが、出力軸が回転するときには出力軸にロックがかかり出力軸は回転不能となるようにしてあるため、正逆回転に対して耐逆トルク作用を奏することができ、従来バルブ用アクチュエータの駆動源となる正逆回転モータに採用されていた無励磁作動型電磁ブレーキの代わりに使用することができ、励磁コイルに通電するような必要がなく、バルブ用アクチュエータへの応用には最適な発明といえるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の一部切裁斜視図である。
【図2】本発明装置の入力軸と入力軸の関係を表わす斜視図である。
【図3】本発明装置の全部品の分解斜視図である。
【図4】太陽ギヤをインターナルギヤとした場合のケーシングの平面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 入力軸
2a 入力板
3 出力軸
3a 出力板
8−1 遊星ギヤ
8−2 遊星ギヤ
9 太陽ギヤ
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力側の回転は正逆回転にかかわらず出力側にそのまま伝達され、出力側のどの方向の回転であっても入力側には伝達されない耐逆トルク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、入力側の一方向の回転が出力側にそのまま伝達され、出力側の回転は入力側には伝達されないような装置として、所謂ワンウエイクラッチなるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のワンウエイクラッチにあっては、文字通り入力側の一方向の回転が出力側にそのまま伝達され、出力側の回転は入力側には伝達されないのであるが、入力側の回転が前記と逆方向になった場合には出力側には伝達されないため、バルブのアクチュエータのようにバルブを開閉するための駆動源である正逆回転モータの制御用には使用できないという問題点があった。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記従来技術であるワンウエイクラッチを二個使用することによって、入力側の回転は正逆回転にかかわらず出力側にそのまま伝達され、出力側のどの方向の回転であっても入力側には伝達されない耐逆トルク装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る耐逆トルク装置は、ケーシングに形成された円柱状の凹部内に、中心から離れる方向に向かって延びる第一長孔、第二長孔を形成した入力板と一体の入力軸と、長孔と第一逃げ孔、第二逃げ孔を形成した出力板と一体の出力軸を収納し、出力板の長孔に貫通するピンを入力軸の一部に固定することによって入力軸と出力軸をピンを介して関連させ、出力板にはそれぞれピンにて一端が枢支される第一アーム、第二アームを設け、第一アームの他端は入力板の第一長孔と出力板の第一逃げ孔に共通して貫通する第一ピンにて枢支し、第二アームの他端は出力板の第二長孔と出力板の第二逃げ孔に共通して貫通する第二ピンにて枢支すると共に、前記第一ピンの先端には左回転不能のワンウエイクラッチを介して回転する遊星ギヤを、前記第二ピンの先端には右回転不能のワンウエイクラッチを介して回転する遊星ギヤをそれぞれ装着し、前記ケーシングには前記二個の遊星ギヤが選択的に噛合する太陽ギヤを取り付けたことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の作用】
入力軸が回転するときには正逆回転にかかわらず出力軸は入力軸の回転に追随して回転するが、出力軸が回転するときには出力軸にロックがかかり出力軸は回転不能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明装置の実施の形態を図面について具体的に説明する。
【0008】
図1は、本発明装置の一部切裁斜視図、図2は、本発明装置の入力軸と入力軸の関係を表わす斜視図、図3は、本発明装置の全部品の分解斜視図、図4は、太陽ギヤをインターナルギヤとした場合のケーシングの平面図である。
【0009】
1は、円柱状の凹部1−1を形成したケーシング、2は、中心から離れる方向に向かって延びる第一長孔2−1、第二長孔2−2を形成した入力板2aと一体の入力軸、3は、長孔3−1と第一逃げ孔3−2、第二逃げ孔3−3を形成した出力板3aと一体の円盤状の出力軸で、凹部1−1の底壁の孔1−2から突出するように嵌挿されている。
【0010】
具体的には、第一長孔2−1は入力板2aが左回転するときには回転に伴って入力板2aの中心から離れる方向に向かって傾斜し、第二長孔2−2は入力板2aが右回転するときには回転に伴って入力板2aの中心から離れる方向に向かって傾斜するようにそれぞれ形成されている。
【0011】
入力軸2と出力軸3は、出力板3aの長孔3−1に貫通するピン4を入力軸2の一部に固定することによって関連させられており、出力板3aにはそれぞれピン5a、5bにて一端が枢支される第一アーム5−1、第二アーム5−2が設けられ、第一アーム5−1の他端は回転板2aの第一長孔2−1と出力板3aの第一逃げ孔3−2に共通して貫通する第一ピン6−1にて枢支し、第二アーム5−2の他端は回転板2aの第二長孔2−2と回転板3aの第二逃げ孔3−3に共通して貫通する第二ピン6−2にて枢支されている。
【0012】
尚、第一アーム5−1、第二アーム5−2は、ピン6−1、6−2を円滑に作動させる作用をするもので、作動説明は省略してある。
【0013】
また、前記ピン6−1の先端には左回転不能のワンウエイクラッチ7−1を介して回転する遊星ギヤ8−1が、前記ピン6−2の先端には右回転不能のワンウエイクラッチ7−2を介して回転する遊星ギヤ8−2がそれぞれ装着され、前記ケーシング1には前記遊星ギヤ8−1、8−2が選択的に噛合する太陽ギヤ9がケーシング1の底壁に固着されている。
【0014】
図中、10は、ケーシング1の蓋である。
【0015】
次に、本発明の上記構成に従い、図示する実施例について本発明装置の作動を説明する。
【0016】
図において、入力板2aと一体のピン4、4が出力板3aの長孔3−1、3−1の中央にあるときには遊星ギヤ8−1、8−2は共に太陽ギヤ9に噛合しない中立位置にある状態から説明する。
【0017】
この状態において、入力軸2に連結されたモータ(図示せず)のローターを回転させると、入力軸2と一体の入力板2aが旋回し始める。
【0018】
入力板2aが旋回を始めると、入力板2aと一体のピン4、4が出力板3aの長孔3−1、3−1の端縁を押して出力板3aが旋回する。
【0019】
入力板2aが右旋回のときは出力板3aは同じく右旋回しようとするが、このとき、入力板2aの第二長孔2−2に嵌合するピン6−2は第二長孔2−2に沿って移動するため、遊星ギヤ8−2は太陽ギヤ9から離れる方向に移動し、逆に入力板2aの第一長孔2−1に嵌合するピン6−1は第一長孔2−1に沿って中心方向に移動するため、同ピン5aにワンウエイクラッチ7−1を介して枢支される遊星ギヤ8−1は太陽ギヤ9に噛合し、図2、図3の状態になる。
【0020】
遊星ギヤ8−1のワンウエイクラッチ7−1は右回転は可能であるから、遊星ギヤ8−1は太陽ギヤ9に噛合した儘太陽ギヤ9の周囲を回転することになる。
【0021】
従って、出力板3aは入力板2aのピン4、4に押されて入力軸2の左回転方向に回転することになって、入力軸2の回転が出力軸3に伝達される。
【0022】
入力板2aが左旋回のときは出力板3aは同じく左旋回しようとするが、このとき、入力板2aの第一長孔2−1に嵌合するピン6−1は第一長孔2−1に沿って移動するため、遊星ギヤ8−1は太陽ギヤ9から離れる方向に移動し、逆に入力板2aの第二長孔2−2に嵌合するピン6−2は第一長孔2−2に沿って中心方向に移動するため、同ピン6−2にワンウエイクラッチ7−2を介して枢支される遊星ギヤ8−2は太陽ギヤ9に噛合する。
【0023】
遊星ギヤ8−2のワンウエイクラッチ7−2は左回転は可能であるから、遊星ギヤ8−2は太陽ギヤ9に噛合した儘太陽ギヤ9の周囲を回転することになる。
【0024】
従って、出力板3aは入力板2aのピン4、4に押されて入力軸2の左回転方向に回転することになって、入力軸2の回転が出力軸3に伝達される。
【0025】
つまり、モータが正回転の場合であっても逆回転の場合であっても回転可能なワンウエイクラッチが選択され、入力軸2のどちらの方向への回転であっても入力軸2の回転が正確に出力軸3に伝達される。
【0026】
而して、図2、3の遊星ギヤ8−1が太陽ギヤ9に噛合している状態において、出力軸3を左回転させようとすときには、遊星ギヤ8−1のワンウエイクラッチ7−1は左回転は不能であるから、遊星ギヤ8−1は太陽ギヤ9に噛合した儘ロックされて出力軸3の左回転の力は入力軸2には伝達されない。
【0027】
図2、3の遊星ギヤ8−1が太陽ギヤ9に噛合している状態において、出力軸3を右回転させようとすときには、前述したように入力板2aの第一長孔2−1に嵌合するピン6−1は第一長孔2−1に沿って移動し、遊星ギヤ8−1は太陽ギヤ9から離れる方向に移動し、逆に入力板2aの第二長孔2−2に嵌合するピン6−2は第一長孔2−2に沿って中心方向に移動して、同ピン6−2にワンウエイクラッチ7−2を介して枢支される遊星ギヤ8−2は太陽ギヤ9に噛合する。
【0028】
遊星ギヤ8−2のワンウエイクラッチ7−2は右回転は不能であるから、遊星ギヤ8−1は太陽ギヤ9に噛合した儘ロックされて出力軸3の右回転の力は入力軸2には伝達されない。
【0029】
つまり、出力軸3が正回転の場合であっても逆回転の場合であっても回転不能なワンウエイクラッチが選択され、出力軸3のどちらの方向への回転であっても出力軸3の回転は入力軸2には伝達されないのであって、入力軸2が正逆回転するときには出力軸3は入力軸2に追従して正逆回転するが、出力軸3が回転する場合には入力軸2は回転できない耐逆トルク作用を行うものである。
【0030】
図1乃至図3の実施例にあっては、太陽ギヤ9を平歯車としてあるが、図4のようにケーシング1の周壁に歯を切ってインターナルギヤとし、遊星ギヤ8−1、8−2が中心から離れるときに太陽ギヤ9と噛合するようにすれば前述した作用と同じ作用をするものであるが、この場合にはワンウエイクラッチ7−1、7−2の回転不能方向をそれぞれ前述の場合と逆にしておく必要がある。
【0031】
【発明の効果】
本発明に係る耐逆トルク装置によれば、ケーシングに形成された円柱状の凹部内に、中心から離れる方向に向かって延びる第一長孔、第二長孔を形成した入力板と一体の入力軸と、長孔と第一逃げ孔、第二逃げ孔を形成した出力板と一体の出力軸を収納し、出力板の長孔に貫通するピンを入力軸の一部に固定することによって入力軸と出力軸をピンを介して関連させ、出力板にはそれぞれピンにて一端が枢支される第一アーム、第二アームを設け、第一アームの他端は入力板の第一長孔と出力板の第一逃げ孔に共通して貫通する第一ピンにて枢支し、第二アームの他端は入力板の第二長孔と出力板の第二逃げ孔に共通して貫通する第二ピンにて枢支すると共に、前記第一ピンの先端には左回転不能のワンウエイクラッチを介して回転する遊星ギヤを、前記第二ピンの先端には右回転不能のワンウエイクラッチを介して回転する遊星ギヤをそれぞれ装着し、前記ケーシングには前記二個の遊星ギヤが選択的に噛合する太陽ギヤを取り付けたもので、入力軸が回転するときには正逆回転にかかわらず出力軸は入力軸の回転に追随して回転するが、出力軸が回転するときには出力軸にロックがかかり出力軸は回転不能となるようにしてあるため、正逆回転に対して耐逆トルク作用を奏することができ、従来バルブ用アクチュエータの駆動源となる正逆回転モータに採用されていた無励磁作動型電磁ブレーキの代わりに使用することができ、励磁コイルに通電するような必要がなく、バルブ用アクチュエータへの応用には最適な発明といえるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の一部切裁斜視図である。
【図2】本発明装置の入力軸と入力軸の関係を表わす斜視図である。
【図3】本発明装置の全部品の分解斜視図である。
【図4】太陽ギヤをインターナルギヤとした場合のケーシングの平面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 入力軸
2a 入力板
3 出力軸
3a 出力板
8−1 遊星ギヤ
8−2 遊星ギヤ
9 太陽ギヤ
Claims (1)
- ケーシング1に形成された円柱状の凹部1−1内に、中心から離れる方向に向かって延びる第一長孔2−1、第二長孔2−2を形成した入力板2aと一体の入力軸2と、長孔3−1と第一逃げ孔3−2、第二逃げ孔3−3を形成した出力板3aと一体の出力軸3を収納し、出力板3aの長孔3−1に貫通するピン4を入力軸2の一部に固定することによって入力軸2と出力軸3をピン4を介して関連させ、出力板3aにはそれぞれピン5a、5bにて一端が枢支される第一アーム5−1、第二アーム5−2を設け、第一アーム5−1の他端は入力板2aの第一長孔2−1と出力板3aの第一逃げ孔3−2に共通して貫通する第一ピン6−1にて枢支し、第二アーム5−2の他端は入力板2aの第二長孔2−2と出力板3aの第二逃げ孔3−3に共通して貫通する第二ピン6−2にて枢支すると共に、前記第一ピン6−1の先端には左回転不能のワンウエイクラッチ7−1を介して回転する遊星ギヤ8−1を、前記第二ピン6−2の先端には右回転不能のワンウエイクラッチ7−2を介して回転する遊星ギヤ8−2をそれぞれ装着し、前記ケーシング1には前記遊星ギヤ8−1、8−2が選択的に噛合する太陽ギヤ9を取り付けたことを特徴とする耐逆トルク装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003153521A JP2004324870A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 耐逆トルク装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003153521A JP2004324870A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 耐逆トルク装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004324870A true JP2004324870A (ja) | 2004-11-18 |
Family
ID=33508272
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004324870A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100560300B1 (ko) | 2003-12-15 | 2006-03-10 | 가부시키가이샤 니프코 | 일방향 클러치 |
-
2003
- 2003-04-23 JP JP2003153521A patent/JP2004324870A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100560300B1 (ko) | 2003-12-15 | 2006-03-10 | 가부시키가이샤 니프코 | 일방향 클러치 |
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