JP2004324715A - 水素供給ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】水素吸蔵合金を短時間で加熱でき且つ発生する水素ガスを長時間にわたり安定且つ継続して放出することができる水素供給ユニットを提供する。
【解決手段】内部容積が比較的大きく且つ係る内部に水素吸蔵合金を充填した大型容器X1〜X6と、内部容積が比較的小さく且つ係る内部に水素吸蔵合金を充填した小型容器Y1,Y2と、上記大型容器X1〜X6および小型容器Y1,Y2の各内部に個別に連通する一対の管路7,9およびこれらに個別に設けた弁V1,V2と、上記一対の管路7,9を合流し且つ上記大型容器X1〜X6および小型容器Y1,Y2の少なくとも一方から放出される水素を、途中に設けた弁V3を介して利用機器に供給する主管路12と、を含む、水素供給ユニット1。
【選択図】 図1
【解決手段】内部容積が比較的大きく且つ係る内部に水素吸蔵合金を充填した大型容器X1〜X6と、内部容積が比較的小さく且つ係る内部に水素吸蔵合金を充填した小型容器Y1,Y2と、上記大型容器X1〜X6および小型容器Y1,Y2の各内部に個別に連通する一対の管路7,9およびこれらに個別に設けた弁V1,V2と、上記一対の管路7,9を合流し且つ上記大型容器X1〜X6および小型容器Y1,Y2の少なくとも一方から放出される水素を、途中に設けた弁V3を介して利用機器に供給する主管路12と、を含む、水素供給ユニット1。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池などに水素ガスを安定して効率良く供給できる水素供給ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車の燃料電池などにエネルギ源である水素を供給する方法として、水素吸蔵合金が用いられている。水素吸蔵合金の水素放出反応は吸熱反応であるため、水素の放出を長時間にわたり安定して継続するには、外部から熱エネルギを水素吸蔵合金に供給する必要がある。このため、電気自動車では、その車体に搭載され且つ粉末状の水素吸蔵合金を充填したタンクを、ヒータまたは燃料電池から環流した熱媒体により加熱している。係るヒータなどの熱を水素吸蔵合金全体に効率良く伝達するため、上記タンク内に多数のハニカムコアを粉末状の水素吸蔵合金と共に充填したり、ヒータにて加熱された熱媒体が循環する熱交換器の放熱部を上記タンク内に取り付ける方法などが、これまで試みられてきた。
【0003】
しかしなから、上述した方法では、水素吸蔵合金が充填されるタンクを大型化しても、ヒータによる初期の加熱に時間を要するため、係るタンクの中央部に位置する水素吸蔵合金への熱伝達が遅れて、水素を十分に放出できない、という問題があった。一方、水素吸蔵合金が充填されるタンクを小型で複数個によるユニットで構成すると、熱伝達性は向上する反面、スペースを取るため、車両へ積載しにくくなる、という問題があった。
また、これまで提案された車載用の水素供給システムは、始動(起動)時用の水素吸蔵合金を充填したタンクと、定常走行(運転)時用の水素吸蔵合金を充填したタンクとを併設している(例えば、特許文献1,2参照)。
このため、水素吸蔵合金全体の活用効率が低く且つ車両内のスペースを要する、という問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−213605号公報 (第1〜5頁)
【特許文献2】
特開2001−302201号公報 (第1〜9頁)
【0005】
【発明が解決すべき課題】
本発明は、以上に説明した従来の技術における問題点を解決し、水素吸蔵合金を短時間で加熱でき且つ発生する水素を長時間にわたり安定且つ継続して放出することができる水素供給ユニットを提供する、ことを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明は、上記課題を解決するため、水素吸蔵合金を充填する容器を大小2種類用意し且つこれらが平衡して水素を放出するまでの立ち上げ時(始動時)に弁の開閉操作をずらして加熱効率を高める、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の水素供給ユニット(請求項1)は、内部容積が比較的大きく且つ係る内部に水素吸蔵合金を充填した大型容器と、内部容積が比較的小さく且つ係る内部に水素吸蔵合金を充填した小型容器と、上記大型容器および小型容器の各内部に個別に連通する一対の管路およびこれらに個別に設けた弁と、前記一対の管路を合流し且つ上記大型容器および小型容器の少なくとも一方から放出される水素を、途中に設けた弁を介して利用機器に供給する主管路と、を含む、ことを特徴とする。尚、上記利用機器には、燃料電池やヒートポンプなどが含まれる。
【0007】
これによれば、大型容器および小型容器のうち、比較的速く加熱され且つ水素の放出圧力が高くなる小型容器の弁を開いて水素を放出すると、大型容器内の水素吸蔵合金は加熱による昇温が促進され且つその水素の放出圧力が高まる。次いで、小型容器の弁を閉鎖し且つ大型容器の弁を開いて水素を放出すると、小型容器内の水素吸蔵合金は再加熱され且つその水素の放出圧力が再度高められる。係る小型容器および大型容器の弁の開閉操作のタイミングをずらしつつ交互に行うことで、小型容器内と大型容器内とに充填された水素吸蔵合金の温度および圧力を短時間で同じとなる平衡(定常)状態に移行することができる。従って、各容器の水素吸蔵合金から発生する水素ガスを長時間にわたり安定且つ継続して放出することが可能となる。しかも、水素吸蔵合金を効率良く活用することができる。
【0008】
また、本発明には、前記大型容器および小型容器は、それらの周囲に間隔を置いて囲い且つ係る間隔に熱媒体を循環可能とした外容器に内蔵されている、水素供給ユニット(請求項2)も含まれる。
これによれば、大型容器および小型容器を内蔵した外容器に熱湯や温水などの熱媒体を循環して供給することにより、各容器の全表面から内部に充填された水素吸蔵合金を一層効率良く加熱できる。しかも、同じ外容器に大型容器と小型容器とを内蔵した形態では、前述した弁のタイミングをずらした開閉操作の際に、熱媒体の熱エネルギを水素を放出して圧力が低下した容器側に優先して供給することができるため、熱媒体の熱エネルギを有効に活用することができる。尚、熱媒体には、利用機器である燃料電池から環流した温水を流用することもできる。
【0009】
更に、本発明には、前記小型容器の内部容積は、大型容器の内部容積の30〜40%の範囲にある、水素供給ユニット(請求項3)も含まれる。
これによれば、大型容器および小型容器に対する前述した加熱速度の差を確実に設けられるため、各容器における弁の開閉操作のタイミングをずらして行うことで、各容器に充填された水素吸蔵合金の温度や内部圧力を短時間で平衡(定常)状態にできる。尚、小型容器の内部容積が大型容器の内部容積の40%を越えると、両容器間における加熱速度の差が顕著になりにくくなり、一方、上記容積が30%未満になると、係る小型容器が過小となって大型容器とのタイミングをずらす弁操作が行いにくくなる。これらを防ぐために、上記範囲としている。
【0010】
また、本発明には、前記一対の管路と前記主管路との合流部には、前記水素を貯留する補助容器が配置されている、水素供給ユニット(請求項4)も含まれる。
これによれば、前回に放出された水素を補助容器から主管路を経て、燃料電池などの利用機器に供給できる共に、大型容器および小型容器から新たに放出された水素を、一定の圧力にして定量ずつ供給することができる。従って、始動時の当初から安定して水素の供給を保障することが可能となる。
【0011】
更に、本発明には、前記大型容器および小型容器は、軸方向の長さがほぼ同じで且つ直径が相違する円筒形状の外形を呈すると共に、前記外容器内において、複数の上記大型容器をそれぞれの中心軸を平行にし且つ互いにほぼ等間隔で配置し、それらに囲まれた隙間に上記小型容器をその中心軸を平行にして配置する、水素供給ユニット(請求項5)も含まれる。
これによれば、複数の大型容器とこれらの隙間に配置した単数または複数の小型容器を高密度にして外容器に内蔵できる。このため、係る外容器内に循環して供給する熱媒体の熱エネルギを効率良く各容器内の水素吸蔵合金に熱伝達できると共に、前述した弁操作による始動時の時間を短縮することも容易となる。
【0012】
加えて、本発明には、前記大型容器および小型容器は、その内部に径方向と軸方向との少なくとも一方に沿った凸条および仕切り壁の少なくとも一方を内設している、水素供給ユニット(請求項6)も含まれる。これによれば、大型容器や小型容器に内蔵した水素吸蔵合金に対し、上記凸条や仕切り壁を介して、外容器内に供給される熱媒体の熱エネルギを迅速且つ均一に伝達することができる。
尚、大型容器や小型容器には、熱伝導性が高いアルミニウムまたはその合金からなる板材を用いるほか、各容器の軸方向に沿った凸条や仕切り壁を一体に形成できるアルミニウム合金の押出形材を活用することも推奨される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明における1形態の水素供給ユニット1を示す概略図である。
水素供給ユニット1は、図1に示すように、内部容積が比較的大きく且つ内部に水素吸蔵合金を充填した大型容器X1〜X6と、内部容積が比較的小さく且つ内部に水素吸蔵合金を充填した小型容器Y1,Y2と、上記大型容器X1〜X6および小型容器Y1,Y2の各内部に個別に連通する一対の管路7,9およびこれらに個別に設けた弁V1,V2と、上記一対の管路7,9を合流し且つ大型容器X1〜X6および小型容器Y1,Y2から排出される水素を途中に設けた弁部V3を介して、図示しない利用機器に供給する主管路12と、を含んでいる。
【0014】
図1に示すように、大型容器X1〜X6から個別に延びた複数の枝管路6は、中継管路6aを含めて、途中に弁V1を有する管路7に集束され、小型容器Y1,Y2から個別に延びた一対の枝管路8は、途中に弁V2を有する管路9に集束されている。尚、上記中継管路6aを省いて、大型容器X4〜X6から個別に延びた複数の枝管路6を管路7に直に接続しても良い。
また、上記一対の管路7,9は、補助容器10を介し且つ弁V3を途中に有する主管路12に集束している。
更に、大型容器X1〜X6と小型容器Y1,Y2とは、図1,図2(A),(B)に示すように、軸方向の長さがほぼ同じで且つ直径が相違する円筒形状の外形を呈すると共に、互いに間隔を置いて外容器2に内蔵されている。係る外容器2内において、隣接する複数(4個)の大型容器X1〜X4,X3〜X6をそれぞれの中心軸を平行にし且つ互いにほぼ等間隔で配置し、それらの囲まれた隙間に小型容器Y1,Y2をその中心軸を平行にして個別に配置している。
【0015】
大型容器X1〜X6は、図2(A),(B)に示すように、複数の連結片27を介して外容器2の天板21、側板22,23、および底板24に支持されると共に、小型容器Y1,Y2は、複数の連結片28を介して当該小型容器Y1,Y2を包囲している大型容器X1〜X6に支持されている。
更に、外容器2は、図1,図2(A),(B)に示すように、温水などの熱媒体の供給口3および排出口4を有し、大型容器X1〜X6と小型容器Y1,Y2とをそれらの全周面から加熱可能としている。係る外容器2は、ステンレス鋼板を曲げ加工した四角筒を形成する天板21、側板22,23、および底板24と、これらの両端を閉塞する端板25,26とを溶接付けすることで形成されており、図2(A)で右側の端板26を前記複数の枝管路6,8が貫通している。
【0016】
図2(C)の断面図で例示するように、大型容器Xn(小型容器Ynも共通)は、アルミニウム合金板を円筒形に曲げ加工した本体13と、その両端を閉塞する円盤状の端板14,14と、これらに囲まれた円柱形の中空部(内部)15と、を備えている。尚、図示で右側の端板14の中心部から枝管路6(8)が突出する。
図2(C)に示すように、本体13の内周面における対称の位置から、適宜形状で且つ中空部15の径方向に沿った仕切り壁16,17が中空部15の軸方向に沿って交互に複数突出している。即ち、大型容器Xn(小型容器Ynも共通)は、係る仕切り壁16,17を平坦なアルミニウム合金板に溶接し、これを円筒形に曲げ加工した本体13の両端に、一対の端板14,14を溶着して形成される。
【0017】
上記仕切り壁16,17により、軸方向に沿ってジグザグ形状とされた中空部15には、その容積(内部容積)の約80%にして粉末状の水素吸蔵合金HSが充填されている。上記仕切り壁16,17は、水素吸蔵合金HSを大型容器Xnや小型容器Ynの中空部15全体に偏在することなく均一に位置させる。
尚、上記水素吸蔵合金HSは、予め水素を高密度で貯蔵した平均粒径約5mの粉末てあって、例えば約38wt%Zr−約34wt%Ni−約14wt%Mn−約6wt%Fe−約5wt%Ti−約2.5wt%VのZr−Ni系合金からなる。また、上記中空部15と枝管路6(8)との間には、図示しないフィルタが配置される。
【0018】
また、図2(D)に示すように、大型容器Xn(小型容器Ynも共通)における端板14,14間の前記本体13を、径方向に沿って直角に交差する縦横一対の仕切り壁18が一体に設けられたアルミニウム合金の押出形材13eとしても良い。係る押出形材13eを用いる形態では、断面十字形の仕切り壁18,18の端板14,14に隣接する端部寄りに、複数の貫通孔19または図示で前後方向に長いスリット19を穿設することにより、仕切り壁18,18により4つに仕切られた中空部15内の水素吸蔵合金HSを均一化することが容易となる。
【0019】
更に、小型容器Y1,Y2の中空部15の(内部)容積は、大型容器X1〜X6の中空部15の(内部)容積の30〜40%の範囲になるよう設定される。因みに、大型容器X1〜X6の内径が70〜80mmの場合、小型容器Y1,Y2の内径は40〜55mmとされる。尚、図1における大型容器X1および小型容器Y1で例示するように、大型容器Xnと小型容器Ynとには、それらの中空部15(内部)の温度を測定する温度計S1,S2がそれぞれ個別に配置されている。
【0020】
ここで、以上のような水素供給ユニット1の使用方法について説明する。
予め、図1において、弁V3を開き、前回の操作で補助容器10に貯留していた水素を、主管路12から図示しない燃料電池などの利用機器に供給する。
先ず、弁V1,V2を閉じた状態で、供給口3から外容器2内に約40〜80℃の温水(熱媒体)を入れ、大型容器X1〜X6と小型容器Y1,Y2とをそれらの全周面から加熱する。係る温水は、排出口4から一旦排出された後、燃料電池や熱交換器などで再度加熱され、外容器2内に循環して供給される。
この間において、内部容積の小さな小型容器Y1,Y2は、比較的速く加熱および加圧されるのに対し、内部容積の大きな大型容器X1〜X6は、比較的緩慢に加熱および加圧される。
【0021】
図3のグラフ中の一点鎖線で示すように、温水(加熱媒体)の温度上昇に伴い、比較的速く加熱された小型容器Y1,Y2内の温度が所定の温度(例えば約60〜100℃)H3に達した時点T1で、弁V2を開放する。この結果、小型容器Y1,Y2の中空部15内に充填され且つ加熱された水素吸蔵合金HSから放出された水素は、図1中の一点鎖線の矢印で示すように、枝管路8、管路9、補助容器10、弁V3、および主管路12を経て利用機器へ供給される。同時に小型容器Y1,Y2内の温度は、図3に示すように、H3からH2付近に降下する。
この間(0〜T2)において、図3のグラフ中の実線で示すように、大型容器X1〜X6内は、温水からの熱エネルギによって引き続き加熱および加圧されているため、それらの中空部15の温度がH2とH3との中間で且つ時点T2における小型容器Y1,Y2内の温度よりも高くなる。上記温度は、圧力と比例する。
【0022】
係る時点T2において、弁V2を閉鎖すると共に弁V1を開放する。これにより、大型容器X1〜X6内の加熱された水素吸蔵合金HSから放出された水素は、図1中の実線の矢印で示すように、枝管路6、管路7、補助容器10、弁V3、および主管路12を経て、利用機器へ供給される。同時に、図3のグラフ中の実線で示すように、大型容器X1〜X6内の温度は、H2付近まで降下する。
この間(T2〜T3)において、温水からの熱エネルギは、小型容器Y1,Y2に集中的に供給されるため、小型容器Y1,Y2内の温度は、図3のグラフ中の一点鎖線で示すように、H3よりも高くなり且つ大型容器X1〜X6内の上記温度H2よりも高温となる。
【0023】
係る時点T3に至った際に、弁V1を閉鎖し且つ弁V2を開放するように切り替え操作を行う。この結果、小型容器Y1,Y2内で放出された水素は、前記と同じ経路を経て主管路12に供給されると共に、係る小型容器Y1,Y2内の温度は、図3のグラフ中の一点鎖線で示すように、H2付近まで降下する。
この間(T3〜T4)において、大型容器X1〜X6は再加熱され、それらの内部温度は、図3のグラフ中の実線で示すように、H3付近まで上昇する。
係る時点T4に至った際に、弁V2を閉鎖し且つ弁V1を開放するように切り替え操作を行う。この結果、大型容器X1〜X6内で放出された水素は、前記と同じ経路を経て主管路12側に供給されると共に、係る大型容器X1〜X6内の温度は、図3のグラフに示すように、H2付近まで降下する。
この間(T4〜)において、小型容器Y1,Y2は再々度加熱され、それらの内部温度は、H4超まで上昇する。
【0024】
図3のグラフに示すように、これらの操作および変化の間において、外容器2内に供給される温水の温度も徐々に高温化している。
上述したような弁V1,V2の切替操作を行って、大型容器X1〜X6内と小型容器Y1,Y2内からの水素を交互に主管路12側に供給するプロセスを経ることにより、図3のグラフに示すように、大型容器X1〜X6内の温度と小型容器Y1,Y2内の温度とが、共通となる平衡(定常)状態になる時点Tnに至る。
これ以降は、弁V1〜V3を開放した状態で、高温化した温水によって大型容器X1〜X6と小型容器Y1,Y2とを加熱し、これらの中空部15に位置する水素吸蔵合金HSから放出される一定量の水素を、前記2つの管路7,9、補助容器10、および主管路12を経て、利用機器に供給する平衡運転が行われる。
そして、水素供給ユニット1を停止するには、外容器2内への温水の循環を停止し且つ弁V1〜V3を閉鎖する。弁V3の閉鎖により、その直前に放出された水素は、補助容器10内に貯留され、次回の水素供給時の最初に供給される。
【0025】
以上の水素供給ユニット1によれば、外容器2内に熱媒体の温水を循環して供給し、且つ弁V1,V2の開放と閉鎖とを交互にずらしつつ行うことにより、始動時から短時間で平衡運転状態に容易に移行できる。また、大型容器X1〜X6と小型容器Y1,Y2とに充填した水素吸蔵合金HSを、始動時および平行運転時の双方で常に活用することができる。しかも、大型容器X1〜X6および小型容器Y1,Y2は、外容器2内で高密度にして配置されるため、電気自動車などの車体における積載スペースを小さくできる利点も有している。
尚、温水の循環供給とその温度、大型容器Xnや小型容器Yn内の温度、および弁V1〜V3の開閉操作には、前記図3のパターンに沿ったプログラムとし、係るプログラムを格納したパソコンなどの制御手段を用いても良く、係る制御手段を含む水素供給ユニット1とするこも容易である。
【0026】
図4(A)は、前記水素供給ユニット1の変形形態である水素供給ユニット1aをの概略示す。係る水素供給ユニット1aは、図4(A)〜(C)に示すように、内部容積が比較的大きく且つ前記水素吸蔵合金HSを充填した大型容器X1〜X6と、内部容積が比較的小さく且つ水素吸蔵合金HSを充填した小型容器Y1〜Y4と、上記大型容器X1〜X6および小型容器Y1〜Y4の各内部に個別に連通する一対の管路7,9に個別に設けた弁V1,V2と、上記一対の管路7,9を合流し且つ上記大型容器X1〜X6および小型容器Y1,Y2から排出される水素を途中に設けた弁部V3を介して、図示しない利用機器に供給する主管路12と、を備えている。
【0027】
図4(A)に示すように、大型容器X1〜X6は、専用の外容器2aに内蔵され、図4(B)に示すように、係る外容器2aの天板21a、側板22a,23a、および底板24aに連結片27を介して支持されると共に、互いに接近する周面の間にも連結片27を介在させている。
また、図4(A)に示すように、小型容器Y1〜Y4も、それら専用の外容器2bに内蔵され、図4(C)に示すように、係る外容器2bの天板21b、側板22b,23b、および底板24bに連結片27を介して支持されると共に、且つ互いに接近する周面の間にも連結片27を介在させている。
【0028】
更に、外容器2a,2bは、図4(A)に示すように、温水(熱媒体)の供給口3a,3bおよび排出口4a,4bを有すると共に、大型容器X1〜X6や小型容器Y1〜Y4から個別に延びた枝管路6,8をそれらの端板26a,26bに貫通させ、弁V1,V2を有する管路7,9に個別に連通している。
以上のような水素供給ユニット1aによれば、大型容器X1〜X6と小型容器Y1〜Y4とは、それぞれ専用の外容器2a,2bに内蔵しているため、同じ温度の温水をこれらに分割して循環供給した際、小型容器Y1〜Y4を前記水素供給ユニット1の場合よりも速く加熱でき、弁V1,V2を切替操作する平衡運転に至るまでの始動時の立ち上げ運転時間を一層短くすることが可能となる。
【0029】
また、大型容器X1〜X6に供給する温水の温度を、小型容器Y1〜Y4に供給する温水の温度よりも若干高くすることによっても、両者間における加熱時間のずれを短縮することも可能である。更に、外容器2a,2b間に図示しない連絡管路を配管し、外容器2b→外容器2aの順序または外容器2a→外容器2bの順序により、温水を循環供給することも可能である。加えて、大型容器X1〜X6と小型容器Y1〜Y4とが、外容器2a,2bに分割して内蔵されるため、車両内の限られたスペースに分割して配置することも可能となる。
【0030】
図5(A)は、異なる形態の大型容器Xn(小型容器Ynも共通)に適用する本体13と、その軸方向に沿って内接させたアルミニウム合金の押出形材30との断面を示す。本体13は、アルミニウム合金の板材を曲げ加工するか、または押出成形されたパイプが適用される。押出形材30は、図5(A)に示すように、本体13の中心部から放射状に延び且つ中空部15の軸方向に沿った6個の仕切り壁32を対称に有し、それらの先端は本体13の内周面に接触している。係る6個の仕切り壁32には、予め複数の貫通孔33が穿孔されている。
以上のような押出形材30の前後端に一対の前記端板14を固定することにより、大型容器Xnが形成される。従って、前記水素吸蔵合金HSの粉末を仕切り壁32によって6箇所に仕切られた中空部15に充填しても、係る粉末を均一に分散できると共に、本体13の周面から供給される前記温水からの熱エネルギを、上記粉末全体に迅速に伝達することも可能となる。
【0031】
図5(B)は、更に異なる形態の大型容器Xn(小型容器Ynも共通)の前記本体13に替えて用いるアルミニウム合金の押出形材34の断面を示す。係る押出形材34は、図5(B)に示すように、円筒形の本体35と、その内周面における等間隔の位置から中心部に向けて対称に突出し且つ中空部38の軸方向に沿った6つの凸条36と、を図示の前後方向に沿って一体に有する。係る押出形材34の前後端に一対の前記端板14を溶着することで、大型容器Xnが形成される。
係る大型容器Xnによれば、比較的簡単な構造で且つ容易に形成できると共に、6つの凸条36が対称に突出する中空部(内部)38に充填された前記水素吸蔵合金HSの粉末は、上記凸条36を介して、本体35の周面から供給される前記温水からの熱エネルギにより迅速且つ均一に加熱される。
【0032】
図5(C),(D)は、更に別なる形態の大型容器Xn(小型容器Ynも共通)を示す。係る大型容器Xnは、アルミニウム合金の押出形材40と、その両端に溶接Wした端板44,45とを備えている。押出形材40は、図5(C),(D)に示すように、円筒形の本体41と、その内周面から対称に突出し且つ中空部43の軸方向に沿った4つの凸条42とを一体に有する。係る押出形材40において対向する凸条42,42には、円弧形で且つ中空部43の径方向に沿ったの仕切り壁46,47が軸方向に沿って交互に複数突出する。係る仕切り壁46,47は、上記凸条42,42と交差し且つ係る交差位置には予めスリットが設けてあり、図5(D)で本体41の中央寄りのものから押出形材40に順次溶接Wされる。
尚、図5(C)で右側の端板45の中心部には、枝管路6(8)が接続され、且つその基端付近にはフィルタ(図示せず)が配置される。
以上のような4つの凸条42とこれのうち一対の凸条42と交差する複数の仕切り壁46,47を有する大型容器Xnによれば、その中空部(内部)43に充填される前記水素吸蔵合金HSの粉末は、比較的均一に分散すると共に、本体41の周面から供給される前記温水の熱エネルギにより迅速且つ均一に加熱される。
【0033】
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、大型容器Xnや小型容器Ynは、銅板または銅合金板を用いて形成しても良い。
また、大型容器Xnおよび小型容器Ynは、単一の外容器に内蔵する形態において、一対の大型容器X1,X2間に小型容器Y1を、それらの中心軸が平行で且つ互いに一直線状になるように配置したり、平行な一対の大型容器X1,X2間で且つこれら中心同士間の位置から対称にずれた位置に一対の小型容器Y1,Y2を配置しても良い。あるいは、互いに等間隔に配置した3つの大型容器X1〜X3に囲まれた隙間に小型容器Y1を配置する形態としても良い。
更に、前記弁V1〜V3は、止め弁や仕切り弁のほか、逆止弁や逃し弁としたり、または開度を調整できるちょう形弁としても良く、あるいは遠隔操作が容易な電磁弁を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水素供給ユニットの1形態を模式的に示す概略図。
【図2】(A),(B)は上記水素供給ユニットに用いる大型容器および小型容器を内蔵する外容器を示す概略の断面図、(C)は大型容器/小型容器の1形態を示す断面図、(D)は異なる形態の大型容器/小型容器を示す断面図。
【図3】図1および図2(A),(B)に示した水素供給ユニットの使用方法における大型容器や小型容器の内部の温度と時間との関係などを定性的に示すグラフ。
【図4】(A)は図1の水素供給ユニットの変形形態を示す概略図、(B),(C)は(A)中のB−B線またはC−C線に沿った矢視における断面図。
【図5】(A)〜(C)は更に形態の大型容器/小型容器を示す断面図、(D)は(C)中のD−D線に沿った矢視における断面図。
【符号の説明】
1,1a………………………………水素供給ユニット
2,2a,2b………………………外容器
7,9…………………………………管路
10……………………………………補助容器
12……………………………………主管路
15,38,43……………………中空部(内部)
16,17,18,32,46,47…仕切り壁
36,42……………………………凸条
X1〜X6,Xn……………………大型容器
Y1〜Y4,Yn……………………小型容器
V1〜V3……………………………弁
HS……………………………………水素吸蔵合金
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池などに水素ガスを安定して効率良く供給できる水素供給ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車の燃料電池などにエネルギ源である水素を供給する方法として、水素吸蔵合金が用いられている。水素吸蔵合金の水素放出反応は吸熱反応であるため、水素の放出を長時間にわたり安定して継続するには、外部から熱エネルギを水素吸蔵合金に供給する必要がある。このため、電気自動車では、その車体に搭載され且つ粉末状の水素吸蔵合金を充填したタンクを、ヒータまたは燃料電池から環流した熱媒体により加熱している。係るヒータなどの熱を水素吸蔵合金全体に効率良く伝達するため、上記タンク内に多数のハニカムコアを粉末状の水素吸蔵合金と共に充填したり、ヒータにて加熱された熱媒体が循環する熱交換器の放熱部を上記タンク内に取り付ける方法などが、これまで試みられてきた。
【0003】
しかしなから、上述した方法では、水素吸蔵合金が充填されるタンクを大型化しても、ヒータによる初期の加熱に時間を要するため、係るタンクの中央部に位置する水素吸蔵合金への熱伝達が遅れて、水素を十分に放出できない、という問題があった。一方、水素吸蔵合金が充填されるタンクを小型で複数個によるユニットで構成すると、熱伝達性は向上する反面、スペースを取るため、車両へ積載しにくくなる、という問題があった。
また、これまで提案された車載用の水素供給システムは、始動(起動)時用の水素吸蔵合金を充填したタンクと、定常走行(運転)時用の水素吸蔵合金を充填したタンクとを併設している(例えば、特許文献1,2参照)。
このため、水素吸蔵合金全体の活用効率が低く且つ車両内のスペースを要する、という問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−213605号公報 (第1〜5頁)
【特許文献2】
特開2001−302201号公報 (第1〜9頁)
【0005】
【発明が解決すべき課題】
本発明は、以上に説明した従来の技術における問題点を解決し、水素吸蔵合金を短時間で加熱でき且つ発生する水素を長時間にわたり安定且つ継続して放出することができる水素供給ユニットを提供する、ことを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明は、上記課題を解決するため、水素吸蔵合金を充填する容器を大小2種類用意し且つこれらが平衡して水素を放出するまでの立ち上げ時(始動時)に弁の開閉操作をずらして加熱効率を高める、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の水素供給ユニット(請求項1)は、内部容積が比較的大きく且つ係る内部に水素吸蔵合金を充填した大型容器と、内部容積が比較的小さく且つ係る内部に水素吸蔵合金を充填した小型容器と、上記大型容器および小型容器の各内部に個別に連通する一対の管路およびこれらに個別に設けた弁と、前記一対の管路を合流し且つ上記大型容器および小型容器の少なくとも一方から放出される水素を、途中に設けた弁を介して利用機器に供給する主管路と、を含む、ことを特徴とする。尚、上記利用機器には、燃料電池やヒートポンプなどが含まれる。
【0007】
これによれば、大型容器および小型容器のうち、比較的速く加熱され且つ水素の放出圧力が高くなる小型容器の弁を開いて水素を放出すると、大型容器内の水素吸蔵合金は加熱による昇温が促進され且つその水素の放出圧力が高まる。次いで、小型容器の弁を閉鎖し且つ大型容器の弁を開いて水素を放出すると、小型容器内の水素吸蔵合金は再加熱され且つその水素の放出圧力が再度高められる。係る小型容器および大型容器の弁の開閉操作のタイミングをずらしつつ交互に行うことで、小型容器内と大型容器内とに充填された水素吸蔵合金の温度および圧力を短時間で同じとなる平衡(定常)状態に移行することができる。従って、各容器の水素吸蔵合金から発生する水素ガスを長時間にわたり安定且つ継続して放出することが可能となる。しかも、水素吸蔵合金を効率良く活用することができる。
【0008】
また、本発明には、前記大型容器および小型容器は、それらの周囲に間隔を置いて囲い且つ係る間隔に熱媒体を循環可能とした外容器に内蔵されている、水素供給ユニット(請求項2)も含まれる。
これによれば、大型容器および小型容器を内蔵した外容器に熱湯や温水などの熱媒体を循環して供給することにより、各容器の全表面から内部に充填された水素吸蔵合金を一層効率良く加熱できる。しかも、同じ外容器に大型容器と小型容器とを内蔵した形態では、前述した弁のタイミングをずらした開閉操作の際に、熱媒体の熱エネルギを水素を放出して圧力が低下した容器側に優先して供給することができるため、熱媒体の熱エネルギを有効に活用することができる。尚、熱媒体には、利用機器である燃料電池から環流した温水を流用することもできる。
【0009】
更に、本発明には、前記小型容器の内部容積は、大型容器の内部容積の30〜40%の範囲にある、水素供給ユニット(請求項3)も含まれる。
これによれば、大型容器および小型容器に対する前述した加熱速度の差を確実に設けられるため、各容器における弁の開閉操作のタイミングをずらして行うことで、各容器に充填された水素吸蔵合金の温度や内部圧力を短時間で平衡(定常)状態にできる。尚、小型容器の内部容積が大型容器の内部容積の40%を越えると、両容器間における加熱速度の差が顕著になりにくくなり、一方、上記容積が30%未満になると、係る小型容器が過小となって大型容器とのタイミングをずらす弁操作が行いにくくなる。これらを防ぐために、上記範囲としている。
【0010】
また、本発明には、前記一対の管路と前記主管路との合流部には、前記水素を貯留する補助容器が配置されている、水素供給ユニット(請求項4)も含まれる。
これによれば、前回に放出された水素を補助容器から主管路を経て、燃料電池などの利用機器に供給できる共に、大型容器および小型容器から新たに放出された水素を、一定の圧力にして定量ずつ供給することができる。従って、始動時の当初から安定して水素の供給を保障することが可能となる。
【0011】
更に、本発明には、前記大型容器および小型容器は、軸方向の長さがほぼ同じで且つ直径が相違する円筒形状の外形を呈すると共に、前記外容器内において、複数の上記大型容器をそれぞれの中心軸を平行にし且つ互いにほぼ等間隔で配置し、それらに囲まれた隙間に上記小型容器をその中心軸を平行にして配置する、水素供給ユニット(請求項5)も含まれる。
これによれば、複数の大型容器とこれらの隙間に配置した単数または複数の小型容器を高密度にして外容器に内蔵できる。このため、係る外容器内に循環して供給する熱媒体の熱エネルギを効率良く各容器内の水素吸蔵合金に熱伝達できると共に、前述した弁操作による始動時の時間を短縮することも容易となる。
【0012】
加えて、本発明には、前記大型容器および小型容器は、その内部に径方向と軸方向との少なくとも一方に沿った凸条および仕切り壁の少なくとも一方を内設している、水素供給ユニット(請求項6)も含まれる。これによれば、大型容器や小型容器に内蔵した水素吸蔵合金に対し、上記凸条や仕切り壁を介して、外容器内に供給される熱媒体の熱エネルギを迅速且つ均一に伝達することができる。
尚、大型容器や小型容器には、熱伝導性が高いアルミニウムまたはその合金からなる板材を用いるほか、各容器の軸方向に沿った凸条や仕切り壁を一体に形成できるアルミニウム合金の押出形材を活用することも推奨される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明における1形態の水素供給ユニット1を示す概略図である。
水素供給ユニット1は、図1に示すように、内部容積が比較的大きく且つ内部に水素吸蔵合金を充填した大型容器X1〜X6と、内部容積が比較的小さく且つ内部に水素吸蔵合金を充填した小型容器Y1,Y2と、上記大型容器X1〜X6および小型容器Y1,Y2の各内部に個別に連通する一対の管路7,9およびこれらに個別に設けた弁V1,V2と、上記一対の管路7,9を合流し且つ大型容器X1〜X6および小型容器Y1,Y2から排出される水素を途中に設けた弁部V3を介して、図示しない利用機器に供給する主管路12と、を含んでいる。
【0014】
図1に示すように、大型容器X1〜X6から個別に延びた複数の枝管路6は、中継管路6aを含めて、途中に弁V1を有する管路7に集束され、小型容器Y1,Y2から個別に延びた一対の枝管路8は、途中に弁V2を有する管路9に集束されている。尚、上記中継管路6aを省いて、大型容器X4〜X6から個別に延びた複数の枝管路6を管路7に直に接続しても良い。
また、上記一対の管路7,9は、補助容器10を介し且つ弁V3を途中に有する主管路12に集束している。
更に、大型容器X1〜X6と小型容器Y1,Y2とは、図1,図2(A),(B)に示すように、軸方向の長さがほぼ同じで且つ直径が相違する円筒形状の外形を呈すると共に、互いに間隔を置いて外容器2に内蔵されている。係る外容器2内において、隣接する複数(4個)の大型容器X1〜X4,X3〜X6をそれぞれの中心軸を平行にし且つ互いにほぼ等間隔で配置し、それらの囲まれた隙間に小型容器Y1,Y2をその中心軸を平行にして個別に配置している。
【0015】
大型容器X1〜X6は、図2(A),(B)に示すように、複数の連結片27を介して外容器2の天板21、側板22,23、および底板24に支持されると共に、小型容器Y1,Y2は、複数の連結片28を介して当該小型容器Y1,Y2を包囲している大型容器X1〜X6に支持されている。
更に、外容器2は、図1,図2(A),(B)に示すように、温水などの熱媒体の供給口3および排出口4を有し、大型容器X1〜X6と小型容器Y1,Y2とをそれらの全周面から加熱可能としている。係る外容器2は、ステンレス鋼板を曲げ加工した四角筒を形成する天板21、側板22,23、および底板24と、これらの両端を閉塞する端板25,26とを溶接付けすることで形成されており、図2(A)で右側の端板26を前記複数の枝管路6,8が貫通している。
【0016】
図2(C)の断面図で例示するように、大型容器Xn(小型容器Ynも共通)は、アルミニウム合金板を円筒形に曲げ加工した本体13と、その両端を閉塞する円盤状の端板14,14と、これらに囲まれた円柱形の中空部(内部)15と、を備えている。尚、図示で右側の端板14の中心部から枝管路6(8)が突出する。
図2(C)に示すように、本体13の内周面における対称の位置から、適宜形状で且つ中空部15の径方向に沿った仕切り壁16,17が中空部15の軸方向に沿って交互に複数突出している。即ち、大型容器Xn(小型容器Ynも共通)は、係る仕切り壁16,17を平坦なアルミニウム合金板に溶接し、これを円筒形に曲げ加工した本体13の両端に、一対の端板14,14を溶着して形成される。
【0017】
上記仕切り壁16,17により、軸方向に沿ってジグザグ形状とされた中空部15には、その容積(内部容積)の約80%にして粉末状の水素吸蔵合金HSが充填されている。上記仕切り壁16,17は、水素吸蔵合金HSを大型容器Xnや小型容器Ynの中空部15全体に偏在することなく均一に位置させる。
尚、上記水素吸蔵合金HSは、予め水素を高密度で貯蔵した平均粒径約5mの粉末てあって、例えば約38wt%Zr−約34wt%Ni−約14wt%Mn−約6wt%Fe−約5wt%Ti−約2.5wt%VのZr−Ni系合金からなる。また、上記中空部15と枝管路6(8)との間には、図示しないフィルタが配置される。
【0018】
また、図2(D)に示すように、大型容器Xn(小型容器Ynも共通)における端板14,14間の前記本体13を、径方向に沿って直角に交差する縦横一対の仕切り壁18が一体に設けられたアルミニウム合金の押出形材13eとしても良い。係る押出形材13eを用いる形態では、断面十字形の仕切り壁18,18の端板14,14に隣接する端部寄りに、複数の貫通孔19または図示で前後方向に長いスリット19を穿設することにより、仕切り壁18,18により4つに仕切られた中空部15内の水素吸蔵合金HSを均一化することが容易となる。
【0019】
更に、小型容器Y1,Y2の中空部15の(内部)容積は、大型容器X1〜X6の中空部15の(内部)容積の30〜40%の範囲になるよう設定される。因みに、大型容器X1〜X6の内径が70〜80mmの場合、小型容器Y1,Y2の内径は40〜55mmとされる。尚、図1における大型容器X1および小型容器Y1で例示するように、大型容器Xnと小型容器Ynとには、それらの中空部15(内部)の温度を測定する温度計S1,S2がそれぞれ個別に配置されている。
【0020】
ここで、以上のような水素供給ユニット1の使用方法について説明する。
予め、図1において、弁V3を開き、前回の操作で補助容器10に貯留していた水素を、主管路12から図示しない燃料電池などの利用機器に供給する。
先ず、弁V1,V2を閉じた状態で、供給口3から外容器2内に約40〜80℃の温水(熱媒体)を入れ、大型容器X1〜X6と小型容器Y1,Y2とをそれらの全周面から加熱する。係る温水は、排出口4から一旦排出された後、燃料電池や熱交換器などで再度加熱され、外容器2内に循環して供給される。
この間において、内部容積の小さな小型容器Y1,Y2は、比較的速く加熱および加圧されるのに対し、内部容積の大きな大型容器X1〜X6は、比較的緩慢に加熱および加圧される。
【0021】
図3のグラフ中の一点鎖線で示すように、温水(加熱媒体)の温度上昇に伴い、比較的速く加熱された小型容器Y1,Y2内の温度が所定の温度(例えば約60〜100℃)H3に達した時点T1で、弁V2を開放する。この結果、小型容器Y1,Y2の中空部15内に充填され且つ加熱された水素吸蔵合金HSから放出された水素は、図1中の一点鎖線の矢印で示すように、枝管路8、管路9、補助容器10、弁V3、および主管路12を経て利用機器へ供給される。同時に小型容器Y1,Y2内の温度は、図3に示すように、H3からH2付近に降下する。
この間(0〜T2)において、図3のグラフ中の実線で示すように、大型容器X1〜X6内は、温水からの熱エネルギによって引き続き加熱および加圧されているため、それらの中空部15の温度がH2とH3との中間で且つ時点T2における小型容器Y1,Y2内の温度よりも高くなる。上記温度は、圧力と比例する。
【0022】
係る時点T2において、弁V2を閉鎖すると共に弁V1を開放する。これにより、大型容器X1〜X6内の加熱された水素吸蔵合金HSから放出された水素は、図1中の実線の矢印で示すように、枝管路6、管路7、補助容器10、弁V3、および主管路12を経て、利用機器へ供給される。同時に、図3のグラフ中の実線で示すように、大型容器X1〜X6内の温度は、H2付近まで降下する。
この間(T2〜T3)において、温水からの熱エネルギは、小型容器Y1,Y2に集中的に供給されるため、小型容器Y1,Y2内の温度は、図3のグラフ中の一点鎖線で示すように、H3よりも高くなり且つ大型容器X1〜X6内の上記温度H2よりも高温となる。
【0023】
係る時点T3に至った際に、弁V1を閉鎖し且つ弁V2を開放するように切り替え操作を行う。この結果、小型容器Y1,Y2内で放出された水素は、前記と同じ経路を経て主管路12に供給されると共に、係る小型容器Y1,Y2内の温度は、図3のグラフ中の一点鎖線で示すように、H2付近まで降下する。
この間(T3〜T4)において、大型容器X1〜X6は再加熱され、それらの内部温度は、図3のグラフ中の実線で示すように、H3付近まで上昇する。
係る時点T4に至った際に、弁V2を閉鎖し且つ弁V1を開放するように切り替え操作を行う。この結果、大型容器X1〜X6内で放出された水素は、前記と同じ経路を経て主管路12側に供給されると共に、係る大型容器X1〜X6内の温度は、図3のグラフに示すように、H2付近まで降下する。
この間(T4〜)において、小型容器Y1,Y2は再々度加熱され、それらの内部温度は、H4超まで上昇する。
【0024】
図3のグラフに示すように、これらの操作および変化の間において、外容器2内に供給される温水の温度も徐々に高温化している。
上述したような弁V1,V2の切替操作を行って、大型容器X1〜X6内と小型容器Y1,Y2内からの水素を交互に主管路12側に供給するプロセスを経ることにより、図3のグラフに示すように、大型容器X1〜X6内の温度と小型容器Y1,Y2内の温度とが、共通となる平衡(定常)状態になる時点Tnに至る。
これ以降は、弁V1〜V3を開放した状態で、高温化した温水によって大型容器X1〜X6と小型容器Y1,Y2とを加熱し、これらの中空部15に位置する水素吸蔵合金HSから放出される一定量の水素を、前記2つの管路7,9、補助容器10、および主管路12を経て、利用機器に供給する平衡運転が行われる。
そして、水素供給ユニット1を停止するには、外容器2内への温水の循環を停止し且つ弁V1〜V3を閉鎖する。弁V3の閉鎖により、その直前に放出された水素は、補助容器10内に貯留され、次回の水素供給時の最初に供給される。
【0025】
以上の水素供給ユニット1によれば、外容器2内に熱媒体の温水を循環して供給し、且つ弁V1,V2の開放と閉鎖とを交互にずらしつつ行うことにより、始動時から短時間で平衡運転状態に容易に移行できる。また、大型容器X1〜X6と小型容器Y1,Y2とに充填した水素吸蔵合金HSを、始動時および平行運転時の双方で常に活用することができる。しかも、大型容器X1〜X6および小型容器Y1,Y2は、外容器2内で高密度にして配置されるため、電気自動車などの車体における積載スペースを小さくできる利点も有している。
尚、温水の循環供給とその温度、大型容器Xnや小型容器Yn内の温度、および弁V1〜V3の開閉操作には、前記図3のパターンに沿ったプログラムとし、係るプログラムを格納したパソコンなどの制御手段を用いても良く、係る制御手段を含む水素供給ユニット1とするこも容易である。
【0026】
図4(A)は、前記水素供給ユニット1の変形形態である水素供給ユニット1aをの概略示す。係る水素供給ユニット1aは、図4(A)〜(C)に示すように、内部容積が比較的大きく且つ前記水素吸蔵合金HSを充填した大型容器X1〜X6と、内部容積が比較的小さく且つ水素吸蔵合金HSを充填した小型容器Y1〜Y4と、上記大型容器X1〜X6および小型容器Y1〜Y4の各内部に個別に連通する一対の管路7,9に個別に設けた弁V1,V2と、上記一対の管路7,9を合流し且つ上記大型容器X1〜X6および小型容器Y1,Y2から排出される水素を途中に設けた弁部V3を介して、図示しない利用機器に供給する主管路12と、を備えている。
【0027】
図4(A)に示すように、大型容器X1〜X6は、専用の外容器2aに内蔵され、図4(B)に示すように、係る外容器2aの天板21a、側板22a,23a、および底板24aに連結片27を介して支持されると共に、互いに接近する周面の間にも連結片27を介在させている。
また、図4(A)に示すように、小型容器Y1〜Y4も、それら専用の外容器2bに内蔵され、図4(C)に示すように、係る外容器2bの天板21b、側板22b,23b、および底板24bに連結片27を介して支持されると共に、且つ互いに接近する周面の間にも連結片27を介在させている。
【0028】
更に、外容器2a,2bは、図4(A)に示すように、温水(熱媒体)の供給口3a,3bおよび排出口4a,4bを有すると共に、大型容器X1〜X6や小型容器Y1〜Y4から個別に延びた枝管路6,8をそれらの端板26a,26bに貫通させ、弁V1,V2を有する管路7,9に個別に連通している。
以上のような水素供給ユニット1aによれば、大型容器X1〜X6と小型容器Y1〜Y4とは、それぞれ専用の外容器2a,2bに内蔵しているため、同じ温度の温水をこれらに分割して循環供給した際、小型容器Y1〜Y4を前記水素供給ユニット1の場合よりも速く加熱でき、弁V1,V2を切替操作する平衡運転に至るまでの始動時の立ち上げ運転時間を一層短くすることが可能となる。
【0029】
また、大型容器X1〜X6に供給する温水の温度を、小型容器Y1〜Y4に供給する温水の温度よりも若干高くすることによっても、両者間における加熱時間のずれを短縮することも可能である。更に、外容器2a,2b間に図示しない連絡管路を配管し、外容器2b→外容器2aの順序または外容器2a→外容器2bの順序により、温水を循環供給することも可能である。加えて、大型容器X1〜X6と小型容器Y1〜Y4とが、外容器2a,2bに分割して内蔵されるため、車両内の限られたスペースに分割して配置することも可能となる。
【0030】
図5(A)は、異なる形態の大型容器Xn(小型容器Ynも共通)に適用する本体13と、その軸方向に沿って内接させたアルミニウム合金の押出形材30との断面を示す。本体13は、アルミニウム合金の板材を曲げ加工するか、または押出成形されたパイプが適用される。押出形材30は、図5(A)に示すように、本体13の中心部から放射状に延び且つ中空部15の軸方向に沿った6個の仕切り壁32を対称に有し、それらの先端は本体13の内周面に接触している。係る6個の仕切り壁32には、予め複数の貫通孔33が穿孔されている。
以上のような押出形材30の前後端に一対の前記端板14を固定することにより、大型容器Xnが形成される。従って、前記水素吸蔵合金HSの粉末を仕切り壁32によって6箇所に仕切られた中空部15に充填しても、係る粉末を均一に分散できると共に、本体13の周面から供給される前記温水からの熱エネルギを、上記粉末全体に迅速に伝達することも可能となる。
【0031】
図5(B)は、更に異なる形態の大型容器Xn(小型容器Ynも共通)の前記本体13に替えて用いるアルミニウム合金の押出形材34の断面を示す。係る押出形材34は、図5(B)に示すように、円筒形の本体35と、その内周面における等間隔の位置から中心部に向けて対称に突出し且つ中空部38の軸方向に沿った6つの凸条36と、を図示の前後方向に沿って一体に有する。係る押出形材34の前後端に一対の前記端板14を溶着することで、大型容器Xnが形成される。
係る大型容器Xnによれば、比較的簡単な構造で且つ容易に形成できると共に、6つの凸条36が対称に突出する中空部(内部)38に充填された前記水素吸蔵合金HSの粉末は、上記凸条36を介して、本体35の周面から供給される前記温水からの熱エネルギにより迅速且つ均一に加熱される。
【0032】
図5(C),(D)は、更に別なる形態の大型容器Xn(小型容器Ynも共通)を示す。係る大型容器Xnは、アルミニウム合金の押出形材40と、その両端に溶接Wした端板44,45とを備えている。押出形材40は、図5(C),(D)に示すように、円筒形の本体41と、その内周面から対称に突出し且つ中空部43の軸方向に沿った4つの凸条42とを一体に有する。係る押出形材40において対向する凸条42,42には、円弧形で且つ中空部43の径方向に沿ったの仕切り壁46,47が軸方向に沿って交互に複数突出する。係る仕切り壁46,47は、上記凸条42,42と交差し且つ係る交差位置には予めスリットが設けてあり、図5(D)で本体41の中央寄りのものから押出形材40に順次溶接Wされる。
尚、図5(C)で右側の端板45の中心部には、枝管路6(8)が接続され、且つその基端付近にはフィルタ(図示せず)が配置される。
以上のような4つの凸条42とこれのうち一対の凸条42と交差する複数の仕切り壁46,47を有する大型容器Xnによれば、その中空部(内部)43に充填される前記水素吸蔵合金HSの粉末は、比較的均一に分散すると共に、本体41の周面から供給される前記温水の熱エネルギにより迅速且つ均一に加熱される。
【0033】
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、大型容器Xnや小型容器Ynは、銅板または銅合金板を用いて形成しても良い。
また、大型容器Xnおよび小型容器Ynは、単一の外容器に内蔵する形態において、一対の大型容器X1,X2間に小型容器Y1を、それらの中心軸が平行で且つ互いに一直線状になるように配置したり、平行な一対の大型容器X1,X2間で且つこれら中心同士間の位置から対称にずれた位置に一対の小型容器Y1,Y2を配置しても良い。あるいは、互いに等間隔に配置した3つの大型容器X1〜X3に囲まれた隙間に小型容器Y1を配置する形態としても良い。
更に、前記弁V1〜V3は、止め弁や仕切り弁のほか、逆止弁や逃し弁としたり、または開度を調整できるちょう形弁としても良く、あるいは遠隔操作が容易な電磁弁を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水素供給ユニットの1形態を模式的に示す概略図。
【図2】(A),(B)は上記水素供給ユニットに用いる大型容器および小型容器を内蔵する外容器を示す概略の断面図、(C)は大型容器/小型容器の1形態を示す断面図、(D)は異なる形態の大型容器/小型容器を示す断面図。
【図3】図1および図2(A),(B)に示した水素供給ユニットの使用方法における大型容器や小型容器の内部の温度と時間との関係などを定性的に示すグラフ。
【図4】(A)は図1の水素供給ユニットの変形形態を示す概略図、(B),(C)は(A)中のB−B線またはC−C線に沿った矢視における断面図。
【図5】(A)〜(C)は更に形態の大型容器/小型容器を示す断面図、(D)は(C)中のD−D線に沿った矢視における断面図。
【符号の説明】
1,1a………………………………水素供給ユニット
2,2a,2b………………………外容器
7,9…………………………………管路
10……………………………………補助容器
12……………………………………主管路
15,38,43……………………中空部(内部)
16,17,18,32,46,47…仕切り壁
36,42……………………………凸条
X1〜X6,Xn……………………大型容器
Y1〜Y4,Yn……………………小型容器
V1〜V3……………………………弁
HS……………………………………水素吸蔵合金
Claims (6)
- 内部容積が比較的大きく且つ係る内部に水素吸蔵合金を充填した大型容器と、
内部容積が比較的小さく且つ係る内部に水素吸蔵合金を充填した小型容器と、
上記大型容器および小型容器の各内部に個別に連通する一対の管路およびこれらに個別に設けた弁と、
上記一対の管路を合流し且つ上記大型容器および小型容器の少なくとも一方から放出される水素を、途中に設けた弁を介して利用機器に供給する主管路と、
を含む、ことを特徴とする水素供給ユニット。 - 前記大型容器および小型容器は、それらの周囲に間隔を置いて囲い且つ係る間隔に熱媒体を循環可能とした外容器に内蔵されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の水素供給ユニット。 - 前記小型容器の内部容積は、大型容器の内部容積の30〜40%の範囲にある、ことを特徴とする請求項1または2に記載の水素供給ユニット。
- 前記一対の管路と前記主管路との合流部には、前記水素を貯留する補助容器が配置されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の水素供給ユニット。 - 前記大型容器および小型容器は、軸方向の長さがほぼ同じで且つ直径が相違する円筒形状の外形を呈すると共に、
前記外容器内において、複数の上記大型容器をそれぞれの中心軸を平行にし且つ互いにほぼ等間隔で配置し、それらに囲まれた隙間に上記小型容器をその中心軸を平行にして配置する、
ことを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の水素供給ユニット。 - 前記大型容器および小型容器は、その内部に径方向と軸方向との少なくとも一方に沿った凸条および仕切り壁の少なくとも一方を内設している、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の水素供給ユニット。
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