JP2004324548A - 機器の異常監視装置及びガスタービンの異常監視装置及びガスタービン設備及び複合発電設備 - Google Patents

機器の異常監視装置及びガスタービンの異常監視装置及びガスタービン設備及び複合発電設備 Download PDF

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Abstract

【課題】大量の温度検出器を不要として設備コストの上昇を抑制し、ガスタービンの異常を早期に発見して発電効率の低下や装置の損傷を防止する。
【解決手段】排ガス温度を検出する温度センサと、温度センサが検出した排ガス温度に影響の高い発電出力を検出する発電機出力センサと、発電機出力センサが検出した発電出力に対する所定期間における排ガス温度の状況に基づいて排ガス温度の振動的な変動を把握する変動評価手段53と、変動評価手段53が把握した排ガス温度の振動的な排ガス温度の変動に基づいて前記ガスタービンの運転状態の健全性を評価する健全性評価手段54とを具え、大量の温度検出器を不要として設備コストの上昇を抑制し、ガスタービンの異常を早期に発見して発電効率の低下や装置の損傷を防止する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機器の運転状態に基づいた影響因子により異常を検出する異常監視装置に関する。
【0002】
本発明は、ガスタービンの運転状態に基づいてその燃焼状態を監視して必要に応じて異常を検出するガスタービンの異常監視装置に関する。
【0003】
また、ガスタービンの異常監視装置を備えたガスタービン設備、及びこのガスタービン設備を備えた複合発電設備に関する。
【0004】
【従来の技術】
一般的なガスタービン発電プラントにて、ガスタービンは圧縮機と燃焼器とタービンと発電機とを有しており、圧縮機で高圧となった空気と、熱交換器で高温となった燃料ガスとが燃焼器に送られて燃焼し、その燃焼ガス(熱ガス)によりタービンを駆動して発電機を運転する。このようなガスタービン設備(ガスタービン発電プラント)では、燃焼器での燃焼温度が1500℃まで上昇し、内部で不安定燃焼による圧力変動や火炎位置変動が発生するため、局部的な応力集中や熱サイクル変動が発生して亀裂が生じてしまうことがある。燃焼器に亀裂や破損が発生すると、燃焼器へ導入される空気量が計画からずれ、燃焼異常が発生し、発電効率が低下したり,場合によっては破損片がタービンに入って翼を損傷してしまうという問題がある。
【0005】
従来は、タービンの最終翼付近や排気室に温度検出器を複数設け、この各温度検出器の計測結果に基づいて燃焼器の燃焼異常を検知していた。しかし、プラント負荷や気象条件など種々のプラント運転条件により正常な温度範囲が異なることから、正常と異常とを判別するしきい値の設定が困難であり、誤判定が生じる虞がある。この場合、燃焼器の異常燃焼を正常と誤判定すると、燃焼器に亀裂等が生じたまま運転を継続することとなり、発電効率を低下させてしまうばかりでなく、場合によっては翼をも損傷させてしまうこととなる。
【0006】
そこで、「ガスタービン燃焼監視装置」として、排気室に温度検出器を設け、この温度検出器により得られる排ガス流に直交する平面内の温度分布から断面排気温度分布のパターンの特徴を求め、異常原因判定を行う技術が提案されている(特許文献1)。また、「ガスタービン燃焼器監視装置」として、燃焼器の表面温度分布を検出する温度検出器を設け、この温度検出器により得られた表面温度分布に基づいて燃焼器の異常原因判定を行う技術が提案されている(特許文献2)。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−318056号公報
【特許文献2】
特開平10−205754号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した特許文献1及び特許文献2の公報に開示された「ガスタービン燃焼監視装置」や「ガスタービン燃焼器監視装置」では、排気室や燃焼器に設けられた温度検出器により得られる温度分布から温度分布のパターンの特徴を求めている。そのため、一つの燃焼器に多数の温度検出器が必要となり、1つのガスタービンに16台の燃焼器を備えるようなガスタービンでは、大量の温度検出器が必要となり、設備コストが増加してしまうという問題がある。
【0009】
燃焼器を備えたガスタービンに限らず、高温に晒される機器においても、過剰な熱負荷により機器の運転に支障をきたすことも考えられる。このような機器にあっても、設備コストを増加させずに温度による異常を監視する必要がある。
【0010】
本発明はこのような問題を解決するものであって、設備コストの上昇を抑制する一方で機器の異常を早期に発見することができる機器の異常監視装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明はこのような問題を解決するものであって、大量の温度検出器を不要として設備コストの上昇を抑制する一方でガスタービンの異常を早期に発見することで発電効率の低下や装置の損傷を防止したガスタービンの異常監視装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明はこのような問題を解決するものであって、大量の温度検出器を不要として設備コストの上昇を抑制する一方でガスタービンの異常を早期に発見することで発電効率の低下や装置の損傷を防止したガスタービンの異常監視装置を備えたガスタービン設備、及び、このガスタービン設備を備えた複合発電設備を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1に係る機器の異常監視装置は、機器の異常運転状態により影響の出る運転状態を検出する運転状態検出手段と、該運転状態検出手段が検出した前記機器の運転状態に影響の高い因子を検出する影響因子検出手段と、該影響因子検出手段が検出した因子に対する前記運転状態検出手段が検出した所定期間における前記機器の運転状態に基づいて運転状態の振動的な変動又は一方向的な変動を把握し把握した振動的な変動又は一方向的な変動に基づいて前記機器の運転状態を評価する評価手段とを具えたことを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するための請求項2に係るガスタービンの異常監視装置は、高圧の燃料と空気を燃焼して生じた熱ガスによりタービンを駆動して発電するガスタービンにおいて、該ガスタービンの異常燃焼あるいは損傷により影響の出る運転状態を検出する運転状態検出手段と、該運転状態検出手段が検出した前記ガスタービンの運転状態に影響の高い因子を検出する影響因子検出手段と、該影響因子検出手段が検出した因子に対する前記運転状態検出手段が検出した所定期間における前記ガスタービンの運転状態に基づいて運転状態の振動的な変動を把握する変動評価手段と、該変動評価手段が把握した振動的な変動に基づいて前記ガスタービンの運転状態を評価する評価手段とを具えたことを特徴とする。
【0015】
そして、請求項3に係る本発明は、請求項2に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記評価手段は、前記変動評価手段が把握した振動的な変動に基づいて現在の前記ガスタービンの運転状態の健全性を評価する健全性評価手段を有することを特徴とする。
【0016】
また、請求項4に係る本発明は、請求項2に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記評価手段は、前記変動評価手段が把握した振動的な変動に基づいて前記ガスタービンの余寿命を予測する余寿命予測手段を有することを特徴とする。
【0017】
また、請求項5に係る本発明は、請求項2に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記評価手段は、前記変動評価手段が把握した振動的な変動に基づいて現在の前記ガスタービンの運転状態の健全性を評価する健全性評価手段を有すると共に、前記変動評価手段が把握した振動的な変動に基づいて前記ガスタービンの余寿命を予測する余寿命予測手段を有することを特徴とする。
【0018】
また、請求項6に係る本発明は、請求項2に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記運転状態検出手段は、排ガスの温度、圧力、NOx濃度、CO濃度、燃焼器冷却蒸気の出口温度、出口圧力、入口流量、出口流量の少なくともいずれか一つを検出することを特徴とする。
【0019】
また、請求項7に係る本発明は、請求項2に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記影響因子検出手段は、燃焼器バイパス弁の開度、圧縮機入口案内翼の開度、燃料流量、発電機出力、圧縮機出口温度、圧縮機出口圧力、燃焼器冷却蒸気の入口温度、入口圧力の少なくともいずれか一つを検出することを特徴とする。
【0020】
また、請求項8に係る本発明は、請求項2に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記変動評価手段は、前記ガスタービンの運転状態の過去の実測値と現在の実測値から変動の振幅を求め、前記振幅を所定のしきい値と比較して変動を把握することを特徴とする。
【0021】
また、請求項9に係る本発明は、請求項3もしくは請求項5に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記健全性評価手段は、前記変動評価手段により把握された変動を所定期間積算し、積算値が所定値を超えた場合に前記ガスタービンの状態が異常であると判断することを特徴とする。
【0022】
また、請求項10に係る本発明は、請求項2に記載のガスタービンの異常監視装置において、さらに所定範囲の前記因子に対する前記ガスタービンの運転状態の平均値を算出する正常規範生成手段を有し、前記変動評価手段は、前記ガスタービンの運転状態から前記平均値を差し引いた偏差について振動的な変動を把握することを特徴とする。
【0023】
また、請求項11に係る本発明は、請求項10に記載のガスタービンの異常監視装置において、1種類の運転状態を検出するための運転状態検出手段を複数個備え、正常規範生成手段は、相関値が高い運転状態検出手段を選択して運転状態の平均値を算出することを特徴とする。
【0024】
また、請求項12に係る本発明は、請求項10に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記健全性評価手段は、前記変動評価手段により把握された変動を所定期間積算し、積算値が所定値を超えた場合に前記ガスタービンの状態が異常であると判断することを特徴とする。
【0025】
上記目的を達成するための請求項13に係る本発明のガスタービンの異常監視装置は、高圧の燃料と空気を燃焼して生じた熱ガスによりタービンを駆動して発電するガスタービンにおいて、該ガスタービンの異常燃焼あるいは損傷により影響の出る運転状態を検出する運転状態検出手段と、該運転状態検出手段が検出した前記ガスタービンの運転状態に影響の高い因子を検出する影響因子検出手段と、該影響因子検出手段が検出した因子に対する前記運転状態検出手段が検出した所定期間における前記ガスタービンの運転状態に基づいて運転状態の一方向的な変動を把握する統計量評価手段と、該統計量評価手段が把握した一方向的な変動に基づいて前記ガスタービンの運転状態を評価する評価手段とを具えたことを特徴とする。
【0026】
そして、請求項14に係る本発明は、請求項13に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記評価手段は前記統計量評価手段が把握した一方向的な変動に基づいて現在の前記ガスタービンの運転状態の健全性を評価する健全性評価手段を有し、前記統計量評価手段は、前記ガスタービンの運転状態の過去の実測値と現在の実測値から統計量を求め、前記健全性評価手段は、前記統計量評価手段により得られた1つの統計量、あるいは2つ以上の統計量を算術演算した結果が所定のしきい値を超えた場合に前記ガスタービンの状態が異常であると判断することを特徴とする。
【0027】
また、請求項15に係る本発明は、請求項13に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記統計量評価手段は、統計量として前記ガスタービンの運転状態の過去あるいは現在の実測値における、標準偏差、分散、最大値、最小値、平均値、中央値の少なくともいずれか1つであることを特徴とする。
【0028】
また、請求項16に係る本発明は、請求項10に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記運転状態検出手段と前記正常規範生成手段及び前記変動評価手段との間で各種データの送受信を行う通信手段を設けたことを特徴とする。
【0029】
また、請求項17に係る本発明は、請求項13に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記運転状態検出手段と前記統計量評価手段との間で各種データの送受信を行う通信手段を設けたことを特徴とする。
【0030】
上記目的を達成するための請求項18に係る本発明のガスタービンの異常監視装置は、高圧の燃料と空気を燃焼器で燃焼して生じた熱ガスによりタービンを駆動して発電するガスタービンにおいて、該ガスタービンの異常燃焼あるいは損傷により影響の出る排ガス温度を検出する温度センサと、該温度センサが検出した排ガス温度に影響の高い発電出力を検出する発電機出力センサと、発電機出力センサが検出した発電出力に対する所定期間における排ガス温度の状況に基づいて振動的な変動を把握する変動評価手段と、該変動評価手段が把握した排ガス温度の振動的な排ガス温度の変動に基づいて前記ガスタービンの運転状態の健全性を評価する評価手段とを具えたことを特徴とする。
【0031】
上記目的を達成するための請求項19に係る本発明のガスタービンの異常監視装置は、高圧の燃料と空気を燃焼器で燃焼して生じた熱ガスによりタービンを駆動して発電するガスタービンにおいて、該ガスタービンの異常燃焼あるいは損傷により影響の出る排ガス温度を検出する温度センサと、該温度センサが検出した排ガス温度に影響の高い発電出力を検出する発電機出力センサと、発電機出力センサが検出した発電出力に対する所定期間における排ガス温度の状況に基づいて振動的な変動を把握する変動評価手段と、該変動評価手段が把握した排ガス温度の振動的な排ガス温度の変動に基づいて前記ガスタービンの余寿命を評価する評価手段とを具えたことを特徴とする。
【0032】
そして、請求項20に係る本発明は、請求項18もしくは請求項19に記載のガスタービンの異常監視装置において、さらに所定範囲の前記発電出力に対する前記ガスタービンの排ガス温度の平均値を算出する正常規範生成手段を有し、前記変動評価手段は、前記ガスタービンの排ガス温度から前記平均値を差し引いた偏差について評価を行うことを特徴とする。
【0033】
上記目的を達成するための請求項21に係る本発明のガスタービンの異常監視装置は、高圧の燃料と空気を燃焼器で燃焼して生じた熱ガスによりタービンを駆動して発電するガスタービンにおいて、該ガスタービンの異常燃焼あるいは損傷により影響の出る排ガス温度を検出する温度センサと、該温度センサが検出した前記ガスタービンの排ガス温度に影響の高い発電出力を検出する発電機出力センサと、該発電機出力センサが検出した発電出力に対する所定期間における排ガス温度の一方向的な変動を把握する統計量評価手段と、該統計量評価手段が把握した排ガス温度の一方向的な変動に基づいて前記ガスタービンの健全性を評価する評価手段とを具えたことを特徴とする。
【0034】
上記目的を達成するための請求項22に係る本発明のガスタービン設備は、吸気を圧縮する圧縮機及び圧縮機で圧縮された圧縮空気と燃料とを燃焼する燃焼器及び燃焼器で得られた燃焼ガスを膨張して発電を行うタービンからなり、請求項2乃至請求項21のいずれかに記載のガスタービンの異常監視装置設備を備えたことを特徴とする。
【0035】
上記目的を達成するための請求項23に係る本発明の複合発電設備は、請求項22に記載のガスタービン設備と、ガスタービン設備のタービンの排気が熱回収されて蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、排熱回収ボイラで得られた蒸気により駆動されて発電を行う蒸気タービンと、蒸気タービンを駆動した排出蒸気を復水する復水手段と、復水手段からの復水を排熱回収ボイラに給水する給水手段とを備えたことを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0037】
図1には本発明の第1実施形態に係るガスタービンの異常監視装置を表すブロック構成、図2には本実施形態のガスタービンの異常監視装置を備えた複合発電設備の概略構成、図3には負荷一定時の排ガス温度の経時変化を表すグラフ、図4には排ガス温度の最大値最小値の経時変化を表すグラフ、図5には異常な変動の頻度を表すグラフを示してある。
【0038】
本実施形態のガスタービンの異常監視装置を備えた複合発電設備の概略構成を図2に基づいて説明する。
【0039】
図2に示すように、ガスタービン11は、圧縮機12と燃焼器13とタービン14とを有しており、このタービン14の同軸上に発電機15が連結されている。この圧縮機12には吸気通路16が連結され、この吸気通路16には吸入空気量を調整する入口案内翼17が設けられると共に、この入口案内翼17の開度を検出する開度センサ18が設けられている。また、吸気通路16には吸入空気の温度センサ19、圧力センサ20、流量センサ21が設けられている。
【0040】
また、圧縮機12と燃焼器13とは圧縮空気供給通路22により連結され、この圧縮空気供給通路22に圧縮空気の温度センサ23、圧力センサ24が設けられている。そして、燃焼器13とタービン14とは燃焼ガス通路25により連結され、圧縮空気供給通路22と燃焼ガス通路25とは燃焼器13を迂回するバイパス通路26により連結され、このバイパス通路26に燃焼器バイパス弁27が設けられると共に、この燃焼器バイパス弁27の開度を検出する開度センサ28が設けられている。
【0041】
燃料通路29はメイン燃料通路30とパイロット燃料通路31に分岐され、それぞれ燃焼器13に連結されており、メイン燃料通路30及びパイロット燃料通路31にはそれぞれ流量制御弁32,33が設けられている。そして、燃料通路29には供給燃料の温度センサ34が設けられ、メイン燃料通路30及びパイロット燃料通路31には供給燃料の圧力センサ35,36と流量センサ37,38が設けられている。
【0042】
タービン14には排ガス通路39が連結され、排ガス通路39からタービン14の排ガスが排熱回収ボイラ1に送られて熱回収される。排熱回収ボイラ1で熱回収された排ガスは煙突2から大気に放出される。排ガス通路39には図示しない浄化装置をはじめ、排ガスの温度センサ40、NOxセンサ41、COセンサ42が設けられている。
【0043】
排熱回収ボイラ1で発生した蒸気は蒸気タービン3に送られて蒸気タービン3を駆動し、発電機4で発電が行われる。蒸気タービン3からの排出蒸気は復水器5で復水され、復水器5からの復水は給水手段としての給水ポンプ6により排熱回収ボイラ1に給水される。
【0044】
尚、図2にはガスタービン設備、排熱回収ボイラ1及び蒸気タービン設備を備えた複合発電設備(コンバインド発電プラント)の例を示してあるが、本願発明は、ガスタービン11からの排ガスを大気に放出するガスタービン設備でも適用可能である。
【0045】
燃焼器13及び燃焼ガス通路25の回りには冷却蒸気配管43が設置され、冷却蒸気配管43には、例えば、排熱回収ボイラ1からの蒸気が送られる。冷却蒸気により高温の燃焼ガスにさらされる燃焼器13及び燃焼ガス通路25が冷却される。そして冷却蒸気配管43の入口側及び出口側それぞれに、冷却蒸気の圧力センサ44、45、温度センサ46、47、流量センサ48、49が設けられている。
【0046】
本実施形態のガスタービンの異常監視装置は、上述した複合発電設備のガスタービン11を監視して異常燃焼あるいは損傷を早期に検出するものである。
【0047】
図1に示すように、異常監視装置50は、ガスタービン11の異常燃焼あるいは損傷により最も影響の出る運転状態としての排ガス温度を検出する温度センサ(運転状態検出手段)40と、この温度センサ40が検出したガスタービン11の排ガス温度に影響の高い因子としての発電機15の発電機出力を測定する出力センサ(影響因子検出手段)10などのプラントデータが入力される。
【0048】
そして、この異常監視装置50は、温度センサ40が検出した排ガス温度や発電機出力センサ10が検出した発電機15の出力などを入力する入力手段51と、入力手段51が入力処理した各種データを保存するデータベース52と、データベース52に保存された各種データを用いて、具体的には、発電機15の出力に対する所定期間における排ガス温度に基づいてガスタービン11の運転状態の振動的な変動を把握する変動評価手段53と、変動評価手段53が把握した振動的な変動に基づいて前記ガスタービンの運転状態を評価する健全性評価手段54と、健全性評価手段54が評価した評価データを外部に出力する出力手段55とを有している。
【0049】
本実施形態例にて、ガスタービン11の燃焼器13は周方向に沿って複数設けられており、タービン14の排ガス通路39に温度センサ40が各燃焼器13に対応してそれぞれ設けられている。
【0050】
変動評価手段53は、入力手段51から得られた発電機15の出力が一定の場合、この複数の温度センサ40の過去及び現在の計測値からそれぞれについて極小値及び極大値を算出し、この極小値と極大値の差からの各温度の変動の振幅を算出する。この場合、極小値及び極大値を作成するための温度センサ40の測定値はデータベース52に保存され、変動評価手段53はデータベース52に保存された現在から所定期間逆上ったその期間のデータを用いてこの極小値及び極大値を算出しており、時間の経過に応じてこの極小値及び極大値データは最新のものに逐次修正されていく。
【0051】
ここで、発電機15の出力が一定とは、発電機15の発電機出力センサ10により計測された出力の変動が所定の範囲に入るなどの状態であり、数値的に完全に一定値を維持することを意味するものではない。
【0052】
そして、変動評価手段53は、算出した各温度の極小値及び極大値データに基づいて振幅を算出し、この振幅が所定のしきい値を超えるか否かを評価し、超えた場合にはその旨を健全性評価手段54に送信する。
【0053】
図3はガスタービン11に設けられた4本の排ガス温度と発電機出力のトレンドの例である。図4は排ガス温度でみられる温度の変動の模式図で、U1、U2、・・U6が極大値、D1、D2、・・D6が極小値であり、振幅は隣合う極小値、極大値の差とみなすことができる。また、極小値D2、極大値U2のように差が小さい場合には、極大値U1、極小値D3の差を振幅とみなしてもよい。
【0054】
健全性評価手段54は、変動評価手段53から送られた各温度の振幅が所定のしきい値を超えた旨のデータを受信した時刻とともに内部に記録し、単位時間内に受信した件数を異常な振幅の発生頻度として評価して、頻度が所定のしきい値を超えた場合に対応する燃焼器13で異常燃焼あるいは損傷が発生したと判断し、その旨を出力手段55に送信する。
【0055】
出力手段55は、健全性評価手段54により算出された異常な振幅の発生頻度と、異常燃焼あるいは損傷が発生したと判断された場合にはその旨のメッセージを図示しないディスプレイに、例えば、図5に示したように燃焼器13の異常な振幅の発生頻度の回数を表示したり、必要に応じて音声告知やプリントする。
【0056】
本実施形態の複合発電設備の作動について説明する。図3に示すように、ガスタービン11では、高圧となった燃料が加熱されて燃焼器13に供給されると共に、圧縮機12で高圧となった空気が燃焼器13に供給されて燃焼し、燃焼ガスが膨張してタービン14を駆動することで発電機15を運転する。
【0057】
タービン14からの排ガスは排熱回収ボイラ1で熱回収されて大気に放出される。排熱回収ボイラ1で発生した蒸気により蒸気タービン3を駆動して発電機4を運転する。蒸気タービン3の排出蒸気は復水器5で復水されて給水ポンプ6により排熱回収ボイラ1に給水される。
【0058】
図1に示すように、ガスタービン11の運転中に温度センサ40が検出した排ガス温度や発電機15の出力などのプラント100のデータを異常監視装置50の入力手段51に入力し、入力手段51は各種データをデータベース52に入力処理して保存する。変動評価手段53は複数の温度センサ40が計測した排ガス温度から各温度の振幅を算出し、この振幅が所定のしきい値を超えるか否かを評価する。健全性評価手段54は単位時間内に発生した異常な変動の頻度が所定のしきい値を超えた場合に、ガスタービン11の対応する燃焼器13にて異常燃焼や損傷が発生したと判断する。
【0059】
このように第1実施形態例のガスタービンの異常監視装置にあっては、ガスタービン11の異常燃焼や損傷により最も影響の出る運転状態としての排ガス温度を検出すると共に、この排ガス温度に影響の高い因子としての発電機15の出力を検出し、複数の温度センサ40が計測した排ガス温度について振幅を算出し、この振幅が所定のしきい値を超えるような異常な変動の発生頻度を出力するとともに発生頻度が所定のしきい値を超えた場合に該当する燃焼器13で異常燃焼や損傷が発生していると判断している。
【0060】
従って、ガスタービン11の異常燃焼や損傷により最も影響の出る運転状態として排ガス温度を用い、この排ガス温度に影響の高い因子として発電機15の出力を用いたことで、この発電機出力に対する排ガス温度を監視することで、現在のプラントの運転状態を正確に監視することができる。また、過去の所定期間にわたる排ガス温度の蓄積データに基づいて異常な変動の発生頻度を表示することで、現在のプラントの運転状態を早期に、且つ、明確に表示して異常を監視することができる。
【0061】
図6乃至図8に基づいて本発明の第2実施形態例に係るガスタービンの異常監視装置を説明する。
【0062】
図6には本発明の第2実施形態例に係るガスタービンの異常監視装置を表すブロック構成、図7には異常な変動の累積回数を表すグラフ、図8には余寿命評価の概念を示してある。尚、前述した実施形態例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0063】
図6に示すように、ガスタービンの異常監視装置60は、第1実施形態のガスタービンの異常監視装置の健全性評価手段54、出力手段55を余寿命予測手段66、出力手段65に置き換えたものである。この余寿命評価手段66は、変動評価手段53から送られてきた各温度の振幅が所定のしきい値を超えた旨のデータを受信した時刻とともに内部に記録する。さらに余寿命評価手段66は、内部に記録されているデータに基づいて過去からの受信件数を異常な振幅の累積回数として算出する。
【0064】
更に、余寿命評価手段66は、内部に記録されているデータから過去の異常な振幅の頻度を複数個求め、頻度の標準偏差を算出する。また、余寿命評価手段66は、算出されたから異常な振幅の累積回数と頻度の標準偏差から、統計的手法としてよく知られた区間推定の手法を用いて所定の信頼度で将来の累積回数を予測する。将来の累積回数の予測結果は推定区間として得られ、具体的には区間の上限と下限の各累積回数である。
【0065】
出力手段65は、余寿命評価手段66で求められた異常な変動の頻度、累積回数や将来の累積回数の予測結果を図示しないディスプレイに表示したり、プリントしたりする。
【0066】
即ち、余寿命評価手段66は、図5に示す異常な変動の頻度や、図7に示す異常な変動の累積回数を用いて、図8のように、推定区間の上限及び下限と許容限界との関係により、異常な変動の累積回数の予測を実施して、ガスタービン11の余寿命を評価する。
【0067】
このように第2実施形態例のガスタービンの異常監視装置にあっては、温度センサ40が計測した排ガス温度から異常な変動の発生頻度と累積回を数算出し、将来における累積回数を予測することによりガスタービン11の余寿命を評価している。
【0068】
従って、過去の排ガス温度の蓄積データに基づいてガスタービン11の運転状況として異常な変動の発生頻度と累積回数を提示し、将来における累積回数の予測結果を提示することにより、大よそいつごろに燃焼異常による損傷が発生しえるかを判定することができる。
【0069】
尚、図1に示した第1実施形態例における健全性評価と、図6に示した余寿命予測とを組み合わせた異常監視装置とすることも可能である。即ち、図9に示したように、変動評価手段53からの温度の振幅情報が送られる健全性評価手段54及び余寿命予測手段66を備えた異常監視装置110とすることも可能である。異常監視装置110では、変動評価手段53からの温度の振幅情報が健全性評価手段54及び余寿命予測手段66にそれぞれ送られ、健全性が評価されると共に余寿命が評価される。
【0070】
これにより、現在のプラントの運転状態を早期に、且つ、明確に表示して異常を監視することができると共に、大よそいつごろに燃焼異常による損傷が発生しえるかを判定することができる。
【0071】
図10乃至図12に基づいて本発明の第3実施形態例に係るガスタービンの異常監視装置を説明する。
【0072】
図10には本発明の第3実施形態例に係るガスタービンの異常監視装置を表すブロック構成、図11には各排ガス温度間の相関評価、図12には各排ガス温度偏差の経時変化を示してある。尚、前述した実施形態例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0073】
図10に示すように、ガスタービンの異常監視装置70は、第1実施形態例のガスタービンの異常監視装置50に正常規範生成手段77を加え、変動評価手段53、健全性評価手段54が変動評価手段73、健全性評価手段74に置き換わったものである。
【0074】
新たに加わった正常規範生成手段77は、複数の温度センサ40の過去の時系列データから相関をとり、この相関値が高い温度センサ40を複数個選択し、これらの平均温度を求める。
【0075】
図11は16個の燃焼器を有するガスタービンにおいて設けられた16個の温度センサ40の計測値において相関を算出した例である。
【0076】
異常な変動が発生しない燃焼器においては燃焼状態は安定しており、燃焼状態が安定した燃焼器に対応する排ガス温度は、他の燃焼状態が安定した燃焼器に対応する排ガス温度と傾向が非常に類似しており、高い相関値を示すことが判明している。従って高い相関値を多く得られるような排ガス温度に対する燃焼器は正常と考えることができる。
【0077】
さらに、図3の複数の排ガス温度において、短時間で細かく揺れる挙動と、長時間に渡ってゆっくり揺れる挙動があり、後者は複数ある全ての排ガス温度に共通の挙動となることが解析の結果判明している。従って、正常規範生成手段77は、高い相関値を多く得られるような排ガス温度を複数選定し、これらの平均温度を求める。
【0078】
変動評価手段73は、データベース52に保存された各温度センサ40のデータと、正常規範生成手段77で算出された平均温度から偏差を求め(以降、温度偏差と称す)、この温度偏差に対して第1実施形態例の変動評価手段53と同様の処理を行う。
【0079】
図12はNo.1からNo.4の燃焼器に対応する各排ガス温度から前述の平均値を差し引いた温度偏差のトレンドグラフである。図12に示すように、長時間に渡ってゆっくり揺れる変動分が除去されているため、温度の変化が殆ど見られない正常なものと、異常燃焼などにより温度が数℃変動するものが区別しやすい。
【0080】
健全性評価手段74は、変動評価手段73から送られた各温度偏差に対して、処理を行うことを除いて、第1実施形態の健全性評価手段54と同様である。
【0081】
このように第3実施形態例のガスタービンの異常監視装置にあっては、現在から一定期間前までの各排ガス温度において相関を求め、相関の高い温度により平均温度を求めて各排ガス温度から平均温度を差し引いた温度偏差に対して、異常な変動を評価することによりガスタービン11の運転状態の正常及び異常を判定している。
【0082】
従って、ガスタービン11の現在から一定期間前までの各排ガス温度において相関を求め、相関の高い温度により平均温度を求めて各排ガス温度から平均温度を差し引いた温度偏差に対して、異常な変動を評価することで、ガスタービン11の運転状態の正常及び異常を高精度に判定することができる。
【0083】
尚、第3実施形態例の場合も、図9に示すように、健全性評価手段及び余寿命予測手段の両方を備えた、即ち、図10の異常監視装置70に、余寿命予測手段66を追加した異常監視装置とすることも可能である。
【0084】
図13、図14に基づいて本発明の第4実施形態例を説明する。
【0085】
図13には本発明の第4実施形態例に係るガスタービンの異常監視装置を表すブロック構成、図14には排ガス温度の経時変化を示してある。
【0086】
図13に示すように、ガスタービンの異常監視装置80は、第1実施形態の変動評価手段53を統計量評価手段88に置き換え、健全性評価手段54、出力手段55を、健全性評価手段84、出力手段85に置き換えたものである。
【0087】
統計量評価手段88は、入力手段51から得られた発電機15の出力に基づいて、この複数の温度センサ40の過去及び現在の計測値から、それぞれについて統計量を求め、算出した統計量を健全性評価手段84に送信する。
【0088】
ここで統計量とは、最大値、最小値、平均値、標準偏差、分散、中央値などである。この場合、統計量を作成するための温度センサ40の測定値はデータベース52に保存され、統計量評価手段88はデータベース52に保存された現在から所定期間逆上ったその期間のデータから、現在の負荷とその時の負荷を比較して所定のしきい値以内のデータを抽出し、これを用いて統計量を算出しており、時間の経過に応じてこの統計量は最新のものに逐次修正されていく。
【0089】
ここで、統計量評価手段88はデータベース52に保存された現在から所定期間逆上っタその期間のデータから、現在の負荷とその時の負荷を比較して所定のしきい値以内のデータを抽出するとしたが、1つの因子に限るものではなく他の影響因子検出手段との複合でデータを抽出してもよい。
【0090】
健全性評価手段84は、統計量評価手段88で得られた1つの統計量、あるいは2つ以上の統計量を算術演算して得られた値が、所定のしきい値を逸脱するか否かを評価し、逸脱した場合に、ガスタービン11の対応する燃焼器13にて異常燃焼や損傷が発生したと判断する。出力手段85は、図14に示すような、排ガス温度が顕著に低下し始めたトレンドグラフや、健全性評価手段84にて異常燃焼や損傷が発生したと判断された場合にはその旨のメッセージを、図示しないディスプレイに表示したり、必要に応じて音声告知やプリントする。
【0091】
このように第4実施形態のガスタービンの異常監視装置にあっては、ガスタービン11の異常燃焼や損傷により最も影響の出る運転状態としての排ガス温度を検出すると共に、この排ガス温度に影響の高い因子としての発電機15の出力を検出し、複数の温度センサ40が計測した排ガス温度について統計量を求め、統計量の算術演算結果が所定のしきい値を超えた場合に該当する燃焼器13で異常燃焼や損傷が発生していると判断している。
【0092】
従って、ガスタービン11の異常燃焼や損傷により最も影響の出る運転状態として排ガス温度を用い、この排ガス温度に影響の高い因子として発電機15の出力を用いたことで、この発電機出力に対する排ガス温度を監視することで、現在のプラントの運転状態を正確に監視することができる。また、過去の所定期間にわたる排ガス温度の蓄積データに基づいて統計量を求めて評価し表示することで、現在のプラントの運転状態を明確に表示して異常を監視することができる。
【0093】
図15に基づいて本発明の第5実施形態例を説明する。
【0094】
図15には本発明の第5実施形態例に係るガスタービンの異常監視装置を表すブロック構成を示してある。
【0095】
ガスタービンの異常監視装置90を、例えば、プラント設置現場から離間した事務所内に設け、プラント100と通信経由で各種データの送信を行うことで、プラントの運転状態の監視を行うようにしている。即ち、プラント100側の入力手段51に送受信可能な通信手段102が接続されている。一方、ガスタービンの異常監視装置90は、前述した第3実施形態例(図10参照)のガスタービンの異常監視装置70とほぼ同様の構成であり、データベース52及び変動評価手段73に送受信可能な通信手段103が接続されている。
【0096】
従って、温度センサ40が検出した排ガス温度や発電機15の出力などのプラントデータを入力すると、入力手段51は各種データを通信手段102,103を用いてガスタービンの異常監視装置90に送信し、データベース52に保存する。変動評価手段73は、第3実施形態の入力手段51から得られるデータを通信手段103から得ることを除けば処理は同じである。
【0097】
このように第5実施形態例のガスタービンの異常監視装置にあっては、プラント設置現場とガスタービンの異常監視装置90を離間した場所に設置し、プラントデータやガスタービン11の運転状態を受信可能としている。従って、複数のガスタービン発電プラントを一つのガスタービンの異常監視装置90により集中して監視することができ、システム設置費やメンテナンス費、監視のための人件費などのコストを低減することができる。
【0098】
尚、図16に示したように、図13に示した異常監視装置80における入力手段51に代えて通信手段103を備えた異常監視装置120とし、プラント100側の通信手段102との間で運転状態を通信することも可能である。
【0099】
上述した各実施形態例において、運転状態検出手段をタービン14の排ガス温度を検出する温度センサ40とし、この排ガス温度、平均温度、温度偏差を運転状態として用いたが、これに限らず、排ガスの圧力、平均圧力、圧力偏差やNOx濃度、平均NOx濃度、NOx濃度偏差、燃焼器冷却蒸気の出口温度、平均温度、温度偏差などを用いてもよく、また、これらのうちの複数や影響因子検出手段を用いて運転状態を推定してもよい。
【0100】
また、影響因子検出手段を発電機15の発電機出力を測定する出力センサ10としたが、これに限らず、燃焼器バイパス弁の開度を検出する開度センサ28、圧縮機入口案内翼の開度を検出する開度センサ18、燃料流量を計測する流量センサ37,38、圧縮機12の出口温度、出口圧力を計測する温度センサ23、圧力センサ24などを用いてもよく、これらを組み合わせてもよい。
【0101】
更に、図示の実施形態例以外でも、データベース、正常規範生成手段、変動評価手段、健全性評価手段、統計量評価手段、通信手段等の組み合わせは、各実施形態例に限定されるものではなく、各実施形態を組み合わせて各手段を適用してもよい。
【0102】
更に、上記実施形態例はガスタービン設備の異常監視装置を例に挙げて説明したが、本発明は、高温の環境にさらされる機器(例えば、ボイラ等)についての異常を監視する装置として適用することも可能である。
【0103】
【発明の効果】
請求項1に係る機器の異常監視装置は、機器の異常運転状態により影響の出る運転状態を検出する運転状態検出手段と、該運転状態検出手段が検出した前記機器の運転状態に影響の高い因子を検出する影響因子検出手段と、該影響因子検出手段が検出した因子に対する前記運転状態検出手段が検出した所定期間における前記機器の運転状態に基づいて運転状態の振動的な変動又は一方向的な変動を把握し把握した振動的な変動又は一方向的な変動に基づいて前記機器の運転状態を評価する評価手段とを具えたので、設備コストの上昇を抑制する一方で機器の異常を早期に発見することができる機器の異常監視装置とすることができる。
【0104】
請求項2に係るガスタービンの異常監視装置は、高圧の燃料と空気を燃焼して生じた熱ガスによりタービンを駆動して発電するガスタービンにおいて、該ガスタービンの異常燃焼あるいは損傷により影響の出る運転状態を検出する運転状態検出手段と、該運転状態検出手段が検出した前記ガスタービンの運転状態に影響の高い因子を検出する影響因子検出手段と、該影響因子検出手段が検出した因子に対する前記運転状態検出手段が検出した所定期間における前記ガスタービンの運転状態に基づいて運転状態の振動的な変動を把握する変動評価手段と、該変動評価手段が把握した振動的な変動に基づいて前記ガスタービンの運転状態を評価する評価手段とを具えたので、ガスタービンの異常燃焼により最も影響の出る運転状態を用い、この運転状態に影響の高い因子を用いたことで、大量の温度検出器を使用することなく現在のプラントの運転状態を正確に監視することができ、設備コストの上昇を抑制することができる一方で、ガスタービンの異常を早期に発見して発電効率の低下や装置の損傷を確実に防止することができる。
【0105】
請求項3に係る本発明は、請求項2に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記評価手段は、前記変動評価手段が把握した振動的な変動に基づいて現在の前記ガスタービンの運転状態の健全性を評価する健全性評価手段を有するので、現在のプラントの運転状態の正常及び異常を早期に、且つ、確実に判定することができる。
【0106】
請求項4に係る本発明は、請求項2に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記評価手段は、前記変動評価手段が把握した振動的な変動に基づいて前記ガスタービンの余寿命を予測する余寿命予測手段を有するので、現在のプラントの運転状態からおおよそいつごろに燃焼異常による損傷が発生しえるかを判定することができる。
【0107】
請求項5に係る本発明は、請求項2に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記評価手段は、前記変動評価手段が把握した振動的な変動に基づいて現在の前記ガスタービンの運転状態の健全性を評価する健全性評価手段を有すると共に、前記変動評価手段が把握した振動的な変動に基づいて前記ガスタービンの余寿命を予測する余寿命予測手段を有するので、現在のプラントの運転状態の正常及び異常を早期に、且つ、確実に判定することができると共に、現在のプラントの運転状態からおおよそいつごろに燃焼異常による損傷が発生しえるかを判定することができる。
【0108】
請求項6に係る本発明は、請求項2に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記運転状態検出手段は、排ガスの温度、圧力、NOx濃度、CO濃度、燃焼器冷却蒸気の出口温度、出口圧力、入口流量、出口流量の少なくともいずれか一つを検出するので、既存のセンサを用いて現在のプラントの運転状態を監視することができ、設備コストの上昇を抑制することができる。
【0109】
請求項7に係る本発明は、請求項2に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記影響因子検出手段は、燃焼器バイパス弁の開度、圧縮機入口案内翼の開度、燃料流量、発電機出力、圧縮機出口温度、圧縮機出口圧力、燃焼器冷却蒸気の入口温度、入口圧力の少なくともいずれか一つを検出するので、既存のセンサを用いて現在のプラントの運転状態を監視することができ、設備コストの上昇を抑制することができる。
【0110】
請求項8に係る本発明は、請求項2に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記変動評価手段は、前記ガスタービンの運転状態の過去の実測値と現在の実測値から変動の振幅を求め、前記振幅を所定のしきい値と比較して変動を把握するようにしたので、現在のプラントの運転状態を早期に、且つ、明確に表示して異常を監視することができる。
【0111】
請求項9に係る本発明は、請求項3もしくは請求項5に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記健全性評価手段は、前記変動評価手段により把握された変動を所定期間積算し、積算値が所定値を超えた場合に前記ガスタービンの状態が異常であると判断するようにしたので、現在のプラントの運転状態の正常及び異常を早期に、且つ、確実に判定することができる。
【0112】
請求項10に係る本発明は、請求項2に記載のガスタービンの異常監視装置において、さらに所定範囲の前記因子に対する前記ガスタービンの運転状態の平均値を算出する正常規範生成手段を有し、前記変動評価手段は、前記ガスタービンの運転状態から前記平均値を差し引いた偏差について振動的な変動を把握するようにしたので、ガスタービンの運転状態の正常及び異常を高精度に判定することができる。
【0113】
請求項11に係る本発明は、請求項10に記載のガスタービンの異常監視装置において、1種類の運転状態を検出するための運転状態検出手段を複数個備え、正常規範生成手段は、相関値が高い運転状態検出手段を選択して運転状態の平均値を算出するようにしたので、ガスタービンの運転状態の正常及び異常をより高精度に判定することができる。
【0114】
請求項12に係る本発明は、請求項10に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記健全性評価手段は、前記変動評価手段により把握された変動を所定期間積算し、積算値が所定値を超えた場合に前記ガスタービンの状態が異常であると判断するようにしたので、現在のプラントの運転状態の正常及び異常を早期に、且つ、確実に判定することができる。
【0115】
上記目的を達成するための請求項13に係る本発明のガスタービンの異常監視装置は、高圧の燃料と空気を燃焼して生じた熱ガスによりタービンを駆動して発電するガスタービンにおいて、該ガスタービンの異常燃焼あるいは損傷により影響の出る運転状態を検出する運転状態検出手段と、該運転状態検出手段が検出した前記ガスタービンの運転状態に影響の高い因子を検出する影響因子検出手段と、該影響因子検出手段が検出した因子に対する前記運転状態検出手段が検出した所定期間における前記ガスタービンの運転状態に基づいて運転状態の一方向的な変動を把握する統計量評価手段と、該統計量評価手段が把握した一方向的な変動に基づいて前記ガスタービンの運転状態を評価する評価手段とを具えたので、ガスタービンの異常燃焼により最も影響の出る運転状態を用い、この運転状態に影響の高い因子を用いたことで、大量の温度検出器を使用することなく現在のプラントの運転状態を正確に監視することができ、設備コストの上昇を抑制することができる一方で、ガスタービンの異常を早期に発見して発電効率の低下や装置の損傷を確実に防止することができる。
【0116】
請求項14に係る本発明は、請求項13に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記評価手段は前記統計量評価手段が把握した一方向的な変動に基づいて現在の前記ガスタービンの運転状態の健全性を評価する健全性評価手段を有し、前記統計量評価手段は、前記ガスタービンの運転状態の過去の実測値と現在の実測値から統計量を求め、前記健全性評価手段は、前記統計量評価手段により得られた1つの統計量、あるいは2つ以上の統計量を算術演算した結果が所定のしきい値を超えた場合に前記ガスタービンの状態が異常であると判断するようにしたので、現在のプラントの運転状態の正常及び異常を早期に、且つ、確実に判定することができる。
【0117】
請求項15に係る本発明は、請求項13に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記統計量評価手段は、統計量として前記ガスタービンの運転状態の過去あるいは現在の実測値における、標準偏差、分散、最大値、最小値、平均値、中央値の少なくともいずれか1つであるようにしたので、既存のセンサを用いて現在のプラントの運転状態を監視することができ、設備コストの上昇を抑制することができる。
【0118】
請求項16に係る本発明は、請求項10に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記運転状態検出手段と前記正常規範生成手段及び前記変動評価手段との間で各種データの送受信を行う通信手段を設けたので、複数のガスタービン発電プラントを一つの異常監視装置により集中して管理することができ、システム設置費やメンテナンス費、監視のための人件費等のコストを低減することができる。
【0119】
また、請求項17に係る本発明は、請求項13に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記運転状態検出手段と前記統計量評価手段との間で各種データの送受信を行う通信手段を設けたので、複数のガスタービン発電プラントを一つの異常監視装置により集中して管理することができ、システム設置費やメンテナンス費、監視のための人件費等のコストを低減することができる。
【0120】
請求項18に係る本発明のガスタービンの異常監視装置は、高圧の燃料と空気を燃焼器で燃焼して生じた熱ガスによりタービンを駆動して発電するガスタービンにおいて、該ガスタービンの異常燃焼あるいは損傷により影響の出る排ガス温度を検出する温度センサと、該温度センサが検出した排ガス温度に影響の高い発電出力を検出する発電機出力センサと、発電機出力センサが検出した発電出力に対する所定期間における排ガス温度の状況に基づいて排ガス温度の振動的な変動を把握する変動評価手段と、該変動評価手段が把握した排ガス温度の振動的な排ガス温度の変動に基づいて前記ガスタービンの運転状態の健全性を評価する評価手段とを具えたので、ガスタービンの異常燃焼により最も影響の出る排ガス温度を温度センサで検出し、この排ガス温度に影響の高い発電出力を用いたことで、大量の温度検出器を使用することなく現在のプラントの運転状態を正確に監視することができ、設備コストの上昇を抑制することができる一方で、ガスタービンの異常を早期に発見して発電効率の低下や装置の損傷を確実に防止することができる。
【0121】
請求項19に係る本発明のガスタービンの異常監視装置は、高圧の燃料と空気を燃焼器で燃焼して生じた熱ガスによりタービンを駆動して発電するガスタービンにおいて、該ガスタービンの異常燃焼あるいは損傷により影響の出る排ガス温度を検出する温度センサと、該温度センサが検出した排ガス温度に影響の高い発電出力を検出する発電機出力センサと、発電機出力センサが検出した発電出力に対する所定期間における排ガス温度の状況に基づいて排ガス温度の振動的な変動を把握する変動評価手段と、該変動評価手段が把握した排ガス温度の振動的な排ガス温度の変動に基づいて前記ガスタービンの余寿命を評価する評価手段とを具えたので、ガスタービンの異常燃焼により最も影響の出る排ガス温度を温度センサで検出し、この排ガス温度に影響の高い発電出力を用いたことで、大量の温度検出器を使用することなく現在のプラントの運転状態を正確に監視することができ、設備コストの上昇を抑制することができる一方で、現在のプラントの運転状態からおおよそいつごろに燃焼異常による損傷が発生しえるかを判定することができる。
【0122】
そして、請求項20に係る本発明は、請求項18もしくは請求項19に記載のガスタービンの異常監視装置において、さらに所定範囲の前記発電出力に対する前記ガスタービンの排ガス温度の平均値を算出する正常規範生成手段を有し、前記変動評価手段は、前記ガスタービンの排ガス温度から前記平均値を差し引いた偏差について評価を行うようにしたので、ガスタービンの運転状態の正常及び異常を高精度に判定することができる。
【0123】
請求項21に係る本発明のガスタービンの異常監視装置は、高圧の燃料と空気を燃焼器で燃焼して生じた熱ガスによりタービンを駆動して発電するガスタービンにおいて、該ガスタービンの異常燃焼あるいは損傷により影響の出る排ガス温度を検出する温度センサと、該温度センサが検出した前記ガスタービンの排ガス温度に影響の高い発電出力を検出する発電機出力センサと、該発電機出力センサが検出した発電出力に対する所定期間における排ガス温度の一方向的な変動を把握する統計量評価手段と、該統計量評価手段が把握した排ガス温度の一方向的な変動に基づいて前記ガスタービンの健全性を評価する評価手段とを具えたので、排ガス温度を検出する温度センサと発電出力を検出する発電機出力センサを用い、大量の温度検出器を使用することなく現在のプラントの運転状態を正確に監視することができ、設備コストの上昇を抑制することができる一方で、ガスタービンの異常を早期に発見して発電効率の低下や装置の損傷を確実に防止することができる。
【0124】
請求項22に係る本発明のガスタービン設備は、吸気を圧縮する圧縮機及び圧縮機で圧縮された圧縮空気と燃料とを燃焼する燃焼器及び燃焼器で得られた燃焼ガスを膨張して発電を行うタービンからなり、請求項2乃至請求項21のいずれかに記載のガスタービンの異常監視装置設備を備えたので、大量の温度検出器を不要として設備コストの上昇を抑制する一方でガスタービンの異常を早期に発見することで発電効率の低下や装置の損傷を防止したガスタービンの異常監視装置を備えたガスタービン設備とすることが可能になる。
【0125】
請求項23に係る本発明の複合発電設備は、請求項22に記載のガスタービン設備と、ガスタービン設備のタービンの排気が熱回収されて蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、排熱回収ボイラで得られた蒸気により駆動されて発電を行う蒸気タービンと、蒸気タービンを駆動した排出蒸気を復水する復水手段と、復水手段からの復水を排熱回収ボイラに給水する給水手段とを備えたので、大量の温度検出器を不要として設備コストの上昇を抑制する一方でガスタービンの異常を早期に発見することで発電効率の低下や装置の損傷を防止したガスタービンの異常監視装置を有するガスタービン設備を備えた複合発電設備とすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るガスタービンの異常監視装置を表すブロック構成図。
【図2】本実施形態のガスタービンの異常監視装置を備えた複合発電設備の概略構成図。
【図3】負荷一定時の排ガス温度の経時変化を表すグラフ。
【図4】排ガスの温度の最大値最小値の経時変化を表すグラフ。
【図5】異常な変動の頻度を表すグラフ。
【図6】本発明の第2実施形態例に係るガスタービンの異常監視装置を表すブロック構成図。
【図7】異常な変動の累積回数を表すグラフ。
【図8】余寿命評価の概念図。
【図9】本発明の他の実施施形態例に係るガスタービンの異常監視装置を表すブロック構成図。
【図10】本発明の第3実施形態例に係るガスタービンの異常監視装置を表すブロック構成図。
【図11】各排ガス温度間の相関評価を説明する表図。
【図12】各排ガス温度偏差の経時変化を表すグラフ。
【図13】本発明の第4実施形態例に係るガスタービンの異常監視装置を表すブロック構成図。
【図14】排ガス温度の経時変化を表すグラフ。
【図15】本発明の第5実施形態例に係るガスタービンの異常監視装置を表すブロック構成図。
【図16】本発明の他の実施形態例に係るガスタービンの異常監視装置を表すブロック構成図。
【符号の説明】
1 排熱回収ボイラ
2 煙突
3 蒸気タービン
4 発電機
5 復水器
6 給水ポンプ
10 発電機出力センサ(影響因子検出手段)
11 ガスタービン
12 圧縮機
13 燃焼器
14 タービン
15 発電機
17 入口案内翼
18 開度センサ
23 温度センサ
26 バイパス通路
27 燃焼器バイパス弁
28 開度センサ
35,36 圧力センサ
40 温度センサ(運転状態検出手段)
41 NOxセンサ
50,60,70,80,90,110,120 異常監視装置
51 入力手段
52 データベース
53,73 変動評価手段
54,74,84 健全性評価手段
55,65,85 出力手段
66 余寿命評価手段
77 正常規範生成手段
88 統計量評価手段
100 プラント
102 ,103 通信手段

Claims (23)

  1. 機器の異常運転状態により影響の出る運転状態を検出する運転状態検出手段と、該運転状態検出手段が検出した前記機器の運転状態に影響の高い因子を検出する影響因子検出手段と、該影響因子検出手段が検出した因子に対する前記運転状態検出手段が検出した所定期間における前記機器の運転状態に基づいて運転状態の振動的な変動又は一方向的な変動を把握し把握した振動的な変動又は一方向的な変動に基づいて前記機器の運転状態を評価する評価手段とを具えたことを特徴とする機器の異常監視装置。
  2. 高圧の燃料と空気を燃焼して生じた熱ガスによりタービンを駆動して発電するガスタービンにおいて、該ガスタービンの異常燃焼あるいは損傷により影響の出る運転状態を検出する運転状態検出手段と、該運転状態検出手段が検出した前記ガスタービンの運転状態に影響の高い因子を検出する影響因子検出手段と、該影響因子検出手段が検出した因子に対する前記運転状態検出手段が検出した所定期間における前記ガスタービンの運転状態に基づいて運転状態の振動的な変動を把握する変動評価手段と、該変動評価手段が把握した振動的な変動に基づいて前記ガスタービンの運転状態を評価する評価手段とを具えたことを特徴とするガスタービンの異常監視装置。
  3. 請求項2に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記評価手段は、前記変動評価手段が把握した振動的な変動に基づいて現在の前記ガスタービンの運転状態の健全性を評価する健全性評価手段を有することを特徴とするガスタービンの異常監視装置。
  4. 請求項2に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記評価手段は、前記変動評価手段が把握した振動的な変動に基づいて前記ガスタービンの余寿命を予測する余寿命予測手段を有することを特徴とするガスタービンの異常監視装置。
  5. 請求項2に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記評価手段は、前記変動評価手段が把握した振動的な変動に基づいて現在の前記ガスタービンの運転状態の健全性を評価する健全性評価手段を有すると共に、前記変動評価手段が把握した振動的な変動に基づいて前記ガスタービンの余寿命を予測する余寿命予測手段を有することを特徴とするガスタービンの異常監視装置。
  6. 請求項2に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記運転状態検出手段は、排ガスの温度、圧力、NOx濃度、CO濃度、燃焼器冷却蒸気の出口温度、出口圧力、入口流量、出口流量の少なくともいずれか一つを検出することを特徴とするガスタービンの異常監視装置。
  7. 請求項2に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記影響因子検出手段は、燃焼器バイパス弁の開度、圧縮機入口案内翼の開度、燃料流量、発電機出力、圧縮機出口温度、圧縮機出口圧力、燃焼器冷却蒸気の入口温度、入口圧力の少なくともいずれか一つを検出することを特徴とするガスタービンの異常監視装置。
  8. 請求項2に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記変動評価手段は、前記ガスタービンの運転状態の過去の実測値と現在の実測値から変動の振幅を求め、前記振幅を所定のしきい値と比較して変動を把握することを特徴とするガスタービンの異常監視装置。
  9. 請求項3もしくは請求項5に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記健全性評価手段は、前記変動評価手段により把握された変動を所定期間積算し、積算値が所定値を超えた場合に前記ガスタービンの状態が異常であると判断することを特徴とするガスタービンの異常監視装置。
  10. 請求項2に記載のガスタービンの異常監視装置において、さらに所定範囲の前記因子に対する前記ガスタービンの運転状態の平均値を算出する正常規範生成手段を有し、前記変動評価手段は、前記ガスタービンの運転状態から前記平均値を差し引いた偏差について振動的な変動を把握することを特徴とするガスタービンの異常監視装置。
  11. 請求項10に記載のガスタービンの異常監視装置において、1種類の運転状態を検出するための運転状態検出手段を複数個備え、正常規範生成手段は、相関値が高い運転状態検出手段を選択して運転状態の平均値を算出することを特徴とするガスタービンの異常監視装置。
  12. 請求項10に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記健全性評価手段は、前記変動評価手段により把握された変動を所定期間積算し、積算値が所定値を超えた場合に前記ガスタービンの状態が異常であると判断することを特徴とするガスタービンの異常監視装置。
  13. 高圧の燃料と空気を燃焼して生じた熱ガスによりタービンを駆動して発電するガスタービンにおいて、該ガスタービンの異常燃焼あるいは損傷により影響の出る運転状態を検出する運転状態検出手段と、該運転状態検出手段が検出した前記ガスタービンの運転状態に影響の高い因子を検出する影響因子検出手段と、該影響因子検出手段が検出した因子に対する前記運転状態検出手段が検出した所定期間における前記ガスタービンの運転状態に基づいて運転状態の一方向的な変動を把握する統計量評価手段と、該統計量評価手段が把握した一方向的な変動に基づいて前記ガスタービンの運転状態を評価する評価手段とを具えたことを特徴とするガスタービンの異常監視装置。
  14. 請求項13に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記評価手段は前記統計量評価手段が把握した一方向的な変動に基づいて現在の前記ガスタービンの運転状態の健全性を評価する健全性評価手段を有し、前記統計量評価手段は、前記ガスタービンの運転状態の過去の実測値と現在の実測値から統計量を求め、前記健全性評価手段は、前記統計量評価手段により得られた1つの統計量、あるいは2つ以上の統計量を算術演算した結果が所定のしきい値を超えた場合に前記ガスタービンの状態が異常であると判断することを特徴とするガスタービンの異常監視装置。
  15. 請求項13に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記統計量評価手段は、統計量として前記ガスタービンの運転状態の過去あるいは現在の実測値における、標準偏差、分散、最大値、最小値、平均値、中央値の少なくともいずれか1つであることを特徴とするガスタービンの異常監視装置。
  16. 請求項10に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記運転状態検出手段と前記正常規範生成手段及び前記変動評価手段との間で各種データの送受信を行う通信手段を設けたことを特徴とするガスタービンの異常監視装置。
  17. 請求項13に記載のガスタービンの異常監視装置において、前記運転状態検出手段と前記統計量評価手段との間で各種データの送受信を行う通信手段を設けたことを特徴とするガスタービンの異常監視装置。
  18. 高圧の燃料と空気を燃焼器で燃焼して生じた熱ガスによりタービンを駆動して発電するガスタービンにおいて、該ガスタービンの異常燃焼あるいは損傷により影響の出る排ガス温度を検出する温度センサと、該温度センサが検出した排ガス温度に影響の高い発電出力を検出する発電機出力センサと、発電機出力センサが検出した発電出力に対する所定期間における排ガス温度の状況に基づいて排ガス温度の振動的な変動を把握する変動評価手段と、該変動評価手段が把握した排ガス温度の振動的な変動に基づいて前記ガスタービンの運転状態の健全性を評価する評価手段とを具えたことを特徴とするガスタービンの異常監視装置。
  19. 高圧の燃料と空気を燃焼器で燃焼して生じた熱ガスによりタービンを駆動して発電するガスタービンにおいて、該ガスタービンの異常燃焼あるいは損傷により影響の出る排ガス温度を検出する温度センサと、該温度センサが検出した排ガス温度に影響の高い発電出力を検出する発電機出力センサと、発電機出力センサが検出した発電出力に対する所定期間における排ガス温度の状況に基づいて振動的な変動を把握する変動評価手段と、該変動評価手段が把握した排ガス温度の振動的な排ガス温度の変動に基づいて前記ガスタービンの余寿命を評価する評価手段とを具えたことを特徴とするガスタービンの異常監視装置。
  20. 請求項18もしくは請求項19に記載のガスタービンの異常監視装置において、さらに所定範囲の前記発電出力に対する前記ガスタービンの排ガス温度の平均値を算出する正常規範生成手段を有し、前記変動評価手段は、前記ガスタービンの排ガス温度から前記平均値を差し引いた偏差について評価を行うことを特徴とするガスタービンの異常監視装置。
  21. 高圧の燃料と空気を燃焼器で燃焼して生じた熱ガスによりタービンを駆動して発電するガスタービンにおいて、該ガスタービンの異常燃焼あるいは損傷により影響の出る排ガス温度を検出する温度センサと、該温度センサが検出した前記ガスタービンの排ガス温度に影響の高い発電出力を検出する発電機出力センサと、該発電機出力センサが検出した発電出力に対する所定期間における排ガス温度の一方向的な変動を把握する統計量評価手段と、該統計量評価手段が把握した排ガス温度の一方向的な変動に基づいて前記ガスタービンの健全性を評価する評価手段とを具えたことを特徴とするガスタービンの異常監視装置。
  22. 吸気を圧縮する圧縮機及び圧縮機で圧縮された圧縮空気と燃料とを燃焼する燃焼器及び燃焼器で得られた燃焼ガスを膨張して発電を行うタービンからなり、請求項2乃至請求項21のいずれかに記載のガスタービンの異常監視装置設備を備えたことを特徴とするガスタービン設備。
  23. 請求項22に記載のガスタービン設備と、ガスタービン設備のタービンの排気が熱回収されて蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、排熱回収ボイラで得られた蒸気により駆動されて発電を行う蒸気タービンと、蒸気タービンを駆動した排出蒸気を復水する復水手段と、復水手段からの復水を排熱回収ボイラに給水する給水手段とを備えたことを特徴とする複合発電設備。
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