JP2004324129A - 既存建物の柱梁接合部の補強工法 - Google Patents
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Abstract
【課題】補強工事中の火災に対する安全性が高く、既存建物の室内利用を妨げない補強工事が可能である既存建物の柱梁接合部の補強工法を提供する。
【解決手段】既存建物の鋼管柱2とH形鋼梁3との接合部である柱梁接合部1を補強する工法であって、縦板4a,5aと横板4b,5bとから略L字形に形成された2つの補強鋼材4,5の各縦板4a,5aを鋼管柱2の外周面2aにワンサイドボルト6で取り付け、一方の補強鋼材4の横板4bをH形鋼梁3の上方のフランジ3aにボルト7で取り付け、他方の補強鋼材5の横板5bをH形鋼梁3の下方のフランジ3bにボルト7で取り付ける。
【選択図】 図3
【解決手段】既存建物の鋼管柱2とH形鋼梁3との接合部である柱梁接合部1を補強する工法であって、縦板4a,5aと横板4b,5bとから略L字形に形成された2つの補強鋼材4,5の各縦板4a,5aを鋼管柱2の外周面2aにワンサイドボルト6で取り付け、一方の補強鋼材4の横板4bをH形鋼梁3の上方のフランジ3aにボルト7で取り付け、他方の補強鋼材5の横板5bをH形鋼梁3の下方のフランジ3bにボルト7で取り付ける。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、既に建築・建造された既存建物の柱梁接合部の耐震補強等に使用される補強工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、既存の鉄骨造建物における角形鋼管柱とH形鋼梁との接合部(柱梁接合部)は、大半が溶接により接合されている。このような柱梁接合部に対し、溶接に不具合のある箇所の補修や、設計耐力が不足している場合の補強を行うには、既存の溶接をガウジングではつり落としてから再度溶接するか、あるいは補強鋼材を溶接で取り付ける等の方法が採られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−288823号公報(第2−4頁,図1−図5等)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような方法では、溶接時に火器を使用するので、既存建物内の補強箇所周辺を火災から守るための空間の確保と養生が必要であり、一時的に補強箇所周辺の室内利用を止める必要がある。しかし、既存建物は社会・経済活動に供せられており、一時的ではあっても室内利用が規制されることは既存建物の所有者や経営者にとって受け入れがたい場合が多いので、耐震改修実施の決断と普及の促進を妨げる一因となっている。
【0005】
この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、補強工事中の火災に対する安全性が高く、既存建物の室内利用を妨げない補強工事が可能である既存建物の柱梁接合部の補強工法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1の発明は、既存建物の鋼管柱とH形鋼梁との接合部である柱梁接合部を補強する工法であって、縦板と横板とから略L字形に形成された2つの補強鋼材の各縦板を前記鋼管柱の外周面にワンサイドボルトで取り付け、一方の補強鋼材の横板を前記H形鋼梁の上方のフランジにボルトで取り付け、他方の補強鋼材の横板を前記H形鋼梁の下方のフランジにボルトで取り付けるものである。
【0007】
請求項2の発明は、前記補強鋼材と、前記フランジ又は前記鋼管柱との間にスペーサを介在させるものである。
【0008】
請求項3の発明は、前記鋼管柱の頂部に設けられた通しダイアフラム上に補強鋼板をワンサイドボルトで取り付け、前記補強鋼板を前記上方のフランジに前記一方の補強鋼材の横板と共に前記ボルトで取り付けるものである。
【0009】
請求項4の発明は、既存建物の鋼管柱とH形鋼梁との接合部である柱梁接合部を補強する工法であって、前記鋼管柱の頂部に設けられた通しダイアフラムに前記鋼管柱の内部空間と連通する作業用孔を形成し、縦板と横板とから略L字形に形成された2つの補強鋼材の各縦板を前記鋼管柱の外周面にボルトで取り付け、前記通しダイアフラム上に補強鋼板をワンサイドボルトで取り付け、一方の補強鋼材の横板を前記H形鋼梁の上方のフランジに前記補強鋼板と共にボルトで取り付け、他方の補強鋼材の横板を前記H形鋼梁の下方のフランジにボルトで取り付けるものである。
【0010】
請求項5の発明は、縦板と横板とから略L字形に形成されかつ前記縦板と前記横板との内隅部に補強リブが突設された補助補強鋼材の前記縦板を前記鋼管柱の外周面にワンサイドボルトで取り付け、前記補助補強鋼材の横板を前記フランジに前記補強鋼材の横板と共に前記ボルトで取り付けるものである。
【0011】
請求項6の発明は、前記補助補強鋼材と、前記フランジ又は前記鋼管柱との間にスペーサを介在させるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態に係る既存建物の柱梁接合部1の補強工法は、図1乃至図5に示すように、既存建物の鋼管柱2とH形鋼梁3との接合部である柱梁接合部1を補強する工法であって、2つの補強鋼材4,5の各縦板4a,5aを互いに重合するようにして鋼管柱2の外周面2aにワンサイドボルト6で取り付け、一方の補強鋼材4の横板4bをH形鋼梁3の上方のフランジ3aにボルト7で取り付け、他方の補強鋼材5の横板5bをH形鋼梁3の下方のフランジ3bにボルト7で取り付けるものである。
【0013】
鋼管柱2は、図1及び図2に示すように、横断面が正方形状に形成された角形鋼管柱であり、柱梁接合部1には、鋼管柱2の一部を構成する横断面が正方形状の接合鋼管8及び正方形板状の2つの通しダイアフラム9,10が設けられている。各通しダイアフラム9,10は接合鋼管8の上端及び下端にそれぞれ溶接されており、各通しダイアフラム9,10には上方の鋼管柱2と下方の鋼管柱2がそれぞれ溶接されている。接合鋼管8を含む鋼管柱2の横断面形状は正方形状に限定されるものではなく、円状や多角形状等であってもよい。
【0014】
H形鋼梁3は、ウェブ3cと、このウェブ3cの上縁及び下縁にそれぞれ設けられた2つのフランジ3a,3bとから横断面がH形に形成されている。上方のフランジ3aは上方の通しダイアフラム9に溶接されており、下方のフランジ3bは下方の通しダイアフラム10に溶接されている。ウェブ3cは、接合鋼管8の外周面2aに溶接されている。この実施形態においては、3つのH形鋼梁3が鋼管柱2に接合されているが、これに限定されるものではなく、1つ、2つ、又は4つのH形鋼梁3を鋼管柱2と接合することもできる。
【0015】
補強鋼材4は、図3乃至図5に示すように、縦板4aと横板4bとからL字形に形成されている。補強鋼材5も、縦板5aと横板5bとからL字形に形成されている。この実施形態においては、補強鋼材5の縦板5aと横板5bとの内隅部に補強リブ5cを突設しているが、これに限定されるものではなく、補強鋼材4の縦板4aと横板4bとの内隅部にも補強リブを突設することができる。即ち、補強リブは、必要に応じて、2つの補強鋼材4,5のうちの少なくともいずれか一方に設けることができる。この場合、補強リブは、この実施形態のように、H形鋼梁3のウェブ3c側に設けるのが望ましい。
【0016】
ワンサイドボルト6としては、トルシア形高力ワンサイドボルト(TCBB)(例えば、ハック・インターナショナル・インコーポレイテッド社製)が好適である。このワンサイドボルト6にはナット14が螺合されており、このナット14は座金15を介して縦板5a(4a)に当接するようになっている。また、図4に示すように、ワンサイドボルト6にはその頭部6a側から座屈変形可能な円管状の第1スリーブ6b及び第2スリーブ6cが外嵌されており、接合鋼管8の外側からのボルト孔11等へのワンサイドボルト6の挿入及び締め付けにより第1スリーブ6bが座屈変形して接合鋼管8の内部空間2b側に特殊座金6dが形成されるので、所定の締付トルクを確保することができる。
【0017】
ボルト7としては、高力ボルト(HTB)や超高力ボルト(SHTB)が好適である。
【0018】
柱梁接合部1の補強に際しては、図2に示すように、まず、接合鋼管8やH形鋼梁3のフランジ3a,3bの所定位置に電動ドリル等でそれぞれボルト孔11,12を形成する。次いで、図3乃至図5に示すように、2つの補強鋼材4,5の各縦板4a,5aを互いに重合するようにして接合鋼管8の外周面2aにワンサイドボルト6で取り付ける。各縦板4a,5aには、あらかじめボルト孔13を形成しておけばよい。各縦板4a,5aを重合する順は特に限定されるものではなく、いずれが接合鋼管8側に位置してもよい。
【0019】
また、一方の補強鋼材4の横板4bを上方のフランジ3aにボルト7で取り付け、他方の補強鋼材5の横板5bを下方のフランジ3bにボルト7で取り付ける。各横板4b,5bには、あらかじめボルト孔16を形成しておけばよい。各ボルト7には、座金15を介してナット14を螺合し、このナット14を締め付けて横板4b,5bをフランジ3a,3bに固定すればよい。補強鋼材4,5の取り付けに使用するワンサイドボルト6やボルト7の数は特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0020】
上記のような補強工法によれば、現場での鋼管柱2やH形鋼梁3へのボルト孔11,12の穿孔や、ワンサイドボルト6及びボルト7の締め付けだけで全強・剛接合として必要な耐力と変形能力を確保できるという利点がある。また、火器を使用する必要がないので、短期間に施工可能で補強工事中の火災に対する安全性が高く、補強箇所周辺の室内利用に対する制限も少なくて済むという利点がある。更に、補強鋼材4,5はコンパクトであるので、柱梁接合部1の補強後も室内空間の利用可能な範囲を低下させることがないという利点がある。
【0021】
ここで、図3乃至図5に示すように、補強鋼材4,5と、フランジ3a,3bや鋼管柱2(接合鋼管8)との間にスペーサ17を介在させれば、補強鋼材4,5の近傍に溶接部18等の凹凸が存在する場合であっても、補強鋼材4,5を強固に取り付けることができるという利点がある。この場合、スペーサ17には、あらかじめボルト孔13,16を形成しておけばよい。
【0022】
第2実施形態に係る既存建物の柱梁接合部1の補強工法は、図6乃至図8に示すように、第1実施形態において、補助補強鋼材21の縦板21aを鋼管柱2の外周面2aにワンサイドボルト6で取り付け、補助補強鋼材21の横板21bをフランジ3a,3bに補強鋼材4,5の横板4b,5bと共にボルト7で取り付けるものである。
【0023】
補助補強鋼材21は、縦板21aと横板21bとからL字形に形成されており、縦板21aと横板21bとの内隅部に補強リブ21cが突設されている。縦板21aには、図7に示すように、ワンサイドボルト6を挿通するためのボルト孔13があらかじめ形成されている。横板21bには、図7及び図8に示すように、ボルト7を挿通するためのボルト孔16があらかじめ形成されている。
【0024】
柱梁接合部1の補強に際しては、図6に示すように、まず、接合鋼管8やH形鋼梁3のフランジ3a,3bの他、鋼管柱2の所定位置にも電動ドリル等でボルト孔11を形成する。補助補強鋼材21の縦板21aは、第1実施形態と同様にしてワンサイドボルト6で鋼管柱2の外周面2aに取り付ける。横板21bは、一方の補強鋼材4の横板4b又は他方の補強鋼材5の横板5bと共に上方のフランジ3a又は下方のフランジ3bにボルト7で取り付ける。
【0025】
このように、補強鋼材4,5に加えて補助補強鋼材21も使用すれば、柱梁接合部1をより強固に補強できるという利点がある。ここで、図7及び図8に示すように、第1実施形態と同様、補助補強鋼材21と、フランジ3a,3bや鋼管柱2(接合鋼管8)との間にスペーサ17を介在させれば、補助補強鋼材21の近傍に溶接部18等の凹凸が存在する場合であっても、補助補強鋼材21を強固に取り付けることができるという利点がある。この場合、スペーサ17には、あらかじめボルト孔13,16を形成しておけばよい。
【0026】
第3実施形態に係る既存建物の柱梁接合部1の補強工法は、図9及び図10に示すように、第1実施形態において、鋼管柱2の頂部に設けられた通しダイアフラム9に接合鋼管8の内部空間2bと連通する作業用孔31を形成し、2つの補強鋼材4,5の各縦板4a,5aを互いに重合するようにして接合鋼管8の外周面2aにボルト7で取り付け、通しダイアフラム9上に補強鋼板32をワンサイドボルト6で取り付け、一方の補強鋼材4の横板4bを上方のフランジ3aに補強鋼板32と共にボルト7で取り付け、他方の補強鋼材5の横板5bを下方のフランジ3bにボルト7で取り付けるものである。
【0027】
補強鋼板32は、正方形状の基板32aと、この基板32aの端部に突設された3つの突出板32bとから構成されている。基板32aの所定位置には、ワンサイドボルト6を挿通するためのボルト孔11があらかじめ形成されている。突出板32bの所定位置には、ボルト7を挿通するためのボルト孔12があらかじめ形成されている。突出板32bの数は3つに限定されるものではなく、鋼管柱2と接合するH形鋼梁3の数に合わせて形成することができる。
【0028】
柱梁接合部1の補強に際しては、図9に示すように、まず、接合鋼管8やH形鋼梁3のフランジ3a,3bの他、通しダイアフラム9の所定位置にも電動ドリル等でボルト孔11を形成すると共に、作業用孔31を形成する。2つの補強鋼材4,5の各縦板4a,5aは、ボルト7で接合鋼管8の外周面2aに取り付ける。通しダイアフラム9に作業用孔31を形成すれば、ボルト7を接合鋼管8の内部空間2b側から接合鋼管8のボルト孔11及び各縦板4a,5aのボルト孔13に挿通することができる。ボルト7には、座金15を介してナット14を螺合し、このナット14を締め付けて各縦板4a,5aを接合鋼管8の外周面2aに取り付ければよい。
【0029】
補強鋼板32の基板32aは、通しダイアフラム9上にワンサイドボルト6で取り付ける。補強鋼板32の突出板32bは、一方の補強鋼材4の横板4bと共に上方のフランジ3aにボルト7で取り付ける。他方の補強鋼材5の横板5bは、第1実施形態と同様にして下方のフランジ3bにボルト7で取り付ける。
【0030】
上記のような補強工法によれば、鋼管柱2の頂部に位置する柱梁接合部1の補強をすることができ、第1実施形態と同様の利点がある。この場合、第2実施形態の補助補強鋼材21を下方のフランジ3b及び鋼管柱2に取り付けるようにすれば、柱梁接合部1をより強固に補強できるという利点がある。
【0031】
なお、通しダイアフラム9に作業用孔31を形成しない場合は、2つの補強鋼材4,5の各縦板4a,5aを接合鋼管8の外周面2aに第1実施形態と同様にしてワンサイドボルト6で取り付けることができる。
【0032】
以上の第1乃至第3実施形態においては、2つの補強鋼材4,5の各縦板4a,5aを重合するようにして取り付けているが、これに限定されるものではなく、図11に示すように、各縦板4a,5aを重合することなくそれぞれを鋼管柱2(接合鋼管8)の外周面2aに取り付けることができる。この場合、既述と同様、各縦板4a,5aと鋼管柱2(接合鋼管8)との間には、スペーサ17を介在させることもできる。
【0033】
また、補強鋼材4,5や補助補強鋼材21をL字形に形成、即ち、縦板4a,5aと横板4b,5bがなす角度や、縦板21aと横板21bがなす角度を直角としているが、これに限定されるものではなく、H形鋼梁3のウェブ3cが鋼管柱2側に向かって幅広に形成されている場合、縦板4a,5aと横板4b,5bがなす角度や、縦板21aと横板21bがなす角度は、フランジ3a,3bの傾斜角度に合わせて鋭角又は鈍角とすることができる。
【0034】
なお、図11に示す例では、補強鋼材4,5に補強リブ5c等を設けていないが、この場合も既述のように、補強リブは2つの補強鋼材4,5のうちの少なくともいずれか一方に設けることができる。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明によれば、現場での鋼管柱やH形鋼梁へのボルト孔の穿孔や、ワンサイドボルト及びボルトの締め付けだけで全強・剛接合として必要な耐力と変形能力を確保できる。また、火器を使用する必要がないので、短期間に施工可能で補強工事中の火災に対する安全性が高く、補強箇所周辺の室内利用に対する制限も少なくて済む。更に、補強鋼材はコンパクトであるので、柱梁接合部の補強後も室内空間の利用可能な範囲を低下させることがない。
【0036】
請求項2の発明によれば、補強鋼材と、フランジ又は鋼管柱との間にスペーサを介在させるので、補強鋼材の近傍に溶接部等の凹凸が存在する場合であっても、補強鋼材を強固に取り付けることができる。
【0037】
請求項3の発明によれば、鋼管柱の頂部に位置する柱梁接合部の補強をすることができ、請求項1と同様の効果がある。
【0038】
請求項4の発明によれば、鋼管柱の頂部に位置する柱梁接合部の補強をすることができ、請求項1と同様の効果があると共に、補強鋼材をボルトでより強固に取り付けることができる。
【0039】
請求項5の発明によれば、補強鋼材に加えて補助補強鋼材も使用するので、柱梁接合部をより強固に補強できる。
【0040】
請求項6の発明によれば、補助補強鋼材と、フランジ又は鋼管柱との間にスペーサを介在させるので、補助補強鋼材の近傍に溶接部等の凹凸が存在する場合であっても、補助補強鋼材を強固に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る既存建物の柱梁接合部の補強工法において、ボルト孔を形成する前の状態を示す斜視図。
【図2】ボルト孔を形成した状態を示す斜視図。
【図3】補強鋼材を取り付けた状態を示す側面図。
【図4】図3のA−A線断面図。
【図5】補強鋼材を取り付けた状態を示す正面図。
【図6】第2実施形態に係る既存建物の柱梁接合部の補強工法において、ボルト孔を形成した状態を示す斜視図。
【図7】補強鋼材及び補助補強鋼材を取り付けた状態を示す側面図。
【図8】補強鋼材及び補助補強鋼材を取り付けた状態を示す正面図。
【図9】第3実施形態に係る既存建物の柱梁接合部の補強工法において、補強鋼板を取り付ける様子を示す斜視図。
【図10】補強鋼材及び補強鋼板を取り付けた状態を示す概略正面図。
【図11】補強鋼材の各縦板を重合しないで取り付けた状態を示す側面図。
【符号の説明】
1 柱梁接合部
2 鋼管柱
2a 外周面
3 H形鋼梁
3a,3b フランジ
4,5 補強鋼材
4a,5a 縦板
4b,5b 横板
6 ワンサイドボルト
7 ボルト
17 スペーサ
21 補助補強鋼材
21a 縦板
21b 横板
21c 補強リブ
31 作業用孔
32 補強鋼板
【発明の属する技術分野】
この発明は、既に建築・建造された既存建物の柱梁接合部の耐震補強等に使用される補強工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、既存の鉄骨造建物における角形鋼管柱とH形鋼梁との接合部(柱梁接合部)は、大半が溶接により接合されている。このような柱梁接合部に対し、溶接に不具合のある箇所の補修や、設計耐力が不足している場合の補強を行うには、既存の溶接をガウジングではつり落としてから再度溶接するか、あるいは補強鋼材を溶接で取り付ける等の方法が採られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−288823号公報(第2−4頁,図1−図5等)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような方法では、溶接時に火器を使用するので、既存建物内の補強箇所周辺を火災から守るための空間の確保と養生が必要であり、一時的に補強箇所周辺の室内利用を止める必要がある。しかし、既存建物は社会・経済活動に供せられており、一時的ではあっても室内利用が規制されることは既存建物の所有者や経営者にとって受け入れがたい場合が多いので、耐震改修実施の決断と普及の促進を妨げる一因となっている。
【0005】
この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、補強工事中の火災に対する安全性が高く、既存建物の室内利用を妨げない補強工事が可能である既存建物の柱梁接合部の補強工法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1の発明は、既存建物の鋼管柱とH形鋼梁との接合部である柱梁接合部を補強する工法であって、縦板と横板とから略L字形に形成された2つの補強鋼材の各縦板を前記鋼管柱の外周面にワンサイドボルトで取り付け、一方の補強鋼材の横板を前記H形鋼梁の上方のフランジにボルトで取り付け、他方の補強鋼材の横板を前記H形鋼梁の下方のフランジにボルトで取り付けるものである。
【0007】
請求項2の発明は、前記補強鋼材と、前記フランジ又は前記鋼管柱との間にスペーサを介在させるものである。
【0008】
請求項3の発明は、前記鋼管柱の頂部に設けられた通しダイアフラム上に補強鋼板をワンサイドボルトで取り付け、前記補強鋼板を前記上方のフランジに前記一方の補強鋼材の横板と共に前記ボルトで取り付けるものである。
【0009】
請求項4の発明は、既存建物の鋼管柱とH形鋼梁との接合部である柱梁接合部を補強する工法であって、前記鋼管柱の頂部に設けられた通しダイアフラムに前記鋼管柱の内部空間と連通する作業用孔を形成し、縦板と横板とから略L字形に形成された2つの補強鋼材の各縦板を前記鋼管柱の外周面にボルトで取り付け、前記通しダイアフラム上に補強鋼板をワンサイドボルトで取り付け、一方の補強鋼材の横板を前記H形鋼梁の上方のフランジに前記補強鋼板と共にボルトで取り付け、他方の補強鋼材の横板を前記H形鋼梁の下方のフランジにボルトで取り付けるものである。
【0010】
請求項5の発明は、縦板と横板とから略L字形に形成されかつ前記縦板と前記横板との内隅部に補強リブが突設された補助補強鋼材の前記縦板を前記鋼管柱の外周面にワンサイドボルトで取り付け、前記補助補強鋼材の横板を前記フランジに前記補強鋼材の横板と共に前記ボルトで取り付けるものである。
【0011】
請求項6の発明は、前記補助補強鋼材と、前記フランジ又は前記鋼管柱との間にスペーサを介在させるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態に係る既存建物の柱梁接合部1の補強工法は、図1乃至図5に示すように、既存建物の鋼管柱2とH形鋼梁3との接合部である柱梁接合部1を補強する工法であって、2つの補強鋼材4,5の各縦板4a,5aを互いに重合するようにして鋼管柱2の外周面2aにワンサイドボルト6で取り付け、一方の補強鋼材4の横板4bをH形鋼梁3の上方のフランジ3aにボルト7で取り付け、他方の補強鋼材5の横板5bをH形鋼梁3の下方のフランジ3bにボルト7で取り付けるものである。
【0013】
鋼管柱2は、図1及び図2に示すように、横断面が正方形状に形成された角形鋼管柱であり、柱梁接合部1には、鋼管柱2の一部を構成する横断面が正方形状の接合鋼管8及び正方形板状の2つの通しダイアフラム9,10が設けられている。各通しダイアフラム9,10は接合鋼管8の上端及び下端にそれぞれ溶接されており、各通しダイアフラム9,10には上方の鋼管柱2と下方の鋼管柱2がそれぞれ溶接されている。接合鋼管8を含む鋼管柱2の横断面形状は正方形状に限定されるものではなく、円状や多角形状等であってもよい。
【0014】
H形鋼梁3は、ウェブ3cと、このウェブ3cの上縁及び下縁にそれぞれ設けられた2つのフランジ3a,3bとから横断面がH形に形成されている。上方のフランジ3aは上方の通しダイアフラム9に溶接されており、下方のフランジ3bは下方の通しダイアフラム10に溶接されている。ウェブ3cは、接合鋼管8の外周面2aに溶接されている。この実施形態においては、3つのH形鋼梁3が鋼管柱2に接合されているが、これに限定されるものではなく、1つ、2つ、又は4つのH形鋼梁3を鋼管柱2と接合することもできる。
【0015】
補強鋼材4は、図3乃至図5に示すように、縦板4aと横板4bとからL字形に形成されている。補強鋼材5も、縦板5aと横板5bとからL字形に形成されている。この実施形態においては、補強鋼材5の縦板5aと横板5bとの内隅部に補強リブ5cを突設しているが、これに限定されるものではなく、補強鋼材4の縦板4aと横板4bとの内隅部にも補強リブを突設することができる。即ち、補強リブは、必要に応じて、2つの補強鋼材4,5のうちの少なくともいずれか一方に設けることができる。この場合、補強リブは、この実施形態のように、H形鋼梁3のウェブ3c側に設けるのが望ましい。
【0016】
ワンサイドボルト6としては、トルシア形高力ワンサイドボルト(TCBB)(例えば、ハック・インターナショナル・インコーポレイテッド社製)が好適である。このワンサイドボルト6にはナット14が螺合されており、このナット14は座金15を介して縦板5a(4a)に当接するようになっている。また、図4に示すように、ワンサイドボルト6にはその頭部6a側から座屈変形可能な円管状の第1スリーブ6b及び第2スリーブ6cが外嵌されており、接合鋼管8の外側からのボルト孔11等へのワンサイドボルト6の挿入及び締め付けにより第1スリーブ6bが座屈変形して接合鋼管8の内部空間2b側に特殊座金6dが形成されるので、所定の締付トルクを確保することができる。
【0017】
ボルト7としては、高力ボルト(HTB)や超高力ボルト(SHTB)が好適である。
【0018】
柱梁接合部1の補強に際しては、図2に示すように、まず、接合鋼管8やH形鋼梁3のフランジ3a,3bの所定位置に電動ドリル等でそれぞれボルト孔11,12を形成する。次いで、図3乃至図5に示すように、2つの補強鋼材4,5の各縦板4a,5aを互いに重合するようにして接合鋼管8の外周面2aにワンサイドボルト6で取り付ける。各縦板4a,5aには、あらかじめボルト孔13を形成しておけばよい。各縦板4a,5aを重合する順は特に限定されるものではなく、いずれが接合鋼管8側に位置してもよい。
【0019】
また、一方の補強鋼材4の横板4bを上方のフランジ3aにボルト7で取り付け、他方の補強鋼材5の横板5bを下方のフランジ3bにボルト7で取り付ける。各横板4b,5bには、あらかじめボルト孔16を形成しておけばよい。各ボルト7には、座金15を介してナット14を螺合し、このナット14を締め付けて横板4b,5bをフランジ3a,3bに固定すればよい。補強鋼材4,5の取り付けに使用するワンサイドボルト6やボルト7の数は特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0020】
上記のような補強工法によれば、現場での鋼管柱2やH形鋼梁3へのボルト孔11,12の穿孔や、ワンサイドボルト6及びボルト7の締め付けだけで全強・剛接合として必要な耐力と変形能力を確保できるという利点がある。また、火器を使用する必要がないので、短期間に施工可能で補強工事中の火災に対する安全性が高く、補強箇所周辺の室内利用に対する制限も少なくて済むという利点がある。更に、補強鋼材4,5はコンパクトであるので、柱梁接合部1の補強後も室内空間の利用可能な範囲を低下させることがないという利点がある。
【0021】
ここで、図3乃至図5に示すように、補強鋼材4,5と、フランジ3a,3bや鋼管柱2(接合鋼管8)との間にスペーサ17を介在させれば、補強鋼材4,5の近傍に溶接部18等の凹凸が存在する場合であっても、補強鋼材4,5を強固に取り付けることができるという利点がある。この場合、スペーサ17には、あらかじめボルト孔13,16を形成しておけばよい。
【0022】
第2実施形態に係る既存建物の柱梁接合部1の補強工法は、図6乃至図8に示すように、第1実施形態において、補助補強鋼材21の縦板21aを鋼管柱2の外周面2aにワンサイドボルト6で取り付け、補助補強鋼材21の横板21bをフランジ3a,3bに補強鋼材4,5の横板4b,5bと共にボルト7で取り付けるものである。
【0023】
補助補強鋼材21は、縦板21aと横板21bとからL字形に形成されており、縦板21aと横板21bとの内隅部に補強リブ21cが突設されている。縦板21aには、図7に示すように、ワンサイドボルト6を挿通するためのボルト孔13があらかじめ形成されている。横板21bには、図7及び図8に示すように、ボルト7を挿通するためのボルト孔16があらかじめ形成されている。
【0024】
柱梁接合部1の補強に際しては、図6に示すように、まず、接合鋼管8やH形鋼梁3のフランジ3a,3bの他、鋼管柱2の所定位置にも電動ドリル等でボルト孔11を形成する。補助補強鋼材21の縦板21aは、第1実施形態と同様にしてワンサイドボルト6で鋼管柱2の外周面2aに取り付ける。横板21bは、一方の補強鋼材4の横板4b又は他方の補強鋼材5の横板5bと共に上方のフランジ3a又は下方のフランジ3bにボルト7で取り付ける。
【0025】
このように、補強鋼材4,5に加えて補助補強鋼材21も使用すれば、柱梁接合部1をより強固に補強できるという利点がある。ここで、図7及び図8に示すように、第1実施形態と同様、補助補強鋼材21と、フランジ3a,3bや鋼管柱2(接合鋼管8)との間にスペーサ17を介在させれば、補助補強鋼材21の近傍に溶接部18等の凹凸が存在する場合であっても、補助補強鋼材21を強固に取り付けることができるという利点がある。この場合、スペーサ17には、あらかじめボルト孔13,16を形成しておけばよい。
【0026】
第3実施形態に係る既存建物の柱梁接合部1の補強工法は、図9及び図10に示すように、第1実施形態において、鋼管柱2の頂部に設けられた通しダイアフラム9に接合鋼管8の内部空間2bと連通する作業用孔31を形成し、2つの補強鋼材4,5の各縦板4a,5aを互いに重合するようにして接合鋼管8の外周面2aにボルト7で取り付け、通しダイアフラム9上に補強鋼板32をワンサイドボルト6で取り付け、一方の補強鋼材4の横板4bを上方のフランジ3aに補強鋼板32と共にボルト7で取り付け、他方の補強鋼材5の横板5bを下方のフランジ3bにボルト7で取り付けるものである。
【0027】
補強鋼板32は、正方形状の基板32aと、この基板32aの端部に突設された3つの突出板32bとから構成されている。基板32aの所定位置には、ワンサイドボルト6を挿通するためのボルト孔11があらかじめ形成されている。突出板32bの所定位置には、ボルト7を挿通するためのボルト孔12があらかじめ形成されている。突出板32bの数は3つに限定されるものではなく、鋼管柱2と接合するH形鋼梁3の数に合わせて形成することができる。
【0028】
柱梁接合部1の補強に際しては、図9に示すように、まず、接合鋼管8やH形鋼梁3のフランジ3a,3bの他、通しダイアフラム9の所定位置にも電動ドリル等でボルト孔11を形成すると共に、作業用孔31を形成する。2つの補強鋼材4,5の各縦板4a,5aは、ボルト7で接合鋼管8の外周面2aに取り付ける。通しダイアフラム9に作業用孔31を形成すれば、ボルト7を接合鋼管8の内部空間2b側から接合鋼管8のボルト孔11及び各縦板4a,5aのボルト孔13に挿通することができる。ボルト7には、座金15を介してナット14を螺合し、このナット14を締め付けて各縦板4a,5aを接合鋼管8の外周面2aに取り付ければよい。
【0029】
補強鋼板32の基板32aは、通しダイアフラム9上にワンサイドボルト6で取り付ける。補強鋼板32の突出板32bは、一方の補強鋼材4の横板4bと共に上方のフランジ3aにボルト7で取り付ける。他方の補強鋼材5の横板5bは、第1実施形態と同様にして下方のフランジ3bにボルト7で取り付ける。
【0030】
上記のような補強工法によれば、鋼管柱2の頂部に位置する柱梁接合部1の補強をすることができ、第1実施形態と同様の利点がある。この場合、第2実施形態の補助補強鋼材21を下方のフランジ3b及び鋼管柱2に取り付けるようにすれば、柱梁接合部1をより強固に補強できるという利点がある。
【0031】
なお、通しダイアフラム9に作業用孔31を形成しない場合は、2つの補強鋼材4,5の各縦板4a,5aを接合鋼管8の外周面2aに第1実施形態と同様にしてワンサイドボルト6で取り付けることができる。
【0032】
以上の第1乃至第3実施形態においては、2つの補強鋼材4,5の各縦板4a,5aを重合するようにして取り付けているが、これに限定されるものではなく、図11に示すように、各縦板4a,5aを重合することなくそれぞれを鋼管柱2(接合鋼管8)の外周面2aに取り付けることができる。この場合、既述と同様、各縦板4a,5aと鋼管柱2(接合鋼管8)との間には、スペーサ17を介在させることもできる。
【0033】
また、補強鋼材4,5や補助補強鋼材21をL字形に形成、即ち、縦板4a,5aと横板4b,5bがなす角度や、縦板21aと横板21bがなす角度を直角としているが、これに限定されるものではなく、H形鋼梁3のウェブ3cが鋼管柱2側に向かって幅広に形成されている場合、縦板4a,5aと横板4b,5bがなす角度や、縦板21aと横板21bがなす角度は、フランジ3a,3bの傾斜角度に合わせて鋭角又は鈍角とすることができる。
【0034】
なお、図11に示す例では、補強鋼材4,5に補強リブ5c等を設けていないが、この場合も既述のように、補強リブは2つの補強鋼材4,5のうちの少なくともいずれか一方に設けることができる。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明によれば、現場での鋼管柱やH形鋼梁へのボルト孔の穿孔や、ワンサイドボルト及びボルトの締め付けだけで全強・剛接合として必要な耐力と変形能力を確保できる。また、火器を使用する必要がないので、短期間に施工可能で補強工事中の火災に対する安全性が高く、補強箇所周辺の室内利用に対する制限も少なくて済む。更に、補強鋼材はコンパクトであるので、柱梁接合部の補強後も室内空間の利用可能な範囲を低下させることがない。
【0036】
請求項2の発明によれば、補強鋼材と、フランジ又は鋼管柱との間にスペーサを介在させるので、補強鋼材の近傍に溶接部等の凹凸が存在する場合であっても、補強鋼材を強固に取り付けることができる。
【0037】
請求項3の発明によれば、鋼管柱の頂部に位置する柱梁接合部の補強をすることができ、請求項1と同様の効果がある。
【0038】
請求項4の発明によれば、鋼管柱の頂部に位置する柱梁接合部の補強をすることができ、請求項1と同様の効果があると共に、補強鋼材をボルトでより強固に取り付けることができる。
【0039】
請求項5の発明によれば、補強鋼材に加えて補助補強鋼材も使用するので、柱梁接合部をより強固に補強できる。
【0040】
請求項6の発明によれば、補助補強鋼材と、フランジ又は鋼管柱との間にスペーサを介在させるので、補助補強鋼材の近傍に溶接部等の凹凸が存在する場合であっても、補助補強鋼材を強固に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る既存建物の柱梁接合部の補強工法において、ボルト孔を形成する前の状態を示す斜視図。
【図2】ボルト孔を形成した状態を示す斜視図。
【図3】補強鋼材を取り付けた状態を示す側面図。
【図4】図3のA−A線断面図。
【図5】補強鋼材を取り付けた状態を示す正面図。
【図6】第2実施形態に係る既存建物の柱梁接合部の補強工法において、ボルト孔を形成した状態を示す斜視図。
【図7】補強鋼材及び補助補強鋼材を取り付けた状態を示す側面図。
【図8】補強鋼材及び補助補強鋼材を取り付けた状態を示す正面図。
【図9】第3実施形態に係る既存建物の柱梁接合部の補強工法において、補強鋼板を取り付ける様子を示す斜視図。
【図10】補強鋼材及び補強鋼板を取り付けた状態を示す概略正面図。
【図11】補強鋼材の各縦板を重合しないで取り付けた状態を示す側面図。
【符号の説明】
1 柱梁接合部
2 鋼管柱
2a 外周面
3 H形鋼梁
3a,3b フランジ
4,5 補強鋼材
4a,5a 縦板
4b,5b 横板
6 ワンサイドボルト
7 ボルト
17 スペーサ
21 補助補強鋼材
21a 縦板
21b 横板
21c 補強リブ
31 作業用孔
32 補強鋼板
Claims (6)
- 既存建物の鋼管柱とH形鋼梁との接合部である柱梁接合部を補強する工法であって、
縦板と横板とから略L字形に形成された2つの補強鋼材の各縦板を前記鋼管柱の外周面にワンサイドボルトで取り付け、
一方の補強鋼材の横板を前記H形鋼梁の上方のフランジにボルトで取り付け、他方の補強鋼材の横板を前記H形鋼梁の下方のフランジにボルトで取り付けることを特徴とする既存建物の柱梁接合部の補強工法。 - 前記補強鋼材と、前記フランジ又は前記鋼管柱との間にスペーサを介在させる請求項1記載の既存建物の柱梁接合部の補強工法。
- 前記鋼管柱の頂部に設けられた通しダイアフラム上に補強鋼板をワンサイドボルトで取り付け、
前記補強鋼板を前記上方のフランジに前記一方の補強鋼材の横板と共に前記ボルトで取り付ける請求項1又は2記載の既存建物の柱梁接合部の補強工法。 - 既存建物の鋼管柱とH形鋼梁との接合部である柱梁接合部を補強する工法であって、
前記鋼管柱の頂部に設けられた通しダイアフラムに前記鋼管柱の内部空間と連通する作業用孔を形成し、
縦板と横板とから略L字形に形成された2つの補強鋼材の各縦板を前記鋼管柱の外周面にボルトで取り付け、
前記通しダイアフラム上に補強鋼板をワンサイドボルトで取り付け、
一方の補強鋼材の横板を前記H形鋼梁の上方のフランジに前記補強鋼板と共にボルトで取り付け、
他方の補強鋼材の横板を前記H形鋼梁の下方のフランジにボルトで取り付けることを特徴とする既存建物の柱梁接合部の補強工法。 - 縦板と横板とから略L字形に形成されかつ前記縦板と前記横板との内隅部に補強リブが突設された補助補強鋼材の前記縦板を前記鋼管柱の外周面にワンサイドボルトで取り付け、
前記補助補強鋼材の横板を前記フランジに前記補強鋼材の横板と共に前記ボルトで取り付ける請求項1乃至4のいずれか記載の既存建物の柱梁接合部の補強工法。 - 前記補助補強鋼材と、前記フランジ又は前記鋼管柱との間にスペーサを介在させる請求項5記載の既存建物の柱梁接合部の補強工法。
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